原子過程とALADDINデータベース - Nihon...

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原子過程とALADDINデータベース

Atomic Process and The ALADDIN Database

高杉恵一

計算物理学 2008年11月6日

話 題

• プラズマ中の原子過程電離、励起、再結合、放射…

• ALADDINデータベース

原子データベースの統一規格

• イオン占有密度の計算コロナ平衡における多価イオンの発生

プラズマ中の原子過程

プラズマの発生方法

• 放電電子ビームによる電離

• 熱電離電子および高速中性粒子との衝突による電離

• 光電離光電効果による電離

いろいろな原子過程

電子衝突電離

eeXeX ZZ +++ ++→←

+ )1( 三体再結合

放射再結合

νhXeX ZZ ++ +−→←

+ )1( 光電離

電子衝突励起

eXeX ZZ ++ +→←

+ * 電子衝突脱励起

プラズマからの軟X線放射

プラズマからのEUV放射

ALADDINデータベース

http://www-cfadc.phy.ornl.gov/

ALADDINデータベース

ALADDINとは

• A Labelled Atomic Data Interface

• 原子分子データの蓄積、交換、管理をするためのシステム

ALADDINの特徴

• テキストデータであるので、エディタで編集できる

• ラベルがついていて、データの検索ができる

• データを数値化するための Fortran コード

がついている

ALADDINデータフォーマット

ALADDINデータの例

#BELI

K.L. Bellによる電離断面積のデータ

−+

= ∑

i

i

i EIB

IEA

IEE 1ln1)(σ

if

f

f

BiCACIC

=+

=

=

)2(

)2(

)1( 電離ポテンシャル

Bethe の係数

フィッティング係数

#BELI

ALADDIN DATA OF BELFAST IONIZATION CROSS SECTION

$ ION e H [+00] (G)& XS EVAL ACC=B BELFAST DOC=JPCRD-17/88 11/09/90 #BELI13.6 .185 -.019 .123 -.190 .953 .000

$ ION e He [+00] (G)& XS EVAL ACC=B BELFAST DOC=JPCRD-17/88 11/09/90 #BELI24.6 .572 -.344 -.523 3.445 -6.821 5.578

$ ION e He [+01] (G)& XS EVAL ACC=B BELFAST DOC=JPCRD-17/88 11/09/90 #BELI54.4 .185 .089 .131 .388 -1.091 1.354

#BELI による電離断面積

反応速度係数

衝突頻度

∫==

dvvvvfvv

vn

M

t

24)()( πσσ

σν

)()(vfv

n

M

t

σ標的粒子の密度

反応の断面積

Maxwell 分布関数

イオン占有密度の計算

励起と脱励起

12C

21

21

12

ACC 衝突励起の速度係数

衝突脱励起の速度係数

放射遷移の確率

励起準位の占有密度の変化は

0)2()2()1()2(212112 =−−= AnCnnCnn

dtdn

ZZeZeZ

電子衝突励起 電子衝突脱励起 放射遷移

低密度の条件

21

21

CAne <<

で放射遷移が支配的になる(コロナ平衡)

電離平衡

イオンの占有密度は基底状態間の電離と再結合によって決まっているとする

( ) 1111 ++−− +++−= ZeZZeZZeZZZ nnnnSnnS

dtdn αα

Z価のイオンの消滅 Z-1価からの電離 Z+1価からの再結合

Z

Z

Z

Sn

α

Z価のイオン占有密度

Z価からZ+1価への電離速度係数

Z価からZ-1価への再結合速度係数

定常状態を考え、連立方程式を解くと

1

1

+

+ =Z

Z

Z

Z Sn

イオンの占有密度比は反応速度係数の比で決まる

Hイオンの占有密度

Heイオンの占有密度

Cイオンの占有密度

Neイオンの占有密度

Arイオンの占有密度

課 題

計算物理学のホームページに K.L. Bell の近似式に適応した ALADDIN データを載せておきます単位は I (eV), σ (cm2) です

適当なデータを選んでエネルギー E (eV) に対応する断面積 σ (cm2) を計算し、グラフにしなさい

http://sg2.phys.cst.nihon-u.ac.jp/

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