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ECO LIFE BY MITSUI HOME 環境・社会報告書 2010 2010 ECO LIFE BY MITSUI HOME 三井ホーム株式会社/(社)日本ツーバイフォー建築協会正会員 国土交通大臣許可(特-19)第8030号 本社/〒163-0453 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 新宿三井ビル53階 お問い合わせ先/環境推進室 TEL:03-3346-4834 FAX:03-3346-4844 © 2010年11月 三井ホーム株式会社 本誌の印刷には、環境に 配 慮した植 物 性 大 豆 油 インキを使用しています。

三井ホーム - 『環境・社会報告書2010 ECO LIFE BY MITSUI HOME』

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ECO LIFE BY MITSUI HOME

環境・社会報告書2 0 1 02 0 1 0

ECO LIFE BY MITSUI HOME

三井ホーム株式会社/(社)日本ツーバイフォー建築協会正会員 国土交通大臣許可(特-19)第8030号 本社/〒163-0453 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 新宿三井ビル53階お問い合わせ先/環境推進室 TEL:03-3346-4834 FAX:03-3346-4844

©2010年11月 三井ホーム株式会社

本誌の印刷には、環境に配慮した植物性大豆油インキを使用しています。

C O N T E N T S

編集にあたって「環境・社会報告書2010」は、三井ホームの住まいづくりにおける環境と社会性

への考え方と、その対応について紹介しています。特に本年度は、新たな環境

ビジョンと環境中期計画(エコ・アクションプラン2016)を掲載しています。

P.10~25は、環境報告として「トピックス」「木の循環」「環境保全活動」「オフィ

ス等の環境配慮」などについて掲載し、続くP.26~33で、社会性報告として「法

令等遵守の徹底とIR活動」「安心できる住まい」「働きやすい環境」「社会活動等」

について報告しています。また、巻末には、枝廣淳子氏の第三者による意見を掲載

いたしました。詳細につきましては、上記CONTENTSをご参照ください。

商  号

本  社

設  立

資 本 金

従業員数

主な事業内容建設工事の設計・施工監理・施工請負、不動産の販売、その他関連事業

三井ホーム株式会社Mitsui Home Co.,Ltd.

〒163-0453 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号新宿三井ビル53階Tel 03(3346)4411(代) 昭和49年10月11日

 139億70万円

2,187名

会社概要

所属団体社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

社団法人 住宅生産団体連合会

財団法人 住宅生産振興財団

社団法人 プレハブ建築協会

社団法人 不動産協会

建設業許可国土交通大臣許可(特-19)第8030号

宅地建物取引業者免許国土交通大臣(9)第2531号

主要な営業拠点とハウジングパートナー

● 全商品長期10年保証制度を開始

● パッシブソーラーシステム住宅「HOPES-204」が「優良省エネルギー住宅」認定取得

● 超高断熱高気密住宅「M-5000」実験棟完成

● 「Rコントロール住宅」が建設大臣システム認定取得● 大手ハウスメーカー初「長期20年保証システム」導入

● 高気密・高断熱住宅快適空調換気システム「MYKA(マイカ)」を東芝と共同開発

● 太陽光発電システム「MESOT(メソット)」発表● 通商産業省研究プロジェクト「ハウスジャパン」に参画、リモデリング技術で成果

● 環境共生実験住宅「ED-1」完成● 高齢社会対応実験住宅「UD-1」完成「長寿社会研究所」設立● 免震木造住宅「M-400」を鹿島建設と共同開発、免震構造評定を取得

● 「阪神・淡路大震災2×4住宅 3,568棟の記録」報告書作成

● 産業廃棄物管理規程類制定、管理体制整備● 賃貸住宅に大手ハウスメーカー初「長期20年保証システム」導入

● 高気密・高断熱「ダイナブレス」発表● 新築現場から排出される廃石膏ボードのメーカーリサイクル開始

● 大半の商品に次世代省エネルギー仕様を標準設定● 「ECO Design(エコデザイン)」が環境共生住宅システム供給型認定を取得

● 安心の10年再保証システム「リ・ブライト」導入● 『環境宣言』発表

● 太陽光発電システムを標準搭載した「バーリオ・ソーラーコンポ」発売● 「ツーバイフォー工法」で環境共生住宅認定を取得● 住宅性能表示制度で「住宅型式性能認定」、「型式住宅部分等製造者認証」取得

● 工事現場シートを非塩ビに切り替え● 目立たないソーラーシステム「瓦材一体型ソーラーシステム」開発

● 多摩美術大学との共同プロジェクト「高齢者の住まいと生活空間の提案」● 「ダブルシールドパネル」を大半の商品の屋根材に標準設定

● 基礎パッキン「サスマックス」がエコマークを取得● 免震木造住宅「M-400」が免震システム認定を取得● フリー商品において「次世代省エネルギー基準対応」「6インチダブルシールドパネル」「1階の有効天井高2.6m」を標準化(10月~)

● 「換気システムハイブリッド・炭フィルター式」を共同開発● 業界初「全館空調システム加湿機能付」を商品設定● 耐火構造認定を取得● 60年点検システム「キープウェル」導入

● 新潟県中越地震被害調査報告書作成  ● お住まいを売却する時のための「売却安心システム」導入● 創立30周年記念 カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州植林● 「ファイヤーブロックウォール工法」湿式外壁による木造の耐火構造認定を取得

● 住宅部資材の共同購買を開始● 三井ホームコンポーネント30周年記念カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州植林

● 三井ホーム倶楽部のエッセイ集「My Life」制作テーマは "わが家の思い出"

● チームマイナス6%活動として、モデルハウスでの消灯実施● 父親応援サイト「papa@home」の立ち上げと情報発信● 外壁吹付け仕上用トップコート(トップコートシャイン)設定

● 環境対応特別仕様「プレミアムエコ仕様」発売● 超長期住宅先導的モデル事業に参加、採択される● 優良ストック住宅(SumStock)の普及推進

● ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2009受賞● 長期優良住宅先導的モデル事業に参加、採択される● 新商品グラセナ、グッドデザイン賞受賞● 三井ホームカナダ植林を実施

1982年

1985年 1988年 1992年

1993年

1994年

1995年

1997年

1998年

1999年

2000年

2001年

2002年   2003年   

2004年     2005年

  2006年

2007年

2008年

2009年

環境活動のあゆみ

■ 本報告書の対象範囲対象組織 : 三井ホーム株式会社報告の一部にグループ企業の活動を含みます。対象期間 : 2009年4月~2010年3月必要に応じて2008年度以前・2009年度以降の活動内容も掲載しています。会社概要等P.2については2010年4月1日現在

■ 本報告書に関するお問い合わせ環境推進室〒163-0453 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 新宿三井ビル53階Tel 03(3346)4834 FAX:03(3346)4844E-mail : [email protected]発行日 2010年11月 次回発行予定 2011年7月

三井ホーム(株)

三井ホームコンポーネント(株)

三井ホームコンポーネント関西(株)

九州ツーバイフォー(株)

Mitsui Homes Canada,Inc.

三井デザインテック(株)

三井ホームエステート(株)

(株)三井ホームデザイン研究所

三井ホームリンケージ(株)

三井ホームエンジニアリング(株)

三井ホームテクノス(株)

ホームマテック(株)

三井ホームリモデリング(株)

ハウジングパートナー 9社

法人営業本部

法人第1営業部法人第2営業部

北関東営業本部

埼玉支店埼玉南支店

栃木支店

東関東営業本部

千葉支店 柏支店

東京営業本部

東京支店東京南支店

東京北支店東京西支店

西日本営業本部

開発営業部大阪支店大阪南支店

神戸支店京滋支店中国支店

ハウジングパートナー直販営業拠点

中部営業本部

名古屋支店名古屋北支店

三重支店

九州営業本部

九州支店

神奈川・静岡営業本部

横浜支店横浜南支店湘南支店

神奈川中央支店静岡支店

東北・北海道営業本部

東北支店

開発企画本部

開発第1営業部開発第2営業部

群馬ホーム(株)

茨城中央ホーム(株)

北新越ホーム(株)

長野中央ホーム(株)

姫路ホーム(株)

四国中央ホーム(株)

新四国ホーム(株)

三井ホーム北海道(株)

三井ホーム鹿児島(株)

300,000

250,000

200,000

150,000

100,000

50,000

0

(百万円)

売上高(連結)の推移

(年度)2007

245,532

2008 2009

234,779234,779234,779209,924

売上高(単独)の推移

200,000

150,000

100,000

50,000

0

(百万円)

(年度)2007

161,545

2008

156,438

2009

138,874138,874138,874

三井ホームグループ 財務データ

許認可登録

会社概要・環境活動のあゆみ

トップメッセージ

環境コミュニケーション

環境ビジョン&環境中期計画

環境活動推進体制

23579

環境報告

 トピックス

 木を使う

 木でつくる

 木に暮らす

 木を再利用する

 環境保全活動

 オフィス等の環境配慮

1011131517192125

社会性報告

 法令等遵守の徹底とIR活動

 安心できる住まい

 働きやすい環境

 社会活動等

第三者による意見

2627293133

34

1 2

ティ元年と位置づけ、社員研修、意識向上に一層の力を入れています。

 着工時、ご入居時、お住まいになって二年後のお客様アンケートは、

今日からの三井ホームの課題を見出す貴重な声であり、永くお付き合

いいただくための礎として活用しています。

 また、永く暮らし継いでいただけるよう、今年度下半期より長期の点

検・メンテナンスシステム、ご家族やライフステージの変化にともなう

サポート体制をさらに充実させました。住まいのリフォーム、不動産資

産などさまざまなご要望にグループを挙げてきめ細かくお応えしてま

いります。

 今日、地球温暖化、エネルギー資源の問題そして持続可能な資源調

達が喫緊の課題となっている中、家づくりにかかわるCO2排出やエネ

ルギー使用量、家庭からの排出CO2量などの削減に対する積極的な

取り組みは、企業責任としてまっとうしていかなければならない最重

要ファクターです。太陽光発電などのクリーンエネルギー搭載、開発

を推進し、住宅のエネルギー効率をさらに高めるべく活動しています。

 環境配慮とともに企業の社会的責任と法令遵守の徹底をグループ

社員一人ひとりが常に意識するとともに、教育、研修などの機会を通し

て、企業価値を高める人材育成、社内風土の醸成をさらに推進してま

いります。

 本報告書は、2009年度の三井ホームグループの環境保全活動な

らびに社会的責任に対する姿勢と取り組みについてまとめ、ご報告す

るものです。ご高覧のうえ、忌憚のないご意見を頂載いただけました

なら幸いに存じます。

 住まいは、家族が一番好きな場所でありたい。次の世代に暮らし継

がれ、いつまでも人生をはぐくむ場所でありたい。三井ホームはその

思いを実現するため、住まわれる方のための家づくりを目指してきま

した。

 心地よく、永く愛され住み続けたい家とは、暮らしをつくり、地域や自

然に溶け込み、豊かな住環境に貢献する社会の資産になりうるものです。

 「日本の住文化、住生活の進歩向上に寄与し、人々の幸福増進のため

に役立つ企業でありつづける」という経営基本理念のもと、このたび、

三井ホームグループは環境ビジョンを「木の家、暮らしデザイン」宣言

として発表し、環境活動が新しいフェーズに入りました。高い環境性能

と感性価値を両立した住まいを実現し、お客様と社会、地球環境ととも

にある企業グループとして、持続可能な社会に貢献してまいります。

 三井ホームが目指す、いつまでも愛着をもって暮らし継がれる住

まいには、妥協しない高い品質とお客様に対するホスピタリティが両

輪であると考えています。

 そのために私たちは、家づくりの素材として木を、その工法として

ツーバイフォーを選びました。木は炭素を体内に固定し、生産時から

いつかその役割を終えるまでの間、最も環境負荷の小さい素材の一

つです。2010年10月には「公共建築物等における木材の利用の

促進に関する法律」が施行されました。社会福祉施設や学校をはじめ

として木造建築に対して注目度がさらに高まってきており、三井ホー

ムもコミュニケーションセンターや福祉施設など、施設建築の分野

においても事業の幅を広げています。

 さらに、木を構造の基本素材とするツーバイフォー工法は、耐震

性、耐火性、断熱・気密性に富み、優れた耐久性能を発揮し、木造建

築では世界中で採用されています。三井ホームグループはツーバイ

フォーのリーディングカンパニーとして、高断熱パネル、耐火建築を

はじめとする技術により、3年連続で「長期優良住宅モデル事業」に

採択されました。環境に配慮し、これからの住まいにおける快適性も

併せて実現する住まいを、お客様お一人おひとりのために提案し続

けています。

 「品質」とは建物性能の高さ、施工技術の確かさだけではありません。

正確で迅速な業務であることは当然のこととして、社員一人ひとりの

的確で一歩先をいくご対応こそが、三井ホームグループたる品質を体

現するものでなければなりません。お客様のご要望、ご期待に高いレベ

ルでお応えすることを肝に銘じ、私たちは今年度を改めてホスピタリ

Top Messageトップメッセージ 経営基本理念

ツーバイフォー住宅のリーディングカンパニーとして、わが国の住文化、住生活の進歩向上に寄与し、

人々の幸福増進のために役立つ企業でありつづける。

2009年10月、三井ホーム創立35年を機に「暮らし継がれる家」を新たなブランドメッセージとしました。「永く住める家」から、建てた誇りが時とともに深まる「永く愛せる家」へ。街の風景になるデザイン、暮らしの変化に対応する空間、100年後も継承可能な工法、優れた環境性能と確かな耐久性。それらすべてを高レベルで実現すること。それにより暮らすほど愛着が湧き、その愛着が世代を超えて受け継がれる家になる。それが三井ホームの願いです。

暮らし継がれる家

日本の住文化、住生活の進歩向上に寄与します。日本の住文化、住生活の進歩向上に寄与します。

お客様の継続的な満足を第一義として、

ブランド価値向上に努めます。

お客様の継続的な満足を第一義として、

ブランド価値向上に努めます。

住宅市場における「三井ホームグループ」の

強みを明確化し、競争力を強化することにより収益の向上を図ります。

住宅市場における「三井ホームグループ」の

強みを明確化し、競争力を強化することにより収益の向上を図ります。

三井ホームグループ経営ビジョン三井ホームグループは、

以上により企業価値を高めてまいります。

世代を超えて暮らし継がれる家をつくる

暮らし継ぐ高い品質を追求しつづける

「お客様の立場」を貫くホスピタリティを実行する

地球の一員として、社会の構成員として

三井ホーム株式会社代表取締役社長

環境配慮を推進し

暮らし継がれる価値を

高めること

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

3 4

(有)イーズ代表

枝廣 淳子 氏

地球温暖化の本質 ビジョンをつくる上での考え方  生活者の視点や動向 さまざまなステークホルダーとのコミュニケーションリスクマネジメント

主なテーマ

■ 企業姿勢を確立して積極的なコミュニケーション創出

■ バックキャスティングで、ストーリー性のある環境ビジョン策定

三井ホームグループは持続可能な社会の実現のために環境面における取り組みが最重要課題だと考えています。

家をつくる企業として、何を守っていくべきなのか、また、どのような環境価値を社会に提供していく必要があるのかを探るべく、

「環境マネジメント」「森林資源」「CO2削減(省エネ・省資源)」「モノづくり(生物多様性・次世代エコデザイン)」の4つの観点から

有識者をお招きし、当社トップを交えた意見交換を実施しました。

環境マネジメント

地球温暖化対策基本法案をはじめとした行政の動向  CASBEEにおける住宅性能評価の最新情報ライフサイクルでCO2をマイナスにする住宅  健康維持増進住宅 など

主なテーマ

■ 木材の特性を捉えたCO2排出量のデータ整備

■ ライフサイクルでCO2をマイナスにする住宅の実現とNEB(健康面)訴求

CO2削減(省エネ・省資源)

国際環境NGO FoE Japan

中澤 健一 氏

世界における森林、違法伐採の現状生物多様性保全の必要性森林認証、国産材利用をはじめとした持続可能な森林資源活用のあり方 など

主なテーマ

■ 森林資源の持続可能性をベースにした調達ポリシーの確立

■ 生物多様性対応による企業の社会的責任の追求

森 林 資 源

有識者との意見交換

慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授

伊香賀 俊治 氏

生物多様性に配慮した社会づくりの動き生物や自然を活かしたモノづくりの台頭ユニバーサルデザインを起点とした商品開発における新しい価値創造 など

主なテーマ

■ 感性に訴えるエコデザインによる価値創造

■ 生物に学ぶ技術を活用した商品の開発

ユニバーサルデザイン総合研究所所長

赤池 学 氏

モノづくり生物多様性・

次世代エコデザイン( )

環 境 コミュニケーション

家をつくる企業として、何をもって持続可能な社会に貢献するか

させていただいたと考えています。そして、これまでの企業活動の歩みが間違っていなかったと確信を持つことができました。この意見交換を受けて、これまで以上に環境への配慮と環境負荷の低減を推進すべく、環境基本理念と環境方針から成る「環境ビジョン」を策定し、さらに、そのビジョンを具現化するための具体的な取り組みの指針とすべく「環境中期計画(エコ・アクションプラン2016)」を策定しました。

三井ホームグループは、創業以来、地球環境への配慮を重視した経営を実践してきました。事業主体がツーバイフォー工法による木の家ということで、森林資源に依存せざるをえないビジネスモデルを推進している以上、環境への配慮は事業継続性の観点からも必要不可欠だったからです。このたび、4人の有識者の方々との意見交換を実施し、有意義な議論を

ご意見を受けて

環境対応の本質は低炭素社会づくりではなく、生物多様性社会づくりである。そこに重心を据えた商品開発やまちづくりを冷静に考えていく必要がある。また、機能面での環境対応を越えた、人間の五感や心の琴線に触れる良いランド

シャフトと呼べるような、エクステリアを含めた住宅商品のありようを、社会に提案していくことが必要。季節になると鳥や蝶が集う坪庭とか、農業が楽しめる家庭菜園など、感性空間、環境装置としての庭の機能が重要になる。

自然の樹木の樹冠を模倣したフラクタル日よけ、自然の素材を活かした土壁のように、自然に学ぶ環境技術への注目が集まってきている。先端技術と生物や自然を活かす技術をチャーミングに融合させ住宅商品に落とし込んでいくことが、

「SENSE WARE(五感と愛着に基づくデザイン)」に基づく商品開発として重要。今後は、機能から商品開発を始めるのではなく、「SENSE WARE」の視点からアプローチしていくことが必要。

輸送距離を指標とする考えもあるが、製品のライフサイクルCO2(カーボンフットプリント)を削減する必要がある。木造住宅については基準となるPCR(プロダクト・カテゴリー・ルール)の

検討も進んでおり、建材として使用する間のCO2固定量も指標化されつつある。また、国産材・輸入材に関わらず、木材の製材エネルギー削減の観点も重要。

環境省では、次世代省エネ基準以上を新築で100%満たすということを2020年までの目標に、2030年は新築住宅はすべてライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅相当を求めている。改訂したCASBEE-すまい(戸建)でも、

ライフサイクルカーボンマイナス住宅を評価システムの中に取り入れている。また、高断熱、高気密、通風の良さが健康にもよいという研究が進み、定量的な根拠も出ている。いずれ指標化されるので活用するとよい。

持続可能な森林からの木材資源の調達など、いろいろなことを考え、整理されているが、あまり外に伝わっておらず、とてももったいない。お客さまや潜在顧客、社員にそれをどう伝えていくか

が、社員がこの会社で働きたい、こういう思いの会社と一緒にやっていきたいと思えるという意味でも大きい役割を果たすはず。

環境ビジョンは、バックキャスティングの考え方を入れる必要がある。今できる、できないではなく、「○○年後にこうあるべき」を先に考える。自社の事情で、「これはできる・できない」「できる

ことだけ出そう」となると、どこへ向かっている会社かがわかりにくい。ビジョンから「何を考え、どこまで見ているのか」が伝わることが重要。

フェアウッド調達ポリシーを推進することで、サプライチェーンにおいて効果を発揮し、フェアウッドを調達しやすい事業環境をつくることができる。また、調達ポリシーは、資材調達部門だけで

なく、営業、インテリアコーディネーターなど従業員にもしっかり伝えることで、意識啓発や創意工夫意欲を刺激することにつながっていく。

グリーン購入法で定義される合法性と持続可能性は、いずれもまだ、その定義が流動的な状況。合法ではあるが、持続可能性や生物多様性の視点から見て、森林の復元速度の範囲内での

利用等が前提となる。生態系への影響を十分に検討すべきである。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

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E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

■ 資源調達  持続性のある森林資源調達の徹底  ● 資材調達ガイドラインの遵守  (森林認証、CoC認証※およびリサイクル材の促進)  ● 地域材の有効活用

■ 資源の有効活用  産業廃棄物のゼロエミッション達成  ● 住宅全過程(工場、新築、リフォーム、解体)における  ゼロエミッション化  ● 木資源の再利用促進(マテリアルリサイクル)

木資源の活用

国際的、社会的な地球環境への施策を前提に、企業の社会的責任として中期的目標(エコ・アクションプラン2016)を設定し、「木の   家、暮らしデザイン」の推進と環境負荷の低減を図ります。各活動テーマの詳細計画は、本年度内に確定し、2011年度より実施いたします。

環 境 中 期 計 画( エ コ・ア クション プ ラン 2 0 1 6 )

三井ホームグループ 環境基本理念

三井ホームグループは、「木資源の活用」「環境性能・価値の創出」「住  まいの長寿命化」を重点テーマとして、事業活動を推進します。三井ホームグループ 環境方針

木資源の活用 環境性能・価値の創出 住まいの長寿命化

環境中期計画(エコ・アクションプラン2016)

環境基本理念

環境方針

三井ホームグループはブランドメッセージであ

る「暮らし継がれる家」の実現のため、住まいづく

りを通じて環境問題の解決に向けて何を目指す

のか、企業グループとしてのあるべき姿を表明

する「環境ビジョン」を策定しました。また、同

時に「環境ビジョン」の実現のための具体的な

環境中期計画「エコ・アクションプラン2016」

を策定。グループ一丸となって取り組んでまい

ります。

「環境負荷の少ない企業活動」を推進するとともに、ステークホルダーと共創型の「環境 コミュニケーション活動」を展開し、満足度の高い住まいと暮らしをお客様に提供し続けることを目指します。

※CoC認証(Chain of Custody):森林認証を取得した森林から生産された木材・木材製品が、そうで ないものと混ざらないように適切に分別管理する事業者を第三者機関が認証する仕組みです。

■ 環境関連法令等の遵守  改正省エネ法・温対法、環境条例等への対応

■ 事業活動環境負荷の低減  オフィス、工場、モデルハウス等の省エネ推進

環境負荷の少ない企業活動

■ 環境デザイン  環境総合設計の実施  ● 環境設計ガイドラインの推進  ● 環境に配慮した生活スタイルの提案

■ 住宅の省エネルギー  CO2ゼロ住宅の普及  ● 住宅、設備の省エネルギー化、創エネルギーおよび  パッシブ性能向上と見える化  ● 健康、快適性能の向上

環境性能・価値の創出

■ 長寿命化技術  ライフサイクル環境負荷の低減  ● 高耐久性部資材、工法の開発  ● 耐久性の検証、補修技術の確立

■ 維持管理システム  住まいのメンテナンスプログラム実施  ● メンテナンスプログラムの普及  ● 補修、点検システム整備

2010年3月、三井不動産グループでは、環境

への取り組みを象徴する環境コミュニケーショ

ンワード「&EARTH(アンド・アース)」を設定

しました。これは三井不動産グループの活動が

常に地球とともにあることを表現しています。

三井ホームグループは三井不動産グループの一

員として環境活動を推進していきます。

人と地球が、ともに豊かになる街づくりを目指して

住まいの長寿命化三井不動産グループの環境コミュニケーションワード

■ 環境教育の徹底  社内外への環境教育の実施

■ 環境社会貢献  植林、建物保存、技術支援等

環境コミュニケーション

環 境 ビジョン

三井ホームグループ会社■ 三井ホーム(株)■ 三井ホームコンポーネント(株)■ 三井ホームコンポーネント関西(株)■ 九州ツーバイフォー(株)■ Mitsui Homes Canada, Inc.■ 三井デザインテック(株)■ 三井ホームエステート(株)

■ (株)三井ホームデザイン研究所■ 三井ホームリンケージ(株)■ 三井ホームエンジニアリング(株)■ 三井ホームテクノス(株)■ ホームマテック(株)■ 三井ホームリモデリング(株)■ ハウジングパートナー9社

木の家、暮らしデザイン宣言持続可能な木資源を地球視点で調達し、最大限活用する家。高い環境性能と、感性による新たな価値を両立する家。「資源の上手な使い方と暮らし方」の知恵を活かし、日本の住文化、住生活に貢献する家。環境を住まい手、つくり手、地域、社会とともに考え、かたちにする家。三井ホームグループは、「木の家、暮らしデザイン」をこう考え、実践します。

生産時のエネルギー消費が少なく、炭素を固定し続け、地球規模で豊かな生態系、地域社会を維持する持続可能な森林資源を最大限活用し、地球環境負荷を低減します。

ツーバイフォー住宅の省エネルギー性能のさらなる向上と、高い環境性能と感性による新たな価値を両立する家づくりを提案し、住まい手のライフスタイルを通じたCO2の削減に貢献します。

ツーバイフォー住宅の基本性能の充実とともに、新築・既築すべてにわたって永く住み続けるための技術とサービスを提供し、ライフサイクルで環境負荷を低減する、住まいの長寿命化を推進します。

7 8

三井ホームではCO2を吸収し、計画的な

伐採や植林、育林による再生産が可能な

森林資源を有効に活用しています。

省エネルギー性に優れたツーバイフォー工

法をもとに、さらに省エネ・省資源性の高

い住まいづくりを提案していきます。

木材は炭素を多く貯蔵するため、住まいの長

寿命化は、環境負荷の低減を図るとともに

省資源にもつながります。

木を使う

木でつくる

木に暮らす

木を再利用する

主要構造材である木材の再資源化をはじ

め、廃棄物の排出抑制、再使用、再生使用

を通じて、資源循環型社会を

目指しています。

P13

P17

P15P19

グループ会社(5社)(環境委員会構成会社)

・三井ホームコンポーネント(株)・三井ホームリモデリング(株)・三井ホームテクノス(株)・三井デザインテック(株)・(株)三井ホームデザイン研究所

環境推進部会※

各テーマ毎に部会を設置し環境活動を推進する

● 三井ホームグループ環境推進組織体制  (2010年4月1日現在)

環境委員長

事務局

三井ホーム株式会社 代表取締役社長

三井ホーム株式会社 環境推進室長

環境委員会※2009年度は3つの環境推進部会(新築系産業廃棄物削減、生産段階

 CO2排出量削減、建物維持管理環境負荷軽減)により活動を行った。 2011年度からは5つの環境推進部会により活動をさらに推進する。

環境活動推進体制

■ エネルギー管理統括田所 一秀 専務取締役

三井ホームグループでは、環境活動の推進を図るため、グループ会社を含めた環境委員会を定期的に開催しています。経営トップを委員長とし、テーマ毎に環境推進部会を設置しています。環境中期計画では、従来の3推進部会に、新たに2部会を新設し5部会の体制で推進してまいります。

環境ビジョンおよび環境中期計画を推

進すると共に、エネルギーの使用の合

理化に関する法律(改正省エネ法)およ

び地球温暖化対策の推進に関する法律

(改正温対法)等、省エネルギーにかか

わる法令を遵守した環境保全活動を推

進してまいります。当社は、同法における「特定事業者」に該当して

おり、オフィス・モデルハウス等、事業活動に伴い消費されるエネル

ギーの削減に向けて、全社を上げて取り組んでまいります。

■ グループにおける環境活動松本 賢二 専務取締役

三井ホームグループ会社は、注文住宅

に関わる会社に加え、ビル・ホテル等の

内装工事、マンション等の購入客への商

品売買を行う会社を含め22社によって

構成されています。環境ビジョンおよび

中期計画をグループ全社で共有化し展

開するとともに、グループ各社の事業活動に即した独自性のある

環境活動をも考慮して、推進してまいります。さらに国内外の取引

各社との連携を強化し、より効果的な活動を推進してまいります。

■ 第一環境推進部会日塔 淳一

第一環境推進部会で

は木材調達、部資材

調達など、資源調達に

おける合法性、認証

性をテーマに活動を

推進します。認証材、リサイクル材の積極

的な調達を通じ、明確な部資材調達ガイ

ドラインを表明していきます。また国産

材の活用も推進していきます。

■ 第二環境推進部会河本 浩行

第二環境推進部会の

主要なテーマは産業

廃棄物の削減です。

住宅の新築、解体、リ

フォーム時、また工場

での構造材加工における産業廃棄物の

排出量の削減、リサイクル率向上、最終

処分量削減、さらに重量評価への切り替

えにチャレンジしていきます。

■ 第四環境推進部会坂部 芳平

第四環境推進部会で

は住宅の省エネル

ギー性能向上をテー

マに活動を推進しま

す。住宅のライフサイ

クルを通じたCO2削減や住宅性能の向

上などの環境性能と、採光や通風などに

も配慮した快適な住み心地を両立した住

宅の提供を目指します。

■ 第五環境推進部会竹内 喜昭

住宅の長寿命化によ

り、環境負荷低減に貢

献することが第五環

境推進部会の主要

テーマです。住宅の

耐久性を向上させる技術や各種プログ

ラムの開発、維持管理方法と体制の整備

などを実施していきます。

三井ホームグループ

の環境活動を推進し

ています。環境関連

法令等の遵守や、環

境コミュニケーショ

ン活動として環境研修やボランティア

による植林活動、お客様とのコミュニ

ケーションなど、三井ホームグループの

環境活動を正しくお伝えしていきます。

■ 第三環境推進部会渡部 一広

■ 環境推進室長(エネルギー管理企画推進者)水田 恭介

環境に配慮した省資

源化、住宅プラン、緑

化、建物評価および

生活スタイルの提案

などが第三環境推進

部会のテーマです。環境設計ガイドラ

インの策定や評価指標の確立などに

より、設計推進面から地球環境負荷の低

減に貢献していきたいと考えています。

人と環境にやさしい木を使い、快適でありながら省エネルギー性が高く、

世代を超えて暮らし継がれる住まいが、環境と共にある住まいのあり方と、三井ホームは考えます。

特に永く暮らし継がれるためには、基本性能に加え、

住まい手がいつまでも愛着を持ち続けられるデザイン性と高い品質が重要です。

三井ホームは、ツーバイフォー工法による新しい資源循環型社会における

住まいのあり方を提案するとともに、生命の源である環境への配慮を常に考え、

行動する企業グループを目指しています。

環境報告

9 10

2009~2010トピックス三井ホームおよび三井ホームグループが取り組んださまざまな事業活動の中から、環境貢献に関連するものを中心に、主要なトピックスをご紹介します。

カナダで社長による種苗場視察(2009年10月)

カナダの州立大への寄付(2009年10月)B.C.州立ノーザン・ブリティッシュ・コロンビア大学へ、当社カナ

ダ工場オープン時より奨学金制度を設立、寄付を行い地域の人

材育成に貢献しています。

三井ホームカナダ、6階建てパネルの供給(2010年~)三井ホームカナダの工場では、現地の6階建て集合住宅の建築用パネルを供給する

ことになりました。その他、医療介護施設等へのパネル供給も行っています。

住まいのバリアフリーコンペティション 最優秀賞(東京都住宅バリアフリー推進協議会主催)リフォーム部門で受賞した「みんなに優しい家」は、

車椅子のため今まで来宅できなかったお母様のた

めに、バリアフリーリフォームを行いました。

長期優良住宅先導的モデル事業国土交通省によるモデル事業の公募において、

平成21年度は第1回に「暮らし継がれる家

LM-120」 先導的モデル住宅、第2回は「地域材を

使用した枠組壁工法住宅」、平成22年度は森の循

環と共に「暮らし継がれる家」が採択されました。

住まいのリフォームコンクール優秀賞(住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催)受賞した「遊び心を感じる日常癒し空

間」は、ツーバイフォーのタウンハウ

スの2戸を1棟に連結し、今後増える

であろう同様のケースの好事例とし

て評価されました。

コンポーネント3社選別格付大会(2010年3月)構造用製材の継続的な選別技術の

維持向上と若手の育成および協力会

社の作業者のレベルアップを目的に、

三井ホームコンポーネント(株)、三井

ホームコンポーネント関西(株)、九州

ツーバイフォー(株)および協力会社

からの代表20名が参加し実施されま

した。

カナダでの大規模木造建築パネル供給三井ホームカナダでは、戸建住宅から大規模木造建築に至る壁

パネルの供給を行い環境負荷の少ない木造建築の普及に関

わっています。

柏の葉アーバンデザインセンター建設(2010年9月にオープン)街づくりの拠点として、三井不動産グループがサ

ポートしているセンターです。トラス構造で強化し

たツーバイフォー工法で、約15メートルの柱の無

い空間を実現した大規模・大空間の木造施設です。

新商品グラセナは、オリジナル技術で

ある「GフレームZ」により2層開口を

実現。大開口を活かしたシンプルモダ

ンな外観デザインが評価されました。

ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2009受賞(財団法人日本地域開発センター主催)

グッドデザイン賞 受賞(財団法人日本産業デザイン振興会主催)

受賞した35周年記念商品ロンディー

ノは、自然の恵みを享受し、暮らすほど

に愛着が湧く住まい。都市の環境をデ

ザインしたレトロモダンの佇まいです。

三井不動産グループ植林活動に参加(2009年10月)三井不動産グループの所有する北海道美瑛町の森林に

1,000本の白樺を植林しました。

三井ホームカナダでの植林実施(2009年6月)三井ホームカナダでは、操業15周年を記念して植林を

実施しました。また、2010年6月には、グループ社員

35名による植林をカナダプリンスジョージ市で行いま

した。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

年間800万本の苗木を生産する

種苗会社や当社が木材を調達し

ている総合林産企業の見学を行

いました。

11 12

三井ホームカナダでは三井ホームグループの植林活動への参加・協力および自社の植林活動を通じて、カナダにおける持続可能な森林経営をサポートしています。また、ペーパーレス会議の実施や資源を無駄遣いしない仕組み作りに取り組んでいます。

Mitsui Homes Canada,Inc.

藏津 洋

環境への負荷低減に配慮することは、企業の社会的責任として最も重要なことです。さまざまな住宅資材、特に木製品については、資材調達ガイドラインを策定し、合法性や資源の持続可能性に重点を置いて調達することが重要と考えています。

調達グループ

高田 理彦

160140120100806040200

若齢段階 成熟段階

炭素貯蔵量

年間炭素固定量

老齢段階

■ 厳しい森林管理 ■ CO2を吸収木は、光合成により地球温暖化の原因となるCO2を吸収します。

例えば、樹齢80年のスギの年間平均CO2の吸収量は約

14kg-CO2(炭素では約3.8kg-C)です。一世帯あたりから排出

されるCO2は、年間5,040kg-CO2であり、それはスギの約360

本分の年間吸収量に相当します。

■ 炭素を貯蔵吸収されたCO2は、木材内に炭素(C)として貯蔵(固定)されます。

例えば、樹齢80年のスギ1本に貯蔵されている炭素量は約

296kg-C(CO2換算で約1,086kg-CO2)です。また、製材1㎥

あたりの炭素貯蔵量は、約225kg-Cです。製材の炭素(貯蔵)量

は、 同じ重さの鉄鋼の約43倍となります。

■ CO2吸収機能の活性化木のCO2吸収量は、樹齢と共に変化します。年間の炭素貯蔵量

(CO2吸収量)は、木が若いうちは増加しますが、ある樹齢に達す

ると低下し樹種によってはCO2吸収源としての機能は失われま

す。CO2吸収機能が低下した木の適度な伐採と利用、および植林

は森林のCO2吸収機能を活性化します。

持続可能な森林資源 CO2を吸収し温暖化を低減する木

カナダB.C.州立ノーザン・ブリティッシュ・コロンビア大学に対し、当

大学設立の1994年当初より奨学金基金への寄付を行い、奨学

金制度を設立し、ランバー産地であるB.C.州の人材育成に貢献し

ています。

■ 人材育成を支援

三井ホームグループでは、2000年7月、2005年5月、2006年

5月、2009年6月、2010年6月にカナダで植林を行っています。

2010年は、プリンスジョージ市で植林を行いグループ社員

35名が参加しました。国内では、2009年10月(北海道、三井不

動産グループの植林活動に参加)に実施しました。

■ 植林活動

1994年、カナダ・バンクーバー市郊外で三井ホームの構造材調

達、加工施設としてMitsui Homes Canada,Inc.が操業を開始

しました。部資材の調達、選別、加工、保管、品質管理、日本への輸

出に加えて、カナダにおけるツーバイフォー工法の壁パネル生産

も行っています。

■ 三井ホームカナダ

■ 国産材の利用日本の国土の約70%は森林で、その約40%は人工林です。日

本の森林から出材される国産材を有効に活用し、さらに再生させ

ることは日本の森林を健全に保っていくために大変重要なこと

です。三井ホームでは、国産材利用を検討推進しており、2009

年度の構造用合板の国産材比率は66%です。

■ モデル事業での展開国交省による「長期優良住宅先導的モデル事業」および「長期優

良住宅先導事業」においても構造材の国産材化を提案し、採択さ

れました。2009年度に採択された「地域材を使用した枠組壁工

法住宅」では構造材の一部に、また2010年度に採択された「森

の循環と共に暮らし継がれる家」では土台や根太、合板に国産材

(地域材)の活用を提案しました。

三井ホームグループの取り組み 国産材への対応

カナダの森林は、政府主導で厳しく管理が実施されています(年

間の伐採量を森林の年間成長量以下にするなど)。三井ホームは、

カナダから構造用木材の大半を調達しています。

■ 2億本の植林カナダは世界の森林の約10%を保有し、日本国土の約11倍の4

億150万haが森林です。森林経営、原生林や生態系の保存、先住

民族の生活圏など徹底した保護と管理が行われています。ブリ

ティッシュ・コロンビア州では、年間約2億本、2008年までに約

60億本の植林が行われています。

■ 森林認証の推進カナダの森林の93%が政府所有の公有林です。政府の厳しい管

理に加え、持続可能な森林管理を認定する森林認証制度を取得し

ている森林面積は1億4,900万haで世界トップです。三井ホーム

は、持続可能な森林からの木材調達をめざし、合法木材や森林認

証を受けた木材の調達を推進しています。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

● 天然林の成長段階に応じた年間炭素固定量と炭素貯蔵量のモデル

● カナダの森林面積と伐採面積

カナダB.C.州立大学への奨学金制度を設立し、人材育成に貢献

2010年6月、カナダでの植林実施出典:www.bcforestinformation.com

出典:カナダ全土(カナダ林産業審議会)、ブリティッシュ・コロンビア州(カナダB.C.州)

C:炭素、CO2:炭素からの換算値、立木密度575本/haとして推計出典:林野庁ホームページ

出典:COFI,Certification Canada

※木材の容積密度を420~480kg/m3として算定※CO2量は炭素からの換算値

出典:(財)日本木材総合情報センター   藤森ら(1998)の資料より

(単位:百万ヘクタール)

● カナダからの木材調達量(構造材SPF)

● 森林の炭素固定量(樹齢80年のスギ人工材)

● 製材(構造用木材)の炭素貯蔵量● 主要国の森林認証取得面積(2009年12月現在) (単位:百万ヘクタール)

● 三井ホーム輸入構造用木材の森林認証率(2009年度実績)

森林資源とのかかわり木を使う

地球温暖化の原因であるCO2を吸収する木は、計画的な伐採と植林、育林によって再生産が可能な資源です。三井ホームでは、地球環境への負荷の少ない「木」を住宅の構造材として使っています。

対象

対象

構造用製材(SPF)

カナダ

アメリカ

フィンランド

ロシア

スウェーデン

オーストラリア

ドイツ

総面積

909.4

95

総森林面積

1ha当たりの固定量

1m3当たりの炭素貯蔵量

(kg-C/m3)

210~240

1m3当たりのCO2貯蔵量

(t-CO2/m3)

771~881

2005年度

152.7

2006年度

177.7

2007年度

142.2

2008年度

143.2

2009年度

119.1

● 国産材を用いたモデル事業

2009年度

2010年度

長期優良住宅先導的モデル事業

長期優良住宅先導事業

地域材を使用した枠組壁工法住宅

森の循環と共に「暮らし継がれる家」

スギ1本当たりの年間固定量

(kg-CO2/本)

約14

(t-C/ha)

約170

(t-CO2/ha)

約620

(kg-C/本)

約3.8

森林認証木材購入比率

85%

取引製材工場のCoC取得比率

94%

401.5

60

経済林面積

293.3

25

対象年間伐採面積

0.9

0.2

カナダ全土

ブリティッシュ・コロンビア州

149

45

21

20

171717

8

8

(単位:千m3)

13 14

時間(年)

炭素貯蔵量(t/ha)

年間炭素固定量(t/ha/年)

ツーバイフォー住宅の快適性や環境性能を正しく現場に伝えることは、お客様に理解していただく上で重要と考えています。また太陽光発電システム等のさらなる導入を目指し、各拠点で社員向けの勉強会を実施するなど意識高揚をはかっています。

営業企画グループ

五井 尚人

住宅を新築する際に環境に配慮することは今では当然のことです。その中で住宅にまつわる部資材の選択には重要な役割があります。環境配慮と同時に住んでいて快適さを味わえること、その両方が満たされることが重要だと思います。

開発グループ

鈴木 和則

合計1,661kg-CO2/棟0

40

20

60

80

100

20082005200420032002 2006 2007

6.3

86.082.6

86.188.2

78.9

69.5

36.3136.3136.3

2009(年度)

(%)

■ 住宅のCO2排出量

住宅のライフサイクルと環境負荷

住まいの省エネ性能をより高めるために、国が定めた次世代省エ

ネルギー基準を標準仕様に設定しています。三井ホームの標準仕

様は、新省エネ仕様と比較して暖冷房等によるCO2排出量を

45%(389kg-CO2)削減できます。さらに省エネの特別仕様と

してプレミアムエコ仕様を設定しています。

■ 省エネ性のさらなる向上

三井ホームでは、地球温暖化防止に向けて、さまざまな取り組み

を展開してきました。そのひとつが次世代省エネルギー住宅の普

及です。2009年度の次世代省エネルギー仕様住宅の採用率は

86%で、前年度比約3%の増加となっています。また高効率給湯

器の普及率は62%、太陽光発電システムの普及率は12%でした

(注文戸建専用住宅)。

■ 次世代省エネ住宅の普及

■ CASBEE※

住宅の環境性能を評価し、ランク付けする手法に「CASBEE」が

あります。三井ホームの代表的な住宅モデルの試算によると、建

物は標準仕様でAランクに対応します。太陽光発電(3kW以上)を

導入し、外構提案を行うとSランクになります。

■ 環境共生住宅環境共生住宅とは、省エネだけではなく、人や地球に優しい住まい

をめざしてIBEC(建築環境省エネルギー機構)が定めたもので

す。三井ホームでは、環境共生住宅の認定を取得しています。

■ トップランナー基準※

全館空調システムを装備した三井ホームの標準的な住まい(仕

様A)のトップランナー基準達成率は111%であり、個別空調

(トップランナー基準相当)を装備した場合(仕様B)では115%

を達成しています。

居住時の環境負荷 住宅環境性能の指標

住宅の生産から居住、そして解体までのライフサイクル全過程

において排出されるCO2のうち、部材・施工関連の24%に対し

て、居住関連は64%となっています(三井ホームモデルプラン

での試算結果)。各段階におけるCO2排出量削減に加え、住まい

の省エネルギー性能の向上が重要になっていきます。

■ 新築時のCO2排出量木は、材料製造時のCO2排出量が少なく、環境負荷の少ない資材

です。また、木造住宅に用いられる主要構造材の総合的なエネル

ギーは、鉄骨造の1/1.5、鉄筋コンクリート造の1/2.2となってい

ます。新築現場で発生するCO2量は1棟あたり約1.7t-CO2であ

り、その内訳で一番多いのが作業員の自動車による移動で、全体

の56%を占めます。エコドライブの推進が大切になります。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

住まいの性能向上木でつくる

環境負荷の少ない木を使い、省エネルギー性に優れたツーバイフォー工法をもとにして、三井ホームでは、快適性と、さらなる省エネ・省資源性を高めた住まいづくりをめざしています。

● 現場施工時におけるCO2排出量  (三井ホーム、住宅1棟あたり)

仕様A:建物仕様は次世代省エネ仕様、給湯機器は高効率給湯器、空調は全館空調(ウェルブリーズプラス)として推計

仕様B:建物仕様は次世代省エネ仕様、給湯機器は高効率給湯器、空調は個別エアコン(COP5.2~6.6)として推計

※各値は、試算値であり建物条件等により異なります。

● 三井ホームの次世代省エネ住宅の普及率(注文戸建専用住宅)

電力消費7% 108廃棄物輸送7% 120

建機移動4% 72

作業員移動56%933

建機使用26%428

ツーバイフォー工法は、断熱性に優れた木の枠組みと面材によっ

て床面、壁面、屋根面を構成します。木で覆われた住まいは断熱性

と気密性に優れています。高い気密性は、すき間風などによる熱

ロスを防ぎます。ツーバイフォー工法は、元来省エネ性が高く環境

負荷の少ない住まいといえます。

■ 木の家、ツーバイフォー工法三井ホームでは、優れた断熱性と構造強度を併せ持つ6インチ

のダブルシールド(DS)パネルを屋根材として設定し、外壁は独

自の高耐久湿式外壁下地であるBSウォールを採用、また窓ガラ

スには高遮熱Low-E複層ガラスを採用しています。

■ 住まいの基本仕様

DSパネルは、優れた断熱性能を発揮する発泡成形ポリスチレン

(EPS)を芯材に、削片状にされた木材を集成した構造用面材

(OSB*2)で両面接着したサンドイッチパネルです。また、パネル

自体が構造体であるため、構造強度に優れています。

■ 屋根(6インチ*1ダブルシールドパネル)

給湯器の高効率化は地球温暖化抑制に貢献します。高効率ガス給

湯器(エコジョーズ)と自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯器(エコ

キュート)の装着促進を図ることは必要な課題です。

■ エコキュート・エコジョーズ

太陽の光エネルギーによって発電するシステムです。3kWシステ

ムを導入した場合、年間で540kg-Cの排出削減が可能です。これ

は、約150本のスギの木が吸収するCO2量に匹敵します。

■ 太陽光発電システム

自宅で都市ガスから「電気とお湯を同時に作る」新しいエネルギー

システムです。水素と酸素の化学反応で、電気と熱と水しか出さず、

毎日の暮らしを快適にしながら地球環境にやさしいシステムです。

■ 家庭用燃料電池コージェネレーション80

60

40

(%)100

20

0

合計合計10000合計100

合計55合計55合計

40

15 16

● 居住時のエネルギー 使用の内訳

出典:EDMC/エネルギー・経済統計要覧。

(2008年版)

暖・冷房26%

給湯・厨房39%

照明そのほか35%

● 住宅ライフサイクルの各段階に おけるCO2排出量の構成

改修9%

居住64%

部材23%

解体3%

施工1%

三井ホームモデルプランによる試算値。建築のライフサイクルエネルギー算出ソフトウエア「BEAT」(独立行政法人建築研究所)を基に推計。居住時の値は統計値を用いた。算定期間:30年間。

● 住宅生産にかかる総合的なエネルギー消費量の比較エネルギー消費量(GJ)

木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造出典:COFI モデル戸建住宅による試算値

255

389

562562562562600

400

200

0

住宅の省エネルギー仕様

三井ホーム次世代省エネ仕様(DSパネル6インチ)

※三井ホームモデルプランによる試算(暖冷房は個別エアコン5台)

新省エネ仕様(1992年設定)

45%削減

● 暖冷房に対するCO2排出量の削減効果 (新省エネ仕様を100として表示)

三井ホームプレミアムエコ仕様

60%削減

※「ダブルシールドパネル」は、一部の地域・商品・または屋根形状等の設計条件によって設定できない場合もあります。

*1 6インチパネルは約16cmの厚さがあります。*2 OSB: オリエンテッド・ストランド・ボード。資源として未利用で、成長が早

い広葉樹などを削片(ストランド)状にし、集積してボード形成したもの。一般建材としてあまり使用されない樹種を有効活用した環境にやさしい素材です。

屋根瓦一体型ソーラーシステム 太陽電池モジュール

● CASBEEの評価ランク

S A CB+ B-評価ランク

3.0以上 1.5以上3.0未満

1.0以上1.5未満

0.5以上1.0未満 0.5未満BEE値

BEE値 =L(環境負荷)Q(環境品質)

*評価ランクSが最も優れています

ダブルシールドパネルは、三井ホームオリジナル屋根断熱パネルの名称です。(商標登録番号: 4714089)

三井ホームのツーバイフォー住宅を皆様にたくさんお建ていただき、長くお住まいいただくことで、CO2を削減する素晴らしい事業に参加する喜びを日々感じています。2009年度は長期優良住宅を一般化し、社員の意識も大きく変わり始めました。

メンテナンスグループ

田代 誠一

住宅の築年数を横軸、家族構成を縦軸に組み合わせることで見えてくる暮らし。その中で独立した子世帯と親世帯が、「近居・隣居」することで暮らし継がれていることを、リフォームを切り口に調査研究しています。

三井のリフォーム住生活研究所

西田 恭子

● 住宅1棟に貯蔵されている炭素量  (主要構造材に含まれる炭素量、木造を100とする)

出典:大熊幹章「地球環境保全と木材利用」(社)全国林業改良普及協会※住宅1棟は延床面積136m2で算出

※累積炭素貯蔵量は、ツーバイフォー住宅1棟の炭素貯蔵量を7.5tとして算出※住宅築年次毎の想定耐用年数を仮定し推計

● 三井ホームがお引き渡しした住宅の累積炭素貯蔵量の推移 (単位:万t)30 60 90 120 150

102.3

■ ツーバイフォー住宅の歴史 ■ ツーバイフォー住宅の炭素貯蔵量木の家、ツーバイフォー住宅に貯蔵されている炭素量は、木材だ

けで約7.5t-C(45坪換算)であり、スギの約1,970本の年間CO2

吸収量に相当します。住宅の工法別の主要構造材に含まれる炭素

量は、鉄骨プレハブ住宅では木造住宅の25%、鉄筋コンクリート

住宅でも27%の炭素貯蔵量となります。

■ ストック住宅の炭素貯蔵総量三井ホームでは、2009年度末までに、約19万5千棟の住宅をお

引き渡ししてきました。この住まいの炭素貯蔵総量は、木材だけで

約139万t-Cになります。この炭素量は、スギ人工林約8,200ha

が貯蔵している炭素総量に相当します。木造住宅が都市の森林と

いわれる理由です。

■ 大規模木造建築の推進大規模木造建築の推進により、環境負荷の少ない木材の使用用

途を拡大し、都市における炭素貯蔵を図ります。カナダでは、木造

4階建は一般的であり、三井ホームカナダでは、木造6階建ての集

合住宅の壁パネルを供給しています。

暮らし(使い)継がれる住まい 住宅に貯蔵される炭素量

三井ホームのグッドストックは、住まいの長期メンテナンスや点検

システム、さらに売却される際のサポートなど、暮らし継がれる住

まいを支える建物総合サポートシステムです。

■ 三井ホームのグッドストック

三井ホームは、1982年に全商品10年保証を導入し、1992年か

ら「20年保証システム」を実施しました。さらに2010年より構造躯

体を最長30年まで保証する建物長期サポートシステム「キープ

ウェル」を導入しました。築後60年にわたり10年ごとの点検とメン

テナンス工事を組み合わせ、長期にわたり、お住まいの品質性能の

維持を図るメンテナンスプログラムをサポートします。

■ 住まいの保証と点検システム

三井ホームの住宅は、標準仕様で法律にもとづく長期優良住宅の認定

を取得することができます。2009年度に完成した建物のうち、長期

優良住宅の構成比率は、29%です。また国土交通省による先導的モ

デル事業の公募において、当社グループの提案が採択されています。

■ 長期優良住宅への対応

■ 住まいのリフォームライフスタイルや、ライフステージの変化に応じて住まいをリ

フォームすることは、住まいを長寿命化させ、環境への負荷を低減

します。住まいのリフォーム・コンクール(住宅リフォーム・紛争処理

支援センター主催)において、26年連続で通算90作品が受賞し、

建設大臣賞、国土交通大臣賞も3回受賞しています。また、住まい

のバリアフリーコンペティション(東京都住宅バリアフリー推進協

議会主催)においても入賞しています。

■ 住生活の研究三井のリフォームには、累計10万件にのぼるリフォーム実績にも

とづく知識や情報が集積されています。三井のリフォーム住生活

研究所は、貴重なデータに専門的な分析を加え、広く分かりやすく

発信していく機関として発足しました。

住宅の総合サポート リフォームへの対応

1833年、今から約180年前に米国シカゴで建てられたセント

メリー教会がツーバイフォー工法の第1号といわれています。板

材による面で住まいを構成するこの工法は、できるだけ規格化

された材料で、より合理的に建築することができ、優れた強度や

断熱・気密性を実現することができました。

■ 暮らし継がれるためのデザイン暮らし継がれるためには、住まいの基本性能に加え、住まい手

が何時までも愛着を持ち続けられるデザイン性が重要と考えま

す。カナダでは、築100年を超える住宅が、その時代のニーズに

応え、地域の共有財産として使い継がれています。

■ 日本のツーバイフォー住宅ツーバイフォー工法が日本へ伝えられたのは、明治初頭。現在も

美しい姿をたたえる代表的な建築物は、札幌時計台や自由学園

明日館などです。住宅でも、築80~90年以上の建物が優れた

耐久性を実証しています。1974年、ツーバイフォー工法が日本

で正式にオープン化された年に三井ホームは設立されました。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

● 「キープウェル」のしくみ(メンテナンスプログラム)

暮らし継がれる住まい木に暮らす

木材は炭素を多く貯蔵するため、住まいの長寿命化は、環境負荷の低減を図るとともに資源の節約にもつながります。高い基本性能と、アフターメンテナンスやリフォームなどにより、暮らし継がれる住まいをサポートします。

日本での事例(築85年、建築年:1925年、神奈川県藤沢市) 大規模木造建築実例(介護施設)

住まいのバリアフリーコンペティション東京電力賞「100年民家をバリアフリーに」

住まいのリフォームコンクール 優秀賞「お子様のための バリアフリー(三姉弟の部屋)」

カナダでの事例(築145年、建築年:1865年、現用途:博物館)出典:日本ツーバイフォー建築協会ホームページ

木造 RC造 鉄骨造

25%100%

5.9

42.4

139.4139.4

27%炭素(C)量比率

1980年

1990年

2000年

2009年

● 長期優良住宅先導的モデル事業の実績「三井ホーム超長期住宅システム」「長く愛される住宅リフォーム」

「暮らし継がれる家LM-120」先導的モデル住宅

「地域材を使用した枠組壁工法住宅」

森の循環と共に「暮らし継がれる家」「リフォームインスペクション

暮らし継がれる家」

平成20年度(超長期住宅先導的モデル事業)

平成21年度(長期優良住宅先導的モデル事業)

平成22年度(長期優良住宅先導事業)

● 三井ホームの10年目点検実施累積棟数

2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度

2,164 7,678 13,453 20,027 26,509 32,213 37,920 44,561総棟数

17 18

持続可能な木資源の活用のため3R活動を推進し、木材排出物の削減、産業廃棄物の発生量の削減をさらに進め、ゼロ・エミッションの達成をめざします。また、工場・オフィスなどにおける環境負荷の低減とCO2排出量の削減を推進していきます。

三井ホームコンポーネント(株)

竹内 明

「新築工事の廃棄物の削減」と「エクステリアの環境共生」を担当しています。ゴミ削減はコストダウンに繋がり、現場は綺麗になり無理無駄が削減される大切なテーマです。また、エクステリアも住環境には欠かせない「暮らし継がれる家」のテーマです。

工事・安全推進グループ

井上 達義

● 木くずリサイクル(2009年度三井ホームコンポーネント千葉工場での実績)

37%

63%

サーマル

マテリアル

場外排出量

410

再資源化施設へ

330

3% 工事間利用 10

8% 焼却施設へ 32

1% 再資源化施設後  最終処分量 22% 再資源化施設  減量化量 107% 焼却施設  減量化量 281% 焼却施設後  最終処分 4

9% 最終処分 37

最終処分 43

再資源化施設後 再利用

319再資源化施設

(単位:%)

(単位:%)

焼却施設焼却施設焼却施設

■ 産業廃棄物の発生量と再資源化 ■ 三井ホームコンポーネント株式会社三井ホームコンポーネントは、1975年に三井ホームグループの

会社として設立され、住宅部材の輸入、製造、加工、および現場へ

の配送などを主な業務としています。

現場に搬入する部資材のパネル化、プレカット化ならびに省梱包化

などを行い、建築現場での廃棄物削減に大きく貢献しています。

■ 工場での木材の有効活用工場では、木くずの廃棄物削減のため様々な有効活用を図ってい

ます。具体的には、構造材ランバー、合板の歩留まり向上、端材の

他用途への活用を実施しています。

■ 工場での産業廃棄物発生量の削減三井ホームコンポーネント埼玉工場の実績としては、2009年度

の廃棄物発生量は、2005年度比で76%削減されています。

■ 工場でのリサイクル三井ホームコンポーネント工場で発生する廃木材の全てがリサ

イクルされています。工場での木くずのリサイクル率は100%で

す。また工場で発生する廃棄物総量のほとんどがリサイクルされ

ており、廃棄物総量に対するリサイクル率は98%です。

全国の産業廃棄物量と再資源化 生産工場での対応

新築現場で発生する廃木材のほとんどがリサイクルされていま

す。新築現場で発生する木くずのリサイクル率は98%です。新築

現場で発生する廃棄物総量のリサイクル率は83%です。

■ 新築現場でのリサイクル

資源循環型社会の構築には、廃棄物のリデュース(排出抑制)、リユー

ス(再使用)、リサイクル(再生使用)は必須の課題とされています。

三井ホームでは、使用部資材の投入量の見直しや有用材などの再

利用による産業廃棄物量の低減と、再生利用や熱回収による廃棄

物の再資源化を推進しています。これらの取り組みにより、2009

年の廃棄物最終処分量は、2004年度比で66%削減されて

います。

■ 住宅新築現場での産業廃棄物最終処分量の削減

2009年解体総数の実績では、解体現場で発生する廃木材のほ

とんどがリサイクルされています。解体現場での木くずのリサイク

ル率は96%です。解体現場で発生する廃棄物総量のリサイクル

率は86%です。

■ 住宅解体現場での産業廃棄物リサイクル

■ 紙資源の活用三井ホーム本社では、紙資源の節約を図るため、A3用紙での

4アップ両面印刷(A4サイズを縮小し、A3用紙に4枚分印刷

する)を推進しています。また、本社を含む一部の拠点では、定期

回収ボックス型機密文書廃棄システム「保護(まもる)くん」を

採用しており、回収された廃棄済み機密文書類はリサイクル

処理され、再生紙の原料となっています。

■ エコキャップ収集ボランティア2008年9月よりペットボトルのキャップを集め地球環境を改善

し、世界の子どもたちにワクチンを贈る「NPO法人エコキャップ推

進協会」の活動に取り組んでいます。2010年8月時点、集めた

キャップは160,161個で200人分のワクチンと1,261kg-CO2

の削減効果がありました。

新築、解体現場での対応 そのほかの活動

全国の産業廃棄物の排出は約4.2億トンであり、製造業、電気・

ガス業等、農業、建設業の順で排出量が多くなっています。

建設に関わる排出状況としては、コンクリート塊が3.1千万トン

で全体の49%を占め、建設発生木材は0.4千万トンとなってい

ます。

■ 建設発生木材の再資源化建設副産物におけるコンクリート塊の再資源化率は97%であ

り、建設発生木材の再資源化率は、80%となっています。再資源

化の方法は、木材をチップ等に加工しボード類等の建材として

再生利用するマテリアルリサイクルと、ペレット等に加工し、熱

エネルギー源として再利用するサーマルリサイクルがあります。

■ 廃材のエネルギー効果木くずがサーマルリサイクル原料である木質ペレットは化石

化エネルギーの削減を図ります。木質ペレット発熱量は約

17GJ/t、重油の発熱量は約39GJ/klです。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

資源の再利用木を再利用する

資源循環型社会をめざして、廃棄物のリデュース(排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生使用)を推進しています。特に、主要構造材である木材の再資源化を図っています。

収集されたエコキャップ保護(まもる)くん

● 建設副産物の排出量と再資源化(全国集計)

● 建設発生木材のリサイクルフロー(全国集計)

1,990

98%

コンクリート塊

3,130

97%

建設発生木材

410

80%

建設汚泥

450

70%

排出量

リサイクル率

※出典:国土交通省 「平成20年度建設副産物実態調査結果について」 平成22年3月

※出典:国土交通省 「平成20年度建設副産物実態調査結果について」 平成22年3月

アスファルト・コンクリート塊

● 解体工事のリサイクル率(三井ホーム、2009年実績)

96

紙くず木くず

87

廃プラ

36

廃石膏ボード

76リサイクル率

● 新築工事のリサイクル率推移 (三井ホームおよびハウジングパートナー、2009年実績)

91

2007年2006年

95

2008年

97

2009年

98

66 81 89 90

58 66 65 69

91 95 95 95

木くず

紙くず

廃プラ

廃石膏ボード

生産ライン

新築現場での廃棄物保管状況工場における木材端材の回収状況

● 産業廃棄物量(2009年度三井ホームコンポーネント実績)t

266

149

t/棟

0.05

0.03

リサイクル率

100%

100%

木くず

廃プラスチック(単位:万トン)

(単位:万トン)

81%78%

19 20

*敷地条件などにより、パネル施工を行わない場合もあります。

環境目的 自己評価2009年度環境目標 2010年度の目標2009年度の実績主な取り組み

工場生産

第二推進部会生産段階におけるCO2の排出量を削減し、環境コスト負担を軽減する

第三推進部会建物維持管理時の環境負荷・コストの軽減

使用部材の工場でのプレカット化の推進①構造材(ランバー)のプレカット化推進②部材(床断熱材、屋根材等)のプレカット化推進③回収ランバー材の集成材化による 再生利用の取り組み

工場加工

木くず紙くず廃プラスチック石膏ボード

: 97%: 85%: 70%: 95%

リサイクル率木くず紙くず廃プラスチック石膏ボード

: 98%: 90%: 69%: 95%

リサイクル率木くず紙くず廃プラスチック石膏ボード

: 98%: 90%: 70%: 95%

リサイクル率

総排出量削 減 率(2004年度比)

: 21.1㎥: 21%

総排出量削 減 率(総量前年比では1.7%削減)(2004年度比、45坪換算)

: 24.8㎥: 7.2%

総排出量削 減 率(2004年度比)

: 21.1㎥: 21%

最終処分量削 減 率(2004年度比)

: 4.8㎥: 62%

最終処分量削 減 率(2004年度比、45坪換算)

: 4.3㎥: 66.3%

最終処分量削 減 率(2004年度比)

: 4.0㎥: 68.7%

現場発生廃棄物の削減①支給材の適正な搬入量の検討と 回収取り組み②拾い基準の見直し③発注方式の見直し

施工現場

部 資 材

①輸入木材を使用する部資材の 合法性確認②カナダからの輸入構造材についての 森林認証確認

部資材環境負荷の把握(カナダ材の環境影響の把握)

資材調達ガイドラインの策定

木材のグリーン調達調査の実施

・部資材メーカー64社への アンケート調査実施

・2009年度構造材認証 木材比率の調査の実施 (輸入構造材の認証率:85%)

現場施工

施工段階でのCO2削減(現状維持)車移動時のCO2削減省エネルギーの推進

①アイドリングストップ運動の実施②アイデアコンテスト及び情報発信

・施工現場における CO2排出量の調査を実施し、 環境コスト負担の軽減を検討

・現場啓発活動の実施

・解体工事で発生する CO2量調査

・環境研修の実施・省エネアイデア コンテストの実施・ポスター及び 会報誌への掲載

居 住①次世代省エネ住宅の普及促進②高効率給湯器の普及促進③太陽光発電システムの普及促進

・次世代省エネ住宅の 普及促進

・高効率給湯器の 普及促進

・太陽光発電の普及促進

居住時のCO2削減量の向上高効率給湯器の普及促進

維持管理 ライフサイクルコストの啓発・推進(長期優良住宅・LM120での採用推進)

耐久性維持工事の実施率(2006年度比)

:60%耐久性維持工事の実施率(2006年度比) 

:60%実施率(前年対比では ほぼ同水準であった)

: 49.3%

新規部品の既存部品代替性向上補修部品部品管理点数の効率化(現状維持)

部品管理点数の効率化(現状維持)

現状維持輸入サッシの国産品への代替推進

点検診断臨時点検件数の削減(2006年度比)

: 17.5%①的確な情報開示による削減②点検対応の効率化

臨時点検件数20%削減(2006年度比) 

削減率(2006年度比)劣化予防告知及び電話建物診断能力の向上 

: 19%

キープウェルシステム

①長期優良住宅の導入②高耐久住宅の推進

メンテナンス・プログラム採用建物を40%確保

メンテナンス・プログラム採用建物を50%確保

第一推進部会新築系産業廃棄物の削減を推進する

工場からの輸送時のCO2削減(2006年度比)

: 6%工場からの輸送時のCO2削減(2006年度比)

: 4%①エコドライブの推進②燃費集計、運送会社への フィードバック

: 12.7%削 減 率(1工場における 輸送会社5社の結果)

グループ工場における電気使用量の削減(グループ工場の活動実績参照)

グループ会社のCO2削減率(3社平均)(2004年度比)

:18.6%工場生産時のCO2削減(2004年度比)

:12%工場生産時のCO2削減(2004年度比)

: 10%

◎ 目標達成 △ 前年と同等の効果 × 目標未達成で前年より効果減

主な活動成果

産業廃棄物(新築系)年度別データ

二酸化炭素(CO2)排出・削減量年度別データ

改正省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)・温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)への対応

産業廃棄物最終処分量の推移(2004年度を100とする)

産業廃棄物リサイクル率の推移(産業廃棄物総量のリサイクル率を示す)

実績

総排出量の推移(2004年度を100とする)

住宅現場施工時のCO2排出量(2006年度調査結果)(1棟当たり、45坪換算、t-CO2/棟)(建設地を東京として算定)

住宅解体時のCO2排出量(2007年度調査結果)(1棟当たり、45坪換算、t-CO2/棟)

工場生産時のCO2排出量の推移(2004年を100とする)(電気使用量からの推定値)目標(投入材積1㎥当たり)実績(投入材積1㎥当たり) 実績(総排出量)

居住時のCO2排出削減量の推移(三井ホームモデルプランによる試算値)(削減対象項目:次世代・新省エネ仕様、高効率給湯器、太陽光発電、家庭用燃料電池)  (2002年度の削減量を1.00とする)

エネルギー使用一覧 エネルギー使用割合

実績(総削減量) 実績(1棟当たり)

目標(1棟当たり) 実績(1棟当たり) 実績(総量) 目標(1棟当たり) 実績(1棟当たり) 実績(総量)

(年度)0

40

20

60

80

100

2009200820052004 2006 2007

100 100 100969696

70

6740

353535 343439 25

100

(年度)0

40

20

60

80

100

2008 200920052004 2006 2007

100 103 1019494 9494

9896 82 81

94 94 939393

69

(年度)0

1.0

0.5

1.5

2.0

2006

(年度)0

1.0

0.5

1.5

2.0

2007(年度)0

40

20

60

80

100

2009200820052004 2006 2007

(%)

(年度)0

40

20

60

80

100

2009200820052004 2006 2007

52

6779 80

53

1.7

100 100

96979797

9081 81

102

91

929292

78 7373

1.4

部 資 材部資材の合理化①部資材ロット単位の見直し②造作材・下地材等の加工率の向上

採用率(前年度は試行、 本年度より導入開始)

: 32.4%

838383

次世代省エネ普及率(高効率給湯器普及率62%)(太陽光発電普及率12%)

居住時のCO2削減削減総量(前年度対比では38%増加)

: 86%

: 3,994t-CO2

※居住時のCO2削減量は、住宅省エネ仕様、高効率給湯器、太陽光発電、家庭用燃料電池の装着効果を含む。また、各普及率は注文戸建専用住宅の値を示す。 ※居住時のCO2削減量は注文専用および賃貸住宅を含む。※新築系産業廃棄物の集計期間は2009年1月~2009年12月。 ※一部、2010年度目標の見直しを行っています。

(年度)0

1.00

0.50

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

20072002 2005 2006 2008 2009

1.00 1.00

1.711.811.82.822.0303 2.0303

1.80.80 1.87.872.362.36

1.711.811.822.03 2.03

1.80 1.872.36

2.582.582.58

3.233.233.23

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

環境保全活動

三井ホームグループの環境保全活動

三井ホーム株式会社2009年度の活動成果と課題

水田 恭介

三井ホーム株式会社における活動と実績

※温対法に基づく実排出量

2009年度 エネルギー使用量(GJ)

83,113

57,680

140,793

原油換算値(kℓ)

2,144

1,488

3,632

CO2排出量(t-CO2)※

3,633

2,463

6,096

原単位

0.053kℓ/m2

8.8kℓ/棟

オフィス関連

モデルハウス

合計

オフィス59%

モデルハウス41%

三井ホーム株式会社環境推進室長

三井ホームでは、2002年に「グループ環境基本理念」

を制定し、関係各社の経営層も含めて構成する「環境委

員会」を中心に環境改善活動を推進しています。具体的

な活動は3つの推進部会において行われています。

第一部会の新築系産業廃棄物削減については、使用部

材の工場でのプレカット化の推進や部資材の合理化、

拾い基準の見直しを行いました。総排出量は目標値を

達成することはできませんでしたが、最終処分量はリサ

イクル率の向上により、2004年度対比で66%削減

でき目標を達成することができました。

第二部会のCO2排出量の削減においては、工場生産お

よび輸送段階において目標を達成することができまし

た。居住段階のCO2削減量も昨年以上の効果を得るこ

とができました。また、施工会社の社員等による現場

省エネアイデアコンテストを実施しました。

第三部会の建物維持管理時の環境負荷軽減について

は、耐久性維持工事の実施率およびメンテナンスプロ

グラム採用率は目標を達成することができませんでし

たが、臨時点検件数の削減および部品管理点数の効率

化については目標を達成することができました。

以上の環境活動を進めてまいりましたが、2011年度

からは新たな目標を設定し、さらなる環境活動を推進

してまいります。

21 22

◎ 目標達成 △ 前年と同等の効果 × 目標未達成で前年より効果減埼玉工場

電気使用量の削減

産業廃棄物排出量の削減

環境目的 自己評価2009年度の目標 2010年度の目標2009年度の実績主な取り組み

①ライン設備による 省エネと材料の有効利用②エアコンの 適正温度での稼働 

③集塵機、エレベーターの 不要時の停止  ④コンプレッサー、扇風機、 設備機器等の不要時の停止

44%削減する(2002年度比)(26.6kWh/㎥)

53%削減(2002年度比)(22.0kWh/㎥)

53%削減(2002年度比)(22.0kWh/㎥)

76%削減(2005年度比)(4.6t/1000㎥)

76%削減(2005年度比)(4.6t/1000㎥)

77%削減する(2005年度比)(4.28t/1000㎥)

①ランバーの排出量を減らす 一定寸法以上は 別に集積し、集成材に 使用する

②面材の排出量を減らす 短い下地材に活用する③ラップの有効利用を図る④有価物化を進める

※目標、実績はランバー投入材積(㎥)当たりの換算値です。

千葉工場

電気使用量の削減

産業廃棄物排出量の削減

環境目的 自己評価2009年度の目標 2010年度の目標2009年度の実績主な取り組み

①工場棟、休憩室の昼休憩時、 照明の消灯②工場棟で未使用箇所の 照明の消灯

③休憩中及び 未稼動設備の電源OFF④未使用箇所の エアコン停止

27%削減する(2003年度比)(18.1kWh/㎥)

29%削減(2003年度比)(17.8kWh/㎥)

29%削減(2003年度比)(17.8kWh/㎥)

77%削減(2003年度比)(2.8t/1000㎥)

77%削減(2003年度比)(2.8t/1000㎥)

72%削減する(2003年度比)(3.4t/1000㎥)

①木くずの有価端材処理を推進②分別処理の徹底による 有価物化の推進

③工程内不良品の削減

※目標、実績はランバー投入材積(㎥)当たりの換算値です。

千葉工場 : 電気使用量の削減2003年度実績を100とした電気使用量の推移

埼玉工場 : 産業廃棄物排出量の削減2005年度実績を100とした産業廃棄物排出量の推移

埼玉工場 : 電気使用量の削減2002年度実績を100とした電気使用量の推移

目標(投入材積1㎥当たり)実績(投入材積1㎥当たり)実績(総使用量)

目標(投入材積1㎥当たり)実績(投入材積1㎥当たり)実績(総使用量)

目標(投入材積1㎡当たり)実績(投入材積1㎡当たり)実績(総使用量)

目標(投入材積1000㎡当たり)実績(投入材積1000㎡当たり)実績(総排出量)

目標(投入材積1㎥当たり)実績(投入材積1㎥当たり)実績(総使用量)

目標(投入材積1000㎥当たり)実績(投入材積1000㎥当たり)実績(総排出量)

目標(投入材積1㎥当たり)実績(投入材積1㎥当たり)実績(総使用量)

目標(投入材積1000㎥当たり)実績(投入材積1000㎥当たり)実績(総排出量)

目標(投入材積1000㎥当たり)実績(投入材積1000㎥当たり)実績(総排出量)

目標(投入材積1000㎥当たり)実績(投入材積1000㎥当たり)実績(総排出量)

千葉工場 : 産業廃棄物排出量の削減2003年度実績を100とした産業廃棄物排出量の推移

(年度)0

40

20

60

80

100

20082003 2006 2007

(年度)0

40

20

60

80

100

20062005 2007 20092008

100 100

59

68

44 40

24

38

24

292929

0

40

20

60

80

100

2008 20092002 2006 2007

100 100

0

40

20

60

80

100

20082003 2006 2007

(年度)

2009

100 100919191 969696

68

6860

83

59717171

100 100 103

42

69 59

2009

31

37

1923

(年度)

85

102

7075 70707575 7075

747474 757575

59 47

(年度)0

40

20

60

80

100

2008 20092007

100 100 97

8784 68

(年度)0

40

20

60

80

120

100

20092008

100 100 103

92

(年度)0

40

20

60

80

100

2008 20092007

100 100

8779

9090

72

(年度)0

40

20

60

80

100

2008 20092007

100 100

9182

98

78

(年度)0

40

20

80

120

60

100

2008 20092007

100 100

76

110110110121

76

(年度)0

40

20

60

80

120

100

2008 20092007

100 100

122

84

123

77

大阪工場 : 産業廃棄物排出量の削減2007年度実績を100とした産業廃棄物排出量の推移

大阪工場 : 電気使用量の削減2008年度実績を100とした電気使用量の推移

名古屋工場 : 産業廃棄物排出量の削減2007年度実績を100とした産業廃棄物排出量の推移

2007年度実績を100とした電気使用量の推移

産業廃棄物排出量の削減2007年度実績を100とした産業廃棄物排出量の推移

電気使用量の削減2007年度実績を100とした電気使用量の推移

名古屋工場 : 電気使用量の削減

◎ 目標達成 △ 前年と同等の効果 × 目標未達成で前年より効果減大阪工場

電気使用量の削減

産業廃棄物排出量の削減

環境目的 自己評価2009年度の目標 2010年度の目標2009年度の実績主な取り組み

①休憩時間の 事務所内消灯を実施

②集成材発注時の サイズバリエーションの 見直し

2.1%削減する(2008年度比)(32.0kWh/㎥)

3.4%増加(2008年度比)(33.8kWh/㎥)

3.6%削減(2008年度比)(31.50kWh/㎥)

8.6%削減(2007年度比)(12.00t/1000㎥)

15.6%削減(2007年度比)(11.08t/1000㎥)

4.8%削減する(2007年度比)(12.5t/1000㎥)

①ランバー端材、合板廃材の 有効利用

: 産業廃棄物排出量は目標を達成しました。電気使用総量は前年比で減少しましたが、原単位はランバー投入量の減少等のため増加しました。

: 電気使用量、産業廃棄物ともに前年比で総量は減少しましたが、原単位はDSP生産面積の減少等のため増加しました。

: 電気使用総量は前年比で減少しました。電気使用量および産業廃棄物排出量の原単位はランバー投入量の減少等のため増加しました。

②フィンガージョイント加工

※目標、実績はランバー投入材積(㎥)当たりの換算値です。

△(総量前年比 では8%削減)

名古屋工場

電気使用量の削減

産業廃棄物排出量の削減

環境目的 自己評価2009年度の目標 2010年度の目標2009年度の実績主な取り組み

①昼休み、休憩時間の 消灯

②生産性向上により 時間短縮を図り、 電気使用量を削減する

10%削減する(2007年度比)(0.83kWh/㎡)

2.2%削減(2007年度比)(0.90kWh/㎡)

5.4%削減(2007年度比)(0.87kWh/㎡)

13%削減(2007年度比)(2.37t/1000㎡)

10%削減(2007年度比)(2.46t/1000㎡)

15%削減する(2007年度比)(2.32t/1000㎡)

①輸入梱包材の転用 ②現場回収材の分別、 産廃バケット内の整理

※目標、実績はDSP生産面積(㎡)当たりの換算値です。

△(総量前年比 では5%削減)

△(総量前年比 では8%削減)

電気使用量の削減

産業廃棄物排出量の削減

環境目的 自己評価2009年度の目標 2010年度の目標2009年度の実績主な取り組み

①事務室、工場棟の 昼休憩時の消灯

②エアコンの使用温度の 適正化

3.1%削減する(2007年度比)(56.7kWh/㎥)

23%増加(2007年度比)(72.0kWh/㎥)

3.1%削減(2007年度比)(56.7kWh/㎥)

3.8%削減(2007年度比)(5.0t/1000㎥)

21%増加(2007年度比)(6.3t/1000㎥)

3.8%削減する(2007年度比)(5.0t/1000㎥)

①産業廃棄物の分別の 徹底

②有価物販売の促進

※目標、実績はランバー投入材積(㎥)当たりの換算値です。

×(総量前年比 では9%削減)

×(総量前年比では同じ)

◎ 目標達成 △ 前年と同等の効果 × 目標未達成で前年より効果減

活動成果と課題

活動成果と課題

活動成果と課題

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

三井ホームコンポーネント関西株式会社における活動と実績三井ホームコンポーネント株式会社における活動と実績

九州ツーバイフォー株式会社における活動と実績

三井ホームコンポーネント株式会社2009年度の活動成果と課題

小坂 順一

三井ホームコンポーネント株式会社安全品質環境推進委員会 委員長専務取締役

三井ホームコンポーネントでは、2002年から全社的

な環境活動を推進しています。

埼玉工場と干葉工場、及び埼玉物流センター(住宅設

備機器、建材取り扱い部門など)を中心とした全社エコ

プラン活動として、年度ごとの数値目標および計画を

定め活動しています。

2009年度の活動では、埼玉工場は電気使用量の削減

目標を千葉工場は電気使用量、産業廃棄物排出量の

削減目標を共に達成しました。

特に、千葉工場では梱包材の分別仕分け活動により

プラスチック廃棄物の再生プラスチック原料販売へと

リサイクルが進められ、結果としてゼロエミッションを

達成しました。

加えて製品の物流距離を短くする物流改善を推進して

います。

2009年度では当社工場から250キロ以上遠い山形、

富山、静岡県西部地区及び長野県松本地区のパネル

組み立ての現地外注工場の活用を推進しました。

この施策により、物流のC02の排出削減に寄与してい

ます。

今後の課題では、廃棄物の削減とリサイクルを促進して

CO2削減活動を進めると共に、省エネ施設・設備の

導入や施策の推進によるより一層のCO2総量削減を

目指してまいります。

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大阪南支店デザインセンター

P31

三井ホームグループは、お客様の継続的なご満足を第一義として企業活動を推進していきます。

そのためにも、お客様からのご要望には迅速に、丁寧に対応するとともに、お客様の立場に立って考え、

お客様の声をあらゆる事業活動に反映し、高い価値を持つ商品とサービスを提供します。

そして、社員満足度(ES)の向上を図るとともに、社会満足度(SS)の確立・向上を図ることにより

社会から信用を得、信頼される企業グループになれるよう努力し続けます。

社会性報告

コーポレート・ガバナンスやコンプライ

アンスなど、法令等遵守の徹底を

図ります。

高い品質の確保とお客様の継続的なご

満足を第一義に安心できる住まいを

提供します。

働きやすい職場・働きがいのある会社を

目指し、社員満足度の向上を

図ります。

法令等遵守の徹底とIR活動

安心できる住まい

働きやすい環境

社会活動・地域コミュニケーション

P27

P31

P29P33

オフィス等の環境配慮

オフィス等の省エネ、省資源を推進しています。■ グリーン購入・エコカーの導入三井ホームでは、本社を中心に事務用品のグリーン購入を行って

おり、2009年度の本社でのグリーン製品(文具・事務用品)の採用

率は62%でした。ガソリンの使用に伴うCO2や排出ガスの低減を

目的として、各拠点での社有車の買換時は原則エコカーにするな

どルールを決め、取り組んでいます。

■ 照明の省エネ本社や各拠点では、打ち合わせ室などの共用スペースに人感セン

サーを設置したり、終業時間後の未使用箇所や廊下を消灯するな

ど、無人エリアの電力量の削減に努めています。

また、お客様と打ち合わせをするデザインセンターなどでは、高効

率照明LEDへの切替を進めています。

■ 空調の省エネ本社や各拠点のクールビズ・ウォームビズの実施はもちろんのこ

と、冷房時は28度、暖房時は20度に室温を設定するなど電気使

用量の削減に努めています。また旧式の空調機を使用していたオ

フィスに関しては、ビルオーナーの協力のもと、省エネタイプの空

調に切り替える等の省エネ化を推進しています。

■ 紙資源への配慮紙資源の節約を図るため、認

証番号機能付コピー機の採用

や各帳票の電子化、OHPを採

用したペーパーレス会議など

を実施しています。

■ 移動時の省エネ三井ホームグループでは、営業車や工事

車両に対して、以下のようなエコドライブ

を推進しています。

①不必要な荷物を載せない

②急発進・空ぶかし禁止

③アイドリング禁止 など

上記については、協力会社向けの会報誌

へ「エコドライブ推進」ツールを差し込み

各社でポスターとして利用するなどの工夫もしています。

また、一部の工事部署ではエコドライブランプの表示される車に

入れ替えを行っています。都内などにおいては、公共交通機関利

用を主体とした営業活動を推進、社有車の利用を削減し環境負荷

低減に寄与しています。エリアによっては街中の移動に自転車を

利用しています。

■ モデルハウスでの省エネ月曜日から金曜日の平日においては、原則2階以上の階の照明を

消灯しています。このほかに、説明装置などの照明についても、未

使用時にはこまめに切るように努め、CO2削減効果をさらに高め

るようにしています。

■ 工事現場での啓発活動現場の担当者に対し、環境に関する研修を実施しました。また、昨

年度に引き続き、省エネアイデアコンテストを実施し、材料のプレ

カットや再利用可能な養生材を使用する等さまざまなアイデアが

集まりました。

■ 社員の環境意識の向上ライトダウンキャンペーンへ参

画し、ビルの看板の消灯を行っ

たり、お子様向けのイベントで

使用したヨーヨー釣りの残り水

を活用して打ち水を行うなどの

活動を行っています。また、環境

に関する資格の取得も推奨しており、社内の環境意識向上を

目指しています。

■ マイカップ・エコバッグ社員の紙コップ、プラカップの使

用を中止し、マイカップの利用

を推奨し、廃棄物の削減を行っ

ています。また、紙バッグの使用

量の削減を目的にエコバッグを

作成し、原則、社員はエコバッグ

を使用することとしています。

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業務執行・内部統制

本 社 部 門 ・ 営 業 本 部

取締役会(取締役)

監査役会(監査役) 会計監査人

(監査法人)

株 主 総 会

社長執行役員

執行役員

監査室

コンプライアンス委員会

リスクマネジメント委員会

経営会議

お客様にご支持いただける質の高い情報のご提供はもちろん、投資家の方々からのご理解とご信頼をいただくためには、迅速で正確な広報活動が重要と考えています。これからも質と量にこだわって、広く明確な情報発信に努めてまいります。

広報グループ

仮屋 茂樹

建設請負業を営む当社としては、さまざまなリスクが存在します。そのリスクマネジメントを正しく実施するためには、社内のコミュニケーションが重要です。社員一人ひとりが他人まかせにせず、当事者意識をもって問題に対処していく、そんな企業風土を何より大切にしています。

総務グループ

森川 満

■ 基本的な考え方 ■ コンプライアンス体制三井ホームでは、法令や企業倫理の遵守を組織的に実践すること

を目的として、コンプライアンス体制を構築しています。

■ コンプライアンス委員会&リスクマネジメント委員会当社はコンプライアンスの実践を重要な経営事項ととらえ、当社

グループ全体のコンプライアンスマインドの醸成と定着を図る

ため、2002年4月に「コンプライアンス委員会」を設置しており

ます。また2006年4月には、コンプライアンス体制の構築・実現

を補完するリスクマネジメントを分離し、「リスクマネジメント委

員会」を設置しております。

■ コンプライアンスマニュアル当社は、2001年7月企業倫理綱領を制定し当社グループ全社員

に配付、これに具体的な法令遵守項目を加えた「コンプライアンス

マニュアル」を同年12月に制定しました。これに基づき全国各拠

点やグループ会社、さらには関係取引先などを対象に勉強会を実

施するとともに、新入社員研修はもとより各研修カリキュラムにお

いて指導・啓発を図っております。

■ 内部相談制度(ヘルプライン)コンプライアンス問題の把握と解決に取り組むべく、「公益通報者

保護法」の施行に先駆け、内部相談制度「ヘルプライン」を創設し、

全グループ会社一斉に運用を開始しております。三井ホームおよ

び三井ホームグループは、今後もコンプライアンスはもとより企

業の社会的責任と役割の重要性を強く認識し、誠実で信頼される

企業を目指して真摯に取り組んでまいります。

コーポレート・ガバナンス コンプライアンス

「職務権限規程」などの社内規程に従い、事業活動におけるさまざ

まなリスク情報を適切に管理するほか、「リスクマネジメント委員

会」を設置し、予測されるリスクを事前に防止するとともに、さまざ

まなリスク情報の分析と対応策の検討・指示を行っています。ま

た、災害時における個人行動規準などを定め、リスク発生時の適

切な対応を定めています。

■ リスクマネジメント体制

2009年度には、事務所内・モデルハウスに新型インフルエンザ

対応のマスク・消毒液等の備蓄を行うとともに、安全衛生の観点

から感染症予防に関する規程を整備し、出社の制限や、感染症に

罹患すると重篤に至る可能性が高い従業員について、必要な期

間を特別有給休暇として付与するなどの規定を制定しました。

また、不急不要な海外出張の自粛、海外渡航時における事前の

海外渡航報告書提出の義務化など、感染防止に向けた対応を

講じました。

■ インフルエンザの対応

当社は、個人情報の保護にも積極的に取り組んでおります。

2005年4月の同法施行に先駆け全グループ会社を対象に勉強

会を実施したほか、関係社則の整備、ガイドラインの制定、「三井

ホームグループプライバシーステートメント」の公表など、個人

情報とこれを保護することの重要性を強く認識しております。三井ホームグループプライバシーステートメントの詳細はホームページをご覧ください。

http://www.mitsuihome.co.jp/privacy/privacy.html

■ プライバシーステートメント

■ 三井不動産グループのCSR

■ IR活動の基本方針三井ホームはIR活動において、株主・投資家・証券アナリストなどの

市場参加者の方々の理解向上ならびに長期的な信頼関係の構築

に向けた取り組みを推進し、適切な評価を頂くことを目標としてい

ます。目標達成のために、当社に関する経営戦略や財務状況など

の情報の適切な開示を行います。

■ 情報開示の指針と開示方法三井ホームは、金融商品取引法などの関係法令および東京証券取

引所の定める適時開示規則などに従い、「透明性」「公平性」「継続

性」「適時性」を基本に、迅速な情報開示を行います。適時開示規

則などに該当する情報は、東京証券取引所の「適時開示情報伝達

システム(TD-net)」で行います。有価証券報告書、半期報告書な

どの開示書類は、金融庁による電子開示システム「EDINET」で公

表します。これらの情報については、当社のWebサイトにも同

時に掲出します。適時開示規則などに該当しない情報について

も、当社の理解向上や投資判断などに重要と判断するものは、当

社のWebサイトや外部の情報機関などを通じて積極的に開示し

ます。

■ マスコミやアナリストなどとのコミュニケーション三井ホームは、当社Webサイトでの情報提供に加えて、中間期・期

末決算発表後に業績説明のための記者発表会、アナリスト説明会

やマスコミ関係者の方々と経営執行メンバーによる相互理解の向

上を図る懇談会をそれぞれ実施しています。

リスクマネジメント IR活動

当社では、経営の透明性・健全性の確保や、迅速な意思決定による

経営の効率化という観点から、最適なコーポレート・ガバナンスの

整備構築を目指しており、株主総会、取締役会、監査役会など法律

上の必須機能に加え、それらを補完する機能として、「執行役員

制度」の導入、「コンプライアンス委員会」や「リスクマネジメント

委員会」の設置など、諸施策を講じています。

■ コーポレート・ガバナンス体制経営監督機関である取締役会は、機動的な体制で迅速・適切な

意思決定と経営判断を行うとともに、業務上の重要課題は、社長

の最高協議機関である経営会議において、その執行を審議して

おります。また、コンプライアンスの実践を重要な経営事項と認識

し、コンプライアンス委員会及びリスクマネジメント委員会を設置

しています。内部統制については、監査室がグループ全体での内

部監査を実施し法令遵守状況や業務リスクを把握することで、

内部統制の実効性を高めています。

■ 取締役会取締役会は、原則月1回開催し、当社の重要事項を決定するととも

に、取締役の業務執行状況を監督しております。なお、当社では、

平成18年4月に、経営の効率性、透明性の一層の向上と機動性の

高い経営体制の構築、及びコーポレート・ガバナンスの強化を目的

として、執行役員制度を導入しています。

■ 執行役員制度従来、取締役が担ってきた経営管理機能と業務執行機能の分離・

強化を推進することを目的として、「執行役員制度」を導入してお

り、経営の健全性をより高め、迅速な意思決定による経営の効率

化を図っております。

また、グループ経営のさらなる強化を図るため、平成20年4月に

「グループ執行役員制度」を導入し、業務執行範囲をグループ企業

(関係会社)の業務執行へも広げ、関係会社の業務執行責任者に

対し当社執行役員としての使命を付与し経営の健全性を担保する

とともに、迅速な意思決定による効率的なグループ経営の実現を

目指しています。

■ 監査役会当社は監査役制度を採用しております。各監査役は監査役会が定

めた監査の方針、業務の分担等に従い、取締役会その他の重要

な会議に出席するほか、子会社および関連会社等を含み、業務及

び財産の状況を調査するなどして、取締役の職務遂行を監査して

おります。監査役5名のうち3名は社外監査役です。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

● コーポレート・ガバナンス体制についての模式図

法令などを遵守し、誠実で信頼 される企業を目指します。法令等遵守の徹底とIR活動

三井ホームIR情報はホームページをご覧ください。

http://www.mitsuihome.co.jp/company/ir/index.html

アナリストに向けての説明会

三井不動産グループの果たすべき社会的責任とは、「 」マーク

に象徴される理念のもと、社会・経済の発展と地球環境の保全に

貢献することだと私たちは考えています。グループ・ステートメント

に掲げる「都市に豊かさと潤いを」の実践・実現そのものが、私た

ちのCSRなのです。三井不動産グループでは、CSR推進の基軸

として<環境><品質><新たな価値・市場創造にチャレンジ>の

3つのテーマを設定しています。

27 28

最高経営層

品質向上委員長

品質管理責任者

三井ホーム株式会社 代表取締役社長

三井ホーム株式会社 専務取締役

三井ホーム株式会社 品質管理部長

・本社各部門(9部署) ・各営業本部(10営業本部)

最高経営層

品質向上委員会

三井ホーム

・三井ホームコンポーネント(株)・三井ホームリモデリング(株)・三井ホームテクノス(株)・三井デザインテック(株)

・三井ホームエンジニアリング(株)・三井ホームエステート(株)・(株)三井ホームデザイン研究所

グループ会社(7社)(品質向上委員会構成会社)

建物の基本性能を確保するとともに、お客様の声に傾聴し、それを

組織的かつ効果的に事業に展開するために三井ホームグループ

では「品質向上委員会」を設置しています。「品質向上委員会」で

は品質目標の進捗状況の把握や品質マネジメント実行状況の把

握と見直し、そのほか品質マネジメントに関する業務を行います。

また、「品質向上委員会」の下部組織として、全営業本部に「営業

本部・品質向上委員会」を、全部支店に「品質管理委員会」を設置

しています。

■ 三井ホームグループの品質 ■ 設計・施工・検査・アフター体制三井ホームでは、設計・施工からメンテナンスまですべて一貫して

責任を持ってお客様のお住まいづくりをサポートさせていただき

ます。構造強度だけでなく、設計に関するすべての責任は、三井

ホーム自らが担っています。設計業務は建築基準法を遵守し、さら

に詳細な社内規準に基づいて行われております。

工事担当者の管理のもと、三井ホーム指定施工店・指定工事業者

が、当社の施工規準・マニュアルに基づいて施工いたします。工事

の節目においては、6回の検査を専任検査員または工事担当者が

行います。お引き渡しの前にお客様による立会検査も実施し、品

質に万全を期しています。

お客様のご入居後は、アフターメンテナンス担当者による各種点

検が行われます。また補修内容・規模によっては専門スタッフと連

携して的確に対応します。

住まいの品質 品質づくりの体制

三井ホームは、お客様にご満足いただき快適にお暮らしいただく

ことができる住まいを提供、維持し続けることが、最も重要な役割

であると考えています。三井ホームをはじめグループ各社は、お客

様にご満足いただき、信頼していただき、支持し続けていただける

企業を目指しています。

■ お客様満足の向上

三井ホームでは、お客様の継続的なご満足の実現に向け、着工時・

ご入居時・ご入居2年後の3回のアンケートにご協力いただき、業

務の改善に活用させていただいております。いただいたアンケー

トはすべて担当部門であるお客様相談室と担当店が読み込み、お

客様のご評価やご意見を真摯に受け止めています。特に高い評価

とお褒めをいただいたお客様には、お礼状をお送りしています。ま

た、厳しいご指摘につきましては担当店と連動して対応し、早期の

改善に努めています。

■ お客様の継続的なご満足のために

着工時コミュニケーションシート、ご入居時アンケートおよびご入

居2年後アンケートでは、全項目とも80%以上の満足度をいただ

いております。

■ アンケート調査結果

■ お客様からのご意見を活かしていますアンケートでいただいたご意見は、社内各部門にフィードバックし、

改善に活用させていただいております。また、設備機器やドア

などの部材について、アンケートと併せてさらに詳細にご意見を

お聞きし、部資材選定に役立たせていただくなど、改善に努めて

おります。

■ 勉強会、研修などの開催お客様相談室が三井ホーム社内の各部門、グループ各社に出向

いて、アンケートにお書きいただいたお客様の声をもとに、勉強会

を実施し、お客様のご期待と、それを常に意識して対応することの

重要性を伝えています。また、営業・設計・工事・アフターメンテナ

ンス・リフォームなど、社員を対象にした研修に加え、現場に従事

する協力会社社員にも研修を実施しています。

お客様満足の向上 お客様の声を反映

三井ホームの住まいづくりの基本は「品質」です。耐震性、耐火性

など命や生活を守るべき建物の性能はいうまでもないことです

が、私たちの目指す「品質」は、社員一人ひとりの業務においても、

また業務マニュアルや行動基準には表れない一人ひとりの言動に

いたるまで、社会的責任を果たすものでなければなりません。そし

て、資材の選別、輸送、工場生産、施工、メンテナンスなど、すべて

の過程における品質管理を徹底しています。

■ 品質向上活動

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

● 三井ホームグループ品質向上組織体制(2010年4月1日現在)

〈品質理念〉「質の高い、住まいとサービスの提供により、

お客様の継続的な満足を目指す。」

・お客様のご要望、満足度を的確に把握する。・目標を設定し、品質マネジメントシステムを通じ、着実に実行する。・業務の実施状況を分析・把握し、定期的に見直しを行なう。・継続的改善により、業務の質を高め、お客様満足度の向上を図る。

《当社における「品質」とは、行動(仕事の仕方)と製品(建物)の「質」のことを言う。》

高い品質を確保し、お客様満足 の向上に努めています。安心できる住まい

勉強会の風景

住宅の品質は、お客様の一生に一度といっても過言ではない大きな買い物における大事な要素です。今後も基礎・構造・防水・仕上げ工事において、検査担当と工事担当とのダブルチェックが有効に動き続けるようサポートしていきたいと思います。

品質管理グループ 上坂 晃一

工事担当者徹底した教育・訓練を受けた施工スタッフが高品質な部資材と先端技術によって、一邸一邸を丹精込めてつくり上げます。工事担当者はその施工スタッフをまとめる現場総括責任者です。

専任検査員施工における品質管理に万全を期すため、工事部門とは別組織となる専任検査員を配置し、工事内容を厳しくチェックしています。

お客様のお住まいに対する想いを、お引き渡しまでの家造りのプロセスをご評価いただくご入居時アンケート、お住み心地とアフターメンテナンスをご評価いただく2年後アンケートでお聞きしています。その想いをしっかり受け止め、改善し活かしていくことが、とても重要だと考えています。

お客様相談室 矢崎 俊輔

設計担当者設計担当者は、お客様の住まいの設計図を多角的に検証することで、家づくりを施工の段階へと引き上げ、夢を着実にかたちにしていく大切な役割を担っています。

評価方法:7段階の7・6を満足、2・1を不満として集計。※平成21年4月~平成22年3月までの集計。

アンケート 有効回答数

着工時コミュニケーションシート

ご入居2年後アンケート

ご入居時アンケート

3,147※

2,778

2,230

● 着工時 ● ご入居時 ● ご入居2年後

普通15.7%

不満

0.5%不満

0.9%不満

0.7%

満足83.8%

普通11.1%

満足88.0%

普通17.8%

満足81.5%

29 30

当社では社員一人ひとりがやりがいを持って仕事が出来る環境づくりを目指しています。そのために社員に対し様々な経験機会を積極的に設けることで、各人が自分の得意分野・専門分野を開発しながらキャリアアップを実感できるよう制度の充実をしていきたいと考えます。

人事企画グループ

木下 泉

平成21年度より労務安全管理システムを導入しています。従来のペーパー提出エクセル入力管理からWeb上の本システムを利用することで、リアルタイムの現場管理が可能です。本システムを有効活用し、当社で働く全就労者の安全衛生への指導・教育を推進していきます。

工事・安全推進グループ

溝口 徹

安全で快適な職場・作業環境を築き、社員および協力会社の労働災害を防止する。

墜落・転落災害の防止1 高齢者災害の防止2

電動工具災害の防止3 交通災害防止4

全拠点で無災害を目指す。

安全衛生基本方針

計画の目標

重点防止項目

■ 安全衛生基本方針 ■ 施工現場における安全衛生工事現場では、さまざまな業種の専門工事業者が決められた工程

に従って作業をしています。そこで重要なのは、その担い手が当

社と一体となって、現場労働災害のない工事現場をどのように目

指すかにかかっています。そのため、安全衛生基本方針や重点目

標・活動を理解して実践するという意味からも、各地で事業者研修

や安全衛生教育を実施しています。

■ 労働災害発生状況2009年度は、前年度の現場災害発生状況を踏まえ、「墜転落災害」

「高齢者災害」「電動工具災害」「交通災害」を重点項目と位置づけ

災害発生防止活動を行うとともに、労務安全管理システムを導入し、

協力会社および就労者の登録を、従来の「ふれあいカード」からシス

テム上のサーバーへ移行するとともに、各現場への入退場登録を推

進しています。現場労災発生数は昨年と比較し1件減少し14件に、

また墜転落災害は昨年と比較し2件減少し7件という結果になって

います。災害が発生した場合には、再発防止策の立案を目的に、臨時

の安全衛生教育を実施しています。

■ 安全大会の実施など安全意識の高揚を目的とした安

全大会を、各拠点ごとに全国各地

で開催しております。また、施工現

場における安全環境の維持や向

上を目的として全国各地において

拠点ごとに、毎月定例の安全パト

ロールを実施しております。安全

パトロールで、工事担当者と施工

各社が集まりお互いの施工現場

を相互チェックすることで、きめの

細かい改善をしております。

三井ホームグループの安全衛生 施工現場における安全衛生

■ 人事方針

三井ホームの住まいづくりの原点にあるのはなによりも「ひとづく

り」であると考えています。そのために各職種・階層に求められる

能力・資格要件を社員に示すとともに、自己成長意欲に応える人材

育成支援を行っています。平成20年度からは社員の人材育成の

一環として、グループ会社と人材交流を行う「キャリアチャレンジ

プラン」を導入いたしました。また建築士をはじめ各種資格取得の

ための支援制度や講座を用意し、自己成長意欲を持った多くの社

員が活用しています。

■ 人材育成について

当社では、日常生活や業務上においても人権は密接に関係する事

柄であることから社員の教育研修の中でも「人権問題」に関する

プログラムを新入社員、新任組織責任者に向けて毎年実施してお

ります。また本年2月には、人権教育啓発推進センター発行の小冊

子『仕事+人権』を全従業員に配付し拠点ごとに読み合わせ等を

行い一層の理解浸透を図っています。

■ 人権教育について

■ ワークライフバランス充実のための休暇制度従業員がその能力を最大限に発揮するためには、家族との良好な

コミュニケーションなどの家庭生活の充実がとても重要であるこ

とから、さまざまな制度を導入しています。

■ 休日取得促進策社員が家族とのふれ合いをより充実させることを想定し、年間5日

間の「ファミリーフレンドリー休暇制度」を平成18年度より導入

し、推進しています。また、「リフレッシュ休暇」制度もこれまでの勤

続15年目と25年目の2回の設定に加え新たに10年目と20年

目を追加し特別手当金を支給するなど取得率向上を図っていま

す。また10月の「創立記念休暇」を全社一斉休日としていますが、

年によって連休が取得できる曜日を設定しています。

■ 子育てへの支援中学校就学の始期までの子どもを持つ従業員を対象に、週10時

間までの時間短縮ができる育児短時間勤務制度を導入していま

す。さらに、平成20年度からは、この短時間勤務制度を妊娠期間

から利用できるよう拡充しました。また、男性社員の育児参加を

目的に、育児休業の最初の5日間を有給とする制度、子どもの出産

1人につき10万円の祝金を支給する制度も設けています。

■ ボランティア休暇社会奉仕活動、自然環境保護活動、地域社会貢献活動などに従事

するための支援として年間5日間を上限として「ボランティア休

暇」を創設するなど社会貢献・福祉活動も含め、社員のライフスタ

イルに合わせた多様な休日休暇を用意しています。

■ 女性のキャリア支援検討チーム発足女性がより働きやすい企業を目指して、「女性のキャリア支援検討

チーム」を発足しました。職掌・職種・キャリア等の異なる女性社員

が自由に意見交換をし、議論を重ねています。住宅業界において

も、女性が活躍できる環境を広げていくことは重要であり、当社に

とっても今後ますます必要です。すべての社員が働きやすい企業

を目指して活動を進めていきます。

人事・人材育成 ワークライフバランス

三井ホームグループでは安全衛生管理に関する危険性・有害性

の低減に向け、本社に全国安全衛生推進委員会、各拠点では安

全衛生協議会(施工現場の安全衛生管理)と安全衛生委員会(社

員の安全衛生・健康管理)を設置しております。2009年度は、

2004年度に策定した「安全衛生基本方針」を踏襲して「全拠点

で無災害」を目指して「労働安全衛生活動の強化策」を策定いた

しました。この内容を各営業本部など全拠点に徹底するととも

に、拠点別に「重点防止労災撲滅運動」を展開しております。

■ 定期健康診断の受診推進と健康管理これまでの定期健康診断の受診率向上、診断後のフォローの徹底

を継続するとともに、新設の休暇制度に加え、各拠点でのノー

残業デーの設定、管理職を対象に産業医によるメンタルヘルスに

ついての理解を深める研修を実施するなど、さまざまな取り組み

を通して、今後も従業員の健康管理に努めてまいります。

■ 交通災害発生状況交通災害の発生防止を安全衛生管理計画の重点項目に取り上

げ、安全教育・指導を徹底するとともに、事故の原因分析、発生

防止策を立案し、交通事故の発生防止に努めてまいります。な

お、事故の原因分析・発生防止のため、2007年春よりドライブ

レコーダーの導入を開始し、当社グループ各社を含め2010

年3月末時点で2,096台の設置を行いました。

E C O L I F E B Y M I T S U I H O M E 2 0 1 0

企業の貴重な財産、「人」。その 働く環境に配慮しています。働きやすい環境

● 労働災害発生状況(三井ホームおよびハウジングパートナー建築現場での総件数)2007年度

16

7

2008年度

15

9

2009年度

14

7

現場労災発生数

墜転落災害発生数

2009年度安全大会

ドライブレコーダーの設置

海外研修の実施

当社にとって社員は最大の財産であり、お客様のお住まいに対す

る夢やご要望を実現するため、社員の育成と社員満足度の向上に

力を入れています。「人を活かし人を育てる社風を重んじ」の社是・

社訓のもと1グループ全体における適材適所の人材配置2業績、

能力に基づく公正な評価・処遇3社員各自のキャリア形成の支援、

これらを人事理念として掲げるとともに、ワークライフバランスの

実現により、社員満足度(ES)の向上がお客様満足度(CS)の向上

につながる好循環を構築すべく、魅力ある組織風土づくりを目指

しています。

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第三者による意見社会活動・地域コミュニケーション

■ 中・高校生の企業訪問三井ホームでは、中・高校生の修

学旅行等での企業訪問の受け入

れを行っています。モデルハウ

スの見学や、住まいづくりの仕

事の仕組みや働く環境を学ぶ

ことで、将来に役立ててもらえ

ればと考えています。

■ EXPO2009開催東京ビッグサイトにて、「住まいと暮らしのEXPO2009」を開催し

ました。「ここにくれば三井ホームのすべてがわかる」をテーマに、

当日に向けて社員一丸となって準備を行い、お客様にわかりやす

いよう住まいづくりに関するさまざまな情報の展示・プレゼンテー

ションを行いました。お客様にはアンケートにご協力いただき、

今後のイベントの改善に活かしています。

■ 音楽財団へ寄付音楽財団に寄付をし、芸術家の育成を応援しました。当社が協力

した同団体のコンサートは、年間で6回開催され、三井ホーム倶

楽部を通して、当社のオーナー様を招待しました。

■ 地域社会の安全に貢献地元警察署と緊密な連携のもと不当要

求を排除、被害を防止することを目的と

する、組織団体に加入しています。当社

の社員が情報対策分科会委員としての

功績が認められ、表彰されました。

今後も地域に貢献できる活動を続けて

いきます。

■ 自然保護基金に寄付日本経団連自然保護協議会によって、環境省・外務省の認定を受

け、2000年4月に設定された自然保護基金に寄付をしました。

同基金では、主にアジア太平洋の開発途上地域での自然環境

保全と、わが国の優れた環境保全の保護活動や持続可能な活用

に対して助成を行っています。

■ オフィス周辺の清掃等京滋支店では、女性社員を中心

に2010年5月より「オフィス

周辺環境向上プロジェクト」を

立ち上げました。支店の周辺の

清掃をしたり、前面道路の花壇

に花を植え、定期的にメンテナ

ンスをしています。花の植え込

みをきっかけに、周辺の方から

お声がけいただくようになり、

コミュニケーションにもつな

がっています。その他にも、祇

園祭でのゴミ収集活動や募金

など、地域環境に配慮した活

動を推進しています。

■ 工場における地域美化活動三井ホームコンポーネント埼玉工場では、工場社員・協力会社社

員による工場周辺の清掃活動を毎月実施しています。また、同工

場地域では工業団地協議会が組織されており、安全衛生などの

講習・情報交換や環境活動として半年ごとに団地全体の美化運

動に参加しています。

■ 父親応援サイト「papa@home」2007年6月より、お父さんの子育てを応援するサイト「papa@home」

を開設しています。キーワードは「子どもの待つ、うちに帰ろう」

です。子育て家族のための住まいづくりのヒントや、お父さんの

子育てに関するインタビューなどを公開しています。これからも

家族や暮らし方までを考えた「住まい」のありかたを、考え、お伝え

していきます。

http://www.papaathome.jp

■ 使用済み切手&カードの収集、寄付三井ホームでは毎年、グループ

各拠点の社員が1年間に集めた

使用済み切手とプリペイドカー

ドを、各団体に寄付しています。

切手は、盲老人ホーム聖明園(東

京都青梅市)に、プリペイドカー

ドは、財団法人ジョイセフ(東京

都新宿区)に送っています。

■ 三井ホームエキサイトマッチ開催神奈川・静岡営業本部では、川崎フロンターレを2004年から

スポンサーとして応援しており、2010年5月には川崎フロンター

レのスタジアムにて「三井ホームエキサイトマッチ」が開催され

ました。今後も選手の一層の活躍を応援していきます。

 住宅や業界、木の特性についてわかりやすく説明しなが

ら、自社の取り組みを報告しています。さまざまな社外の専

門家との意見交換を通じて環境経営を推進しようという姿勢

も評価できますし、木を「使う」「つくる」「暮らす」「再利用す

る」と循環のサイクルに沿っての構成もわかりやすく、社員の

声を登場させるなど、親しみやすく作られています。主要な

読者対象である社員にとっても、環境・社会活動の「ワガコト

化」につながると思います。

 今後のさらなる改善のためにいくつか述べます。

 企業は、その時代や社会の要請に対応すべくさまざまな活

動を行います。三井ホームは現在の時代と世界の情勢をどの

ように認識し、社会の要請をどのようにとらえているのでしょ

うか。これがあらゆる活動の理念的な土台となり、具体的な

活動に位置づけを与えてくれます。そういった大きな時代認

識をまず打ち出してほしいと思います。

 そういう点では、COP10(生物多様性条約第10回締約

国会議)が日本で開かれ、世界的に企業に対する大きな要請

となりつつある「生物多様性」についてもしっかり取り上げる

べきです。生物多様性は、住宅産業にとって大きな課題のひ

とつであるはずですし、特に木材という主な原材料が生物多

様性にどのように依存し、また影響を与えているのかという

視点は欠かせません。また、日本の社会におけるさまざまな

問題をどのように捉えているかを明示することで、国産材推

進の動きの位置づけもよりはっきりするでしょう。

 また、世界にとって切迫した課題である温暖化という観点

から、木材の環境性能をアピールされています。ただし、その

木をどのように育てているのかはもちろんですが、カナダか

らの輸送や加工・製造時、および現場施工時の環境負荷が、

それぞれ現在どのような状況なのかをしっかり出してくださ

い。末尾のグラフに推移は出ていますが、絶対値としての

CO2排出量などデータをしっかりと出すことが大事です。そ

して、現状とこれまでの推移に基づいて、これからどのような

取り組みをしようとしているのか、会社としての考え方を明

示する必要があります。

 たとえば、「現場施工時のCO2」の内訳グラフはあります

が、内訳の半分以上を占める「作業員の移動時のCO2」に対

して、「現状→認識→目標と対策」という環境活動のPDCA

をしっかり回してください。

 また、太陽光発電やエコキュート、エコジョーズ、コージェ

ネレーションなどの説明は載っていますが、自社がどのよう

な問題意識や状況認識を持っているのか、今後一層推進して

いくために、どのような目標値を持って、どのように推進して

いるのかを明示する必要があるでしょう。

 「ツーバイフォーの炭素貯蔵量が多いのはなぜか?」も、一

般の人にはなかなかわかりにくいかもしれません。業界や社

内では通じる専門用語や前提を、もう一度「業界外の人に伝

える」という視点で見直すと、さらにわかりやすく読みやすい

報告書になるでしょう。

 社会面については、さまざまな制度を整え、また、ワーク・

ライフ・バランスに取り組みはじめていることがわかります。

今後は、制度の説明だけではなくて、その制度の利用状況は

どうなのか、その状況を会社はどのように認識し、今後どのよ

うな目標や対策を取ろうとしているのか、会社としての姿勢

を打ち出していってください。

 来年には、本報告書で発表された環境ビジョンに基づく環

境中期計画の詳細が打ち出されるとのこと。それぞれの項目

ごとに数値目標をしっかりと定め、環境経営のPDCAを回し

ていく仕組みを築き、社会とのコミュニケーションをしっかり

行い、取り組みをさらに推進・向上していくことを強く期待し

ています。

環境・社会報告書の記載内容について、環境ジャーナリスト 枝廣淳子氏より第三者意見をいただきました。

東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。環境ジャーナリスト、翻訳家、(有)イーズ代表、NGOジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)代表。環境問題に関する講演、執筆、翻訳等の活動を通じ、行動変容と広げるしくみづくりを研究。また、企業や組織向けにファシリテーション・コンサルティングを提供。福田・麻生内閣「地球温暖化問題に関する懇談会」委員、21世紀環境立国戦略特別部会委員、スイス国際サステナビリティ・イノベーション評議会(ISIS)評議員などを歴任。

(有)イーズ代表 枝廣淳子 氏

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