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渡辺知恵美 2011/1/11 【大学院輪講ゼミ】 ※スライド中の図の一部は論文から拝借したものです

Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

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Page 1: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

渡辺知恵美

2011/1/11

【大学院輪講ゼミ】

※スライド中の図の一部は論文から拝借したものです

Page 2: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

L.A.Cutillo (Eurecom, Fr.), M. Manulis and T. Strufe (TU Darmstadt, Ge.)Security and Privacy in Online Social Networks, Handbook of Social Network Technologies and Applications, Chapter 23, pp.497-522, 2010.◦ オンラインソーシャルネットワーク(OSN)に関する攻撃のタイプを整理した文献(サーベイ本の23章らしい)

D. Irani, Calton Pu (Gerorgia Tech, US)ら, Reverse Social Engineering Attacks in Online Social Networks, Detection of Intrusions and Malware, and Vulnerabiliy Assessment (DIMVA 2011), pp.55-74 , 2011. ◦ 偽アカウントへ被害者が自ら誘い込まれてFriend requestしてしまう攻撃手法の指摘

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ネットワークを利用したシステムを運営するときに管理者が守らなければならないユーザの安全

Privacy (プライバシ)

Integrity (完全性)

Availability (到達可能性)

Page 4: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Privacy ◦ 個人が自らの情報の開示レベルをコントロールできるようにする 匿名性(anonymity):ユーザがidentityを開示せずにリソースやサービスにアクセスできる

非監視性(unobservability) : ユーザのメッセージを第3者が見られないようにする

非リンク性(unlinkability) : 二つのメッセージを第3者が手に入れたときに,それが同一送信者(or受信者)かどうかが分からないようにする

非追跡性(untraceability): 第3者がシステム内でのユーザの活動履歴をたどることができないようにする

Page 5: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Integrity◦ 第3者によるコンテンツの改ざんや不正更新を防がなければならない

◦ 実世界の人物へのなりすましを防ぐことも含まれる

Availability

◦ きちんと稼働すること

◦ Denial-of-service (DOS)攻撃に耐える

◦ Sybil Attack … 多くの悪意ユーザによる乗っ取り

Page 6: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Impersonation Attacks◦ なりすまし攻撃◦ あるユーザになりすましてうわさを流したり勝手に意見を言ってユーザに損害を与える

Personally Identifiable Information (PII)◦ ある特定のユーザの個人情報を収集する◦ 公開情報または非公開情報から収集

その他(詐欺・誘導)

Page 7: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

1. Plain Impersonation

2. Profile Cloning

3. Profile Hijacking

4. Profile Porting

5. ID Theft

Page 8: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

実世界に存在するある人物になりすまして、偽アカウントを作成する

被害者 U

Privacy Integrity Availability

× ×

検証な認証システムがあれば防げる

Page 9: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

あるアカウントの公開プロフィールを使い,同じOSNにそのユーザの偽アカウントを作ってなりすます

被害者 V

Privacy Integrity Availability

× ×

同一(類似)プロファイル検出システムによって防ぐ

Page 10: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

既に存在するアカウントを乗っ取ってなりすます(パスワードなどを盗んで乗っ取る)

被害者 V

Privacy Integrity Availability

× ×

辞書攻撃の防御(CAPTCHAなど), フィッシング詐欺対策

Page 11: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Profile Portingのようにあるアカウントのプロファイルを使って,別のOSNに偽アカウントを作ってなりすます被害者 V

Privacy Integrity Availability

× ×

基本的には同一プロファイル検出システムを使うが難しい

Page 12: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

あるユーザのIDを勝手に使ってそのユーザになりすます◦ Hijackingも含まれるが,勝手にIDを名乗るだけも含まれる

被害者

Privacy Integrity Availability

× × ×

Page 13: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Twitter発言ねつ造事件 (2011/1/8)

Pixivで開発バイトをしている学生のTwitter発言をねつ造して2chで炎上をあおった

@quolc quolc/Ryohei Suzuki

pixiv元社員がアフィリエイトブログを管理してたとかで騒いでるけど、

それならが自分自身で儲けられるコンテンツを作ればいいじゃん。今の2ちゃんねる見てると負け犬の遠吠えって感じ。https://twitter.com/#!/quolc/status/155920828670816117

偽status番号→存在しえないことが

後で判明して鎮静化

@quolc というIDが悪用され発言をねつ造された

Page 14: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

6. Profiling

7. Secondary Data Collection

8. Fake Request

9. Crawling and Harvesting

10. Image Retrieval and Analysis

11. Communication Tracking

Page 15: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

あるユーザが公開しているプロファイルや活動(Activities)を収集する

Privacy Integrity Availability

×

・公開レベルの制御・ActivityをProfileから切り離せるようにする(発言の匿名化?)

Page 16: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

OSNだけでなく他のWebリソースを利用してユーザの個人情報を収集する◦ 検索エンジン

◦ ユーザ情報収集サービス

http://123people.com

◦ 個人特定攻撃手法を用いる

G. Wondracekら[SP2010]

Privacy Integrity Availability

×

複数のリソース間の不必要なLinkabilityを極力排除

Page 17: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

ユーザにfriend requestを送り友達関係になることで,より多くの個人情報や活動を収集する◦ 意外と多くの人が知らない人のリクエストを承認する(※)

OSNにおけるSocial Engineering

の一つ

friend request

※ http://www.columbiamissourian.com/stories/2005/09/01/a-new-kind-of-fame

Privacy Integrity Availability

×

知らない人のリクエストを受けない

Page 18: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

多くのユーザの個人情報をかき集めてマーケティング会社などに売りつける◦ ユーザは特定しない

Crawling

◦ 一つのOSNから情報をかき集める

Harvesting

◦ 複数のOSNからCrawlingしてまとめる

Privacy Integrity Availability

×

CAPTCHA等によるCrawlingプログラムの阻止

Page 19: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

ユーザがうつっている写真や動画などを集めてユーザの活動や周辺人物の情報を収集する◦ 顔認識などのパターン認識技術を利用する

◦ 写真が撮られた場所や時間からユーザの行動が特定される

Privacy Integrity Availability

×

Page 20: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

特定のユーザの他ユーザとの会話履歴などを収集し,会話の内容などからプロファイル以上の情報を収集する

Page 21: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

12.Fake Profiles and Sybil Attacks

13.Group Metamorphosis

Page 22: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

偽アカウントを複数作ってSybil Attackをする

Sybil Attack

◦ 悪意のあるアカウント集合によって偽のコミュニティを作りだし人をだますこと

本来はP2Pにおいて悪意のあるノードを参加させ,P2Pネットワークを乗っ取ったりかく乱させることを言う

例)セキュリティ会社Sophosの社長Graham Cluleyの偽ファンページが作成され,数ユーザがファンページに騙されて入っていた (2010年3月)

Privacy Integrity Availability

×

IP Tracebackにより Sybil Attackを検出

Page 23: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

興味を引くようなグループを作成してユーザを引きこんだ後で,グループの内容を変容させて攻撃者の本来意図する政治理念や宗教などに誘導する

Privacy Integrity Availability

×

Page 24: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

14. Ballot Stuffing and Defamation

◦ 情報操作や中傷誹謗の流布

15. Censorship

◦ 投稿内容を検閲する

◦ OSN管理者が行う

16. Collusion Attacks

◦ 共謀攻撃

◦ いわゆる「炎上」の事

◦ 大勢で結託してあるユーザを攻撃したり,投票操作をしたりする Privacy Integrity Availability

Ballot … ×

Censorship × ×

Collusion × × ×

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Page 26: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

盗み聞き,盗み見などの「社会的」な手段によってパスワードなどのセキュリティ上重要な情報を入手すること◦ パスワードの入力を後ろから盗み見る

(ショルダハッキング)

◦ ゴミをあさって個人情報の記されたメモを探す(トラッシング)

◦ 管理者になりすましてパスワードを聞き出す

Page 27: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Online Social Networks (OSN)は良い土壌◦ OSNにおいてユーザは友達関係になった人を安易に信用し、うかつに個人情報を含んだメッセージを書いてしまう傾向にある

Facebookの5人に1人は見知らぬ人のFriends

requestを受け入れてしまう傾向にある◦ ブリティッシュコロンビア大の研究(2010)

友人へのなりすましなども報告されている

見知らぬ人からのFriends Requestsは少し利用者が用心深くなれば避けられるかもしれない

Page 28: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

利用者の方から攻撃者にコンタクトをするように仕向ける方法◦ 昔から報告されている攻撃法

◦ 例)電話によるRSE…管理者になりすまして「問題があったらこちらに電話してください」と電話番号をe-

mailで送る→利用者は管理者の電話番号と信じきって電話してくる。自分でかけているので個人情報を提供しやすい

Page 29: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

利用者の方から攻撃者のアカウントにFriend

Requestを出すように仕向ける

誰かになりすました偽アカウントを作る◦ フレンド要請しやすいようなコンテンツを用意

◦ フレンド要請するきっかけを与える

電話の例で言うと、なりすまし管理者からのe-mail

自分からフレンド要請しているのでさらに相手を信用しやすく、油断しやすくなる

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◦ OSNがなりすましアカントを「友人推薦リスト」にリストアップされるようにする

Targeted (ターゲットを決め打ちする)

Mediated(攻撃者の仕掛けは相手には見えない)

Page 32: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

特に出会い系OSNで,利用者が目を引くような

プロフィールを偽装(同じ居住地,出身地,趣味,年齢)◦ Un-targeted (ターゲットは決め打ちしない)

◦ Mediated

Page 33: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

足跡機能がつくOSNで足跡をつける◦ FacebookでLikeをつけたりするのも同じか?

Targetted

Direct (攻撃者の仕掛けが相手に直接見える)

Page 34: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

一般的に知られる方法◦ 共通の友人,所属(学校,会社),興味

e-mailを使った裏技◦ 利用者の登録e-mailを知っている人は知り合いである可能性が高いとFacebookはみなしているらしい

登録E-mail

[email protected]@abc.orgでユーザ検索

知り合いとみなして推薦

Page 35: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

Recommendation-based RSE◦ Facebookで実験

◦ ネット上から入手した250,000のメールアドレスを使って偽アカウントへのフレンド推薦を誘導

Demographic-Based RSE◦ Badoo(出会い系OSN)

Visitor Tracking-Based RSE

◦ Friendster (足跡機能のあるOSN)

ターゲットユーザ数

Page 36: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

最初の2カ月は平均45リクエスト/日

その後平均75リクエスト/日に増えた◦ 偽アカウントの友達数が増え、共通の友人ができるようになったため

Page 37: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

以下の5つの偽アカウントで実験

◦ 前の実験は Prof. 2で行っていた

Page 38: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

居住地はあまり関係ない

性別と年齢とアイコン(写真)が影響あり

アニメキャラのアイコン

Page 39: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

出会い系OSNによる実験

やはり若い女性アカウントがかかりやすい

累計訪問者数 累計メッセージ数

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Page 41: Online Social Networkにおけるセキュリティとプライバシ

全体的にかなり少ない

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ユーザ推薦機能の改良◦ 潜在的な知り合い(Potential Connection)を測る指標は,実際の知り合いである可能性が高いものにする Facebookのemail検索による推薦は余計かつ脆弱

フレンドシップの入念なチェック◦ お互いのメッセージのやり取りがあるか◦ honeypot RSE accountの発見が必要

CAPTCHAを利用◦ 偽アカウントはフレンド申請の受け入れを自動スクリプトで行う

◦ CAPTCHAを使って自動受け入れができないようにする