40
ミヤンマー市場概観、主要産業アセスメント、そして今後のチャレンジ 2013年 第2WWW.SOLIDIANCE.COM ニューフロンティア: ミヤンマー進出前に知っておくべきこと

Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

ミヤンマー市場概観、主要産業アセスメント、そして今後のチャレンジ2013年 第2版

www.sol id i ance .com

ニューフロンティア:

ミヤンマー進出前に知っておくべきこと

Page 2: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

ミヤンマー概観

2 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

なぜミヤンマーなのか?

成熟度の高まるアジアにおける数少ない手付かずの“フロンティア”マーケット

全く新しい消費者市場

魅力的なリターンが見込める数々の産業領域

教育レベルの高い労働者、投資インセンティブ

アジア主要国と近接する戦略的立地:海運・輸送

不透明かつ信頼度の低い各種規制

いまだ民営化されていない各種主要産業

皆無に近い知的財産保護

ビジネスの現状

Page 3: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3

外国投資・貿易

今後に向けての疑問点

注目すべき点

主要国:中国、インド、インドネシア、日本マレーシア、シンガポール、タイ

60%が輸出。輸出入の50%がアジア関連

主要輸出品目:農産物、木材、鉱物

民間企業の活性化を促す構造改革は進むのか?

長きに渡る民族紛争は解決に向かうのか?

外国投資の急増にミヤンマー経済はどう対応していくのか?

外国投資法における大きな変化

産業団地、経済特区の創設開始

国営産業の民営化への移行

Page 4: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

4 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

市場概観

機会 チャレンジ

政府政策・規制

携帯電話・インターネットともに非常に低い普及率。2012年時点で、携帯は1.5%(加入者は80万人)インターネットは0.2%に留まっている

テレコム関連サービスの係る費用は平均的なミヤンマー人にとってはほぼ不可能に近い高額

携帯向け基地局・ブロードバンドなどテレコムインフラへの投資、各種アドバイザリー、トレーニングを通した政府の巻き込み

VoIPやICTトレーニングなど、今後の同分野の成長がもたらす新しいビジネスチャンス

若年層の可処分所得増加、スタートアップ、金融セクターのリストラクチャリングなどによるテレコムサービスへの需要増加

出典: Buddecomm

非常に高価な携帯端末(US$45 - 600)

同様に高額なSIM登録費(US$150 - 200)

最大2年の待ち時間と接続の問題

脆弱なネットワークと狭い利用可能範囲カバレッジ

競争の不在=成長へのハードル

不安定な政情と下記いくつかのボトルネック

テレコム業界は今までの政権と密接な関係にある一部のビジネスマンによって取り仕切られており、契約条件は非常に不透明である

テレコム

ミヤンマーの情報通信産業(ICT)はASEANの中で最も遅れている。近い将来、最大5社まで外資にライセンス付与が予定されている

Page 5: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

テレコム 2010 - 2011

5

Page 6: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

銀行

6 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

国際プラスチックカードが現金に取って代わり、外資系銀行とのジョイントベンチャーの政府許可が進んでいくだろう

世界銀行からのUS397万ドルのローンとUS85万ドルのグラントにより負債返済の開始

米系銀行がミヤンマーでビジネスを行うには、ワシントンで“一般ライセンス”への申し込みが必要。取得には数週間から数ヶ月かかる

Page 7: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

7

機会

チャレンジ

ミャンマーの銀行

金融業界全体の底上げを図るべく、 外資系銀行と地場銀行の協業が進行

外資系銀行は“支店ライセンス”を取得すれば、商業銀行およびプロジェクトファイナンスの分野でのサービスを提供できる

民主化の速度から、2-3年以内に外資系銀行がミヤンマーで金融サービスを完全な形で展開できる予測

提案されている新しい外為法によって、外資系金融機関のミヤンマーでのビジネス展開が更に容易になると考えられ、外貨送金・引き出しが格段に自由になる

経済制裁が完全に解除されるまでは、各社ともにセルフファイナンスを要する

多くの輸出業者は輸出における競争力という観点からミヤンマー通貨の強さにおいて問題に直面する

政府の強い統制から、金融セクターは総じて非常に立ち遅れている

Myanmar Citizens Bank Ltd Co-operative Bank LtdYadanabon Bank LtdFirst Private Bank LtdMyawaddy Bank LtdYangon City Bank LtdYoma Bank LtdMyanmar Oriental Bank LtdTun Foundation Bank Ltd

Kanbawza Bank Ltd Asian Yangon International Bank LtdMyanmar Industrial Development Bank LtdSibin Tharyaryay Bank LtdInnwa Bank LtdAsia Green Development Bank Ltd.United Amara Bank Ltd.Myanmar Apex Bank Ltd.Ayeyarwady Bank Ltd

出典: Reuters

Page 8: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

公共インフラ

8 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

課題

投資加速に向けた政府規制

機会

交通関連、エネルギー、テレコムを改善するために膨大な投資が必要

極端に立ち遅れている交通関連、物流網とパワーサプライ

民族的反抗勢力による継続的な政府インフラへの攻撃

特別経済区法とダウェー特別経済区法により、税金免除に代表されるインセンティブを付与し、この分野でのビジネスを促進

短期での基礎インフラプロジェクト、ローカルコミュニティへの便益、低い環境リスク等によって、規制および契約リスクを軽減

インフラの改善ともに、公共交通機関の近代化が進み、これによりバスや電車等関連ビジネスの創出が期待される

都市開発・計画に精通した機関の関与が待望されている

“継続可能な都市開発”は建築事務所等とっては、差別化要素となる

インフラ関連への外国投資によって、不動産市場が活況を呈すると予測される

Page 9: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

9

ミャンマーの公共投資は大規模な投資を必要とするだろうが、外資が直接介入出来る機会は限られるかもしれない

出典: The Diplomat

Page 10: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

海運・交通

ミャンマーを海運ルートとして代替することにより、船1台につきUS$8万ドルの費用削減が可能となる

1 0 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

ミヤンマー港湾の可能性

チャレンジ

大量の一般貨物輸送、原油・液化天然ガス等の液体輸送への需要から、インフラ建設および各種産業活動は活発化する見込み

これに伴い、物流サービス、内陸通関拠点、貨物停車所などが必要となり、同分野で管理・運営経験のある会社にとっては大きなチャンスとなる

同分野インフラ建設はEPC関連会社からの投資を呼び込むチャンスとなる

今後5年でダウェー港のキャパシティはシンガポールに匹敵すると見られている

現時点でのミヤンマー港湾のキャパシティはアジアの主要港湾に比べて大きく見劣りしている

大型船のハンドリングは簡単では無いことが予想され、キャパシティを増やす開発が経済発展のスピードに追いつかない可能性がある

Page 11: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

1 1

302.000ジェッダ

横浜

タンジュン・ペラック

バンコク

ヤンゴン

サウジアラビア

日本

インドネシア

タイ

ミャンマー

3.080.000

2.643.518

1.305.429

4.010.448

コンテナ貨物取扱量(TEUs)

出典:CLSA Asia Pacific Markets

Page 12: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

1 2 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

石油&ガス

ミヤンマーのガス埋蔵量リザーブは比較的低い水準にあるが、石油精製の民営化によって外国投資を大きく呼び込むと見られている

Page 13: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

1 3

機会

チャレンジ

政府規制

天然ガス:確認埋蔵量-立法メートル(TRN)

ミヤンマー国内には経験、技術の無い分野のため、外国投資のターゲットになっている

18箇所のうち既に10の石油ガス精製サイトを外資に開放している

ミヤンマーでのエネルギー資源開発は近隣地域への新しい資源供給源になる。特にガスは既にミヤンマー最大の輸出品目である

オフショア運営会社が自社製品を移送する場合の政治リスク

ローカルコミュニティには殆ど便益が無い

外資企業が採掘ライセンスを得るにはローカルパートナーとのジョイントベンチャーが必要

ミャンマーの新しい外国投資法は外国企業に土地等のリースを許す際、同時に国営化から法的保護されるよう規定されている

出典:CLSA Asia Pacific Markets

Page 14: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

1 4 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

機会

チャレンジ

政府規制

鉱物資源は、世界最大の産出高をほこる翡翠をはじめ、タングステン、錫、亜鉛、銀、銅、鉛、 石炭、金、各種産業鉱物と非常に豊富

鉱山管轄官庁は、公営事業の大半が民営化されていくと見ている

オーストラリア、中国、ロシア、タイ、ベトナムからの7つの会社が既にミヤンマーでの金属採掘を開始

天然資源の管理はミヤンマーでの紛争の最大の原因となっている

外国投資の増加によって、新しい環境規制がしかれる予想

資源管轄官庁は外国投資を石油やガスからより雇用が活性化されるセクターに移行したい考えである

ローカル企業が採掘権を確保するには、採掘および生産に実績のある外資系企業とのパートナーシップが必要

ローカル企業が1年のみ有効で更新を要するのに対し、外資系企業は最大5年までの採掘ライセンスを得る

所轄官庁が外資系企業にローカルパートナー無しでライセンスを付与するとは考えにくく、 ローカルパートナーは最低でも25%の株式を持つ必要がある

天然資源

ミヤンマーの鉱物、宝石関連資源は何億ドルにも値するとされている

Page 15: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

セクター毎直接投資

1989年から2012年までのミャンマーへの累積直接投資額(US100万ドル)

1 5

出典:ミャンマー商務省

出典: IMF

Page 16: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

インダストリアル

1 6 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

タックスインセンティブがこの分野での外国投資誘因となっている

GDPに占める割合は11%にすぎず、雇用の観点でも10%に留まっている

いわゆる製造業に相当するセグメントであり、農林水産業、ビルディング・コンストラクション関連、製造業全般を含む

Page 17: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

経済特区

1 7

機会

チャレンジ

繊維・アパレル関連は安価な労働力からコスト削減を狙う外資系企業の新たな拠点となり得る

タックスインセンティブを享受できる経済特区施策を含む産業関連法により、同分野のビジネスが容易に

経済制裁以前にはピーク時で年US8.6億ドル規模あった輸出実績から見て、豊富で安価な労働力が同分野の更なる拡大に寄与すると見られている

民間企業は確実に増えているが、産業分野の大半、特に重工業分野では、いまだ政府のコントロールが強い

世界金融恐慌に端を発する需要減少はミヤンマーの産業分野に大きな影響を及ぼしつつある

EU、日本そして南米からの発注がほぼ全てを占めていた繊維関連業界は大幅減少の危機

Page 18: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

1 8 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

貿易

ミヤンマーは石油、機械、エレクトロニクス関連製品を輸入するために、資源や資材を販売している

海運、物流、インフラ、そしてホスピタリティ関連はミャンマー開放から期待される新たな貿易ビジネスの恩恵を享受できるだろう

ミヤンマーの主な輸入相手国は、中国、タイ、シンガポール、韓国、マレーシア、インドネシア

主な輸出相手国は、タイ、インド、中国、日本、マレーシア、EU、韓国、ベトナム

Page 19: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

1 9

製品毎の輸出額内訳 製品毎の輸入額内訳

出典: Eurostat

Page 20: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

2 0 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

自動車関連市場

現時点では、二輪車がミヤンマー自動車関連市場の大半を占めている

流通車台数(2008年12月時点)

合計台数、2008年12月

出典:地域ESTフォーラム

1,994,358 台

Page 21: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

2 1

2008年から2011年の間にミヤンマーの自動車関連市場はCAGRで5%の伸びを示している

ハイライト

出典:鉄道運輸省、世界銀行、バンコクポスト

81%

9.3%

二輪車の自動車全体市場に占める比率は非常に高い。これは5%という輸入二輪車に対する極めて低い関税に起因する

2011年から2012年にかけての年成長率は乗用車で9.3%、商用車で4.4%。一方、二輪車では10.9%だった

ミヤンマーでは中古輸入車がまだ大半を占めている。新車販売セールスに向けたインフラ整備はまだ立ち上げ段階である

乗用車は耐久性と潤沢なスペアパーツが支持され、主に日本から輸入されている。近年、低価格訴求により、中国、韓国もシェアを増やしている

Page 22: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

2 2 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

出典:Solidianceインタビュー、アウン・テイン・タン

石油精製・販売

ミヤンマーの石油精製・販売市場は有力企業が群雄割拠している

カルテックスのミヤンマー市場における歴史は長く、同ブランドがプレミアムセグメントではトップ

ミャンマーでは4つのパッケージ化された標準サイズで販売されている

3項目に区分される市場ごとの顕著な価格差

Page 23: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

2 3

アウン・テイン・タンの例 - ミャンマーで最大手のルブリカント流通業者の一つ

流通先:

石油精製・販売の流通経路:ごく少数の輸入業者と流通業者が全体の市場を網羅

Page 24: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

24 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

公的医療制度にみられる不均衡の一部を、民間投資が補正し始めている。国民全体への最低限の医療サービスの提供を目指す政府の方針をうけ、病院や診療所に対する民間投資は今後も継続の見込み

821の公立病院、計44000のベッド数(2009年12月時点)

103の民間病院(87の総合病院と16の専門病院)、192の専門診療所、2891の総合診療所が営業の認可を受けた(2010年12月時点)

公立病院のほか86の初等&中等のヘルスセンター、348の母子ヘルスセンター、1504の農村ヘルスセンター、80の学校のヘルスチーム、14の伝統療法の病院、そして237の伝統療法の診療所がある(2009年12月時点)

WHOの報告書によると、ミャンマーの病院設備は近隣ASEAN諸国に比べて後れている

出典:ミャンマー保健省健康計画課“年次病院統計調査報告2009”、台湾貿易センター(2011.11)

ミャンマーの病院

Page 25: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

ミャンマーの公立病院

2 5

地域ごとの相違と規模(2009年)

4つの進んだ地域:マンダレー、エーヤワディー、ヤンゴン、サガイン全人口の50%が住み、国全体の40%の病院と54%のベッド数が集中する

ミャンマーでの平均受け入れ可能ベッド数は最大51床。しかし、この比率はマンダレーで75床、ヤンゴンで122床と場所により偏っている

ミャンマーでも、大きい病院はそれぞれ250~300のベッド数で専門家によるサービスを提供する専門病院と総合病院があるが、大半の病院はベッド数20床程度の設備である

Page 26: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

機会と挑戦

2 6 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

小さな民間分野

健康分野における資金調達の増加

インフラの改善

伝統医学

政府は民間病院と民間ヘルスケアサービスの登録を2010年に認めた

2010年12月までに、最大で900ある公立病院に比べ、たった103の民間病院(87の総合病院と16の専門病院)しか国内にはできていない

2012年のミャンマー経済の解放に伴い、いくつかの新しい病院が海外からの提携や支援で建てられる見込みである

国民皆へのヘルスケアサービス実現のため、政府はGDPの2%以下の健康分野支出を、今後少なくとも4-5%まで引き上げる方針

ヘルスケア分野支出の最大70%が病院に使われており(第二使途は17%の歩行健康ケア)、同支出の増加はミャンマーの病院産業の成長につながる見込み

病院の施設と装備の改善、十分訓練されたスタッフの供給、国全体での病院間の地域の境界を超えた橋渡しなどの実現のため、大規模な投資が必要とされる

独特な、逆症療法的治療を用いる伝統療法の存在

伝統療法の14の公立病院と237の公立診療所が、官民の逆症療法的医療制度を補完

ミャンマーのヘルスケア分野の可能性と課題

Page 27: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

27

ミャンマー エネルギー&電力

ミャンマーの電化率は13%で、他の東南アジア諸国を大きく下回る

水力発電が70%のエネルギーをまかなう

配電網の未整備により、多くの郊外地域ではディーゼル発電にいまだ頼っている

電力需要は向こう10年間で、年率12%の上昇が予定されている

ミャンマー政府は、発電設備、とりわけ水力発電所を増やすことで、増加する需要に応える計画

Page 28: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

2 8 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

ミャンマー エネルギー&電力

多くの開発が発電インフラの立ち後れによって躊躇される中、政府はこの改善を国の最優先事項とし、今後大きな国際的投資が見込まれる

*1 全世帯数に占める、配電線と繋がりのある世帯数の割合で定義

出典:ミャンマー中央統計局、ASEAN開発銀行、国際エネルギー機関

2009年時点で、電化率*1は13%で他のASEAN隣国に比べ大きく遅れている

2012年に、ミャンマーは2254MWの電力容量を新たに導入するプランで、これは2007年から年率で10%の増加である

全体の最大70%までの発電は、雨期で1270MWまで、乾期で1000MWまでの発電容量をもつ18の水力発電所から生み出されている

水力発電でうまれる電気は政府価格で20Kyats/kWhと、循環型ガスタービン式発電を用いた場合の130kyats/kWhよりも安価である

巻き返しへの動き

ミャンマーの電化率(2009)

Page 29: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

ダーウェイ

チャオピュー

ティラワ

ティラワ、ダーウェイ、チャオピューは、3つの最初の経済特区である

これら3つの経済特区の電力需要を満たすため、ミャンマーは今日数多くの水力発電所を建設中であり、今後の増設も計画されている

これら水力発電所の多くは北部に建設されるため、南部の主要な経済の中心部に電力を運ぶ高圧送電線も建設が進む見込みだ

深い海港と工業団地であり、石炭を用いた火力発電所、原油とガスの精製所と保管所、石油の下流産業、中小産業がある

深い海港と中国Kunming(クンミン)へのガスのパイプライン・プロジェクト

ヤンゴン近くに位置する工業団地

出典:CLSA Asia Pacific Markets

2 9

ディーゼル発電で生み出された電力は、配電線の届いていないミャンマーの多くの地域では鍵となるエネルギーである。しかし、ディーゼル発電機セットは停電中の都市部の電力需要に応えるためにも使われている

2012年5月に、ミャンマー政府が52の高性能な発電機をGE, Caterpillarのような多国籍企業と日本企業から、国全域での大規模停電をふまえて購入した

ミャンマーの発電インフラが周辺ASEAN諸国の水準においつくには多くの年月がかかるだろう。それまで、民間所有の発電機が多く用いられるはずだ

Page 30: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3 0 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

ミャンマー電力公社は年成長率12%を次の10年ほどで達成する1年ごとの電力消費を予測しているこれはGDPの成長率が年10.5%、人口増加率が年1.1%である仮定に基づいている

ミャンマー エネルギー&電力予測される需要量と将来への展望

ミャンマーは増加する電力需要の多くを水力発電でまかなうつもりである。この国の価値ある石炭やガスといった資源は主として中国のような国々との貿易に使われている

電力需要の成長見込み

年個の消費

(キロワット-時間)

年の合計消費量(ギガワット-時間

最大需要量(メガワット)

出典:電力省

アジア開発銀行、ミャンマー電力省

Page 31: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3 1

向こう3年、毎年の増加が予想される消費に対し、ミャンマー電力公社がとると予想される対応策

水力発電所から購入するエネルギーの増加

既存の水力発電所の発電容量の増加

発電元から需要先への輸送網の建設

ミャンマー エネルギー&電力

可動式のガスタービンの導入

水力発電とガスタービン式発電を合わせた形の発電所(GTCC)の新設

ミャンマー電力公社は既に着工している5つの水力発電所の計画を2016年以降に完遂し、それぞれ5527GWhの電力を追加供給する予定である

Page 32: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

ミャンマーにおける建設産業

3 2 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

ミャンマーの建築産業は現在およそ28億USドルと評価されているが、 年平均成長率は2016年までで約9%と見込まれ、評価額はUS48億ドルに達する見込みである

タイ、ベトナム、中国、シンガポール、マレーシアからの直接投資により、エネルギー分野と行政主導のインフラ整備事業への投資が増加、産業成長は過去5年間で活発である

2016年までの成長は、産業発展を支える産業地域や経済特区の開発に加え、住宅建設、政府のインフラ開発 、オフィスビルやホテルの建設(とりわけ2013年のSoutheast Asian Gamesと2014年のアジアサミット開催が大きな要因)など、あらゆる部門の投資によりもたらされるだろう

*I USD = 850 Kyats

ミャンマーの建築市場のポイント

ミャンマーの建設ブームは実際5年前にはじまったが、もう数年続く見込み

Page 33: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

ミャンマーにおける建設産業

33

ミャンマーにおける住居/商業施設の建設

住宅建設市場は2011年でおよそUS14億ドルと建設産業全体の約半分の規模を占める

住宅、オフィス、ホテル、小売りといった業界で、限られた供給に対して大きな需要がみられる

国内外の投資家たちが、政府がAyeyar WunやYadanaでの宅地計画で初めたような低価格住居建設の分野に参入している

オフィスビル用、住居用ともに高層ビルの建設に外国投資が集まり、建設が進んでいる。大抵の建設会社が以前は12~16階建てのビルを建てていたが、最近では35階立てのプロジェクトにまで規模が拡大

小売市場は、ただ一つの小さなショッピングモールといくつかのスーパーマーケットだけでまだ未熟であり、通常小さな独立店舗に限られている

新たな外国直接投資法により、他国企業の小売業界への進出が容易になり、多くの日本のスーパーマーケットやコンビニチェーンが参入機会を探っている

スーパーマーケットやモールを扱う外国投資家たちは、地元経営の既存の小売販売店から離れた立地での営業も考えている

ミャンマーの建築市場のポイント

ミャンマーで、高層住宅が普通にみられるのを想像してみてほしい。規制の解放により、大型スーパーマーケットやショッピングモールが、 今やそこにありうる存在になった

住居/商業施設分野

小売り分野

Page 34: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3 4 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

ミャンマーのホスピタリティ業界ヤンゴンのホテル料金は5年間で3倍になるだろう。マンダレー、バガン、ネピドーもまたホスピタリティ投資のホットスポットとなる。ごく普通の宿泊設備でさえ、150USドルにもなりうる現在のホテル料金は、供給の極端な少なさの反映である

ホスピタリティ業界は、深刻なホテル不足と旅行と仕事でこの国を訪れる人の増加により、次の5~10年で目を見張る成長を遂げることが予想される

現在約8000室を備えるヤンゴンのホテルは、2016年まで前年比30%を超す勢いで毎年増加していくことが見込まれる

新たなホテルの区画は全ての主要都市で計画されている。政府は最近マンダレーのTada-U近くの土地およそ2200ヘクタールを、国内外の投資家によるホテルやショッピングモールの建設地に割り当て、最大US5.6億ドルの投資が見込まれている

外国からの投資は、国際基準を満たすホスピタリティ訓練のみならず、インフラ開発やホテル建設のためにも必要とされている

ホスピタリティ業界

出典:ミャンマー観光省

Page 35: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3 5

ミャンマーの工場建設ミャンマーの工場建設はかなり限られている。中国やタイの工業力とは異なり、ミャンマーの生産はほとんど価値を付与されない一次産品が中心

ホスピタリティ業界

低いインフラ水準(ロジスティックス・パフォーマンスの指標で155カ国中129位)と、それに起因するビジネス遂行上の高コスト

高度な技術者の不在

電力不足

発展途中の銀行制度

賄賂の蔓延

産業建設市場が、2011年において産業全体の価値の約14%を占める

豊かな天然資源

東南アジアにおける好ましい地理的条件

豊富な労働供給

低賃金労働者が利用可能であること

経済特区での工場設立における投資と税への政府優遇措置

課題 機会

ミャンマーの月あたり収入、2013年1月

Page 36: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3 6 w w w . s o l i d i a n c e . c o m

次のステップ

重要な考察: 真の経済成長 vs.  産業の機会

投資は急増し、製造業を中心に各種産業に飛躍的発展の兆候がある。しかし、実態の伴う本当の意味での経済の発展には相応の時間がかかる。貴社の製品やサービスはミャンマーで本当に需要があるのか、それとも表面的な可能性・一過性のブームにすぎないのか?該当する業界が“確実に成長する”という確信を調査によって得る必要がある。もしその産業自体が確実に成長軌道にあるならば、貴社の商品・サービスへの需要も確かなものと言えよう

新興国市場における賢い投資には“マクロ環境の成長”以上の根拠が求められる

Page 37: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

3 7

投資の前に・・・

関連する法規制を知っていますか?

参入しようとしている分野でフィージビリティスタディを実施

しましたか?

頼れるパートナーを見つけましたか?

外国投資にあたって必要となるプロセスは?

外国投資にあたり、政府・関連機関からの奨励・補助はあるのでしょうか?

現地に事務所など無い中で、外国企業がミャンマーでビジネス展開したい場合、どのようなやり方があるのでしょうか?

短期、中期、そして長期的な観点で、それぞれ投資に対するリターンは?

貴社のビジネスに適切な人材はミヤンマーにいるのでしょうか?

政府の視点では、貴社のビジネスはどう見られているのでしょうか?

貴社担当チームのミヤンマー語の能力は十分ですか?

脆弱な通信インフラ環境の中、貴社の本社はミヤンマー現地との日々のやり取りに辛抱強く対応できるでしょうか?

戦略コンサルタント

弁護士

広告代理店

政府とのパイプ役

会計士

その他ビジネスパートナー

文化面でのアドバイザー

Page 38: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

お問い合わせ

ミャンマー参入へのお問い合わせは、私どもの各国オフィスにご連絡、または[email protected]までお気軽にメールでお問い合わせ下さい。

SolidianceSuite 07-05, High Street Centre, 1 North Bridge Road, Singapore 179094Tel: +65 3152 0301Web: www.solidiance.com

Page 39: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

SOlIDIANCE(ソリディアンス)

事業概要

私たちは、アジア新興国での成長戦略とB-to-Bマーケティングに特化したコンサルティングファームです。徹底してアジア新興国にフォーカスすることにより、各国固有の文化、商習慣、法規制、そして“ビジネスの仕組み”に精通し、クライアント企業それぞれのニーズに応じた、きめ細かなサービスを提供しています。

フォーカス

エネルギー・素材・産業材、製造業全般、IT関連、ヘルスケアを中心に、多くのフォーチュン1000企業にきめ細かなサービスを提供しています。

専門分野

市場参入戦略策定、市場・顧客セグメンテーション、競合ベンチマーキング、チャネル分析、コマーシャルデューデリジェンス、パートナリング支援、各種調査といった

側面から、クライアント企業のアジア参入、また参入後の更なる成長をサポートして

います。

各国オフィス

シンガポール(本社)、中国、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマーにオフィスがあります。我々はスピード感を持って拡大を続けています。

Page 40: Myanmar Market Entry Support for Japanese companies | ミヤンマー市場機会: 日系企業の参入に向けた分析 |

オフィス

シンガポールSuite 07-05High Street Centre1 North Bridge RoadSingapore 179094Phone: + 65 3152 0301

タイInterchange Tower 21#2109 - 21F399 Sukhumvit RoadNorth Klongtoey, WattanaBangkok 10110Phone: +66 2 611 2664

中国Suite 516, Fuxing Plaza109 Yan Dang RoadShanghai 200020P.R.ChinaPhone: +86 21 5301 9980

インドA-9, Third AvenueBandh RoadNew DelhiPhone: +91 99999 88859

インドネシアSuite 6A, 15/F Menara Palma, Jl Rasuna Said Block X-2 Kav 6, Jakarta 12950 Phone: +62 21 5795 7465

ベトナムSuite 704, Satra Dong Khoi Building58 Dong Khoi streetDistrict 1, HCMCPhone: +84 8 3521 8639

マレーシア5th Floor, Menara Hap Seng Jalan P. RamleeKuala Lumpur 50250Phone: +60 320221400

ミャンマー33B, Thiri Mingalar LaneMaynagone - 7 Miles, Yangon - MyanmarPhone: + 95 943154745

[email protected]

www.sol id i ance .com