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1一般社団法人JATI協会
平成31年2月28日一般社団法人JATI協会
技術参与 浅見琢也
アスベスト対策技術講習会
解体等工事における事前調査
~石綿含有建材について~
2一般社団法人JATI協会
目 次
1.解体等工事における事前調査
2.石綿と石綿含有製品の分類
3.石綿含有建材の概要
4.石綿含有建材と使用部位
5.石綿含有建材の使用例
6.事前調査の手順
7.分析用試料の採取
8.報告書の作成
9.参考資料
3一般社団法人JATI協会
1.解体等工事における事前調査
(1) なぜ事前調査を行うか?
① 解体等の作業に従事する労働者の健康障害の防止・石綿含有建材があるかどうかの調査・解体/改修等を行う事業者が実施し、記録を保管
《石綿障害予防規則第3条》
② 生活環境を保全し、周辺住民等の健康保護・特定工事に該当するかどうかの調査
…特定建築材料(レベル1、レベル2)があるかどうかの調査・解体/改修等を行う事業者が実施・発注者に書面で説明…特定工事に該当する場合は14日前まで
《大気汚染防止法第18条の17 》
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(2) 事前調査を行うことが望ましい者は?
☆石綿に関し一定の知見を有し、適格な判断ができる者⇒建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にばく露する
おそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針
《厚生労働省 技術上の指針公示第21号 平成26年3月31日(以下 石綿指針)》
*石綿に関し一定の知見を有し、適格な判断ができる者の例・特定建築物石綿含有建材調査者・石綿含有建材調査者・日本アスベスト調査診断協会に登録された者
《厚生労働省 平成30年基発1023第6号》
一般社団法人JATI協会
5一般社団法人JATI協会
【参考】 大気汚染防止法と石綿障害予防規則の事前調査
☆大気汚染防止法・特定建築材料の有無(特定工事への該当の有無)
2006年9月1日以降に工事に着手した建築物等では、調査は不要…自治体のパンフレットに記載されている例あり
☆石綿障害予防規則・石綿含有製品の有無
建築物の解体・改修工事では必ず実施⇒建築物等の施工等の時期に関係なく調査が必要
2006年9月1日以降に工事に着手した建築物であっても、調査及び記録を実施…「2007年4月1日に工事に着手したため、石綿含有製品は
使用されていない」 など
6一般社団法人JATI協会
【参考】 増改築、大規模な修繕・模様替を行う場合の注意点
・当該部分以外に施工されている吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウールについても、以下の措置が必要
① 増改築部分の床面積が …除去増改築前の1/2超
② 増改築部分の床面積が …除去、封じ込め又は囲い込み増改築前の1/2以下
③ 大規模な修繕・模様替 …除去、封じ込め又は囲い込み
《建築基準法施行令第137条の4の3》
*増改築、大規模な修繕・模様替の定義に注意!
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2.石綿と石綿含有製品の分類
☆石綿とは?・繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、
クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト《厚生労働省 平成18年基発第0811002号》
…6種類の石綿があることは、少なくとも1950年代からは知られている。
☆石綿含有製品とは?・石綿を0.1重量%を超えて含有する製品
《労働安全衛生法施行令第6条第23号》…過去には、1重量%、5重量%を超えて含有する製品とする
時期もあった。⇒製造時は石綿含有製品ではなかったが、現在では石綿含有
製品に該当する場合もあることに注意!
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☆石綿の外観
左上:クリソタイル上 :アモサイト左 :クロシドライト
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☆石綿含有建材の種類
(1) 吹付け石綿(石綿含有吹付け材)・吹付け石綿・石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)・石綿含有吹付けバーミキュライト・石綿含有吹付けパーライト
*吹き付けられた石綿含有建築用仕上塗材
【参考】 建築用仕上塗材の種類と通称例(JIS A 6909:2014 より)・薄付け仕上塗材…セメントリシン、樹脂リシン等・厚付け仕上塗材…セメントスタッコ、樹脂スタッコ等・軽量骨材仕上塗材…パーライト吹付、ひる石吹付け・複層仕上塗材…セメント系吹付けタイル、水系エポキシタイル等・可とう形改修用仕上塗材
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(2) 石綿含有耐火被覆材(吹付け石綿を除く)・石綿含有耐火被覆板・石綿含有けい酸カルシウム板第二種・(石綿含有耐火練り材)
(3) 石綿含有断熱材(吹付け石綿を除く)・石綿含有屋根用折板断熱材・石綿含有煙突断熱材
(4) 石綿含有保温材(吹付け石綿を除く)・石綿保温材・石綿含有土保温材・石綿含有バーミキュライト保温材・石綿含有けい酸カルシウム保温材・石綿含有不定形保温材(石綿含有水練り保温材)
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(5) 石綿含有成形板の例・石綿含有スレート波板・石綿含有スレートボード
…フレキシブル板、平板、軟質板、軟質フレキシブル板・石綿含有けい酸カルシウム板第一種・石綿含有パルプセメント板・石綿含有スラグせっこう板・石綿含有せっこうボード(石膏ボード)・石綿含有ロックウール吸音化粧板(岩綿吸音板)・石綿含有住宅屋根用化粧スレート・石綿含有窯業系サイディング・石綿含有押出成形セメント板・石綿含有ビニル床タイル・石綿含有ソフト巾木・石綿含有フリーアクセスフロア材・石綿含有セメント円筒・石綿含有耐火二層管
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(6) その他(吹付け材・保温材等・成形板・仕上塗材以外)の例・石綿含有接着剤・石綿含有壁紙・石綿含有ジョイントシート・石綿紡織品(石綿布、石綿リボン、石綿糸)・ゴム引き石綿布・石綿含有塗料・石綿含有パテ
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【参考】 各法令等による石綿含有建材の分類
1) 「レベル」は、建設業労働災害防止協会のマニュアル等による分類2) 建築物等から除去等した場合3) 「-」は、法の適用外4) 特定建築材料には非該当
石綿則1) 大防法 建基法 廃掃法2)
吹付け石綿
吹付け石綿石綿含有吹付けロックウール
石綿等(レベル1)
特定建築材料
対象 廃石綿等
石綿含有吹付けバーミキュライト石綿含有吹付けパーライト(吹き付けられた石綿含有建築用仕上塗材)
石綿等(レベル1)
特定建築材料
-3) 廃石綿等
石綿含有耐火被覆材石綿含有断熱材石綿含有保温材
石綿等(レベル2)
特定建築材料
-3) 廃石綿等
その他の石綿含有建材(成形板等)
石綿等(レベル3)
-4) -3)石綿含有
産業廃棄物
石綿含有シール材等 石綿等 -4) -3)石綿含有
産業廃棄物
レベル 製品の種類 処理時の発じん性
レベル1 石綿含有吹付け材 著しく高い
レベル2石綿含有保温材・
断熱材・耐火被覆材高い
レベル3その他の石綿含有建材
(成形板等)比較的低い
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【参考】 石綿粉じんの飛散は“レベル”だけでは決まらない!・解体方法・劣化状況などの影響がある。⇒石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版] 参照
解体の方法、劣化状況等によっては、発じん量が増加
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3.1 吹付け石綿
(1) 吹付け石綿☆概要
・梁・柱の耐火被覆、壁・天井の吸音・断熱材として使用される。・耐火被覆用は石綿60%、吸音・断熱用は石綿70%と含有率
が高い。・2層に吹付けされている場合がある。⇒サンプリング時に注意が必要。
・1975(昭和50)年に使用が禁止された。⇒石綿含有吹付けロックウール(石綿含有率5%以下)へ移行。
3.石綿含有建材の概要
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(2) 石綿含有吹付けロックウール☆概要
・吹付け石綿の代替品として、梁・柱の耐火被覆、壁・天井の吸音・断熱材として使用される。
・1975年までは、石綿含有率30%前後の製品もある。⇒定量分析結果の評価時に注意。
・同じ商品名で、1975年以降は5%以下とした製品もある。・乾式工法及び湿式工法があり、後者は硬く、針が貫通しない。
⇒エレベーターシャフトに使用されることが多い。・耐火被覆の乾式工法についてはロックウール工業会が通則
指定を取得。
*湿式の無石綿製品には、セピオライト等を使用している製品があり、この場合は石綿の含有に注意。
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*施工状況(石綿無含有吹付けロックウール)のカットモデル
・H鋼の形状が分かる
・表面は抑えないと凸凹
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(3) 石綿含有吹付けバーミキュライト☆概要
・壁・天井の吸音・断熱材として使用される。・公団住宅の天井によく使用されている。・製品名が不明な製品が多く、注意が必要である。
*バーミキュライトは石綿を不純物として含むことがあり、意図的に石綿を使用していなくても、石綿含有になる場合がある。
(4) 石綿含有吹付けパーライト☆概要
・壁・天井の吸音・断熱材として使用される。・製品名が不明な製品が多く、注意が必要である。
(無石綿製品)
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【参考】 建築用仕上塗材*
・セメント、合成樹脂などの結合材、顔料、骨材などを主原料とし、主として建築物の内外壁又は天井を、吹付け、ローラー塗り、こて塗りなどによって立体的な造形性をもつ模様に仕上げる材料である。
・汎用的な仕上塗材には、リシン、吹付けタイル、スタッコ、じゅらく、珪藻土などと呼ばれている材料がある。
・塗料は塗り厚さが数十μm程度の材料だが、仕上塗材は 数mm程度で比較的厚膜に施工される。
…日本建築仕上材工業会ホームページより
* 「しあげぬりざい」 と読む
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☆種類(JIS A 6909)と用途・薄付け仕上塗材(リシン等) →主に内外装・厚付け仕上塗材(スタッコ等) →主に内外装・軽量骨材仕上塗材 →主に天井
(吹付けパーライト、吹付けバーミキュライト)・複層仕上塗材(タイル等) →主に外装・可とう形改修用仕上塗材 →主に外装
*仕上塗材の始まりは「吹付材」・1970年 JIS A 6907 化粧用セメント吹付材 制定・1983年 JIS A 6917 軽量骨材仕上塗材 制定
…1970年代にはローラー塗り用の材料が開発JISの名称が“吹付け”から“塗材”へ変更
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☆施工断面図(模式図)・薄付け仕上塗材
…砂壁状模様の例
・厚付け仕上塗材…吹放し模様の例
(上塗材なし)
・複層仕上塗…凸部処理模様の例
出展:国立研究開発法人建築研究所、日本建築仕上材工業会 「建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針」
骨材 主材下地調整塗材
上塗材 下塗材
下地調整塗材主材(模様)
主材(基層)
骨材 主材下塗材
下地調整塗材
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3.2 石綿含有耐火被覆材
(1) 石綿含有耐火被覆板☆ 概要
・吹付け石綿の原料を成型した製品。「石綿成型板」とも称された。
・現場での作業は貼り付けになるので、吹付けと比べると施工時の発じんが少ない。
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(2) 石綿含有けい酸カルシウム板第二種☆ 概要
・耐火被覆板に代わる製品。・表面が平滑なため、化粧をして使用
されることがある。・ビルの防火区画貫通部にも使用される
ことがある。
*施工状況(無石綿製品)のカットモデル
・表面は平滑・耐火目地材を使用する場合
がある⇒除去時は切断等が必要
(無石綿製品)
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3.3 石綿含有断熱材
(1) 石綿含有屋根用折版裏断熱材☆概要
・折版屋根用のフェルト状の断熱材。・石綿含有率が90%と高い。・屋根の重なり部にも使用されている
場合がある。
(2) 石綿含有煙突断熱材☆概要
・石綿をバインダーで成形品にしたタイプとけい酸カルシウム板第二種に近いタイプ等がある。
・表面の組成が変化している場合がある。
※二ューカポスタックは、ライナー部(内側)と断熱部(外側)からなる。1988~1991年のニューカポスタックは、断熱部は無石綿だが、ライナー部のみ石綿含有(レベル3)。
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3.4 石綿含有保温材
◎ 建築物における保温材は、配管の直線部においては、ガラスウール保温材又はロックウール保温材を使用し、エルボー(曲線部)等は、「水練り保温材」(不定形保温材)を使用することが多い。
◎ ガラスウール保温材及びロックウール保温材は、ガラスウール、ロックウールをバインダーにより成形したものであり、石綿は使用されていない。
(1) 石綿保温材☆概要
・石綿をバインダーで成形したもの等で、石綿含有量が80%以上と高い。
・石綿はアモサイトである。
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(2) 石綿含有けい酸カルシウム保温材☆ 概要
・けい酸カルシウム水和物を石綿を補強繊維として成形したもの。
・ガラスウール保温材やロックウール保温材よりも高温で使用できる。
・配管の保温用とした円弧上の製品はカバー、フラットな製品はボードと称される。
・石綿はアモサイトの使用が多い。・プラント配管等の屋外では、金属製のカバーで覆われる。・水練り保温材の一種であるハードセメントで表面を被覆される
場合がある。
(無石綿製品)
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☆施工状況の例
右:直管部下:エルボ部
外装材を外すと、内部のけい酸カルシウム保温材がボロボロになっている場合がある。⇒石綿粉じんの飛散に注意!
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(3) 水練り保温材☆概要
・現場で水を混練して使用する製品。・複雑な形状の部分に使用するためのものと、表面を保護する
ものとがあり、密度などが広い範囲にわたっている。・けい酸カルシウム保温材等の成形された保温材よりも、石綿を
遅くまで使用している。⇒直線部は無石綿だが、エルボ部や目地部が石綿含有の
場合ありけい酸カルシウム保温材が無石綿で、表層の水練り保温材のみが石綿含有という例あり
⇒事前調査時に(サンプリングを含めて)注意が必要
29一般社団法人JATI協会
3.5 石綿含有成形板(抜粋)
(1) 石綿含有スレート波板☆ 概要
・大波及び小波が多く、他に中波、超大波、リブ波がある。・各種役物がある。・工場、駅、倉庫等によく使用された。・2004年9月までは、ほとんどが石綿を使用していた。
30一般社団法人JATI協会
(2) 石綿含有スレートボード☆概要
・フレキシブル板、平板、軟質板、軟質フレキシブル板がある。…この4種類を外観から見分けることは困難
・厚さは3~6㎜が主流。・内外装に使用された。・2004年9月までは、多くが石綿を使用していた。・けい酸質原料を使用してオートクレーブ(高温高圧)養生した
製品は、(硬質)けい酸カルシウム板と称されることがある。・穴あけ加工した製品もある(有孔板、
調音板等と称する)。…けい酸カルシウム板第一種も同様
・塗装加工会社が基材として購入し、化粧加工して自社商品として販売した例がある。…けい酸カルシウム板第一種も同様
・木毛セメント板に接着した製品がある。(無石綿製品)
31一般社団法人JATI協会
(3) 石綿含有けい酸カルシウム板第一種☆概要
・内装(耐火間仕切を含む)、軒天等に多く使用された。・1990年頃から無石綿製品が販売されているが、この“無石綿”
は、原料として石綿(原綿)を使用していないということ。⇒当時は、石綿含有製品と併産している工場があり、石綿が
混入する可能性があるため、 “無石綿”の表示があっても、現在の0.1%基準では、石綿無含有と言えない場合があるので注意すること。
…他の製品でも“無石綿”の表示には注意が必要。
(無石綿製品)(無石綿製品)
32一般社団法人JATI協会
【参考】 けい酸カルシウム板第一種と第二種の違い
☆特徴(厚さ・かさ比重は相当品のJIS規格値)
*石綿障害予防規則、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律における対応が異なるので注意すること。
第一種 第二種
厚さ 4~12mm 12~70mm
かさ比重(見掛け密度)
0.6~1.2(g/㎝3)
0.15~0.70(g/㎝3)
主な用途 ・内装(壁・天井)・軒天
・耐火被覆(梁・柱)・カーテンウオールの裏面
その他 ・耐火間仕切り、タイル下地では表面に出ないことがある
・2~3枚貼り合わせた製品がある
・防火区画のケーブル貫通部にも使用されている
33一般社団法人JATI協会
【参考】 貼り合わせ品
・第一種の12㎜品を3枚接着した製品例…厚さ36mmとなり、カーテンウオール
裏側に耐火1時間として使用されることがある
⇒全厚だけで判断すると第二種と誤る可能性があるので注意
・第二種の両面に第一種を接着した製品例⇒表面の第一種だけでなく、芯材の
第二種も調査すること
出典: (株)エーアンドエーマテリアルHP(無石綿製品)
34一般社団法人JATI協会
(4) 石綿含有窯業系サイディング☆概要
・成形方法には、抄造法・鋳込法・押出法があり、押出法では断面が中空になっている製品がある。
・厚さは製品により約11~16㎜。
(5) 石綿含有住宅屋根用化粧スレート☆概要
・セメントに石綿等を加えて成形したもの。
・立体型の製品もある。
(無石綿製品)
35一般社団法人JATI協会
(6) 石綿含有ロックウール吸音天井板☆概要
・ロックウール、石綿等を結合材を用いて成形した製品。
・岩綿吸音板と称されることがある。・石膏ボード等の下地材に張り付けて
(接着剤とステ-プル)使用されることが多い。
・レベル3としては密度が低い(0.5g/cm3以下)ので、解体時の発じん性には、特に注意が必要。
石膏ボードに張り付けた施工モデル
ロックウール吸音天井板
石膏ボード
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(7) 石綿含有押出成形セメント板☆概要
・セメント、けい酸質原料に石綿等を加え、中空のある板状に押出成形したもの。
・厚さが35~100㎜で、重たく硬い材料である。…分析用試料の採取でも、特に注意が必要。
・主として、中高層の鉄骨造の外壁及び間仕切り壁に使用。
出典:押出成形セメント板協会HP(無石綿製品)
37一般社団法人JATI協会
(8) 石綿含有石膏ボード☆概要
・石膏ボードは、石膏を芯材とし両面を石膏ボード用原紙で被覆成型した内装材料。((一社)石膏ボード工業会ホームページより引用)
・内壁や天井に使用される。・石綿含有品は、石膏ボード全体の
1%程度といわれている。
出典:(一社)石膏ボード工業会HP
出典:国土交通省石膏ボード現場分別解体マニュアル(案)
石膏ボード
耐火間仕切り壁のカットモデル
けい酸カルシウム板第一種
石膏ボード
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(9) 石綿含有ビニル床タイル☆概要
・塩化ビニルに石綿を混入した製品。・“Pタイル”と称されることがある。・接着剤にも石綿を使用した製品
がある。…石綿の使用はビニル床タイル
よりも後まで。
(10) 石綿含有ソフト巾木☆概要
・塩化ビニルに石綿を混入した製品。・東リ株式会社の「ソフト巾木」には、石綿を採用していない。
*巾木(幅木)…床と接する壁の一番下に取り付ける板。壁の汚れや破損を防止が目的。
ビニル床タイル
ソフト巾木
39一般社団法人JATI協会
(11) 石綿セメント円筒(水道管を除く)☆概要
・基本的に、石綿スレートと同材質。・煙突や換気用配管に使用された。・陣笠などにも石綿が使用されていた。
(12) 耐火二層管☆概要
・塩化ビニル管の外側を石綿セメント円筒で被覆した製品。
・トミジ管・石綿二層管と称されることがある。
・排水管、換気用配管等に使用される。
出典:浅野スレート(株) カタログ
出典:厚生労働省 「石綿ばく露把握のための手引」
40一般社団法人JATI協会
3.6 石綿含有成形板の表示の例
*aマーク…石綿を使用している製品に表示1989年 石綿含有率5%超の製品1995年 石綿含有率1%超の製品⇒「aマーク」があれば、“石綿あり”だが、
「aマーク」がなくても、“石綿なし”とはいえない。
*不燃番号等…不燃、準不燃、難燃の認定取得製品に表示可・認定を工業会が取得している場合、事業者が製品ごとに取得
している場合がある。・同じ番号で、石綿含有製品と石綿無含有製品
がある場合がある。⇒不燃番号だけでは、必ずしも石綿の有無を
判断できない。・2000~2002年の間に、下記変更がある。
認定…国土交通省認定、国土交通大臣認定記号…NM(不燃材料)、QM(準不燃材料)等
aマーク
不燃表示の例
41一般社団法人JATI協会
*JIS(日本工業規格)マーク…JIS表示許可製品に表示可・2005年10月以降の製造品には、
新マークが表示されている場合がある。・マークだけでJIS番号の表示がない
ことが多い。⇒番号が分かれば、“石綿あり”と
いえることがある
*その他の表示例…JISによっては、下記等の表示が規定されている。・製造事業者名(略号)・製造工場名(略号)・製造年月日(略号)・種類の記号
(石綿(アスベスト)含有建材データベース「アスベストデータベース」に関連する日本工業規格(JIS)の変遷 参照)
旧 新JISマーク
42一般社団法人JATI協会
3.7 石綿含有建材に関する資料の例
(1) 石綿(アスベスト)含有建材データベース Web版(2) 建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル 2014.6(3) 目で見るアスベスト建材 第2版(4) 建物におけるアスベスト調査の手引き(5) 各団体のホームページ
・せんい強化セメント板会…スレート波板、スレートボードけい酸カルシウム板第一種・第二種
・ロックウール工業会…吹付けロックウールロックウール吸音天井板
・日本建築仕上材工業会…建築用仕上塗材・日本接着剤工業会・社団法人日本塗料工業会・(一社)石膏ボード工業会・(一社)日本壁装協会・アスファルトルーフィング工業会
(6) 各メーカーのホームページ
43一般社団法人JATI協会
☆石綿(アスベスト)含有建材データベース
石綿(アスベスト)含有建材の)定義
Web版を使用すること(旧ダウンロード版は使用しないこと)
すべての石綿含有建材が登録されてはいない!⇒検索されない場合でも
石綿無含有製品とは限らない。
44一般社団法人JATI協会
☆石綿(アスベスト)含有建材データベース
45一般社団法人JATI協会
☆石綿(アスベスト)含有建材データベース
各商品の情報
検索条件・結果
全数2145件
46一般社団法人JATI協会
4.石綿含有建材と使用部位4.1 石綿含有建材の用途
*建築物における主な施工部位の例① (“石綿含有”は省略)
使用部位 石綿含有建築材料の種類
外壁・軒天
窯業系サイディング、押出成形セメント板スレートボード、スレート波板けい酸カルシウム板第一種建築用仕上塗材
鉄骨(梁・柱の耐火被覆)
吹付け石綿、吹付けロックウール
耐火被覆板、けい酸カルシウム板第二種
屋根 スレート波板、住宅屋根用化粧スレート
煙突 石綿セメント円筒、煙突用断熱材
ダクト、配管ジョイントシート、ゴム引き石綿布保温材(特に水練り(不定形)保温材)
47一般社団法人JATI協会
*建築物における主な施工部位の例② (“石綿含有”は省略)
使用部位 石綿含有建築材料の種類
内壁・天井
スレートボード、パーライト板、パルプセメント板スラグせっこう板、けい酸カルシウム板第一種壁紙、石膏ボード、ソフト巾木建築用仕上塗材
内壁・天井(吸音・断熱)
ロックウール吸音天井板吹付け石綿、吹付けロックウール吹付けバーミキュライト、吹付けパーライト
天井裏(結露防止)
屋根用折版裏断熱材
床ビニル床タイル、ビニル床シートフリーアクセスフロア材
48一般社団法人JATI協会
*工作物における主な施工部位の例 (“石綿含有”は省略)
使用工作物 石綿含有材料の種類
水道管 石綿セメント管(上下水道管、温泉管)
鉄道スレートボード(駅舎壁、遮音板等)スレート波板(駅舎屋根等)
トンネル(道路)
スレートボード押出成形セメント板
プラント・ボイラー
ジョイントシート(シール材)保温材紡織品(グランドパッキン、断熱材等)
49一般社団法人JATI協会
☆石綿含有建材等が使用されている部位の例《RC・S造》
出典:国土交通省「目で見るアスベスト建材」
50一般社団法人JATI協会
☆石綿含有建材等が使用されている部位の例《戸建て》
出典:国土交通省「目で見るアスベスト建材」
51一般社団法人JATI協会
☆中小ビルにおける石綿含有建材の使用例
出典:(一社)JATI協会「建物におけるアスベスト調査の手引き」
52一般社団法人JATI協会
5.石綿含有製品の使用例
☆石綿含有吹付け材
鉄骨造の梁・柱に吹付けた例
垂れ下がりがひどい ⇒
53一般社団法人JATI協会
☆石綿含有吹付け材
階段の天井(吸音)…塗装をした例
機械室の壁・天井(吸音)
54一般社団法人JATI協会
☆石綿含有吹付け材
折版屋根の裏面に吹き付けた例(断熱)
温泉の浴室天井に吹き付けた例(断熱・結露防止)
55
【参考】 建築用仕上塗材
☆外装
☆内装
一般社団法人JATI協会
出典:日本建築仕上材工業会ホームページ
56一般社団法人JATI協会
☆石綿含有耐火被覆材
けい酸カルシウム板第二種を防火区画ケーブル貫通部(床)に使用した例*パテ材も石綿含有の場合あり
古河電工株式会社 カタログより転載
けい酸カルシウム板第二種を耐火被覆として施工した例(この製品は無石綿)
57一般社団法人JATI協会
☆石綿含有断熱材
屋根用折版裏断熱材の施工例
煙突断熱材の施工例
58一般社団法人JATI協会
☆石綿含有保温材
けい酸カルシウム保温材及び水練り保温材を配管の保温に使用した例(カバー)
水練り保温材
59一般社団法人JATI協会
☆石綿含有保温材
配管の保温に使用された例(ヘッダー内部のため見えない)
ボイラーに使用された例(金属製カバーにより、保温材は見えない)
60一般社団法人JATI協会
☆石綿含有成形板の使用例
*ビル内装…石綿含有建材が使用されている可能性・天井:石膏ボード、けい酸カルシウム板第一種
ロックウール吸音天井板 等・壁 :石膏ボード、けい酸カルシウム板第一種
スレートボード 等・巾木:ソフト巾木(一般名)・床 :ビニル床タイル 等・ドア :防火ドアの部材 等
ビル内装(イメージ)
61一般社団法人JATI協会
☆石綿含有成形板の使用例
*一般住宅外装・軒天…けい酸カルシウム板第一種
スレートボード 等・外壁…窯業系サイディング
スレートボード
*キッチン・壁………けい酸カルシウム板第一種
スレートボード 等(化粧板、タイル貼りの下地材)
・吊戸棚…けい酸カルシウム板第一種 等
*風呂場・壁……スレートボード 等
(化粧板、タイル貼りの下地材)・天井…スレートボード
一般住宅外装(イメージ)
キッチン(イメージ)
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6.事前調査の手順
(1) 事前調査のフロー
一次調査
調査依頼
設計図、竣工図、改修図等施工年、建物の種類
改修の有無、利用者・頻度等
調査目的、調査範囲等の確認
建物概要、材料の種類、使用部位石綿含有建材データベースメーカー・業界団体のHP・資料
石綿あり、なし、不明
手順、用具、要員等
石綿含有建材データベース
ワークシート等を使用
調査計画
依頼者等のヒアリング
設計図書等の確認
一次調査まとめ
一次調査判定
二次調査準備
一次調査
一次調査整理
二次調査は必ず実施(2006年9月1日以降に着工されたものを除く)
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☆事前調査のフロー(続)
二次調査
一次調査にない建材の確認
見える部分、見えない部分
基本情報確認、構造・仕上材
調査結果を発注者に書面で報告
石綿あり、石綿なし、石綿ありとみなし(吹付け材以外)分析で判定
代表となる検体、分析方法を考慮
煙突、設備機器、配管ダクト等
一次調査結果との照合
スケッチ、写真、ワークシート等
外観観察
外部・内部の確認
二次調査判定
分析依頼
各部屋調査
分析試料採取
報告書作成・報告
分析報告書
分 析
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(2) 事前調査の注意点
☆事前調査の心構え事前調査を行う者は、事前調査においては過去の経験や建築の知識も重要であるが、それら知識のみに頼り、調査範囲を安易に絞り込むことなく、網羅的かつ下地等目視では確認できない部分まで確実に調査を行うこと。試料採取に当たっては調査する労働者に呼吸用保護具等必要なばく露防止対策を実施させた上、下地や見えない部分まで貫通して採取すること。
《厚生労働省 平成25年基安化発0107第2号》
☆二次調査の実施・実際の建物は、図面通りとは限らないので、二次調査は必ず
行うこと(2006年9月1日以降着工されたものを除く)。
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☆成形板の裏面表示・成形板には、商品名、製造会社名、ロット番号、aマーク、JISマーク、不燃番号等が表示されている製品がある。⇒石綿含有建材データベース等で判断できる場合がある。
☆見落としやすい例・ 「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]」 に記載され
ている。・ 外から見えない部分に注意する。
…壁の中、天井裏等に耐火、断熱用の吹付け材が認められる例がある。
…保温材も直接見えないことが多い。
☆分析の依頼・分析により判断する場合は、分析方法の概要を理解し、力量の
ある分析者・分析機関に依頼することが望ましい。
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☆記録・報告書・資料や現物の確認により 「石綿あり」、「石綿なし」 と判断した
場合は、その根拠を明確に示すこと。…裏面の表示によった場合は、表示の写真
石綿含有建材データベース等は最新版メーカーによる石綿含有、石綿無含有等の証明書
・吹付け材以外で 「石綿ありとみなした」場合は、「みなした」ことを記録し、報告書にも記載すること。
・解体前のため、調査できない部分がある場合は、その旨を(場所も含めて)記録し、報告すること。
出展:厚生労働省 石綿飛散漏洩防止対策マニュアル[2.20版]JATI協会ホームページ
*事前調査の記録様式例
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(3) 見落としやすい例
☆天井裏・断熱材として、最上階スラブだけに
クロシドライトを吹き付けた例。
*天井裏に吹付け材がある場合は、落下して天井材の上に積もっている可能性があるので、点検口を開けるときに注意する。
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☆壁の中・ブレースに吹付けた例。
・化粧板の基材に使用した例。けい酸カルシウム板第一種に表面材を接着。分析の場合は、基材も採取する必要がある。
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☆壁の中・カーテンウォール裏打ち。…目的は、断熱性や耐火性の向上。
*吹付け材、けい酸カルシウム板第二種・第一種など、材料の種類が多いことも特徴。
壁を剥がした状況この部分はクロシドライトの吹付け材
カーテンウォール室内側
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☆配管エルボ部等・きれいにカバーされているが、その
中に石綿含有水練り保温材がある例(カバーをカットして中を確認)。
・水練り保温材は、主として成形した保温材では施工しにくい部分に使用される。分岐部分に使用された例。
*水練り保温材のうち、ハードセメントと称される製品等はロックウール保温材やけい酸カルシウム保温材の表面に塗って使用される。…表面のハードセメントのみ石綿
含有の例がある。
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☆フリーアクセスフロア・フリーアクセスフロアでは、石綿
含有ビニル床タイルが隠れている例がある。…フリーアクセスフロアも石綿
含有の場合がある。・床が高くなることにより、巾木も
積み増していることがあり、注意を要する。
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☆ダクトの継ぎ目のガスケット・ジョイントシートやゴム引き石綿布
などが使用される。・加圧状態で使用されるのでフランジ
に密着している場合が多い。⇒サンプリングでも掻き落としが
必要な場合がある。
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7.分析用試料の採取
(1) 安全・衛生(保護具の使用等)
・防じんマスク(呼吸用保護具)、作業衣・保護衣、保護手袋、保護めがね、ヘルメット等を着用する。
・脚立の使用時は、二人作業で行うなど、高所作業に注意する。
(2) 採取量の基本☆吹付け材
・該当吹付け材の施工部位の3箇所以上から採取する。…「石綿飛散防止漏洩対策徹底マニュアル[2.20版]」 を参考に
分析の目的より採取数を決めるとよい。・1箇所の採取量は10㎤程度とする。
☆保温材、成形板等・当該材料の3箇所以上から採取する。・1箇所の採取量は、耐火被覆材・煙突用断熱材・保温材は10㎤
程度、折版屋根断用断熱材・成形板は100㎠程度とする。
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(3) 採取時の注意点
☆吹付け材・2層に吹付けられている場合があるので、表面から下地まで
必ず貫通して採取する。・2業者以上が施工している場合では、施工時期により石綿含有
と不含有の吹付け材が混在している可能性があるため、 採取場所(単位)に注意する。…各フロアを分割して施工している場合、フロア単位で施工して
いる場合などがある。
☆保温材、成形板等・保温材における目地部や表面の水練り保温材、耐火被覆材に
おける目地材も採取する。・改修等の有無に注意する。
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(4) 採取した資料の送付
・採取した試料はそれぞれ密閉容器(チャック付きポリ袋等)に入れ、それを一纏めにして分析機関に送付する。…分析機関では一纏めにしたものを1試料として分析
・密封した容器には、試料番号、採取年月日、採取建物名、建物の施工年、採取場所、採取部位、採取したものの形状(板状・不定形状等)を記入する。
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(5) 採取の状況
☆サンプリングの道具・保護具
防じんマスク(呼吸用保護具)、作業衣・保護衣、保護手袋、保護めがね、ヘルメット、安全帯 など
・採取用具スクレーパー・カッター等、採取用トレー(ちりとり等)、採取袋(チャック付き袋等)、カメラ、ホワイトボード など
・安全衛生用具湿潤化剤(粉じん飛散抑制剤等)、粉じん飛散防止剤、養生シート、養生テープ、ウエットティッシュ、HEPAフィルタ付き真空掃除機 など
・その他脚立 など
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(6) 分析の依頼
☆ 分析方法は?*建材中の石綿含有率の分析は、「石綿則に基づく事前調査の
アスベスト分析マニュアル」 に基づいた方法で行う。・定性分析方法1(偏光顕微鏡法)・定性分析方法2(X線回折分析法・位相差分散顕微鏡法)・定量分析方法1(X線回折分析法)・定量分析方法2(偏光顕微鏡法)・定性分析方法3(電子顕微鏡法)
《アスベスト分析マニュアル【1.20版】》
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☆ 分析の依頼先は?*厚生労働省では、以下の分析機関・者を望ましいとしている。
・公益社団法人日本作業環境測定協会が実施する 「石綿分析技術の評価事業(石綿分析に係るクロスチェック事業)」 により認定されるAランクの分析技術者が在籍する分析機関
・一般社団法人日本環境測定分析協会が実施する 「技能試験」合格者や合格試験所
《石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]》
⇒分析方法により、適切な分析機関に依頼すること。
☆ 分析報告書*分析報告書の様式例が 「アスベスト分析マニュアル【1.20版】」 に
ある。
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*石綿分析結果証明書の例(アスベスト分析マニュアル【1.20版】)
80一般社団法人JATI協会
8.報告書の作成
(1) 事前調査結果報告書
・事業者は発注者に事前調査結果を書面で説明すること。《大気汚染防止法第18条の17》
⇒報告書が必要・報告書は40年間保存することが望ましい。
(2) 事前結果報告書の様式例
・「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]」に報告例及び報告書の例が示されている。
・また、(一社)JATI協会も、同協会様式をホームページにアップしている。
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◎報告書の例(JATI協会様式)*概要(表示)用
*詳細用
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(3) 報告書の記載例《石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]》
① 報告年月日② 報告書No.③ 報告先の名称(宛名)④ 報告書名
・例) 「○○○石綿有無に関する事前調査結果報告書」⑤ 報告者名
・調査機関名、代表者名など⑥ 調査責任者、調査実施者(現地調査、試料採取判断など)
・ 事前調査の実施者は、法的には定められていないが、資格等の記載があると良い
⑦ 調査の目的(石綿障害予防規則第3条に基づく事前調査・その他)
・大気汚染防止法第18条17による事前調査と石綿障害予防規則第3条による事前調査は兼ねて行うことができる。
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⑧ 目的とする調査範囲及び調査対象建材(吹付等)・調査部分を明記
…解体等の工事を行う部分はすべて…増改築等では、工事対象部分以外の吹付け石綿及び石綿
含有吹付けロックウールについても調査《建築基準法施行令第137条の4の3、他》
・解体工事開始前に調査できない部分がある場合は、場所等を報告書に明記
・調査対象建材(レベル1、2、3、他)も記載…解体等工事ではすべて
⑨ 対象物件概要(施設名・竣工年・所在地・構造・規模・用途など)・大防法では着工年の記載が望ましい・構造:S造・RC造・木造など…耐火被覆の有無が関係・規模:・用途:
⑩ 調査期間
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⑪ 調査方法(設計図書調査・現地調査・分析など)・書面調査に使用した資料・現地調査の状況
⇒設計図書通りに施工されていない場合や改修されていることがあるので、現場調査は必須。
・分析した場合、分析報告書の添付⑫ 結果の概要
(項目においては大気汚染防止法と調整の必要有り)⑬ 調査結果平面図(石綿含有建材位置図)(サンプリング位置図)⑭ 調査報告詳細⑮ 調査の範囲
(アクセス不能であった箇所、改修の場合は調査対象外の箇所)⑯ 各部屋の調査現状写真⑰ サンプリング等の調査状況写真
・スケッチも可⑱ 添付資料(判断根拠等証明書類等)⑲ その他(工法・ばく露防止対策の参考になる現場状況等)
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9.参考資料
*厚生労働省・石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]・アスベスト分析マニュアル【1.20版】・石綿ばく露把握のための手引
(石綿に関する健康管理等専門家会議 マニュアル作成部会)
*環境省・建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル 2014.6
*国立研究開発法人建築研究所、日本建築仕上材工業会・建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの
石綿粉じん飛散防止処理技術指針
※ 出典を記載していない写真、図、表等は、上記参考資料及びJATI協会資料から引用
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各種情報がありますご活用ください
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