3
抗悪性腫瘍剤 劇薬, 処方せん医薬品 (注意ー医師等の処方せんにより使用すること) 薬価基準収載 (一般名:エトポシド) 【警告】 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・ 経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択 にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又は その家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 (1)重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能 性がある。] (2)本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者 (3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照) ベプシド ® カプセル50mg・25mgに 「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」が 適応追加になりました。 岩手医科大学 産婦人科学講座 主任教授 杉山 徹 先生 ドクターコメント エトポシドカプセルは、TC療法(パクリタキセル/カルボプラチン併用療法)後に 再発・再燃した卵巣がん患者の2nd、3rdあるいは4th lineに使用する抗がん薬 として、我々婦人科腫瘍医が期待している薬剤の1つである。内服薬であるため、 投与は簡便で、外来治療に適しておりQOLを維持しながら治療継続が可能であ る。悪心・嘔吐は日本癌治療学会ガイドラインでは低リスクに区分されているが、 必要に応じデキサメサゾンなどの制吐剤を併用することで高いコンプライアンスを 保つことができる。しかし、血液毒性は決して軽微ではないため厳重かつ慎重な 観察が必要である。副作用が強く出現した場合には減量・休薬などの適切な処置 が必要である。 【警告】 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な 知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応 患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始 に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。 【効能又は効果】 肺小細胞癌、悪性リンパ腫、子宮頸癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 卵巣癌に対して本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象と し、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与 を開始すること。 【用法及び用量】 (一部抜粋) 4. がん化学療法後に増悪した卵巣癌 エトポシドとして、通常成人1日50mg/m 2 を21日間連続経口投与し、1週間休薬する。これ を1クールとし、投与を繰り返す。 なお、患者の状態により適宜減量する。 【使用上の注意】 (一部抜粋) 2. 重要な基本的注意 (7)卵巣癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬 検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:エトポシド(卵巣癌)」等)を熟読すること。 (注釈) *1「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応 について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認する こと等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資することを目的として設置されたもの *2 公知申請とは、医薬品(適応追加等)の承認申請に関して、その医薬品の有効性や安全性が医学薬学上公知であるとして、臨床試験の全 部又は一部を新たに実施することなく承認申請を行うことができる制度 このたび、抗悪性腫瘍剤 ベプシドカプセル50mg・25mg(一般名:エトポシド)において、がん化学療法 後に増悪した卵巣癌に対する「効能又は効果」及び「用法及び用量」が追加承認されました。 弊社は、本剤の卵巣癌の適応について、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」 *1 で医療上 の必要性が高いという評価を得て、厚生労働省から発出された開発要請に基づき、公知申請 *2 を行いました。 本申請は、検討会議にて取りまとめられた公知申請への該当性に係る報告書(http://www.mhlw.go. jp/shingi/2010/05/dl/s0521-5ad.pdf)に基づき、本剤の「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」に 対して、以下の「効能又は効果」及び「用法及び用量」で2012年2月22日付けで承認されました。 今回変更された「警告」、「効能又は効果」及び「用法及び用量」他 (色付き部分) 化学療法施行中は、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態 を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。 公知申請への該当性に係る報告書の「要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価について」(抜粋) 国 内 試 験( 他 癌 腫を含む)の 検 討 結 果より、7 5 m g / b o d y 群( 体 表 面 積を考 慮した場 合 、本 剤 の 製 剤 規 格[ 2 5 m g 及 び 5 0 m g 製 剤 ]からも 50mg/m 2 に概ね該当する用量と想定)では、50mg/body群と比較して骨髄仰制及び肝機能検査値異常が高く発現する傾向がみられるた め、当該有害事象に対しては、現行添付文書に注意喚起されているとおり、頻回に血液検査を行う等、引き続き慎重な対応が必要と考える。 加えて、消化器症状も強く発現する傾向があるため、患者状態を考慮して適切な対応が必要と考える。

ベプシド カプセル50mg・25mgに 「がん化学療法 …file.bmshealthcare.jp/bmshealthcare/pdf/other/VP-ovary...jp/shingi/2010/05/dl/s0521-5ad.pdf)に基づき、本剤の「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」に

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抗悪性腫瘍剤劇薬, 処方せん医薬品(注意ー医師等の処方せんにより使用すること)

薬価基準収載

(一般名:エトポシド)

【警告】本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】(1)重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能

性がある。](2)本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者(3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

ベプシド®カプセル50mg・25mgに「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」が

適応追加になりました。岩手医科大学 産婦人科学講座 主任教授 杉山 徹 先生岩手医科大学 産婦人科学講座 主任教授 杉山 徹 先生ドクターコメント

 エトポシドカプセルは、TC療法(パクリタキセル/カルボプラチン併用療法)後に再発・再燃した卵巣がん患者の2nd、3rdあるいは4th lineに使用する抗がん薬として、我々婦人科腫瘍医が期待している薬剤の1つである。内服薬であるため、投与は簡便で、外来治療に適しておりQOLを維持しながら治療継続が可能である。悪心・嘔吐は日本癌治療学会ガイドラインでは低リスクに区分されているが、必要に応じデキサメサゾンなどの制吐剤を併用することで高いコンプライアンスを保つことができる。しかし、血液毒性は決して軽微ではないため厳重かつ慎重な観察が必要である。副作用が強く出現した場合には減量・休薬などの適切な処置が必要である。

【警告】本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【効能又は効果】肺小細胞癌、悪性リンパ腫、子宮頸癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌〈効能・効果に関連する使用上の注意〉卵巣癌に対して本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。

【用法及び用量】(一部抜粋)4. がん化学療法後に増悪した卵巣癌エトポシドとして、通常成人1日50mg/m2を21日間連続経口投与し、1週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

【使用上の注意】(一部抜粋)2. 重要な基本的注意(7)卵巣癌に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬

検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:エトポシド(卵巣癌)」等)を熟読すること。

(注釈)*1 「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応

について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認すること等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資することを目的として設置されたもの

*2 公知申請とは、医薬品(適応追加等)の承認申請に関して、その医薬品の有効性や安全性が医学薬学上公知であるとして、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく承認申請を行うことができる制度

 このたび、抗悪性腫瘍剤 ベプシドカプセル50mg・25mg(一般名:エトポシド)において、がん化学療法後に増悪した卵巣癌に対する「効能又は効果」及び「用法及び用量」が追加承認されました。

 弊社は、本剤の卵巣癌の適応について、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」*1で医療上の必要性が高いという評価を得て、厚生労働省から発出された開発要請に基づき、公知申請*2を行いました。 本申請は、検討会議にて取りまとめられた公知申請への該当性に係る報告書(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/05/dl/s0521-5ad.pdf)に基づき、本剤の「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」に対して、以下の「効能又は効果」及び「用法及び用量」で2012年2月22日付けで承認されました。

 今回変更された「警告」、「効能又は効果」及び「用法及び用量」他(色付き部分)

 化学療法施行中は、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

公知申請への該当性に係る報告書の「要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価について」(抜粋)国内試験(他癌腫を含む)の検討結果より、75mg/body群(体表面積を考慮した場合、本剤の製剤規格[25mg及び50mg製剤]からも50mg/m2に概ね該当する用量と想定)では、50mg/body群と比較して骨髄仰制及び肝機能検査値異常が高く発現する傾向がみられるため、当該有害事象に対しては、現行添付文書に注意喚起されているとおり、頻回に血液検査を行う等、引き続き慎重な対応が必要と考える。加えて、消化器症状も強く発現する傾向があるため、患者状態を考慮して適切な対応が必要と考える。

「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」の適応追加で引用されたエトポシドの臨床成績報告

【用法及び用量】(一部抜粋)4. がん化学療法後に増悪した卵巣癌エトポシドとして、通常成人1日50mg/m2を21日間連続経口投与し、1週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

プラチナ製剤抵抗性及びプラチナ製剤感受性の再発卵巣癌に対するセカンドラインとしてエトポシドを長期経口投与した第Ⅱ相臨床試験: Gynecologic Oncology Group試験

Rose PG. et al: J Clin Oncol 16: 405-410, 1998

【対  象】再発卵巣癌99例(プラチナ製剤抵抗性53例、プラチナ製剤感受性46例)

【評価項目】安全性、奏効率

【試験方法】エトポシド50mg/m2/日 21日間連日経口投与後1週間休薬

前治療として放射線療法を施行していた場合、30mg/m2/日から投与開始し、その後増量。増量は60mg/m2/日注)まで可能。

【患者背景】

1)Rose PG. et al. Prolonged oral etoposide as second-line therapy for platinum-resistant and platinum-sensitive ovarian carcinoma: a Gynecologic Oncology Group study. J Clin Oncol 16(2): 405-10, 1998

2)de Wit R et al. Phase Ⅱ study of prolonged oral etoposide in patients with ovarian cancer refractory to or relapsing within 12 months after platinum-containing chemotherapy. Ann Oncol. 5(7): 656-7, 1994

3)Markman M et al. Phase 2 trial of chronic low-dose oral etoposide as salvage therapy of platinum-refractory ovarian cancer. J Cancer Res Clin Oncol. 119(1): 55-7, 1992

4)野田起一郎 他. Etoposide 21日連日経口投与臨床第Ⅰ相試験. 癌と化学療法 21(10): 1633-9, 19945)野田起一郎 他. 子宮頸癌・卵巣癌に対するEtoposideの21日間連日経口投与による前期第Ⅱ相臨床試験. 癌と化学療法 25(13): 2061-8, 1998

6)Herzog TJ. et al. Workshop: options for therapy in ovarian cancer. Gynecol Oncol. 90(3 pt 2): S45-50, 20037)Bookman MA. Developmental chemotherapy in advanced ovarian cancer: incorporation of newer cytotoxic agents in a phase Ⅲ randomized trial of the Gynecologic Oncology Group (GOG-0182). Semin Oncol. 29(1 Suppl 1): 20-31, 2002

再発卵巣癌に対し、エトポシド長期投与は有効かつ忍容性も良好であることが明らかとなりました。

安 全 性Grade 3又は4の有害事象は、白血球減少41.2%、好中球減少45.4%、消化器毒性15.5%、貧血13.4%、血小板減少9.3%、発熱及び神経毒性各2.1%、疲労、肺障害、体重減少、肺炎及び肝障害各1.0%で認められました。3例が本薬投与により死亡し、死因は好中球減少を伴う敗血症2例、及び過量投与による血小板減少を伴う出血1例でした。

【有害事象】

有害事象

白血球減少血小板減少好中球減少貧血消化器毒性脱毛症発熱高血圧疲労腎障害

Grade0 1 2 3 4 計

有害事象

泌尿生殖器障害低マグネシウム血症神経毒性皮膚障害肺障害体重減少肺炎アルカリホスファターゼ増加肝障害AST増加

Grade0 95969377959596939696

1 1021000301

2 11019110100

3 0020111010

4 0000000000

計 97979797979797979797

(例) (例)

全体の副作用についての詳細はDIをご参照下さい。

注)がん化学療法後に増悪した卵巣癌の承認された用法及び用量は、1日50mg/m2を21日間連続経口投与し、1週間休薬です。これを1クールとし、投与を繰り返します。なお、患者の状態により適宜減量します。

臨床効果

背景因子

年齢(歳)中央値範囲

プラチナ製剤感受性

プラチナ製剤抵抗性

GOG performance status(n)012

組織型(n)漿液性腺癌類内膜腺癌粘液性腺癌腺癌、不特定分類不能癌腫移行上皮癌混合上皮腺癌明細胞癌未分化癌

62.039-83

28121

2830601602

53.025-78

24116

3742221150

背景因子

Grade(n)123

プラチナ製剤感受性

プラチナ製剤抵抗性

疾患部位(n)骨盤骨盤外

実施コース数中央値範囲

前放射線療法施行(n)

前化学療法施行(n)

11525

1823

5.01-11

4.01-17

8

41

71321

1922

3

41

「がん化学療法後に増悪した卵巣癌」の適応追加で引用された臨床成績報告一覧は以下のとおりです。

エトポシド50mg/m2/日 経口投与 休薬

1日目 21日目 28日目

1コース 2コース

登録症例評価可能症例

プラチナ製剤抵抗性 プラチナ製剤感受性

完全奏効(CR)(%)部分奏効(PR)(%)奏効率(CR + PR)(%)

奏効期間 中央値(月)(範囲)

5341

7.319.526.8

4.3(1.3-8.7)

4641

14.619.534.1

7.5(1.9-15.2+)

無増悪期間 中央値(月)(範囲)

5.7(0.8-30.8+)

6.3+(0.9-20.4)

生存期間 中央値(月)(範囲)

10.8(1.9-45.8)

16.5+(0.9-34.8)

16642554468489969390

131612142121107

288161615115030

28520111301010

124242201000

97979797979797979797

「効能又は効果」、「用法及び用量」、「警告・禁忌を含む使用上の注意」、〈効能・効果に関連する使用上の注意〉、〈用法・用量に関連する使用上の注意〉等についてはDIをご参照下さい。

組成・性状

抗悪性腫瘍剤劇薬・処方せん医薬品(注意ー医師等の処方せんにより使用すること)

【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】(1)重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり,

感染症又は出血を伴い,重篤化する可能性がある。](2)本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者(3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6. 妊婦,産婦,授

乳婦等への投与」の項参照)

用法及び用量※※

1. 肺小細胞癌エトポシドとして,通常成人1日175~200mgを5日間連続経口投与し,3週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,投与量は疾患,症状により適宜増減する。

2. 悪性リンパ腫患者の状態に応じA法又はB法を選択する。A法:エトポシドとして,通常成人1日175~200mgを5日間連続経口投与し,3週

間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,投与量は疾患,症状により適宜増減する。

3. 相互作用併用注意(併用に注意すること)

4. 副作用<概要>1)5日間連続投与(承認時から再審査終了時及び剤型追加承認時)総症例1,648例(承認時375例及び市販後調査1,273例)における副作用及び臨床検査値異常の発現率は75.9%であり,主なものは白血球減少48.2%,貧血(赤血球減少及びヘモグロビン減少)30.9%,血小板減少20.3%,脱毛32.6%,食欲不振28.0%,嘔気20.7%,嘔吐9.7%,倦怠感9.4%,口内炎5.8%であった。

2)21日間連続投与(承認時)総症例181例における副作用及び臨床検査値異常の発現率は96.7%であり,主なものは白血球減少75.1%,ヘモグロビン減少65.7%,血小板減少14.9%,脱毛59.1%,食欲不振51.4%,悪心・嘔吐42.0%,倦怠感30.9%,口内炎13.8%等であった。(1)重大な副作用

1)汎血球減少(0.2%)等の骨髄抑制:汎血球減少,白血球減少,好中球減少,血小板減少,出血,貧血等があらわれることがあるので,頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬,中止等の適切な処置を行うこと。

2)間質性肺炎(0.2%):発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

1. 組成ベプシドカプセル50mg,ベプシドカプセル25mgは1カプセル中,それぞれエトポシド50mg,25mgを含有する。添加剤としてマクロゴール,ポビドン,ヒドロキシプロピルセルロース及び無水クエン酸,カプセル本体にゼラチン,ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80を含有する。

2. 製剤の性状本剤は,白色の帯により接着された薄いだいだい色の硬カプセル剤で,内容液は淡黄白色澄明の粘性の液である。

承認条件

子宮頸癌に対する国内における本剤の臨床的有効性及び安全性を確認するため,国内での適切な臨床試験を行い,その結果を含めた市販後調査結果を報告すること。

包装

ベプシドカプセル50mg:20カプセルベプシドカプセル25mg:40カプセル

使用上の注意

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)骨髄抑制のある患者[骨髄抑制を増悪させることがある。](2)肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので,副作用が強くあらわれる

ことがある。](3)腎障害のある患者[腎機能が低下しているので,副作用が強くあらわれること

がある。](4)感染症を合併している患者[骨髄抑制により,感染症を増悪させることがあ

る。](5)水痘患者[致命的全身症状があらわれるおそれがある。](6)高齢者(「5. 高齢者への投与」の項参照)(7)小児(「7. 小児等への投与」の項参照)(8)長期間使用している患者[骨髄抑制等が強くあらわれ,遷延性に推移すること

がある。]

2. 重要な基本的注意(1)本剤の投与により骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあり,ときに致

命的な経過をたどることがあるので,以下の点に注意すること。

1)緊急時に十分処置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。なお,本剤の使用にあたっては,添付文書を熟読すること。

2)頻回に臨床検査(血液検査,肝機能検査,腎機能検査等)を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量,休薬,中止等の適切な処置を行うこと。骨髄抑制は用量依存的に発現する副作用であり,用量規制因子である。白血球減少の最低値は一般に,5日間投与[肺小細胞癌及び悪性リンパ腫(A法)]においては投与開始日より約2~3週間後に,21日間投与[悪性リンパ腫(B法)及び子宮頸癌]においては投与開始日より約3週間後にあらわれる。

3)化学療法を繰り返す場合には,副作用からの十分な回復を考慮し,肺小細胞癌及び悪性リンパ腫(A法)においては少なくとも3週間の休薬,悪性リンパ腫(B法)及び子宮頸癌においては少なくとも1~2週間の休薬を行うこと。また,使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ,遷延性に推移することがあるので,投与は慎重に行うこと。

4)他の抗悪性腫瘍剤,放射線照射を併用する場合には,骨髄抑制等の副作用が増悪することがあるので,患者の状態を観察しながら,減量するなど用量に注意すること。

(2)感染症,出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。(3)小児に投与する場合には,副作用の発現に特に注意し,慎重に投与すること。(4)小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には,性腺に対す

る影響を考慮すること(「9.その他の注意」の項の(1)参照)。(5)手術あるいは放射線治療の補助化学療法として用いた場合,その有効性・安

全性は確立していない。(6)本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により,急性白血病(前白血病相を伴う場合

もある),骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があるので,十分に注意すること。

(7)卵巣癌に本剤を使用する際には,関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:エトポシド(卵巣癌)」等)を熟読すること。

5. 高齢者への投与高齢者では,一般に生理機能(骨髄機能,肝機能,腎機能等)が低下しており,本剤の投与で骨髄抑制等の副作用が高頻度に発現しているので,頻回に臨床検査を行い,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

6. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験

(ラット・ウサギ)で催奇形性,胎児毒性が認められている。](2)授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁

中への移行が報告されている。]7. 小児等への投与小児に対する安全性は確立していないので,投与する場合には副作用の発現に特に注意し,慎重に投与すること。なお,子宮頸癌では小児に対する使用経験はない。

8. 適用上の注意薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

9. その他の注意(1)動物実験(イヌ・ラット)で精巣の萎縮,精子形成障害が発現し,投与後約1カ

月の休薬において回復性は認められなかった。これらの毒性については,別の動物実験で投与後2又は3カ月の休薬において回復又は回復傾向が認められている。

(2)細菌での修復試験,復帰変異試験,マウスの小核試験において変異原性が認められている。

※※【警 告】本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては,各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与すること。

効能又は効果※※

肺小細胞癌,悪性リンパ腫,子宮頸癌,がん化学療法後に増悪した卵巣癌

※※〈効能・効果に関連する使用上の注意〉卵巣癌に対して本剤の投与を行う場合には,白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし,白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で,本剤の投与を開始すること。

※※ 効能追加

販売開始 1994年 7月 1994年 7月

2012年 2月 2012年 2月

薬価収載 2007年12月 2007年12月承認番号 21900AMX00930 21900AMX00929

50mg 25mg使用期限 3年(外箱に記載)貯法 室温保存,吸湿注意

一般名和名

洋名

エトポシド

Etoposide

商品名和名

洋名

ベプシドカプセル50mg ベプシドカプセル25mg

VEPESID CAPSULES

製造販売元 ブリストル・マイヤーズ株式会社日本標準商品分類番号 87424

B法:エトポシドとして,通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し,1~2週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,投与量は疾患,症状により適宜増減する。

3. 子宮頸癌エトポシドとして,通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し,1~2週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,投与量は疾患,症状により適宜減量する。

4. がん化学療法後に増悪した卵巣癌エトポシドとして,通常成人1日50mg/m2を21日間連続経口投与し,1週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。なお,患者の状態により適宜減量する。

※※

頻度種類

肝臓

AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,ビリルビン上昇,γ-GTP上昇,Al-P上昇,LDH上昇

腎臓

消化器

過敏症注 発疹

口 内 炎,下 痢,腹痛,便秘

BUN上昇,クレアチニン上昇

精神神経系しびれ,一過性皮質盲

頭痛

尿蛋白

循環器

電解質

ナトリウム異常,クロール異常,カリウム異常,カルシウム異常

心電図異常,不整脈,頻脈,血圧低下

その他発熱,血清総蛋白減少

顔面潮紅,浮腫,味覚異常

倦怠感

皮膚 紅斑,そう痒,色素沈着

脱毛

悪心・嘔吐,食欲不振

10%以上 1~10%未満 1%未満

注:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

ともに骨髄抑制作用を有する。

骨髄抑制等を増強することがあるので,併用療法を行う場合には,患者の状態を観察しながら,減量するなど用量に注意すること。

抗悪性腫瘍剤,放射線照射

機序・危険因子臨床症状・措置方法薬剤名等

製剤

ベプシドカプセル50mg

形状

2号カプセル

サイズ

BMS305

識別コード

ベプシドカプセル25mg

4号カプセル BMS304

0.45

重さ(g)

0.23

※※2012年2月改訂(第11版)※2010年1月改訂

その他の詳細につきましては, 添付文書をご参照下さい。また, 添付文書の改訂にご留意下さい。

〒163-1328⦆⦆東京都新宿区西新宿6-5-1資料請求先:メディカル情報部 TEL.0120-093-507

製 造販売元

VP/12-02/0015/14-012012年3月作成