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第2章 良好な景観の形成に関する方針
1.景観計画区域における景観形成
(1)景観形成の方向性
基本計画は、原風景、景観構造、都市形成、生活・文化の景観特性を踏まえ策定されたもので
あり、本市の景観形成を推進するうえで基本をなすものである。
このため、全市域を範囲とする景観計画区域の景観形成の方向性としては、基本計画における
基本理念、目標、基本指針を定める。
□景観形成の基本理念
『透明感と輝きをもった美しい北の都市をつくりあげる』
□景観形成の5つの目標
・環境と風土を生かす ・四季の移ろいを生かす
・歴史から学び未来に育てる ・すべての人にやさしい視点をもつ
・みんなの力で積み重ねる
□景観形成の10の基本指針
・街路都市から街並み都市へ ・地形を生かす
・自然と調和するまちづくり ・緑を守り、育てる
・潤いある水辺を演出する ・快適な道路空間をつくる
・魅力ある拠点をつくる ・時を演出する
・ヒューマンスケールのまちづくり ・防災に配慮したまちづくり
(2)地区別の景観形成の方向性
景観整備は、都市基盤、土地利用、人口動態等の都市活動から生ずる開発や建築行為を自然環
境や地形等を踏まえつつ、人間的な視点でコントロールする必要があり、まちづくりと一体とな
って進めるべきものである。このことより、本計画では基本計画の内容を踏まえつつ、第4次長
期総合計画における都市機能配置の考え方や都市計画マスタープランにおける土地利用の考え
方を基本に、都心部、拠点、高度利用住宅地、一般住宅市街地、工業・流通業務地、市街地の外
の6つの面的まとまりと、これらをつなぐ幹線道路・河川等を「景観軸」とし、あわせて7つの
地区に区分することにより、それぞれの地区別の目標及び基本方針を設定する。
なお、図-1、図-2は、基本計画で都市形成の歴史と景観の土台となっている 4つの地形(扇
状地、平地、丘陵地、山麓地)との関連で景観的特徴を 8つに区分した「景観ゾーン」と、上記
の「7地区」を重ね合わせたものであり、今後の景観形成の方向性を示すものである。
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地区別の景観形成の方向性
図-1
図-2
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①都心部
□景観形成の目標
世界都市にふさわしい魅力的な景観の形成
□基本方針と景観形成の考え方
○ 成熟社会に対応した都市生活の魅力を誰もが十分に味わえる都心、“世界都市
さっぽろ”の魅力を発揮しつづける都心の形成に努めます。
○ 歴史的な遺産である大通公園と創成川を軸に、美しく快適でにぎわいのある
空間の創出に努めます。
○ 業務地区の洗練された街並みや、商店街の活気ある街並みを形成するため、
大通、駅前通などの主要な通りでは、建物や広告物の誘導を図るとともに、
快適で良好な歩行者空間の形成に努めます。
○ すすきのでは、歓楽街としての特性を生かした個性ある景観の形成に努めま
す。
○ 建築物の建替えなどを機会に、ユニバーサルデザインや美しい都市景観の形
成を図るとともに、にぎわいと奥行きのある街並みの形成に努めます。
骨格軸や交流拠点
などの個性を生か
した、賑わいのあ
る魅力的な街並み
を形成する
歴史的景観資源
などを活用・再生
し、都心の魅力あ
る街並みを形成
する
みどりや水辺など
の大規模オープン
スペースを生かし、
水と緑のネットワ
ークを創出する
人にやさしい、安
全・快適な空間を
創出する
豊かな景観資源
を生かした、魅力
的な沿道景観を
形成する
山並みなどへの
眺望に配慮した
景観を形成する
○ 道庁赤レンガ庁舎や時計台などの歴史的建造物の周辺では、潤いと文化の香
り高い都心空間の創出に努めます。 ○ 歴史的景観資源などの保全・活用・再生を図り、魅力ある街並みの形成に努
めます。
○ 大通公園や道庁などを中心とした札幌の顔ともいえる個性的で潤いのある緑
地空間を生かしつつ、その緑にふさわしい水辺空間の創出に努めます。
○ 都心の潤い空間となっている、規模の大きな緑地を保全するとともに、その
周辺においても、樹木を保全、育成して緑のネットワークの形成に努めます。
○ 歴史的な基軸である創成川周辺のより魅力ある空間の形成に努めます。 ○ 大規模なオープンスペースネットワークや軸線を生かしつつ、人のための美
しく快適な空間の創出に努めます。
○ 水と緑を生かした空間を確保し、にぎわいの中にも、安心して過ごせる快適
な都心空間の創出に努めます。
○ 建築物の建替えなどに際し、印象的なオープンスペースを確保し、回遊性の
ある歩行者空間を形成する等、人のための空間の創出に努めます。
○ ユニバーサルデザインなどによる人にやさしい空間の創出に努めます。
○ 格子状街路パターンの中に印象的な辻空間や小さな広場、個性的な中通りを
創出し、魅力的で歩くことが楽しくなる街並みの形成に努めます。
○ 公共施設の整備にあたっては、ルールの統一化を図り、質の高いデザインの
景観の形成に努めます。
○ 広告物、電柱、自動販売機等の適正な誘導を図ることにより、美しい街並み
の形成に努めます。
○ 大通などの主要な道路及び大規模オープンスペースを視点場とした、山並み
スカイラインの眺望の確保に努めます。
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大通公園
さっぽろ雪まつり(大通公園) 赤レンガ庁舎(北海道庁旧本庁舎)
札幌駅前通
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②拠点
□景観形成の目標
個性と賑わいを演出する景観の形成
□基本方針と景観形成の考え方
地域の自然を生か
した、みどり豊か
なオープンスペー
スを創出する
○地域に残された緑を歴史的な景観資源として守り、質の高い緑の景観の創出に努めます。
○ 規模の大きな緑地を保全するとともに、並木の保全・育成に努め、緑のネットワークの形成に努めます。
○ オープンスペースの確保と緑の育成に努め、統一感のある空間の中に歴史を生かした質の高い景観の形成に努めます。
○ 高架周辺では、高架下の暗さや圧迫感をやわらげるため、緑の緩衝帯などによる景観の形成に努めます。
○ 地下鉄周辺などでは、駐輪対策や駐車場の境界の緑化による景観の形成に努めます。
○ 豊かな自然環境との調和を図り、地域の歴史的資源などを生かした街並みの形成に努めます。
○ 河川や斜面等の自然緑地を保全し、自然環境に配慮した水辺空間を創出するとともに、緑のネットワークの形成に努めます。
人にやさしい、安全・快適な空間を創出する
○ 地域の特性を生かしながら、歩いていて楽しい歩行者空間の創出や質の高い
デザイン・色彩の建造物などの景観の形成に努めます。
○ ユニバーサルデザインなどによる人にやさしい空間の創出に努めます。
豊かな景観資源
を生かした、魅力
的な沿道景観を
形成する
○地域の主要な道路網や地形的特徴などの景観資源を生かしつつ、快適な歩行者空間を備えた魅力的な道路景観の形成に努めます。
○ 公共施設の整備にあたっては、ルールの統一化を図り、質の高いデザインの景観の形成に努めます。
○ 広告物、電柱、自動販売機等の適正な誘導を図ることにより、美しい街並みの形成に努めます。
山並みなどへの眺望に配慮した景観を形成する
○ 地域の幹線道路や主要な河川からの山並みスカイラインの眺望の確保に努めま
す。
歴史的景観資源
などに配慮し、質
の高い街並みを
形成する
○建築物の建替えなどに際しては、地域の歴史的資源を生かした質の高い景観の形成に努めます。
○ 石造・レンガ造の倉庫、農業施設など地域の歴史を物語る建物を生かして、地域らしさが感じられる景観の形成に努めます。
○ 格子状街路パターンの中の変則的な辻空間やシンボル樹木などの歴史的資源を生かした景観の形成に努めます。
各々の拠点の個
性を生かした、活
気のある街並み
を形成する
○印象的な緑地や辻空間の創出などによって、地域の個性が感じられるような街並みの形成に努めます。
○ 地域の景観資源を生かしながら、商業、業務施設を中心とした活気と個性のある景観の形成に努めます。
○ 地区の遺産である街路パターンや歴史的建造物など景観資源を生かし、街の魅力づくりに努めます。
○ 幹線道路の交差点や地下鉄周辺などでは、交通結節点としての景観の形成に努めます。
○ 歴史的資源等の地域特性やオープンスペースを生かしつつ、ユニバーサルデザインや美しい都市景観の形成を図るとともに、活気と個性ある街並みの形成に努めます。
○ 高次都市機能拠点(札幌ドーム周辺、札幌テクノパーク、大谷地流通業務団地、東札幌、苗穂、北海道大学周辺、芸術の森周辺、定山渓)においては、活力ある産業の育成、豊かな都市文化の醸成等に向け、それぞれの拠点が期待される機能が十分発揮されるような街並みの形成に努めます。
○ 広域交流拠点(厚別副都心、麻生・新琴似、手稲)においては、多くの人々の日常生活を支える機能が集積する拠点に相応しい街並みの形成に努めます。
○ 地域中心核(北 24 条、篠路、光星、栄町、白石、大谷地、平岸、月寒、清田、澄川、真駒内、琴似、宮の沢)においては、区やそれに準じた地域の生活の中心地に相応しい街並みの形成に努めます。
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北海道大学イチョウ並木
地下鉄真駒内駅付近 厚別副都心
札幌芸術の森
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