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スペクトルのデータ処理 河合 1.はじめに XPS EPMA あるいは X 線吸収スペクトル(XAFS)など,原子の内殻に関連した分光法は,電 子や光子の計数によって測定する.この計数値はガウス分布に従うばらつきを持っているので統 計的な処理が必要となる.さらに,実分析においては,不純物や表面汚染など分析対象(analyte) そのものの性質として,様々な分析線が重なって観察される.場合によっては,試料は再現性の ない一回限りの少量の場合も多い.十分な信号強度が必ずしも得られない場合でも,何らかの分 析・判定・評価を下さねばならない. 例えば,銅アセチルアセトナート錯体の Cu 2p XPS を測定した場合に,Fig.1 に示すように大 変に妙な 2 こぶの形状を示す.このスペクトルは,①本当に銅アセチルアセトナートであるのか, ②測定中に X 線の放射によって分解したり,チャージアップでピークが移動したりしたための正 しくないスペクトルであるのか,あるいは,③試薬びんには銅アセチルアセトナートと書いてあ っても実際には別の物質が入っていたものなのか,と言うような判断をしなければならない.か つて,このような①~③の判定をするために,物性物理の理論屋さんに計算をお願いしたことが あった.「スペクトルが本当であることが確実でなければ計算はできないので,もっと良い実験を して,そのスペクトルが確実だという確証を持ってきてください」と言われた経験がある.分析 者は自分なりの分子軌道法を用いた理論計算技術も身につけておくと,①~③の判定には大いに 役立つと信ずる. Fig.1 Cu(acac) 2 の実測スペクトル(文献[1]より引用). 1

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スペクトルのデータ処理

河合 潤

1.はじめに XPS や EPMA あるいは X 線吸収スペクトル(XAFS)など,原子の内殻に関連した分光法は,電

子や光子の計数によって測定する.この計数値はガウス分布に従うばらつきを持っているので統

計的な処理が必要となる.さらに,実分析においては,不純物や表面汚染など分析対象(analyte)そのものの性質として,様々な分析線が重なって観察される.場合によっては,試料は再現性の

ない一回限りの少量の場合も多い.十分な信号強度が必ずしも得られない場合でも,何らかの分

析・判定・評価を下さねばならない. 例えば,銅アセチルアセトナート錯体の Cu 2p XPS を測定した場合に,Fig.1 に示すように大

変に妙な 2 こぶの形状を示す.このスペクトルは,①本当に銅アセチルアセトナートであるのか,

②測定中に X 線の放射によって分解したり,チャージアップでピークが移動したりしたための正

しくないスペクトルであるのか,あるいは,③試薬びんには銅アセチルアセトナートと書いてあ

っても実際には別の物質が入っていたものなのか,と言うような判断をしなければならない.か

つて,このような①~③の判定をするために,物性物理の理論屋さんに計算をお願いしたことが

あった.「スペクトルが本当であることが確実でなければ計算はできないので,もっと良い実験を

して,そのスペクトルが確実だという確証を持ってきてください」と言われた経験がある.分析

者は自分なりの分子軌道法を用いた理論計算技術も身につけておくと,①~③の判定には大いに

役立つと信ずる.

Fig.1 Cu(acac)2の実測スペクトル(文献[1]より引用).

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2.ノイズについて XPSやEPMAなど電子や光子を計数する場合には,そのカウント数がNのとき,たとえばXPS

の場合に,ある結合エネルギーに固定して長時間同じ測定を繰り返すと,そのデータは N=σ

の正規分布 ⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎟⎠⎞

⎜⎝⎛ −

−σμ

πσx

21exp

21

になる.したがって,様々なデータ処理の適・不適を判定

するためのモデルデータを作るためには,まず一様乱数(Fig.2)をExcelのRAND関数等を用い

て発生させた後で,正規分布をもつ乱数に変換する必要がある.中心極限定理によって,k個の

一様乱数u1, u2, … ukから 1 個の正規乱数Zを,k

uuuk

Z k 121/)(1

21 ⎥⎦⎤

⎢⎣⎡ ++= L によって作るこ

とができる(Fig.3)[2].

Fig.2 Excel で作った一様乱数.

Fig.3 中心極限定理で作った正規乱数.

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Fig.4 半値幅 40 チャネル,バックグラウンド 10 カウント,ピーク強度 100 カウントのローレン

ツ関数に正規乱数をかぶせたモデルデータ.

この正規乱数に適当な因子をかけて N=σ に相当する正規分布を作り,ノイズのあるモデル

データ(Fig.4)とすることができる.Fig.4 は半値幅 40 チャネル,バックグラウンド 10 カウント,

ピーク強度 100 カウントのローレンツ関数( 211x+

を適当に並行移動,伸縮したもの)に対して

ノイズをつけたデータである. 3.フーリエ変換について XPS のデータ解析には,現在フーリエ変換はあまり使われていない.しかし大抵の XPS 装置

には FFT のデータ処理ができるようなソフトウエアがメニューの中から呼び出せるのではない

かと思う.1 次元のフーリエ変換の特徴は,Fig.5 に示したように,標準偏差σの正規分布をフー

Fig.5 ガウス関数とδ関数のフーリエ変換[3].

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Fig.6 ノイズの無い場合のフーリエ変換[3].

Fig.7 ノイズのある場合のフーリエ変換[3].

Fig.8 窓関数の例[3].

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Fig.9 Fig.7×Fig.8 [3].

Fig.10 Fig.9 のフーリエ逆変換 [3].

リエ変換またはフーリエ逆変換すると,σ1の正規分布になることである.もっと極端な場合には

δ関数が,一定値関数に変換される.XPS スペクトルにおいてノイズはδ関数のようなものであ

る.この性質を用いてノイズの除去が可能となる.Fig.4 のスペクトルをフーリエ変換すると,ノ

イズのない場合には Fig.6 が,ノイズのある場合には Fig.7 が得られる.縦軸のスケールが,ノ

イズのない場合とある場合で桁が違っている.すなわちノイズのある場合には,高い周波数成分

も減衰しない.高い周波数成分をカットする Fig.8 のような窓関数を,Fig.7 にかけると,Fig.9が得られる.Fig.9 をフーリエ逆変換すれば,ノイズのない Fig.10 のスペクトルを得る事ができ

る.ここでパラメータとして自由度があるのは,窓関数の形である.様々な窓関数が提案されて

いるが,Fig.8 で示したように非常に大胆にカットするフィルターをかけても,結構良い結果を得

る事ができる.Fig.10 では初めのローレンツ関数も同時にプロットしたが,面積の減少は,窓関

数が原因である.

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4.スムージングについて[3] サビツキー・ゴーレー法[4]のスムージングメニューが大抵の ESCA 装置には入っている.この

原理は,例えば 5 点スムージングの場合には,Fig.11 に示したように初めのノイズのあるデータ

(□)のうちから 5 点(■)を選び,2 次関数で最小 2 乗フィットして中央の値を○に置きかえ

るという手順で行なう.このとき,横軸が等間隔ならば,新しい中央の点 nx は,

3531217123 2112 ++−− −+++−

= nnnnnn

xxxxxx

という式によって簡単に計算できる.この返還式によって求められた nx を再び古い点としてもう

一度この式を使えば 2 回のスムージングを行なうことができる.Fig.4 のスペクトルを様々なパラ

メータのサビツキー・ゴーレー法スムージングを行なったときの結果を Fig.12 に示した.サビツ

キー・ゴーレー法の伝達関数は Fig.13 に示したようなものである.3節で述べたフーリエ変換の

窓関数として Fig.13 を用いたことと等価である. 2 次式によるサビツキー・ゴーレー法について説明したが,3 次式でも上の変換式は全く同じ係

数であり,パラメータとしては,何点・何回が自由に選べるのでどれを選んで良いか困ることに

なる.Proctor と Sherwood[5]によると, ① 半値全幅以内に N 点ある場合,点数としては 0.7N 以下を選ぶ. ② できるだけ少ない点数のスムージング(5 点)を繰り返し行なう(例えば 200 回). ③ 2a+1 点のスムージングをした後に 2b+1 点スムージングを行なうことは,2(a+b)+1 点のスム

ージングとほぼ等価な効果がある. ④ スムージングを行なったデータに対してガウス・ローレンツ関数などでピーク分離する. などの規則に従えば,濃度が低くてノイズだらけのデータからも,ケミカルシフトした複数の成

分を抽出して定量分析が可能である. ピーク分離まで行なう場合には,ピーク分離した一成分のピークの半値幅に測定点は最低でも

15 点程度は必要である.この 15 点から逆算して結合エネルギーの測定ステップ幅を決めると良

い.

Fig.11 2 次 5 点サビツキー・ゴーレー法 [3].

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Fig.12 スムージング結果.5点 1回,5点 10 回,5点 100 回,25 点 1 回 [3].

Fig.13 サビツキー・ゴーレー法の伝達関数[3].

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文献

[1] K. Okada, J. Kawai, A. Kotani: Triple-peak features of Cu 2p X-ray-photoemission spectrum

in copper acetylacetonate, Phys. Rev. B48, 10733-10738 (1993).

[2] 宮武修,脇本和昌:乱数とモンテカルロ法,森北出版(1978) p.24.

[3] 合志陽一,宮村一夫,早川慎二郎,河合潤,工藤正博,渡辺訓行:化学計測学,昭晃堂(1997)

7 章.

[4] A. Savitzky, M. J. E. Goley: Smoothing and Differentiation of Data by Simplified Least

Square Procedures, Anal. Chem. 36, 1627-1639 (1964).この文献の表では 25 点と 23 点にミ

スプリがあるので注意.正しい表は,Anal. Chem. 44, 1906-1909 (1972)にあり.

[5] A. Proctor, P. M. A. Sherwood: Smoothing of Digital X-Ray Photoelectron Spectra by an

Extended Sliding Least-Square Approach, Anal. Chem. 52, 2315-2321 (1980).

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EXCEL を使った正規乱数(標準偏差1,平均0)の発生方法 1.ツールの中からアドインを選択する.

2.アドインの中から分析ツールを選択する.

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3.以上の操作によってツールの中に「分析ツール」が作成される. 一度「分析ツール」が作成されれば,以上の操作は 2 度目から不要.2の操作のとき EXCELによっては,CD-ROM が必要な場合もある.

4.「分析ツール」を選択すると,下のようなメニューが現れるので,「乱数発生」を選ぶ.

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5.一変数で,平均0,標準偏差1の正規乱数を256個発生させてみる.

6.発生した乱数は,EXCEL の 1 行目に入る.

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7.この乱数について調べてみるには,「分析ツール」から「基本統計量」を選択する.その結果

は,下の図のようになる.これ以外に 0.1 ごとにヒストグラムをプロットする機能などがある.

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ORIGIN を使ったスペクトルの発生と Savitzky-Golay スムージング http://www.lightstone.co.jp/user/orgtech.html 参照

1.先ほどの EXCEL の乱数を ORIGIN の Y 行に貼りつける.

2.「作図」メニューの「統計グラフ」から「ヒストグラム」を選択しヒストグラムを描いてみる.

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3.関数グラフを作成する.新しいワークシートが表示されている状態で,「ファイル」メニュー

の「新規」を選択しその中から「関数」を選択する.

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4.ローレンツ関数を作る.高さ h,半値半幅 w,中心 u のローレンツ関数は,

2

2)(1w

uh−

表されるので,F1(x)=300/(1+(x-128)*(x-128)/(10*10)) は,FWHM=20ch,ピーク位置 128ch,ピーク高さ 300 カウントのローレンツ曲線となる.点密度を256にする.

OK をクリックしたら,グラフが現れるので,横軸をクリックして,範囲を1~256に変更す

る.

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5.「フォーマット」の中の作図の詳細(プロット)を選択し,「ワークシート」をクリックする.

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OK で新しいデータにコピーされる(下図).

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F1C1 グラフの曲線をクリックすると次のボックスが現れる.

ワークシートをクリックすると,新しい表にデータが入る(下図).128チャネルが300になっ

ている.図のプロット範囲を0~256や0~300などにすると正しく128chがピークに

ならないので注意する.

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6.上と同様に関数 F2(x)=x を発生させて,1~256までデータをつくる.

それを新しいワークシートの A(X)へ,上のローレンツ曲線を B(Y)へ貼り込む.

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7.新規列を追加する.

8.EXCEL で作った乱数を新規列 C(Y)に貼り込む.列どうしの計算を行なうために,「列値の設

定」を選択する.

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9.「列値の設定」で X 線のノイズは N の標準偏差を持つので, )()()( YCYBYB ⋅+ を計算

し D(Y)とする.

10.D(Y)をプロットすると下図のようになる.

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11.Savitzky-Golay スムージングを行なう.

9 点スムージングの場合

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グラフの中で曲線をクリックすると,各点のデータを表にすることができる. グラフの中で曲線をクリックすると,各点のデータを表にすることができる.

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様々な市販ソフトのスムージング関数の確認の方法. δ関数を作っておいてスムージングしてみる.1 回のスムージングで,Savitzky-Golay スムー

ジングの係数になれば合格. たとえば,KaleidaGraph(Windows 用バージョン3)では「マクロ」の中に smoothing があるが,

δ関数(11ch が1であとは0の 23 個のデータ)について 5 点スムージングを行なうと,下図のよ

うに 9ch から 13ch が 0.2 になる.このようなスムージングは,データ処理には使えない.

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