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本資料の全部または一部に係わらず複製ならびに複写および引用を禁じます。ご利用の際は、 [email protected] までご連絡ください。ライセンス形式にてご提供させていただきます お金とはなにか? ~ 資本主義から信用主義へ ~ 2014 3 1 ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役 山口揚平

貨幣論20140301

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お金とはなにか?~資本主義から信用主義へ ~

2014年 3月 1日ブルーマーリンパートナーズ

代表取締役山口揚平

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山口揚平

株式会社シェアーズ・ファウンダー/ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社・代表取締役約 15年間に渡り、日本を代表する大型M&A案件の戦略コンサルティングや、ビジネスプランの策定・新規事業立ち上げ・上場戦略立案に従事。財務および事業両面からの戦略策定・導入を実施

アビームM&Aコンサルティング(シニア・ヴァイス・プレジデント)、デロイトトーマツコ ンサルティング戦略&オペレーション事業部(マネジャー)、アーサーアンダーセン People

& Organizationチーム(シニアコンサルタント)、監査法人トーマツ(アナリスト)等を経て現職。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業(小野梓記念奨学生)。東京大学大学院情報学府。

経歴

メディア・講演 書籍および執筆: 「なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?」(ダイヤモンド社、 2013年 3月) 「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、 1人でも生きてゆく知識をシェアしようじゃないか?」 (アスキー・メディアワークス、 2013年 1月) 「企業分析力養成講座」(日本実業出版社、 2008年 10月) 「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」(ランダムハウス講談社、 2005 年7月) 「企業再生プロジェクト――ある CFOの 12ヶ月奮戦記」(「経理情報」 2003年 10月号) 「混迷の時代を生き抜くための21世紀のリテラシー」(ダイヤモンド・オンライン連載コラム 2010年)研修および講演: 三菱東京 UFJ銀行・みずほ銀行・みずほコーポレート銀行のM&A研修 電通・ TOTO・株式会社セガ 他事業会社における論理的思考研修講師 日経CNBC放送、テレビ東京「オープニングベル」 へのテレビ出演  NHK「ニッポンのジレンマ~僕らの新・資本主義~」 2013年 7月 27日放送 慶應義塾高校講師・福井県立大学非常勤講師(ビジネススキル講義)

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自己紹介:経歴• 18歳まで文学・芸術志望だったが、誤って早稲田大学政治経済学部に入学。現実を知る。• 1999年に監査法人トーマツのコンサルティング部門で、M&Aに従事。• 2000年よりアーサーアンダーセンにチームごと移管。時は「外資」の日本買収時代。資本主義のルールを目

の当たりにして、翻弄される。2004年のカネボウ・ダイエーなどの企業再生ブームを経て、M&Aの業界を後にする。

• 2005年に発表した「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」(ランダムハウス講談社)がベストセラーに。個人投資家向けの投資教育を皮切りに、企業と投資家の長期的信頼関係を構築する事業を開始。企業の実態を可視化するツール「バリューマトリクス」を考案して証券会社や個人投資家に対して提供。34歳時に事業を売却。

34歳( 2010年)

18歳( 1995年)

芸大でなく早大政経へ社会と現実を知ることに

資本主義という土俵を変える事を旗印に起業

43歳

M&Aの世界へ( GM/いすず、カネボウダイエーなどのM&A)

事業売却

次男として生まれる” ”止“揚して、“平和

を志す、が名の由来

0歳( 1975年)

▲オイルショック

▲バブル崩壊

▲金融ビッグバン外資参入

▲リーマン・ショック

▲現在

▲オウム事件阪神淡路大震災

70歳

思索の日々・・・

38歳

事業創造家として再デビュー(知の流通市場の形成)

秘密・・・

秘密・・・

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事業形態

• 「創造の可能性に対してエネルギーを供給する」をミッションに事業創造を行う。

ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社

執筆・講演事業創造

•ベトナム医療人材登用

•ヘルスケア/ライフログ

•三菱銀行•東京大学•慶應高校•ダイヤモンド

•アスキー

株式会社シェアーズ

•ウェブ事業

•バリューマトリクス

• Gift• Firms• opentime

コンサルティング

•事業戦略•資本政策•社会システム・デザイン

出資

創造の可能性に対してエネルギーを供給する

クール・ジャパン・イン・ホイアン

Ispace.inc

•日本発の民間月面探査プロジェクト「 HAKUTO」

•極限地帯探査ロボットの開発

出資 出資

•ベトナム世界遺産都市ホイアンでの雑貨店運営事業

•インターンシップ事業

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コミュニケーションツールとマネー• お金とは、数あるコミュニケーションツール(社会の共通言語)の一つである

– 「マネーは、英語よりもグローバルな存在である」(日経ヴェリタスの広告)– 「クレジットカードと現金さえ持って行けばなんとかなる」(海外旅行に行く際の納得感のある言葉)

• 広さと深さの軸で、様々なコミュニケーションツールを位置づけることができる• お金とは、汎用性がもっとも高い一方で、深さを持たない言語である

お金

言語(言霊)

汎用性(使える対象、使う人の数)

深さ

ボディ・ランゲージ

価値観・宗教?

愛?

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“ ”ザ・マネーは量的に拡大中• 2000〜 2006年の実体経済の成長率約 1.4倍に対し、金融経済の成長率は約 3倍。

2000年 2006年 (日本政策投資銀行 鍋山徹 ファイナンス稲門会講演資料『成長市場をみる三つの目と人間力の 3要素』をもとに作成)

約 570兆ドル

約 70兆ドル

約 190兆ドル

約 50兆ドル 貿易

グローバルマネー

  GDP

左;実体経済右;金融経済

デリバティブ市場

急激な膨張

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マネーの汎用性も拡大 ~それって魂の侵食?~• 貨幣を媒介として分業し合うことで、すべての人が自分でやるべきことはどんどん少なくなる

• しかし貨幣には限界があり、どうしても人間として他人に任せられない部分”(人間性)もあるはず。「お金で買える、買えない」の境目を“倫理という。

• ”お金で買えるもの、お金で“ケリつけて良いと思うのはどこまで?

– 月の土地(3000円~)と南の島– 人脈売買ビジネスと CEOの調達– 角膜(3万ドル)、肝臓(13万ドル)、心臓(15万ドル)– 処女(1万ポンド)と臍帯血– 廃棄物や CO2の排出権– 裏口入学(500万円)や無罪判決– 別れさせ屋(150万)と、出会い工作(30万~)– 遺伝子( DNA)の特許化

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世界の三層構造

紐帯(ネットワーク)

企業(グローバル

カンパニー )

国家(ソブリン)

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世界のGDPトップ 100のうち 4割は「企業」 琴坂将広氏作成。 GDPも売上高も名目値

Rank Country/Company GDP/Revenue1 United States 14,657.802 China 5,878.263 Japan 5,458.874 Germany 3,315.645 France 2,582.536 United Kingdom 2,247.467 Brazil 2,090.318 Italy 2,055.119 Canada 1,574.05

10 India 1,537.9711 Russia 1,465.0812 Spain 1,409.9513 Australia 1,235.5414 Mexico 1,039.1215 Korea 1,007.0816 Netherlands 783.2917 Turkey 741.8518 Indonesia 706.7419 Switzerland 523.7720 Poland 468.5421 Belgium 465.6822 Sweden 455.8523 Saudi Arabia 443.6924 Taiwan Province of China 430.5825 Wal-Mart Stores Inc. (NYSE:WMT) 421.8526 Norway 414.4627 Austria 376.8428 Argentina 370.2729 Royal Dutch Shell plc (LSE:RDSA) 368.0630 South Africa 357.2631 Islamic Republic of Iran 357.2232 Exxon Mobil Corporation (NYSE:XOM) 341.5833 Thailand 318.8534 Denmark 310.7635 Greece 305.4236 United Arab Emirates 301.8837 BP plc (LSE:BP.) 297.5138 Venezuela 290.6839 China Petroleum & Chemical Corp. (SEHK:386) 290.1140 Colombia 285.5141 Toyota Motor Corp. (TSE:7203) 241.9742 Finland 239.2343 Malaysia 237.9644 Portugal 229.3445 Hong Kong SAR 225.0046 Singapore 222.7047 PetroChina Co. Ltd. (SEHK:857) 222.2648 Egypt 218.4749 Nigeria 216.8050 Israel 213.15

51 Ireland 204.2652 Chile 203.3253 Czech Republic 192.1554 Chevron Corporation (NYSE:CVX) 189.6155 Philippines 188.7256 Total SA (ENXTPA:FP) 188.3757 EDF Trading Limited 187.6658 ConocoPhillips (NYSE:COP) 179.1659 Pakistan 174.8760 Shell Trading International Limited 174.1161 Volkswagen AG (DB:VOW) 170.1362 AXA (ENXTPA:CS) 164.9463 Romania 161.6364 Algeria 160.2765 Peru 152.8366 General Electric Co. (NYSE:GE) 150.2167 Glencore International plc (LSE:GLEN) 144.9868 New Zealand 140.4369 Kazakhstan 138.4370 Samsung Electronics Co. Ltd. (KOSE:A005930) 137.9571 Ukraine 136.4272 Berkshire Hathaway Inc. (NYSE:BRK.A) 136.1973 General Motors Company (NYSE:GM) 135.5974 Eni SpA (BIT:ENI) 132.7375 Kuwait 131.3276 Daimler AG (XTRA:DAI) 131.0977 Qatar 129.4978 Hungary 128.9679 Ford Motor Co. (NYSE:F) 128.9580 Petroleo Brasileiro (BOVESPA:PETR4) 128.4581 Hewlett-Packard Company (NYSE:HPQ) 127.1682 Nippon Telegraph & Telephone Corp. (TSE:9432) 125.7083 E.ON AG (DB:EOAN) 125.3184 Allianz SE (DB:ALV) 124.2885 AT&T, Inc. (NYSE:T) 124.2886 Carrefour SA (ENXTPA:CA) 120.4987 Gazprom Open Joint Stock Company (RTS:GAZP) 117.8388 Hitachi Ltd. (TSE:6501) 116.4989 Assicurazioni Generali SpA (BIT:G) 116.3290 GDF Suez (ENXTPA:GSZ) 113.2891 Nestlé S.A. (SWX:NESN) 111.9792 Honda Motor Co., Ltd. (TSE:7267) 110.9793 McKesson Corporation (NYSE:MCK) 109.8794 Panasonic Corporation (TSE:6752) 109.1095 E.ON Sales & Trading Gmbh 108.3996 Verizon Communications Inc. (NYSE:VZ) 106.5797 Nissan Motor Co. Ltd. (TSE:7201) 105.5098 LUKOIL Oil Company (RTS:LKOH) 104.9699 Bangladesh 104.92

100 Siemens AG (DB:SIE) 104.53

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お金の土台は、資源から国家、そして個人や企業へ

信用金・鉱物

お金

国家(ソブリン)

昔のお金 今のお金

信用創造

お金 お金 お金 お金 お金

将来のお金

信用

信用創造

お金 お金 お金

企業(グローバルカンパニー)

個人

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“ ” ”金融から“数融へ• お金は、貝や金から紙幣へ、紙幣からビット(クレジットカード、電子マネー)へと変質してきた。その結果、流動性も著しく増加中。

• 今後、貨幣は勝手に発行され、情報通信の流れに乗って、世界に溶け込んで行く。貨幣が創造される過程では、「半熟」の貨幣がたくさんでてきており、それらが互いにつながってゆく(ペッグされる)世界が生まれる。

信用の外部化は頻繁に行われる

外部化された信用(貨幣)は、似たものどおしが互いにくっつき合って

膨張する

情報(ウェブ)の中に、信用が記号や数値となって溶け込んでゆく

Blog、出版、ポイント、ソーシャルレンディング・・・

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”「個人」の発行する“信用が重視される世界へ

資本主義 信用主義

モノ

信用 信用

モノ モノ モノ

信用

取引貨幣

担保 担保

取引ネットワーク

信用

モノ信用

モノ

信用

モノ信用

モノ

信用

モノ

信用

モノ

Aさん Bさん Aさん Bさん

(*)信用のぐらつき

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お金のピラミッド

お金マネー)

価値(バリュー)

信用(クレジット)

覚悟(コミットメント)

信念(プリンシプル)

使命(ミッション)

お金(マネー)

クレジット toマネー(キャピタライズ)

バリュー toマネー(マネタイズ)

マネー toマネー

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人生のバランスシート(信頼残高)

• アセット(資産)は必ずしもキャッシュではない。様々なものがキャッシュの代替足りうる。

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キャッシュ

クレジット

スキル

ミッション・プリンシパル

つながり

健康・生命力

不安・欲望

借り

負債

純資産(信頼残高)

資産

仕事・マネタイズ

キャピタライズ

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信用の方程式

• 信頼というのは、無条件を前提としているけど、信用は契約です。だから仕事向きの考え• 信用の方程式は以下の通り。• つまり、利己心を減らし、専門性(価値提供力)を高め、期待値を明らかにし、約束を守ることで確実性を高め、親しくなって親和性を高め、楽しく仕事をしよう、ということ。大事なことは利己心を下げることが一番信用形成に寄与するということ。

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専門性 確実性

利己心

親和性信用

+ +=

信頼 = 無条件を前提とする。経済活動でなく友人関係向き

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マネーの多極化価値コミュニケーション市場における貨幣(ハードマネー)のシェアは、 2015年をピークに下降

コミュニケーション市場におけるお金のシェア

2008年2005年 2015年1980年

サブプライムローン破綻

2050年

バブル演出と崩壊

年功序列型経済

IT革新による高度情報化社会

お金(ハードマネー)のシェア

非貨幣経済のシェア

信用の総量

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マジョリティ/マイノリティ比率は、 6:4ぐらいまでになっている

• これまで作り上げてきた世界・システムを維持・運営する組織・人をマジョリティという。そこからあぶれているが、新しいしくみを創りだそうとする層をマイノリティという。

• 両者の価値に差はない。しかし、現在、戦後のシステムが出来て 60年たち、マジョリティシステムが崩れようとしていることは事実。なぜなら、その比率が逆転しようとしているから。

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   マジョリティ

ニート( 60万人、疾病ニート、コミュ障ニート、高学歴ニート等)、若年派遣労働者、 LGBT( 15人に1人)、シングルマザー( 70万人)、独居老人( 100万人)、年収 200万円以下( 1000 …万人)

マイノリティ 40%

60%

正規雇用労働者、従業員 1,000人以上の会社での勤務、専門職、公務員およびその家族

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「タテ」と「ヨコ」

• すでに出来上がったマジョリティのシステムは基本的に「タテ」。それに対し、円心をくりぬかれた周辺部に位置するマイノリティは「ヨコ」でつながるようになる。

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    マジョリティ

タテのシステム下から「吸い上げて」、上から「降らす」

偉い人

次に偉い人

普通の人

マイノリティお金・時間

ヨコのシステム必要な資源を、都度、横で配分する

集めて配分

資源

タテのパイプライン

マジョリティ マイノリティ

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マジョリティの「タテ」の思想

• マジョリティの基本的な発想は、資源を吸い上げて、上からシャワーのように降らすことである。これは出来上がったシステムなのであたりまえである。

• マジョリティが提供するものは、生活(衣(医)食住)に必要な「コモディティ(匿名の製品・サービス。たとえばカネ/票/エネルギー)」である。

• 生活に必要なのはコモディティだから、人々が生存欲求を求めている時はこちらが便利。

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    マジョリティ

偉い人

次に偉い人

普通の人

お金・時間

タテのパイプライン

マジョリティは、基本的に、上から流してゆく。例えば、・・・・

•お金は、税金として集めて、財務省/金融庁→都銀→地銀→信金と上から下に流れてゆく•エネルギーは、巨大な組織(東電)で作って、流してゆく•選挙の票も組織で吸い上げ、与党が分配してゆく•政策は上の人が創り、それを上意下達してゆく

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マイノリティの「ヨコ」の思想

• マイノリティは同心円を繰り抜かれており、分散している。だから、ヨコでつながることが基本となる。ネットの普及はマイノリティのつながりを一層強化しつつある。

• マイノリティは、必要に応じて、資源をヨコで融通しあう。それは、相互扶助のしくみであり、それぞれの社会的欲求(承認欲求・つながり欲求)を満たすことに適している。

• 逆に、大量生産が有利に働くコモディティの流通には適さない。

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マイノリティは、ヨコで配分してゆく。例えば、・・・・

•お金は、必要に応じてプロジェクト単位でクラウドファンディング•知識や情報もヨコのネットワークで調達•エネルギーは、電気を大量に「作る」のでなく、個別にためておいて、必要に応じて「配分」(スマートグリッド)•政治も、みんなの意見を吸い上げて共有

マイノリティ

集めて配分

資源

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欲求構造と社会システム

• では、人は今、何を求めているのか?人々の基本的な欲求構造が上位にシフトすれば、それに応じて当然社会システムも進化するだろう。

• いまや生存欲求は脳に刷り込まれた習慣であり、本能ではない。人は本能的に社会的欲求を求めている段階。それはヨコ社会が主役になるということ

• 「カネ(数字」という言語が有効なのは、衣(医)食住を満たす領域においてである。なぜならそれらはコモディティであり、一つ一つの製品・サービスにアイデンティティを求められないからだ。

• しかし、承認欲求の段階では、それを満たすためには、常に文脈やアイデンティティが求められる。それはカネでは買えない。カネで地位を買うことはできるが、尊敬を買うことはできない。

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生存(衣食住)

承認(帰属・尊敬)

創造

欲求構造 人権の範囲

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世紀

21世紀

社会システム

タテ社会(言語はカネ)

ヨコ社会(言語は心)

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資本主義(タテ)社会とネットワーク(ヨコ)社会のまとめ

• タテとヨコでは何もかもが違う。

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資本主義社会(タテ社会/差の経済)

ネットワーク社会(ヨコ社会/和の経済)

リテラシー

言語カネ(数字) ココロ(個人)

信用(契約・価値提供) 信頼(無条件)

価値言語化される 見えない・うつろう

階層

「ハブ」が圧倒的に強い「上」にいく程強い

対応• 計量化される比較可能な単位を積み上げてゆく(学歴・資産・家柄・歴史等)

• つながりと信頼をひたすらつくりあげてゆく(多様性の肯定・功徳 等)

目的オペレーション イノベーション

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資源を集約する方法は 2つしかない

• なにかを起こすにはエネルギーが必要である。エネルギーとは集約された資源である。• 資源を「閉じ込める」ことのできる明確な言語は2つしかない。「数字」か「個人」である。

• お金の本質は、それが数字であるということだ。数字というもっとも明確な膜の内側に信用と価値を閉じ込めることができる

• 個人の英語( individual)とは、もともとは、これ以上、分けることができない、という意味である。分かちがたい最小単位という膜の内側にも信用と価値を閉じ込めることができる。

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数字

123456789..個人

( individual)できない 分けること

タテ社会の言語「円」

ヨコ社会の言語「縁」

「摩擦」がない 「文脈」「価値」を伝えられる

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ヨコ社会の 3つの課題と対応策

• 1.ヨコ社会のエネルギー集約体である「個人」の欠点は、摩擦コストがあることだ。(数字であるお金には摩擦がない。カネは摩擦ゼロのコミュニケーションツールである)物々交換よりは、ヤフオクの方がやっぱり楽だよね、ということ。

• ヨコ社会をうまくまわすためには、この摩擦コストを受容するしくみ・考え方が必要である。

• 例えば、・・・– さらす。黒歴史もコンプレックスも、自分の googleカレンダー(予定)もなにもかも。– 交渉しない– 価値連鎖を信じる(与えたものは、別の角度から還ってくる、という認識)– 他者をブロックしない– プロセスをオープンにする– 距離感をマネジメントする– 場合によっては、コミットメント(契約/宣誓)する– すべての人をレスペクトする/タテに見ない

• 2.ヨコ社会においては、「弱さが権力」になることが多い。これが共産主義の失敗である。事実として弱者と、単なる不幸を盾に相手を支配しようとしているのか、を見極めるのは不可欠

• 3.ヨコ社会においては、「ハブ」が圧倒的な強さを持ってしまう。ネットワーク社会の産業である IT業界で一人勝ちの状態になるのもこれが理由である。タテ社会は緩やかなヒエラルキーを形成するため安定感がある。「ハブ」の一人勝ちが進むと急進的なファシズム/カルトになることをあらかじめ知っておかなければならない。

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(補論)イノベーションの本質は「摩擦」である。それは周辺から起こる• 摩擦は必ずしもマイナスではない。例えば、非連続的進化であるイノベーションは、常に現実と触れあっている周辺における摩擦から起こる。つながりと摩擦こそが進化の原点である。

• 例えば、明治維新がそうだった。江戸から遠く離れた藩の脱藩志士によって維新はなされた。ジャック・ウェルチは、弱小部署から出世して CEOとなった。

• というわけで、摩擦ゼロのコミュニケーションツールであるカネではイノベーションは起こらないよ、アベノミクスでカネを刷ってもダメよ、ということ。ちゃんと規制緩和までしないとね!

コア 周辺 現実

現実と触れあい、摩擦が起こっているところから新しい発想が生まれる

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ヨコ社会の浸透で、新しいコミュニティが成熟化してくる( 2010年~2020年)• 断絶の時代、遍在・オープンな時代を経て、これからは1人の人間が多層的なコミュニティにそれぞれが所屬する時代になるよ。つまり、コミュニティ・ポートフォリオを持つということ

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これからは、新しいコミュニティが“ ”成熟化してゆく(法・教育・福祉・市場:貨幣などのシステムを持つ)コミュニティ・ポートフォリオをどう形成するかがポイント

断絶の時代 偏在・オープンな時代 多層的なコミュニティの時代

国境・企業体 Googleグローバル資本主義

Facebook(過渡期)

・地域の少規模コミュニティ・価値観・スキル(ギルド)

Windows(過渡期)

仲間分け世界への扉

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ヨコ社会で、どうやってアイデンティティを保つのか?

• 1人の人が、一つでなく、様々なコミュニティに同時に所屬するようになると、「自分というものを捉える新しい考え方」が必要になってくる。

• それが、「分人的」にとらえるということ。

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家族・シェアハウス

職場・仕事仲間

価値観の会う組織

色々なコミュニティに1人の人間が所屬するとなると、その人のアイデンティティはどうなるの?

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分人的な考え方

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本当の自分

• 分人的とは、「自分とは、様々な人格のポートフォリオだ」と考えること。これが気楽に生きるコツ。

「本当の自分」が中心にいて、場面ごとに仮面(ペルソナ)を使い分けるという考え

本当の自分などなく、いくつかの人格の組み合わせ(ポートフォリオ)が自分自身であるという考え

これまでの自分についての考え方(ペルソナ:仮面論)

これからの自分についての考え方(分人論)

終わらない自分探しの旅へ 自分とは色々な人格の組み合わせにすぎない、と悟ると気楽になる

仮面 A

仮面 B

仮面 C

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ヨコ社会での幸福な生き方を、アドラー心理学(抜粋)から学ぶ

• 人は優越性を追求する生き物である。それは進歩・成長したいという本能的欲求である。• だが、それは他者と比較するという心理状態を生みやすい。その結果、生まれるのが劣等感。この劣等感を、安易に解消するために、人は心理的に「いいわけ」を作り出したり、あたかも自分が優れているように見せかける(権威付け・自慢)などをしてしまう。

• ”しかし、他者と比較することは無意味である。他者は“参考にすべきであって比較する対象ではない。比較対象は、あくまで過去の自分と今の自分と明日の自分。結局、なにもない自分に小さな一歩を積み上げるしかない。(ホリエモンの『ゼロ』の世界だね)

• 新しい世界を生きるための7つの指針– 1.まず、すべての悩みは人間関係である、と認識せよ。– 2.次に、他者は他者、自分は自分。自分の問題と他者の問題を混同しない。これを「課題の分離」という。

– 3.自由とは他者から嫌われることである。– 4.同時に、他人は敵ではない。人々はすべて私の仲間であるという意識を持つこと。– 5.自分が「普通」であることを認める勇気を持つこと(自己受容)。自分は特別な存在ではない(特別になりたいとは思うが)

– 6.他者を信頼せよ(他者信頼)。信頼とは無条件であるということ– 7.幸福とは貢献感のことである。かつそれは3.自由を前提としている。自分は共同体にとって有益なのだと思えた時、人は価値を感じることができる(他者貢献)。

• 以上を、仕事・交友・愛の分野で実行すること

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何もない自分に小さな一歩を積み上げるには、「フロー状態」を作ること• 何もない自分に小さな一歩を積み上げてゆくにはどうすればいいのか?それは、フロー状態:適度な負荷をかけ続けることだ。

• 気付かないうちに目の前の作業に集中し、時間を忘れてのめり込んでしまった経験は誰でもある。このように、作業に没入し、楽しさを感じている状態のことを、心理学者チクセントミハイは「フロー( flow)」と名付けた。彼はこうしたフロー状態に入るためには個人の「能力」と活動の「難易度」が重要であると考えた。つまり、小さな一歩の積み上げが大事ということ。

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1.適切な目標:明確だが、多様な解釈を生む自由度の高い目標

2.深い傾聴:自分が聴き取ったことに対して純粋に反応する

3.完全な集中:現在の活動とそれ意外の活動を切り離す境界線を引く

4.自主性:柔軟性を持ちながらも、自分がすべてを管理している感覚を持つ

5.エゴの融合:自分のエゴを抑え、グループ全員と協調する

6.全員が同等:すべての参加者が同等な役割を担う7.適度な親密さ:惰性にならない程度の親密さを持ち、文化を共有する

8.不断のコミュニケーション:インフォーマルな会話を大切にする

9.先へ先へと進める:他人の意見を受け入れながら即興的に対応する

10.失敗のリスク:失敗へのリスクや恐怖感を推進力として利用する

チームとしてフローを達成する10の条件

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パートナーシップ・マネジメント

• 仕事では、多くの人が IC(インディペンデント・コントラクター)になり、プロジェクト毎にチームが入れ替わる時代。

• 仕事では、カネが重要だから、信頼だけでなく、信用が大事。

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• 距離感のマネジメント• 契約等によって期待値を言語化する努力

• コミットメントラインの明確化• チートしない(想定をあわせておく)

• クレジットを積んでおくこと(いざというときの信頼残高)

• 相手の言語(愛と条件)の範囲を把握しておく(価値観の一致)

• 別れ際

くっついては、離れるを繰り返す時代 大事なことは

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人のココロというものは、愛と条件の範囲でさまよう

• 人それぞれが個別の考え方、価値観を持っており、それは愛と条件の範囲で彷徨っている。

• だから相手の価値観をちゃんと理解して受容しないとだめ

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金条件言語化・数値化脳現実客観生物

愛無条件言語化できない身体感覚真実主観生命

起きる出来事や人のココロは、実際は愛と条件の間でさまよう

Aさんのコミュニケーション範囲

Bさんのコミュニケーション範囲

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強さの順序

• 強さの順序は、「紙(カミ)」「コネ」「カネ」「ココロ」。

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個人の知識・智恵 顧客・取引先等の関係 世界最強の言語 人類共通の言語

紙(カミ) カネコネ ココロ

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提案

• 今は、タテ社会への時間的割合を減らしてゆきましょう!– タテ社会の言語であるカネとの関係をひたすら効率化しましょう。– 時間あたりの単価をひたすらあげる(1時間 10万円!)– カネを使うもの(衣食住)の固定費をひらすら下げる。– 結果として生まれる時間を、ひたすらヨコ社会に投入する。– ヨコ社会(ボランティア・地域・スタートアップベンチャー)に入る

• これからは、少しココロを開こう!– コンプレックスを書き出して、ひとつづつ晒してゆこう(容姿・黒歴史)– 自分の嫌いな人(分野)に、ちょっとづつ触れてゆこう。膜をはずれよう

• ステップバイステップ!– ダメで、普通でとりえのない自分を許して、認めて、ゼロから一歩一歩、つみあげてゆきましょう。

– 他人と比較するのではなく、今の自分と未来の自分を比較しましょう。

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(宣伝) 2013年に出版された山口揚平の本

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ご清聴、ありがとうございましたー

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ありがとうございました

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ブルー・マーリン・パートナーズ ,Inc.代表取締役山口 揚平E-mail: [email protected]

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