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『戦略、求める人材、採用活動を繋ぐ』

～第1部具体的採用メソッドのご紹介～

2008年9月9日

株式会社リクルート HCソリューショングループ

コンサルティングディレクター富永淳一

＜[email protected]＞

http://www.hc-solution.recruit.co.jp

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②

①

これまでの採用活動に潜む、２つの非効率。

多様な人材の中から・・・・集めて・・・・選ぶ

入社意向

求める能力

より多くの学生に「ファン」になってもらう。

「ファン」の中から、能力の高い人を選ぶ。

① 「求める人材以外」とたくさん面接しなければならない② 「求める人材」とそれほど多くは会えていない


本日ご紹介する考え方で、できること。

多様な人材の中から・・・・集めて・・・・選ぶ

入社意向

求める能力

「求める人材」に多くファンになってもらう

「求める人材」により多くの時間を割く

「能力」と「志向」の間にある、関係を究明し、採用に活用。


但し、これを実現するための、必要条件が２つ。

求める「能力要件」を決めきる採用活動の各施策を「一貫」させる

自社の事業戦略を実現するために必要な「能力要件」を特定する

×学校名、専攻分野、地頭のよさ、

志望業界、志望動機の強さ・・・

○事業戦略遂行に活かされる、

「得意なこと」、「得意な行動」

採用活動全ての局面において、共通した「イメージの柱」を固める

学生に「強いイメージ」をつくる

各施策間に「イメージの矛盾」をつくらない

どんなことに「動機形成される人か」を明らかにするために必要

求める人材に徹底的にフォーカスした「動機形成」を行うために必要


本日お話したいことの枠組み。

「事業戦略」から求める人材を決める

「自社らしさ」から求める人材の志向に

合わせたコミュニケーションの

「柱」をつくる

採用活動を一貫させる

第１部では「考え方」を、第２部では「具体例」をご紹介します。



事業戦略上、求められる行動を決め、能力要件に落とす。戦略求める人材

自社らしさ「柱」

活動一貫

事業戦略の確認・共有

個人に求められる行動の特定

能力要件への落とし込み

事業上、重要な取り組みは何か、優先順位を明確化

事業戦略との繋がりを明確にし、行動を具体化

求められる行動を実現できる人材の能力要件を特定


事業戦略の重要度によって、要件が異なる例：セールス

求められる行動

想定される人材要件

① 商品力で勝つ！ ② 提案力で勝つ！戦略例

商品知識の徹底

売り方の共有

商品企画へのFB

顧客理解の徹底

提案事例の共有

セールス同士の情報交換

わかりやすく説明できる力

着実に再現できる力

問題発見力

話を正確に聞ける力

独自に工夫できる力

着想力

「コミュニケーション力」という定義も、「どんな行動を求めるか」によって中身が変わる。

・・・・・・

戦略求める人材


活動一貫


行動を実行できる、能力要件を決める。

能力要件得意なこと営業部門企画部門開発部門共通項目

A 対人接触多くの人と接する ○

B 対人折衝人との折衝が多い ◎ ◎ ○

C 集団統率集団を統率する ◎ ○ ○

D 協調協力周囲と協調し、協力しあって進める

E サポート人に気を配りサポートする

F フットワーク活動的にフットワークよく進める

G スピーディてきぱきとスピーディーに進める ◎

H 予定外対応予定外の事柄への対応が多い

I 自律遂行自分で考えながら自律的に進める ○ ○ ○

J プレッシャー目標や課題のプレッシャーが大きい ○ ○ ○

K 着実持続課題を粘り強く着実に進める ○

L 前例の無い課題前例の無いことに取り組む

M 企画アイデア新しい企画やアイデアを生み出す ◎ ○ ○

N 問題分析複雑な問題を考え分析する ◎

* より重要と思われるものを◎、必要と思われるものを○で表記

SAMPLE

「あれもこれも大事」ではなく「譲れない要件」だけに絞る。



活動一貫


能力要件を決めるうえで、やってしまいがちなこと。

誰も反対しない「スーパーマン」気持ちや姿勢を定義してしまう

「あったほうがいいこと」を網羅的に列挙してしまう

自律的に考え、行動できる

フットワークが良い

予定外の対応でも苦にならない

協調性がある

論理力に優れる

ストレス耐性が高い

・・・

「行動」ではなく「考え方」になっている

協働する気持ちが強い

関係者に配慮する

商品・サービスに思い入れがある

業界に対する理解が深い

理念に共感できる素地がある

– 学生からは、何とでも言える

・・・



活動一貫


能力要件を決めるうえでの、コツ。戦略求める人材


活動一貫

「事業戦略上重要な行動」を明らかにし、優先順位付けを行う

社内の人に求めている行動とつき合わせる

はっきり価値観を出す「問いかけ」

“どれも重要だけど敢えて何？”

“AとBのどちらが大事？”

“それが必要な根拠は？”

“無いとどんなリスクがある？”

– 後々の採用活動に影響

評価制度や業務慣行との整合性を確認する

例えば・・・「リスクをとってチャレンジ」が、本当に入社後報いられるか？


本日お話したいことの枠組み。





採用活動を一貫させる





「自社らしさ」と「求める人材の志向」を可視化し、特定。戦略求める人材


活動一貫

自社らしさを見える化

求める人材の「志向」を見える化

共感するキーワードを

特定

従業員調査を用いて

労働市場のDBを用いて

「言うべきこと」「言う必要がないこと」を抽出


「自社らしさ」を見える化。

従業員認知調査を用いて。

変革と新たな価値の創造

変化への機敏で柔軟な対応

自由と個性の尊重

厳しさと競争を通じた成長

合理的な判断と論理性の重視

高い専門性の追求

手堅く着実な課題の遂行

最後までやりぬく責任感と誠実さ

強い連帯感とチームワーク

相互の思いやりとあたたかさ

オープンなコミュニケーション

理想に向かう情熱と意欲

創造・開拓

完遂・探求

協調・親和

競争・自立

自社の組織文化の特徴を洗い出す

12尺度で可視化

尺度は160種のキーワードで構成

自社にあてはまるかどうかで回答

SAMPLE



活動一貫


「らしさ」を表現するキーワードは、１６０種類で構成。

他の尺度も同様。

「らしさ」を表す尺度に・・・・・・複数のキーワードが

ひもづいている


情熱的な

志の高い

夢のある

野心的な

・・・



活動一貫


少し余談ですが・・「できること」と「好きなこと」の関係は？戦略求める人材


活動一貫

関係が明らかになれば、より効果的な訴求内容を特定できるはず。

「求める人材」の能力要件メディアでの訴求表現

例えば・・・

「協調性」のとれる人材

例えば・・・

「和を大事にする会社です」

例えば・・・

「自律」できる人材

例えば・・・

「自らやることを推奨します」

なので

なので

「できること」で定義「好きなこと」に訴える


明らかになった、「できること」と「好きなこと」の相関。

対人接触

対人折衝

集団統率

協調協力

サポート

フットワーク

スピーディ

予定外対応

自律遂行

プレッシャー

着実持続

前例の無い課題

企画アイデア

問題分析

変革と新たな価値の創造＋＋＋－－＋＋＋＋＋＋＋＋＋

変化への機敏で柔軟な対応＋＋＋－－＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋

自由と個性の尊重＋＋－－＋＋＋＋＋

厳しさと競争を通じた成長＋＋－－＋＋＋＋＋＋＋

合理的な判断と論理性の重視－－－－＋＋

高い専門性の追求－－－－－－－＋－

手堅く着実な課題の遂行－－－＋＋－－－－－－－＋－－

最後までやりぬく責任感と誠実さ－－－－－－－－＋－－

強い連帯感とチームワーク－＋＋－－－－

相互の思いやりとあたたかさ－－＋＋－－－－－－

オープンなコミュニケーション－－

理想に向かう情熱と意欲＋＋＋＋＋＋＋＋－＋

「できること」→

「好きなこと」↓


＋－＋＋＋＋＋＋＋＋理想に向かう情熱と意欲

－－オープンなコミュニケーション

－－－－－－＋＋－－相互の思いやりとあたたかさ

－－－－＋＋－強い連帯感とチームワーク

－－＋－－－－－－－－最後までやりぬく責任感と誠実さ

－－＋－－－－－－－＋＋－－－手堅く着実な課題の遂行

－＋－－－－－－－高い専門性の追求

＋＋－－－－合理的な判断と論理性の重視

＋＋＋＋＋＋＋－－＋＋厳しさと競争を通じた成長

＋＋＋＋＋－－＋＋自由と個性の尊重

＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋－－＋＋＋変化への機敏で柔軟な対応

＋＋＋＋＋＋＋＋＋－－＋＋＋変革と新たな価値の創造

問題分析

企画アイデア


着実持続

プレッシャー

自律遂行

予定外対応

スピーディ

フットワーク

サポート

協調協力

集団統率

対人折衝

対人接触

＋－＋＋＋＋＋＋＋＋理想に向かう情熱と意欲

－－オープンなコミュニケーション

－－－－－－＋＋－－相互の思いやりとあたたかさ

－－－－＋＋－強い連帯感とチームワーク

－－＋－－－－－－－－最後までやりぬく責任感と誠実さ

－－＋－－－－－－－＋＋－－－手堅く着実な課題の遂行

－＋－－－－－－－高い専門性の追求

＋＋－－－－合理的な判断と論理性の重視

＋＋＋＋＋＋＋－－＋＋厳しさと競争を通じた成長

＋＋＋＋＋－－＋＋自由と個性の尊重

＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋－－＋＋＋変化への機敏で柔軟な対応

＋＋＋＋＋＋＋＋＋－－＋＋＋変革と新たな価値の創造

問題分析

企画アイデア


着実持続

プレッシャー

自律遂行

予定外対応

スピーディ

フットワーク

サポート

協調協力

集団統率

対人折衝

対人接触

自分が「できること」→

組織に求める「好きなこと」↓

SAMPLE

決めた能力要件を、DBと突きあわせて、志向を見える化。戦略求める人材


活動一貫

決めた「求める人材要件」を・・・

・・・データベースと突きあわせて・・・

・・・「求める人材の志向」を見える化

◎複雑な問題を考え分析する問題分析N

○○◎新しい企画やアイデアを生み出す企画アイデアM

前例の無いことに取り組む前例の無い課題L

○課題を粘り強く着実に進める着実持続K

○○○目標や課題のプレッシャーが大きいプレッシャーJ

○○○自分で考えながら自律的に進める自律遂行I

予定外の事柄への対応が多い予定外対応H

◎てきぱきとスピーディーに進めるスピーディG

活動的にフットワークよく進めるフットワークF

人に気を配りサポートするサポートE

周囲と協調し、協力しあって進める協調協力D

○○◎集団を統率する集団統率C

○◎◎人との折衝が多い対人折衝B

○多くの人と接する対人接触A

共通項目開発部門企画部門営業部門項目の定義項目（SPI：職務適応性）

◎複雑な問題を考え分析する問題分析N

○○◎新しい企画やアイデアを生み出す企画アイデアM

前例の無いことに取り組む前例の無い課題L

○課題を粘り強く着実に進める着実持続K

○○○目標や課題のプレッシャーが大きいプレッシャーJ

○○○自分で考えながら自律的に進める自律遂行I

予定外の事柄への対応が多い予定外対応H

◎てきぱきとスピーディーに進めるスピーディG

活動的にフットワークよく進めるフットワークF

人に気を配りサポートするサポートE

周囲と協調し、協力しあって進める協調協力D

○○◎集団を統率する集団統率C

○◎◎人との折衝が多い対人折衝B

○多くの人と接する対人接触A

共通項目開発部門企画部門営業部門項目の定義項目（SPI：職務適応性）

SAMPLE

１４柱で決めた要件をウエイト付けし、数値化

数値を入力し、計算

労働市場4.9万人の傾向より

「好きなこと」の１２柱で計算結果を、グラフ化

能力要件を満たす人材が持つ、「好きなこと」の傾向が可視化可能に。

SAMPLE


（参考）能力要件によって、組織に求める志向は異なる。

パターン②協働を重視し、

粘り強くルーチン業務が

できる

それぞれに、組織に求める「好きなこと」と「好きではないこと」が存在。

パターン①対人能力に優れ、自律的な行動が

できる

対人折衝

自律遂行

プレッシャー

協調協力

サポート

着実持続

求める人材要件設定例志向の出力パターン



活動一貫


「自社らしさ」と「魅力に感じる」ことを同じ軸で評価。

同じ軸で評価することで、ズレがはっきり分かる。

能力要件を満たす人材は、「理想に向かう情熱」

「変革・価値創造」「変化」「厳しさ」等を好む傾向













自社は、「着実」「誠実」「専門性」

「オープンなコミュニケーション」等が強い傾向

要件を満たす人材の志向Ａ社の組織文化

SAMPLE



活動一貫


マトリクスを組んで、言うべき「らしさ」を特定。

※●既存の広報で強くアピールしている尺度は青字で表記※▲既存の広報で強くアピールしていない尺度は赤字で表記

強めるべき組織文化

特に意識する必要が無い組織文化

強く打ち出すべき組織文化

強く打ち出す必要が無い組織文化

好む

求める人材が

弱い強い

好まない

組織文化として













言うべきこと

言う必要がないことSAMPLE



活動一貫


「言うべき」と「言う必要がない」をキーワードで特定。

160のキーワードに基づき、「共感の柱」を作る。

言うべきこと言う必要がないこと



厳しさと競争を通じた

成長

情熱的な

志の高い

夢のある

革新的な

先見性のある

既成概念にとらわれない

闘志あふれる

切磋琢磨する

鍛えられる

オープンなコミュニ

ケーション


高い専門性の追及

風通しのよい

本音で話せる

のびのびとした

一所懸命な

妥協しない

逃げない

知的な

探究心に富む

プロ意識のある



活動一貫


同じエピソードでも、言い回しによって印象が変わる。戦略求める人材


活動一貫

「共感の柱」に沿って、すべてのお話を、求める人材の志向にあわせて表現する。

（例）

○年の重要なプロジェクトに抜擢された。周囲があたたかくサポートしてくれ、大変なときでもチームで最後までやり遂げることが出来た。

○年に念願のプロジェクトのアサインを獲得。自分で協力を取り付け、困難な場面もあったがチームをプロジェクト成功へ導くことが出来た。


「一貫して伝える」ことを採用活動全体で徹底。

広報・メディア

会社説明会インターンシップ

ＯＢ・ＯＧ訪問

選考内定フォロー

言うべきこと言う必要がないこと

プロセスを通じて矛盾がないため、学生はイメージを強めていく。

具体的な取り組みは第２部にて。



活動一貫


「柱」が揃っていないと、「強いイメージ」は作れない。戦略求める人材


活動一貫

採用広報説明会選考

Poor

Good

“厳しい環境の中、互いに切磋琢磨していく働き方”

成長できそうだな・・・

“だいたい10年目くらいで

マネジャーを任されます”

年次で決められる？「任され」る？

“初めは覚えてもらうことがたくさんあるけど大丈夫？”

受身な感じがする・・

“厳しい環境の中、互いに切磋琢磨していく働き方”

成長できそうだな・・・

“成長していく人には、どんどん責任を与えます”

鍛えられそうだな・・・

“覚える必要があることもどんどん自分で学んで・・”

大変そうだけど、やりがいもありそう・・・

各施策の「企画内容」だけでなく、社員が「何を」「どう」話すかも大事。


第1部のおさらい：得られるメリット

本来会うべき「求める人材」に多くの時間を割ける

「求める人材」が採用できたかどうか事後的な検証が可能

母集団における「求める人材」の比率が高まることで、効率があがる

「求める人材」には、たっぷり時間をかけて動機形成

「求める人材以外」に、会って面接しなければならない確率が低減

採用成果を「量」だけでなく「質」で説明できる

事業戦略に沿った行動が得意な人材がどのくらい集まったか

– 採用成果を振り返るうえで、重要な指標として設定

具体的な成果は、引き続き第２部でご紹介します。

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