鹿沢園地の実例に学ぶ鹿沢園地の実例に学ぶ　　　　　　　　　　「木道のすす「木道のすすめ」め」~~ 木材利用促進と維持保全の観点からの考察～木材利用促進と維持保全の観点からの考察～

東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻　柳澤泰男東京大学大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻　柳澤泰男２０１１．０９．２０１１．０９．２４２４

木道のある風景木道のある風景

上信越高原国立公園上信越高原国立公園鹿沢園地鹿沢園地

木道のある風景木道のある風景● なぜか、心がやすらぐ ● 自然の暖かみを感じる

● 材料の木材は、再生可能な天然素材　　コンクリートやプラスチックより、　　　　　　　　　　　　自然の風景にマッチ　　　

木道についてのよくある質問木道についてのよくある質問カラマツ Q.Q. 木材の種類は何木材の種類は何

Q.Q. 寿命は寿命は・樹脂が多く、湿気があっても比較的腐りにくい・材料としての入手が容易

10 年程度と言われている 木造建築物の構造体と比べると短い

木道の長所木道の長所

● 加工が容易　　　　　　　　　

● 材料の木材は、再生可能な天然素材　　コンクリートやプラスチックより、　　　　　　　　　　　　自然の風景にマッチ　　　

● 施工性が良い　　　　　　　　

●コンクリートより湿潤状態では、　　　　　劣化しやすい、腐朽しやすい　　

木道の短所木道の短所

● 木道は、渓流や湿原等、常に湿潤状態の場合が多い　　　●湿潤状態においては、腐朽菌や子のう菌といった微生物が繁殖する　　　

どうして劣化・腐朽するのどうして劣化・腐朽するの

＊Ｃｆ．鹿沢園地木道劣化調査　　　

＊Ｃｆ．鹿沢園地木道劣化調査　　　

木材利用促進と木道木材利用促進と木道● 背景　　公共建築物木材利用促進法（２０１０年施行）　　　　・木を使用することにより、森を育て、

　　　林業の活性化を図る　　　　・一般建築物、木質バイオマスを含め、　　　幅広く木材需要の拡大を目指す　　　

　●木道の設置・整備は、かなり有効　　　　木の良さを実感する機会を幅広く提供　　　

● 適切なメンテナンスを行うことにより、　　寿命は、１．５倍に　　　

・ ７年　　　

適切な維持管理で寿命を延ばそ適切な維持管理で寿命を延ばそうう

１０年　　　

・ 10年　　　 １5年　　　

長期優良住宅に学ぶ　維持管理長期優良住宅に学ぶ　維持管理● 長期優良住宅においては、　　・耐震性や省エネ性のほか、　　

・維持保全計画が求められる

・維持管理・更新の容易性　

● 木造建築物の構造躯体に比べ、外部の常時湿潤状態における木材は、腐朽しやすい　　

・維持管理（補修・更新）を容易に行うために　必要な措置を講じる・更新時の工事が軽減される措置を講じる・腐朽部材を他の主要部材等に影響を与えることなく、容易に補修・交換のできる納まりの工夫

維持管理・更新の容易性維持管理・更新の容易性

維持保全計画の必要性維持保全計画の必要性・竣工時から将来を見据えて、　　定期的な点検・補修等に関する計画を　策定する　　・少なくとも２年ごとに点検を実施する　　

まとめまとめ

　　

適切な維持管理により、木道の寿命を１．５倍にすることも重要。　　

「木を使用することにより、森を育て、　　林業の活性化を図る」と言う観点からも木道の設置・整備は非常に有効である。より、木道を普及するには、

じっとキャベツ畑を見つめる僕じっとキャベツ畑を見つめる僕上信越高原国立公園　村上山山頂にて上信越高原国立公園　村上山山頂にて