Ruby開発が教えてくれたこと

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Ruby開発が教えてくれたこと

(財)Rubyアソシエーション(株)ネットワーク応用通信研究所

(株)楽天技術研究所Heroku [New]

まつもとゆきひろ@yukihiro_matz


プログラミングとの出会い

ポケットコンピュータPC-1210

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コンピュータでなにするか

ゲーム

計算

プログラミング言語

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手段と目的

手段としての言語

目的としての言語

手段のためには目的を選ばない

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Sapir-Whorf仮説

言語は思考に影響を与える

制限を与える

発想を与える

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言語の選択は重要

生産性に直結

ストレス

コスト

記法

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プログラミング言語

Ruby

開発効率に注目

より簡単に

より効率よく

より気分よく

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気分

重要な要素

プログラマの気分を重視

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プログラマの気分

気分が良い時

思った通りに行く時

万能感

我慢しない時

悩まない時

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思った通りに行く時

常識が通用する

予測が当たる

期待が応えられる

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万能感

やりたいことができる

やればできる

簡単にできる

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我慢しない時

苦痛が少ない

不合理を感じない

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悩まない時

海に向かって叫ばない

クリアな世界観

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気分の良いプログラミング

簡潔

万能感

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ブルックスの法則

プログラマが一定時間に開発できるソフトウェア量は言語によらず一定である

[「人月の神話」より引用]

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簡潔さは力なり

Paul Graham

プログラミング言語の進化

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例題: 階乗

factorial, or n!

n以下の自然数すべての積

n! = 1×2×3×...×n

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階乗(Java)

class Sample { private static int fact(int n) { if (n == 1) return 1; return n * fact(n - 1); } public static void main(String[] argv) { System.out.println("6!="+fact(6)); }}

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階乗(C)

#include <stdio.h>intfact(int n){ if (n == 1) return 1; return n * fact(n - 1);}

intmain(){ printf("6!=%d\n", fact(6));}

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階乗(Ruby)

def fact(n) if n == 1 1 else n * fact(n - 1) endendprint "6!=", fact(6), "\n"

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階乗(Ruby)

def fact(n) (1..n).inject(:*)endprint "6!=", fact(6), "\n"

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簡潔な表現

get '/foo', :agent => /Chrome/ do "You're using Google Chrome"end

get '/foo' do "You're using non Chrome browsers"end

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抽象化

for (i=0; i<100; i++) { ...}

100.times do ...end

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人間の都合、機械の都合

だれが主人か

人間？

コンピュータ？

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200!

printf("12!=%d\n", fact(12));printf("13!=%d\n", fact(13));printf("14!=%d\n", fact(14));printf("200!=%d\n", fact(200));=> 12!=479001600 13!=1932053504 14!=1278945280 200!=0

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200!

print "200!=", fact(200), "\n"=> 78865786736479050355236321393218506 22951359776871732632947425332443594 49963403342920304284011984623904177 21213891963883025764279024263710506 19266249528299311134628572707633172 37396988943922445621451664240254033 29186413122742829485327752424240757 39032403212574055795686602260319041 70324062351700858796178922222789623 70389737472000000000000000000000000 0000000000000000000000000

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プログラミング言語Ruby

開発効率に注目

より簡単に

より効率よく

より気分よく

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時代の要請にマッチ

性能よりも生産性

開発者の気分重視

開発者に心地よい言語

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設計者＝ユーザー

使う人の気持ちが分かる

共感できる人のために

共感できない？それもOK！

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プログラミングは楽しい

創造する楽しみ

対話の楽しみ

知的刺激

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でも楽しくない

直らないバグ

迫る〆切

炎上するプロジェクト

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解決策

コンピュータに仕事を押し付ける

ムーアの法則

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オープンソース

どうしてRuby売らないんですか？

日本のビル・ゲーツ(笑)

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Rubyの認知度

Ruby開発開始(1993)

一般公開(1995)

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Rubyの認知度

最初の書籍(1999)

最初の英語書籍(2000)

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Rubyの認知度

Rubyで就職（1997）

未踏ソフトウェア（2000）

Ruby on Rails（2004）

OSS貢献者賞（2005）

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Rubyの認知度

2007

楽天技術研究所フェロー

Rubyアソシエーション

Ruby技術者認定試験

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Rubyの認知度

2007

日経BP技術賞大賞

経済産業大臣表彰

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Rubyの認知度

2009

松江市名誉市民

島根大学客員教授

ものづくり日本大賞

日本イノベーター大賞

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Rubyの認知度

2010

日経BP チェンジメーカー2010

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Rubyの認知度

40/71


キャズム論

イノベーター

アーリーアダプター

アーリーマジョリティ

レートマジョリティ

ラガード

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キャズムを越えた日

イノベーター

技術者個人の興味・関心(1995-)

アーリーアダプター

ベンチャー・零細企業(1997-)

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キャズムを越えた日

アーリーマジョリティ

中小企業・IT系企業(2007-)

レートマジョリティ

大企業(2010-)

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キャズムの向こう側

財団法人

標準規格

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財団法人

Rubyアソシエーション

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標準規格

JIS

ISO

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ローリングストーン

転石苔生さず

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OSSコミュニティ

生存戦略

変化を続ける

課題を提供し続ける

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Rubyの未来

未来はどうなる？

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ムーアの法則

LSIの集積度は2年で2倍になる

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CPU性能向上

CPU性能向上51/71


CPU性能向上

近年頭打ち

物理的限界

要求の飽和

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未来への対応

Web

分散

並列

マルチコア

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未来への技術

クラウド

MapReduce

関数型

分散アーキテクチャ

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未来のRuby

新しい環境への適応

より広汎

より高速

より分散

より堅固

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広汎

幅広い実行環境

スマートフォン

PC

スーパーコンピュータ

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HPC Ruby

Ruby for High Performance Computing

型推論

コンパイル

Cに匹敵する速度

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軽量Ruby

Lightweight Ruby

組み込み

ソフトリアルタイム

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広汎

幅広い適用分野

組み込み

Web

HPC

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高速

YARV

JIT

最適化

GC

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分散

並列・分散はより重要になる

dRuby / Rinda

MessagePack

MapReduce

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堅固

より書きやすく

キーワード引数

Classbox

Enumerableプログラミング

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軽量Ruby

RiteVM

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RiteVM

文法：JIS/ISO準拠

ライブラリ：ほぼJIS/ISO拠準

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RiteVM

LuaっぽいRuby VM

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RiteVM

組み込みAPI

レジスタベース

インクリメンタルGC

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RiteVM

ポータブル

コアはC99のみ依存

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RiteVM

コンポーネント構成

コンパイラ分離可能

minimal, standard, full

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RiteVM

計画中

ファイバー(コルーチン)

非同期I/O

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RiteVM

今後の予定

2011/10

クローズドベータ

2012/03

オープンベータ(MITライセンス？）

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ご清聴ありがとうございました

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Technology

Ruby開発が教えてくれたこと