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生理学実習 実験5: 白血球の形態と機能. 担当: D 班( 41046 ~ 41060 ) 発表:高橋(岳)、田宮、遠山. 目的. ヒト末梢血を用いて. 比重の違いを用い白血球を2群に分ける それぞれの白血球の全体に占める 割合 を調べ、 形態 を観察する 好中球の 遊走能 を調べる. 方法. 1.末梢血液の採取 2.赤血球の沈降・除去 3.白血球の分画採取 4.標本作成(全血;中間層、ペレット) 5.形態観察. 1.末梢血液の採取. 肘静脈から 21ml の血液を採取する ―1ml は全血白血球の計測に用いる ― 残りは分画標本の作成に用いる - PowerPoint PPT Presentation
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生理学実習実験5:白血球の形態と機能担当: D 班( 41046 ~ 41060 )発表:高橋(岳)、田宮、遠山
目的
比重の違いを用い白血球を2群に分ける
それぞれの白血球の全体に占める割合を調べ、形態を観察する
好中球の遊走能を調べる
ヒト末梢血を用いて
方法
1.末梢血液の採取2.赤血球の沈降・除去3.白血球の分画採取4.標本作成(全血;中間層、ペレット)5.形態観察
1.末梢血液の採取
肘静脈から 21ml の血液を採取する ― 1ml は全血白血球の計測に用いる ―残りは分画標本の作成に用いる 凝固防止のためヘパリンを十分混和す
る(注射筒の壁にも塗ってある)
2.赤血球の沈降・除去
多糖類であるデキストランを混和する― 赤血球をからめとることで、効率よ
く沈降させられる
2.赤血球の沈降・除去
→
沈降前 沈降後
沈降赤血球の上の層を回収して分画にまわす
3.白血球の分画採取
Ficoll-Paque 液を加えて遠心分離する
3.白血球の分画採取
1.020 1.030 1.040 1.050 1.060 1.070 1.080 1.090 1.100 1.110 1.120 1.130
単球
リンパ球
好塩基球
好中球
好酸球
赤血球
血小板
比重
Ficoll 液の比重( 1.077 )
中間層 ペレット
単球リンパ球
好塩基球
好中球好酸球
赤血球
1.020 1.050 1.100
血小板
1.130
3.白血球の分画採取
中間層 ―単球 ―リンパ球 ―好塩基球 ペレット ―好中球 ―好酸球
3.白血球の分画採取
中間層
ペレット
3.白血球の分画採取
遠心分離の後、中間層・ペレットを抽出し、各分画を洗浄する
―中間層分画は遠心を1回行う ―ペレット分画は一度低張液
( 0.2 % NaCl )を加えて赤血球を溶血させて遠心し、再度洗浄・遠心を行う
4.標本作成 (全血;中間層・ペレット) 計数のための標本 全血: Turk 液(低張液)による染色 ―余計な赤血球を除く 分画: Trypan blue による染色 ―生きている細胞と死んだ細胞とを
見分け るために加える→血球計算板で計数
<結果>白血球の数( /mm3 )
2000
4000
6000
8000
10000
12000
14000
16000
文献値 :5000 ~ 8000
個人差がかなり大きい
5.形態観察
形態観察のための標本 May-Giemsa 染色を施した後、顕微鏡に
よる観察
5.形態観察―全血
直径 10 ~ 15μm 桿状または2~5分
葉の核 細胞質は淡いピンク
色 多数の顆粒
①好中球
5.形態観察―全血
直径 10 ~ 15μm 2~3分葉の核 大きさのそろった赤
紫色の顆粒が細胞質全体に広がる
②好酸球
5.形態観察―全血
直径 10 ~ 15μm 2~3分葉核(不定
形) 細胞質はやや紫が
かったピンク色 顆粒
③好塩基球
5.形態観察―全血
直径 7 ~ 15μm 球形の核 細胞質は薄い青色 細胞質が少ない
リンパ球の隣は血小板
④リンパ球
5.形態観察―全血
直径 12 ~ 20μm 不定形(馬蹄形な
ど)の核 細胞質は青色 空胞がある
⑤単球
5.形態観察―中間層
リンパ球! リンパ球!
リンパ球!
単球!
5.形態観察―ペレット
好中球!
好中球!
好中球!
好酸球!
<結果>①各白血球の割合(%)
全血での結果(データ: D 班)
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
文献値
B班員
A班員
リンパ球単球好塩基球好中球好酸球
<結果>①各白血球の割合(%)
分画での結果(データ: D 班)
中間層 班員 A 班員 B
リンパ球 97 84
単球 2 10
好塩基球 0 2
好中球 1 4
好酸球 0 0
ペレット 班員 A 班員 B
リンパ球 0 1
単球 1 1
好塩基球 0 0
好中球 88 85
好酸球 11 13
<結果>①各白血球の割合
白血球の主な成分はリンパ球と好中球である
中間層ではリンパ球が殆どを占める ペレットでは好中球が大部分を占める
<結果>②白血球の回収率 中間層: 25.3 %、 7.45 % ペレット: 61.2 %、 74.7 %→回収率はあまり良くはない 考えられる理由 ―赤血球を沈降させるときに一緒に失われる ―数回の洗浄 ―(特に中間層で) 抽出しにくい・リンパ球が壊れやすい
<結果>③分画効率
中間層: 99 %、 96 % ペレット: 99 %、 98 % →概ね分画はうまくなされている 若干のコンタミネーションはある
実験2
白血球の遊走能の測定
実験の目的
目的白血球を分画して得られた好中球がメインの細胞浮遊液を用いて、好中球の遊走を観察する。走化性物質と阻害剤を加えて遊走能を定量し、そのメカニズムを理解する。
結果の予測
予測1.走化性物質の濃度が高いほど遊走能
は高くなる。2.阻害剤を入れると遊走は止まるかとて も遅くなる。
操作手順
1.アガロースプレートの作成 2.fMLP 溶液の希釈 3.好中球遊走の観察
アガロースプレートの作成
材料1. MEM ( Minimum Essential Medium )2.牛胎児血清 細胞の栄養・・・3. NaHCO3 ・・・インキュベーターでの CO2 との緩衝液
アガロースプレートの作成穴あけ 半径方向に
沿って穴開け機で3mm径のウェルを3mm間隔で放射状に四列作る。必ず底まで穴を開けること。
アガロースプレート
ウェル
操作手順
1.アガロースプレートの作成 2.fMLP 溶液の希釈 3.好中球遊走の観察
好中球遊走の観察手順1.(好中球を含む)細胞浮遊
液を二群に分け、一方はcytochalasinB を加え、一方は対照群として DMSO を加える。2.それぞれの群で、各濃度の
fMLP と細胞浮遊液を右図のようにウェルに分注していく。3.二時間 CO2存在下で培養。4.外、内への遊走距離を測定
し、その差(外-内)を取る。それぞれをグラフ化する。
内側:対照液 外側: fMLP 中 :細胞浮遊液
細胞浮遊液
遊走
外 内
観察の実際
fMLP 溶液 細胞浮遊液
遊走距離(外側)
エッジ
前半班の遊走距離 好中球遊走 前半
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
0 10̂-9 10̂-8 10̂-7 10̂-6
fMLP (M)濃度
遊走距
離
外DMSO 内DMSO 外-内DMSO
外CytB 内CytB 外-内CytB
考察1
考察1:なぜある濃度以上では移動距離が減少するのか?
Y : fMLP Receptor
Move→Move→
Stop !
好中球のウェル
fMLPのウェル
★好中球遊走のメカニズム
答え:ある濃度以上では進行方向のレセプターが飽和し、 反対側のレセプターが埋まってゆくだけだから。 また、レセプターの脱感作もある。
予測と違うじゃん !!
前半班の遊走距離 好中球遊走 前半
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
0 10̂-9 10̂-8 10̂-7 10̂-6
fMLP (M)濃度
(mm)
遊走距
離
外DMSO 内DMSO 外-内DMSO外CytB 内CytB 外-内CytB
考察2
考察2:なぜ内側にもある程度の距離を動くのか 遊走には二種類ある
1.方向性を持った遊走→主に外側への遊走
2.ランダムな遊走→内側へ動いた距離分、同心円状に動く
遊走範囲の概形
好中球のウェル
内側
外側
前半班の遊走距離 好中球遊走 前半
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
0 10̂-9 10̂-8 10̂-7 10̂-6
fMLP (M)濃度
(mm)
遊走距
離
外DMSO 内DMSO 外-内DMSO外CytB 内CytB 外-内CytB
考察3
考察3: cytochal asinB の働きは? cytochal asinB はアクチンの重合阻害剤
→予測通り、ほぼ遊走が止まった。内側への移動も阻害されている。
→受動的な拡散ではなくランダムな遊走により動いていることの証拠である。
B 班(後半班)の遊走距離 好中球遊走 前半
-1.00
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
0 10̂-9 10̂-8 10̂-7 10̂-6
fMLP (M)濃度
(mm)
遊走距
離
DMSO外 DMSO内 - DMSO外内CytB外 CytB内 - CytB外内
考察6
考察4:高濃度fMLP で内側への移動距離が増えたのはなぜか?ほぼ全ての走化性因子は、走化性遊走だ
けでなくランダム遊走も促進する。
終了
文責:田中 優(実験1)須田 万勢(実験2)
走化性の補足と追加考察
Chemotaxis (走化性)のmechanism 濃度勾配 ( 空間微分)を検出
1. 直接測る2. 経時変化 (時間微分)を検出しながら動く。 (adaptation (適応)の利用)
*adaptation は dynamic range (測定可能範囲)を広げるのにも大事!
時間微分の例ー bacteria の鞭毛
2 -state を行き来真っ直ぐ進む random に方向転換
スイッチ切り替え
直進
方向転換
直進
方向転換
(回転方向による)
Adaptation の利用
濃い方へ向かうときは向きを変えな
い!
Nature Vol 393 7 May 1998Ligand の濃度にすぐ慣れる⇒濃度の経時変化を検出可能
ligand
signal NegativeFeedback で適応鞭毛
空間微分ー細胞骨格を持つ Eukaryote の場合
両 side の濃度差を感知( Rho )
その方向に Actin の足を伸ばす
PI3K から PH domainへ更に actin 重合
(EMBO vol5 NO1 2004 &nature 624,vol5, 2004)
Lamelipodia( 葉状仮足 )-偽足ではない
Actin系は細胞運動に必須!
Actin の + endを cap して重合を
block
Cytochalasin B
濃度差増幅の mechanism
Dynein が中心体を actin の足場から引っ張る
その方向への actin 重合促進⇒運動方向の一貫化 微小な濃度差の増幅
核
中心体
運動方向Actin の足場
Adaptation ー dynamic range の確保
脱感作(鈍らせる)で高濃度でも濃度差検出 高濃度で遊走能が落ちた理由は振り切れ
( ex.電流計)と呼ぶ方が適切であろう。
引っ込める ぶっ壊す R 不活化 Signal 不活化 Negative feedback
後半班の遊走距離 好中球遊走 後半
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
0 10̂ -9 10̂ -8 10̂ -7 10̂ -6
fMLP (M)濃度
遊走距
離
外DMSO 内DMSO 外-内DMSO外CytB 内CytB 外-内CytB
追加考察1
追加考察1:なぜ後半班では最高濃度で移動距離が落ちなかったのか?可能性としては
1. fMLP の濃度調整を間違えて薄い液を 作ってしまった。2.後半斑の白血球(田宮寛之)の好中球の fMLP感度に対する感度が、前半班のもの(高橋岳浩)より鈍かった。
ボクは鈍感!
追加考察2:内側と左右の遊走距離がほぼ等しいのはなぜか? 今回のウェルの作り
方だとfMLP の二次的な濃度勾配が形成された可能性が高い。→①~③がほぼ等距離であることから、一度好中球のウェル内に均等拡散したfMLPが同心円状に浸透
遊走範囲の概形外側
一次濃度勾配
高
内側
① ②
③
左 右
低
二次濃度勾配のイメージ図
外のウェル一次濃度勾配
二次濃度勾配 白血球のウェル
外
内
いずれにせよ、濃度勾配に逆らって動いているので、内側への運動は random な遊走能(化学運動性ー chemokinesis ) をそのまま表しているとはいえないであろう。
ここではfMLP が自由拡散