Upload
kentaro-takeda
View
3.235
Download
1
Embed Size (px)
Citation preview
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
コレジャナイOpenStackエンタプライズにおけるプライベートIaaSの実態と課題
2015/07/13NTTデータ 基盤システム事業本部武田健太郎 [email protected]
1
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
about.me/takedakn
• ITインフラのなんでも屋さん
• これまでの経験
– TOMOYO Linux
– Eucalyptus
– OpenStack (OpenStack Summitは通算6回参加)
– Docker
– Gitポケットリファレンス(技術評論社)
– {twitter.com, linkedin/in, qiita.com, slideshare.net}/takedakn
• ITインフラに関するよろず相談うけたまわります
– 特に構想企画段階からお話をお聞きします (ビジネスの話をしましょう)
2
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
序章: あるあるストーリー
3
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
あるある
営業「お客さんがOpenStackの話を聞きたいって」
「はいはい、行きますよ」
客「連れてきました」
「どんな課題認識ですか?」
客「基盤更改でさ」
客「OpenStackってあるんでしょ、教えてよ」
「基盤更改ですか、大変ですね」
「これこれこういうものです、柔軟で迅速な基盤です」
客(……?)
客(……もしかして: これじゃない)
4
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
• ……これじゃない?
5
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方 6
コレジャナイロボ有限会社ザリガニワークスの太郎商店レーベルが開発し、2001年11月10日に発売した木製のロボット型玩具。(中略)子供にロボットの玩具をねだられた親が、間違えてちっとも格好良くない別のロボットの玩具を買って来てしまった。―というシチュエーションを思い起こさせるような姿のロボット玩具。ネーミングは前述の状況で子供の発する「(僕が欲しかったのは)これじゃない!」の声から。"コレジャナイロボ" available on Mar 1, 2015 06:28 (UTC) at
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%9
C under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported License. Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/ .
“IT IS NOT THIS! コレジャナイロボ” by [puamelia] available at https://www.flickr.com/photos/jetalone/374134554/ under a Creative Commons Attribution 2.0.Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/ .
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
このセッションのお題
• なんで「コレジャナイ」が起こるのか?
• どうすれば「コレジャナイ」を避けられるのか?
• 「コレジャナイ」のあとにどうすればいいのか?
7
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
コレジャナイ ストーリー
8
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
さっきの数日前にさかのぼった会話
「基盤の更改がせまってるな」
「これを機にクラウドも検討だな」
「上もクラウドクラウドうるさいしな」
「とりあえずAWSは候補かな、パブリックが可能かも含めて」
「プライベートならVMwareだろうな」
「オープンソースのOpenStackってのがあるらしいぞ」
「オープンソースなんだからVMwareより安くなるだろう」
「ベンダーよんで話聞いてみようぜ」
9
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方 10
“IT IS NOT THIS! コレジャナイロボ” by [puamelia] available at https://www.flickr.com/photos/ykjc9/3313390617 under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 2.0.Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/ .
コレジャナイ一直線!
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
そもそも、OpenStackってなんだっけ?
• OpenStackも、AWSも、Cloudnも、IaaSです
– (まぁ、ほかにも盛りだくさんですが……)
• IaaS: Infrastructure as a Service
• Infrastructure: サーバ、ネットワーク、ストレージ
• Service: 文字どおり、サービス
• すなわち、サーバ、ネットワーク、ストレージのサービス化
• ……サービス化?
11
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
サービス
• サービスである以上、サービスの提供者と受給者が存在する
• パブリックIaaSの場合
– サービスの提供者: サービスプロバイダ
– サービスの受給者: アプリ担当
• プライベートIaaSの場合
– サービスの提供者: 基盤部門
– サービスの受給者: アプリ担当
• 文字通り
– サービスの提供者は、サービスを提供するのが仕事
– サービスの受給者は、サービスを利用してやりたいことを実現するのが仕事
12
“Service” by Dennis Skley available at https://www.flickr.com/photos/dskley/15447707963 under a Creative Commons Attribution-NoDerivatives 2.0.Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by-nd/2.0/ .
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
ひるがえって、IaaSじゃないものは?
• いわゆる「サーバ統合」
• サービスではない
• サーバを集約し、サイロ化することが主目的
13
“silos” by Doc Searls available at https://www.flickr.com/photos/docsearls/5500714140/ under a Creative Commons Attribution 2.0.Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/ .
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
インフラのサービス化
• サービス提供者側: 突き放し
– 「ひとつのテナントのためにインフラサービスをやっているのではない」
• サービス受給者側: 割り切り
– 「こういうサービスだから利用してその枠の中でやろう」
• その分、サービス受給者側で認識した変化への追従がはやい
– 割り切った枠組みの中であればすぐに使える
• サーバ統合はその逆: 相互の寄り添いと歩み寄りの世界
• その分、変化への追従はおそい
– なにごともお互いに相談と調整からはじまる
14
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
迅速性 x 個別性
15
個別性(
個別要件に答える能力)
迅速性(業務/要件の変化に対応する速度)
IaaS
サーバ統合
クイズ: ところで、「クラウド」ってなんだっけ?
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
マインドセットの変化: ペットと家畜
• サーバをペットのように扱う
– 個としてのサーバを手塩にかけ、高信頼なサーバを実現する
– 個別に名前をつける
– 調子が悪くなれば、慎重に手当する
• サーバを家畜(経済動物)のように扱う
– 集団としてサーバを管理し、高信頼なサービスを実現する
– 連番で管理する
– 調子が悪くなれば、交換する
16
“Shiba Inu all Dressed up” by IQRemix available at https://www.flickr.com/photos/iqremix/15680326587 under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 2.0.
Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/ .
“Livestock production” by eutrophication&hypoxia available at https://www.flickr.com/photos/48722974@N07/5249420021 under a Creative Commons Attribution 2.0.Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/ .
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
とはいえ
• このあたりのすれ違いもまずはあるのでしょうが
• 本当のコレジャナイ要因は……?
17
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
「コレジャナイ」を生むほんとうの要因
• 手段が目的になっていませんか?
• 手段の目的化に便乗していませんか?
• 何のためにクラウド化したいですか?
• 何を課題ととらえ、そのことばに何を期待していますか?
• クラウドにかぎらず、数多のことばがうまれ、マーケティングに使われています
• 提供者側の思考停止したバズワード便乗の責任は大きいです
• いっぽうで、利用者側の思考停止もひとしく責任があります
思考停止せず、未来を描きましょう
18
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
とうべきこと
• あるべき姿はなんでしょうか?
• 基盤に対して何を期待していますか?
• 低コストで、そーっと持ってくる、でいいですか?
• いまはそれでいいとして、未来はどう考えますか?
19
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
未来を考えてみる
• 2020年、東京オリンピックの年に、あなたは何歳ですか?
• 2020年、あなたの会社の業務・サービスは今と同じですか?
• 2020年、業務・サービスのQCDはどうなっていますか?
• 2020年、IT基盤は業務・サービスの要求に答えられていますか?
• いまの業務・サービスの発想で、IT基盤を選んで大丈夫ですか?
20
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方 21
それは、攻めるためですか? 新しい価値や競争力を強化するためですか?それは、守るためですか? 業務の効率化やコスト削減のためですか?
“Jordan shooting Jenna with shield” by Jason Eppink available at http://flickr.com/photos/jasoneppink/80772834 under a Creative Commons Attribution 2.0.Full terms at https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/ .
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
攻めと守りは役割分担
• たとえば
• 第一情報システム部
– 役割: 守りのIT
– 立場: コストセンタ的
– 必要になる基盤: サーバ統合
• 第二情報システム部
– 役割: 攻めのIT
– 立場: プロフィットセンタ的
– 必要になる基盤: IaaS
• いま、どちらの話をしているのでしょうか?
22
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方 23
攻めのIT活用指針(METI/経済産業省)http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dounyu_guidelines/
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
攻めている例
24
OpenStack Summitでは、攻めている事例満載!
OpenStack Summit SessionsUser Storiesでフィルタ!
Walmart
TD Bank
eBay & PayPal
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方
まとめ
• 攻めのIT, 守りのIT, それぞれに適した手段を選ぼう
• 攻めるなら、ペット感覚を脱し、サーバの家畜化を許容しよう
• それでも、コレジャナイ感を感じたときは?
– 思考停止せず、個別最適に走らず、なにが全体最適なのかを考えましょう
– 短期の最適ではなく、中長期の最適を目指しましょう
– ……とはいえ、このへんの「最適を考えられる人」は貴重なのも事実
• こういう茶飲み話、したくないですか?
– 企画構想段階からお話します (ビジネスの話をしましょう!)
– [email protected] まで
25
Copyright © 2015 NTT DATA Corporation 5周年特別企画: OpenStack Summitの歩き方 26