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(3)世界の証券業界の変貌 ○インベストメント・バンク(投資銀行). ゴールドマン ・サックス、モルガンスタンレー、リーマンブラザーズ 伝統的に証券発行引受、 M&A 等の企業金融のコンサルティングに強み ( ) 1980 年代以降債券・株式・為替 の 、 デリバティブ・証券化、プリンシパル・インベストメント(自己資金投資)の業務も急拡大 ⇒ ・ 欧州の巨大金融機関も投資 銀行部門強化・投資銀行化 ・ ドイツ銀行、 UBS 、 クレディ・スイス、バークレイズ ・. ・. - PowerPoint PPT Presentation
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(3)世界の証券業界の変貌○インベストメント・バンク(投資銀行)
– ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー、リーマンブラザーズ
• 伝統的に証券発行引受、 M&A 等の企業金融のコンサルティングに強み( )
• 1980 年代以降債券・株式・為替の 、デリバティブ・証券化、プリンシパル・インベストメント(自己資金投資)の業務も急拡大
• ⇒
・欧州の巨大金融機関も投資銀行部門強化・投資銀行化 ・ドイツ銀行、 UBS、クレディ・スイス、バークレイズ
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米国の銀行と証券会社の規模推移: GDP比
証券会社資産規模GDP比
%
FRB, Flow of Funds Accounts of the United States
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19691971
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米国:証券会社資産/銀行資産の推移%
・米国の証券会社は、銀行に比べて 1990 年代以降 リーマンショックまで急拡大、その後急収縮
FRB, Flow of Funds Accounts of the United States
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日本の証券会社の資産規模推移
証券会社資産/GDP証券会社資産/預金金融機関資産
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350%
日本:預金金融機関資産/GDP
日本銀行「資金循環統計」
・日本の証券会社も 90 年代後半から急拡大してきたが、 リーマンショックによりブレーキがかる。
5
○ 投資銀行の収益の地域分布: 2005-06 年 (2009-11 年)
アメリカ ヨーロッパ
アジア
ゴールドマン・サックス
56%(58%)
25%(26%)
20%(16%)
リーマン・ブラザーズ
63% 25% 11%
・
6
・株式引受ランキング:世界: 2012 年
Thomson Reuters ・株式発行手数料率: 2.21%
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○ 世界の M&A アドバイザリーランキング: 2012 年
・ M&A 仲介手数料率: 1.3%Thomson Reuters
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1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
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120,000.0 米国3大投資銀行の収益推移百万ドル
米国3大投資銀行: Goldman Sachs, Morgan Stanley, Merrill Lynch
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○ ゴールドマン・サックスの収益構造: 危機前 (2005 年 -07 年 ) と危機後 (10 年 -12 年 9 月 )
部門 業務 収入の年平均額(百万ドル)
収入構成比 部門内の収入構成比(危機後)
投資銀行部門 5618→4613 15.3%→13.8%
アドバイザリー 43%
株式引受け 25%
債券引受け 32%
トレーディング
17911→14280 48.9%→42.1%
株式 23%
債券・通貨・商品
77%
自己資金投資 2934→4946 8.2%→14.1%
委託売買・証券金融
5920→4941 16.6%→14.9%
資産運用 3913→5001 11%→15%
全部門 36297→33781
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・レバレッジ倍率=総資産/自己資本
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欧米金融機関のレバレッジ推移
3大投資銀行米国3大銀行欧州巨大銀行
倍
・3大投資銀行: Goldman Sachs, Morgan Stanley, Merrill Lynch・米国 3 大銀行: JP Morgan Chase, Citi Group, Bank of America・欧州大手銀行: HSBC, RBS, Barclay, Deutsche Bank, BNP Paribas Societe General, UBS, Credit Suisse
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各国銀行のトレーディング収益比率の推移
米国大銀行 欧州大銀行日本大銀行
%
19901992
19941996
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20062008
20102012
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各国銀行の金利収益比率
米国大手銀行欧州大手銀行
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各国銀行のトレーディング資産比率
米国大銀行欧州大銀行日本大銀行
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(4)世界の金融制度の歴史的展開と銀行・証券規制
• 19 世紀後半~第一次大戦:金本位制の下で自由な金融制度– 国際的資本移動の自由、株式市場も発展
• 1930 年代の不安定化した経済・金融の状況• 戦後~ 70 年代:安定性を重視した規制された金
融制度– 金利規制・業務分野規制・国際的資本移動の規制・固定相
場制度• 1980 年代~:金融・証券制度の規制緩和・自由化– 金利規制の撤廃、銀証分離規制の緩和、国際的資本移
動の自由化、金融のグローバリゼーションの進展
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ラジャン=ジンガレス『セイビング・キャピタリズム』 p.267
・金融規制の時代には金融の発展は抑制されていた。
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○ 米国における銀行・証券規制の歴史的展開
– :商業銀行の証券業務(株式・社債の引受け・販売)の禁止、投資銀行の預金・貸付業務の禁止
– 分離の理由:– ①
• e.g. 銀行貸出業務で発生した不良債権を、証券業務を通じて債券を発行させ、その資金で返済させる恐れ
– ②• 今回の世界金融危機では大問題
• 日本も戦後、米国流の銀証分離の制度を導入– 証券取引法 65 条:銀行の証券業務禁止
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• 1987 年以降:銀行の証券分野への進出を可能にする規制緩和が進展
• 銀証分離撤廃の理由
• MMF 、証券化– Money Market Fund :短期の金融資産に運用する投資信託で
預金と類似した金融商品– という状況及び規制の
強さの面での銀行の不利な立場の改善• e.g. 米銀 JP モルガンは銀行規制を嫌い銀行免許を返上し、証券
会社・ノンバンクへの業種転換を考えていた– 銀行の持つ金融力や資源を幅広い金融分野で活用
– :持株会社を通じて相互に進出可能
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• 2008 年:世界金融危機の中で投資銀行が経営危機に直面– ベアー・スターンズ、メリル・リンチは銀行( JP モルガ
ン・チェース、バンク・オブ・アメリカ)に買収される– リーマン・ブラザーズの経営破綻– 最大手投資銀行(ゴールドマン・サックス、モルガン・
スタンレー)の• FRB( 米国の中央銀行 )や政府からの支援を受けやすくするために銀行業へ転換
– 自己資本比率規制等の強化– レバレッジを効かせたトレーディング業務(金融危機以前の収益の柱)が困難になる?
– しかし、 2010-12年 9月でもトレーディング収益はかなり大きく、レバレッジは低下
– 投資銀行の将来?
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• (金融規制改革法)
– ①対顧客取引(マーケットメイク業務)– ②銀行が自らのリスクをヘッジするための取引– ③裁量的自己勘定取引 proprietary trading
» 顧客取引とは関係なしに、ヘッジファンド等と同じように、自ら能動的に投資して投資収益を追求する取引
– ドッド・フランク法で①、②は認められるが、③は禁止• ①、②と③との線引きが実際は難しい• ファンド業務・投資の制限
– ヘッジファンド、買収ファンド等の設立・運営及び出資の制限– 但し、1ファンドの3%までの出資、出資総額が金融機関の自
己資本の3%までは可
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○ 証券会社のトレーディング業務の概念図
業者間市場
証券会社(ディーラー) A
証券会社(ディーラー) B
投資家: a b c d e f
対顧客取引
・取引の対象:債券、証券化商品、取引所外で取引 される株式、店頭取引のデリバティブ、外国為替
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○ イギリスのリテール・リングフェンス規制
• 経緯– 2011 年9月:ヴィッカーズ委員会最終報告(安定的な
銀行制度の構築):リテール・リングフェンスの導入を提言
– 2012 年 6 月:英国政府、リテール・リングフェンスの実施に向けての具体的内容を「ホワイトペーパー」で公表し、パブリック・コメントに付す。
• リテール・リングフェンスとは?– リテール預金を扱う銀行を、リスクの高い証券
業務等から切り離し独立した機関とする。• 現在のイギリスの大手金融機関は、銀行・証券等の業務を幅広く行う金融コングロマリット
• リングフェンス・バンクの業務–個人・中小企業を相手とする預金受入れ・信用供与・決済サービスの提供を中核とするが、大企業相手の取引も認める。
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• リングフェンス・バンクの禁止業務– トレーディング業務、証券流通市場関連業務、デリバ
ティブ取引、金融機関(リングフェンス・バンクを除く)への貸出、欧州経済領域 EEA 域外の顧客との取引
• リングフェンス・バンクと金融コングロマリット– リングフェンス・バンクが金融コングロマリットの1メ
ンバーであることも認める– その場合、リングフェンス・バンクの組織としての独立
性確保• 法的独立性、取締役の過半は独立取締役でグループ内からの取締役は 1名のみ
• 要求される規制は単体ベースで満たす:自己資本、大口貸出、流動性、ファンディング
• オペレーション上の分離可能性:グループの他の組織が破綻しても継続的な業務遂行が可能(設備・インフラ、データ、スタッフ)
– 同一コングロマリットの他の機関との取引の制限• 第 3者との取引に比べての有利な取り扱いの禁止(アームズ・レ
ングス)、有担保信用供与や資金受入れの量的制限、無制限の保証提供の禁止
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○ 第2章参考文献
• 福光寛・高橋元『ベーシック証券市場論』第 5章 同文館出版
• 日本証券経済研究所『図説:日本の証券市場 10 年版』• 日本証券経済研究所『図説アメリカの証券市場 09 年版』• 証券経営研究会編『証券ビジネスの再構築』日本証券経
済研所 2004• 加野忠『金融再編』文春新書 1998• 倉都康行『投資銀行バブルの終焉』日経 BP 社 2008• 佐賀卓雄「金融システム危機と投資銀行の衰退」『証券
レビュー』 49巻1号• 二上季代司「金融危機と今後の証券業」『証券レ
ビュー』 49巻5号• 新形敦「欧米金融機関の成長戦略~金融機関の将来像
~」『みずほ総研論集』 2010 年Ⅲ号