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Copyright (c) 2011 宮田明則技術士事務所 1
原子力発電の基礎
参考資料
原子力発電便覧
原子力発電(電気事業講座)
原子燃料サイクル(同上)
電力会社広報資料
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質量欠損m、光速 c
出力調整方法①制御棒の出し入れ②冷却材再循環(BWRのみ) ボイドが多いと核分裂 反応下がる③ホウ素(PWR, BWR) 中性子の吸収ウラン235
制御棒(ホウ素を含む)(中性子を吸収する)
制御の仕組み
ウラン235
水中のホウ素濃度を上げる(中性子を吸収する)
中性子中性子
ホウ素
E=mc2
核分裂の仕組み熱エネルギー+分裂生成物
質量M 質量M - m
中性子
中性子
中性子
中性子
ウラン235減速すると衝突確率が上昇→減速材
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略 称 燃 料 減速材 冷却材加圧水型 PWR 低濃縮ウラン 軽水 軽水沸騰水型 BWR 低濃縮ウラン 軽水 軽水
ガス冷却型(GCR-
MAGNOX)天然ウラン 黒鉛 炭酸ガス
改良ガス冷却型 AGR 低濃縮ウラン 黒鉛 炭酸ガス
高温ガス冷却型 HTGR高濃縮ウランとトリ
ウム黒鉛 ヘリウム
重水型 (HWR)
加圧重水冷却CANDU-
PHW天然ウラン 重水 重水
沸騰軽水冷却CANDU-
BLW天然ウランまたは
微濃縮ウラン重水 軽水
新型転換炉 ATR微濃縮ウラン(プル
トニウム富化)重水 軽水
高速増殖型 FBR高濃縮ウランまたはプルトニウム
なし ナトリウム高速中性子炉
熱中性子炉
実用化されている発電用原子炉
型 式
軽水減速
黒鉛減速
重水減速
現在、最も普及している商用炉は、軽水減速、軽水冷却の熱中性子炉である。これには加圧水型及び沸騰水型の二つがあり、日本では両者がほぼ半々である。世界では、加圧水型の方が多い。
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ループ数 ー 4電気出力 (MWe) 1,180熱出力 (MWt) 3,423一次冷却水温度 (℃) 325/289一次系圧力(運転中) (MPa) 15.2蒸気圧力(入口) (MPa) 5.6蒸気温度(入口) (℃) 2701kg/cm2=0.098MPa≒0.1MPa
代表的PWRの主要パラメタ
1.原子力発電所の基本構成
(1)加圧水型(PWR)
タービン 発電機
復水器給水ヒ
|タ
給水ポンプ
二次系(タービン系)
冷却水
炉心
加圧器
電熱ヒータ
制御棒
冷却材ポンプ
一次系(原子炉系)
蒸気発生器
原子炉格納容器
原子炉容器 (1ループ)×3~4
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(2)沸騰水型(BWR)
タービン 発電機
復水器給水ヒ|タ
給水ポンプ
冷却水
制御棒
再循環ポンプ (複数)
炉心
気水分離器
蒸気乾燥器
ジェット ポンプ
原子炉格納容器
項目 第二次改良
電気出力 (MWe) 約1100熱出力 (MWt) 3,293原子炉設計圧力 (MPa) 8.61原子炉運転圧力 (MPa) 7.03主蒸気圧力(入口) (MPa) 6.55主蒸気温度(入口) (℃) 282主蒸気流量 (t/h) 6,410最終段翼長 (インチ) 41再循環ポンプ 外部
代表的BWRの主要パラメタ
原子炉圧力容器
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軽水炉の特徴①減速材、冷却材、反射材として、安価、豊富な軽水が使用でき、経済的である。②軽水は、中性子の減速効果が大きいが、中性子を吸収する能力もかなり大きいので、低濃縮したウランが必要である。③火力発電機に比べ、蒸気条件が悪く、使用蒸気量が多いため、タービンは大型となり、回転数は50Hzで1500rpm,60Hzで1800rpmになり、発電機は4極になる。
PWRの特徴①冷却材が加圧されているので沸騰せず、炉心および原子炉(圧力)容器を小型にできるが、耐圧は大きくとる必要がある。②放射性物質を含む一次系と、含まない二次系とが独立しているので、それぞれ最適設計ができる。また、一次系にケミカルシム(冷却材に溶解したホウ素)の使用が可能となる。③ケミカルシムの採用により、燃料の初期余剰反応度を大きくでき、燃焼度を高くし、燃料サイクル費を低減できる。蒸気泡の発生がなく、制御棒クラスタが殆ど引き抜かれた状態で運転されること
から、出力分布が平坦化でき事前予想できる。④タービン蒸気には、放射線対策が不要。⑤温度変化に対する反応度変化は、燃料のドップラー効果*、減速材の温度係数とも負に設計され、炉出力が上がり、温度が上がると反応度が下がる、いわゆる自己制御性がある。⑥一部補助系統を除き,一次系機器および冷却材は一次系内に密閉されるため放射性物質の外部放出は極めて少ない。*燃料温度が上昇すると減速中の中性子がウラン238に共鳴吸収されやすくなり、ウラン235の核分裂が減少し原子炉出力が低下する現象。
BWRの特徴①出力が上がると、燃料温度上昇によるドップラー効果に加え、炉心のボイド(気泡)が増えて反応度が下がるため,自己制御性が大。②再循環流量により、ボイドが加減でき出力制御に利用できる。反面,圧力変化はボイド量変化=出力変化となるので一定に保つ。③タービン蒸気の放射線対策管理が必要。④原子炉圧力容器には、炉心に加え、ジェットポンプ、気水分離器、ドライヤなどがあり、容器が大型になるが,蒸気発生器がなく、主な付属装置は再循環ポンプだけで、構成が簡単。
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2.出力制御の方法共通事項燃料の燃焼が進むにつれて核分裂反応度が変化する。このため、PWRでは、制御棒クラスタ操作と一次冷却系ホウ素濃度制御を行う。BWRでは、制御棒操作と炉心流量の変化で行うが,通常は、炉心流量で微調整を行いその後必要に応じ,制御棒で調整する。
(1)加圧水型タービン出力は、タービン入り口の蒸気加減弁により流入蒸気量を加減して行う。原子炉の反応度制御はタービンの出力変化に追従し、短期的変動は制御棒により、長期的変動はケミカルシム(冷却材に溶解したホウ素)調整によって行う。(右下図)一次系圧力は、加圧器の電熱ヒータまたは蒸気の冷却材による凝縮によって一定に保持する。通常、制御棒クラスタは殆ど全部引き抜かれた状態で運転する。運転方式は、一次冷却材平均温度を出力に応じたプログラム値に制御する。(右上図)
臨界ホウ素濃度(C
b)ppm1000
0
500
0 8000 16000燃焼度(MWD/MTU)
ホウ素濃度と燃焼度との関係 PWR
一次冷却材平
均温度
タービン入口蒸気温度
0 20 40 60 80 100出力%
一次冷却材温度と出力との関係 PWR
温度℃ Tavg
250
300
Tt
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PWRのプロセス制御(次ページの図参照)プラントの安全かつ適切な制御のために必要なプロセス量(水位、圧力、温度等)の測定はプロセス計装装置により行い、その信号は原子炉制御、原子炉保護、工学的安全施設作動設備の入力信号として用いる。
①加圧器圧力制御系一次冷却系統の圧力を一定に制御するため設定値(ex. 157.2kg/cm2g)と差が生じた場合、加圧器ヒータ、加圧器スプレイおよび加圧器逃し弁により圧力を調整する。すなわち、加圧器圧力上昇時は、蒸気相に水をスプレイして圧力を下げる。さらに、164kg/cm2gまで上昇すると、加圧器逃し弁が動作し圧力を下げる。加圧器圧力低の場合は、加圧器ヒータにより加熱し液相部からの蒸発量を増加し圧力を上げる。
②加圧器水位制御系加圧器圧力制御に必要な気相部を確保するため加圧器水位が基準値と差を生じたとき充填流量を充填ポンプの回転数または、出口弁で調整する。
③蒸気発生器水位制御系蒸気発生器の一次系と二次系の熱交換能力を確保するすることを目的に、主蒸気流量、主給水流量、および蒸気発生器水位の基準値からの偏差により、主給水弁の開度を調整し、蒸気発生器の水位を制御する(上記三要素による制御)なお、出力15%以下では流量検出精度が低下するため、一次冷却材温度差および蒸気発生器水位の偏差を制御信号として主給水バイパス弁により制御する。
④タービンバイパス制御系タービンバイパス制御系は蒸気発生器により発生する蒸気を直接復水器にダンプする装置であり、定格主蒸気量の40~70%の容量を持たせる。タービン負荷急減時の一次冷却材系統の温度上昇を抑制するため、一次冷却材温度の偏差信号によりタービンバイパス弁を開閉するTavg(一次冷却材平均温度)モードと、低出力時に一次冷却材の温度を調整するため、主蒸気ヘッダ圧力を制御信号とする主蒸気圧力制御モードがあり、通常、出力15%以上ではTavgモードとしている。
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PWR型原子炉制御系
Gタービン
復水器
一次系二次系制御信号
④給水制御系
②ホウ酸濃度制御系
⑤タービンバイパス制御系
③-2加圧器水位制御系
③-1加圧器圧力制御系
①制御棒制御系
圧力
加圧器
加圧器ヒータ
蒸気加減弁
タービンバイパス弁
主給水ポンプ速度制御信号
蒸気発生器
水 位
主蒸気流量
主給水流量
主給水制御弁
主給水ポンプ
タービン出力
原子炉出力
一次冷却材平均温度
ホウ酸混合器
ホウ酸水
一次系純水
体積制御タンク
充填ポンプ
水位
一次冷却材 ポンプ
原子炉容 器
加圧器逃し弁 加圧器
スプレイ弁
他ループ一次冷却材 ポンプ
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①制御棒制御系制御棒は、炉心上部から下部に挿入する構造で、出力制御用と停止用に分けられる。停止グループは、通常運転中は引き抜かれているが、炉トリップ時には制御棒駆動装置電源遮断により自重で炉心に挿入される。 通常の自動制御中には、制御棒信号系の信号により、制御グループ制御棒を一次系冷却材平均温度(測温抵抗体により測定)をタービン負荷に応じたプログラム値になるよう原子炉出力を制御する。(p.7)
②ホウ素(B)濃度制御系これは化学体積制御装置を通して行われる。一次冷却材ループの水を一部抽出し、代わりに、純水またはホウ酸溶液を注入する。これにより、比較的緩やかな反応度変化を制御する。四つのモードがある。*自動補給モード 水量を所定値に保つ。*希釈モード 純水を注入しBを薄める。*緊急希釈モード 急速な希釈*濃縮モード ホウ酸水注入、B濃度上げる
③加圧器制御系出力変化に伴う一次冷却材の熱的体積変化が加圧器に圧力変化、水位変化として現れる。
④給水制御系蒸気発生器の水位を所定位置に制御するもので給水流量、蒸気流量、蒸気発生器水位の3要素で行う。低出力時はバイパス給水制御弁を使用、手動または自動で蒸気発生器水位を制御する。
⑤タービンバイパス制御系制御信号としては、一次冷却材平均温度を用い、最終的にこの平均温度がプラント出力に比例した基準設定温度に近づくように、タービンバイパス弁を調整する。高温停止またはプラント冷却時には主蒸気ヘッダ圧力信号に切り替える。
③-1加圧器圧力制御は、スプレイ弁、逃し弁、ヒータにより行う。③-2加圧器水位制御は、一次冷却材平均温度に比例して設定された水位プログラムに、体積変化を一致させるように行う。
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(2)沸騰水型タービン圧力は一定に保ち、加減弁により蒸気流量を制御する。原子炉の反応度制御は、再循環ポンプおよび制御棒により行う。制御棒はPWRとは逆に、炉心下部から上部に押し上げ挿入する方式になっている。
一般には、負荷変動に対する出力の追従は、再循環流量によって行い、制御棒は原子炉の起動・停止の場合などの大幅な出力レベルの変更、長期の反応速度変化および出力分布の調整のために用いる。再循環流量制御系による制御は、中性子束分布およびボイド分布にあまり影響しないので、制御棒位置の調整により出力を変化させた場合に比べ好ましい出力分布が維持できる。このため、再循環流量制御系による制御は、炉内の出力ピーキングの抑制上からも好ましい。(右上図)通常、目標最大出力に応じた制御棒パターンに対して、目的出力に応じた再循環流量を右下図のような流量制御曲線上に定めて運転する。
100
50
炉心熱出力
(%)
0 20 40 60 80 100 炉心流量(再循環流量)(%)
自然循環
最低ポンプ速度
制御棒引抜量増加
75%出力制御棒パターン
流量制御曲線
100%出力制御棒パターン
流量制御曲線
100%流量
原子炉出力制御図 BWR
通常運転中圧力再循環流量サブクーリング
圧力再循環流量サブクーリング
減少 増加
状態変化時の炉内減速材状態の変化通常、圧力は小さな変化が大きな出力変化になるので、一般には、圧力は一定に制御し、出力制御は再循環ポンプによる再循環流量によって行う。
ボイド
ボイド
水水 水
ボイド ボイド
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BWRのプロセス制御(次ページの図参照)プラントの安全かつ適切な制御のために必要なプロセス量(水位、圧力、温度等)の測定はプロセス計装装置により行い、その信号は原子炉制御、原子炉保護、工学的安全施設作動設備の入力信号として用いられる。①原子炉水位制御系原子炉水位を一定に保つことを目的とする。このため、次ページの図に示すように、原子炉給水流量、主蒸気流量、および原子炉水位信号を入力し、主としてこの三要素により制御を行う。30%程度以下の低出力時には、流量検出精度が低下するため、水位信号のみによる単要素制御を行う。通常、約50%容量のタービン駆動給水ポンプ2台と、約25%容量の電動機駆動給水ポンプ2台からなり、通常運転はタービン駆動給水ポンプ2台を用い、起動停止の過程では電動機駆動給水ポンプ1台を用いる。
②原子炉再循環流量制御系炉出力と負荷設定値との偏差を負荷偏差信号として再循環ポンプ主制御器に入力し、
再循環ポンプの速度を調節する。再循環ポンプの速度制御は、誘導電動機の入力周波数を流体継ぎ手を利用したMGセットまたは静止型可変周波数電源(インバータ)で変化させて行う。
③タービン・圧力制御系圧力制御は、タービンに流れる蒸気量に応じて炉心で発生する蒸気量を調整することを目的としている。圧力を一定に保てばこのバランスが保たれる。一方、タービン制御は周波数上昇時にタービン速度を一定に保つように加減弁の制御を行い、余剰蒸気はバイパス弁で吸収させる。
大きな負荷減少が生じたときには、タービンの過速度防止のため、加減弁を急速閉鎖しタービンバイパス弁を急速開放する。バイパス弁容量は、通常、25~100%であり、100%バイパス弁がある場合は、全負荷遮断時も発電機を遮断せず、所内負荷のみで単独運転を継続し、系統の復旧を待つ。一方、部分バイパスしかない場合は、タービン加減弁急速閉鎖の信号で原子炉をスクラムさせる。
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G
給水加熱器
タービン
復水器
速度制御器
可変周波数電源装置
ポンプ電動機
再循環ポンプ
再循環ポンプ主制御器
手動
速度制御器
電動機
タービンサーボ
主制御器
Σ
Σ蒸気流量
給水流量
原子炉水位 信号
抽気管
+
TD-ポンプ
MD-ポンプ
Σ
Σ
Σ
Σ
タービン速度
バイアス
速度負荷制御器
Σ
バイパス弁
サーボ
主蒸気止め弁
加減弁
±速度設定点
低値優先
サーボ
タービン圧力
圧力設定点
Σ-++
-高値優先 バイ
アス+-
圧力設定点調 整 器
原 子 炉
プロセス系
制御信号
BWR型原子炉制御系
インバータ方式(MGセット方式)
P1(Pressure) S1(Speed)
バイアス
MD 電動機駆動TB タービン駆動
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原子炉スクラム
中性子束高 1 out of 3×2
格納容器圧力高 1out of 2×2
地震加速度水平、垂直各1 out of 2×2
他は省略
BWR
タービントリップ
タービン異常
復水器異常
他は省略
主塞止弁閉
炉出力30%以上
発電機トリップ
発電機故障
変圧器故障
他は省略
3.原子炉安全保護系の例示
原子炉トリップ
タービントリップ
発電機トリップ
タービン重大事故時 10秒後
30秒後
中性子束高 1 out of 2
原子炉圧力高 2 out of 4
地震加速度水平、垂直制定値超
各2 out of 3
他は省略
PWR出力10%以上
発電機運転中
T1
T2
蒸気発生器水位高2out of 4
他は省略
発電機故障
他は省略
OR
AND
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事故あり q=0.1 事故なし r=0.1動作数 事故あり 事故なし 動作数 確率 累計 確率 累計
0 qqq sss 0 0.0010 1.0000 0.7290 1.00001 3qqp 3ssr 1 0.0270 0.9990 0.2430 0.27102 3qpp 3srr 2 0.2430 0.9720 0.0270 0.02803 ppp rrr 3 0.7290 0.7290 0.0010 0.0010
動作数 事故あり 事故なし 動作数 確率 累計 確率 累計0 qq ss 0 0.010 1.000 0.810 1.0001 2qp 2sr 1 0.180 0.990 0.180 0.1902 pp rr 2 0.810 0.810 0.010 0.010
数値例
2 out of 3
1 out of 2
事故ありで不動作の確率をq, p=1-q事故なしで動作する確率r, s=1-r
事故あり 事故なし
参考 保護系の信頼度計算例
動作数 事故あり 事故なし 動作数 確率 累計 確率 累計0 qqqq ssss 0 0.0001 1.0000 0.6561 1.00001 4qqqp 4sssr 1 0.0036 0.9999 0.2916 0.34392 6qqpp 6ssrr 2 0.0486 0.9963 0.0486 0.05233 4qppp 4srrr 3 0.2916 0.9477 0.0036 0.00374 pppp rrrr 4 0.6561 0.6561 0.0001 0.0001
2 out of 4
事故あり 事故なし
評価項目 q-0.1,r=0.1は実際より大きな値であるが傾向を知るためこの数値を仮定。相互の独立性を仮定。 2/3 : 1/2 : 2/4 1.事故があるときに動作する確率を大きくする 0.972: 0.990: 0.9963 2.事故がないのに動作する誤動作の確率を小さくする 0.028: 0.190: 0.0523この両者のバランスで考える。誤動作をとがめる場合は2/3, 2/4 不動作をとがめる場合は1/2. 2/4
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4. 燃料と制御棒(PWR)
制御棒クラスタ案内シンブル×6×4
炉内計装用案内シンブル
燃料棒
下部ノズル
上部ノズル
制御棒クラスタ
支持格子×9(グリッド)
上部ノズル抑えバネ
燃料集合体
制御棒クラスタ
燃料集合体
ステンレス鋼管
中性子吸収材
制御棒スパイダ
制御棒駆動装置へ
数値例燃料棒配列 14×14燃料棒 264炉内計装案内シンブル 1制御棒クラスタ案内シンブル 24支持格子 9
注。シンブル=thimble= 筒、鞘 クラスタ=cluster=束
吸収材 Ag-In-Cd駆動方式 通常時 磁気ジャック式
スクラム時 自重駆動速度 約 114cm/min被覆材料 ステンレス鋼吸収有効長さ 約 3.66m
制御棒クラスタ諸元
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4. 燃料と制御棒(BWR)
燃料棒の濃縮度は同じではなく、減速材が相対的に多いコーナが出力ピークが出やすいので濃縮度の低いものを配置する。軸方向の不均一に対しても濃縮度、ガドニリア量で調整する。
約14cm
約4.
4 7m
スペーサ×7
燃料棒外径12mm厚さ0.9mm継ぎ目なしジルカロイ-2製被覆管に低濃縮UO2ペレットを入れHeを封入し栓を溶接。
上部タイプレート燃料棒中8本は、タイロッドで、上下の支持板を連結。ウォータロッドはスペーサ支持棒兼用。
下部タイプレート
チャンネル
8×8燃料集合体現在高燃焼度9×9も使用開始
落下速度リミッタ
カップリングソケット
冷却孔
中性子吸収棒と補強材吸収材はボロンカーバイド粉末またはハフニウム棒
ブレード(ステンレス鋼)幅約25cm厚さ0.7~0.8cm
制御棒フォロワ
ローラ
駆動装置へ
制御棒
自由落下 トリップ制御棒落下速度リミッタ
水流 水流
ウォータロッド
燃料棒 8×8ジルコニウムライナ燃料集合体
制御棒
チャンネルボックス 炉内計装管
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BWR冷却材再循環系
再循環ポンプ×2
ジェットポンプ×10 ×2
給水
タービンへの蒸気流蒸気乾燥器
汽水分離器
炉心
原子炉圧力容器
ジェットポンプの取り付け高さは、再循環系配管破断による冷却材喪失事故時にも炉心の冠水が可能な位置とする。ジェットポンプは、外部再循環流量の2~3倍の水を炉心下部のプレナムに送り込む。ジェットポンプの採用により外部再循環が1/2~1/3に抑制可能となり、配管、ポンプが小さくできる。
汽水分離器中空円筒の下端に入口ノズルと案内羽根を設けた構造で、蒸気と水の混合流が案内羽根によって回転し遠心力で分離する。残存湿分は数%である。
蒸気乾燥器波形の板を重ねた迷路状の経路で蒸気の進行方向を何度も変えて方向転換ごとに水分が波形状の表面に当ることにより湿分を除く。残存湿分は0.1%以下まで下がる。
内蔵再循環ポンプ×10 (インターナルポンプ)
ABWR原子炉圧力容器
再循環ポンプ駆動用可変速電動機
インターナルポンプの採用により外部再循環系が不要となりその破断を想定する必要が消滅。再循環ループがなくなり、圧力容器の据付位置が下がり、格納容器も縮小化され耐震性、経済性が向上。再循環系検査が軽減され、作業員被ばくが減少。
炉心シュラウド
下部プレナム
給水
ジェットポンプ
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一次冷却設備および主蒸気・給水設備等の、原子炉施設の破損・故障等に起因して原子炉内の燃料の著しい破損による、大量の放射性物質の放散の可能性がある場合に、これらを、抑制または防止する機能を持っている。工学的安全施設は、 ①非常用炉心冷却設備 ②原子炉格納施設 ③スプレイ設備 ④アニュラス空気浄化設備 *annulus=環形、環状のもの 格納容器外下部の空間 から構成される。①非常用炉心冷却設備 蓄圧注入系:圧力低下時、加圧ホウ酸 水貯蔵タンクから自動的にホウ酸水 を注入。外部動力不要。 高圧注入系:高圧注入ポンプで燃料取 替用水タンクから注入。 低圧注入系:余熱除去(低圧注入)ポンプにより格納容器サンプ水を再循環、
燃料取替用水タンクから大量注入。
5. 工学的安全施設(PWR)機能はa.一次冷却材喪失事故に対し 原子炉を冷却 燃料、燃料被覆の重大損傷を防止 燃料被覆のZrと水の反応(水素発生)を抑制。b.主蒸気管破断事故に対し 原子炉停止系と相まって停止に必要な負の 反応度を添加する。以下省略
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蓄圧注入系 高圧注入系 低圧注入系 流量バランス用オリフィス
PWR非常用炉心冷却設備
原子炉格納容器内 原子炉補助建屋内N2マニホールドより蓄圧タンク窒素充填ライン
蓄圧タンク充填ポンプ
燃料取替用水タンク
Xへ
充填ラインへ
体積制御タンクより
格納容器スプレイポンプへ
蓄圧タンク
蒸気発生器B
X
格納容器サンプ
一次冷却材ポンプ
蒸気発生器A
原子炉圧力容器
蒸気発生器C
加圧器 余熱除去ポンプ
(低圧注入用)
余熱除去冷却機
充填/高圧注入ポンプ
ホウ酸注入タンク
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原子力プラントで想定している最も過酷な事故であるパイプ破断などによる冷却材(軽水)喪失事故に対する工学的安全施設は ①非常用炉心冷却設備 ②原子炉格納施設(格納容器-省略)で構成される。
5. 工学的安全施設(BWR)
①非常用炉心冷却設備(1)低圧炉心スプレイ系
(LPCS:Low Pressure Core Spray System )原子炉格納容器と圧力容器の差圧が約20kg/cm2まで低下すると炉心に冷却材注入。
原子炉圧力容器の圧力が急減する大破断事故時には、低圧注水系および高圧炉心スプレイ系と連携して炉心上部からスプレイする。原子炉圧力容器の圧力があまり低下しない中小破断事故時には高圧炉心スプレイ系、自動減圧系と連携して炉心を冷却する。(2)低圧注水系(LPCI:Low Pressure Coolant Injection System )原子炉格納容器と原子炉圧力容器の差圧が約10kg/cm2まで低下すると冷却材を炉心シュ
ラウド内に注水する。残留熱除去系の一つのモードを使用。
(3)高圧炉心スプレイ系(HPCS:High Pressure Core Spray System )本系統は、想定される事故時のすべての圧力領域に対して、冷却材を炉心に注水する能力を有する。大破断事故時には低圧スプレイ系および低圧注水系と連携して、中小破断時には単独で炉心を冷却する機能を有する。原子炉水位低またはドライウェル圧力高で作動開始し、復水貯蔵タンクの水または圧力抑制プール水をスパージャヘッダノズルから燃料集合体にスプレイする。
(4)自動減圧系(ADS: Automatic Depressurization System)自動減圧系は、中小破断事故時に、高圧炉心スプレイ系が動作しない場合に、低圧注水系または低圧炉心スプレイ系と連携して炉心を冷却する機能を有する。原子炉水位低およびドライウェル圧力高の両信号を受けてから一定の(120秒など)時間遅れで作動し、原子炉の蒸気を圧力抑制プールに逃すことにより、圧力を下げ、低圧注水系または低圧スプレイ系による注水を可能とする。
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原子炉格納容器
圧力抑制プール
高圧炉心スプレイポンプ
Y
高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電機
所内電源
復水貯蔵タンク
非常用ディーゼル発電機Ⅰ
Y所内電源
低圧炉心スプレイポンプ
低圧注水ポンプA
低圧注水ポンプ C
Y所内電源
非常用機器冷却系
B
非常用機器冷却系
残留熱除去系熱交換機
残留熱除去系熱交換機
タービンへ
給水ポンプより
非常用ディーゼル発電機Ⅱ
逃がし安全弁
低圧注水ポンプAから
低圧炉心スプレイポンプから
ABC
BWR非常用炉心冷却設備総合概略図
自動減圧系
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6. 改良型PWRの特徴(日本原電敦賀3,4号以降)1.炉心設計および炉内構造物・APWR燃料集合体グリッド材料に中性子吸収の少ないジルカロイグリッドを採用・半径方向反射体採用による中性子経済改善ならびに原子炉容器への中性子照射低減2.蒸気発生器 ・小口径伝熱管採用により小型化と伝熱面積増加を達成3.非常用炉心冷却設備 ・高機能蓄圧器の採用により、低圧給水系を不要とした。4.低圧最終段ブレードに52“長翼を採用。
項 目 APWR基本仕様 第二次改良標準化仕様1 プラント出力 電気出力 約137万kWe 約118万kWe
熱出力 382.3万kWt 341.1万kWt2 炉心設計 燃料集合体数(シンブル数) 19*19(16), 193体 17*17(24), 193体
制御棒種類出力制御、減速材調整、負荷追従用の3種類
出力制御用のみ
3 制御棒駆動 駆動方式出力制御: ラッチ式磁気ジャック駆動
出力制御: ラッチ式磁気ジャック駆動
減速材調整用:水圧負荷追従用:ラッチ式磁気ジャック駆動
4 一次冷却設備 一次冷却材回路数 4 4原子炉容器内径*全高 5.1m*16.2m 4.4m*12.6m蒸気発生器内径*全高 4.8m*20.8m 4.3m*20.6m一次冷却材ポンプ 8000ps/台 6000ps/台
5 工学的安全施設 非常用炉心冷却設備 蓄圧タンク 4台 蓄圧タンク 4台高圧注入系 2系列
格納容器冷却設備ファンクーラ方式とスプレイ冷却方式の併用
低圧注入系 2系列
6 原子炉補助施設 化学体積制御装置 充填ポンプ 2台 充填ポンプ 2台高圧注入ポンプと兼用
7 タービン設備 形式 TC6F52" TC6F44"
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6. 改良型BWR(ABWR)の特徴(すでに柏崎刈羽6,7号機で実用化済み)(目的:安全性・信頼性、稼働率、運転性・操作性、経済性の向上、被ばくの低減)
項 目 ABWR基本仕様 第二次改良標準化仕様1 プラント出力 電気出力 約136万kWe 約110万kWe
熱出力 392.6万kWt 329.3万kWt2 炉心設計 燃料集合体数 872本 764本
制御棒本数 205本 185本3 制御棒駆動 駆動方式 出力制御: 電動 出力制御: 水圧
スクラム:水圧 スクラム:水圧4 原子炉再循環 再循環方式 インターナルポンプ 外部ループポンプ2台+
ポンプ台数 10台 ジェットポンプ20台
5 非常用炉心冷却系 高圧ECCS 原子炉隔離時冷却系:1 高圧炉心スプレイ系:1
高圧炉心注水系:2低圧ECCS 低圧注水系:3 低圧炉心スプレイ系:3
自動減圧系:3 自動減圧系:26 残留熱除去系 系統区分数 3区分 2区分
系統・機器 非常用炉心冷却系と共用 非常用炉心冷却系と共用
7 格納容器 構造円筒建屋一体型鉄筋コンクリート製
鋼製、MARK-I 改良型またはMARK-Ⅱ改良型
全高 約36m 約48m最大内径 約29m 約29m
8 タービン設備 形式 TC6F52" TC6F41"ヒートサイクル 2段再熱 再熱なし抽気段数 6 6給水加熱器ドレイン系 ポンプアップ カスケード給水ポンプタービン駆動 2台 2台給水ポンプ電動機駆動 1台(標準?),K6,7は2台 2台最終給水温度 215.5℃ 215.5℃