Upload
danghanh
View
233
Download
7
Embed Size (px)
Citation preview
Ⅰ ホームページの役割と効果
1.ホームページの役割
2.ホームページの効果
Ⅱ ホームページ作成のポイント
1.ホームページ作成の留意点
2.ホームページ作成の掲載必頇項目
Ⅲ 評判の良いホームページサンプル
1.一般歯科サンプル
2.小児歯科サンプル
3.審美歯科サンプル
4.診療方針サンプル
Ⅳ ホームページ活用の留意点
1.アクセスへの留意点
2.医療法の改正/広告としてのホームページ
1
インターネットが普及し、情報収集、情報発信の基として様々な年齢層、職種、業種等に
活用され、歯科医院のホームページも増加しています。しっかりしたコンセプトで構築・
運営され、増患のための強力なツールとしてその威力を発揮しているホームページがある
一方、情報の洪水に呑み込まれてしまい、有効に機能していないケースも尐なくありませ
ん。中には、中途半端な企画のまま見切り発車をしてしまったために、医院経営にとって
マイナス効果になっているホームページすら見受けられます。
ホームページを有効に機能させるには、その目的と役割を明確にする必要があります。
(1)広告媒体としての役割
ホームページの役割の第一は、広告宣伝用の媒体として活用することです。ホームページ
で「患者を獲得したい」と考えたとき、医院それぞれの諸条件により、広告用のターゲット
層は大きく異なります。対象が違うと広告戦略も大きく異なります。自己満足のためのホ
ームページではなく、患者が何を知りたがっているかを把握し、ニーズに合ったホームペ
ージを作成しましょう。
そのためには、医院を取り巻く諸条件をチェックすることがスタートとなります。
【広告戦略のための諸条件チェック】
①医院の立地条件(オフィス街・住宅地・商業施設・その他)
②特に力を入れている診療科目や治療方法
③外国語の対応
④健康保険の扱い
⑤来院して欲しい患者のステータス区分は明確か
⑥障害者や介護の必要な患者の受け入れ態勢
近隣のオフィス街では、ビジネスマンやOLが仕事の合間にパソコンでオフィス近くの歯
科医院を探している姿は、容易に想像できます。
住宅地では、昼間は未就学児、主婦層、お年寄りがメインで、学校が終わる時間に就学児
が加わります。
こうしたターゲットは、ホームページで医院の諸条件をチェックしています。ここにアピ
ールポイントが隠されています。こうした諸条件を考慮したホームページを作成しましょ
う。
Ⅰ ホームページの役割と効果
1 ホームページの役割
2
【歯科医院のホームページでチェックされる諸条件】
①昼休みの時間帯 ②夜間診療の時間帯
③駐車場の場所と台数 ④託児施設の有無
⑤保育士の有無 ⑥評判
⑦治療技術 ⑧専門性(得意分野)
⑨費用
(2)名刺/リーフレットの延長として
ネット上で丌正確な情報が独り歩きすることを防ぐために、「自ら情報発信することができ
る公式ホームページが必要」と考えている院長が増加してきました。
こうした「名刺代わり」のホームページのコンテンツは、一般に名刺に書かれている内容プ
ラスアルファで済まされることがほとんどです。
「診療所名」「所在地」「電話番号」「診療科目」「診療時間」「地図」の他、院長の簡単なプロフィ
ール、診療理念、挨拶文などを掲載すれば、目的は十分達せられます。
(3)求人媒体として
求人媒体としてホームページを活用することは常識となっています。多くの場合、院長の
診療ポリシーや求職者に対して求める勤務姿勢、必要とされる知識や技術などについて記
載されています。これは単に求人広告の役割だけでなく、そのホームページを読んで、書
かれている内容に賛同した人が応募してくるであろうという「フィルターとしての機能」を
持たせて、採用面接を効率的に進める目的も果たしています。
(4)診療説明ツールとして
診察室で説明された内容を、その場で完全に理解できる患者は、あまり多くありません。
また、自費診療の場合、その場で即決できる患者が決して多くないのが実情です。「家に帰
ってゆっくり考えたい」「家で主人と相談したい」、そのような際に効果を発揮するのがホー
ムページです。個人所有のツールをデータ化し、ホームページで公開しましょう。簡単な
冊子から、立体的な模型、ビデオ映像、コンピュータグラフィックを駆使したものまで様々
あると思います。最近では、院長オリジナルの説明ツールを製作し、院内LANとインタ
ーネット上の双方に置くことで、診察室で見たものが帰宅後にそのままインターネット上
でも見ることができる仕組みを作ることも可能です。
3
(1)ホームページによる増患効果
現在、歯科医院選びにホームページの検索を行うことは常識化しています。来院理由の約
25%がホームページ検索となっています。自医院の立地条件や患者ターゲット層にあった
内容を掲載したホームページを作成することが、増患へ大きな効果を上げます。
【立地特性による特徴:来院理由】
(2)医院の認知度向上効果
歯科医院のホームページで、口腔衛生に関する様々な知識や話題を、わかりやすく書き綴
ったコンテンツを掲載したり、院長の主義・主張を表現したり、また最近はブログの流行
も手伝って、院長やスタッフのブログを掲載したホームページも注目されてきました。
このような、個性豊かなホームページを作成することで、デンタルIQの向上と自医院の
認知度向上にも意外な効果を発揮しています。
【ブログの活用法】
ブログとは、専門的な知識がなくても、簡単にテキストや写真を掲載できる簡易ウェブ
サイトのことです。日記感覚で簡単にテキストや写真を追加できることから、執筆の道
具としても多くの方が活用しています。院長やスタッフのブログを掲載することで、自
医院の様々なことを理解してもらうことができるとともに医院の認知度向上効果が見込
まれます。
2 ホームページの効果
オフィス街
住宅街
市街地
駅から近い 駅から遠い
10%
80%
10%
HP 通りがかり 紹介
60%
20%20%
HP 通りがかり 紹介
50%
20%30%
HP 通りがかり 紹介
30%
20%
50%
HP 通りがかり 紹介
4
(1)ホームページ作成の際、明確にしておく「6W2H」
●Why│ なぜ なんのために
広告媒体、名刺・パンフレットの延長、求人媒体、診療説明ツール、医院認知度向上、
主義・主張の表現の場として、学術発表の場として、趣味・道楽として
●Whom/What│ 誰に対して何を
丌特定多数の市民を対象に見せる、来院してほしいターゲットに見せる、来院してい
る患者に見せる、地域住民に見せる、歯科医療関連業者に見せる、関係官庁に見せる
●Who/Where│ 誰が、どこで
運営主体はだれか、ドメイン名は取得するか、ドメイン名の種類とサイト運営主体
●When│ いつ
扱う情報の鮮度と更新の頻度、ウェブサイトを更新するのはどんなときか
●How/How much│ どんな方法で、いくら
広告媒体、名刺・パンフレットの延長、求人媒体、診療説明ツール、医院認知度向上、
表現の手法と制作コスト、ブログの活用、携帯電話向けのコンテンツ、地図サイト・
動画サイトの活用
(2)ホームページを見る人が求めていること
歯科医院のホームページを検索する人は以下のような事項を求めています。ホームページ
作成時は、これらのことに的確に対応することが重要です。
①診療所(院長、専門分野、治療体制、診療時間、金額等)を調べたい
②口腔内の健康について情報を集めたい
③自分の症状に合った治療方法が知りたい
④自分の治療部位に合った診療所を見つけたい
⑤自由診療の情報が欲しい(治療方法、材料、金額、仕上がり等)
Ⅱ ホームページ作成のポイント
1
ホームページ作成の留意点
5
(3)デザインに凝らない
医療のホームページなので、清潔感や見やすさ、判りやすさが必要です。凝りすぎたデザ
イン、綺麗過ぎるデザインでなくとも「効果」は出せます。
(4)定期的な更新を行う
更新頻度の高いホームページは情報の鮮度は上がり、見ている側の期待が高まるため、リ
ピーターが増えます。2、3度訪れて何も変わっていないページでは、次第にアクセス数
は落ち、検索エンジンの順位も下がり、更に訪れる人が減ってしまいます。全ページを更
新するのは大変なので、掲示板形式にするか、ページを限定して更新しましょう。
(1)経営理念・診療方針
院長の考える経営理念と歯科治療に対する診療理念を掲示するのは必頇事項です。患者は
「近いから」とか「診療時間が都合良いから」という利便性だけでは選択しなくなりました。
「自分の症状に適している診療科目」や「その診療所は何が得意か」「院長が何を考えて治療
をしているか」などの情報を集め、選択しています。
(2)診療科目
患者は歯科治療に関して、院長の専門性や得意な分野に注目しています。
何でもやれるのに「一般歯科」「歯科」と標榜を上げている歯科医院があります。しかし、患
者は「小児歯科」「歯科口腔外科」「矯正歯科」等の表示を探索しています。専門性の高い医院
を選択したいという気持ちの表れです。
(3)診療体制の掲示 ~人員・診療時間・医療設備等
患者は、院長はもちろん、歯科衛生士、歯科助手、受付会計のスタッフという人員配置に
も興味があります。特に歯科衛生士の存在は大きくなってきています。どういった体制で
診療されているかは明記しましょう。診療時間も大切です。夜間・早朝、昼休み、休診日
等、通院するという前提であるのが歯科医院なので、時間の明記は必頇事項です。医療機
器の発達も情報収集している患者には興味があります。医療機器はどんなものを使用して
いるのか、自身の体や診療にどう影響があるのか等、患者のためになる機器を使用してい
るのであれば、明記しましょう。
2 ホームページ作成の掲載必須項目
6
Ⅲ
評判の良いホームページサンプル
1
一般歯科サンプル
トップページでは医院のイ
メージを大切にし、デザイ
ン、色調などを決定する。
【掲載ページの例】
●トップページ
●医院紹介(院長挨拶)
●診療方針(診療内容)
診療時間、休日表示
●院内写真
●診療機器の紹介
●Q&Aコーナー
●アクセス方法、地図
など
7
2 小児歯科サンプル
母親は子供の健康維持には
敏感です。医院の雰囲気やや
さしいスタッフをアピール
しましょう。
【Q&A方式の質問コーナー】
よくある質問などを、項目に
分けて例題として表示。
患者さんの知識意欲と来院
誘導に役立ちます。
多ければ多いほど先生の熱
意が伝わります。
8
3 審美歯科サンプル
【小児矯正歯科】
小児矯正は自費診療が主流
です。子供の将来へ必要な治
療だとアピールし、安心と信
頼を得るページ作りが必要
です。
自費診療が主流となるため、
効果と価格、技術をアピール
するページ作りが必要です。
写真等で目に訴え、自分の将
来像へ夢を膨らませてあげ
ましょう。
9
健康な歯を長く保っていただくために、私たちがお手伝いいたします
■短時間で、正確な治療 「デジタル X 線画像システム」を導入することで放尃線の被爆量を通常のレントゲンよりも軽
減、現像時間も短縮され、スムーズで正確な診断が可能です。
モニターで X 線写真を確認することができ、ご自身の歯の状態を画像でご覧いただけます。
■「不安・苦痛の少ない治療」をめざして 「治療が怖い」「歯を削る音を聞くと緊張する」……など、歯科治療に関して丌安・恐怖感をお
持ちの患者にもリラックスした状態で診療が受けられるよう、一部「笑気吸入鎮静法」を取り
入れています。ご希望の方は、治療前にお申し出ください(健康保険の適応になります)。また、
できる限り苦痛の尐ない治療方法を提案し、安心して治療を受けていただけますよう努めてお
ります。
■「安全な医療」のために 歯科治療において最も基本的なことは「安全」です。
患者が安心できる治療を提供するために、当院では細心の注意を払い、治療器具類を手元です
ぐに滅菌できる機械を設置するなど、感染予防には特に力を入れています。
滅菌した器具は使用直前に開封し、最も清潔な状態で使用します。
■できるだけ歯を「削らない」「抜かない」 歯の本来の強さを保つため、当院ではできるだけ歯を削らない、抜かない治療を心がけていま
す。歯を削り、神経まで抜くと確かに痛みは感じなくなりますが、歯自体はどうしても弱くな
ってしまい、やがてそれは患者にとって大きな負担となります。
当院では、むし歯の深さを測る機械を使いながら患者とご相談し、クリーニングと観察を通じ
て、尐しでもご自身の歯を長く保てるようにしています。
また、適切な治療を施しても、その後の予防管理を十分にしていかなければ、深部まで悪化す
ることがあります。治療後の歯も定期的に観察を行い、悪化を防いでいます。
4 診療方針サンプル
10
(1)アクセス数アップのために
ホームページの訪問者数が把握できるようになると、もっと多くの方にアクセスしてほし
いと思うのが人情です。その前提として、どれだけURLの露出をできるかがポイントと
なります。例えば「診察券や名刺にURLを入れる」「関連するウェブサイトからのリンク
を設定する」「情報誌や医療機関リスト等の紙面に掲載する」などは必要最低条件です。
「名刺代わり」の簡素なホームページであれば「アクセスしてもらえるのはURLを直接渡
した方くらい」と考えるべきでしょう。いかにホームページの検索サイトからのアクセスを
増やすか、インターネット以外でURLを広めるかが重要となります。
【参考表)どうやってホームページにアクセスしてくるのか(Google 調査)】
検索エンジン
参照サイト
ノーリファラー
●検索エンジン 53.73% ●参照サイト 6.99%
●ノーリファラー(ダイレクトアクセス) 32.28%
※ノーリファラーとは閲覧者が直接URLを入力し、アクセスすること
(2)自院のホームページの情報調査
実際に検索で使用されたキーワードを確認することは重要です。なぜなら、自分では想定
していなかったキーワードから検索されている場合があるからです。これは今後の更新方
針を考える上でも大きなヒントになります。
自分のホームページが他のホームページからリンクされることを
「バックリンク」「被リンク」と言いますが、「Yahoo!検索条件」を入
れる欄に「link:」に続けて、自分のURLを入れて検索実行するこ
とで、全てではありませんが、このバックリンクを調査することが
できます。
Ⅳ ホームページ活用の留意点
1
アクセスへの留意点
リンクポピュラリティ を調べる
11
ホームページを構成する各ページが、どのように検索サイトに登録
されているかを確認しましょう。「site: http://www.サイト名」と入
力してみてください。「Yahoo!」も「Google」も検索しましょう。
リストのタイトルとそれに続く2~3行で、どんなことが書いてあ
るか見当がつくようなら問題ありません。よくわからないようであ
ればHTMLの書き方を工夫する必要があるでしょう。
(3)バックリンクの拡充
検索サイトにおける表示順位とリンクポピュラリティは、つながりがあります。しかし、
高いリンクポピュラリティとは、単にバックリンクの数が多いことだけではなく、リンク
元のホームページの評価やリンク設定の方法とも関係があります。ご自身のホームページ
から、他のホームページにリンクを設定する際や、ブログの本文の中から自院のホームペ
ージにリンクを張る場合などに、どのような文章表現をアンカーとするかで、その効果は
大きく変わることを認識しましょう。
【好ましいアンカーとは】
●悪い例 詳しくはここをご覧ください。
●良い例 中央区で平成 10年より開業しているサッポロ歯科クリニック
アンカー自体に地名、開業時期、名称という3つの情報が含まれています。アンカーだけ
でも十分意味を持つ検索になります。
(4)キーワード連動型広告の活用
宣伝広告目的のホームページのアクセス数を一気に増加して、知名度アップを図りたい場
合、キーワード連動型広告の活用を検討してみましょう。
キーワード連動型広告とは「Yahoo!」や「Google」などの検索サイトにおける検索と
連動する形で、検索内容と関連した情報が表示結果の上部や右側に表示される広告です。
期間保証型 ホームページのある場所に、一定期間広告を掲載することを保証
表示回数保証型 月何回表示するかを決めた契約をするタイプ
クリック保証型 何回のクリックでいくらといった契約形態
キーワード連動型広告は、閲覧者の興味の対象に限定した露出が行われ、クリックされる
確率も高くなります。キーワードの値段と表示順位は、市場原理により決定します。
検索に登録 されているページ
を調べる
12
(1)医療法とホームページ
医療法の第6条の5では、医療機関の広告に関して細かい規定が定められていて、標榜科
目・名称・診療時間などの基本的な情報を除き、一切の広告は禁止されています。
医療法の中では、基本的にインターネット上のホームページは広告とみなさないとされて
いますが、検索や登録の仕方により広告の扱いになる場合も出てきました。何もしなくと
も目に入ってくるバナー、検索という行為に「PULL」されてアップするキーワード連動広
告は、広告になる場合があります。
【広告とみなす3つの条件】
①患者の受診等を誘引する意図がある(誘因性)
②医業もしくは歯科医業を提供する者の氏名もしくは名称または病院もしくは診療所の
名称が特定可能である(特定性)
③一般人が認知できる状態にある(認知性)
(2)定期的な更新を行う
【暗示的又は間接的な表現の取り扱い】
病院等のホームページのURLやEメールアドレス等によるもの
www.gannkieru.ne.jp 「ガン消える」とあり、ガンの治療
を暗示している
「№1ホスピタル」を連想させ、日
本一の病院である旨を暗示してい
る。「日本一」等は、比較広告に該当
するものであり、認められない
【インターネット上のホームページ】
インターネット上の病院等のホームページは、当該病院等の情報を
得ようとの目的を有する者が、URLを入力したり、検索サイトで
検索したうえで閲覧するものであり、従来より情報提供や広報とし
て扱ってきており、引き続き、原則として広告とは見なさないこと
とする。
2 医療法の改正/広告としてのホームページ
広告規制の 対象範囲
通常、医療に関する広告 とは見なされないものの具体例