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<ワックス> 1.歯科用ワックスの成分 石油から精製されるパラフィンワックス: 分子量によって融解温度( 38~65℃)が異なる。 脆く、彫刻性に欠ける。 鉱物から取れるセレシン:融点60~80℃ 植物性のカルナウバワックス: 軟化温度を調節する(融解温度は約85℃)。 融点を上げるとともに、硬さを増すダンマル:光沢と粘りを与える。融点84~86℃。 動物性の蜜ろう:脆さを改善し、光沢を与える。 融点は60~67℃。

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<ワックス> 1.歯科用ワックスの成分 ・ 石油から精製されるパラフィンワックス: 分子量によって融解温度(38~65℃)が異なる。 脆く、彫刻性に欠ける。 ・ 鉱物から取れるセレシン:融点60~80℃ ・ 植物性のカルナウバワックス: 軟化温度を調節する(融解温度は約85℃)。 融点を上げるとともに、硬さを増す。 ・ ダンマル:光沢と粘りを与える。融点84~86℃。 ・ 動物性の蜜ろう:脆さを改善し、光沢を与える。 融点は60~67℃。

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2

2.特徴

・ 熱可塑性

・ 操作性が良い → 軟化・溶融が容易

・ 成形性に優れる → 彫刻が容易

・ 熱膨張率が大きい → 350~450x10-6/℃

・ 変形しやすい

・ 応力緩和を起こしやすい

応力緩和とは、材料に一定の変形を加えた時、その変形を維持するのに必要な応力が時間の経過と共に減尐する現象

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3.種類と用途

①インレーワックス:鋳造修復物のろう原型

(ワックスパターン)の作製に用いられる。直接法と

間接法がある。パラフィンが主成分で、40~60%、

カルナウバが20~30%、含まれている。

②パラフィンワックス:レジン義歯床の仮床(ろう義歯)、

咬合堤作製、人工歯配列、印象採得時のスペーサー、

咬合印象採得

③シートワックス:金属床のろう原型作製

(0.3 ~0.35mmの厚さ)

④ユーティリティーワックス:印象用トレー後縁や辺縁

修正、仮着、その他補助的用途。主成分は蜜ろうで、

ワセリンや軟性ワックスが配合されている。

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⑤スティッキーワックス:歯科技工室での仮着。

主成分は蜜ろう、ロジン、ダンマー

⑥ボクシングワックス:石膏模型作製用のボクシング

⑦バイトワックス:咬合印象採得用

⑧レディーキャスティングワックス:バー、クラスプの

ろう原型作製、スプルー用。インレーワックスに類似した

成分・組成に熱可塑性のビニルレジンを加えて柔軟性を

付与。

⑨印象用ワックス:義歯粘膜面の機能印象採得

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インレーのワックスパターン

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インレーのワックスパターン

湯だまり (ユーティリティー

ワックス) スプルー線

円錐台

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メタルインレー

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パラフィンワックス

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ガスバーナーで軟化する

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軟化したワックスを噛んでもらう

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咬合採得

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ワックスが硬化したら撤去する

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咬合採得したワックスによって

模型で患者さんの咬合を再現できる

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< 鋳 造>

鋳造修復物の作製工程

①ワックスパターンの作製 …インレーワックス

②スプルー線植立 …スプルー線:ワックス、金属、プラスチックなど

③円錐台に固定…ユーティリティーワックスで固定

④ワックスパターンの埋没 …埋没材(耐熱材と石膏を含み、

水で練和すると硬化する)

⑤鋳型の加熱(ワックスの焼却)…電気炉内で加熱。ワックスが焼却し、

鋳型内に空洞ができる。

⑥合金の溶融・鋳造 …鋳型を鋳造機に移し、溶融した金属を

大きな圧を加えて鋳型内に流し込む。

⑤研磨 …金属の冷却後、スプルー部をカットし、研磨して

鋳造修復物が完成する。

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1.ワックスパターン ワックスパターンの形状

外側性

クラウン

内側性

インレー

鋳造体が大きいと窩洞に 入らない。小さいと入る。

鋳造体が大きいと支台に 入る。小さいと入らない。

両側性

MODインレー

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熱応力によって発生する残留応力(内部応力)

ワックスパターン

局所的に融解された ワックス

熱膨張・収縮の違いによって 熱応力が発生する。

ワックススパチュラ

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応力緩和によるワックスパターンの変形

歯 型

歯型に適合 したままの状態

歯型から抽出 した状態

一昼夜放置するとよい。 応力緩和を起こしても パターンの変形は起こ らない。

応力緩和を起こすと パターンは変形する。 直ちに埋没する。

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2.円錐台への植立 ①スプルー線

• 鋳造時に溶融した金属(溶湯)が通過する湯道となる。

• パターンの最大肉厚部に植立し、溶湯が厚い部分から薄い部分へ流れるようにする。

• 溶湯が容易に流れて、末端まで 速やかに到達するように方向、 位置、太さを考える。

• クラウンの場合、咬頭にできるだけ

近い位置に植立する。

スプルー

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溶湯がスムーズに流れるように設置する。

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• 溶湯が鋳型空間を充満した後、鋳造体の溶湯が凝固するときに収縮する。この収縮分の溶湯を外部から補給する必要がある。

• 収縮分の溶湯を補給できなければ、鋳造体に収縮孔が形成する。

• 湯だまりが最後に凝固するように、設置位置と大きさを工夫する。

• スプルー線を太くすると湯だまりは省略できる。

③湯だまり

湯だまり

湯だまり

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④エアーベント

• 溶湯(溶融金属)を鋳型に鋳込んだとき、溶湯は鋳型空洞に内在する空気やガスと入れ替らなければいけない。

• 空洞内の空気やガスは、溶湯を充満させないように働く。これを背圧という。

• 背圧は、埋没材を通って外部に排出される。そのため埋没材には通気性が必要である。

• 背圧を積極的に逃がす仕掛けがエアーベントである。

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鋳型材

背圧 (バックプレッシャー)

溶湯

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種々のエアーベント

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<成分> 粉:シリカ(SiO2) 70 %、石膏(結合材)30 % 液:水 ・硬化膨張率:0.3% 二水石膏(針状結晶)のぶつかり合いによる膨張 ・加熱膨張率:0.8%(石英埋没材)、 1.2%(クリストバライト埋没材) シリカの熱膨張と、α-β変態のよる膨張 ・吸水膨張率:?1.5~3.0 %の大きな膨張

①石膏系埋没材 3.埋没材

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クリストバライトの変態点 220~270℃

シリカ単体の熱膨張率

石英の変態点

573℃

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②リン酸塩系埋没材

硬化反応

NH4・H2PO4 + MgO + 6H2O → MgNH4・PO4・6H2O + H2O

第一リン酸アンモニウム マグネシア

リン酸アンモニュウム・マグネシウム(結合材、20%)

<成分> 粉末: シリカ(80%)、第一リン酸アンモニウム、マグネシア

液:コロイダルシリカ水溶液 (シリカの微粒子を分散させた水)

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・硬化膨張率:0.3~0.8% リン酸アンモニウム・マグネシウムの結晶成長による。 コロイダルシリカの濃度に依存する。 ・加熱膨張率:1.2% シリカの熱膨張と、α-β変態のよる膨張

②リン酸塩系埋没材・続き

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溶融温度が1,000℃以下の合金 ISO(ADA)タイプ別金合金1、2、3、4 白金加金 18K金合金 14K金合金 金銀パラジウム合金 低融銀合金(Ag-Sn-Zn、Ag-In-Sn)

溶融温度が1,000℃以上の合金 陶材焼付用合金 Co-Cr合金 Ni-Cr合金 純チタン

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金属の凝固過程で収縮する。 ①液体の熱収縮 ②液体→固体の凝固収縮 ③固体の熱収縮

これらの一部が 収縮となって鋳造体に 現れたのが鋳造収縮。

4.鋳造収縮

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液 体

固 体

凝固 収縮

高 温

室 温

液体の熱収縮

固体の熱収縮

融点

金属凝固時の収縮

(原子の個数は 同じにしてある)

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鋳造収縮の測定法

金合金:1.5% 金銀パラジウム合金:1.55% 銀合金:1.1~1.7% Co-Cr合金:2.0%

歯科用合金の 鋳造収縮

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鋳造収縮の補償

問題 鋳型材が膨張すると空隙の 大きさはどうなるか?

鋳型材(埋没材)

空隙

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なぜ鋳型材は膨張する必要があるか?

溶湯 鋳造リング

鋳型材

ワックス焼却後の空隙

緩衝材

もし、鋳型材が膨張しないと仮定したら 小さな鋳造体が出来る。

凝固後

鋳型材が膨張しないと仮定したら

鋳造リングに内張りする緩衝材の役割は? 鋳型材が膨張する時に、鋳造リングに膨張を 拘束されないようにすること。

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5. 鋳造欠陥

鋳造欠陥の種類 1) “なめられ” 2) 引け巣(収縮巣) 3) ブローホール(気泡) 4) 鋳肌荒れ 5) 突起 6) バリ 7) 変形

鋳巣

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①低い鋳型温度 ②低い鋳造温度(溶湯温度)→溶解が不十分 ③鋳型材(埋没材)の通気性が悪い ④スプール線が細い、本数が尐ない ⑤低い鋳造圧

特徴:先端が丸みを帯びている

鋳型の空間に溶湯が充満する前に 金属が凝固すると“なめられ”が生ずる。 鋳込み不足、湯回り不良とも云う。

原因

1) “なめられ”

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鋳型の通気性が悪いと“なめられ”の原因になる。

鋳型材

背圧 (バックプレッシャー)

(背圧多孔)

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金属の凝固過程で収縮する。 ①液体の熱収縮 ②液体→固体の凝固収縮 ③固体の熱収縮

収縮が鋳造体内部に 残ると「引け巣」となる。

2) 引け巣(収縮巣)

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引け巣

特徴:空隙が不定形

鋳巣の成因は、①ブローホール、②引け巣。

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金属溶解時のガス吸収と 凝固時のガス放出

吸収と放出は 可逆的変化である。

3) ブローホール(気泡)

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鋳造欠陥を示す。 原因で正しいのはどれか。

a 鋳型材の不適切なW/P比 b 溶湯のオバーヒート c 小さい鋳造圧 d 鋳込み不足 e 背圧

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4) 鋳肌荒れ

5) 突起

6) 鋳バリ

7) 変形

• ワックスパターンが変形した。

①外力による変形

②応力緩和による変形

③熱膨張・収縮による変形

• 鋳造体が変形した。

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加熱温度

アーク溶解炉:3,000℃

高周波誘導炉: 2,500℃

白金線電気炉: 1,400℃

都市ガス・空気ブローパイプ: 1,200℃

酸素・アセチレンブローパイプ: 1,800℃

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96D-067 インレーワックスの主成分はどれか。 ( ) a カルナウバろう ( ) b 蜜ろう ( ) c ダンマー ( ) d セレシン ( ) e パラフィン 94D-075 ワックスパターンの収縮や変形を防止する手段で正しいのはどれか。 ( ) a 熱膨張係数の大きなワックスを用いる。 ( ) b 高温で溶融したワックスで成形する。 ( ) c 成形後模型上で長時間保持する。 ( ) d 模型から撤去したら直ちに埋没する。 ( ) e 冷却水で練和した埋没材を用いる。

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100 B-101 棒状のインレーワックスを温水中で金型に合わせて曲げ、そのまま一定時間保持した(A)。その後、金型からはずして別の温水中に移し、一定時間保管した(B)ところ変形が生じた。変形を小さくする操作はどれか。

a (A)の温度をワックスの軟化温度以下にする。

b (A)の曲げる操作を一気に素早くする。

c (A)の保持時間を延長する。

d (B)の温度をワックスの融解温度以下で

高めに設定する。

e (B)の保管時間を延長する。

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理工 湯だまりについて正しいのはどれか。 ( ) a 凝固収縮によって鋳造体にできる巣を防止するための 溶融金属の補給源である。 ( ) b 大きさの目安は、鋳造体と同体積が良い。 ( ) c ワックスパタ-ンから3 mm程度離して設置する。 ( ) d スプル-線を太くしても、湯だまりは省くことができない。 ( ) e ブロ-ホ-ルを減少させるのに有効である。 91D-078 石膏系埋没材をリン酸塩系埋没材と比較した場合に 正しいのはどれか。 ( ) a 耐熱性が小さい。 ( ) b 通気性が大きい。 ( ) c 圧縮強さが大きい。 ( ) d 混水(液)比が小さい。 ( ) e 熱膨張が大きい。

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理工 埋没材に含まれるシリカについて正しいのはどれか。 ( ) a シリカの主な役割は、耐火性を与えることと鋳型を熱膨張させることである。 ( ) b シリカの存在は、埋没材の吸水膨張を大きくする。 ( ) c クリストバライトは、240~270℃の間で大きく熱膨張する。 ( ) d 石英は、400~500℃の間で大きく熱膨張する。 ( ) e 石英、クリストバライト、トリジマイト、石英ガラス、これらはいずれも SiO2 である。 理工 埋没材について正しいのはどれか。 ( ) a 練和時に水の量を多くすると吸水膨張が生ずる。 ( ) b 埋没材で使用されるシリカは、クリストバライトと石英である。 ( ) c 加熱膨張は、せっこうが原因で生ずる。 ( ) d 陶材焼付用金合金を鋳造する時はリン酸塩系埋没材を使用した方がよい。 ( ) e 水和膨張は、せっこうが原因で生ずる。

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理工 鋳巣について正しいのはどれか。 ( ) a 収縮巣 (引け巣) とは、液体から固体の体積変化によって 生じる欠陥である。 ( ) b 収縮巣は、鋳造体の最終凝固部に発生しやすい。 ( ) c 収縮巣は、スプル-線が細い場合に生じやすい。 ( ) d ブロ-ホ-ルとは、凝固収縮に関係する欠陥である。 ( ) e ブロ-ホ-ルは、合金をオ-バ-ヒ-トした場合に生じやすい。 理工 鋳造体の鋳はだが荒れる原因として適当なのはどれか。 ( ) a 埋没後、直ちに加熱したとき。 ( ) b 鋳型を過度に熱したとき。 ( ) c ワックスパターンにワックス清掃剤(ワックスクリーナー)を 過剰に塗布したとき。 ( ) d オ-バ-ヒ-トした場合。 ( ) e 鋳造後、鋳造体を急冷した場合。

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理工 鋳造体辺縁部の「なめられ」の原因でとして正しいのはどれか。 ( ) a オ-バ-ヒ-ト。 ( ) b 埋没材の混水比が大きい。 ( ) c 鋳型温度が高い。 ( ) d 鋳造温度が高い。 ( ) e ワックス原型の不完全な焼却。 理工 鋳造リングに緩衝材を裏装する目的で正しいのはどれか。 ( ) a 主な目的はクッションである。 ( ) b リングの大きさによって裏装する枚数を変える必要がない。 ( ) c 水和膨張が期待できる。 ( ) d 緩衝材を裏装しないと小さな鋳造体ができる。 ( ) e 水和膨張を防ぐ目的でワセリンをぬる場合がある。

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95B-049 鋳造したインレーに欠陥が生じた。 鋳造体の写真(別冊No.10A)と欠損部分(矢印)の 拡大写真(別冊No.10B)を別に示す。 改善すべき点はどれか。 a 鋳型温度を高くする。 b 埋没材の混水比を大きくする。 c 真空練和を行う。 d 湯だまりを設ける。 e 鋳造圧を低くする。