48
1 ワワワ ワワワワ ワワワワワワワワワワ ・・ ワワワワワワワワワワワワワワワワワ ~~ ワワワワワワワワワワワワ ワワワワ E-mail:[email protected] p ワワ ワワ ワ ワ 2008321 ワワワワワワワワワワワワワワワワワワ

ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

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ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~. 日本総合研究所主任研究員 池本美香 E-mail:[email protected] 2008年3月21日 広島大学地域経済システム研究センター. 目次. 1.ワーク・ライフ・バランスが注目される背景 2.日本の子育ての現状 3.なぜライフではなくワークに向かうのか 4.ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 5.諸外国におけるワーク・ライフ・バランス施策 6.地方都市におけるワーク・ライフ・バランスの可能性 参考文献: - PowerPoint PPT Presentation

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1

ワーク・ライフ・バランスの社会的意義

~地方都市から男性の働き方を考える~

日本総合研究所主任研究員

池本美香E-mail:[email protected]

2008年3月21日広島大学地域経済システム研究セン

ター

Page 2: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

2

1.ワーク・ライフ・バランスが注目される背景2.日本の子育ての現状3.なぜライフではなくワークに向かうのか4.ワーク・ライフ・バランスの社会的意義5.諸外国におけるワーク・ライフ・バランス施策6.地方都市におけるワーク・ライフ・バランスの可能性

参考文献:池本美香『失われる子育ての時間』勁草書房、 2003 年池本美香「乳幼児期の子どもにかかわる制度を再構築する」日本総研『 Bus

iness & Economic Review 』 2007 年 12 月

目次

Page 3: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

3

• ワーク・ライフ・バランスとは  仕事と生活(家事・育児・介護・地域活動・趣味・学習等)の調和  仕事時間の長さ+配分の問題(日・週・年・生涯、男女、社会) 

• 出生率の低下・労働力人口の減少   出生率の回復+女性の就業促進+労働生産性向上   が課題に• 諸外国と比べた男性の労働時間の長さ   女性の育児休業取得率の低さ、出産退職の多さ• 保育サービス整備中心の少子化対策に対する反省   長時間労働のストレス、育児不安の高まり   男性の働き方の見直し、地域の子育て支援の必要性

1.ワーク・ライフ・バランスが注目される背景

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4

合計特殊出生率の国際比較

2.05

1.94

1.80

1.77

1.63

1.34

1.34

1.29

1.16

2.01

0 0.5 1 1.5 2 2.5

アメリカ

ニュージーランド

フランス

イギリス

スウェーデン

OECD平均

ドイツ

イタリア

日本

韓国

( 2005注) 年頃のデータOECD, (資料) Babies and Bosses - Reconciling Work and Family Life: A Synthesis of Findings for

OECD Countries

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5

合計特殊出生率の推移

1.32

2.01

1.77

1.00

1.20

1.40

1.60

1.80

2.00

2.20

1985 1990 1995 2000 2005

(年)

日本フランススウェーデン

(資料)国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」

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6

人口構造の変化(出所:平成18年版少子化社会

白書)

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7

少子化対策の流れ

1986 年 男女雇用機会均等法  → 1989年 合計特殊出生率1.57ショック1992 年 育児休業法( 95 年より育児休業給付金)1994 年 緊急保育対策(時間延長保育、低年齢児保育など)2001 年 保育所の待機児童ゼロ作戦(認証保育所、預かり保育、定員弾力

化、公設民営化等) →「女性の働く権利」を重視した保育サービスの整備が中心2002 年 少子化対策プラスワン(働き方の見直し等)2003 年 次世代育成支援対策推進法(自治体・企業による行動計画策定)2007 年 次世代育成支援対策推進法による企業の認定2008 年 内閣府「仕事と生活の調和」推進室 →ワーク・ライフ・バランスと地域の子育て支援へ

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8

労働時間の国際比較

1,5871,535

1,435

1,672

1,804 1,775

1.9

5.7 5.3

15.5

20.0

28.1

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

スウェーデン フランス ドイツ イギリス アメリカ 日本

(時

間)

0

5

10

15

20

25

30

(%

2005年間平均労働時間( )

50週労働時間 時間以上の労働者2000の割合( )

OECD, Database on Labour Force Statistics, ILO,Working time and worker's preferences in(資料)industrialized countries: Finding the balance 2004(出所)厚生労働省資料

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9

夫の仕事・通勤時間の国際比較

7.5

6.1

4.5

4.9

4.9

5.6

0.8

0.5

0.6

0.4

0.7

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

日本

アメリカ

ドイツ

フランス

スウェーデン

イギリス

仕事と仕事中の移動通勤

(注)アメリカの移動は関連する行動に含まれる。18(資料)総務省統計局「平成 年社会生活基本調査」

(時間)

Page 10: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

10

夫の家事・育児時間、自由時間の国際比較

1.3

3.1

3.0

2.5

3.4

2.8

3.0

4.4

4.7

3.9

4.2

4.0

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

日本

アメリカ

ドイツ

フランス

スウェーデン

イギリス

家事と家族のケア自由時間

(時間)

18(資料)総務省統計局「平成 年社会生活基本調査」

Page 11: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

11

女性が職業を持つことについての考え

6.7

10.2

40.4

34.9

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

1992 1995 2000 2002 2006

(調査年)

(%

女性は職業をもたない方がよい

結婚するまでは職業をもつ方がよい

子どもができるまでは、職業をもつ方がよい

子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい

子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつ方がよい

その他

わからない

(資料)内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」

Page 12: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

12

第1子出産前後の女性の就業状況の変化

(資料)厚生労働省「第1回21世紀出生児縦断調査」( 2002 年)

Page 13: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

13

子どもの出生年別にみた第1子出産前後の妻の就業経歴

5.1

8.0

10.3

13.8

19.9

16.4

12.2

11.5

35.7

37.7

39.5

41.3

34.6

32.3

32.0

25.2

4.7

5.7

6.1

8.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1985-89年

1990-94年

1995-99年

2000-04年

就業継続(育児休業利用) 就業継続(育児休業利用なし)出産退職 妊娠前から無職その他・不詳

13(資料)国立社会保障・人口問題研究所「第 回出生動向基本調査(夫婦調査)」2005年

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14

6歳未満の子を持つ母の就業率

85.0

54.0

48.5

41.4

42.5

36.0

37.2

77.5

59.5

59.2

57.1

57.0

49.2

35.2

61.364.7

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

スウェーデン

フランス

アメリカ

OECD平均

ドイツ

イギリス

ニュージーランド

日本

1990年

2002年

(%)

OECD, Society at a Glance 2005(資料)

Page 15: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

15

男女賃金格差の国際比較

0.57

0.77

0.73

0.75

0.77

0.81

0.9

0.85

0.61

0.76

0.79

0.81

0.81

0.85

0.89

0.91

0.630.69

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

韓国

日本

ドイツ

イギリス

アメリカ

OECD平均

スウェーデン

フランス

ニュージーランド

1995年2005年

(注)男性の賃金を1としたときの女性の賃金水準。賃金は正規雇用者。OECD, Employment Outlook 2007 P.268(資料)

Page 16: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

16

家庭養育上の問題

0 10 20 30 40 50 60

問題がある(計)

しつけや子育てに自信がない

親(保護者)と子の接触時間が不足している

養育費に困っている

親類や近所づきあいが乏しい

子育てと社会参加との両立が難しい

家族の協力が得られない

住宅が狭い等居住環境に悩んでいる

その他

問題はない

平成元年平成6年

11平成 年

18(注) 歳未満の児童のいる世帯対象。(資料)厚生労働省「全国家庭児童調査」

(%)

Page 17: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

17

2.日本の子育ての現状

• 家庭環境  未婚率の高まり、母子家庭の増加、母親のストレ

ス(理想と現実のギャップ)

• 子どもの保育環境  認可外保育所の増加、保育所の定員弾力化、長時

間保育、学童保育の大規模化など、保育の質の低下

• 地域環境  近所づきあいの減少、治安の悪化、情報化・ネッ

ト社会、環境汚染など

Page 18: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

18

未婚率の推移

11.714.3

21.5

28.1

32.6

37.3

42.9

47.1

4.78.5

14.2

19.022.6

25.7

18.120.9

24.0

30.6

40.2

48.0

54.0

59.0

7.2 7.710.4

13.9

19.7

32.0

30.0

6.1

26.6

9.1

0

10

20

30

40

50

60

70

1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年

(%)

30男性 代前半

30男性 代後半

20女性 代後半

30女性 代前半

(資料)総務省「国勢調査」

Page 19: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

19

母子世帯の増加

374

439

508543

483

597

691

6595 99 102

84 83 79

0

100

200

300

400

500

600

700

800

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 (年)

(千世帯)

母子世帯 父子世帯

65 20(注)母子(父子)世帯は配偶者のいない 歳未満の女(男)と 歳未満のその子のみで構成される世帯。(資料)厚生労働省統計情報部「厚生行政基礎調査報告」「国民生活基礎調査」

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20

7

2

9 33

7

16

11

16

20

19

58

2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ニュージーランド

日 本

ほぼ毎日 週に4、5日 週に2、3日週に1日 月に2、3日 全くしない

2002 35 44(注)ニュージーランドはオークランドとウェリントンで 年2月に ~ 歳の有配偶女性が回 1999 35 44答。日本は東京で 年7月に妻年齢が ~ 歳の核家族世帯の夫が回答したもの。(資料)財団法人家計経済研究所「ニュージーランドの家族・家庭生活」

夫(パートナー)が1週間に料理する回数(ニュージーランド・日本)

Page 21: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

21

児童相談所における児童虐待相談対応件数

37,343

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

(年)

(件)

(資料)厚生労働省

Page 22: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

22

認可外保育施設数の推移

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 (年)

(施設)

事業所内保育施設 ベビーホテルその他認可外保育施設 公立認可保育所私立認可保育所 認可外保育施設合計

(資料)厚生労働省「社会福祉施設等調査報告」、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課

Page 23: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

23

51.5

69.1

5.9

11.8

42.6

19.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1999年

2005年

弾力化を実施している市町村 弾力化を認めている市町村 弾力化を認めていない市町村

10(注)保育所のある市町村数に対する割合。 月1日現在。弾力化を認めていない市町村には、待機児童がいないため必要ない市町村を含む。(資料)厚生労働省「地域児童福祉事業等調査」

保育所の定員弾力化を実施している市町村割合

Page 24: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

24

就学前教育・保育への公費支出の対GDP比 2.0

1.7

1.3

1.0

0.80

0.55

0.50

0.48

0.45

0.45

0.43

0.40

0.25

1.7

0.26

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

デンマーク

ノルウェー

スウェーデン

フィンランド

フランス

ハンガリー

オーストリア

イギリス

アメリカ

ドイツ

オランダ

イタリア

オーストラリア

カナダ

日本

(%)

OECD, Starting Strong Ⅱ (2006) p.105 2004(注) 0~6歳の 年の数値。 日本の数値は、認可保育所および幼稚園への公的補助(保育所の地方追加額は含まない)をもとに計算。

Page 25: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

25

家族関係社会支出の対GDP比(2003年)

1.4

1.6

2.2

1.2

1.3

1.9

0.6

0.30

1.6

1.9

0.8

0.8

0.9

0.4

0.6

0.7

0.44

0.8

0.4

1.0

0.2

0.7

0.47

0.1

0.0 0.1

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

フランス

スウェーデン

イギリス

ドイツ

OECD平均

ニュージーランド

アメリカ

イタリア

日本

韓国

(%)

現金給付 サービス 税控除

2003(注)家族手当、育児休業給付、保育サービス等で、住宅補助、医療費補助は含まない。 年のデータ。Social Expenditure Database(資料)

Page 26: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

26

近所づきあいの程度

52.8

49.0

42.3

21.1

22.3

32.8

32.4

35.3

48.3

49.4

11.8

14.4

16.7

23.3

21.9

3.8

5.3

6.8

5.8

1.8

0.6

0.4

0.4

0.4

0.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1975

1986

1997

2002

2004

調査年

親しく付き合っている[よく付き合っている]付き合いはしているがあまり親しくはない[ある程度付き合っている]あまり付き合っていない付き合いはしていない[全く付き合っていない]わからない

2002 2004(注)[]内は 年、 年調査の選択肢(資料)内閣府「社会意識に関する世論調査」

Page 27: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

27

3.なぜライフではなくワークに向かうのか

• 労働・所得環境 雇用不安、正社員と非正社員の格差が長時間労働を促進、教育費のための長時間労働

• ライフの大切さについて議論することへの抵抗 女性の社会進出に逆行

• 「家庭より仕事優先」の上司の影響?  再チャレンジの難しさ、新しい父親・母親像が実現しにくい

• 1960年代生まれ以降の世代の特徴 競争的価値観、「社会力」不足、育った家庭環境が父親不在・近所づきあいなし、豊かなライフの体験がない、女性の高学歴化

• ビジネスチャンスとして広がる保育・教育サービス 少子化で乳幼児期に企業が進出、雇用創出への期待

• ライフの環境の貧困さ 住環境、地域社会の厚み

Page 28: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

28

非正規雇用者の増加

3343

3488

3779

3630

3374

655

881

1001

1273

1633

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

1985年

1990年

1995年

2000年

2005年

正規雇用者 非正規雇用者

2000 2005(資料) 年までは総務省「労働力調査(特別調査)」(2月調査)、 年は総務省「労働力調査(詳細集計)」(年平均)による。

(万人)

Page 29: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

29

耐久消費財普及率の推移

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85(年)

(%)

電気冷蔵庫

電気洗濯機

電気掃除機

カラーテレビ

乗用車

(資料)内閣府経済社会総合研究所「家計消費の動向-消費動向調査年報-」

Page 30: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

30

きょうだい数(生まれた年別)

4.8

4.8

4.9

4.9

4.3

6.1

7.6

6.7

6.2

6.9

9.3

8.7

11.4

16.2

25.5

38.8

49.2

52.3

54.9

55.7

15.9

17.2

20.5

28.0

35.0

33.0

30.4

32.3

31.7

32.2

21.4

20.0

24.4

22.3

18.7

12.3

7.9

6.8

5.0

3.4

48.7

49.4

38.8

28.6

16.5

9.8

4.9

1.8

2.1

1.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

30 34~ 年生まれ

35 39~ 年生まれ

40 44~ 年生まれ

45 49~ 年生まれ

50 54~ 年生まれ

55 59~ 年生まれ

60 64~ 年生まれ

65 69~ 年生まれ

70 74~ 年生まれ

75 79~ 年生まれ

1人 2人 3人 4人 5人以上

(資料)厚生省人口問題研究所「現代日本の世帯変動-第3回世帯動態調査(1994年)-」

Page 31: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

31

4.ワーク・ライフ・バランスの社会的意義

企業・経済力の視点  企業の生産性、人材確保、国際競争力、出生率回復

子どもの権利の視点  子どもにとって親子一緒の時間+親の精神的余裕が必要。  虐待等のリスク軽減など、子どもの福祉向上につながる。  教育の充実は将来の人材育成にもプラス。• 大人の権利の視点   働く権利(特に女性)、子育てをする権利(特に男性)、学習

の権利、ボランティア活動の権利など。  人付き合いの豊かさ(ソーシャル・キャピタル<社会関係資本>)、自己実現が精神的な健康につながる。医療費削減にもプラス。 

Page 32: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

32

5.諸外国のワーク・ライフ・バランス施策

• 諸外国の労働政策の動向  育児休業の父親割当(ノルウェー 6 週間、スウェーデン 60 日、ドイツ

2ヶ月)、父親の出産時休暇、短時間勤務、学期勤務、在宅勤務、フレックスタイム、看護休暇、在宅育児手当(ノルウェー、フィンランド)など

• ワーク・ライフ・バランスを支える保育・教育環境  親の参加+親の学習の促進、保育・教育施設における就労支援、

幼児教育の無償化(ニュージーランド、フランス、スウェーデン、イギリス)

• ワーク・ライフ・バランスを支える都市環境  緑地の充実(ドイツ)、ボランティアの活性化(イタリア)• ワーク・ライフ・バランスを支える思想   1989 年国連「児童の権利条約」、権利擁護の独立機関の設置

(ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、フランス等)

Page 33: ワーク・ライフ・バランスの社会的意義 ~地方都市から男性の働き方を考える~

33

諸外国における育児に関する休業制度

育児休業期間(月)

産休を含めた産後の休業期間(月)

うち給付のある期間(月)

育児休業の権利

育児休業給付の水準(注)

給付金の対象

父親休暇○( 給付

△あり・ 無給)

看護休暇○( 給付

△あり・ 無給)

オーストラリア 12 12 0 家族 無給 - - -オーストリア 22 24 24 家族 50%未満 全家庭 - ○ベルギー 6 9.5 9.5 個人 50%未満 休業者 ○ △カナダ 8.5 12 11.5 家族 50%以上 休業者 △ △デンマーク 7.5 10.5 10.5 家族 50%以上 休業者 ○2週間 -フィンランド 36 36 36 家族 50%以上 休業者 ○3週間 △フランス 33 36 36 家族 50%未満 休業者 ○14日 △ドイツ 34 36 14 家族 50%以上 休業者 - ○ハンガリー 31.5 36 36 1歳まで母親 50%以上 休業者 - ○アイルランド 6.5 12 0 個人 無給 - - ○イタリア 10 12.5 12.5 個人 50%未満 休業者 - △オランダ 6 8.5 2.5 個人 無給 休業者 ○2日間 ○ノルウェー 10 11.5 11.5 家族・個人 50%以上 休業者 △ 2週間 ○ポルトガル 6 11.5 5.5 個人 無給 休業者 ○ ○スウェーデン 16 16 16 家族・個人 50%以上 休業者 ○10日 ○イギリス 5-6 18 0 個人 無給 - ○2週間 △アメリカ 0 0 0 - - - - -日本 10 12 12 個人 50%以上 休業者 - △

50 50(注) %未満は、休業前賃金の %未満の給付もしくは対象者・対象期間が限定的。50 50%以上は、休業者全員に %以上の給付(ただし全期間とは限らない)。フランスの給付期間は、第一子については6ヶ月。

OECD, Starting Strong Ⅱ P.24 Table1.1(資料) をもとに日本総研作成

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絵本の読み聞かせをする親↑  ■保育所、幼稚園に次ぐ第三の 幼児教育施設■全国に約 530ヶ所■50 年以上前から政府が補助

幼児教育や運営に関する知識を身に付ける親の学習会  →

活動理念       “ Families growing together” を表すロゴマーク

ニュージーランド プレイセンター(協働保育施設)

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フランス 親保育園crèche parentale

親も保育活動に参加する形態ある園では、親が少なくとも週に半日は保育に参加し、二週間に一回食事当番や子どもの外出の手伝いをする。

親が子どもの生活をよく知ることができる、保育士のやり方から親が学ぶことができる、親同士、親と保育士の協力関係によい影響がある。

スウェーデン 親組合保育所

親が組合を作って保育士を雇う方式の保育所

待機児童対策として始まったが、親が運営に深くかかわり、 親の意見が保育に反映しやすいことから、現在も支持され  ている。

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イギリス 子どもセンターChildren’s Centre

• 保育所・幼稚園の施設に、親や地域住民を対象としたサービスや学習の場を設けることで、親や地域住民のネットワーク作りや生活の質向上を図り、幼児教育の質向上につなげようという試み。

• 精神的・経済的に不安定になる乳幼児期の親が立ち寄る場所に、就職支援、就職のための学習の場、女性の健康づくり(ヨガなど)の場を作ることで、乳幼児期の家庭を安定させる効果。

• こうした総合施設への1ポンドの投資は、他のサービスへの8ポンドの効果に匹敵するという財政面での効果も指摘されている。

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ドイツ クラインガルテン(小さい庭)運動 

ー子どもの健康には土と緑が必要― 

■1919年に法整備  ■一区画 100 坪、 100~200  区画で一地区を形成  ■ 25年以上の長期利用■自主運営(クラブハウス)■自然保護、余暇の充実、  家族の会話など

高齢者の生きがいとして「病院よりクラインガルテンを」ドイツでは園舎を持たない「森の幼稚園」活動も盛ん。

参考文献:今泉みね子、アンネッテ・マイザー著『森の幼稚園』 

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  ■近隣の助け合いの復活・学び合いの促進    ■国内約 300ヶ所

                                                               ←ローマの時間銀行で

                                使われている小切手

       時間銀行の仕組みで       行われている英会話教室 →

参加には保証人が必要。信頼できる人間関係を築くきっかけに。

イタリア 時間銀行 

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6.地方都市におけるワーク・ライフ・バランスの可能性

• 中国地方の父親の帰宅時間が早い。平均労働時間が長いのは、多くの人が働いているから?

• ワーク・ライフ・バランスはコミュニティ、保育・教育環境、雇用機会、自然環境等のバランスのとれた地方都市がリードできる可能性大。実現にむけての課題は・・・

• 良質な雇用機会 格差の縮小• ライフを楽しめる都市空間づくり 放課後子ども教室「広島オリジナル」の親の学習プログラム、学校の森(新潟県長岡市)、プレイセンター(北海道恵庭市)など

• 新しいライフスタイルの発信 新しい父親像で、子どもの福祉・。教育の質向上、出生率向上、生産性向上の好循環を目指す。

• 子どもの権利など人権の視点からの議論 ワーク・ライフ・バランスを経済効果だけでなく権利保障として議論すべき。

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平日の帰宅時間が23時以降翌朝3時未満の父親の割合(就学前児童のいる父親)

13.7

6.8

10.1

20.5

11.9 12.7 12.8 12.3

5.9

8.9 9.0

0

5

10

15

20

25

全国

北海道

東北

南関東

北関東

・甲信越

北陸

東海

近畿

中国

四国

九州

(%)

( )UFJ ( (2003 3 ))(資料)株 総合研究所「子育て支援策等に関する調査研究」厚生労働省委託 年 月

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地域別にみた男性の平日の帰宅時間

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全国

広 島 県

関東大都市圏

中京大都市圏

京阪神大都市圏

3大都市圏以外

17時以前 17時台 18時台 19時台 20 22時以降 時まで 22時以降 不詳

18(資料)総務省統計局「平成 年社会生活基本調査」

平均帰宅時間19:37

19:09

19:57

19:50

19:47

19:19

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地域別にみた男性の仕事時間(週全体・一日当たりの平均)

317

331

296

304

319

307

338

301

333

321

319

0 50 100 150 200 250 300 350

全国

広 島 県

札幌大都市圏

仙台大都市圏

関東大都市圏

静岡大都市圏

中京大都市圏

京阪神大都市圏

広島大都市圏

北九州・福岡大都市圏

8大都市圏以外

(分)

(資料)総務省統計局「平成18年社会生活基本調査」

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地域別にみた仕事をしている人の割合(男性・15歳以上)

0 10 20 30 40 50 60 70

全国

広 島 県

札幌大都市圏

仙台大都市圏

関東大都市圏

静岡大都市圏

中京大都市圏

京阪神大都市圏

広島大都市圏

北九州・福岡大都市圏

8大都市圏以外

(%)

(資料)総務省統計局「平成18年社会生活基本調査」

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学校の森

1986年から学校に森をつくる活動がスタート(写真:新潟県長岡市川崎小学校)。 2004年より NPO学校の森が、学校での森づくりを支援。

子どもたちのストレスを解消。 自然、地域社会から閉ざされていた学校を開く効果。幼稚園児なども散歩で訪れ、幼小連携にも効果。

子どもたちが木を植え、地域の後援会とともに森を維持していくことで、いのちとのつながり、地域とのつながり、未来へのつながりを実感できる場となる。

幼稚園の事例としては、四日市市まきば幼稚園( 2000年)がある。 韓国でも、 1999年より「学校の森」づくり国民運動がスタート。自治体や企業などの援助も得て広がっている。

              (今井重孝・佐川通編『学校に森をつくろう!』より)

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プレイセンター・ピカソ

(東京都国分寺市)

• 日本プレイセンター協会 (http://www8.plala.or.jp/playcentre) の講座を受講した元幼稚園教諭らが中心になってスタート。

• 北海道恵庭市では、マニフェストにプレイセンター活動の導入を取り上げている。

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スウェーデンの父親• 1歳までに父親の 50%が育児休業を取得         育児

休業の取得はプラス評価。育児休業を取得したことのある上司は、より人間的で信頼がおける。オープンに話し合って仕事を調整する関係を築くことは、仕事の生産性を高めるという考え方。

• 看護休暇の 43%は父親が取得• 80%の父親が出産休暇を取得• 保育所の利用時間(週平均)は 31.9 時間

内閣府「少子化社会に関する国際意識調査」(2006年3月)• 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方:     

  賛成 日本 57.1% スウェーデン 8.7%           反対 日本 37.7% スウェーデン 90.7%

• 子どもを生み育てやすい国かどうか:                 そう思う 日本 47.7% スウェーデン 97.8%

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末子3歳以下のカップルの帰宅時間(スウェーデン・日本)

0 10 20 30 40

15時頃まで

16時頃

17時頃

18時頃

19時頃

20時以降

決まっていない

家にいることが多い

その他

(%)

スウェーデン・男性

スウェーデン・女性

(資料)内閣府経済社会総合研究所「スウェーデン家庭生活調査」

0 20 40 60 80

18時頃まで

19時頃

20時頃

21時頃

22時以降

決まっていない

家にいることが多い

その他

(%)

日本・男性

日本・女性

1週間に家族全員で夕食を取った回数  2回以下   スウェーデン 15% 日本 52%                              7回      スウェーデン 48% 日本 21%

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都道府県別合計特殊出生率( 2006年)

1.02

1.74

1.291.37

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

1.8

沖縄

宮崎

島根

鳥取

鹿児

福井

佐賀

熊本

福島

長崎

山形

大分

長野

香川

滋賀

栃木

岡山

山口

岩手

静岡

新潟

広島

愛媛

群馬

石川

愛知

茨城

岐阜

三重

秋田

富山

山梨

和歌山

高知

青森

徳島

福岡

全国

兵庫

宮城

埼玉

千葉

神奈川

大阪

奈良

京都

北海道

東京