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「医療機関における医療機器の安全管理について」

<ガイドライン>の紹介

平成21年2月7日(土)

大阪府健康福祉部薬務課 技師

小西 偉

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内容

1. 大阪府医療機器安全性確保対策検討委員会について

2. 医療機関における医療機器の安全管理について<ガイドライン>

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1.大阪府医療機器安全性確保対策検討委員会について

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Ⅰ 事業背景 医療機器は、ピンセットから心臓ペースメーカまで多種多様なものが存在し、最近の医療事故に、医療機器を起因とする事故事例も見受けられる。

平成17年4月に、医療機器に係る安全対策の抜本的な見直しを行った改正薬事法が施行された。

薬事法の不具合報告(医薬品の副作用報告に対応するもの)が、強化されたことにより、医療機器に関する不具合事例や回収事例が増大している。

医療機器安全性確保対策検討事業

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Ⅱ事業目的

府民の保健医療の向上(安全で良質な医療を効率的に提供すること)を目的とする。 医療機器の適正使用を推進し、医療機器の有効性・安全性を確保する

医療関係団体・医療機器製造販売業者等との連携のもとに、医療機器の現状を把握する

課題の整理・分析を行う

問題点の共有化を図る

医療機器の製造から使用段階における安全性確保のための総合的かつ計画的な施策を構築する

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Ⅲ 大阪府医療機器安全性確保対策検討委員会

医師会 歯科医師会

薬剤師会 看護協会

病院協会

メーカー 臨床工学技士会

医療機器の現状把握・分析に関すること

医療機器の安全性確保に向けた計画の策定に関すること

計画に基づく事業の推進・評価に関すること

その他「医療機器の安全対策」に必要な事項

学識経験者 病院薬剤師会

医療機器安全性確保対策検討委員会

問題点の整理と共有化

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Ⅳ 事業概要

(安全で良質な医療を効率的に患者へ提供する)

医療機器の安全性の確保及び適正使用の推進

(平成19年度:

医療機関へのガイドラインの作成)

医療機関での医療機器に対する実態把握 平成17年度:病院 平成19年度:歯科診療所

メーカーでの医療機器に対する実態把握

(平成18年度)

医療機器に対する課題や問題点の把握

医療機関

メーカー

患者(在宅を含む)での医療機器に対する実態把握

平成18年度

平成17年度、 平成19年度

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平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度

(予定)

医療機器安全性確保対策検討委員会

・会議開催(3回)

・病院における医療機

器の使用及び保守点

検状況等に関する調

査の実施

・医療従事者に対する

講演会の開催

・会議開催(2回)

・医療機器製造販売業者における医療機器安全性確保対策に関する調査の実施

・会議開催(3回)

・「医療機関における医療機器の安全管理について」<ガイドライン>の作成

・歯科WG※の設置

と会議開催(3回)

・歯科診療所に医療機器の使用及び保守点検状況等に関する調査の実施

・会議開催(2回)

・医療従事者に対

する講演会の開

・AED保守管理状

況予備調査

・歯科WG※会議開

催(2回)

薬事審議会

・薬事審議会への諮問

-「医療機器の安全性確保対策」について-

・知事への答申

専門委員会の設置と審議(3回)

・事業の進捗状況の報告

※歯科WG:大阪府歯科用医療機器安全性確保対策ワーキンググループ

Ⅴ これまでの事業経過

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2.医療機関における医療機器の安全管理について<ガイドライン>

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製造販売業への

対策(検討予定) 府民への対策

(検討予定)

各々の医療機器の問題点

製造販売業者 医療機関 府民

①安全かつ使いやすい医療機器の設計開発

②情報提供・収集体制の整備

③わかりやすく、使いやすい添付文書・取扱説明書の作成

④医療機関に対する緊急時の支援体制の整備

⑤製造販売業者・製造業者・販売(賃貸)業者・修理業者間の連携

①購入時の安全性確保

②保守点検(保守管理)の実施

③計画的な教育訓練の実施

④情報管理体制の整備

⑤一元的な管理体制の整備

①在宅患者等における医療機器の使用実態の把握

②府民への啓発普及

【審議会での答申 H.19.3.22】

医療機関への対策

ガイドラインの作成

(平成19年度)

平成19年度以降の医療機器安全性確保

対策事業の取組み

医療法の改正

H.19.4.1施行

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第五次医療法改正(平成19年4月1日施行)

~医療機器関連箇所の抜粋~

○ 医療機器に係る安全管理のための体制の確保に係る以下の措置

– 医療機器の安全使用のための責任者の配置

– 従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施

– 医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施

– 医療機器の安全使用のために必要となる情報の収集その他の医療機

器の安全使用を目的とした改善のための方策の実施

(医療機器安全管理責任者)

– 医療機器に関する十分な知識を有する常勤職員であり、医師、歯科医

師、薬剤師、助産師(助産所の場合に限る)、看護師、歯科衛生士(主と

して歯科医業を行う診療所に限る)、診療放射線技師、臨床検査技師又

は臨床工学技士のいずれかの資格を有していること。

– 病院においては管理者との兼務は不可。(医薬品安全管理責任者等他

の役職との兼務は可)

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号)

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ガイドライン作成にあたっての留意点①

・平成19年4月より施行された改正医療法への対応を

行うにあたっての指針となるものであること。

・根拠となる関係法令や通知等を明確にした。

・各項目で、参考となる手引きや指針が、諸団体、学会

等によって既に作成されており、ホームページ等から

容易に入手できる場合は、【参考】として、その名称と

掲載されているURLを記載し、参照しやすいように配

慮した。

・記録等の作成が求められている項目については、そ

の様式例を具体的に示した。

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ガイドラインの見方① (ガイドライン 目次より)

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ガイドラインの見方② (ガイドライン5、6ページより)

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ガイドライン作成にあたっての留意点②

・医療機関独自のマニュアル等へ取り込む等、自由に加

工できるようにMicrosoft Wordによりホームページ上

に掲載した。

・医療従事者等の本ガイドラインを閲覧した者から意見・

要望があった際は、本検討委員会にて検討し、必要に

応じて本ガイドラインの改訂を行う。

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ガイドライン

【第1章】

Ⅰ.総則

Ⅱ.購入

Ⅲ.使用

【第2章】

Ⅳ.管理体制

Ⅴ.教育訓練

Ⅵ.保守点検

Ⅶ.情報

【第3章】

Ⅷ.その他

医療法施行規則

イ 医療機器の安全使用のための責任者の配置

ロ 従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施

ハ 医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施

ニ 医療機器の安全使用のために必要となる情報の収集その他の医療機器の安全使用を目的とした改善のための方策の実施

大阪府薬事審議会答申

(1)購入時の安全性確保

(2)受入時の品質確保

(3)保管出納管理

(4)日常点検の徹底

(5)保守点検の徹底

(6)故障時の対応

(7)廃棄管理

(8)情報管理

(9)事故発生時の対応

(10)一元的な管理体制の整備

(11)医療従事者に対する教育訓練

(12)その他

ガイドラインの構成と医療法施行規則、答申との対比

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ガイドラインの概要

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【第1章】 医療機器の安全性確保のための留意事項

Ⅰ.総則(ガイドライン1ページ)

法律の条文の確認のために“法令データ提供システム”の紹介と検索方法

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【第1章】 医療機器の安全性確保のための留意事項

Ⅱ.購入(ガイドライン2ページ)

購入にあたってのチェック項目について

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【第1章】 医療機器の安全性確保のための留意事項

Ⅲ.使用(ガイドライン3,4ページ)

日常点検について(始業時、使用中、終業時)

ただし、点検項目については、医療機器毎に異なるため、諸団体、学会等が

作成のガイドライン等を参照。

・ 「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」

社団法人日本医師会

・「医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施に関する指

針」

社団法人日本臨床工学技士会

・「人工心肺装置の標準的接続方法およびそれに応じた安全教育等に関するガイドラ

イン」

日本心臓血管外科学会等

・「医療スタッフのための人工呼吸療法における安全対策マニュアル」

社団法人 日本臨床工学技士会

・「輸液ポンプ等使用の手引き」

日本医師会 医療安全器材開発委員会

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【第2章】 医療機器の安全性確保のための法令遵守事項

Ⅳ.管理体制(ガイドライン5,6ページ) →医療法施行規則、関係通知の補足説明

1.資格

2.他の役職との兼務

病院においては、その管理者(病院長)との兼務は不可である。

参考:「医療機器に係る安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点 運用のため

のQ&A集」 (社団法人日本臨床工学技士会)

3.安全管理のための体制を確保しなければならない医療機器

薬事法で規定されている全ての医療機器

4.業務

・従業者へ安全使用のための研修の実施

・保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施

・安全使用のために必要となる情報の収集その他の医療機器の安全使用を目的とした改善のための方策の実施

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【第2章】 医療機器の安全性確保のための法令遵守事項

Ⅴ.教育訓練(ガイドライン7~9ページ) →医療法施行規則、関係通知の補足説明

1.研修の定義 ・新しい医療機器の導入時の研修

・特定機能病院における定期研修(特に安全使用に際して技術の習熟が必要と考えられる

医療機器→8種類)

2.研修の実施形態

病院内での研修だけでなく、病院外の場所での研修や、外部講師によるもの、製造販売

業者による取扱説明等も当該研修に含まれる

3.研修の対象者

当該医療機器に携わる医療従事者等の従業者

4.研修内容 ①有効性・安全性に関する事項、②使用方法に関する事項、③保守点検に関する事項、

④不具合が発生した場合の対応に関する事項、⑤使用に関して特に法令上遵守すべき

事項

5.研修において記録すべき事項 開催又は受講日時、出席者、研修項目、研修対象医療機器の名称、実施場所

6.その他

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【第2章】 医療機器の安全性確保のための法令遵守事項

Ⅵ.保守点検(ガイドライン10~17ページ) →医療法施行規則、関係通知の補足説明、医療機器の概要図と医療機器の例、

保守点検計画策定フロー

1.保守点検計画の策定

(1)保守点検計画を策定すべき医療機器(8種類)

(2)保守点検計画において記載すべき事項

①医療機器名、②製造販売業者名、③型式、

④保守点検をする予定の時期、間隔、条件等

2.保守点検の適切な実施

(1)保守点検の記録

①医療機器名、②製造販売業者名、③型式、型番、購入年、④保守点検の記録(年月

日、点検の概要及び点検者名)、⑤修理記録(年月日、修理の概要及び修理者名)

(2)保守点検の実施状況等の評価

(3)保守点検の外部委託

医療法第15条の2に規定する基準を遵守すること。

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医療機器の概要図と医療機器の例

(ガイドライン13ページ)

人体へのリスク

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保守点検計画策定フロー(ガイドライン14ページ)

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【第2章】 医療機器の安全性確保のための法令遵守事項

Ⅶ.情報(ガイドライン18~20ページ) →医療法施行規則、関係通知の補足説明

1.添付文書の管理

添付文書、取扱説明書等の情報の整理と管理

2.医療機器に係る安全性情報等の収集

医療機器の不具合情報や安全性情報等を一元的に収集し、その情報を当該医療機器に

携わる者に対して適切に提供すること。→医薬品医療機器情報配信サービスの活用

3.病院等の管理者への報告

医療機器の不具合や健康被害等に関する、内外の情報収集と

病院等の管理者への報告等を行うこと。

→参考:医療機器安全管理情報 不具合報告書等の手引書 第5版

(日本医療機器産業連合会)

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【第3章】 より良い医療機器安全性確保のための留意事項 (ガイドライン21ページ)

1.受入時の品質確保

特に設置管理医療機器については、受入検査を十分に行う必要がある。

2.保管出納管理

機器の保管場所・使用場所に留意し、その機能等が正常であると確認がされていない機器や、互換性のない機器が使用されないように管理すべきである。

3.故障時の対応

緊急時に備えて、機器毎に製造販売業者、修理業者等の連絡先を把握しておく。

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【第3章】 より良い医療機器安全性確保のための留意事項 (ガイドライン22~25ページ)

4.廃棄管理

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」若しくは、その地域の条例に従って、行わなければならない。

5.事故発生時の対応

大阪府健康福祉部医務・福祉指導室医療対策課が作成のガイドラインを参照。一部の医療機関には、(財)日本医療機能評価機構へ事故報告書の提出が義務づけられている。

6.医療機器の改良・改造及び医療現場の実状に合った取扱説明書の作成

医療機関において、医療機器を改良・改造することは医療機器の有効性・安全性確保の観点から好ましくない。製造販売業者に対して改良点等の提案を積極的に行うべきである。

7.薬事法に規定する安全対策上の遵守事項等

・医療機器製造販売業者等が行う医療機器の適正な使用のために行う情報の収集に対す

る協力

・特定医療機器の安全性確保上の対応

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巻末 別添(ガイドライン27~47ページ)

【巻末】 (ガイドライン27~47ページ) 別添1 研修実施記録(例)

別添2 保守点検が必要な医療機器の判別について(ガイドライン28,29ページ)

別添3 保守点検計画書(例)

別添4 医療機器の修理・保守点検の記録表

別添5 医療機器安全性情報報告書(院内報告用)

別添6 医療機器安全性情報報告書(厚生労働大臣報告用)

別添7 医療機器保守点検・安全使用体制自己点検チェックシート(例)

別添8 医療法・薬事法の抜粋

別添9 医療法改正にともなう医療安全管理体制にかかる質疑応答について

(医療機器関連箇所の抜粋)

30

保守点検が必要な医療機器の判別について①

(ガイドライン28ページ)

31

保守点検が必要な医療機器の判別について②

(ガイドライン29ページ)

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ガイドライン 掲載場所について 薬務課オリジナルHP

-医療機器グループ HP

-大阪府医療機器安全性確保対策事業のページ

http://www.pref.osaka.lg

.jp/yakumu/kiki_taisaku/

kiki_anzen.html

ここをクリックするとメール作成の画面が表示され、ご意見、ご要望等が送付できます。

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ガイドラインのアクセス実績

2008年

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

アクセス件数 133 413 421 466 1350 829 1105 700 464

メール件数 0 0 0 0 1 0 0 0 1

1330

413

0

421

0

466

0

1350

1

829

0

1105

0

700

0

464

10

200

400

600

800

1000

1200

1400

件数

08年4月 08年5月 08年6月 08年7月 08年8月 08年9月 08年10月 08年11月 08年12月

アクセス件数 メール件数

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今後の予定 平成20年度

・ 検討委員会の開催(年2回)

・ 医療機関における医療機器安全性確保対策の講演会の開催

・ AED(自動体外除細動器)保守管理状況予備調査

・ 大阪府歯科用医療機器安全性確保対策ワーキンググループの

開催(年2回)

平成21年度以降

・AED(自動体外式除細動器)の保守管理状況に関する調査

・特定の医療機器(例:人工呼吸器、輸液ポンプ等)における安

全性確保対策の検討

・「医療機関における医療機器の安全管理について」

<ガイドライン>の改訂

・在宅患者等における医療機器の使用状況の把握

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ご清聴ありがとうございました。

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