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新丸山ダム建設工事の現場見学会の報告 都市建設工学科 武田 誠・伊藤 睦・余川弘至 1.概要 平成 28 12 8 日に新丸山ダム工事事務所(岐阜県加茂郡八百津町八百津 3351)を訪問し、新丸山 ダムの概要と工事の状況を学ぶと共に、丸山ダムの運用を見学し、新小和沢橋、第2小和沢橋の上部工に 上り、工事状況を見学した。 2.参加メンバー 武田、伊藤、余川の教員と、2年生~4年生と大学院生の 38 名の学生合わせて 41 名が参加した。 3.現場見学の行程 9:30 中部大学発 10:30 新丸山ダム工事事務所 着 木曽川の洪水事例、新丸山ダムの洪水対策効果、渇水対策効果 ダムの工事行程、費用便益分析を学ぶ。 11:3011:40 移動 11:40 丸山ダム展望台で新丸山ダム事業の補足説明 12:2512:35 移動 12:3513:10 昼食 13:1013:20 移動 13:2016:00 工事現場の見学 2班に分けて、丸山ダム管理所と PC 上部工工事現場(新小和沢 (IHI インフラ建設)と第2小和沢橋(安部日鋼工業))の見学 4.新丸山ダムの概要 木曽川の本川に位置する丸山ダムは建設されて 60 年が経過するダムである。100m 級のダム、大型の 建設機械を導入したダム工事など、当時の最先端技術が投入され、2年半で発電業務が開始されている。 当時は電力不足の時代であり、特に関西地区は深刻であった。そこで、関西電力が新たな電力確保のため に丸山ダムを建設した。この建設現場を支えた技術者が、黒部ダム建設に参加している。丸山ダムの立地 場所が木曽川の水害対策においても重要な場所であるので、建設省も管理、運用に加わり治水機能も考 慮されるようになった。昭和 58 年に大規模な洪水が発生し、美濃加茂市、坂祝町、八百津町で深刻な浸 水被害が生じた。治水対策の充実を目指して、丸山ダムから約 50m 下流に新丸山ダムが計画された。新 丸山ダムの諸元を表-1 に示す。なお、新丸山ダム工事では、道路の付け替えに関わる橋梁工事(張り出 し架設工法による)、大規模な転流工など大きなダム建設以外の土木工事も行われる。 -1 丸山ダムと新丸山ダムの諸元 丸山ダム 新丸山ダム 堤高 98.2m 118.4m 洪水調節量 20,170,000m 3 72,000,000m 3 流水の正常な機能の維持の容量 0m 3 15,000,000m 3 発電 188,000kW 210,500kW

新丸山ダム建設工事の現場見学会の報告35~13:10 昼食 13:10~13:20 移動 13:20~16:00 工事現場の見学 2班に分けて、丸山ダム管理所とPC 上部工工事現場(新小和沢

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新丸山ダム建設工事の現場見学会の報告

都市建設工学科 武田 誠・伊藤 睦・余川弘至

1.概要 平成 28 年 12 月 8 日に新丸山ダム工事事務所(岐阜県加茂郡八百津町八百津 3351)を訪問し、新丸山

ダムの概要と工事の状況を学ぶと共に、丸山ダムの運用を見学し、新小和沢橋、第2小和沢橋の上部工に

上り、工事状況を見学した。 2.参加メンバー 武田、伊藤、余川の教員と、2年生~4年生と大学院生の 38 名の学生合わせて 41 名が参加した。

3.現場見学の行程 9:30 中部大学発 10:30 新丸山ダム工事事務所 着 木曽川の洪水事例、新丸山ダムの洪水対策効果、渇水対策効果 ダムの工事行程、費用便益分析を学ぶ。 11:30~11:40 移動 11:40 丸山ダム展望台で新丸山ダム事業の補足説明 12:25~12:35 移動 12:35~13:10 昼食 13:10~13:20 移動 13:20~16:00 工事現場の見学 2班に分けて、丸山ダム管理所と PC 上部工工事現場(新小和沢

橋(IHI インフラ建設)と第2小和沢橋(安部日鋼工業))の見学 4.新丸山ダムの概要 木曽川の本川に位置する丸山ダムは建設されて 60 年が経過するダムである。100m 級のダム、大型の

建設機械を導入したダム工事など、当時の 先端技術が投入され、2年半で発電業務が開始されている。

当時は電力不足の時代であり、特に関西地区は深刻であった。そこで、関西電力が新たな電力確保のため

に丸山ダムを建設した。この建設現場を支えた技術者が、黒部ダム建設に参加している。丸山ダムの立地

場所が木曽川の水害対策においても重要な場所であるので、建設省も管理、運用に加わり治水機能も考

慮されるようになった。昭和 58 年に大規模な洪水が発生し、美濃加茂市、坂祝町、八百津町で深刻な浸

水被害が生じた。治水対策の充実を目指して、丸山ダムから約 50m 下流に新丸山ダムが計画された。新

丸山ダムの諸元を表-1 に示す。なお、新丸山ダム工事では、道路の付け替えに関わる橋梁工事(張り出

し架設工法による)、大規模な転流工など大きなダム建設以外の土木工事も行われる。

表-1 丸山ダムと新丸山ダムの諸元

丸山ダム 新丸山ダム

堤高 98.2m 118.4m

洪水調節量 20,170,000m3 72,000,000m3

流水の正常な機能の維持の容量 0m3 15,000,000m3

発電 188,000kW 210,500kW

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4.現場見学の様子

新丸山ダム工事の概要説明 丸山ダムの様子

丸山ダムの見学 丸山ダムの施設見学(A グループ、その1)

丸山ダムの施設見学(A グループ、その2)

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丸山ダムの施設(A グループ、その3) 丸山ダムの前で(A グループ)

めずらしい形の橋 新小和沢橋の工事現場にて プレストレスコンクリートを学ぶ

新小和沢橋の上部工の建設現場

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上部工はケーソン構造になっている。その中で、実施される工事を学んだ。

B グループの第2小和沢橋の上部工の建設現場

建設現場ではドローンが活用されている 中部大学の先輩からの説明を受ける

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丸山ダムの施設見学(B グループ、その1)

丸山ダムの施設見学(B グループ、その2)

新丸山ダム工事事務所の前で

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新小和沢橋の工事現場、丸山ダムを背景にドローンで記念撮影

第 2 小和沢橋の工事現場、ドローンで記念撮影