DRBD 8.3の開発終了に伴う今後の対応について

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株式会社サードウェア久保元治

(LINBIT 認定 DRBD コンサルタント )

DRBD 8.3 の開発終了に伴う今後の対応について

8.3 、 8.4 、 9 の位置付けとロードマップ

認定バイナリとフリー版の取り扱いの違い



目次● DRBD 8.3 開発終了● DRBD 8.3 vs 8.4● DRBD 9● OSS バイナリと認定バイナリ



DRBD 8.3 開発終了



DRBD 8.3.16 開発終了Subject: [DRBD-announce] drbd-8.3.16.tar.gzDate: Fri, 20 Sep 2013 20:54:50 +0200 (CEST)From: Philipp Reisner <[email protected]>To: [email protected]

Hi,

A number of exotic bugs fixed, after 9 month it really became timeto release these improvements. Probably the most important changesare the improvements to the OCF RA.

We stopped tracking the upstream kernel. The upstream kernel hasalready a drbd-8.4.3+ included. The soon following 8.4.4 release willhave all the fixes of this release, and will work with the upstreamkernel.

If nothing unforeseen happens, this is the last drbd-8.3.x release.



今後のサポートは？● DRBD 8.3.16

● OSS としてのサポートは ML ベースで継続● 機能強化とバグ修正は終了● 商用サポートユーザは最長 2022 年までサポート

● DRBD 8.4● 今後の機能強化とバグ対応のメインバージョン



DRBD 8.3v.s.

DRBD 8.4



8.3 と 8.4 のおもな違い● 「ボリューム」の導入● 多段スタック (8.4.2 〜 )● アクティビティログの改良 (8.4.3 〜 )● 構文の変更

● 8.3 構文も引き続きサポート● 細かい改良



DRBD 8.3

リソースおよびボリューム

リソース 1

DRBD 8.4リソース 1

リソース 2

/dev/sdb1

/dev/sdb2

volume 0(/dev/sdb1)

volume 1(/dev/sdb2)



DRBD 8.3


DRBD 8.4resource r1 { device /dev/drbd0; disk /dev/sdb1; meta-disk internal; on node1 { address 192.168.0.1:7788; } on node2 { address 192.168.0.2:7788; }}resource r2 { device /dev/drbd1; disk /dev/sdb2; meta-disk internal; on node1 { address 192.168.0.1:7789; } on node2 { address 192.168.0.2:7789; }}

resource r1 { volume 0 { device /dev/drbd0; disk /dev/sdb1; meta-disk internal; } volume 1 { device /dev/drbd1; disk /dev/sdb2; meta-disk internal; } on node1 { address 192.168.0.1:7788; } on node2 { address 192.168.0.2:7788; }}



リソースおよびボリューム● データ整合性 = 書き込み順序● 複数コネクション (8.3)

● デバイスごとの書き込み順序は維持される● デバイスをまたぐ書き込み順序は保証されない

● 単一コネクション (8.4)● デバイスをまたぐ書き込み順序も保証される



物理ボリューム


/dev/drbd0(/dev/sdb1)

/dev/drbd1(/dev/sdb2)

ボリュームグループ VolGroup0

DB データ論理ボリューム NFS データ

DRBD 8.3

DRBD 8.4

クラッシュ時にデータ整合性は保証されない

クラッシュ時もデータ整合性が保証される



多段スタック● 従来は 2 段スタックをサポート

● 最大 4 ノードのレプリケーション● 段数制限を解除



アクティビティログの改良 (8.4.3 〜 )● アクティビティログ

● ホットエリア● 現在活発に書き込まれているエクステント

● コールドエリア● 完全同期済みで最近書き込まれていないエクステント

● アクティブエクステント ( ホットエリア ) 最大数の制限あり



アクティビティログの改良 (8.4.3 〜 )

コールドコールド書き込み開始

書き込み開始

ホット！ホット！両ノードに

書き込み完了( 完全同期 )

両ノードに書き込み完了( 完全同期 )

コールド



アクティビティログの改良 (8.4.3 〜 )

プライマリセカンダリ



アクティビティログの改良 (8.4.3 〜 )● オーバヘッドを最大 64 倍改善

● 多数のコネクションを持つ DB 処理などに顕著に効果がみられる

● アクティブエクステント最大数を 65534 に拡大

フラッシュストレージなどに対するランダム書き込み時のレプリケーション性能が

飛躍的に向上



変更点 (8.3→8.4)● 設定ファイルの構文が変更された

● boolean タイプのパラメータには yes/no を指定● syncer セクションが解体された● protocol は net セクションのパラメータになった● options セクションが新設された

● 8.3 の構文は引き続きサポートされる



変更点 (8.3→8.4)● オンラインのまま

● プロトコルを変更できる● シングル⇔デュアルプライマリを切り替えられる

● drbdadm の構文が変わった● 8.3: drbdadm [ オプション ] コマンドリソース● 8.4: drbdadm コマンド [ オプション ] リソース● いくつかの新しいコマンド

● 同期のデフォルトが固定速度から可変速度に変更● いくつかのデフォルト値の変更



DRBD 9



DRBD9 の開発状況● drbd-9.0.0pre8.tar.gz (2014/02/07)● 正式リリースは本年後半の見込み● 関連プロジェクト DRBD Manager



DRBD9● 1:n レプリケーション● n: 仕様上無制限、 32 ノードまで試験済み● ノードの動的追加・削除

primary secondary

secondary

secondary



スタッキング vs 多ノード● スタッキング (DRBD 8.X)

● 設定と制御が複雑● 上段メタデータは下段でレプリケートする必要がある● 段ごとのアクティビティログの処理 ( オーバヘッド大 )

● 多ノード● あらかじめ最大ノード数を想定したメタデータを作成● 必要になったらノードを追加・削除● アクティビティログのオーバヘッドが軽減される



DRBD9 ：設定ファイルresource example { volume 0 { ... } volume 1 { ... } on node01 { ... address 10.0.42.1:7001; } on node02 { ... address 10.0.42.2:7002; } on node03 { ... address 10.0.42.3:7003; } connection { host node01 port 7001; host node02 port 7002; } connection { host node02 port 7002; host node03 port 7003; } . . .}



DRBD9: 自動プロモート● DRBD領域にアクセスすれば自動的に Primary に昇格

# drbdadm primary resource# mount /dev/drbd0 /mountpoint# データにアクセス# umount /dev/drbd0# drbdadm secondary resource

# drbdadm primary resource# mount /dev/drbd0 /mountpoint# データにアクセス# umount /dev/drbd0# drbdadm secondary resource

DRBD 8.X DRBD 9



DRBD Manager● DRBD デバイス追加・削除の「儀式」を肩代わり

● LVを作る (lvcreate)● 設定ファイルを書く (vi または emacs など )● メタデータを作る (drbdadm create-md)● 初期同期する (drbdadm –overwrite-data-of-peer)

● drbdmanage new-volume r0 50 deploy 4● 4 ノード構成の 50ギガバイトのリソースを作る



OSS バイナリv.s.

認定バイナリ



DRBD の入手方法● ソースコード

● http://oss.linbit.com/drbd/● コミュニティバイナリ

● Debian 、Ubuntu: ディストリビューションに含まれる● RHEL5 、CentOS5: CentOS extras● RHEL5 、CentOS6: ATrpms 、 ELRepo など

● 認定バイナリ● LINBITクラスタスタック・サポート契約ユーザに提供● 「 DRBD 8.4 導入マニュアル / 認定バイナリセット」

http://oss.linbit.com/drbd/



OSS バイナリと認定バイナリの違い● ソースコードに違いはありません● 認定バイナリの付加価値は

● 開発ベンダーによるサポートが受けられる● 最長 2022 年までの長期サポート● ホットフィックスによる修正版提供 (ゴールド以上 )

● ( ただしサポート費用が必要 )

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