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簿記Ⅰ総合記帳課題

次の資料および入金伝票・出金伝票・振替伝票にしたがい、現金出納帳、総

勘定元帳および 4月 12日現在の試算表、4月 30日現在の精算表、貸借対照表、

損益計算書を完成しなさい。

あすなろ商事の4月1日現在の貸借対照表は次のとおり

また、売掛金、買掛金、商品の内訳は、つぎのとおり

売掛金内訳:

    ひいらぎ商会    4,750,000円

    はまゆう商会    2,250,000円

    ききょう商会    6,500,000円

    すずらん商会    1,500,000円  合計 15,000,000円

買掛金内訳:

    しらかば商会    5,150,000円

    からたち商会    2,600,000円

    あかしや商会    2,250,000円  合計 10,000,000円

商品内訳:

    浅間山 200台 @\10,000  2,000,000円

    富士山 100台 @\40,000  4,000,000円

    霧が峰 200台 @\20,000  4,000,000円

    羽黒山 100台 @\15,000  1,500,000円

    阿蘇山  50台 @\30,000  1,500,000円 合計 13,000,000円

平成 XX年 4月中のあすなろ商事の取引日誌の内容は次のとおり。なお、こ

の内容は、伝票(入金伝票、出金伝票、振替伝票)に記載されている。

【取引日誌 平成XX年 4月】

1

1日 事務用にパソコンを購入し、代金\200,000は小切手を振出して支払う

2日 本日の掛売りは次のとおり

   ひいらぎ商会 浅間山 50台 @¥15,000   ききょう商会 阿蘇山 30台 @¥45,000   すずらん商会 霧が峰 80台 @¥30,0004日 中部電力に電気代¥8,000、NTTに電話料¥15,000を現金で支払う

5日 売掛金の回収を行う

得意先 金額内   訳

現  金 小切手

ひいらぎ商会 2,750,000 1,250,000 1,500,000はまゆう商会 1,000,000 300,000 700,000

  小切手は直ちに当座預金にする

6日 コピー用紙ほか事務用消耗品¥22,500を購入し、現金で支払う

7日 町内会費ほか雑費¥2,500を現金で支払う

8日 本日の掛売りは次のとおり

   はまゆう商会 浅間山 70台 @¥16,000          富士山 50台 @¥80,000   すずらん商会 浅間山 70台 @¥16,500   ひいらぎ商会 羽黒山 90台 @¥28,00010日 本日の掛仕入は次のとおり

    しらかば商会 浅間山 200台 @¥15,500           霧が峰 100台 @¥20,000    からたち商会 富士山  50台 @¥42,000           羽黒山 100台 @¥14,50010日 従業員より預った所得税¥50,000を税務署に現金で支払う

10日 しらかば商会の買掛金¥3,000,000を小切手で支払う

11日 2日にすずらん商会に販売した霧が峰に不良品があり 2台が返品され

12日 阿蘇山 2台を@¥50,000で販売し、現金\100,000を受け取る

14日 本日の掛売りは次のとおり

    ひいらぎ商会 富士山 50台 @¥85,000    はまゆう商会 浅間山 90台 @¥16,000    ききょう商会 霧が峰 80台 @¥31,000

2

    すずらん商会 羽黒山 60台 @¥28,00015日 営業車両を 1台¥1,000,000で購入し、小切手で支払う

16日 10日に仕入れた浅間山 2台と羽黒山 1台に不良が見つかり、しらかば

商会とからたち商会に返品した

17日 事務用消耗品を¥35,000購入し、現金で支払う

17日 11日に返品された霧が峰 2台が¥10,000で販売でき現金を受け取る

18日 ダイレクトメールの郵送料として、郵便局に現金¥95,000を支払う

19日 水道局に今月分の水道代¥20,500を小切手で支払う

19 日 阿蘇山がなかなか売れないので特売したところ 18 台すべてが

¥630,000で売れ、現金を受け取る

20日 売掛金の回収を行う

得意先 金額内   訳

現 金 小切手

ききょう商会 6,000,000 2,000,000 4,000,000すずらん商会 1,000,000 ― 1,000,000

  小切手は直ちに当座預金にする

21日 現金¥2,630,000を当座預金に預ける

21日 すずらん商会から富士山 100 台の注文を受けたが在庫が 50台しかな

いので、とりあえず 50台を@¥82,000にて販売した

22日 昨日発注したからたち商会から富士山 100台@¥42,000が到着した

22日 すずらん商会に富士山 50台を@¥82,000にて発送した

23日 はまゆう商会から預っていた¥250,000を売掛金と相殺するように依

頼があり、処理した

23 日 通信費¥50,000、光熱費¥80,500、消耗品費¥120,500、雑費

¥7,500を現金で支払う

24日 借入金の一部\1,500,000を小切手を振出し返済する

24日 本日の掛売りは次のとおり

    はまゆう商会 富士山 50台 @¥80,00025日 借入金の利息¥20,000を小切手で支払う

25日 買掛金の支払を行う

    からたち商会 ¥2,600,000を小切手で支払う

    あかしや商会 ¥2,250,000を小切手で支払う

27日 瀬戸商事に地代¥50,000、品野商会に家賃¥60,000 をそれぞれ小切

3

手で支払う

30日 今月分の給料¥400,000のうち、源泉所得税\40,000 を差し引いて現

金で支払う。

【資料】

取引日誌の内容は、次の 3種類の伝票に記載されている。それぞれの取引日

誌の内容と伝票に記載された内容を見比べて、どのように記載されているかを

確認すること。

入金伝票 4枚

出金伝票 13枚

振替伝票 33枚

入金伝票は企業活動で会社に現金が入ってくる取引を記録するために作成

される

出金伝票は企業活動で会社が現金支払をする取引を記録するために作成さ

れる

振替伝票は入金伝票、出金伝票で記録できない取引を記録するために作成

される。なお、現金入金をともなう取引でも振替伝票に記載されることも

ある。例えば 5日の取引がそうである。

入金伝票の説明

出金伝票の説明

4

振替伝票の説明

 振替伝票には、勘定科目と金額を記入する欄が左右に2つある。初めて簿記

をする人はどちらに何を書いたらいいのか戸惑うことが多い。この詳細な説明

は、後日講義の中でおこなう。

 現金出納帳は、現金の入出金や残高の管理を行うために作成する補助簿とい

われる帳簿である。この例題では現金入金・現金出金をともなう現金取引は

20取引ある。上の 3種類の伝票から現金出納帳への記載例を参考にして、現

金出納帳を完成させること。

* 振替伝票と入金伝票、出金伝票から現金出納帳へ転記するとき、どのよう

な「きまり」があるのだろうか。考えてみよ。

* 現金出納帳の残高はマイナスになることはない。その理由を考えよ。

 元帳とは、伝票に記載された「勘定」ごとの集計を行うために作成する帳簿

である。そのため、元帳は取引の過程で出現するすべての勘定について作成す

る。

作成する元帳は次の20勘定となる。

1.現金、当座預金、商品、売掛金、器具備品、車両運搬具

2.買掛金、預り金、借入金

3.資本金、繰越利益

5

4.売上高

5.仕入、通信費、光熱費、消耗品費、給料、支払利息、地代家賃、雑費

上の1のグループは資産、2のグループは負債、3のグループは資本、4のグ

ループは収益、5のグループは費用という。

元帳の記載要領

1.補助簿が作成されているときは、補助簿の合計を元帳に記載すればよい。

この問題では現金出納帳が作成されるので、現金元帳には現金出納帳の合計を

記載する。

2.補助簿が作成されていない各元帳に取引を記載するとき、日付順に記載す

ること。

3.資産、負債、資本のグループについては、元帳の最初の行に、貸借対照表

の金額を転記する。このとき表の左側に記載されている勘定については、その

金額を元帳の借方に記入する。表の右側に記載されている勘定については、そ

の金額を元帳の貸方に記入する。摘要欄には前期繰越高と記入する。(貸借対

照表に記載がなければ記入の必要はない)

4.残高欄の金額の計算の仕方

  資産・費用のグループ

   前の行の残高に、計算する行の借方の金額を加え、計算する行の貸方の

金額を減算する

  負債・資本・収益のグループ

   前の行の残高に、計算する行の貸方の金額を加え、計算する行の借方の

金額を減算する

5.元帳の記載例

6

試算表の記載要領

 試算表は、伝票から元帳への転記作業で間違いがないか確認するため作成す

る。この課題では 4月 12日現在と 4 月末日現在の試算表を作成する。4 月末

日現在の試算表は、次に作成する精算表のための準備作業になる。

 ここで作成する試算表は残高試算表である。各元帳の残高欄の金額を、元帳

の貸借区分にしたがって、試算表の借方金額または貸方金額欄に転記する。転

記し終わったら、借方金額の合計と貸方金額の合計を求め、その金額が一致し

ていることを確認する。もし一致していなければ伝票から元帳への転記、元帳

から試算表への転記作業に誤りがある。原因を明らかにすること。

7

精算表の記載要領

 ここで作成する精算表は 6桁精算表といわれる。6桁とは金額記入欄が 6列あることを意味している。具体的には残高試算表欄、損益計算書、貸借対照表

のそれぞれ借方、貸方欄である。作成日付は 4月末日現在である。最初に 4月

30日現在の残高試算表の金額を、6桁精算表の試算表欄に書き写す。借方に記

載されている金額は借方に、貸方に記載されている金額は貸方に転記する。転

記し終わったら、借方、貸方の合計を求め合計として記入するとともに、一致

していることを確認する。

8

貸借対照表および損益計算書の作成

 精算表の損益計算書および貸借対照表の金額を、それぞれの表の該当する欄

に転記する。それぞれの合計欄や差額欄は、注意書きにしたがって各自計算し

て金額を記入する。なお、貸借対照表の未処分利益の金額は繰越利益+利益-

損失として求めること、またその下の弧書の利益は合計計算では除外すること。

【検討事項】

記入した帳簿から、得意先別の売掛金残高を求めることができるか

記入した帳簿から、仕入先別の買掛金残高を求めることができるか

記入した帳簿から、4月 30日現在の商品在庫の数量を把握できるか

作成した貸借対照表の商品勘定の金額は、商品在庫の金額をあらわしているか

計算された利益(損失)の額は正しいのだろうか

9

学籍番号        氏名          

現 金 出 納 帳

日付 摘    要 入 金 出 金 残 高

4 1 前月繰越高 1,250,000

【注意事項】

1. 入金伝票、出金伝票、振替伝票のうち現金取引に関するものを記入す

2. 日付欄、摘要欄、入金欄または出金欄、残高欄は必ず記入すること

3. 記入が終了したら、必ず入金欄、出金欄の合計を求め、記入すること

4. 合計を記入したら、二重線で締め切ること

5. 課題【資料】の説明をよく読んで記入すること

総勘定元帳

現  金           No.1

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越 1,250,00 借 1,250,000

10

0

当 座 預 金 No.2

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越 12,000,000

借 12,000,000

商  品           No.3

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越

売 掛 金          No.4

11

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越

器具備品           No.5

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越

車  両           No.6

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越

12

買 掛 金           No.7

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越 10,000,000

貸 10,000,000

預 り 金           No.8

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越 300,000 貸 300,000

借 入 金            No.9

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越

資 本 金          No.10

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

13

4 1 前期繰越

繰越利益          No.11

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

4 1 前期繰越

これ以降の勘定は収益・費用のグループに属する勘定であるので、前期繰越の

記入はない。

売  上          No.12

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

14

仕  入          No.13

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

光 熱 費          No.14

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

通 信 費          No.15

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

消耗品費          No.16

15

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

給  料          No.17

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

地代家賃          No.18

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

支払利息          No.19

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

雑  費          No.20

XX年 摘  要仕丁

借 方 貸 方貸借

残  高

16

残 高 試 算 表XX年 4月 12日現在

借  方元丁

勘定科目 貸  方

現     金

当 座 預 金

商     品

売  掛  金

器 具 備 品

車     両

買  掛  金

預  り  金

借  入  金

資  本  金

繰 越 利 益

売     上

仕     入

光  熱  費

通  信  費

消 耗 品 費

給     料

地 代 家 賃

支 払 利 息

雑     費

合     計

残 高 試 算 表XX年 4月 30日現在

借  方元丁

勘定科目 貸  方

現     金

当 座 預 金

商     品

17

売  掛  金

器 具 備 品

車     両

買  掛  金

預  り  金

借  入  金

資  本  金

繰 越 利 益

売     上

仕     入

光  熱  費

通  信  費

消 耗 品 費

給     料

地 代 家 賃

支 払 利 息

雑     費

合     計

試算表には、合計試算表と残高試算表とがあるが、ここで作成するのは残高

試算表である。残高試算表は各勘定の元帳残高を記入して作成する。元 丁 欄は

残高が記入されている元帳のページ数を記入する。

試算表は、もともとは伝票から元帳への転記に誤りがないかを検算するため

に作成した。この検算は借方合計と貸方合計とが一致することを確認すること

で完了する。諸君も必ず確認をするようにすること。

借方合計、貸方合計は最低 2回計算し、答えが一致することを確認する。

精 算 表

勘定科目残高試算表 損益計算書 貸借対照表

借 方 貸 方 借 方 貸 方 借 方 貸 方

現  金

当座預金

商  品

売 掛 金

18

器具備品

車  両

買 掛 金

預 り 金

借 入 金

資 本 金

繰越利益

売  上

仕  入

光 熱 費

通 信 費

消耗品費

給  料

地代家賃

支払利息

雑  費

利  益

1. 試算表の借方欄、貸方欄の金額を、精算表の試算表欄に転記する

2. 転記ミスのチェックのために合計を求める

3. 収益、費用のグループの試算表欄の金額を、損益計算書欄に転記する

4. 資産、負債、純資産のグループの試算表欄の金額を貸借対照表欄に転

記する

5. 精算表の説明に従い利益(損失)を求める

あすなろ商事

貸 借 対 照 表XX年 4月 30日現在

1.資産の部 2.負債の部

 現  金  買掛金

 当座預金  預り金

 売 掛 金  流動負債計

19

 商  品  借入金

 流動資産計  固定負債計

 負債の部計

 器具備品 3.純資産の部

 車  両  資本金

 固定資産計  未処分利益

 

 純資産の部計

資産の部計 負債純資産の部計

貸借対照表の書式は、会社法および企業会計原則その他の関連法規で定めら

れており、これらに従わないときは罰則規定もある。上の貸借対照表は勘定式

という形式によるものであるが、すべての制度に完全に従ってはいない。

1.2.3.の見出しがついている部分には金額を表示しない。

流動資産計、固定資産計、流動負債計、固定負債計は、それぞれ、その計の

行の上にある勘定の合計を記入する。例えば固定資産計には、器具備品と車両

の金額の計を記入する。固定負債計には、借入金の金額を記入する。

資産の部、負債の部、純資産の部の計は、次のように求める

  資産の部計=流動資産計+固定資産計

  負債の部計=流動負債計+固定負債計

  純資産の部計=資本金+未処分利益

 なお、未処分利益=繰越例益+(今回の)利益―(今回の)損失 である。

 また資産の部計=負債の部+純資産の部である。資産の部計と負債・資本の

部計とは金額が一致する。

あすなろ商事

損 益 計 算 書自XX年 4月 1日 至XX年 4月 30日

1.営業損益の部

 売上高

 売上原価

  仕入高

20

 売上総利益

 販売費・一般管理費

  光熱費

  通信費

  消耗品費

  給料

  地代家賃

  雑費

 営業利益

2.営業外損益の部

  支払利息

 経常利益

3.特別損益の部

 税引前純利益

  法人税等

 当期純利益

 前期繰越利益

 当期未処分利益

記載要領

ここで作成する損益計算書は、報告式という書式のものである。

売上総利益=売上-売上原価

営業利益=売上総利益-販売費一般管理費

経常利益=営業利益-営業外損益

税引前純利益=経常利益-特別損益(この問題ではなし)

当期純利益=税引前純利益-法人税等(この問題ではなし)

当期未処分利益=当期純利益+前期繰越利益(繰越利益勘定の残高)

により求める。

【横線の意味】

  売上総利益       18200

  光熱費    6000  雑費      8000      14000

  営業利益        16800

21

のように、中間部の線はここで計算をとめる意味で使用する。計算結果を右側

に表示する。上の例では 6000+8000を右側に 14000として表示する。

右側の線は線までの計算を実施し、線の下に結果を表示することを示す。上

の例では 18200-14000 を行い、計算結果である 16800 を線の下に表示す

る。

 右側の列は、これ以降計算を行わないところに二重線を引く。損益計算書の

未処分利益の下に二重線が引いてあるのが、それである。

* 会社法の様式では、損益計算書の最下行は当期純利益である。この書式に

よると、初心者の人にとって金額記入が正確に行われているか確認するのに手

間がかかる。そこで、旧商法規定による損益計算書を利用している。

この損益計算書の未処分利益の金額と、貸借対照表の未処分利益の金額は一

致する。一致しないときは精算表からの転記ミスの可能性がある(精算表には

問題がないことが前提!)

22

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