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超大規模データを高付加価値サービスへと転化させるリアルタイムイベント処理基盤 代理店名 本カタログの情報は、2011年10月現在のものです。実際の製品とは内容が異なる場合があります。 *OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Copyright © 2011, Oracle. All rights reserved. 111018_Oracle Complex Event Processing 〒107-0061 東京都港区北青山2-5-8 オラクル青山センター TEL URL 0120-155-096 oracle.com/jp/direct お問い合わせ窓口 日本オラクル株式会社 oracle.com/jp Oracle ® Complex Event Processing

Oracle Event Processing のご紹介

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近年様々な情報端末から収集される大量データをこれまでとは異なる形で活用することで、新規サービスの提供を図ろうとする企業が飛躍的に増加しています その背景には、従来のテクノロジーでは処理することが困難であった大量データに対してリアルタイムに処理をおこなう技術の進化が寄与しています。 この資料では、そのテクノロジーの一つとして挙げられている『複合イベント処理( Complex Event Processing : CEP )技術』についてのご説明と、 今、多くの企業様に注目いただいている『Oracle Complex Event Processing : Oracle CEP 』の機能についてのご紹介をさせていただきます。

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Page 1: Oracle Event Processing のご紹介

超大規模データを高付加価値サービスへと転化させるリアルタイムイベント処理基盤

代理店名

本カタログの情報は、2011年10月現在のものです。実際の製品とは内容が異なる場合があります。*OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Copyright © 2011, Oracle. All rights reserved.

111018_Oracle Complex Event Processing

〒107-0061 東京都港区北青山2-5-8 オラクル青山センター

TEL

URL

0120-155-096oracle.com/jp/direct

お問い合わせ窓口

日本オラクル株式会社

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大量データに付加価値を与える、リアルタイムイベント処理近年様々な情報端末から収集される大量データをこれまでと異なる形で活用することで、新規サービスの提供を図ろうとする企業が飛躍的に増加しています。この背景には、従来のテクノロジーでは処理することが困難であった大量データに対してリアルタイムに処理をおこなう技術の進化が寄与しています。そしてそのキーテクノロジーの1つとして、”複合イベント処理(Complex Event Processing、以下 CEP)技術”が挙げられます。

次世代データ活用のカギはリアルタイムイベント処理

CEP の最大の特長は「リアルタイム性の高い大量データ処理」に

あります。スマートフォンやRFID、複数店舗で横断的に利用できるポイント

カード等、情報端末の劇的な進化と普及により、より利用価値の高い

情報を「リアルタイム」に集めることができるようになっています。

この、”リアルタイムに集まる情報”に対して、”個 (々One-to-One)の

状況に照らし合わせながら”、”即座に能動的(Push 型)にサービス

を実施する”ことで、新しいサービスの実施や既存サービスレベルの

向上を実現することができるのが、CEP のテクノロジーです。

リアルタイムイベント処理を実現するCEP

リアルタイムイベント処理のアプリケーションを従来型のデータ

ベースアプリケーションで構築することは技術的に困難が伴います。

これはリアルタイムの状況把握には「時系列に基づく処理」が必要

になるからです。

たとえばCEPの利用例としてよく挙げられる、証券業の高速アルゴリ

ズム取引基盤において、”ある5分 間の間に連続して3回の価格上昇

があった場合に検出する”仕組みを考えます。従来型のデータベース

を利用したアプリケーションでは、特定の時間間隔 (タイムウィンド

ウ)の状態変化を検出しようとした場合、常にデータベースへの問い

合わせをおこないながら、価格変動の状態変化を抽出しなければ

なりません。これに対して、CEPの場合には検出をおこないたい時間

間隔の情報を CEP サーバーのインメモリ基盤上に保持しておき、

特定条件と合致するかの判定をおこないます。これにより、状態変化の

認識をリアルタイムにおこなうことができます。

CEPが実施する3つの処理

CEP のテクノロジーでは「イベントデータの収集」、「ルールに基づく

判定」「アクションの実施」の3つの処理を実施します。イベントデータの

収集ではアダプタのテクノロジーをCEPの開発環境の中で利用することで、

任意のデータソースからのリアルタイムな情報収集を実現します。

ルール判定の処理では時系列に基づく処理の実装がおこないやすい

開発言語を利用し、複雑なルールに基づくルール判定をおこないます。

アクションの実施のための処理ではシステム連携を利用したシステムへの

反映や業務ユーザー向け画面への表示等がおこなわれます。

リアルタイムイベント処理を実装する開発言語

Oracle® Complex Event Processing(以下、Oracle CEP)では、CEPアプリ

ケーションをGUIツールを利用してオラクルが提供しているイベント

処理専用フレームワーク上に構築することで、生産性の高い開発を

おこなうことができます。また、イベント処理フローとイベント処理

ロジックを分離することによりイベント処理ロジックの変更が容易に

なり、複雑化、多様化するニーズにも柔軟に対応することができます。

イベント処理フローはイベント処理ネットワーク(EPN:Event Processing

Network)、イベント処理ロジックはCQL(Continuous Query Language)

にて実装します。One-to-Oneリアルタイム処理 Push型

株価

時間

監視対象値

アラートしきい値

5分 5分

アラートしきい値を超えなければ瞬間的な上昇は不問

タイムウィンドウ

■(例):タイムウィンドウを利用した証券アルゴリズムの検出

従来型のデータベース・アプリケーション

課題点・結果セットの作成には都度データベースに問い合わせねばならず、頻繁な問い合わせではパフォーマンスがでない・頻繁に問い合わせを発生させた場合、システムへの負荷が高まり本来業務に影響がでてしまう

CEP型アプリケーション

適合点・証券毎に対して条件判定の処理が通されて結果を作成するため、リアルタイム性が高い・データベースとは別の機能として稼動するため、既存業務に対する負荷が低い

例:証券取引におけるアルゴリズム取引の自動化

イベントデータの収集

・外部デバイス・データベース・アダプタ経由

ルールに基づく判定

・フィルタリング・複数イベントの統合

アクション

・任意のアクション - メール通知 - 業務ユーザー画面への通知 - 外部システムとの連携

Oracle CEP

イベント駆動エンジンレイヤ(CEP)

イベントデータ保持レイヤ(インメモリ基盤)

データフィードの取得デ タフ ドの取得

相場情報 取引リコメンド 状態遷移の取得

評価軸の取得

アルゴリズム更新

市況状態の変化

加重平均計算

項目 EPN: Event Processing Network CQL: Continuous Query Language

ハイレベルのイベント・フロー 詳細なイベント処理ロジック

実装イメージ

実装対象

イベント・タイプの定義イベント処理フローの定義フィード・ハンドラ、ライン・ハンドラ、ヒストリカル・データ 、POJO等との連携

ルールとしてイベント処理ロジックを定義タイム・ウィンドウに基づく時系列に沿った複雑な演算

実装内容

・イベント処理フローの可視性・Spring Frameworkに準拠

・イベント処理ロジックの可読性・SQL構文に類似

特長

Spring OSGiに基づくモジュラー・アーキテクチャ ANSI99 SQL拡張 (標準化策定中 )標準仕様への対応

CQL は、SQLをもとに時系列データを扱う拡張を加えた言語です。

CQLでは従来の SQLでは難しかった時系列処理を簡単に記述する

ことができます。例としてフィルタリング(例:災害があった地域に本

社を置く企業の株価を取り出す)、集約(例:訪問するユーザーの平均年

齢を10分毎に過去20分間に対して計算)、相関(電子マネーのフル

チャージが1日以内に3回あった場合を検知)といった処理の記述を

1つの CQLで記述することができます。

■イベント処理フローとイベント処理ロジックの分離

■SQL言語の記述例

SELECT SUM(amount) FROM OrderEvent[RANGE 60 SECONDS,SLIDE 20 SECONDS]WHERE amount > 2000

・OrderEvent というデータを60秒分ウィンドウに保持しながら、amountが 2000以上のデータの合計を算出・20秒毎にウィンドウをスライディングさせて結果を再評価

60秒分のイベント

20秒毎にスライド

20秒毎にスライド

20秒毎にスライド

Filtering(フィルタリング):関心のあるイベントのみを通す

Aggregation(集約):(複数の)イベントの集計、加工

Correlation(相関):(複数の)イベントからパターンを検出

複合イベント処理

複合イベント処理におけるキーワード

株価・市場データ取引データ

データベース

アラートリスト(結果セット)

①情報をデータ ベースに格納

②データベースの中から Y時間以内のデータで 条件に合致するものを検索

SQLS③リアルタイム検出のために 頻繁にデータベースに 問い合わせる

④リストは条件に合致する ものを検索の都度全て 抽出して生成される

注文データ

銘柄マスタ

取引実施

詳細なイベ ト処理 ジ ク

SELECT market.symbol, SUM(market.price * market.quantity) AS n, SUM(market.quantity) AS d FROM MarketDataEvent market …

Examples ・災害があった地域に本社を置く企業の株価・20代前半の女性ユーザーによるアクセス

Examples ・30分毎の株価平均・時間単位ごとに訪問するユーザーの平均年齢

Examples ・過去の変動パターンに基づく、近い将来の株価上昇の検知・位置情報の変化と天候からユーザーニーズを予測

Oracle CEP

Oracle CEP

Oracle CEP

3回連続上昇したのでしきい値は超えていないが通達

イベント処理フロー 1 (取引リコメンデーション) イベント処理フロー 2 (リコメンデーション評価)

イレベル イベ ト

株価・市場データ取引データ データベース

アラートリスト(結果セット)

①CEPが既存システムとは 別フローにて情報を収集

②CEPサーバー上に 対象時間分の データのみ格納

③条件に合致したもの のみ抽出

④リストは条件合致する データの足し集めとして 生成される

インメモリ基盤

CEPサーバー

な がが通達が通

RFIDの浸透 機密情報

監査、ログ情報

企業内情報の肥大化

ポイントカードの進化

市状変化の活用

Page 3: Oracle Event Processing のご紹介

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Oracle CEPでの開発の特長 Oracle CEPを構成するテクノロジー

基盤アーキテクチャ

Oracle CEPのアーキテクチャは、ランタイム、CEPプロセッサ、開発環境

の3つの主要レイヤーで構成されています。下図は、プラットフォーム・

アーキテクチャの概略を示しています。最下位には、Java仮想マシンと

Javaコア・クラスからなるJavaランタイムが配置されています。この上

に、Oracle CEPが配置されています。Oracle CEPは、OSGiのフレーム

ワークをベースとした軽量のモジュール・アーキテクチャを使用して

実装されるJavaコンテナです。コンテナ・サービスとして、ロギング、

セキュリティ、管理などのサービスに加え、よりイベント駆動型アプリ

ケーションに特化したストリーム管理やCEPエンジンなどのサービスが

提供されます。さらに、Oracle CEPのコアにはリアルタイム・カーネルが

採用されており、短い待機時間と確実性を実現するスレッド・スケジュー

リングと同期をサポートしています。

インメモリ基盤との連携による高パフォーマンスの実現

OracleCEP のアーキテクチャには、インメモリグリッド製品である

Oracle Coherenceが組み込まれています。そのため、処理をおこなった

イベントデータを透過的にOracle Coherenceのキャッシュに格納する

ことが可能となり、蓄積されたデータへの操作を高速におこなうことが

できます。(右図)

また、Javaの実行環境において、通常のガベージ・コレクションのアル

ゴリズムでは、コレクション実行時にアプリケーションの全スレッドが

停止し、待機時間発生の主な原因となる場合があります。Oracle JRockit

Real Timeの確定的ガベージ・コレクタを使用することにより、ガベージ・

コレクションの休止時間を短縮し、待機時間を縮小することが可能に

なります(下左図)。

株式市場の市場データを監視するCEPアプリケーションのベンチマーク

結果において、インメモリ基盤や Oracle JRockit Real Timeと組み

合わせることで、100万イベント/秒という高負荷時でも短い待機時間

(数 10 マイクロ秒)を得られることが可能であることが明らかに

なっています。

CEPを利用した開発のメリット

リアルタイムイベント処理をおこなう基盤は、企業にとってコアとなる

サービス基盤となることが多く、実装するルール・ロジックを業務

要件の変化に合わせて継続的に変化させる必要性が多くなります。

したがって、初期開発のしやすさに加えて、利用対象とするデータの追加

や変更、業務ユーザーによるルール・ロジック改修など、継続的かつ

柔軟にアプリケーションを変更できる仕組みが必要とされます。

CEPを利用した開発では、フルスクラッチでの開発や、パッケージ化

された製品を利用する場合に比べて、ルール・ロジックの柔軟性と

継続的な開発の容易さを両立させることができる点において、優位性が

あります。

開発ライフサイクルを支えるツール群

Oracle CEPでは、Eclipseベースの開発環境による初期開発に加えて、

Webツールである「CEP Visualizer」を利用したルール・ロジックの検討

や実データを利用したテストの実施、システムのモニタリングをおこなう

ことができます。また、BAMツールと連携することにより、業務ユーザー

へのリアルタイムな情報の可視化としきい値をもとにしたアラート

レベルでの変更を柔軟におこなう環境を提供することができます。

これらのツールにより、ルール・ロジックの柔軟性と継続的な開発の容易

さという特長を持つOracle CEPの開発が支えられています。

パッケージ利用型 CEP利用型 フルスクラッチ開発型

検出ルールの柔軟性内部ルールがブラックボックス化しているため、ルール追加や処理分岐の変更が困難。

汎用的なクエリ言語を利用したルール作成、ルール判定後のシステム間連携を任意に実装可能。

システム要件に応じてソースコードレベルでのカスタマイズ、最適化が可能。

ルール変更の容易性設定値変更によるカスタマイズを前提としており、条件分岐の変更等に必要な開発環境が用意されていない。

GUIツールとイベント処理専用フレームワークの利用により直感的なルール/フロー開発が可能。運用中のルール変更もサポート。

ソースコード開発のみによる構築のため設計・開発・テストにかかる

初期導入コスト 適応システムの特性に合致しない場合の回収コストが高い。

ルールを作成する必要があるためルールのコンポーネント化による効率化で対応

if文連鎖による複雑化、開発規模の肥大化による導入までのコスト/期間が増大。

項目 Oracle CEP IDE for Eclipse

画面イメージ

Eclipse IDEのプラグイン実装対象

システム開発者向け主な対象者

イベントデータ利用のための初期開発開発ライフサイクル上での位置づけ

・開発作業 : アダプタ開発、イベント型定義、 EPNフロー開発等

主な作業内容

・Java開発との親和性・Eclipseユーザーが慣れ親しんだ操作性

Oracle CEP Visualizer

ブラウザ・ベース(Adobe FlashベースのRIA)

アルゴリズム開発者、管理者向け

ルールの更新

・開発作業 : CQLアルゴリズム開発・管理作業 : システムモニタリング、クエリ修正、 クエリ停止/再開、シミュレーション等

・インストール不要のため多ユーザーが利用可能・直観的な操作性・オンライン変更管理、監視

Oracle BAM

ブラウザ・ベース

業務ユーザー向け

可視化しきい値の更新

・業務作業 : アラート情報や検出結果の可視化・管理作業 : 検出条件 (検出しきい値、検出頻度 )の修正

・インストール不要のため多ユーザーが利用可能・ユーザー属性に合わせて可視化する内容を カスタマイズ可能

特長

アプリケーション

実行エンジン

検出ルール検出ル ル検

アプリケーション

検出ルール

実行エンジン

フレームワーク

アプリケーション

検出ルール

実行エンジン

検出ル ル検出ル ル検検検検検出ルールルははハードコーードドされているる

独自ルールルののアドインはは複雑化しややすすい

検検検検検制限がなないいぶん、アルゴリズズムムのの記述は複複雑雑化化する

追加開発発はは既存既存ルールとの整合性担保が必必要要

検検検検ワークフレームを利用したルール開発

作成したルールをテンプレートとして資産化

■JRockit Real Timeによる待機時間の縮小

従来のJVM

■Oracle Coherenceとの連携イメージ

低トランザクション時:GCによるタイムアウトが発生する

高トランザクション時:GCによる停止頻度が多くなり、レスポンスタイムが劣化する

の JVM

高トランザクション時:

Oracle CEP

OracleCoherence(データー・グリッド)

EPN(イベント・フロー)

・GCの停止時間をミリ秒単位に制御し、高速で予測可能なレスポンス時間を実現・リアルタイム化に対するアプリケーションへの修正は一切不要 (JVM起動時のオプションを変更するのみで摘要可能)

JRockit Real Time

フィールド・ハンドラ

Stresming VWAP計算アルゴリズム

ウェイブ分割アルゴリズム

ウェイブ執行アルゴリズム 発注

注文データ

銘柄マスタ ウェイブウェイブ分割操作

ム 発注相場情報

銘柄

注文注文注文注文注文注文文文文注文

ウェイブウェイブ

ウェェェェェイイ

ウェイブ

ェェイェイイイイイイイブブブイブイブイブ

ェェイイイイイイイブブブウェイウェイェイウェェイ

ウェイブ

開発者、管理者、IT管理者、ビジネス・ユーザー向けの高度なツール

アプリケーション・フレームワーク

コア・イベント基盤

拡張イベント基盤

基盤サービス(Equinox OSGiTM) Coherence

OSGi

構成管理

データ・キャッシュ

ストリーム管理

POJO Spring(DM)Framework Services

リアルタイム・カーネルComplex EventProcessing

クラスタ管理

イベント・リポジトリ

HTTPPub/Subエンジン

セキュリティ ログ管理

OSGi

レイテンシ・アナライザ

Oracle Complex Event Processing

高いスループット性能・秒間数十万イベントを処理可能・Oracle Coherence によるキャッシング

高可用性・マルチサーバー構成 (Coherenceクラスタを利用 )

コアとなるイベント処理基盤・CEP エンジン・複合イベント処理のためのプログラミングモデル・CQLによるクエリ処理・データストリームの制御、モニタ

Easy-to-Use な開発フレームワーク・Spring Framework、POJO

Web 2.0 & Eclipse-based tooling・サーバー管理&モニタリング (Visualizer)・ビジュアルにEPNやCQLを編集できるプラグイン

Page 4: Oracle Event Processing のご紹介

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(n)分

CEP利用領域・特定時間内に出入りが繰り返された場合、通知を省く・特定時間内に移動が検知されない (=留まっている) 状態を拾って、アクションを実施・リアルタイムの在庫状況に基づいてディスカウント率を設定し、近辺のユーザーに情報を通知

Oracle CEPの活用によるサービス・イノベーション事例

大量データをリアルタイムに扱えることにより、これまででは実現できなかったような新たなサービスを生み出すことができます。CEP上で実装するアルゴリズムは企業にとってのノウハウが集約されるため、実装されたシステム自体が企業のコアサービスとなっているケースも多くみられます。サービス化のパターンや事例の把握と共に、企業インフラとしてCEPを利用していくためのシステム化の考え方を理解することがCEPを効果的に活用するために必要不可欠となります。

CEPが利用される4つのサービス・パターン

CEP の利用領域は非常に多岐に渡ります。新たな利益創出を図る

ことを目的に、リアルタイムのマーケティング基盤として小売業や

通信業で利用されたり、証券業におけるアルゴリズム取引基盤として

利用されることもある一方、事業損失を妨げることを目的として、

クレジットカードや EC サイトの不正利用検知や製造業における

設備保全業務にて利用するケースもあります。このようにCEPは幅広く

利用されますが、これらサービスのパターンは大別すると4種類に分類

することができます。

トルコの通信事業者であるTurkcell 社では、Mobile Billboardシステム

という契約顧客向けのリコメンデーション配信サービス基盤にてOracle

CEPを利用しています。GPSの位置情報や、ショートメッセージの送信

頻度を元に顧客の属性を特定し、事前定義されている近隣施設の

キャンペーン情報とのマッチングによりターゲット顧客に対する時限

クーポン配信をおこなう基盤です。

ショッピングモールに対してのサービス提供の例では、ショッピング

モールを訪れた顧客向けに、One to Oneでのマーケティング活動が

おこなわれています。例えば”子供服を販売している店舗の周辺に一定

時間以上いる顧客は子供用品の販売促進対象顧客”と判断し、”近隣店舗

で子供用品を扱っている店舗の商品情報をメール配信する”といった

リコメンデーションをおこないます。

北米で電力管理ソリューションを提供しているEnerNOC社では、

Demand Smartシステムという電力需要量を最適化するサービス基盤

にてOracle CEPを利用しています。米国では年々高まる電力需要量に

対応することが喫緊の課題として挙げられていますが、これを解決する

画期的なサービスとして近年大きな成長を遂げているものです。

EnerNOC社は製造工場、市庁舎、学校といったエンドユーザー企業

と契約し、各企業に専用サーバを設けてリアルタイムに電力使用量を

把握しています。これにより、工場のフラップ、生産ラインの稼動状況、

学校内の蛍光灯の使用量といった細かいレベルでの電力使用をモニタ

リングすることができています。

電力会社からはピークが想定される時間帯が近づくと、特定のしきい値

まで使用量を抑えるようにEnerNOC社に依頼がかかり、これに対して

企業インフラストラクチャーとしてのCEP基盤

新たなサービス基盤としてCEPを用いたシステム構築をおこなう場合、

既存の企業システムといかに連携させていくかが重要となります。

多くの場合、情報端末からの情報収集や、それらを利用した業務の

実施、事後的な統計情報の分析等についてのシステムは一連のプロセス

を持ってすでに構成されており、新たなサービス基盤を構築する場合に

はこれらとの連携を考慮して構築する必要があります。

既存情報端末からの情報抽出にはアダプタ・テクノロジーが利用されます。

Oracle CEPでは JMSや HTTPのアダプタを用い、柔軟な情報抽出が

おこなえることに加えて、SOAの技術との連携により、ERPをはじめと

する既存企業インフラへの情報の反映も容易に構成することができます。

また、これら基盤はOracle Coherenceと連携することで、大量トラン

ザクションを低レイテンシで処理することができる基盤として構築する

ことができます。

また、オフライン分析された統計情報の利用にはカートリッジ・テクノ

ロジーが利用されます。Oracle CEPでは JDBCカートリッジとSpatial

カートリッジ(地図矩形情報データベース)が用意されており、Oracle

Data MiningのマイニングモデルをCEP上からシームレスに呼び出す

ことや、地図上での矩形情報をリアルタイムに抽出することができます。

これらオラクルの保有する幅広い技術の利用により、既存システムを

生かした新規サービス基盤の構築をおこなうことができます。

Dynamic Resource Allocation需給状況にあわせて、人材や物品のリソースをリアルタイムに最適に配備

・サービス窓口の人材配備・緊急車両の動的配備・工場での人材管理・空港内の人の流量管理

Real-time One to One Marketing購買者の行動に特定の意味づけをおこない、行動に合わせたマーケティングサービスを実施

・Web販売チャネル上でのx-sell 促進・位置情報を利用したクーポン配信・利用料金に合わせた付帯サービス提供

Ruled Case Management複数の情報を相互に関連づけることで、特定の判断や意思決定を実施

・証券フロントのアルゴリズム取引基盤・航空機貨物輸送のリブック・医療機関での患者容体管理

Complex Activity Monitoring監視対象者の行動を特定のルールと照合し、行動意図を特定する

・ECサイト利用者の不正検知・アンチマネーロンダリング・位置情報を利用した営業行動管理

■Turkcell 社 Mobile Billboardシステム ■EnerNOC社 Demand Smartシステム

ショッピングモール

Cellphone SMS

状況監視

プロモーション 通知

Oracle CEP

GPS位置情報

顧客契約情報

プロモーション商品情報

RealtimeStream Data

事例:Turkcell社 Mobile Billboardシステム 事例:EnerNOC社 Demand Smartシステム

インセンティブが支払われます。

EnerNOC社は特定しきい値まで抑えられるように、各エンドユーザー

企業の電力使用量と最低必要量を確認しながら、節電依頼をかける

対象企業、時間帯、対象設備をスケジュールし、エンドユーザー企業に

アナウンスします。節電対応に応じたエンドユーザー企業には、

EnerNOC社より節電量に応じたインセンティブがさらに支払われる

というビジネスモデルをとっています。

Oracle CEPはエンドユーザーから集まってくる電力使用情報をもとに、

リアルタイムに最適な電力使用制限をおこなうためのスケジュールと

実際の使用量をモニタリングすることに利用がされています。スケジュール

のための高度なアルゴリズムを元に、リアルタイムに大量に入力される

情報を処理できることが、Oracle CEPが利用されている背景です。

大量メール配信や店舗周辺での広告掲載に比べて、顧客の属性や行動に

合わせたリコメンデーションにより頻繁な案内を避け、また時限利用で

ある分割引率を上げることで、顧客満足度の高いサービス提供をおこなう

ことができます。一方店舗としても過剰なクーポン配布による利益圧迫

を避け、緩慢に応じたクーポン配布により来客数を分散させる等、より

効果的なクーポン配布を実施することができます。

これからクーポンの配布効果をあげるために、オフラインでの顧客統計

分析は既に多くの企業で実施されていますが、Oracle CEPはこれら分析

された結果を元に、各顧客をターゲット・セグメンテーションの分布と

マッチングさせたり、実際のサービス実施をおこなうなど、現場でのオン

ラインサービスとして分析結果を生かしていくために利用されています。

情報活用 アクション実行情報蓄積 分析情報整形リアルタイム 情報ハンドリングリ情報受信 フィルタリング情報検知・送信(センサー)

Smart Device/Gateway

Service Integration

ServiceApplications

・情報発生検知・情報変化検知・情報整形・情報送信

・システム連携/ アクション要求

情報送信

Berkley DBy

Embedded Java

Fast DataManagement・情報受信/フィルタ・イベント検知・各種アクション実行指示各種アクション実行指

Coherence

指示実行指

CEP

Exalogic

Business Analytic ・統計分析・法則/ルールの発見/取捨選択法則/ル ルの発見/取

BI

取捨選択発見/取

BAM アクション要求

SOA Suite

・情報活用・アクション実行・プロセス駆動プロセス駆動

EBS

CRM

SCM

Oracle Com/Util

BPM

Big Data Management ・データ集計/マイニング・各種属性情報保存・法則/ルールの創出・法則/ル ルの創出

Oracle DB

創出

Oracle Spatialp

Exadata

次世代サービス・プラットフォーム コア

レスポンスタイム・即時性同時実効性接続性(標準データモデル)

大量データ処理データマイニングアルゴリズムデータ可視化

ビジネス・ロジックビジネス・プロセス接続性(標準データモデル) トランザクション処理

aa

配電

エンドユーザー(契約顧客)

EnerNOC社サービス範囲

送電

電力会社

専用サーバー オペレーションセンター電力使用状況

会社

大規模な設備投資の必要性

放射性 物質の危険性

再生可能 エネルギーの断続性電力需要の上昇

電力制限の依頼

RealtimeStream Data

電力使用量

時間AM8時 AM10時 AM12時 PM2時

Tight Tolerance

時間

nce

CEP利用領域・制限範囲に収まるように、エンドユーザーの電力停止計画をスケジュール