[キャリア支援]失敗しない! 初めての起業のステップABC

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オープンソースカンファレンス 2012 Tokyo/Fall 。[キャリア支援]失敗しない! 初めての起業のステップABC のアイキャリ講演資料です。起業の流れを説明。

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[キャリア支援]失敗しない! 初めての起業のステップABC

アイキャリ(IT業界のキャリアデザインを支援する会)

赤井誠

当会について 略称 アイキャリ

現在、IT業界(製品ベンダー、システムインテグレーター、ネットサービス企業、企業情報システム部門を含む広義のIT業界) で働く方々に対して、自分のキャリア(生き方)に対して、さまざまな情報を提供する任意団体

発足 2011年3月

発起人

IT業界で働く方々

(c) MKT インターナショナル株式会社 2

IT業界のキャリアデザインを支援する会

1. キャリアそのものに「良い」「悪い」

はない

2. 仮に成功、失敗があるとしても本人の

評価によって判断されるものである

3. 主観的な側面(価値観、モチベーショ

ンなど)と客観的な側面(異動や転職

など)

4. キャリアはプロセスである

当会での立場と提供していきたいこと

キャリアは自分で決めるもの。

キャリアを考える(キャリアデザ

インする)ための有益な情報をセミナー、ウェブなどを通じて

発信していく

しかし、自分の考える ための情報や手段に ついて、有益な情報が 少ない。

働くひとのためのキャリア・デザイン 金井壽宏

PHP新書, P137

4

日本でのIT人材の状況 100万人以上の方々が働いています

75万人

約100万人

IT企業の人材数 利用企業の人材数

IT人材白書2012(IPA)

25万人

日本の全IT人材数

5

日本でのIT人材の状況 IT人材白書2012の提言と方向性

IT人材戦略を明示せよ

未来に生き残るため自ら行動せよ

継続的な産学連携教育の実現へ

自己決定

パラダイム シフト

キャリアは、自分で決める。 企業は、それをサポートする

(キャリア=生き方)≠仕事だけ

選択

• 同じ企業の中で • いろいろな企業に移籍して

専門職を極める

以下のような方向性、条件によって、決める

ジェネラリストとして

• 同じ企業の中で • いろいろな企業に移籍して

• Iターン、Uターン

家庭環境など 起業

• ソーシャルアントレプレナー • ソーシャルゲーム • ソフトウェア開発など

本日のテーマ

このセッションについて

起業、創業については、書籍「リーンスタートアップ」を含めて、常に話題になっている。

起業、創業についてのノウハウは、大抵2つに分類 企業設立の方法を中心にしたモノ: 登記等

起業を成功に導くノウハウ: 事業計画書等

このセッションでは、主に「企業設立に関する」関することを、自分自身の経験をもとに紹介 ビジネスを軌道に乗せることに時間をかけたほうがよいので、登記等の事務処理は、できるかぎりすばやく

しかし、起業してみるとわかるのが、意外に細かい作業が必要です。

注: 昨年4月末に起業(MKTインターナショナル株式会社) したときの経験をベースにしています。そのため、経験の範囲に基づくものであり、最終的には自身で調査ください

初めての起業のステップABC

起業までにすること、起業後にすること

起業のための情報

まずは、情報収集

驚くほどたくさんの情報があります。

納税者として、積極的に政府、地方自治体が提供するサービスを活用しましょう (いろいろと批判もありますが、使えるモノは使いましょう)

登記作業

定款などを作成し、登記します。

登記後の作業

登記したあとにも、各種の事務処理が必要です。

初めての起業のステップABC

まずは、情報収集

ウェブサイト

• 経済産業省

• 中小企業機構

• 地方自治体

• 起業支援団体

• 金融機関など

書籍

• 本

セミナー

• 起業支援セミ

ナー

• 起業塾

起業情報そのものを入手することで、多額の金額発生するものは、少ない • 政府/自治体による失業対策、地域振興 • 起業後にサービスを提供したい企業など

起業のための情報

政府・公共団体 (1)

中小企業基盤整備機構

経済産業省所管の独立行政法人 http://www.smrj.go.jp

創業から事業再生、災害対策まで、中小企業のライフステージや課題に合わせた支援体制を提供

コメント

起業だけでなく、その後の支援体制があるので、起業だけでなく、今中小企業が困ったことに関する情報がある。支援を得るかどうかは、自分で決めることだが、何を考えていかないかが、一望できる

起業のための情報

政府・公共団体 (2)

J-Net21

中小機構運営ポータル http://j-net21.smrj.go.jp/

公的機関の支援情報を中心に、経営に関するQ&Aや数多くの企業事例などを紹介

コメント

ここはポータルとして、非常に役に立ちます。

起業ABC - ここに掲載されている情報を順番に作業できれば、起業できます。事業計画書や契約書のひな形まであ

ります。

起業のための情報

銀行・資金調達(1)

日本政策金融公庫

100%政府出資政策金融機関

http://www.jfc.go.jp/

国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業を担当

コメント

融資が必要であろうが、なかろうが、一度、どのような融資があるかを見ておくことは、役に立ちます。

起業関係のセミナーが定期的に実施されているので、参加してみるのも、いいと思います。有償でも、安いです。

起業のための情報

銀行・資金調達(2)

助成金 政府関係、地方自治体などから各種の助成金

http://j-net21.smrj.go.jp/raise/index.html

前述のJ-Netポータルにまとめがある

コメント

助成金には、条件や提出書類が結構複雑です。そのため、助成金申請支援企業が多数

失業状態から起業する場合は、ハローワークで事前に助成金を申請するための準備提出書類があるので注意

初めての起業のステップABC

会社設立までの大まかな流れ

会社の基本を決める

•会社の種類

•取締役

•資本金

•本社の住所

•目的など

定款の作成

•基本の決まりごと

•認証

登記申請

•申請書

•登記

オフィス 従業員

認証役場 ネット申請

資本金の証明

会社の基本項目を決める(1)

基本は、まず会社法

新会社法

平成18年5月に制定された法律。今まで、いくつかに分かれていた会社関係の法律を一つにまとめたもの。業界的には、親会社法と呼ぶことが多い。正しくは、普通に「会社法」

ポイント 資本金の規定が緩くなった: 1円起業OK!

取締役が1人でも株式会社を設立可能: 一人でも大丈夫!

有限会社はもう作れない: 既存の有限会社は、そのままでOK!

合同会社(LLC)という新しい会社の形態が登場

会社の基本項目を決める(2)

会社の種類を知る

株式会社 合同会社 NPO法人

設立費用 約25万 約10万円 0円

資本金 1円~ 0円

役員の任期 2年

※10年も可の場合有

なし 2年以内

決算広告 必要 不要 必要

設立にかかる期間 2週間~1ヶ月 約6ヶ月

例 日本電気株式会社 シスコシステムズ

合同会社 日本PostgreSQL

ユーザ会

傾向

みんなが想像する会社というのは、こちらを指すこと

が多い

会社の所有と経営が一体。意思決定を早くできるため、最近増えている

社会起業家が利用することも多い

会社の基本項目を決める(3)

社名・事業の目的を決めよう 例

• 漢字、ひらがな、カタカナ、そして、今は、アルファベットも使えます。

• 例: MKTインターナショナル株式会社

• 同じ地域で同じ社名の企業は作れません。法務局で検索できます。

• 社名は、どういう企業にしたいのかということにもつながるので、じっくり考えましょう。

• 意外に、町でよく似た名前を見るのは、このためです。

• 登記はできても、商標登録されている場合もあるので、注意しましょう。

• 目的 法人は、目的がない事業を行うことができません。 例:NTTデータ • システムインテグレーション事業 • ネットワークシステムサービス事業 • その他これらに関する一切の事業

会社の基本項目を決める(4)

本社・本店を決める 何を決める? 概要

本店の所在地 登記上の本社(本店)と業務上の本社が違うことは、結構あります。 • 自宅

• 賃貸の場合は、登記不可の場合が多いので、契約書を確認しましょう

• 実家 • 自宅が賃貸で、登記不可のときに使ったりする人も

• 賃貸オフィス • ひとりで起業する場合は、オフィスを借りることは、運営資金を使うことになるので、注意しましょう。

• 今は、バーチャルオフィスで、シェアハウスのような形態もあります。一等地を登記に使える

• インキュベーションセンター • 各地に低価格で借りることができる施設があるので、検索

会社の基本項目を決める(2)

事業年度・印鑑を決める 何を決める? 概要

事業年度 会計年度を決めます。4月始まり、3月決算する必要はありません。自由に会計年度を決めることができます。大企業は、3月決算が多いですが、バタバタする時期をさけて、5月決算、6月決算などにすることは、可能です。

会社の印鑑 やはり、日本はハンコ文化です。起業時には、3つのハンコが必要になると思いましょう。 • 代表印

• 法務局で印鑑登録する。個人の実印にあたるもの。大切です。

• 銀行印 • 銀行口座用印鑑。これも大切です。代表印と同じものを使っている企業も多い

• 角印 • 見積書、請求書などで捺印するもの。大切でないとはいわないが、代表印、銀行印の方が、ずっと大切

印鑑の材料で値段がかなり違う。印影も大切

昔は象牙が大人気

会社の憲法: 定款を決める(1)

定款は、会社の憲法

しかし、記述することは、決まっている。

定款テンプレートが、無償・有償で存在

テンプレートに、前述の会社の基本項目を入力すれば、簡単に作れる。司法書士などに頼まなくてもできる。

実は、社長という項目はない!

取締役だけを決める!

会社の憲法: 定款を決める(2)

定款を公証役場で認証

公証役場で認証してもらいます。

所在地によって、混雑ぶりが違うので、訪問前には、様子をうかがう方がいい

定款の記述が間違っていれば、指摘してくれます。

認証手数料5万円必要

発起人の実印も必要

登記申請(1)

出資金

資本金となる出資金を銀行に振り込む必要がある

出資金が集まっていることを証明する必要がある

銀行口座の残高証明を使用

通帳のコピー

証明書を自分で作る

銀行口座は、新規に作っても、既存のものでもいい。

銀行口座は、企業の銀行口座を作った銀行と同じである必要はない

以前は、郵貯口座は、出資金証明に使えなかったが、ゆうちょ銀行になってからは、利用可能

登記申請(2) 出資金

現物出資 不動産、有価証券などの現金以外の財産で行う出資も可能

弊社の資本金256万円 税理士「なぜ、256万円?」私「IT企業だから(にっこり)」

128万円、256万円、512万円はお勧めですが、1024万円は推奨しません。理由はあとで。

登記に行く 定款 払い込みがあったことを示す署名 発起人決定書 取締役就任の承諾書 設立時の取締役の印鑑証明 記載すべき事項が書かれたテキストデータ入りのCD-ROM

法務局に出す書類の多くは、法務省サイトにテンプレートがあるので、修正して提出が一番簡単

設立後にすぐに実施する事項

税金関係 税務署へ手続き

法人設立届出書など

地方自治体(都道府県と市町村)

税理士・会計士が対応してくれるところが多い

社会保険 社長ひとりでも、社会保険加入が必須

管轄の年金事務所

社会保険労務士が対応してくれることが多い

労働保険 社長ひとりだけの会社は、入らなくていい。

つまり、従業員が1名でもいる場合は、加入必須

労災保険(労働基準監督署)と雇用保険(ハローワーク)

実は、これで、会社は設立終了

ほとんどがテンプレートを埋めるだけで、会社の設立はできています。

会社の設立から、ビジネスが軌道になるまでは、多くの場合、時間がそれなりにかかります。そのため、売上がコンスタントに入ってくるまでは、できる限り、運転資金を使わないほうがよいです

本当に、オフィスは必要なのか? インキュベーションセンターでも、それなりの費用がかかります。

従業員を採用するだけの、余力はあるのか?

ものすごい勢いで、最初はお金が減っていきます。

起業支援措置はしっかり活用しよう

第2期までは、消費税の免税事業者

設立時の資本金などの額が、1000万円未満のときは、設立した第1期と第2期は、特例で免税事業者になる。なので、資本金は、1000万円以下にすることをお勧め。

助成金

起業支援助成金は、たくさんの種類があります。

従業員の給与の半額を出すなど

また、都道府県ごとに、地域の特性や経済状況に応じて、さまざまな支援策も提供されています。

イベント費用の融資など

1024万円をお勧めしない理由

お金にまつわるいろいろなこと(1)

交際費と会議費

5000円以下までの飲食を伴う会議は、会議費扱い=経費になる。

交際費は、一部経費にならない。

ノマド的な働き方で、ひとりでカフェで働いているときの経費は、会議費扱いでいいというひとと、ダメだという人がいる。

税理士や会計士と相談しましょう。

健康保険

人数が多いと健康保険組合に入って、福利厚生施設などを活用できることもある

協会けんぽなど、会社の規模、業種に応じて選ぶ

デザイナーなどは、芸術家保険組合などもあるので、関係する組合を調べましょう。

お金にまつわるいろいろなこと(2)

役員報酬を決めることができるのは、年1回だけ

変更は、決算から三ヶ月以内に

自宅は、実際に仕事に利用している場合は、オフィス扱いとすることもできる

例えば、使用面積に応じて、会社から費用が出る

電気代も使用率に応じて、会社負担。特に、IT関係だと、コンピューター関係の電気代がかかるので注意。

各種通信費用は、ほぼ全額、会社負担

家族のプライベート携帯は、違います。

経費は、会社の事業に関係するものが対象

専門家への依頼

経理・決算 税理士、公認会計士に依頼するのが普通 サービス内容は、結構ピンキリ 税務署からの問合せなども通常窓口になってくれる。 さまざまな相談に乗ってくれるところにするのがいい 多くの場合は、知り合いの紹介で選ばれる方が多いのでは たいてい、決算用ソフト(弥生会計等)は、彼らが指定する

社会保険労務士 社会保険の登録、労務関係の相談など 中小企業だと、人事部までおけないこと多い。そのときの人事の代わりとしても活躍

こちらも、多くの場合、知り合いの紹介で選ばれる方が多いのでは

起業支援セミナーなどは、これらの方々が、新規顧客獲得のために、実施していることが多い。

事業計画について

事業計画、ビジネスプランは、作った経験がないと、作るのが大変。

税理士が相談に乗ってくれる場合もある。

実は、この手のプランも、テンプレートがたくさんWebにある。

埋めれば、それなりに見えるが、中身が大切

今回はタイトルのみ

経営戦略と経営理念

経営理念

ビジョン

経営戦略

経営計画

内部資源、外部資源を考える

商品戦略を考える

市場戦略を考える

経営戦略を具体化する

変わるモノ、変わらないモノ

経営理念は、自分の会社の存在意義 基本的に、変えない。だから、しっかり最初に考える

例: HP Way「人間は男女を問わず、良い仕事、創造的な仕事をやりたいと願っていて、それにふさわしい環境に置かれれば、誰でもそうするものだ」

経営戦略、経営計画は、自社だけで決められない 市場動向に応じて、どんどんと変化していくモノ

急激な円高→どうする?など

会計 会計の数字は、変わらない(1+1が急に3とか4にはならない)

会計の基本的な見方を知らないと、苦労する。

あらかじめ起業資金に入れておく

経営のインフラ周り ドメイン

co.jp にこだわる?

メール 今は、クラウドサービスを使うのが楽

ウェブサイト 大切なので、きっちりと時間をかけて、検討すべき

電話

Facebookなどのソーシャルメディア

パソコン プライベートときちんと分けた方がよいと、ぼくは思います。

プリンター

消耗品

銀行口座 ネット銀行は、税金などの公的なモノを引き落とせないところも多いので注意

見積書・請求書発行ソフト

最後に

キャリアは自分で決める

起業は、キャリアの1つの形態。偉い、偉くないではない。自分が決めること

起業をスムーズに行って、営業活動等の本業にできる限り早く、時間を割けるようになるのが必要

起業すると、変な電話がよくかかってくるのは、あきらめましょう。

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