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RIETAN-FP・VENUS
統合支援環境の手引き
泉 富士夫∗
物質・材料研究機構 量子ビームセンター〒305-0044 茨城県つくば市並木 1-1
2011年 1月 5日
1 はじめにRIETAN-FP・VENUS 統合支援環境は Windows 用のテキストエディタ秀丸エディタ*1 上で
RIETAN-FP、VENUS*2(PRIMA、ALBA、VESTA)、関連プログラムを起動し、それらの入出力ファイルをタブ切り替えで編集・閲覧し、ファイル操作を行うための計算機環境であり、多数の秀丸マクロで構成されている。秀丸エディタでは、ユーザーが作成した秀丸マクロをプルダウンメニュー、ツールバーとステータスバー上のボタン、ポップアップメニューに登録することにより機能を増強できる。その強力なカスタマイズ機能をフルに活用したのが本支援環境である。メニュー項目へのキーボードショートカットの割り当ても可能となっている。秀丸エディタ内で一連のデータ処理を行えるため、従来のように個別のバッチファイルを利用するより、はるかにユーザーフレンドリーかつスマートである。
2 事前の準備2.1 もう一つの Readme
本支援環境を利用するには、まずWindows 用アーカイブファイルWindows versions.zip に同梱されている手引き書 Readme win.pdfに目を通し、Windows用バージョンをインストールしておく必要がある。Readme win.pdfをまだ読んでいないのだったら、本文書の前にそちらを熟読していただきたい。
2.2 秀丸エディタのインストール
本支援環境を用いる際には、秀丸エディタ v8.02以降を C:UProgram FilesUHidemaruフォルダにインストールする必要がある。旧バージョン v6.14では、一部の秀丸マクロが正常に動作しない。
∗ E-mail: [email protected]*1 http://hide.maruo.co.jp/software/hidemaru.html*2 http://homepage.mac.com/fujioizumi/visualization/VENUS.html
1
小数点より後の数字が増えたバージョンアップは重ね書きで大丈夫である。64ビット版Windowsを使用している場合、64ビット版秀丸エディタをインストールすることが
望ましい。32ビット版秀丸エディタは通常 C:UProgram FilesUHidemaru (x86)フォルダにインストールされるため、トラブルが起きる可能性が高い。一部の自作秀丸マクロにおいて Windows DLL (Dynamic Link Library) 田楽 DLL*3 中の関
数を呼び出している。Readme win.pdf で述べたように、Windows 版 RIETAN・VENUS のインストール時に DengakuDLL.dll(田楽 DLL の最新バージョン)は C:UProgram FilesUHidemaru
フォルダ内にコピーされる。なお、田楽 DLL のマニュアル(HTML ファイル)が C:UProgram
FilesURIETAN VENUSUMacrosUDengakuDLL manualフォルダに収納されている。必要に応じて参照されたい。
2.3 本支援環境から呼び出すプログラムのインストール
2.3.1 RIETAN-FP・VENUSシステムReadme win.pdfで述べた通りにインストールすれば、Windows versionsフォルダに含まれてい
る RIETAN VENUS フォルダは C:UProgram Files フォルダの直下にコピーされる。すなわち、C:UProgram FilesURIETAN VENUSU が当該フォルダの絶対パスとなる。
2.3.2 その他のプログラムその他のアプリケーション(Web ページの URL は 4 節を参照のこと)も同様に、C:UProgram
Filesフォルダ内に置く:
• VESTA: C:UProgram FilesUVESTA
• EXPO2004: C:UProgram FilesUEXPO2004
• SUPERFLIP: C:UProgram FilesUSUPERFLIP
• PowderX: C:UProgram FilesUPowderX
• Powder 4: C:UProgram FilesUPowder4
• EDMA: C:UProgram FilesUEDMA
厳密には、VESTAは三次元可視化システム VENUS*4 のメンバーであるが、便宜上、別格扱いし、VESTAフォルダは C:UProgram Filesの直下に置く。
2.4 Windowsの設定
エクスプローラでは(登録されている)ファイルの拡張子を表示しないのがWindowsのデフォールト設定となっている。この設定は不便かつ非実用的なので、絶対変更すべきである。そこで、OS
のバージョンに応じて次のように設定しておく:
Windows XPの場合 エクスプローラのツールメニューで [フォルダオプション:表示] を選ぶ。
Windows Vistaの場合 フォルダオプションというコントロールパネルを開く。そして、[登録されている拡張子は表示しない] のチェックをはずす。
*3 http://www.ceres.dti.ne.jp/˜sugiura/*4 http://homepage.mac.com/fujioizumi/visualization/VENUS.html
2
4節で述べる秀丸マクロの内、特定の三つを使うためには、拡張子を次のように関連づけておく必要がある:
• pdf → Adobe Readerなどの PDFファイル閲覧ソフト• itx → Igor Pro
• xls → Microsoft Excelあるいは OpenOffice.orgの Calc
それぞれ RIETAN-FPのマニュアルを参照する場合(No. 28、マニュアル)、グラフ作成プログラムIgor Pro*5 でリートベルト解析パターンをプロットする場合(No. 2、Plot)、空間群のシンボルを収録したファイル Space groups.xlsを閲覧する場合(No. 29, Space groups)に必要となる関連づけである。
3 秀丸エディタの設定3.1 既存設定の保存
すでに秀丸エディタを使い込んでいて、諸設定が完了しており、それらの設定を保存しておきたい場合は、
その他 → 設定内容の保存/復元
で、[設定情報をファイルに保存する] を選び、C:UProgram FilesUHidemaruU*.regというファイルに設定情報を出力しておくとよい。このファイルさえあれば、
その他 → 設定内容の保存/復元
で [設定情報をファイルから復元する]を選ぶことにより、いつでも支援環境インストール以前の設定内容に復帰できる。
3.2 本支援環境用の設定
3.2.1 設定ファイルの読み込み秀丸エディタを立ち上げ、
その他 → キー割り当て... → 読込み... → 参照...
で、C:UProgram FilesURIETAN VENUSUMacrosURIETAN-FP.keyを読み込む。これでキー割り当て、マクロ登録、ユーザーメニューが本支援環境用に最適化される。なお、キー割り当ての一覧表は
その他 → キー割り当て → 一覧表作成
で作成できる。次に、キー割り当てとマクロ登録内容以外の設定を本支援環境用に最適化するために、
その他 → 設定内容の保存/復元...
*5 http://www.wavemetrics.com/
3
で [設定情報をファイルから復元する] を選び、C:UProgram FilesURIETAN VENUSUMacrosURIETAN-FP.regを読み込む。ここで念のために
その他 → 動作環境 → 環境 → パス
において、
• マクロファイル用のフォルダ: C:UProgram FilesURIETAN VENUSUMacros
• 設定ファイル用のフォルダ: C:UProgram FilesURIETAN VENUSUMacros
となっていることを確認する。以後、マクロメニューの下のマクロ登録を選んだとき、このフォルダの絶対パスがダイアログボックスの下方に表示される。
3.2.2 PCに依存する変更使用している PCの CPUやメモリー容量に応じて、
その他 → 動作環境 → 環境
で、[編集可能な最大行数] を変更し、さらに
その他 → 動作環境 → パフォーマンス
で、最大行数とパフォーマンスのレベルを変更するとよい。後者では、詳細設定も可能である。最後に
その他 → 動作環境... → ウィンドウ → 配置
で [位置を指定する] と [サイズを指定する] をチェックした後、自分の PCのディスプレイに合わせて、ウィンドウの位置と大きさを適当な値に設定する。*.lst を表示するので、X 方向は少なくとも100文字以上にすることが望ましい。
4 本支援環境に含まれる秀丸マクロ本支援環境を構成するすべての自作マクロ(No. 1~30)を図 1に示す。これらのマクロはマクロ
メニュー中の各項目、ツールバー上のボタン、ステータスバー上のファンクションキーを通じて起動できる(図 2)。図 1中の緑色のマクロにはファンクションキーが割り当てられている。Ctrl-Eを押せばポップアップメニューが現れ、主要なマクロ 25個の内から一つの項目を選べる(図 3)。ポップアップメニューの左側に表示されているショートカットキーを押せば、マウスを使わずに項目を指定できる。本節以降では、秀丸マクロのタイトルは太字(ボールド)で表すものと約束する。
マクロ → マクロ登録
において、各マクロのタイトルを好きなように書き替えることができる。
4
図 1 RIETAN-FP・VENUS統合支援環境に含まれる自作マクロ
図 2 RIETAN-FP・VENUS統合支援環境で使用するメニュー、ボタン、ファンクションキー
4.1 マクロ No. 1~10
次の 10 個の秀丸マクロはマクロメニュー(ショートカットキーを表示)、ツールバー(ボタン)、ポップアップメニュー(ショートカットキーを表示)から実行できる:
1. RIETAN.mac (RIETAN): RIETAN-FP による全回折パターンフィッティングあるいは粉末回折パターンのシミュレーション
5
図 3 RIETAN-FP・VENUS統合支援環境でポップアップメニューを開いたところ
2. Plot.mac (Plot): Igor Proや RietView*6 などによるリートベルト解析・シミュレーション結果(*.itx)のグラフ表示
3. ORFFE.mac (ORFFE): ORFFEによる幾何学的パラメータの計算4. PRIMA.mac (PRIMA): PRIMAによる最大エントロピー法(MEM)解析5. ALBA.mac (ALBA): ALBAによる最大エントロピー・パターソン解析6. lst2cif.mac (lst2cif): RIETAN-FPの標準出力の CIF*7 への変換(*.lst → *.cif)7. res2ins.mac (res2ins...): res2insによる *.res(粉末未知構造解析システム EXPO2004*8 の出力ファイル)から *.insへの結晶データの取り込み
8. Alchemy.mac (Alchemy): Alchemy による *.fos(RIETAN-FP により出力したテキストファイル)の *.memへの変換
9. EXPO.mac (EXPO...): EXPO2004の起動10. SUPERFLIP.mac (SUPERFLIP): Charge flipping 法プログラム SUPERFLIP*9 を実行し、得られた電子密度分布を VESTA*10 で 3D可視化
RIETAN(No. 1)を実行した場合、*.ins.BAKというバックアップファイルがカレントフォルダに作成される。初期状態のPlot(No. 2)では、RietViewで *.itxを開いてグラフをプロットするようにしている。
Igor Proをお使いの方は、拡張子 itxを Igor Proに関係づけた上、Plot.mac中の 9行目(RietView
による *.itxのオープン)を
*6 http://members.at.infoseek.co.jp/DrHell/labo/index.html*7 http://www.iucr.org/ data/iucr/cif/standard/cifstd1.html*8 http://www.ic.cnr.it/*9 http://superspace.epfl.ch/superflip/
*10 http://www.geocities.jp/kmo mma/crystal/jp/vesta.html
6
図 4 *.prf作成用ダイアログボックス
openbyshell \$itx; // Open by Igor Pro
に替えていただきたい。PRIMA(No. 4)実行時に PRIMA 用の入力ファイル *.prf がカレントフォルダに存在しない
場合は、「(ベースネーム).prf作成用データを入力すると、(ベースネーム).prfがオープンされます。必要なら編集・保存した後、PRIMAを再実行してください。」というメッセージが現れる。Macros
フォルダ中のひな形ファイル template.prfを *.prfにコピーし、ユーザーがダイアログボックス(図4)で種々のデータを入力した後、*.prfを書き換え、それをカレントファイルとする。*.prfを編集した後、再度 PRIMAを実行する。事前に template.prfの中身を自分用に書き換えておくことを推奨する。なお、環境変数 PRIMAで定義したフォルダに 64 ビット版 PRIMA64.exeが存在する場合は、それを実行する。ALBA(No. 5)の設定ファイルは *.albというファイル名にしなければならない(*.txtではない
ことに注意せよ)。SUPERFLIP(No. 10)の入力ファイルの拡張子は inflipに固定されている。現在表示中のファ
イルとベースネームが同じで、なおかつそのファイルと同一のフォルダを共有する *.inflipが処理の対象となる。電子密度の 3Dピクセルデータは必ず *.xplorに出力すること。
4.2 マクロ No. 11~17
次の 7個の秀丸マクロはマクロメニュー中の [3D可視化]、ファンクションキー F1~F7(ステータスバーにボタン表示)、ポップアップメニュー(Ctrl-Eで出現)で利用できる:
11. VESTA.mac (VESTA): VESTA によるカレントファイル(現在表示されているファイル)のデータの 3D可視化
12. VESTA ins.mac (VESTA/ins): VESTAによる *.ins中の結晶データの 3D可視化(結晶構造モデルの表示)
13. VESTA lst.mac (VESTA/lst): VESTAによる *.lst中の結晶データの 3D可視化(結晶構造モデルの表示)
7
14. VESTA cif.mac (VESTA/cif): VESTAによる *.cif中の結晶データの 3D可視化(結晶構造モデルの表示)
15. VESTA den (VESTA/den): VESTAによる *.den(テキストデータファイル)中の電子・原子核密度データの 3D 可視化(等値曲面の表示)
16. VESTA pri (VESTA/pri): VESTAによる *.pri(バイナリーデータファイル)中の電子・原子核密度データの 3D可視化(等値曲面の表示)
17. VESTA vesta (VESTA/vesta): VESTAによる *.vesta中のデータの 3D可視化
VESTA(No. 11)を起動した場合、まず VESTA が立ち上がる。そして、カレントファイルが*.ins, *.lst, *.cif, *.den, *.vesta ならば、それぞれのファイルを入力する。それら以外がカレントファイルだったら、何も読み込まない。秀丸エディタでは F3 にはデフォールトで [下候補] が割り当てられるが、これが VESTA/lst
(No. 13)に入れ替わったことになる。そこで [下候補] には Ctrl-Gを割り付けた。VESTAとVESTA lstで *.lstを読み込んだ場合、Manipulationを Selectモードに設定して原
子をクリックすると、ウィンドウの左下に(サイトの多重度)+(Wyckoff文字)が表示される。
4.3 マクロ No. 21~30
これらの秀丸マクロはマクロメニュー中の [その他] で利用できる。No. 21~28の秀丸マクロはマクロメニュー以外からも実行できる:
拡張子分岐(No. 21) ポップアップメニュー(Ctrl-Eで出現)、ショートカット Ctrl-T
マクロ No. 22~27 ポップアップメニュー(Ctrl-Eで出現)
マニュアル(No. 28) ファンクションキー F8(ステータスバーにボタン表示)、ポップアップメニュー(Ctrl-Eで出現)
21. ExtDriver.mac (拡張子分岐): 拡張子分岐*11(5.4参照)22. XY RIETAN.mac (XY→RIETAN): 現在編集中の General形式および Igorテキスト形式の強度データファイル(等間隔の 2θ ステップ)を RIETAN形式のファイル *.int(* は変換元ファイルのベースネーム)に変換
23. XY RIETAN.mac (RIETAN→ General): 現在編集中の RIETAN形式の強度データファイルを一般(General)形式のファイル *.int(* は変換元ファイルのベースネーム)に変換
24. PowderX.mac (PowderX...): 粉末回折データ処理ユーティリティ PowderX*12 の起動25. Powder4.mac (Powder 4...): 粉末回折データ処理ユーティリティ Powder 4*13
26. EDMA.mac (EDMA): 電子密度分布解析プログラム EDMA*14 の起動27. MADEL.mac (MADEL): サイト・ポテンシャルとマーデルンク・エネルギーを計算するプログラムMADELを実行
28. Manual.mac (マニュアル): RIETAN-FPの PDFマニュアル(RIETAN-FP manual.pdf)の閲覧
29. Space groups.mac (Space groups): 空間群の Hermann-Mauguin 記号を記録した Excel
97-2004 ブック形式のファイル Space groups.xlsを表計算ソフトでオープン30. BVP.mac (Bond valence parameters): Bond valence parameter を記録した CIF 形式
*11 http://hide.maruo.co.jp/lib/macro/extdriver001.html*12 http://www.ccp14.ac.uk/tutorial/powderx/index.html*13 http://www.ccp14.ac.uk/ccp/web-mirrors/ndragoe/html/software.html*14 http://superspace.epfl.ch/superflip/
8
ファイル*15 (bvparm2009.cif)を表示
XY RIETAN(No. 22)一つで二つの異なる変換を行うことに注意してほしい。いずれの変換でも、編集中のファイルが *.int だったら、それを *.int.BAK というバックアップファイルに保存する。XY→RIETANで作成した *.intは EXPO2004で読み込める(RIETAN-FPの英文マニュアル、8.4.1を参照せよ)。MADEL(No. 27)の実行例が RIETAN VENUS examplesUYBa2Cu4O8フォルダ内に置かれ
ている。YBa2Cu4O8.pmeが入力ファイル、YBa2Cu4O8.madが出力ファイルである。入力ファイルの拡張子は任意だが、出力ファイルの拡張子は常に madとなる。なお VESTAには各サイトの酸化状態を入力すればMADELの入力ファイル *.pmeを出力する便利な機能があるので、必要に応じてご利用いただきたい。2.4 で述べたように、Space groups(No. 29)を使うには、あらかじめ C:UProgram FilesU
RIETAN VENUSUMacrosUSpace groups.xlsをExcelやCalc(OpenOffice.org*16)などの表計算ソフトに関連づけておく必要がある。最後の空間群記号が “2”になっている空間群では、“InternationalTables for Crystallography,” Vol. A中の第 2設定(原点に対称心)が STRUCTURE TIDYの標準設定となる。
4.4 マクロ No. 31~33
これらの秀丸マクロはマクロメニュー中の [汎用マクロ] で利用できるが、それぞれ別な方法でも実行可能である:
エクスプローラ(No. 31) ファンクションキー F9(ステータスバーにボタン表示)
コマンドプロンプト(No. 32) ファンクションキー F10(ステータスバーにボタン表示)
桁揃え(No. 33) ショートカット Ctrl-Q
31. openExplorer.mac (エクスプローラ): エクスプローラによりカレントフォルダをオープン*17
32. Command Prompt.mac (コマンドプロンプト): カレントフォルダでコマンドプロンプトを起動
33. quote2.mac (桁揃え): 自動改行挿入マクロ*18 を実行
エクスプローラ(No. 31)はカレントフォルダを素早く開き、マクロが用意されていないデータ処理(たとえば PRIMAが出力した Igor Proテキストファイル * eps.patの Igor Proによるグラフ表示)を行うのに便利である。桁揃え(No. 33)はテキストファイルの一行の長さを 100 桁に統一するために便宜上組み込
んだ。RIETAN-FP や VENUS とはまったく関係ない。これを使用する場合は、C:UProgram
FilesURIETAN VENUSUMacrosUquote2.iniを秀丸エディタのフォルダ内にコピーする。
*15 http://www.ccp14.ac.uk/ccp/web-mirrors/i d brown/bond valence param/*16 http://ja.openoffice.org/*17 http://hide.maruo.co.jp/lib/macro/openexplorer.html*18 http://hide.maruo.co.jp/lib/macro/enter code.html
9
5 操作方法5.1 キーワードのカラー表示
ひな形ファイル Fapatite.ins と Cu3Fe4P6.ins を見ればわかるように、If ブロックと Select ブロック中のキーワード(If, then, else, end if, Select case, case, end select, Go to など)は強調カラー表示される。
5.2 マクロ実行時のカレントファイル
Manual(No. 27)以外の秀丸マクロは、*.insと同一フォルダに存在し、しかもベースネーム(ファイル名からピリオド+拡張子を除いた部分)が処理対象のファイルと同一のファイルのウィンドウから起動しなければならない。たとえば、sample.xyzから幾何学的パラメーターを求めたいときは、sample.xyz(sample.insと同一のフォルダに存在)のウィンドウでORFFE(No. 3)を実行する。RIETAN(No. 1)と lst2cif(No. 6)を実行する場合、カレントファイルに応じて、オープン中
のファイルが次のように処理される:
1) *.insのウィンドウから起動した場合*.insの一部を変更したにもかかわらず保存されていない場合、すなわち *.insのタイトルバーに (更新)と表示されている場合、*.insを保存した後に RIETAN-FPの実行を開始する。
2) *.ins以外のウィンドウから起動した場合一部変更されたファイルをすべて保存してから、RIETAN-FPの実行を開始する。
いずれの場合も、RIETAN-FPが *.insを更新したならば、更新ファイルが自動的に表示される。
5.3 マクロ終了直前に開かれるファイル
各秀丸マクロ終了直前に自動的に(再)オープンされるファイルは次の通りである:
• RIETAN: *.ins, *.lst, *.xyz (出力時のみ), *.ffo(出力時のみ)• ORFFE: *.xyz (出力された場合のみ), *.dst
• PRIMA: *.out
• ALBA: *.out
• lst2cif : *.cif
• res2ins: *.ins
• Alchemy: *.mem
• EXPO: *.expと *.ffx(Le Bail法で求めた観測積分強度を収めたファイル。出力時のみ)• SUPERFLIP: *.sflog, *.xplor(VESTAによる等電子密度曲面の 3D可視化)• XY→RIETAN: *.int
• EDMA: *.cif, *.coo
内容を改変すべきでないファイル*.lst, *.dst, *.out, *.mem, *.sflogは読み取り専用(タイトルバーに表示)の状態で開かれる。
10
5.4 拡張子に応じた動作
拡張子分岐(No. 21)には Ctrl+T というショートカットが割り付けられている。カレントファイルを対象に秀丸マクロ No. 1~8, 14, 15, 17, STRUCTURE TIDY.mac(C:UProgram
FilesURIETAN VENUSUMacros フォルダに置いてあるが、マクロ登録はしていない)を実行する。カレントファイルの拡張子が ffoと ffx(EXPOマクロ実行後に得られる観測積分強度を収めたファ
イル extra.hkl を改名)の場合、拡張子分岐は ext2ffi.macを実行する。ext2ffi.macはカレントファイルを別ファイル *.ffiに保存し、*.ffiを開くための秀丸マクロである。カレントファイルが STRUCTURE TIDY の入力ファイル(拡張子: sti)である場合、拡張子
分岐は未登録の秀丸マクロ STRUCTURE TIDY.macを実行し、STRUCTURE TIDYの出力ファイル *.sto を開く。STRUCTURE TIDY は結晶データを標準化するプログラムである。詳しくはRIETAN-FP manual.pdf 中の 8.3.10 を読んでいただきたい。*.sti の入力データは下記の通りである:
• 1行目: 空間群のシンボル*19
• 2行目: 原点に反転中心がないとき 0、あるとき 1
• 3行目: 格子定数 a, b, c, α, β, γ(書式なし)• 4行目以降、最後から 3行目まで: 各サイトのラベル*20と分率座標(書式なし)。• 最後の 2行: end
STRUCTURE TIDY は複数のデータセットを扱えるが、通常は “end” を二行続けて入力し、単一結晶データだけを標準化する。RIETAN VENUS examplesUYBa2Cu4O8 フォルダに実行例YBa2Cu4O8.stiと YBa2Cu4O8.stoが、RIETAN VENUS examplesUZr2Fe12P7フォルダに別な実行例 Zr2Fe12P7.stiと Zr2Fe12P7.stoが置かれている。
5.5 ポップアップメニューからの起動
Ctrl+Eを押せば、ほとんどすべての秀丸マクロがポップアップメニューに表示される(図 3)。目的の秀丸マクロを選択するか、左端にアンダーライン付きで表示されているショートカットキーを押せば、当該マクロが実行できる。
5.6 タブ操作
一つのファイルのタブをウィンドウ外部に向かってドラッグし、ウィンドウの外枠が見えてきたところでドロップすれば、そのファイルをオープンした状態のウィンドウが開く。タブ上での左ダブルクリックでもよい(動作環境 → ウィンドウ → タブモード → 詳細 → マウス操作 → 左ダブルクリックで「このタブを分離/移動」に設定した場合)。こうして開いたウィンドウから元のウィンドウに当該ファイルのタブをドラッグ&ドロップすれば、元に戻る。各タブの左側に位置する Xを □ で囲った形のマークをクリックすると、そのファイルを閉じるこ
とができる。複数のファイルを開いている場合、それぞれのファイルにタブが割り当てられる。特定のタブをマ
*19 入力可能なシンボルはマクロ → その他 → Space groupsで参照できる.*20 化学種名(2 文字以下のアルファベット文字)+識別文字列からなっており、最大 6 文字である(たとえば O2,Fe3,
H123a)
11
図 5 ウィンドウ左部にエクスプローラ枠を表示した秀丸エディタ
ウスの左ボタンでダブルクリックすると、当該タブ以外のタブに相当するファイルが閉じられる。また、特定のタブを右クリックすると、当該タブより右側の全タブのファイルが閉じられる
5.7 エクスプローラ枠
秀丸エディタ v8.0以降では、
表示 → エクスプローラ枠
を選ぶと、ウィンドウ内に様々な形でファイル一覧などを表示する枠を表示できる(図 5)。[エクスプローラ]という表示形式を選び、[サブフォルダも表示]をチェックすれば、フォルダツリーとファイル一覧を上下に表示してくれる。後者においてファイル名をダブルクリックすれば、当該ファイルが開かれる。
6 使用にあたっての留意点本支援環境を構成する秀丸マクロ *.mac は必要に応じて変更して使うことを推奨する。秀丸マク
ロの詳細については、マクロメニューの一番下のマクロヘルプを参照されたい。本支援環境では、
動作環境 → ファイル → 排他制御
において [ファイルを読み込みなおしする] を選択している。他の設定を選ぶと、すでにオープンされているファイルを再びオープンしようとしたときの操作が煩雑になるので、注意すること。
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秀丸エディタで編集したファイルのバックアップを保存しておきたい場合は、
その他 → 動作環境 → 保存
で、[所定のフォルダにバックアップを作成する] をチェックし、適当なフォルダを指定しておくとよい。ただし、
その他 → ファイルタイプ別の設定 → その他 → 保存・読み込み
で、[バックアップファイルの作成] をチェックする必要がある。
7 付録: 秀丸マクロ関係の操作秀丸マクロについては
• “秀丸エディタ公式マニュアル Ver7対応,” Iranoan, サイトー企画 (2007), 第 7章.
に詳しく記述されているが、本支援環境を構築した際の操作について以下に記録しておく。
7.1 ユーザーメニューへのマクロの登録
その他 → メニュー編集 → ユーザーメニュー → メニュー:メニュー n(n = 4~7)
でタイトルを設定。[追加] をクリックする。コマンド:メニュー/マクロとし、マクロを指定し、キーを入力した後、[追加] をクリックしてマクロを登録する。必要に応じて [一つ上に移動] をクリックし、適当な位置に移動する。キーを変更するときは、[追加] をクリックして再登録し、必要なら上に移動した後、旧登録マクロ
を削除する。
7.2 マクログループとマクロへのキーの割り当て
その他 → キー割り当て → コマンド:メニュー/マクロ
で ctrl, Alt などをチェックして、それとともに押すキーを選ぶか、単独のファンクションキーを選び、コマンド: メニュー/マクロでメニュー nを選んでから、OKをクリックする。同様に、特定のマクロにキーを割り当てることもできる。
7.3 キー割り当ての解除
その他 → キー割り当て
でそのキー(たとえば Ctrl+E)を指定した後、[コマンド:] でファイル系+ (なし)を指定する。従来のキー割り当てを変更する際には、新しいキーを割り当てる前にキー割り当てを解除する必要がある。
7.4 ツールバーにおけるマクロのアイコンの表示
その他 → 動作環境 → ウィンドウ
で [ツールバー] をチェックし、[詳細] をクリックする。右側の [コマンド] で [メニュー/マクロ系] を選び、追加するマクロを選択後、[追加](中央部の一番上)をクリックする。その際、[削除]をクリッ
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クすれば、そのマクロが削除される。メニュー名Mn(n: 整数 1, 2, 3, …)のアイコンがツールバーの右端に追加される。[詳細] の隣の [デザイン] をクリックし、[マクロ名を表示] をチェックする。
7.5 プログラム実行系命令
プログラム実行命令 run, runsync, runsync2の後ろには文字列が来る。文字列同士は “+”でつなぐ。文字列が空白を含む絶対パス+ファイル名の際には、二重のダブルクォーテーション記号ペアで囲む。runsyncと runsync2の引数(文字列)中では、標準入出力のリダイレクトやパイプは使えない。一対のダブルクォーテーション記号の内側では、UマークはUU、ダブルクォーテーション記号は
U"と記述しなければならない。詳しくは、
マクロ → マクロヘルプ → 目次 → 式について → 文字列
を参照のこと。
7.6 文字列の強調表示
その他 → ファイルタイプ別の設定 → 拡張子 → 表示とカラー → 強調表示
を選ぶ。当該拡張子をもつファイルの窓で指定するとよい。拡張子がないときは追加する。表示方法は、[表示とカラー] を選択して調べ、[プロパティ] をクリックして指定する。
7.7 ステータスバーのカスタマイズ
その他 → 動作環境 → ウィンドウ
で [ステータスバー] と [ファンクションキーと合体] をチェックし、[詳細...] で表示項目をチェックする。項目を減らすと、各ファンクションキーのボタンが長くなる。
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