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日本デジタルゲーム学会 ゲームメディアSIG #7 「ゲームライターから見たゲームメディア」
ゲームライターとして
メディアと関わった四半世紀 1988年~現在
2015年7月26日 櫛田理子
ゲームメディアと関わるきっかけ
幼稚園時代(1970年代)からアーケードゲームが大好きだった
・父にデパート屋上ゲームコーナーに連れてってもらうのが楽しみ(当時、父の勤務先は……)
小学時代(1970年代)から電子工作誌、コンピュータ誌の読者だった
・ハム、BCLへの興味もあり『ラジオの製作』『初歩のラジオ』を購読→マイコンの記事に夢中に
・中学時代(1980年代)から『ログイン』『マイコンBASICマガジン』などのパソコン情報誌、『ファミ
リーコンピュータマガジン』『ファミコン通信』などのゲーム情報誌、単行本などいろいろ購入
・各誌やメーカー広報誌、テレホンサービス、ラジオ番組などに投稿したり、イベントに参加したり
高校卒業時(1988年)『ログイン』誌面に掲載された求人を見て応募
・月2回刊のための準備か!?、大量に採用されたアルバイトのなかのひとりに
大学時代(1988年~)『ログイン』でアルバイト
•当初は机もなく、雑用(電話番から原稿まで)を大勢で取り合う状態
• 『ログイン』だけでなく『ファミコン通信』『MSXマガジン』の雑用も
•やがてアーケードゲーム&家庭用ゲームのコーナーの編集担当に メーカー取材・撮影→ラフレイアウト→レイアウトを社内制作部や外注さんに発注(先割り)
→原稿用紙に手書きで原稿執筆&イラスト発注&アタリ→初校、再校、念校、色校
• PCゲーム攻略記事やレビューなども並行して担当
ひたすらプレイ→社内スタジオで専属カメラマンによる撮影→(その後の流れは同じ)
•作家の連載を受け持つという編集者らしい仕事も
アルバイトからフリーランスライターへ
編集部で知り合った方々から『ログイン』以外での仕事の依頼が ・独立・転職した先輩・同僚らから専門誌、一般誌、攻略本での記事、イベント企画などの依頼
・『ファミ通書籍編集部』など別の部署からの依頼
・メーカーさんから広告の依頼
なかでも同僚の多かったソフトバンク出版事業部との縁(※編集体制の違い)
・編集長に相談のうえ『ログイン』在籍のまま、フリーランスとして活動開始
・『ログイン』とは別名義で活動 (※ちなみに『ログイン』誌上でも複数名義で活動)
・モラルとして“同業他誌では仕事をしない”→『Beepメガドライブ』『Theスーパーファミコン』
大学卒業と同時にフリーランスとして独立 ・正社員の選択肢もあったのに……先輩たちの姿を見てきて独立するのが当たり前に思えた
・同僚と有限会社を設立したりもした
フリーのゲームライター・編集として(1990年代)
古巣のアスキーとソフトバンクがライター活動のベース ・『ログイン』『Theスーパーファミコン』『Beepメガドライブ』などゲーム専門誌を中心に書籍も
・ゲームレビュー、紹介記事のほか、『Theスーパーファミコン』では女性読者コーナーを担当
ほか 振り返ると“ゲーム分野の専門家”的立ち位置だった!? • 『ID JAPAN』『特集アスペクト』などの一般誌にゲームの記事を寄稿
• 『エニックスゲームスクール』の教科書を執筆
• レトロアーケードゲームイベント『テレビゲームクラシックス』の企画監修
• 『熱唱!ストリートファイターⅡ』など作詞のお仕事
• ゲーム番組、任天堂『サテラビュー』番組へのレギュラー出演(※ギャラの話)
• メーカーさんから広告、ゲームシナリオ、イベント司会などを受注
• 最初のweb仕事は『任天堂オンラインマガジン』編集長(1998年) などなど
フリーランスライター・編集として(1990年代)
『ログイン』は自動車レースやラジコン、SF、カレー(笑)など、
ゲーム以外のコンピュータ系エンタテインメントを積極的に扱っていた
→振り返ればゲーム以外にそれらの分野で活動する素地となった!?
・『新スタートレック』脚本家のアテンド、俳優インタビュー、
英語での記事執筆
・『辛ミシュランー東京うまい店・辛い店』の編集協力
・自動車月刊誌『オプション2』のライター →正社員に(2000年~) (※編集体制やゲームメディアとの違い)
再びフリーライター・編集として(~現在)
• 結婚退職でフリーに戻る → ゲーム分野の最初の仕事はweb
• ゲームメディア4割、自動車メディア4割、その他2割で活動中
• 紙メディア6割、webメディア4割で活動中 『週刊ファミ通』、『公式設定資料集(バンダイナムコ、スクウェア・エニックス、ファルコムなど)』
『ファミ通.com』、メーカーさま企業サイトコンテンツ などなど
結果的に専門分野を複数持ったことがリスクヘッジに ・業界全体の好不調の波、出版社の業務縮小などの影響を緩和できる
・自動車媒体で「ゲームに詳しいから」レースゲームの記事
ゲーム媒体で「自動車に詳しいから」レースゲームの記事 なんて相互作用も
(レースゲームが上手くないのに(笑))
フリーで生計を立てるために……(1)普遍的なこと
私がやってきたこと → ごく当たり前のことなので軽く流します
• 締切厳守。万一、守れない可能性が判明したら、その時点で即連絡。
同時にほかの案を提示
• 来た話は多少無理をしても請け負う。断る場合はふさわしい人などを紹介
• オーダーや修正依頼には可能な限り対応
• フットワークは軽く
• 守秘義務、義務がなくてもモラルとして厳守
• 執筆だけでなく編集や撮影、コーディングなども同時に担当することで
単価を上げる
・SNSやブログの使い方に気を付ける
フリーで生計を立てるために……(2)棲み分けと個性
私の場合、とくに“セルフブランディング”してませんが……
•女性という属性は不便を感じることも多いが、メリットも
→“女性枠”が設けられる機会がある
→“女性枠”での競合が少ない
•前述のとおり、専門分野が複数ある
フリーで生計を立てるために……(3)新しい時代に
フリーのゲームライターを目指すのが難しい時代!? ・セキュリティ面もあり、編集部への気軽な出入りが難しく
→横へのつながりを広げられない
→ゲームのプレイの機会が少ない
・媒体自体も少ない
自分でメディアを持ち、発信できる時代!! ・媒体がないなら自分で立ち上げる。フリーライターは個人事業主。仕事をもらう意識ではなく!
・ゲームプレイの機会が少なくても、基本無料のアプリ、配信専用のゲームなどが増えていること
で解決する面も
・発信するうちに既存メディアに注目されることも
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