35
2-1 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性

情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

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2-1

情報デバイス工学特論

第2回

CMOSFETの基本特性

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2-2

Si 結晶

最初に半導体の電子状態について復習

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2-3

分子

原子

結合状態

反結合状態 結合状態 反結合状態

分子の形成

2 4 6 8

-0.2

-0.1

0.1

0.2

0.3

0.4

原子間の距離

ボンド長

結合エネルギー

電子

のエ

ネル

ギー

反結合状態

結合状態

エネルギー

エネルギー

波動関数

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2-4

結合状態

反結合状態

原子

原子間距離 大

エネルギー禁制帯

電子のエネルギー

分子 結晶

電子は動き回ることができる

運動エネルギー

運動エネルギー

結晶における電子のエネルギー

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2-5

I II III IV V VI VII VIIIH He

Li Be B C N O F NeNa Mg Al Si P S Cl ArK Ca Ga Ge As Se Br KrRb Sr

遷移金属

In Sn Sb Te I XeCs Ba 希土類 Tl Pb Bi Po At Rn

周期律表と原子の外殻電子配置

+e +2e +3e +4e +5e +6e +7e +8e

半導体

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2-6

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

原子 結晶

+4e +4e

+4e +4e +4e

+4e +4e +4e

+4e

+4e

+4e +4e +4e

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2-7

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

+4e

伝導電子

正孔

運動エネルギー

結晶における電子のエネルギー

伝導帯

価電子帯

基底状態では電子は価電子帯をすべて埋め、身動きできない

電子が励起されると伝導電子と正孔が形成される

伝導電子と正孔は結晶中を動くことができる

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2-8電子と正孔の熱的な形成

k

ET = 0

価電子帯を電子が完全に満たしている

価電子帯の電子が伝導帯に熱的に遷移

伝導電子

正孔

E

f(E)

ET > 0

f(E)

( ) ( )C

CEn D E f E dE

∞= ∫

( ) ( )1VE

Vp D E f E dE−∞

= −⎡ ⎤⎣ ⎦∫

( ) ( )3 2*

2 3

2

2e

C C

mD E E E

π= −

( ) ( )3 2*

2 3

2

2h

V V

mD E E E

π= −

( ) 1

1F

B

E Ek T

f Ee

−=

+

状態密度

EF

伝導電子濃度

正孔濃度

Fermi –Dirac 分布関数

E : 電子のエネルギーEF : フェルミ準位kB : Boltzmann 定数T : 絶対温度

伝導帯(conduction band)

EC

EV価電子帯(valence band)

me* : 電子の有効質量

mh* : 正孔の有効質量

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2-9

( )3 2 3 2* *

2 3 20

22 exp

2 21

C F

B

e e B C FE E E

Bk T

m m k T E EEn dEk T

eπ π

+ −

⎛ ⎞⎛ ⎞ −= ≅ −⎜ ⎟⎜ ⎟

⎝ ⎠ ⎝ ⎠+∫

( )3 2 3 2* *

2 3 20

22 exp

2 21

V F

B

h h B V FE E E

Bk T

m m k T E EEp dEk T

eπ π

− +

⎛ ⎞⎛ ⎞ −= ≅ ⎜ ⎟⎜ ⎟

⎝ ⎠ ⎝ ⎠+∫

0

12

axe xdxa a

π∞ − =∫

C F BE E k T− >>

F V BE E k T− >>

有効状態密度

exp C FC

B

E En Nk T

⎛ ⎞−= −⎜ ⎟

⎝ ⎠

exp V FV

B

E Ep Nk T

⎛ ⎞−= ⎜ ⎟

⎝ ⎠

3 2*

222

e BC

m k TNπ

⎛ ⎞= ⎜ ⎟

⎝ ⎠

3 2*

222

h BV

m k TNπ

⎛ ⎞= ⎜ ⎟

⎝ ⎠

伝導帯の有効状態密度

価電子帯の有効状態密度

EF

EC

EV

kBT ~ 0.026eV

EG =1.1eV(Si)

EG = EC − EV

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2-10

2inp n=

exp2

Gi C V

B

En N Nk T

⎛ ⎞= −⎜ ⎟

⎝ ⎠

真性キャリヤ密度

真性半導体(不純物を含まない半導体)では

伝導電子・正孔は熱的に励起される

in p n= =

ln2 2

C V VBFi

C

E E Nk TEN

⎛ ⎞+= + ⎜ ⎟

⎝ ⎠真性フェルミ準位

1.45 x 1010 cm-3

1.E+00

1.E+05

1.E+10

100 200 300 400

T [K]

Si

n i[c

m-3

]

(室温)

exp C FC

B

E En Nk T

⎛ ⎞−= −⎜ ⎟

⎝ ⎠exp V F

VB

E Ep Nk T

⎛ ⎞−= ⎜ ⎟

⎝ ⎠

Si 300K

NC = 2.8 x 1019 cm-3

NV = 1.04 x 1019 cm-3

ni = 1.45 x 1010 cm-3

EG = 1.08 eV

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2-11

希土類 TlInGaAlB

III

PbSnGeSiC

IV

BiSbAsPN

V

PoTeSeSO

VI

RnAtBaCsXeISrRbKrBr遷移金属CaKArClMgNaNeFBeLi

HeHVIIIVIIIII

希土類 TlInGaAlB

III

PbSnGeSiC

IV

BiSbAsPN

V

PoTeSeSO

VI

RnAtBaCsXeISrRbKrBr遷移金属CaKArClMgNaNeFBeLi

HeHVIIIVIIIII

+e +2e +3e +4e +5e +6e +7e +8e

+4e

+4e

+4e

+3e

+4e

+4e

+4e +4e +4e

+4e

+4e

+4e

+5e

+4e

+4e

+4e +4e +4e

p型半導体 n型半導体

III族の原子(アクセプタ)を入れる V族の原子(ドナー)を入れる

不純物の添加により結晶の中を自由に動き回れる伝導電子と正孔を作りだすことができる

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2-12

p 型半導体 n 型半導体

不純物の添加はフェルミ準位で表される

真性半導体

伝導帯

価電子帯

伝導帯

価電子帯

伝導帯

価電子帯

ドナー

アクセプタ

1.1eV

~0.05eV

~0.05eV

エネルギー

f (E)0 1

E

f (E)0 1

E

f (E)0 1

E

EF

EF

EF

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2-13

n 型半導体

アクセプタ準位、ドナー準位

伝導帯

価電子帯

ドナー準位~0.05eV

伝導帯

価電子帯

+q

-q電子

ドナー

電子がドナーに束縛されている状態( 原子軌道に似た

状態 )

+q

電子がドナーに束縛されていない状態( 真空準位に似た

状態 )4

2 28mqE

hε=

原子:Rydberg =13.6 eVSi:ε = 11.9 ε0

2

13.6 0.1 eV11.9

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2-14熱平衡でのキャリヤ濃度

EC

EFEV

C F

B

E Ek T

Cn N e−

=

F V

B

E Ek T

Vp N e−

=

F Fi

B

E Ek T

in n e−

=

F Fi

B

E Ek T

ip n e−

=

EFi

電気的中性条件 D AN N n p− = −

1sinh2

B D AF

i

k T N Nq n

φ − ⎛ ⎞−= − ⎜ ⎟

⎝ ⎠

F

B

qk T

in n eφ

=

F

B

qk T

ip n eφ

=

φF : フェルミポテンシャル

ND : ドナー濃度NA : アクセプタ濃度

ND , NA [cm-3]

( )1 2sinh ( ) ln 1x x x− = + +

ln(2 )x≅ln( 2 )x≅ − −

1>>x

1−<<x

φ F[V

]

ND

NA

エネルギー禁制帯

-1.0

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023

F Fi FE E qφ− = −

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2-15

EC

EV

EF

伝導帯

価電子帯

エネルギー

E真空

電子のエネルギー分布

f(E)

E E

0 1

電子の状態密度(量子準位の数)

D(E)0.5 0

伝導電子

正孔

バンド図

バンド図

EF は電子のエネルギー分布をEC , EV は電子の状態密度を代表

バンド図を見たらこのような図がすぐ思い浮かぶようにしよう

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2-16電界がある場合のバンド図

伝導帯

価電子帯

結晶内電子状態のエネルギー

+

−qφ

静電エネルギー

=

位置

位置

トータル・エネルギー

伝導帯

価電子帯

伝導電子の運動エネルギー

正孔の運動エネルギー

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2-17

伝導帯

価電子帯

位置

FiECE

VE

真空E

電界がある場合(静電ポテンシャルが変化している場合)のフェルミポテンシャル

φqEE −= 0真空真空

φqEE CC −= 0

φqEE VV −= 0

φqEE FiFi −= 0

FFiF qEE φ−=− 0

( )φφ −−=− FFiF qEE

○ 上添え字0はφ = 0のときの値を表す

フェルミポテンシャル○ 静電ポテンシャル φ には

直接依存しない○ 平衡状態では場所に依ら

ない一定値

F Fi

B

E Ek T

in n e−

=F Fi

B

E Ek T

ip n e−

=

( )FB

qk T

in n eφ φ− −

=

( )FB

qk T

ip n eφ φ−

=

FE

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2-18

VA X

V

X = VA − VB

VB

ここでは、物理量を矢印で表したとき、矢印の先の座標値から

矢印の元の座標値を差し引いた値で定義することにする。

座標軸の方向に矢印が向いている場合には物理量は正( X > 0 )

座標軸と反対に矢印が向いている場合には物理量は負( X < 0 )

矢印による物理量の表し方について

また、 VA − VB  を VAB で表す

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2-19p 型半導体と n 型半導体をつなげると

平衡状態ではフェルミ準位(フェルミポテンシャル)はどこでも同じ値でなければならない伝導帯

価電子帯

伝導帯

価電子帯

ドナー

アクセプター

p 型半導体

n 型半導体

フェルミ準位

エネルギー

フェルミ準位: 電子を1個付け加える

のに必要なエネルギー

フェルミ準位が場所に依って異なるとフェルミ準位の低いところに電子が移動

pn接合部で静電ポテンシャルが

空間的に変化(電気2重層による電界の発生)

( )F nB

qk T

D iN n eφ φ− −

=( )F p

B

qk T

A iN n eφ φ−

=

ビルトインポテンシャル

2lnB A Dbi n p

i

k T N NVq n

φ φ⎛ ⎞

= − = ⎜ ⎟⎝ ⎠

−qVbi

φ = φp φ = φn

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2-20外部印可電圧は静電ポテンシャルでは無く、フェルミポテンシャルを与える

qΦM

‐qV1 ‐qV2

真空レベル

p n電極 電極

孤立して置いた場合

接続した場合(V1 = V2) 電位差

電極での接触電位

‐qV1‐qV2

接続した場合(V1 ≠ V2)

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2-21非平衡状態への拡張

非平衡状態

電流 ≠ 0熱平衡状態

電子の流れが無い状態

( )FB

qk T

in n eφ φ− −

=

( )FB

qk T

ip n eφ φ−

=

( )FnB

qk T

in n eφ φ− −

=

( )FpB

qk T

ip n eφ φ−

=

φF : フェルミポテンシャル φFn : 電子擬フェルミポテンシャルφFp : 正孔擬フェルミポテンシャル

電流密度 n nnj q nE qD nμ= + ∇

p ppj q pE qD pμ= − ∇

n Fnnj q nμ φ= − ∇

p Fppj q pμ φ= − ∇

平衡状態(電流 = 0)は擬フェルミポテンシャル

が場所に依らず一定ということで表される

外部の電源(電圧 V )とオーミック・コンタクトで接続している場合

接続点で外部電源と熱平衡にあるとして φFn = φFp = V

擬フェルミポテンシャルは imref とも呼ばれる。 imref は Fermi を逆に書

いたもの

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2-22MOSキャパシタ

p型Si

絶縁体(酸化膜)

金属

ゲート(VG )

基板(0V)

0

x

EC

EV

EF-qVG

-qφS

x0

エネルギー

ゲートのフェルミ準位

コンタクトでのフェルミ準位=外部印加電圧

EFi

0FiE

-qφF

Page 23: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-23Flat-band 電圧

EC

EF

EVEFM

-qVFB

-qχ-qΦM

真空レベル

EM FB F Cq qV E E qχ− Φ = − + − −

C FiFB M F

E EVq

χ φ −= Φ − − −

EC

EF

EV

EFM

界面電荷 Qi+

酸化膜中のイオン 酸化膜中の電荷や界面電荷が存在すると、それによる電位も補わなければならない

0 0( )1

oxt

iFB FB

ox ox ox

x xdxQV VC C t

ρ= − − ∫

酸化膜中の電荷密度oxox

ox

Ctε

=

Al 4.1 eV

n+-polySi 4.0 eVΦM

p+-polySi 5.2 eV

χ 4.05 eV

(EC-EFi)/q 0.55 eV

数値例(300K)

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2-24半導体領域( x > 0 )において

伝導電子濃度

正孔濃度

Poisson 方程式

2

2S

ddx

ρφε

= −

( )D Aq N N n pρ = − − +

x → ∞ で ρ = 0, φ = 0

F FB B

q qk T k T

D A i iN N n e n eφ φ−

− = −

2

2 1 1F F

B B B B

q q q qk T k T k T k Ti

S

qnd e e e edx

φ φ φ φφ

ε

− −⎡ ⎤⎛ ⎞ ⎛ ⎞= − − − −⎢ ⎥⎜ ⎟ ⎜ ⎟⎜ ⎟ ⎜ ⎟⎢ ⎥⎝ ⎠ ⎝ ⎠⎣ ⎦

EC

EV

EF-qVG

-qφS

x0

エネルギー

ゲートのフェルミ準位

EFi

0FiE

-qφF

( )FB

qk T

in n eφ φ− −

=

( )FB

qk T

ip n eφ φ−

=

Page 25: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-25

-0.5 0 0.5 1 1.5

1.×10−8

1.×10−6

0.0001

0.01

xdEdxφ

= −

22 ,F

B

qk TB

xD B

k T qE F eqL k T

φφ −⎛ ⎞

= ⎜ ⎟⎜ ⎟⎝ ⎠

( ) ( ) ( ), 1 1x xF x y sign x e x y e x−= + − + − −

電界

半導体基板中の電荷量(単位面積あたり)

2B S

DA

k TLq N

ε= : extrinsic Debye length

( )2

0

20 ,F

B

qk TS B S

S S xD B

k T qQ dx E x F eqL k T

φε φρ ε−∞ ⎛ ⎞

= = − = = − ⎜ ⎟⎜ ⎟⎝ ⎠

|QS

| [C

/cm

2 ]

φS [V]

EV Ei EC

accumulation depletion weakinversion

stronginversion

EF φF φF

QS < 0QS > 0

NA = 2x1017 cm-3

Page 26: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-26

-0.5 0 0.5 1 1.5

1.× 10−8

1.× 10−6

0.0001

0.01

|QS

| [C

/cm

2 ]

φS [V]

EV Ei EC

accumulation depletion weakinversion

stronginversion

EF φF φF

QS < 0QS > 0

1×10-7 2×10-7 3×10-7 4×10-7 5×10-7

-1.5

-1

-0.5

0.5

1

1.5

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

-1.5

-1

-0.5

0.5

1

1.5

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

-1.5

-1

-0.5

0.5

1

1.5

1×10-7 2×10-7 3×10-7 4×10-7 5×10-7

-1.5

-1

-0.5

0.5

1

1.5

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

-1.5

-1

-0.5

0.5

1

1.5

x = 0 付近(青鎖点領域)

を拡大

Ec

EV

EF

φs = 1.4V

φs = 0.5V

φs = −0.5V

伝導電子が界面に誘起

LD

正孔が界面に誘起

LD ~ 9.2nm

~1nm

・空乏層の幅は LD の5~10倍

・反転層、蓄積層の厚さは LD よりもはるか

に小さい

x

空乏層 反転層

蓄積層

Page 27: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-27

-15 -10 -5 5 10 15

-0.25

0.25

0.5

0.75

1

ゲート電圧との関係

-qVox

ゲート絶縁膜での電圧降下

VG − VFB

tox = 10 nmNA = 2x1017 cm-3

φS

2φF

G FB ox SV V V φ− = +

Sox

ox

QVC

= −

oxox

ox

Ctε

=

SG FB S

ox

QV VC

φ− = − +

tox

p型Si

絶縁体(酸化膜)

金属

ゲート(VG )

基板(0V)

EC

EV

EF-qVG

-qφS

x0

エネルギー

ゲートのフェルミ準位

EFi

0FiE

-qφF

Page 28: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-28

-3 -2 -1 1 2 3 4 5

0.2

0.4

0.6

0.8

1

MOS キャパシタ

キャパシタンス(単位面積あたり)

Cs :半導体のキャパシタンス

Cox : 絶縁膜のキャパシタンス

SS

S

dQCdφ

= −

VG − VFB

C/Cox

CFB

φS =2φF

( 0) ss s

D

CLεφ = ≅

1 1 1

ox SC C C= +

attox = 10nmNA = 2x1017cm-3 1

FBox D

ox S

C t Lε ε

=+

p型Si

絶縁体(酸化膜)

金属

ゲート(VG )

基板(0V)

Page 29: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-29

-3 -2 -1 1 2 3 4 5

0.2

0.4

0.6

0.8

1

計算式 低周波 高周波 強反転

MOS キャパシタ -高周波

反転層

空乏層

反転層の電子は端子に接続されてなく、孤立している

反転層の電子密度が変わるには電子・正孔対の形成が必要

電子・正孔対形成のレートは小さく、反転層の電子が平衡に達するには時間が必要

高周波でのキャパシタンス

反転層の電子は追従できず電子密度は凍結される

2 ,S B SS

D B

k T qQ F yqL k Tε φ⎛ ⎞

= − ⎜ ⎟⎝ ⎠

SS

S

dQCdφ

= −

低周波

高周波

VG − VFB

C/Cox

SG fb S

ox

QV VC

φ− = − +

強反転高周波:直流ゲート電圧+高周波小信号強反転:ゲート電圧を高速に変化

p型Si

絶縁体(酸化膜)

金属

ゲート(VG )

基板(0V)

y = 0

y = 0

y = 02 F

B

qk Ty e

φ−

=

2 F

B

qk Ty e

φ−

=2 F

B

qk Ty e

φ−

=

電子密度の項

Page 30: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-30

φs = 1V

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

5×1016

1×1017

1.5×1017

2×1017hole concentration

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

1×1015

2×1015

3×1015

4×1015

5×1015

6×1015

7×1015

electron concentration

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

-1.5

-1

-0.5

0.5

1

1.5

EC

EFEV

強反転領域でのキャリヤ分布

NA

p [cm-3]

n [cm-3]

不純物電荷(空乏層)

反転層の電子電荷

QB

x

Qn

電荷密度

0S n BQ dx Q Qρ∞

= = +∫

( )0B A DQ q N N p dx∞

= − − −∫

0nQ q ndx∞

= − ∫

0

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2-31

0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5

2×10-6

4×10-6

6×10-6

8×10-6

空乏層近似で QB を評価

5×10-6 0.00001 0.000015 0.00002

5×1016

1×1017

1.5×1017

2×1017hole concentration

NA

p [cm-3]

x

NA

p

00 W

2

2A

S

qNddx

φε

= ( 0 < x < W )

2

2 0ddx

φ = ( W < x )

2( )2

A

S

qN W xφε

= −

2

2A

SS

qN Wφε

=0ddxφφ = = ( x = W )

B AQ qN W= −

W [cm]

VG − VFB

最大空乏層幅( φS = 2φF )max 2 S F

A

WqNε φ

2B A S SQ qN ε φ= −

空乏層近似

計算式(p = NA/2となる点で評価)

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2-32

15 16 17 18

0.5

1

1.5

2

2.5

3

閾値反転層が形成されるゲート電圧

S n BQ Q Q= +

2S Fφ φ≅

10 10 1010

[V]

NA [cm-3]

基板濃度により閾値の調整が可能

SG FB S

ox

QV VC

φ− = − +

( ) ( )2 20 A S F

T T F Fox

qNV V

Cε φ

φ φ≅ = + +

( )0T T FV V φ− =

(反転層の伝導電子濃度=基板濃度)

反転層の電荷 Bn ox G FB S

ox

QQ C V VC

φ⎛ ⎞

= − − − +⎜ ⎟⎝ ⎠

( )ox G TC V V= − −

( )2 22 A S FB

T FB S FB Fox ox

qNQV V VC C

ε φφ φ= + − ≅ + +閾値

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2-33MOSFETの特性解析

MOSFETではソース、ドレインが加わり、電位

関係が複雑

gradual channel 近似

○ y 方向の電界は x 方向の電界に比べ小いと

仮定

○ チャネルが形成されているとする

○ チャネルの電位(電子の擬フェルミポテンシャ

ル)はソース・ドレインの電圧で決められる

[ ]2 2B A S F BQ qN V Vε φ= − + −

[ ]2 Bn ox GB FB F B

ox

QQ C V V V VC

φ⎛ ⎞

= − − − + − +⎜ ⎟⎝ ⎠

( )2 22 A S F BS

T FB Fox

qN VV V

Cε φ

φ−

≅ + +

n n

p

0 L

x

VDy

VS

ソース ドレイン

VGゲート

VB 基板

チャネル 空乏層

( )( )n ox G TQ C V V V y= − − −

(0) SV V=

( ) DV L V=

−qVB−qV

−q(V−VB+2φF) −qφF

−qφF

x0

EFi

チャネルは強反転しており、電子の擬フェルミポテンシャルは EFi の qφF上にある

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2-34

(0) SV V=

( ) DV L V=

( )( )n ox G TQ C V V V y= − − −

ydVEdy

= −

n n n yI W Q Eμ=

( )n n ox G TdVI W C V V Vdy

μ= − −

( )0

1 D

S

L Vn oxD n G TV

W CI I dy V V V dVL L

μ= = − −∫ ∫

( ) 212

n oxD GS T DS DS

W CI V V V VL

μ ⎡ ⎤= − −⎢ ⎥⎣ ⎦

ゲート直下、ソースからドレインまで反転層が形成される

0GS T DSV V V− > >

n n

p

0 L

x

VDy

VS

ソース ドレイン

VG

ゲート

VB 基板

VC (y)

チャネル 空乏層

Page 35: 情報デバイス工学特論 第2回 CMOSFETの基本特性 結合状態 反結合状態 原子 原子間距離大 エネルギー禁制帯 電子のエネルギー 分子 結晶

2-350DS GS TV V V> − >

( )( )n ox G TQ C V V V y= − − −

Qn < 0 反転Qn > 0 空乏

pinch-off

pinch-off 点 (Qn = 0) が存在

電流は反転層での伝導で決まる

0 Lp L

VDS の残りは空乏領域に

かかり、pinch-off 点の電

位はほとんど変わらない

( ) ( )2 12

n oxD GS T DS

W CI V V VL

μ λ= − +

VDsat

VDS − VDsat

Dsat GS TV V V= −

実行チャンネル長 L が減少

( )1 1 1 11 1 DSp

L VL L L L L L

λΔ⎛ ⎞= ≅ + ≅ +⎜ ⎟− Δ ⎝ ⎠

n n

p

0 L

x

VDy

VS

ソース ドレイン

VG

ゲート

VB 基板

VC (y)

チャネル 空乏層

Lp