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2014年9月13日「LODチャレンジデー2014 in 名古屋」にて話した内容です
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LODとシビックテック
白松 俊 名古屋工業大学 大学院工学研究科 助教
LODチャレンジデー in 名古屋, 2014-09-13
こんな話をします • LODって?オープンデータと何が違うの?
– 関係あるデータ同士をリンクできる仕組みがLOD (Linked Open Data) です
• シビックテックって何? – IT等を活用して地域課題に取り組むことです
• シビックテックの現場でLOD使われてるの? – それを目指している事例をご紹介します
オープンデータって? (確認) 二次利用可能な条件(ライセンス)で公開されたデータ
• クリエイティブ・コモンズ策定のライセンス
– CC-BY: 著作権者を表示すれば二次利用可能 – CC0: 全ての占有権を主張せず,パブリックドメインに
• オープンデータ・コモンズ策定のライセンス
– CCの対象は著作物だが,こちらの対象はデータ(事実情報) – ODC-by: CC BYとほぼ対応 – PDDL: パブリックドメイン・ライセンス, CC0とほぼ対応
LODって? • Linked Open Data
すなわち「リンクされたオープンデータ」 – データ中の事物にURLを付与 → データ間リンクを可能に
X市 Y市
組織Aによる感染症オープンデータ
D公園 E公園 F公園
組織Bによる生態系オープンデータ
このような,リンクされていないオープンデータでは データを組み合わせた分析ができない
LODって? • Linked Open Data
すなわち「リンクされたオープンデータ」 – データ中の事物にURLを付与 → データ間リンクを可能に
X市
Y市
D公園
E公園
公園
自治体
タイプ
タイプ
タイプ
タイプ
所在地
所在地
F公園 タイプ 所在地
X市 Y市
組織Aによる感染症オープンデータ
D公園 E公園 F公園
組織Bによる生態系オープンデータ
このようにリンクされていれば, データを組み合わせた分析に使える
5 Star Linked Open Data mug ($15.00)
組織横断的にデータを二次利用しやすくするデータ公開方法 を5段階で説明
(Webの生みの親 ティム・バーナーズ=リーが2010年に提唱)
「5つ星LOD」マグカップ
今回は「5つ星」の詳細は省略します
どうやってデータを作るの? • 普通は,RDF (Resource Description Framework)という
W3C標準に従ってデータを作ります – RDF/N3, RDF/Turtle: いちばんシンプルに書けてSPARQLでも使う – RDF/XML: XML形式(長くなりがち) – JSON-LD: JSON形式 (厳密にはRDFでなく,よりシンプルな形式)
• それを二次利用可能な形で公開します – 一番簡単なのは,LinkData.orgというサイト
• RDFを知らなくても,Excel表形式で作って変換して公開できる – SPARQLという言語で外部から検索可能にすると便利
• よく使われているのはOpenLink Virtuosoのオープンソース版 • Apache JenaプロジェクトのTDBやFuseki(データ多いと遅い) • 年岡先生(中部大)のSparqlEPCU
技術者でない方にお薦め
LODの実例: DBpedia • WikipediaのInfoboxから自動変換されたLOD
– SPARQL検索: http://ja.dbpedia.org/sparql
実例: DBpediaの「トヨタ博物館」
実例: DBpediaの「トヨタ博物館」
<http://ja.dbpedia.org/resource/トヨタ博物館> <http://ja.dbpedia.org/property/名称> “トヨタ博物館”@ja; <http://ja.dbpedia.org/property/名称> “TOYOTA AUTOMOBILE MUSEUM”@en; <http://ja.dbpedia.org/property/事業主体> < http://ja.db.../トヨタ自動車>; <http://ja.dbpedia.org/property/所在地> < http://ja.db.../愛知県>.
http://ja.dbpedia.org/resource/トヨタ博物館
名称
“トヨタ博物館”@ja
“TOYOTA AUTOMOBILE MUSEUM”@en 名称
http://ja.dbpedia.org/resource/トヨタ自動車
事業主体
http://ja.dbpedia.org/resource/愛知県
所在地
RDF/Turtleで書くと:
こんな話をします • LODって?オープンデータと何が違うの?
– 関係あるデータ同士をリンクできる仕組みがLOD (Linked Open Data) です
• シビックテックって何? – IT等を活用して地域課題に取り組むことです
• シビックテックの現場でLOD使われてるの? – それを目指している事例をご紹介します
「シビックテック」って? = Civic Technology • 「市民の技術」,地域課題解決のための技術 • ITなどのテクノロジーを活用して地域課題に取り組むこと • 関連キーワード:
「オープンガバメント」 「オープンデータ」 「ハッカソン」 「オープンイノベーション」 「住民参画」
• シビックテック推進のためのアメリカの非営利団体 • 2009年から活動,各地の自治体も巻き込んで成果 • 市民協働の仕組みづくりの例
– 地域住民の意見を取り入れるためのWebサイト開発 – 街の課題をスマートフォン
等で報告するシステム開発 – 地域課題の解決に向けた
開発イベント(ハッカソン)
• 日本でもやろう!と2013年6月ごろから始動 – 関治之さん(ジオリパブリック社)が中心
• 一般社団法人として法人化 (10月25日)
日本各地のCode for X • Code for Kanazawa (金沢市, 福島健一郎さん) • Code for Sabae (鯖江市, 福野泰介さん) • Code for Aizu (会津市, 藤井靖史さん)
• Code for TOKAI (東海地方, 河口信夫先生) • Code for Nagoya
(名古屋市, 河合さん→宮内さん→桂川さん→…) • Code for Gifu (岐阜県, 國枝裕介さん) • Code for Shizuoka (静岡県, 大石康晴さん)
「シビックハッカソン」の実例 • 2014年3月: 世界防災・減災ハッカソン
(Rece for Resilience) – アジア等の各地域の災害リスクを考えてアプリを試作
• 2014年6月: 浪江町ハッカソン – 福島県浪江町の避難民の方に配布されたタブレットに
インストールするアプリを試作 • 2014年10月18~19(予定):
名駅地下街バリアフリーハッカソン – 8/24 バリアフリーマッピングパーティーでデータ集め – それを使って「外出困難な方が思わず地下街に行きたく
なるアプリ」を試作する
こんな話をします • LODって?オープンデータと何が違うの?
– 関係あるデータ同士をリンクできる仕組みがLOD (Linked Open Data) です
• シビックテックって何? – IT等を活用して地域課題に取り組むことです
• シビックテックの現場でLOD使われてるの? – それを目指している事例をご紹介します
事例1: Idea.LinkData • http://idea.linkdata.org/ • 先ほどご紹介したLinkData.orgのアイディア版 • 各地のアイデアソンで生まれたアイデアを共有
– 浪江町ハッカソンでも使われた
今のところまだRDF形式で 取得できない(つまり厳密にはまだLODではない)が, 今後,取得できるようにする 予定とのこと
事例2: ゴオルシェア • http://bit.ly/goalshare • 社会課題の解決目標をLODにする目標共有サービス
– シビックハッカソンでの目標共有や協力者集めに使いたい
ゴオルシェアのLODが持つリンク 1. 人へのリンク: 取り組んでいる人や組織のデータ
– 既存SNS (Facebook, Twitter) のアカウントのURLへ – 似た問題に取り組む人や組織を探しやすく
2. 地域へのリンク: 対象となる地域のデータ – 地理情報LOD (GeoNames, GeoLOD) のURLへ – 周辺地域で似た問題に取り組む人を探しやすく
3. 部分目標へのリンク: より具体的な部分目標データ – 協力できそうな部分を探しやすく – 「総論賛成・各論反対」への対処
4. 引用元へのリンク: 出典がある場合はその記事
公共データのLOD化は? • 幾つか事例あり
– 鯖江市の各種データ (LinkData.orgで公開) – 京都府の防災データ(NTTデータ等民間が実施)
• 今後,必要に応じて民間の有志が変換 – 行政は,CSV等のシンプルな形式でオープン
データ化するのが先決 – “Linked” が必要なアプリのアイデア誕生が
LODへの変換のモチベーションになる • 例1: 交通データと観光データをリンクさせたら? • 例2: 気候データと農地センサーデータを・・・
アイデアソン
アイデアソンの手順 1. 大きな模造紙上で付箋に書きながら,社会課題と解決策
を考える - データを組み合わせて (リンクさせて)解決できそうな ものだとLODの良さが活きる
2. 名工大で開発中の「ゴオルシェア」というシステムに 入力してデータ化
オープンデータを組み合わせて 解決できそうな課題を考える
1. まず,模造紙左側に「課題プール」を作る 2. 気付いた課題を赤い付箋に書き,課題プールに貼る
課題
その解決目標を考える 3. 課題プールから,どれか1つ課題を選ぶ 4. それを解決するという目標を黄色い付箋に書き,
右側に貼る 困ったこと
どれか1つ選んで, それを解決するアプリを 作ることにする(大目標) 【選ぶ基準】 アプリで解決できそうなもの
その解決目標を考える
困ったこと
そのためには何が必要か を考える(部分目標)
5. そのためには何をすればいいか, もっと具体的な部分目標に分解してみる • 実現を阻んでいる要因を取り除くことを考える • アプリに必要な機能を考える
「ゴオルシェア」に入力する • まず
– http://bit.ly/goalshare-input を開き,入力手順を確認して下さい
• ゴオルシェアには
– http://bit.ly/goalshare でアクセスできます