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北海道大学高等教育推進機構 科学技術コミュニケーション教育研究部門 CoSTEP講義|モジュール7/多様な立場の理解2 日時:2010128日'水( 会場:北海道大学高等教育推進機構 1 Copyright アカデミック・リソース・ガイド株式会社 All Rights Reserved. 岡本真'@argアカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役/プロデューサー 学問を生かす社会へ -ウェブが架橋する社会と学問 http://www.arg.ne.jp/

Hokudai Costep(20101208)

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北海道大学高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門'CoSTEP(

講義|モジュール7/多様な立場の理解2

日時:2010年12月8日'水(会場:北海道大学高等教育推進機構

1

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岡本真'@arg(

アカデミック・リソース・ガイド株式会社代表取締役/プロデューサー

学問を生かす社会へ-ウェブが架橋する社会と学問

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自己紹介-岡本真'おかもと・まこと(

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現在: アカデミック・リソース・ガイド株式会社

代表取締役/プロデューサー ACADEMIC RESOURCE GUIDE編集長

兼任 京都大学 情報学研究科 非常勤研究員 国立情報学研究所 産学連携研究員 東京大学 工学系研究科 総合研究機構 研究員 早稲田大学 ITバイオマイニング研究所 客員研究員 大妻女子大学 社会情報学部 非常勤講師 関西学院大学 文学部 非常勤講師

過去: 国際基督教大学卒業'1997年( 編集者等を経て、 1999年~2009年、ヤフー株式会社に在籍

Yahoo!知恵袋、Yahoo!検索ランキング等の企画・設計・運用

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[参考]『ブックビジネス2.0』

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目次: 仲俣暁生「はじめに」 津田大介「電子書籍で著者と出版社の関係はどう変わるか」 橋本大也「印税90%が可能なエコシステムを」 岡本真「未来の図書館のためのグランドデザイン」 長尾真「ディジタル時代の本・読者・図書館」 野口祐子「多様化するコンテンツと著作権・ライセンス」 渡辺智暁「ウィキペディアから「出版」を考える」 金正勲「「コンテンツ2.0」時代の政策と制度設計」

書誌: 実業之日本社 2010年 1995円

iPhoneアプリ版(電子書籍)も発売中!

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[参考]アカデミック・リソース・ガイド株式会社

創業: 2009年9月30日

前史: 1998年7月11日創刊のメールマガジン

“ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG)”

ビジョン: 「学問を生かす社会へ」

体制: 役員1名+インターン3名

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[参考]アカデミック・リソース・ガイド株式会社

業務:

1. インターネットサービスの企画、開発、運用

2. インターネット活用の研修、コンサルティング

3. ウェブ技術に関わる産官学連携のコンサルティング、仲介

4. 地域社会の活性化に関わるコンサルティング

5. 前各号に附帯する執筆、出版、講演、講義

6. 前各号に附帯する一切の事業

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本日の目的と構成

目的:1. 1998年以降のACADEMIC RESOURCE GUIDE

'ARG(の活動を紹介する。2. 1. に基づき、主にウェブを用いて社会と学問を架橋

する取り組みの実績と課題を検討する。3. さらに 1. と 2. に基づいて、イベント開催を通じて、

社会と学問を架橋する取り組みの実績と課題を検討する。

構成:1. ACADEMIC RESOURCE GUIDE'ARG(の発行

'≒オンライン(2. ARGカフェ&ARGフェストの開催'≒オフライン(

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ACADEMIC RESOURCE GUIDE'ARG(の発行'オンライン(

情報と情報が出会える場を設計するということ

そして、そこからのコラボレーションへ

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ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG)

1998年7月創刊、週刊、5000部、無料

「インターネットの学術利用」がテーマ

約150人の執筆者、約450回の発行

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ARGの企画意図-2つの断絶の把握

1. 分野と分野の間 2. 市民と専門家の間

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ARGの企画意図-2つの解決イメージ

1. 分野と分野の間 2. 市民と専門家の間

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ARGの設計

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記事の編集方針

1. 分野を問わない ⇔ 専門分野の接続

2. 発信者を問わない ⇔ 市民と専門家の接続

3. 「学術利用」への関心という一点の接点

媒体の採用方針

メールマガジンの継続 ⇔ コミュニティー形成

モチベーションとしての部数と大台到達

情報蓄積としてのブログ

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ARGの設計-ビジョンとミッション'創刊時(

広げよう、インターネットの学術利用

•専門分野の横断

•市民と専門家の接続

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[参考]ARGのビジョンの変遷

創刊時• 「電子メディアの学術利用」

数年後• 「インターネットの学術利用」

~2008• 「広げよう、インターネットの学術利用」

2009~• 「学問を生かす社会へ」

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ARGの運営'編集と発行(

記事の種類

外部への依頼記事 羅針盤

過去150人執筆

編集部の執筆記事 特集・小特集

~への招待

新着・新発見リソース

イベントカレンダー

編集日誌

運営の裏側

出版物としての地位確保 ISSNの取得

1881-381X

国立国会図書館との連携

編集長という設定

収益構造 無料配信

原稿料の扱い

恩恵の考え方

わらしべ長者'「縁」(

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メディアとしてのARGの成果'1(

知見の先行

研究の誕生

構想の提言

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メディアとしてのARGの成果'2(-知見の先行

指宿信「ネット文献の引用方法について-学術資源としてのネットの可能性」'第054号、2000-02-05(

• 「参照文献の書き方'補遺(電子文献参照の書き方」'2003年(

森山和道「研究者の方々へ、ウェブ日記のすすめ」'第041号、1999-09-25(

•ブログの普及'2005年(

鵜川義弘「学術情報のインターネット・アーカイブの必要性」'第021号、1999-02-26(

•著作権法の改正による現実味'2009年(

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メディアとしてのARGの成果'3(-構想の提言

「Web2.0時代の図書館-Blog, RSS, SNS, CGM」'『情報の科学と技術』56-11、情報科学技術協会、2006年(

• 図書館システムにおける貸出履歴の活用へ

「「Web2.0」時代に対応する学術情報発信へ-真のユーザー参加拡大のためのデータ開放の提案」'『情報管理』49-11、JST、2007年(

• NDL、NII、JSTによるWeb APIの公開へ

「病院ライブラリアンにとってのWeb2.0」'「ほすぴたる らいぶらりあん」32-3、日本病院ライブラリー協会、2007年(

• 図書館におけるSBM利用サービスの実現

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メディアとしてのARGの成果'4(-研究の誕生

二村一夫著『労働は神聖なり,結合は勢力なり-高野房太郎とその時代』'岩波書店(の刊行

二村一夫による「高野房太郎とその時代」のウェブ連載'2000-01-17~2005-12-25(

赤間道夫「知的産物の客観作業の冒険-『二村一夫著作集』が意味するもの」'第037号、1999-08-05(

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ARGカフェ&ARGフェストの開催'オフライン(

人と人が出会う場を設計するということ

そして、その出会いからのコラボレーションへ

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[参考]ARGカフェ&ARGフェストの開催実績

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開催回数 開催場所 開催日時 参加人数

第1回 東京 2008-07-12 約60名

第2回 横浜 2008-11-28 約70名

第3回 京都 2009-02-21 約50名

第4回 仙台 2009-06-20 約50名

第5回 大阪 2009-08-24 約50名

第6回 横浜 2009-11-12 約70名

第7回 筑波 2010-02-13 約50名

第8回 那覇 2010-06-19 約30名

第9回 京都 2010-09-19 約60名

第10回 横浜 2010-11-23 約50名

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ARGカフェ&ARGフェストの概要

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ARGカフェ&ARGフェスト

第1部ARGカフェ

~ ライトニングトーク ~

第2部ARGフェスト

~ パブでの立食パーティー ~

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ARGカフェ&ARGフェストの企画―雑誌コミュニティの限界という問題把握

ARG

読者

被紹介者

著者

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ARGカフェ&ARGフェストの企画-解決イメージとしての多対多コミュニティ

ARGの下支え

C氏

A氏B氏

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ARGカフェ&ARGフェストの設計

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一点のツナガリによるアウェー

ライトニングトークによるカフェ

キャッシュオンデリバリーによるフェスト

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ARGカフェ&ARGフェストの設計-アゥエー'他者と出会える場(

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ARGの読者イベントとしての位置づけ

過度に強調せず、しかし手広くしすぎず

ARG読者という同一性を崩す仕掛け

非ARGクラスターの異質な他者への呼びかけ

ライトニングトークの分散化

立候補と打診のバランス

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ARGカフェ&ARGフェストの設計-ライトニングトーク'他者を知れる場(

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5分間のショートスピーチ

名刺代わりの自己紹介'約10人(

全参加者の20%に割り当て

1対4関係をつくりだす'場の花(

試算:50名の参加者

登壇者10名

×

聴講者40名

登壇者1名+聴講者4名×10グループ

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[参考]第10回ARGカフェ&ARGフェスト@横浜

1. 神田将和'埼玉医科大学(「最近の遺伝子検査・遺伝子テストについて思うこと」2. 柴田栄子「大学院生のための世間フィールドワークのすすめ-渡る世間で自分を

活かせ」3. バゼル山本登紀子'ハワイ大学マノア校(「Unlock the damn door!!!」4. 松本明日香'筑波大学大学院人文社会科学研究科(「歴史と未来の作り方-米

国大統領図書館見聞録」5. 坪井昭訓'岡山理科大学図書館(「桜塚やっくん風 大学図書館の紹介」6. 大向一輝'国立情報学研究所(「NACSIS-CAT API'仮(」7. 山田薫'楽天技術研究所(「企業研究者への愛-研究支援のおしごと」8. 岡野裕行'法政大学兼任講師(「図書館のできごと・図書館員の気持ち」9. 山本妃'ノートルダム清心女子大学(「Twitter発図書館ツアー」10. 小篠景子'としょかん1300手観音プロジェクト(「いつもより「手」広く答えてみまし

た!-としょかん1300手観音プロジェクトの報告」11. 小林巌生'横浜LODプロジェクト(「地域情報にほどよいセマンティクスを。LODな

どいかがでしょう?」12. 折田明子'慶應義塾大学(「紀貫之は「まとめ人」?-平安時代のソーシャルメ

ディア」

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ARGカフェ&ARGフェストの設計-キャッシュオンデリバリー'他者と知り合える場(

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立食パーティー

原則、食事代のみ、ドリンクは各自で支払い

様々な落差を考慮し、1500円~2000円に設定

お代わりによる席替え機会

2時間2杯目安、最低2回のチャンス

1対4×3=12人+α

大きな名札シールと名簿配布

名前を大きく、全員の氏名と所属

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ARG カフェ&ARG フェストの成果

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参加者アンケート 期間:2009年8月15日~31日

対象:第1回~第4回の連絡可な参加者177名 61名から回答'回収率34%(

結果: Q1:「何らかのコラボレーションに発展した」 42名

Q2:コラボレーション事例 イベント開催、共同執筆、原稿依頼、施設見学、資料貸出、講演依頼、業務相談、就職相談、出版企画、別刷り交換、プロダクトレビュー依頼、会員入会、ネットワーク強化、花火大会、飲み会、食事会

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ARGカフェ&ARGフェストの課題

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参加者アンケート

Q3:期待するコラボレーション

情報交換、共同研究、共同発表、共同事業、研究協力、サービス開発、イベント開催、ネットワーク強化、業務受発注、会員入会

1回の出会いから共同での取り組みにつなげられるのか常連の参加者が増える中で異質な他者を常に取り込んでいけるか

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暫定的なまとめに向けて

ACADEMIC RESOURCE GUIDE'ARG(と、

ARGカフェ&ARGフェストの経験から

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ご清聴に感謝、ご質問はお気軽に

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アカデミック・リソース・ガイド株式会社代表取締役/プロデューサー

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