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頭痛の解剖と生理学

慶應義塾大学医学部神経内科清水 利彦

HMSJ 2016年10月23日大阪国際交流センター

Pacini小体短時間の接触、振動

Merkel小体接触、圧感覚

Meissner小体触覚

棍状小体温熱

自由神経終末痛み刺激、温熱刺激

Netter The Ciba Collection of Medical Ilustrations

A A A A B C

有髄 有髄 有髄 有髄 有髄 無髄

機 能運動

筋紡錘求心性線維

触覚圧覚

触覚

筋紡錘遠心性線維

痛覚

温度覚

交感神経節前線維

交感神経節後線維痛覚

直径(m) 13-22 8-13 4-8 1-4 1-3 0.2-1.0

伝導速度(m/sec)

70-120 40-70 15-40 5-15 3-14 0.2-2

末梢神経線維の分類

日本頭痛学会編集 頭痛専門医試験問題・解説集 中山書店

日本頭痛学会編集 頭痛専門医試験問題・解説集 中山書店

(a)Aβ

(b)Aγ

(c)Aδ

(d)B

(e)C

頭痛の拍動性または焼けるような痛みを伝える神経線維はどれか

(a)痛覚を伝える

(b)振動覚を伝える

(c)固有感覚を伝える

(d)無髄神経線維である

(e)パチニ小体を感覚受容体とする

C線維について正しいものはどれか。2つ選べ

日本頭痛学会編集 頭痛専門医試験問題・解説集 中山書店

(a)棘孔----中硬膜動脈

(b)卵円孔----上顎神経

(c)正円孔----下顎神経

(d)大後頭孔----副神経

(e)頸静脈孔---椎骨動脈

頭蓋底の孔と通過する神経または血管の組み合わせについて正しいのはどれか

片頭痛

片頭痛の病態に関係する部位

Pietrobon D and Moskowitz MA. Annu. Rev. Physiol. 2013.75:365-391

CSD?前兆?

三叉神経脊髄路核

大脳pain matrix

下行性疼痛抑制系

脳硬膜、脳血管の反応性?

三叉神経節の感作?

50 µm

Shimizu T et al. Brain Res. 2007; 1173: 84-91.

Andres KH et al. Anat Embryol 1987; 175: 289-301.

脳硬膜の感覚神経線維

脳血管には

三叉神経節からの感覚神経線維が分布する

清水利彦,鈴木則宏.Annual Review 神経.東京:中外医学社;2007年:263-274.

Substance P

CGRP

三叉神経侵害受容の上行性経路

大脳皮質一次体性感覚野

視床下部視床

結合腕傍核

三叉神経節

三叉神経主知覚核

三叉神経脊髄路核吻側亜核

三叉神経脊髄路核中間亜核

三叉神経脊髄路核尾側亜核(三叉神経尾側核)

(a)運動核

(b)主知覚核

(c)吻側亜核

(d)中間亜核

(e)尾側亜核

硬膜の侵害受容刺激が入力する三叉神経核の主たる部位はどれか

脳の特定の領域を刺激すると鎮静がおこる

島、視床下部、扁桃核、中脳水道周囲灰白質(PAG)、吻側延髄内側部(RVM)など

大脳辺縁系、視床下部からPAG、RVMに投射

Suzuki R et al.Bad news from the brain: descending 5-HT

pathways that control spinal pain processing.Trends Pharmacol

Sci. 2004 ;25:613-7.

Reynolds DV.Surgery in the rat during electrical analgesia induced

by focal brain stimulation.Science. 1969;164:444-5.

下行性疼痛抑制系

下行性疼痛抑制系

島皮質視床下部

中脳水道周囲中心灰白質

結合腕傍核

三叉神経主知覚核吻側延髄腹内側部

脊髄後角

三叉神経脊髄路核吻側亜核

三叉神経脊髄路核中間亜核

三叉神経脊髄路核尾側亜核

扁桃核

(a)島皮質

(b)視床下部

(c)結合腕傍核

(d)三叉神経主知覚核

(e)中脳水道周囲灰白質

下行性疼痛抑制系に関与しないのはどれか

(a)海馬

(b)黒質網様部

(c)小脳歯状核

(d)脊髄Clarke柱

(e)吻側延髄腹内側部

中脳水道周囲灰白質における神経の主要な投射部位はどれか

大脳、脳幹のPain matrix

May A. J Headache Pain 2006; 7: 174-184.

頭頂連合野補足運動野

一次感覚野

前帯状皮質

前頭前皮質

扁桃核

視床

中脳水道周囲灰白質

注意、条件付け(特に恐怖条件付け)、疼痛評価(痛みを不快と評価)、記憶想起

多くの情動機能、報酬系回路、社会的に適切な情報の評価、葛藤解決

身体状態に関連する情報の評価

自律神経・睡眠

Maizels M et al., .Headache. 2012;52:1553-65.

(a)青斑核

(b)脊髄後角

(c)側坐核

(d)中脳水道周囲灰白質

(e)扁桃核

痛みを「不快」と評価し記憶するのはどれか

群発頭痛

A. B~D を満たす発作が5 回以上あるB. 未治療の場合,重度~極めて重度の一側の痛みが眼窩部,眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に15~180分間持続する

C. 以下の1項目以上を認める1. 頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1 項目を伴う

a) 結膜充血または流涙(あるいはその両方)b) 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)c) 眼瞼浮腫d) 前額部および顔面の発汗e) 前額部および顔面の紅潮f) 耳閉感g) 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)

2. 落ち着きのない,あるいは興奮した様子D. 発作時期の半分以上においては,発作の頻度は1回/2日~8回/日であるE. 他に最適なICHD-3の診断がない。

3.1 群発頭痛の診断基準

Leone M et al. Pathophysiology of trigeminal autonomic cephalalgias. Lancet Neurol. 2009;

8:755-764.

上唾液核

翼口蓋神経節

三叉神経節

三叉神経脊髄路核尾側亜核

(a)赤核

(b)青斑核

(c)上唾液核

(d)下唾液核

(e)三叉神経中脳路核

三叉神経系と副交感神経系との連絡に関与する脳幹核はどれか

13.1 三叉神経痛13.2 舌咽神経痛13.3 中間神経痛13.4 後頭神経痛13.5 視神経炎13.6 虚血性眼球運動神経麻痺による頭痛13.7 トロサ・ハント症候群13.8 傍三叉神経性眼交感症候群13.9 再発性有痛性眼筋麻痺性ニューロパチー13.10 口腔内灼熱症候群13.11 持続性特発性顔面痛13.12 中枢性神経障害性疼痛

13.有痛性脳神経ニューロパチーおよび他の顔面痛

A. BとCを満たす片側顔面痛が3回以上ある

B. 三叉神経枝の支配領域(2枝領域以上におよぶことあり)に生じ、三叉神経領域を越えて広がらない痛み

C. 痛みは以下の4つの特徴のうち少なくとも3つの特徴をもつ1. 数分の1秒~2分間持続する発作性の痛みを繰り返す2. 激痛3. 電気ショックのような、ズキンとするような、突き刺すような、あるいは、鋭いと表現される痛みの性質

4. 患側の顔面への非侵害刺激により突発する

D. 臨床的に明白な神経障害は存在しない

E. ほかに最適なICHD-3の診断がない

13.1.1 「典型的三叉神経痛」の診断基準

上小脳動脈による三叉神経の圧迫

後藤文男、天野隆弘、臨床のための神経機能解剖学、中外医学社、東京、1992年

脳底動脈

上小脳動脈

三叉神経

Ⅶ、Ⅷ神経

前下小脳動脈

(a)純粋な運動神経

(b)運動核は橋被蓋内側に存在

(c)上顎枝は卵円孔を通る

(d)三叉神経中脳路核は顔面筋の位置覚を伝える

(e)三叉神経痛は後下小脳動脈の圧迫で生じる

三叉神経について正しいのはどれか

三叉神経運動核は橋中部外側にある

後藤文男、天野隆弘、臨床のための神経機能解剖学、中外医学社、東京、1992年

三叉神経運動核

三叉神経中小脳脚

三叉神経主知覚核

A.B およびC を満たす片側性の痛み発作が少なくとも3 回ある

B.痛みは舌の後部,扁桃窩,咽頭,下顎角直下または

耳のいずれか1つ以上の部位に分布する

C.痛みは以下の4 つの特徴のうち少なくとも3項目を満たす

1. 数秒〜2 分持続する痛み発作を繰り返す

2. 激痛

3. ズキンとするような,刺すような,あるいは鋭い痛み

4. 嚥下,咳,会話またはあくびで誘発される

D.明らかな神経学的欠損がない

E.ほかに最適なICHD-3 の診断がない

13.2 「舌咽神経痛」の診断基準

後藤文男、天野隆弘、臨床のための神経機能解剖学、中外医学社、東京、1992年

舌咽神経の走行

孤束核

疑核

下唾液核

三叉神経脊髄路核

舌咽神経 (IX)

舌後1/3

運動分泌(副交感神経)味覚感覚化学・圧受容体から

耳下腺

舌咽神経の走行

後藤文男、天野隆弘、臨床のための神経機能解剖学、中外医学社、東京、1992年

孤束核

疑核三叉神経脊髄路核

舌咽神経 (IX)

迷走神経 (X)

A.少なくとも3 回は,B とC を満たす片側性の痛みがある

B.痛みは外耳道に局在し,時には頭頂後頭領域に放散する

C.以下の4 つの特徴のうち少なくとも3 つを満たす

1. 数秒〜数分間持続する発作痛が繰り返す

2. 激痛である

3. ズキンとするような,突き刺すような,あるいは,鋭いと表現される痛みの性質

4. 外耳道後壁または耳介周囲(あるいはその両方)の誘発部位を刺激されると痛みが誘発される

D.明らかな神経学的欠損がない

E.ほかに最適なICHD-3 の診断がない

13.3.1 「典型的中間神経痛」の診断基準

後藤文男、天野隆弘、臨床のための神経機能解剖学、中外医学社、東京、1992年

顔面神経の走行

孤束核

顔面神経運動核

上唾液核

三叉神経脊髄路核

中間神経膝神経節

翼口蓋神経節

三叉神経節

運動分泌(副交感)味覚感覚

鼓索神経

舌神経

長井孝紀.味覚とは.Clin Neurosci 2010; 28: 1224-1226.

舌の味覚

耳介に分布する感覚神経

グレイ解剖学 第2版

耳介側頭神経(下顎神経の枝)

大耳介神経(C2,C3)

小後頭神経(C2)

迷走神経顔面神経

(a)上唾液核

(b)三叉神経運動核

(c)外転神経核

(d)顔面神経運動核

(e)下唾液核

中間神経の起源はどれか

(a)運動線維を含む

(b)感覚線維を含む

(c)交感神経線維を含む

(d)一部の線維は下唾液核から出る

(e)舌後部1/3を支配する

中間神経について正しいのはどれか

三叉神経付近に多くの脳神経が近接

Netter The Ciba Collection of Medical Ilustrations

ご清聴ありがとうございました

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