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ApacheCloudStack技術者認定試験について
2015年10⽉8⽇にアイルランドのダブリンで⾏われたCloudStack Collaboration Conference での発表資料の⽇本語訳です
@star76popin
⽇本CloudStackユーザ会⽇本CloudStackユーザ会は、⽇本語によるCloudStackに関する情報発信・共有を⾏い、CloudStackの普及及び⼈材育成に貢献します
各種イベント
ラジオ出演
AdventCalendar
勉強会
読書会
ACCEL ってなに ?
ACCELとは?
• ACCEL Apache CloudStack Certification Exam by LPI-Japan の略
• ITエンジニアの資格で最もメジャーなLPICを配信するLPI-Japanが、クラウド技術の促進とクラウド技術者の育成を⽬的に実施
• 認定者はCloudStackに関する技術⼒と知識を持つプロフェッショナルであることが証明される。
• ⽇本CloudStackユーザ会が試験問題の開発をサポート
今、なぜACCELが求められるのか?
クラウド市場が拡⼤する中で、以下の課題が顕在化• クラウドは新しい技術であるため、 技術者の育成が追いついていない• 優秀なクラウド技術者を確保するのが困難• 社員の技術レベルを証明する術がないため、他社との差別化が困難
Linux Foundationによる調査「2015 Linux ジョブ レポート」⼈事担当者の 42%が「CloudStackやOpenStackの経験は採⽤決定に⼤きな影響を持つ」と回答。
特に、⽇本は資格重視の社会。採⽤判断も資格が重要視されるため、技術を証明できるACCELは有効である
対象
• クラウドサービスを展開する事業者、またはプライベートクラウドの構築、運⽤を⾏うSI事業者
• ⾃社サービスのインフラの開発・運⽤担当者、社内SEの育成
• 社内基盤のクラウド移⾏を検討しているエンジニア
• クラウドインフラエンジニアとして、1歩進んだキャリアを⽬指す⽅
試験概要
• 問題数: 60問• 試験時間: 90分• CBT(コンピュータベーストテスト)• 4-5択(複数選択あり)• 対応CloudStackバージョン: 4.4• 合格基準: 約6割以上• 有意性の期限: 3年• 受験条件: 特になし(LPIC1と同等のスキルがあることが望ましい)• 平均学習期間: 1〜3ヶ⽉• 受験料: 15,000円
資格取得のメリット
この資格を取得した際は、次のスキルを持つことが証明できます• CloudStackの機能を活⽤して、利⽤⽤途に応じたインスタンスとネットワークの作成や管
理が⾏える• CloudStackの機能や制限を理解し、適切な構成モデルを選択してCloudStackを構築できる• 稼動状態を把握し、障害の切り分けに必要な情報を取得できる• 翻訳やバグの報告を通じてCloudStackの発展に貢献できる
CertificateCertificationCard
試験開発を振り返る…
試験開発の流れ
企画
• スケジューリング• 開発体制の確⽴• コミュニケーションツール作成
設計
• ガイドライン、⽤語集作成• JTA作成(JobTask Analysis)、出題範囲の決定、重み付け設定
開発
• 問題作成、スクリーニング、テクニカルレビュー• 中⽴性のレビュー• ベータ試験、フィードバックの反映
配信準備
• 試験問題登録、確認• プレスリリース
※理事会による承認
2014年4⽉
※
※
※
2015年6⽉1⽇ 配信
2014年5⽉
2014年6⽉
2015年12⽉
開発体制の確⽴
• 問題レビューLPI-Japan成井 弦、⼤野 真、井⼾⽥ 和⼦、中⾕ 徹、伊本 貴⼠
全体管理
理事企業NECソリューションイノベータ株式会社,株式会社 ⽇⽴製作所, 富⼠通株式会社、(50⾳順)
監査
Japan CloudStack Users Group⼤削 緑、三島 匡史
開発リード
Japan CloudStack Users Group島崎聡史、千葉豪、中⾕悟、平⽥千浩、⻤形愛、中島拓真、北瀬公彦、林雅之、佐々⽊惇、渡邉奈⽉、輿⽔万友美
問題作成PEARSON VUE
試験配信
企画
コミュニケーションツール
• 問題管理、および連絡・周知は、試験開発⽤サーバ(Redmine)を⽤いて実施• 試験問題は、開発⽤サーバでチケットを起票して問題を記⼊し、開発プロジェクト管理者がチェックを実施
• 問合せ• 問題提出
• 周知連絡• ガイドライン提⽰• スケジュール調整• 問題修正依頼
問題作成者 開発リーダー
• ガイドライン• JTA• ⽤語集• スケジュール• 試験問題• 打合せ議事録
企画
ガイドラインの作成
本試験の⼤前提となる指針を決定
• 何故必要なのか• 何を証明するのか
• どんな⼈を対象とするか• どんな問題を作成すべきか
設計
フレームワーク(⾻組み)の作成
• JTA(Job Task Analysis) 職務分析報告書CloudStackを使⽤したクラウドシステムの構築・運⽤管理業務を⼀通り経験した技術者が持つべきスキルをリストアップする作業= 即戦⼒の証明
JTAを元に出題範囲を決め、出題割合、重み付けを実施
設計
設計JTANo ⼤項⽬ No. 中項⽬ No. 主な知識範囲 キーワード、技術要素 求められるスキル ⽐率
1 ⼀般知識 1.1 Apache CloudStackの概要 1.1.1 Apache CloudStackの概要 ・Apache CloudStackとは
・Apache CloudStackのライセンスApache CloudStackの概要や採⽤しているライセンス形態に関する知識を有すること。
10%
2コンポーネントのアーキテクチャ
2.1 コンポーネントの仕様、機能
2.1.1 Apache CloudStackの管理単位・クラスター・ポッド・ゾーン・リージョン
Apache CloudStackの管理単位を理解していること。
40%
2.1.2 管理サーバー、ホスト、ストレージ
・ハードウェア・OS要件・ハイパーバイザの種類(VMWare vSpere,KVM,XenServer,Hyper-V)・管理サーバーの機能・データベースの仕様・ホストの機能・プライマリストレージの機能・セカンダリストレージの機能・使⽤率測定サーバ
管理サーバー、ホスト、ストレージに関する機能・仕様を理解していること。
2.1.3 システムVM、仮想ルーター
・コンソールプロキシVM・セカンダリーストレージVM・仮想ルーター・DHCP、DNS、静的NAT、VPN、ロードバランサ・ファイアウォール、ポート転送
システムVM、仮想ルーターに関する機能・仕様を理解していること。
2.2 システム設計と環境構築
2.2.1 全体設計・要件定義・ゾーン、ポッド、クラスタ、ホスト、ストレージのサイジング・オーバープロビジョニング・ホストタグ、ストレージタグ・仮想マシンの配置アルゴリズム
Apache CloudStackの構成要素を理解し、クラウド基盤を構築するための基本設計、要件定義ができること。
2.2.2 ネットワーク設計
・ネットワークモデル・物理ネットワーク・パブリックネットワーク、ゲストネットワーク・管理ネットワーク、ストレージネットワーク・IPアドレス設計・ラベル・既存環境との接続
Apache CloudStackのネットワークモデルを理解し、必要となるネットワーク構成を設計できること。
2.2.3 システムの信頼性・管理サーバーの可⽤性・データベースの可⽤性・障害および災害対策
クラウド基盤の可⽤性を考慮し、冗⻑性やデータバックアップの設計ができること。
2.2.4 インストールと環境構築 ・管理サーバ、ホスト、データベース、ストレージの初期および環境設定・システムVMテンプレートの準備
インストールと初期構築に必要な知識を有し、環境に合わせた設定ができること。
No ⼤項⽬ No. 中項⽬ No. 主な知識範囲 キーワード、技術要素 求められるスキル ⽐率
3 CloudStackの操作
3.1 Webユーザーインターフェースによる管理
3.1.1 仮想マシン・ボリューム管理・仮想マシン・仮想ディスク・テンプレート、ISO・スナップショット
仮想マシンやボリュームに関する操作ができること。
30%
3.1.2 ネットワーク管理・ゲストネットワーク・セキュリティグループ・VPC
ネットワークを最適な形に分割し、利⽤形態にあわせたネットワークリソースの管理ができること。
3.1.3 ユーザー管理・ユーザー・アカウント・ドメイン・プロジェクト
ユーザー管理の仕組みを理解し、利⽤形態にあわせたリソースの管理ができること。
3.1.4 モニタリング ・ダッシュボード・イベント
リソース状態やイベントログの表⽰内容を正しく理解できること。
3.2 管理者設定
3.2.1 権限によるWebユーザーインターフェースの違い
・管理者権限とユーザー権限でのWebユーザーインタフェースの違い
権限によるWebユーザーインターフェースの違いを理解していること。
3.2.2 グローバル設定 ・グローバル設定 システム全体に影響する設定項⽬やパラメータを理解し、必要な設定ができること。
3.2.3 サービスオファリング・コンピューティングオファリング・システムオファリング・ディスクオファリング・ネットワークオファリング
オファリングを⽤いて必要に応じた形のリソースを定義し、管理できること。
4CloudStackの運⽤、監視、その他の活⽤⽅法
4.1 運⽤・監視4.1.1 運⽤・監視
・CloudStackの起動と停⽌・メンテナンスモード・バックアップ・バージョンアップ・使⽤状況の把握
構築したクラウド基盤の運⽤時に適切なオペレーションができること。
20%4.1.2 トラブルシューティング ・ログ・トラブル事例 トラブル時の原因を切り分けし、対処⽅法を検討できること。
4.2 APIの利⽤ 4.2.1 API・APIの実⾏権限・APIの実⾏⽅法・同期、⾮同期コマンド
APIを使⽤して⼀連の操作ができること。
設計JTA
問題作成、スクリーニング
• 作成のポリシー「実際の現場の作業を⾏う上で、どういった知識が必要かを想定しながら作成する」
• 以下は避けること- CloudStackに関連のない知識を問うもの- 商⽤版のCloudStack(Citrix CloudPlatform)のみに含まれる機能に関する問題- 企業名や製品サービス名を含むもの(ハイパーバイザーに関するものを除く) - 将来変更となる可能性が⾼いもの- ⽂章の理解⼒を問うものや、引っ掛け問題- 開発環境や、捉え⽅によって回答が変わるもの例) CloudStackはどの部分がOpenStackと⽐較して素晴らしいか例)◯◯を設定する時に⼀番気をつけなければいけない点はどれか
• 作成した問題は、スクリーニング作業を通じて何度も修正を実施
開発
作成
レビュー
修正
レビュー
完成
問題品質の向上
1. 問題ごとに難易度を設定2. ベータテストを複数回実施3. テスト結果を元に難易度調整
例) 90%以上の⼈が正答している問題の難易度を上げる例) 90%以上の⼈が誤答している問題の難易度を下げる例) 正答率の⾼いパターンの簡単な設問と、正答率の低いパターンの難しい設問を⼊れ替える例) 簡単な問題は択⼀から複数選択に変更して難易度を上げる例) 難しい設問は、複数選択から択⼀に変更して難易度を下げる
4. 事前に想定していた難易度とすり合わせし、難易度を⾒直して再配置5. テストのアンケート結果を元に関係者で議論
開発
問題登録 配信
• 試験配信⽤のデータフォーマットに変換
• フォーマット変換ツールをJCSUGで開発
item1.123cardinality=“single”correct-response=Bmin-response=1max-response=1presentation=[ドメイン管理者が、Webユーザーインタフェースを利用し実施できる操作は次のうちどれか。<choiceident =“A”>サブドメインの作成<choiceident =“B”>サブドメインに割り当てるリソースの数量の変更<choiceident =“C”>アカウントに占有ホストを割り当てる<choiceident =“D”>LDAPアカウントの追加]
ついにリリース!
例題
ドメイン管理者が、Webユーザーインタフェースを利⽤し実施できる操作は次のうちどれか
A. サブドメインの作成B. サブドメインに割り当てるリソースの数量の変更C. アカウントに占有ホストを割り当てるD. LDAPアカウントの追加
• 良かった点- 問題作成を通じて、メンバー同⼠の絆が深まった- メンバーは全員、業務の空き時間に問題を作成しなければならなかった
ため、コミュニケーションツールや⽤語集を⽤いて時間短縮を図った
• 反省すべき点- とにかく時間がかかってしまった- JTAを何度も修正した
コミュニティのサポートが資格試験という形になる、⾮常に貴重な経験
総括
今後の予定
• 次回改訂の準備• 改訂頻度、版数管理⽅法検討• 対策本出版、トレーニングコースの検討
• 何かコメントがあればフィードバックをお願いします
Thankyou !!
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