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議会からの政策形成 ~議会基本条例で実現する市民参加型政策形成サイクル~ 会津若松市議会基本条例の制定プロセス 会津若松市議会基本条例・議員政治倫理条例の概要 政策形成サイクル(総論) 政策形成サイクル(各論) 議決責任と議員間討議 政策形成サイクル活用の具体的実践例 その他議会改革の取り組み (参考)平成 16 年度以降の主な議会改革の動き 参考資料

参考資料 - city.aizuwakamatsu.fukushima.jp · , ó MA ô H? , / ¨ HB õ Ü õ ôü7 Ð ñ ¢£ü7øâ ù,ý 6H. EèÆÇz ,© ö 6 ] õ Ü õ ôü7 Ð ñ , ×ä 6 ] ` 4 d C ?

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議会からの政策形成~議会基本条例で実現する市民参加型政策形成サイクル~

   

    Ⅰ 会津若松市議会基本条例の制定プロセス

    Ⅱ 会津若松市議会基本条例・議員政治倫理条例の概要

    Ⅲ 政策形成サイクル(総論)

    Ⅳ 政策形成サイクル(各論)

    Ⅴ 議決責任と議員間討議

    Ⅵ 政策形成サイクル活用の具体的実践例

   Ⅶ その他議会改革の取り組み

    (参考)平成16年度以降の主な議会改革の動き

参考資料

Ⅰ 会津若松市議会基本条例の制定プロセス

 1 今般の議会改革のスタート

  ⑴ 2度の合併を経験して

   ア ゼロベースでの見直しの気づき

   イ 議員政治倫理条例化への取り組み ⇒ 条例制定は次期議会へ見送り

  ⑵ 平成19年5月臨時会(初議会)での議長選挙

   ア 議長候補者の議会改革への考え

   イ 新議長の議長提言 

    ・ 会津若松市議会における議会改革について(図表1)

     「政策」としての議会改革の理念・基本方向・検討事項

 図表1 会津若松市議会における議会制度改革の体系

 

1

基本理念「市民の負託に応えうる合議体たる議会づくりを目指して」

基本理念を実現する基本方向

24 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1

5.継続的な議会

 改革への取り組

 み

4.政策提言と政

 策立案の強化

3.開かれた議会

 運営の実現

2.市民本位の政

 策決定、政策監

 視及び評価の推

 進

1.公平・公正・

 透明な議会運営

事務局による議会活動支援事業の充実

議会改革に係る調査研究の推進

議決責任を踏まえた政策立案の推進

合議体たる議会としての政策提言のシ

ステム確立と能力向上

市民が参加しやすい議会運営の推進

市民にわかりやすい議会運営の推進

市民の代表としての適切な監視・評価

議決機関としての適切な政策決定

透明性の高い議会づくり

公平・公正な議会運営の推進

議会実務提要の作成

会議規則等に基づく各種様式の整備

議員個人の能力向上への支援

議会改革に係る調査研究・研修等の推進

情報収集・蓄積・提供の充実

議員提出条例の申し合わせ事項の検討

議会自らの基本事項等を定める条例の検討

議員提出条例による政策立案の取り組み

政策提言における会派のあり方の研究

議会全体の共通意思としての政策提言に資する

「仮称・政策討論会」の検討

議会傍聴の促進

市民の議会への直接参加

正副議長の選出方法に係る調査研究

市議会ホームページの充実

委員会及び協議会の公開

本会議の中継、会議録の公開

自治法改正を踏まえた本会議や常任委員会のあり方

の検討

議決責任の明確化

二元代表制を踏まえた一般質問のあり方の確認

執行機関との緊張感ある関係構築

政務調査費等の透明性の向上

仮称・会津若松市議会「議員政治倫理条例」の制定

仮称・会津若松市議会「議会基本条例」の制定

二元代表制への適切な理解

 【具体的検討事項】

 2 条例策定検討フレームの特色

  ⑴ 策定の基本フレーム

   ア 策定体制

      議会制度検討委員会(任意の委員会としての設置・運営)

   イ 2条例の同時制定

      議会基本条例+議員政治倫理条例

   ウ 内部・外部環境の分析

      強み+弱み+機会+脅威(SWOT分析)

   エ 理論研究

      北海学園大学 神原勝教授(議会基本条例セミナー)

      福島大学 松野光伸教授(議会制度検討委員会委員)

   オ 事例研究

      伊賀市議会 安本美栄子議員(事例紹介)

      栗山町議会、三重県議会、伊賀市議会(先進事例ベンチマーキング)

   カ 市民参加

      議会制度検討委員会への公募市民委員+パブリックコメント、試験的意見交換会の実施

   キ 内部調整

      正副議長の常時出席+検討プロセスの節目節目で全員協議会を開催など

  ⑵ 基本手順

   第1期 ⇒ 議長提言期(平成19年5月~7月)

    政策としての議会改革(案)の提案+議会制度検討委員会の設置

   第2期 ⇒ 政策としての議会改革(案)検討期(平成19年7月~9月)

    環境分析+改革理念・方向・具体的改革事項の検討

   第3期 ⇒ 条例素案検討期(平成19年 10月~平成20年4月)

    外部委員+理論研究+事例研究+逐条的検討

   第4期 ⇒ 条例の成案期(平成20年4月~6月)

    議会内調整+市民との意見交換会

 

 3 議会制度検討委員会

  ⑴ 任意組織としての位置付け

    先の議会において、議員政治倫理条例検討委員会における検討プロセスの中で、議員のみで

検討することの難しさを経験することを通じて得た教訓を踏まえ市民及び学識経験者という議

員以外の外部委員を含めることとしたため、法定上の会議とすることはできず、任意組織とし

て設置・運営するという手法をとったものである。

  ⑵ 外部委員の参画による効果

    従前の構成  = 【議員】

    当初の期待値 = 【議員】+【公募市民】+【学識経験者】=3

       ↓ 

    実際の効果  = 【議員】×【公募市民】×【学識経験者】=3+α

  ⑶ 正副議長が検討委員会に出席

   ア その後の条例策定や運用が円滑に進んだ要因と考えられる。

   イ 学識経験者松野委員のコメント⇒「検討委員会に参加して意見も言い、条例づくりに責任

を持つ姿勢が鮮明であった。」

 

2

(参考)会津若松市議会 議会制度検討委員会について

会津若松市議会 議会制度検討委員会について

1 法令に基づくものではなく、任意の委員会とする。

 ⇒ 19年7月6日設置、20年5月30日終了

2 所掌事務

  議長からの諮問により、次の事項を検討する。

 ⑴ 議会改革の基本理念に関すること。

 ⑵ 議会改革の基本方向に関すること。

 ⑶ 改革検討事項の抽出及び検討主体に関すること。

 ⑷ 改革検討事項の優先順位に関すること。

 ⑸ 仮称・会津若松市議会基本条例及び仮称・会津若松市議会議員政治倫理条例の原案作成に関する

  こと。

 ⑹ その他議会改革に関すること。

3 委員の構成等

 ⑴ 委員は、2人以上の会派から1名ずつ選出し、7名で構成する。

 ⑵ 委員長及び副委員長は、委員の互選により選出する。

 ⑶ 正副議長は、委員会に出席し、発言することができる。

 ⑷ 一人の無会派の議員は、委員外議員として出席でき、また、委員長の許可あれば、発言すること

  ができる。

 ⑸ なお、議会改革の課題の抽出、優先順位・検討主体の決定までは議員選出委員で行い、その後、

  【当該委員会として直接検討する事項】、具体的には、議会基本条例及び議員政治倫理条例の検討

  については、市民及び学識経験者に委員として出席依頼するものとする。

4 議会運営委員会、代表者会議との関係

  議会制度検討委員会で抽出された課題のうち、議会運営委員会または代表者会議の検討事項とされ

 た事項については、それぞれ、議会運営委員会または代表者会議で検討するものとする。

5 委員

 ⑴ 議員(19年7月19日~)

   委員長  小林 作一(市民クラブ)

   副委員長 松崎 新(社会民主党・市民連合)

   委 員  横山 淳(公志会)、坂内 和彦(新生会津)、土屋 隆(公明党)、斎藤 基雄

        (日本共産党会津若松市議団)、成田 芳雄(市民夢クラブ會津)

 ⑵ 市民委員 菊地 さち子氏(19年10月9日~)

 ⑶ 学識経験者委員 福島大学行政政策学類教授 松野 光伸氏(19年10月9日~)

3

4

(参考)会津若松市議会基本条例及び会津若松市議会議員政治倫理条例の取り組み経過について

開催月日、会議名等 取り組み内容

各派代表者会議

各派代表者会議

議会制度検討委員会の設置の決定。各派代表者会議

議長から委員長に「諮問」

市民委員の選考(及び決定)について

議会基本条例セミナーの開催(北海学園大学 神原勝教授)

議会基本条例の意義と課題

北海学園大学神原勝教授との意見交換

 議会基本条例制定に当たっての理論的留意点等

先進事例(伊賀市議会安本美栄子前議長)講演会

伊賀市議会安本美栄子前議長との意見交換

条例制定にあたっての実務上の留意点等

市民と議会との関係、市長と議会との関係

議会基本条例検討状況の中間報告

議員間の自由討議の拡大、議会・議会事務局の体制整備

政治倫理、政務調査費、議員定数、議員報酬、最高規範性等

平成19年5月 選挙後の初議会のおける議長選挙において、正副議長候補者が選挙公約として、議会改革をかかげ、それぞれ正副議長に当選した。(公約は、先の議会から申し送りされた「議員政治倫理条例」の制定、公平・公正な議会づくりなど)

平成19年5月28日(月) 田澤議長から、政治倫理条例の制定及び議会改革に係る基本理念、方針等の表明。

平成19年6月22日(金) 議長から、議会改革について(案)の提示及び検討組織である仮称・議会制度検討委員会設置の提案。

平成19年7月6日(金)

平成19年7月19日(木)

第1回議会制度検討委員会

平成19年8月6日(月) 議会基本条例セミナー、諮問事項1(基本理念)、諮問事項2(基本方向)等の協議第2回議会制度検討委員会

平成19年8月27日(月) 諮問事項3(検討事項の抽出及び検討主体)、諮問事項4(検討事項の優先順位)の協議第3回議会制度検討委員会

平成19年9月1日(土) 市政だより(9月1日号)での市民委員の公募

平成19年9月20日(木)

第4回議会制度検討委員会

平成19年10月9日(火)

平成19年10月9日(火)

第5回議会制度検討委員会

平成19年10月23日(火) 議会基本条例の先進事例、条例の基本骨子、今後の進め方について第6回議会制度検討委員会

平成19年11月5日(月) 前文、目的、定義、基本理念、基本方針、議員・議会の活動原則、会派第7回議会制度検討委員会

平成19年11月12日(月)

平成19年11月12日(月)

第8回議会制度検討委員会

平成19年11月19日(月)

第9回議会制度検討委員会

平成19年12月6日(木)

第1回議員全員協議会

平成19年12月21日(金)

第10回議会制度検討委員会

平成20年1月11日(金)

第11回議会制度検討委員会

5

開催月日、会議名等 取り組み内容

議会基本条例・条例案の起草について

議員政治倫理条例について

議員政治倫理条例について

議会基本条例素案、政治倫理条例検討状況の中間報告

議員政治倫理条例・条例案の起草について

議員政治倫理条例素案の検討

議員政治倫理条例素案の検討

議会基本条例素案、議員政治倫理条例素案、手続き等

市民との意見交換会

市民意見整理、素案修正、2条例(案)の確認。

2条例案の報告等

議会制度検討委員会委員長から議長に条例原案の答申

2条例原案への対応協議について各派代表者会議

2条例原案の確認各派代表者会議

2条例の提出について確認議会運営委員会

2条例の上程(提案理由説明)

2条例の質疑~討論~採決(2条例の原案可決)

広報広聴委員会設置規程及び委員選出方法の協議・決定各派代表者会議

2条例の公布・施行

広報広聴委員会設置規程の告示・施行

平成20年1月25日(金)

第12回議会制度検討委員会

平成20年2月6日(水)

第13回議会制度検討委員会

平成20年2月18日(月)

第14回議会制度検討委員会

平成20年2月28日(木)

第2回議員全員協議会

平成20年3月25日(火)

第15回議会制度検討委員会

平成20年4月4日(金)

第16回議会制度検討委員会

平成20年4月16日(金)

第17回議会制度検討委員会

平成20年4月25日(金)

第3回議員全員協議会

平成20年4月25日(金)~ パブリックコメント(ホームページ上で実施)1件1名。

平成20年5月13日(火)~ 20地区対象に3日間、5箇所で開催。135人の参加で、80の意見聴取。

平成20年5月20日(火)

第18回議会制度検討委員会

平成20年5月30日(金)

議員全員協議会(第4回)

平成20年5月30日(金)議員全員協議会(第4回)の意見を踏まえた検討・確認

第19回議会制度検討委員会

平成20年5月30日(金)

平成20年6月2日(月)

平成20年6月4日(月)

平成20年6月6日(金)

平成20年6月12日(木)

6月定例会

平成20年6月18日(水)

6月定例会

平成20年6月18日(水)

平成20年6月23日(月)

Ⅱ 会津若松市議会基本条例・議員政治倫理条例の概要

 1 議会基本条例の受け止め

  ⑴ 議会基本条例の定義

    《神原勝教授による定義*1》「自治体の政府制度である二元代表民主制を首長と対等に担う

議会が、主権者市民の負託に応えて優れたまちをつくるために、議会運営の理念・理念を具体

化する制度・制度を作動させる原則などを定めた条例で、当該自治体レベルの議会運営に関す

る最高規範として位置付けたもの」と定義される。

(*1 神原勝・橋場利勝『栗山町発・議会基本条例』公人の友社、2006年)

  ⑵ 会津若松市議会での基本条例の受け止め方

    議会活動 ⇒ 顧客である市民を対象として行う新たな価値創造のための一連の諸活動

    議会基本条例の再定義 ⇒ 議会基本条例とは、市民にとっての新たな価値創造に向け、

                 市民参加を基軸とした政策形成サイクルの確立と実践によって、

                 積極的な政策形成を行い、まちづくりに貢献していく、

                 そのためのツールである。

     議会による政策形成

      ⇒ 監視機能↑+政策立案機能↑+市民参加↑=団体意思決定機能↑ ⇒ 市政貢献

   ※ 市政発展への貢献が最終目的、かつ、エンドユーザーは市民。

   ※ 議会内の仕組みやルールづくりはその手段(ツール)にすぎない。

 2 会津若松市議会基本条例の主要条項とその個別論点

  ⑴ 論点1:前文

    市民参加を基軸とした基本方向

  ⑵ 論点2:議会の活動原則(第2条)

    「市長に対抗するためには議会が一つにまとまる必要性があるという視点」だったが、

   ⇒ 「議会だけでまとまるのではなく、議会は市民と結びついて、市民意見を後ろ盾にして、

活動していくべき」という考え方に前進 

     ※その後の市民との意見交換会、政策形成サイクルを制度設計する際のバックボーンに

  ⑶ 論点3:議員関係~活動原則(第3条)、研修・調査研究(第16条)、誠治倫理(第19条)

    (論点)議員は、一部団体・地域の代表か、それとも全体の代表か。

    (松野委員)~議員が市民の部分的意思や利害を多様に反映(代表)することこそが、議会

活動の前提として強調される必要がある。

  ⑷ 論点4:会派(第4条)、政務活動費(第20条)

   ア 会派について

     積極的に規定した趣旨=「議会内の政策形成主体としての会派の位置付けを明確にする」

     ・ 三重県議会基本条例第5条第2項規定(会派は、政策決定・政策提言・政策立案等に

関し、会派間で調整を行い、合意形成に努める)について、「合議体たる議会全体とし

ての合意形成の必要性と重要性に鑑み、その実現のための会派の役割を制度上明らかに

した点」に意義があるとの受け止め

     ・ 「会派=政策形成主体」と位置づけ

     ・ 政策のすべてを共有しないまでも、政策に関する理念レベルは共有する集団と評価

     ・ 会派の原則結成規定(条例上の正規の組織として定義している)    

6

   イ 政務活動費について

     会派自らの説明責任の加重

 

  ⑸ 論点5:市民との関係(第5条~第8条)

   ア 市民と議会の関係(第5条)

     市民との意見交換会の根拠規定

(平成23年3月定例会で条例を改正し、市民との意見交換会の開催を明文化)

   イ 広報広聴委員会(第6条)

     広報編集員会を発展的解消し、条例に基づく会議として、広報及び広聴機能を担当する組

織として設置

   ウ 附属機関の設置(第7条)

     附属機関としての政治倫理審査会設置の一般規定

    条例上の附属機関であって、地方自治上の附属機関とまでは位置付けない。

   エ 議決責任等(第8条、第8条の2)

     議決責任の明確化

     ・ 説明責任を媒介として、政治的・道義的な議決責任を規定しようとするもの

     ・ 地方自治法第 96条第2項の規定による議会の議決すべき事件として、市の総合計画の

      基本構想及び基本計画の策定、変更又は廃止を規定      

  ⑹ 論点6:市長との関係(第9条~第11条)

   ア 市長等との関係の基本原則(第9条)

   (ア)市長等への反問権の付与

     ・ 反問権については、議会運営委員会で2つの機能を定義

       ○ 「質問の趣旨・内容」の確認(機能1)

       ○ 「質問の背景・根拠」の確認(機能2)

           ・・・政策水準の向上に向けた論点・争点の明確化という趣旨に照らせば、この

            機能2が反問の主たる機能と考えられる。

       × 市長等が議員に対し代替案を提示要求すること(機能3)※反論に近いイメージ

           ・・・反問は、あくまで議員の質問に対し、不明な点(趣旨、根拠等)を逆質問

            することであるとの見解に立ち、機能3はその範囲外とした。   

   (イ)地方自治法第 96条第2項の議決事件の拡大について

     ・ 条例制定当初は規定の見送り→平成27年3月の条例改正により総合計画の基本構想及

      び基本計画の策定等について規定(上記⑸-エ(第8条の2)参照)

   イ 監視・評価(第 10条)、政策立案・政策提案・政策提言(第 11条)

     一般に、議会は執行機関に比べて相対的に経営資源が劣るとして監視機能に特化すべきと

する見解と、監視機能に加えて政策立案機能をも担うべきとする見解が存在するが、会津若

松市議会では、第 10条、第 11条によって、両方の機能を果たしていくことを想定している。

 

  ⑺ 論点7:議員間討議・政策討論会(第12条・第13条)

   ア 議員間による討議(第 12条)

     議会が言論の府であることを踏まえ、

     ・ 第1項で、議会の活動原則としての議員間討議を規定

     ・ 第2項で、審議結果である議決の主体が議員ではなく議会であることに鑑み、本会

      議・委員会における議案審議・審査における議事手続きの1つとしての議員間討議の位

      置付けを規定 →議決に至る経過と結果を議会を主語として説明することを担保

   イ 政策討論会(第 13条)

     「市長への政策提言」+「政策立案、政策提案の推進」

7

                             

                                           

  ⑻ 論点8:議会の体制整備・機能強化、予算の確保(第14条~第18条、第21条)

   ア 議会の体制整備・機能強化

     常任委員会の政策立案機能強化(第 14条)、議会による研修(第 15条)、議員による研

修・調査研究(第 16条)、議会図書室(第 17条)、議会事務局(第 18条)、予算の確保

(第 21条)から構成される。    

   イ 予算の確保(第 21条)

     二元代表制の趣旨を踏まえた予算確保の努力規定            

 

  ⑼ 論点9:最高規範性

    他の条例に対して法的優位性を持つものではないとの見解でまとまり、最高規範性の明文上

の規定は見送られた。

    ⇒ 明文上は規定しないものの、最高規範としての趣旨や実質的な意義をどのように盛り込

むか検討 → 前文、第 22条第1項、第 22条第2項

  ⑽ 論点10:議員の政治倫理    

    会津若松市議会における議会基本条例と議員政治倫理条例との関係は、【議会基本条例⇒議

員政治倫理条例】(当初は、議会のあり方《議会基本条例》を明確にし、その中で議員のあり

方《議員政治倫理条例》を見定めようとした)との関係であったものが、条例素案の検討プロ

セスの中で、両者の関係は、【議会基本条例⇔議員政治倫理条例】(議会基本条例で標榜する

市民参加を推進するための前提として、議員が市民から信頼を得る基盤《議員政治倫理条例》

を再認識したこと)という相互的な関係になっていった。(図表2)

  図表2 基本条例と議員政治倫理条例との関係 

 

3 議会基本条例の全体構造 ⇒ 単純化した2つのとらえ方(全体構造A/B)

  ⑴ 全体構造A「政策形成サイクルの主要3ツール」

   ア 市民との意見交換会(第5条) ⇒ 意見聴取(政策形成サイクルの起点)

   イ 広報広聴委員会(第6条)   ⇒ 意見整理→問題発見→課題設定

   ウ 政策討論会(第 13条)     ⇒ 問題分析→政策立案

8

議会の役割の高まり

市長と対等な機関としての議会

議会は一つへ(∵議員30人=市長1人)

チェック機関+政策づくり=まちづくりへの関わり

市民代表としての議員・議会の説明責任を明らかに

議会基本条例

(シクミ・運営方法)

市民参加による新たなシクミ・運営+行動基準が必要

議員政治倫理条例

(行動基準)

  ⑵ 全体構造B「議決責任からバックキャスト的にみると・・・」(図表3)

   図表3 議決責任からバックキャスト的にみると

(参考)会津若松市議会基本条例

会津若松市議会基本条例

平成20年6月23日

会津若松市条例第19号

 平成12年4月に施行されたいわゆる地方分権一括法による機関委任事務の廃止によって、地方自治体

(以下「自治体」という。)は自らの責任において、自治体のすべての事務を決定することとなり、こ

れらの事務に対して、議会の審議権、議決権、調査権、検査権が及ぶなど、その権限が強化された結果、

議会の担うべき役割や責任も大きくなった。

 このような中、地方議会を担う者が、その責務を果たしていくためには、二元代表制の趣旨を踏まえ、

首長と相互の抑制と均衡を図りながら、自治体の自立に対応できる議会へと自らを改革していかなけれ

ばならない。

 この自己変革に当たっては、議事機関たる議会はまず、多様な市民の多様な意見を多様に代表できる、

という合議機関としての特性を最大限に生かしていくために、これまで以上に公平・公正・透明な議会

運営や開かれた議会づくりを推進し、情報の提供と共有化を図りながら、市民の積極的な参加を求めて

いくことが必要である。

 他方で議会は、このような市民参加を礎として、市民との活発な意見交換を図り、そこで得られた意

見を大切にしながら、議員同士が自由闊達な議論をたたかわせ、そのような中から、論点や課題を明ら

かにしたり、意見を集約していくことが必要である。そして、市民本位の立場をもって、より適切に政

策を決定するとともに、その執行を監視し、さらには、政策提言や政策立案を積極的に行っていかなけ

ればならないのである。

 このような認識のもと、会津若松市議会は、これまで連綿と続いている、活発な議論を重んじる伝統

と個々を尊重しあう民主的な政治風土をしっかりと受け継ぎつつ、未来に向けた新たな価値の創造に向

けて、不断の努力を重ねるとともに、市民の多様な意見を反映しうる合議体としての議会づくりを通じ、

市民の負託にこたえていくことを決意するものである。

 ここに、会津若松市議会及び構成員である議員が活動していくに当たって、最も根幹となる支柱とし

て、また、そのよって立つ基盤として、この条例を制定する。

 (目的)

第1条 この条例は、二元代表制の下、合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会

 及び議員の活動原則等の議会に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく市民

 の負託に的確にこたえ、もって市民福祉の向上と公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的と

 する。

 (議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

9

                             議決責任(第8条)  

                              ↓

                        説明責任(第5条第1項)

                         ↓

                    議員間討議(第12条)

                     ↓

               問題分析(政策討論会)(第13条)

                ↓

          課題設定(広報広聴委員会)(第6条)

           ↓

   問題発見(市民との意見交換会)(第5条第5~7項)

バックキャスト

 ⑴ 公正性及び透明性を確保するとともに、市民に開かれた議会を目指すこと。

 ⑵ 市民の多様な意見を把握し、政策形成に適切に反映できるよう、市民参加の機会の拡充に努める

  こと。

 ⑶ 把握した市民の多様な意見をもとに政策提言、政策立案等の強化に努めること。

 ⑷ 市民本位の立場から、適正な市政運営が行われているかを監視し、評価すること。

 ⑸ 議会運営は、市民の傍聴の意欲が高まるよう、分かりやすい視点、方法等で行うこと。

 (議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

 ⑴ 議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじ

  ること。

 ⑵ 市政の課題全般について市民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研さ

  によって、市民全体の奉仕者、代表者としてふさわしい活動をすること。

 ⑶ 議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとどまらず、市民全体の福祉の向上を目指して

  活動すること。

 (会派)

第4条 議員は、議会活動を行うに当たり、会派を結成するものとする。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成する。

3 会派は、政策決定、政策提言、政策立案等に際して、会派間で調整を行い、合意形成に努めるもの

 とする。

4 議長は、必要があると認めるときは、会派の代表者の会議を開催する。

5 会派の代表者の会議に関し必要な事項は、別に定める。

 (市民と議会との関係)

第5条 議会は、市民に対し積極的にその有する情報を発信し、情報の共有を推進するとともに、説明

 責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議、常任委員会のほか、すべての会議を原則公開とする。

3 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条の2に規定する学識経験者等による専門的調

 査の活用並びに同法第 115 条の 2( 同法第 109 条第 5 項において準用する場合を含む。 ) に規定する公聴会

制度及び参考人制度を活用して市民等の意見等を聴き、議会の政策形成に反映させるよう努めるものと

する。

4 議会は、請願及び陳情を市民からの政策提案として受け止め、審議等に当たっては請願者及び陳情

 者の説明機会 の確保に努めるとともに、審議等に必要がある場合は当該請願者及び陳情者の意見を聴

 くものとする。

5 議会は、市民の多様な意見を把握し、反映しうる合議体としての特色を最大限に生かし、市民参加

 の推進に努めるとともに、市民との意見交換の場を多様に設けるものとする。

6 議会は、市民に対し、議会で行われた議案等の審議の経過及び結果について報告するとともに、政

 策形成に関す る意見交換を行うため、市民との意見交換会を開催しなければならない。

7 市民との意見交換会に関し必要な事項は、別に定める。

 (広報広聴委員会)

第6条 議会は、広報広聴機能の充実のため、議員で構成する広報広聴委員会を設置する。

2 広報広聴委員会に関し必要な事項は、別に定める。

 (附属機関の設置)

第7条 議会は、審査、諮問又は調査のため必要があると認めるときは、別に条例で定めるところによ

 り、附属機関を設置することができる。

 (議決責任等)

第8条 議会は、議決責任を深く認識するとともに、議案等を議決し、自治体としての意思決定又は政

 策決定をしたときは、市民に対して説明する責務を有する。

2 議会は、議会運営に関し、市民に対して説明する責務を有する。

第8条 の2   地方自治法第 96 条第2項の規定による議会の議決すべき事件は、次のとおりとする。

 ⑴ 市政の総合的かつ計画的な運営を図るための中長期的な計画の基本理念、基本目標、政策、施策

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  等を体系的に示した基本構想及び基本計画の策定、変更又は廃止

 (市長等との関係の基本原則)

第9条 議会審議における議員と市長その他の執行機関及びその補助職員(以下「市長等」という。)

 との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めるものとする。

 ⑴ 本会議における議員と市長等との質疑応答は、論点及び争点を明確にして行うものとする。

 ⑵ 議長から本会議及び委員会に出席を要請された市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の

  質問に対して反問することができる。

 ⑶ 議会は、市長等との立場及び権能の違いを踏まえ、議会活動を行わなければならない。

 ⑷ 議会は、市長が提案する重要な政策については、議会審議を通じて政策水準の一層の向上を図る

ため、市長に対し、必要な情報を明らかにするよう求めるものとする。

 (監視及び評価)

第10条 議会は、市長等の事務の執行について、事前又は事後に監視する責務を有する。

2 議会は、本会議における審議、議決等を通じて、市民に対して市長等の事務の執行についての評価

 を明らかにする責務を有する。

 (政策立案、政策提案及び政策提言)

第11条 議会は、市の政策水準の向上を図るため、政策立案機能の強化に努め、もって条例の提案、議

 案の修正、決議等の政策提案を行うとともに、市長等に対し、政策提言を行う。

 (議員間の討議による合意形成)

第12条 議会は、言論の場であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を中心に運営されなけ

 ればならない。

2 議会は、本会議及び委員会において、議案の審議及び審査に当たり結論を出す場合にあっては、合

 意形成に向けて議員相互間の議論を尽くすよう努めるものとする。

 (政策討論会)

第13条 議会は、市政に関する重要な政策及び課題に対して、共通認識及び合意形成を図り、もって政

 策立案、政策提案及び政策提言を推進するため、政策討論会を開催するものとする。

2 政策討論会に関し必要な事項は、別に定める。

 (常任委員会)

第14条 常任委員会は、議会における政策立案及び政策提案を積極的に行うものとする。

 (議会による研修)

第15条 議会は、政策提言及び政策立案能力の向上を図るため、研修を実施する。

2 議会は、研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、市民等との研修会を開催するものとする。

 (議員による研修及び調査研究)

第16条 議員は、政策提言及び政策立案能力の向上のため、研修及び調査研究に努めるものとする。

 (議会図書室)

第17条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。

 (議会事務局)

第18条 議会は、議会の政策立案能力を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局

の調査及び法制機能の充実を図るものとする。

 (議員の政治倫理)

第19条 議員は、高い倫理的義務が課せられていることを深く自覚し、会津若松市議会議員政治倫理条

 例(平成20年会津若松市条例第20号)を遵守し、品位の保持に努めなければならない。

 (政務活動費)

第20条 会派の代表者は、会津若松市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年会津若松市条例第

 1号)第2条の規定により調査研究その他の活動に資するために政務活動費の交付を受けたときは、

会計帳簿、領収書等を整理し、その使途の透明性を確保するものとする。

2 会派の代表者は、政務活動費の収支報告書について、自ら説明責任を果たすよう努めるものとする。

 (予算の確保)

第21条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な

 議会運営を実現するため、必要な予算の確保に努めるものとする。

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 (継続的な検討)

第22条 この条例の施行後、議会は、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案して、議会運営に係る

 不断の評価と改善を行い、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結

 に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 議会は、この条例を改正するに当たっては、議員全員が賛同する場合であっても、本会議において

 改正の理由を説明しなければならない。

   附 則

この条例は、公布の日から施行する。

   附 則(平成 23 年3月 28 日条例第9号)

この条例は、公布の日から施行する。

   附 則 ( 平成 24 年 12 月 25 日条例第 49 号 )

この条例中第 5 条第 3 項の改正規定は公布の日から、第 20 条の改正規定は地方自治法の一部を改正する法

律 ( 平成 24 年法律第 72 号 ) 附則第 1 条ただし書に規定する規定の施行の日から施行する。

   附 則 ( 平成 27 年3月 17 日 条例第 1 号 )

この条例は、公布の日から施行する。

  

4 会津若松市議会議員政治倫理条例 

  ⑴ 条例の特徴

   ア 議会基本条例との同時制定による市民との新たな信頼関係構築を立法趣旨としたこと

   イ 資産公開制度は規定していない(補完的機能⇒就業等の報告義務を規定)

   ウ 政治倫理基準にセクハラ等の人権侵害の行為を入れたこと

   エ 政治倫理審査会を議会の附属機関として設置したこと

   オ 審査の請求要件を請求者と連署4人の計5人としたこと

(参考)会津若松市議会議員政治倫理条例全文

会津若松市議会議員政治倫理条例

平成20年6月23日

会津若松市条例第20号

 会津若松市議会が目指している市民参加を礎とした新たな議会づくりは、議員に対する市民の揺るぎ

ない信頼があって初めて実現できるものである。

 そのためには、議員は公職者としての高い倫理観と深い見識により、自ら考える明確な政治倫理基準

に基づき、誇りと自信をもって市政を担いつつ、説明責任を果たしていくことが必要である。

 ここに、議員と市民との信頼関係を築く基盤として、この条例を制定する。

 (目的)

第1条 この条例は、議会を構成する議員が、市民全体の代表者として、また、市民全体の奉仕者とし

 て議員活動を行う際に遵守すべき行動基準(以下「政治倫理基準」という。)について定めるととも

 に、市民が議員活動について説明を求める機会を保障することにより、議員が市民から信頼を得る基

 盤を作り、もって公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

 (議員の責務)

第2条 議員は、市政にかかわる権能と責務を深く自覚し、第4条に規定する政治倫理基準を遵守して

 活動しなければならない。

2 議員は、自ら研さんを積み、資質を高めるとともに、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、その品

 位の保持に努めなければならない。

3 議員は、法令及び条例を遵守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈しない。

4 議員は、市民からの求めの有無にかかわらず、自ら率先して説明責任を果たさなければならない。

 (市民の役割)

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第3条 市民は、議員の活動及び政治姿勢に注目し、必要に応じ、議員に説明責任を果たすことを求め

 るものとする。

 (政治倫理基準)

第4条 議員は、市長その他の執行機関及びその補助職員並びに市が資本金、基本金その他これに準ず

 るものを出資し、又は拠出している公益法人(以下「出資団体」という。)及び指定管理者(会津若

 松市公の施設の指定管理者の指定手続等に関する条例(平成17年会津若松市条例第10号)第5条の規

 定により指定されたものをいう。)の役職員(以下「職員等」という。)に対し、その権限又は地位

 を利用することにより、次に掲げる行為によって、公正な職務の執行を妨げ、又は妨げるような働き

 かけをしてはならない。

 ⑴ 公共工事の請負等のあっせん

 ⑵ 公共施設の入居に関しての推薦

 ⑶ 職員等の採用、異動、昇任その他の人事への関与

 ⑷ 許認可、補助金その他の給付の決定への関与

 ⑸ 前4号に掲げるもののほか公正な職務執行を妨げる行為

2 議員は、その地位を利用して、いかなる金品も受領してはならない。

3 議員は、その地位を利用して嫌がらせをし、強制し、又は圧力をかける行為をしてはならない。ま

 た、いかなる場合であっても、セクシャル・ハラスメント(他の者が不快に感じる性的な言動又は行

 為をいう。)その他人権侵害のおそれのある行為をしてはならない。

4 議員は、飲食物の供与等社会通念上疑惑を持たれるおそれのある行為をしてはならない。

 (就業等の報告義務)

第5条 議員は、自ら事業を営んでいる場合又は次の各号のいずれかに該当する法人その他の団体(出

 資団体を除く。以下「法人等」という。)の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくは

 これらに準ずべき者、支配人及び清算人に就いている場合は、速やかに議長に報告しなければならな

 い。事業を休止したとき又は職を辞したときも同様とする。

 ⑴ 収益事業を営む法人等

 ⑵ 市の許認可が必要な事業を営む法人等

 ⑶ 市から補助金等を受け、又は受けようとする法人等

 (議員の依頼等に対する記録)

第6条 議長は、議員が行う職員等に対する口頭による要請に対して、日時、要請内容、対応等を記録

 した文書を作成することを当該職員等の任命権者等に求めるものとする。

 (職務関連犯罪による逮捕後の説明会)

第7条 議員は、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定め

 る贈収賄罪並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第

 130号)第1条の罪(以下「職務関連犯罪」という。)による逮捕後、なお引き続きその職にとどま

 ろうとするときは、議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。

 (職務関連犯罪による起訴後の説明会)

第8条 議員は、職務関連犯罪により起訴され、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、議長

 に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該議員は説明会に出席

 し、釈明しなければならない。

2 市民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、起訴の日から30日以内に当該議員に説明

 会の開催を請求することができる。

 (職務関連犯罪の有罪判決後の説明会)

第9条 議員が職務関連犯罪の罪により有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとす

 るときの説明会の開催等については、前条の規定を準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日

 から14日を経過した日以後20日以内とする。

 (職務関連犯罪の有罪確定後の措置)

第10条 議員は、職務関連犯罪の罪により有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙

 法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市民全体の代表者とし

 ての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、辞職手続きをとるものとする。

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 (審査の請求)

第11条 市民は、議員に第4条に規定する政治倫理基準又は法令若しくは条例(以下「政治倫理基準等

 」という。)に違反する行為があると認めるときは、当該違反する行為を証する書類を添え、会津若

 松市議会議員の選挙権を有する者4人以上の者の連署とともに、議長に対し審査の請求をすることが

 できる。

 (政治倫理審査会の設置)

第12条 議会に、会津若松市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、前条に規定する審査の請求があった場合において、議長の求めに応じ、当該請求の事案

 を調査審議し、その結果を報告する。

3 審査会は、前項の調査審議を行うほか、政治倫理に関して議長に意見を述べることができる。

 (審査会の組織等)

第13条 審査会は、議長が委嘱する委員5人以内をもって組織する。

2 議長は、必要があると認めるときは、議員を委員として委嘱することができる。

3 委員の任期は、審査会が結論を出す日までとする。

4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

 (審査会の委員)

第14条 審査会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選により定める。

2 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。

3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、その職務を代理

する。

 (審査会の会議)

第15条 審査会は、委員長が招集する。

2 審査会は、委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。

3 審査会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

 (審査会の調査)

第16条 審査会は、調査審議を行うに当たり、審査の請求の対象とされた議員(以下「被請求議員」と

 いう。)又は関係人に対し、事情聴取、資料の請求等の必要な行為を行うことができる。

 (被請求議員等の義務)

第17条 被請求議員及び関係人は、審査会から、資料の提供や審査会への出席を求められたときは、こ

れに応じなければならない。

2 被請求議員及び関係人は、審査会において、口頭又は文書により意見を述べることができる。

 (結果の報告)

第18条 議長は、第12条第2項の規定による結果の報告を受けたときは、審査の請求をした者及び被請

 求議員に対し、その内容を文書で通知するとともに、その概要を公表するものとする。この場合にお

 いて、次項の弁明書の提出があったときは、当該弁明書と併せて公表するものとする。

2 被請求議員は、前項の文書を受け取った日から14日以内に限り、弁明書を議長に提出することがで

 きる。

 (議会の措置)

第19条 議会は、審査会の報告を尊重するものとする。

2 議会は、被請求議員が政治倫理基準等に違反したものと認められるときは、市民の信頼を回復する

 ために必要な措置を講ずるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

 (適用区分)

2 第7条から第9条までの規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に逮捕され、

 起訴され、又は有罪判決の宣告を受けた議員について適用する。

3 第11条に規定する審査の請求は、施行日以後に行われた議員の行為について適用する。

14

 Ⅲ 政策形成サイクル(総論)

 1 政策形成サイクルの基本フレーム

   政策形成サイクルは、市民との意見交換会を起点とし、そこで頂戴した意見については、議会

が有するさまざまな個別の意思を一般化・統合化していくという機能を踏まえ、数多くの意見か

ら帰納法的に課題を設定し、市民意見・要望に応えようとするモデルである。(図表4)

    

     図表4 政策形成サイクルにおける主要ツールの位置付け

 2 政策形成サイクルの段階別概要

  ⑴ 政策研究

   ◎ 問題発見 ⇒ 課題設定 ⇒ 問題分析

     → 市民との意見交換会で市民から「意見を聴取」する。

      → 多様、多数の「意見を整理」し、「問題を発見」する。

       → 発見した問題を一般化、抽象化することで、「課題設定」を行う。

        → 設定された課題については、優先順位、重要性、緊急性等を考察・評価する

         「問題分析」を行う。

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意見交換会   【意見の聴取】問題発見

広報広聴委員会【意見整理→問題発見】

広報広聴委員会【課題の設定】

課題設定各派代表者会議【課題の設定(決定)】

意見交換会【設定課題の報告・意見交換】

政策討論会【重要性等の分析】問題分析

意見交換会【問題所在等の意見交換】

政策討論会・常任委員会など【政策づくり】政策立案

意見交換会【パブリックインボルブメント等】

意見交換会【パブリックコメント等】政策決定

本会議・委員会【議案審議・議決】

(執行機関の執行) 政策執行

予算・決算審査【政策の事前評価・事後評価】

政策評価一般質問【執行状況等の監視・評価)

意見交換会【議会の評価に関する意見交換】

政策研究

会津若松市議会の政策形成ツール 一般的な政策形成サイクル

  ⑵ 政策立案・政策決定・政策評価

   ◎ (1)の政策研究を行った上で、政策討論会などを通して、調査研究(インプット)を行

い、具体的な政策(条例立案・議案修正・政策提言)として、立案・決定(アウトプット)

に結び付けていく。また、あわせて、政策執行による地域振興と市民福祉向上への成果(ア

ウトカム)を市議会全体の評価尺度で評価し、説明・報告する。

    ※ 政策研究は、サイクルの起点として極めて重要な位置を占める。

    ※ 市民意見を市長に伝達するだけでは議会は単なる「使者」にすぎず、その意味では、市

民との意見交換会を「議会活動」として認識することはできない。いただいた意見は、少

なくとも議会内にも「政策情報」として蓄積することが、議会活動というための必要条件

となる。  

 3 意見整理から問題発見、課題設定までの具体例

  ⑴ 問題発見を行うための市民意見の整理 

・ 政策サイクルの問題発見の前提として行う。

  ※ 問題発見 = 現在の状態と実現したい姿とのギャップの把握と定義

・ 問題発見ができるよう、中分類~大分類に分類

・ 課題設定につなげることを視野に入れ、分類した意見を分析し、問題発見に取り組む。

  ⑵ 課題設定の具体的方法

ア 課題設定の意義

  課題設定 = 問題発見の段階で問題を把握した後、市民ニーズを踏まえ特に取り上げて解

決すべきもの、実現すべき問題をテーマとして設定することと定義

イ 議会として課題を設定することの重要性

 (会津若松市議会としての認識)

 ・ 課題設定が済めば、その後のサイクルが機能する。

 ・ 議員個々の課題設定との調和

ウ 課題設定の基本視点

  市民ニーズに照らしての重要性だけでなく、議事機関としての機能や執行機関との機能的

相違などを踏まえ、設定する。

 ・ さまざまな市民意見を分析する中で、市民ニーズを見出す。

 ・ 縦割り的な課題は執行機関に委ね、議会としては、可能な限り市民視点での横割り的・

  総合的な課題を設定する。

 ・ 課題は、何らかの方策によって議会内の合意形成が図られたり、解決できたりする性質

のものに限らず設定する。

  → このような課題こそ、議会内や市民間で検討・議論することで、論点・争点が明確に

   なり、議会及び市民が絶えず「あれか、これか」を自らの判断で選択することができる

   ための条件整備につながる。

エ 設定した課題(政策課題)及び検討主体の振り分け

  以上のような検討を経て設定された課題は、図表5(p17)のとおり。

  課題を調査研究・議論する主体は、政策討論会(全体会、分科会、議会制度検討委員会)

に振り分けている。

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   図表5 設定した政策課題

大分類 テーマ 政策討論会

A 議会 1 議会活動と議員定数等との関連性及

びそれらのあり方について

全体会

(議会制度検討委

員会へ)

B 行・財政 2 本市財政の持続可能性と事業・サービ

スとの調和について~ 市民が事業・

サービスを選択しうる舞台づくり

分科会

(第1分科会へ)

3 行政サービス提供機能のあり方と庁舎

等整備の方向性について

分科会

(第1分科会へ)

4 民間委託のあり方について 全体会へ

C 生活・環境 5 防災などの地域の諸問題解決に向けた、

地域と行政機関等との連携による新た

な地域社会システムの構築について

分科会

(第2、第4分科

会へ)

6 地域環境の保全について 分科会

(第2分科会へ)

D 健康・福祉・

医療

7 高齢社会及び少子化社会における社会

保障サービスとその負担のあり方につ

いて

分科会

(第2分科会へ)

E 産業経済 8 地域経済活性化と持続可能な地域産業

の維持・育成について

分科会

(第3分科会へ)

F 建設・都市計

9 都市計画の基本的方向性について 分科会

(第4分科会へ)

G 教育・文化 10 教育・学習環境の整備について 分科会

(第2分科会へ)

17

  ⑶ 問題分析の具体例方法

・ 問題分析 = 課題設定により設定されたテーマについて、何がどのように問題なのかを具

体的に明らかにすることと定義

 (例:優先順位、重要性、緊急性等を考察し、選択と集中を行うこと)

  ・ 問題分析は主に政策討論会分科会で行う。

  ・ 設定テーマは抽象化されており、ダイレクトに政策立案に結びつかない。何が問題か、ど

こに問題があるかなど、事実の洗い出し作業といった分析を行う。

  ⑷ 「意見整理→問題発見→課題設定」の検討プロセスの具体例

ア 課題1「議会活動と議員定数等との関連性及びそれらのあり方について」の場合

(ア)意見交換会で寄せられた市民意見の受け止め

 ・ 議員定数、議員報酬及び政務調査費に関して削減や見直しを求める意見

 ・ 一方、今後の議会運営や議員活動に対し、議会基本条例や市民との意見交換会への評

価と相まった期待等も(p20 図表6)

(イ)問題発見及び課題設定

 ・ 市議会や議員に関する情報の提供・共有が不十分であることに起因している面も

  ⇒今後の取り組みの前提として、議会活動の実態に関するより適切かつタイムリーな情

報を提供していくことが必要

 ・ その上で、議員定数等については、財政状況を勘案しつつも、議会基本条例を踏まえ

た今後の議会運営・議員活動のあり方を見定めながら検討を行っていくことが必要

 ・ そこで、課題については「議員定数等の削減ありき」ではなく、「議員定数等と議会活

動との関連性及びそのあり方について」と設定

(ウ)今後の対応方針

 ・ この課題は、議会及び議員の最重要課題であること、また、複数の議会内組織にわた

る横断的課題であることなどから、議員全員による政策討論会のテーマとなりうるもの

であるが、現実的な対応の視点から議会制度検討委員会のテーマとして設定されたもの

である。

イ 課題2「財政の持続可能性と事業・サービスの調和について」の場合

(ア)意見交換会で寄せられた市民意見の受け止め

 ・ 合併特例事業等の大型事業の必要性、大型事業等を現行どおり遂行した場合における

市債残高への不安、このような不安を背景とした本市財政の持続可能性への疑問、大型

事業の優先順位見直しへの要請など、本市の厳しい財政状況を不安視する意見が数多く

寄せられた。

 ・ 他方で、個別分野では、道路、下水道等の都市基盤整備の推進や生活路線バス等の市

民サービスの向上を求めるなど、「歳出増」につながる意見が寄せられるとともに、税金

等の市民負担軽減を求めるなど、「歳入減」につながる意見が寄せられており、これら

の意見の単純合計としては「サービスは高く負担は少なく」という意見に集約されると

考えられる。(p21 図表7)

(イ)問題発見及び課題設定

 ・ 財政に関する情報の提供が不十分であることに起因している面も

  ⇒財政状態についてよりわかりやすい内容での説明が必要であることを執行機関に要望

していく。

 ・ 一方で、議会としても「本市財政の持続可能性」をテーマに財政分析の調査研究や決

算審査のあり方についての検討を行い、議会の視点での財政状況の解明・市民への分か

りやすい説明に努めていく。

 ・ また、財政状態を不安視する一方で「サービスは高く、負担は少なく」という、一見

18

「あれも、これも」にも思える意見 ⇒ これらは、「財政に関する情報不足」を最大の

理由として、市民が「あれか、これか」という選択・検討をできるだけの論点情報が提

供されていないことが原因と考えられる。

 ・ 議会としては、大型事業や市民サービスの必要性、費用対効果、課題・問題点などを

調査研究し、その結果を適時に提供しながら、事業間の優先順位などについて議会内の

議論及び市民との意見交換を行う。

 ・ これにより、市民が「あれか、これか」を選択できるための舞台を整えようとするも

のである(こうした横断的な課題設定は縦割組織の執行機関では極めて困難であり、議

会ならではの課題設定と考えられる)。

 ・ 以上のような観点から、課題については「本市財政の持続可能性と大型事業推進や市

民サービス向上との調和について~市民が事業・サービスを検討・選択しうる舞台づく

り」と設定

(ウ)今後の対応方針

 ・ この課題は横断的課題ではあるが、テーマとしての熟度を勘案し、政策討論会の第1

分科会テーマとして設定し、調査研究していくこととされたものである。

     

19

 図表6 市民意見の整理例1

20

大項目 中項目 主な意見・提言

市議の人数、報酬とも減にしてはどうか

議員の定数、議員報酬の削減を検討してほしい

議員報酬(歳費)について高いや安いか 全議員の考えを示せ

議員報酬日当制についてどう考えているか? 報酬を下げるべきでは

議員報酬を矢祭町のように日当制にすべきだ

議員の歳費、政務調査費、交通費についてどの様に考えるか

政務調査費についてはどの様に管理しているのか

政務調査費はどの様に使われているのか、また額は減らせないのか

政務調査費はどのように具体的に使われ政策に生かされているか

政務調査費の額はいくらで使途はどの様になっているか

政務調査費についてはどの様な管理をしているのか

議員年金どのような制度でいつから支給されるか

欲のある人だけが立候補しているように思えるが

議員活動

議員は、選挙時だけでなく、もっと地区に足を運べ

議員も県庁に足を運び会津出身の知事を活用すべきだ

会派の構成や活動がよくわからない

議員活動以外で行っている活動はあるか

議会改革

一般質問では会派持ち時間制の導入を図れ

議会での重複質問なくせ

議会制度改革が進んでいるかのチェック機能は

意見交換会はよいことである、議会の意見を一つにして行動してほしい

意見交換会はよい取り組みだと思う

意見交換会の周知方法をもっとちゃんとするべき

意見交換会を分野別に行うこと期待している 市民と議会との関係について

意見交換会は毎定例会ごとに行うのか

意見交換会の今後の方向付けはどの様になるのか

個人や会派の意見交換会等はなくなるのか

意見交換会で地元の議員の扱いはどうなっているのか

議会基本条例を評価したい

今更なんで議会基本条例そして倫理条例が必要なのか

他自治体と比較して若松の基本条例制定は何番目か

議会基本条例に会津若松市らしい文言を入れたら良いのでは

議会基本条例の会派の必要性について説明を

条例制定後の実績は何かあるか

倫理条例制定に反対した議員の反対理由は

倫理条例に反するような例があったのかどうか、また罰則はないのか

政治倫理条例「審査請求」「議長の判断」について説明を

広報広聴委員会は何を行うところなのか

広報議会で、議案に対する個々の議員の賛否の態度がでているのはいいことだ

議会報について、議員の質問項目を全て掲載して欲しい

A 議会に関すること

定数・報酬・政務調査費

会派の目的と趣旨は?本当に政策が共通しているグループなのか?仲良しクラブでは

議会のあり方について、会派・多数だけで決めるのは危険。当局提案だけの予算審議ではなく、事前に市民の意見を尊重してほしい

次回の意見交換会では、各議員が、市をどのような方向に持って行きたいと考えているのかを話してもらいたい

意見交換会について一定の評価をする。 年金制度の改革(天引き)について市議会はどのように関わったのか議会基本条例と政治倫理条例大変評価している。 政治倫理条例の審査会と審査請求について議会基本条例の、市当局から逆に質問が出来る様になったということは具体的にどう言うことか

倫理条例の反対討論主旨が資料を見ても解らない、説明してほしい。交換会での資料は全戸に配布されているのか

      図表7 市民意見の整理例2

 4 システムとしての持続可能性及び全体最適性

  ⑴ 持続可能性  

ア 市民との意見交換会を定例的(年2回5月及び11月)に開催している。

イ 議会内ではアで得られた市民意見を大切にしながら、広報広聴委員会及び政策討論会を中

心に持続的・継続的な政策形成活動を行っている。特に、政策研究に係る問題分析は、政策

討論会の分科会で継続的に行っているところである。

ウ 議会は、意見交換会を政策形成の各プロセスで開催・活用することができ、常に市民との

チャネルを意識し活用しながら、市民に開かれた形で政策形成活動を無理なく持続的に展開

することができる。それによりさらに充実した論点や政策情報を市民との意見交換会に提供

することができる。

→「政策形成活動の良否」が「市民との意見交換会の有効性」を左右し、「市民との意見交換

会の有効性」が「政策形成活動の良否」を左右する相互関係 ⇒ 持続可能性の担保

21

大項目 中項目 主な意見・提言

財政

合併特例債による事業が多すぎる。安易に建物ばかり建てるのはどうかと思う

合併特例債は何年で返済するのか

合併特例債による交付税関連はきちんと入ってくるのか

生涯学習センターは学鳳高校跡で間に合う、財政を立て直せ

借金が多すぎる、解決すべき問題

市の借金はいくらあるのか?市庁舎積立金を本当に取り崩したのか

地方債はいくらあるのか、また実質公債費比率はいくらか

実質公債比率はどうなっているのか

市の財政状況についてどうなっているか

市の財政は大丈夫なのか

市の財政状況をどの様に考えているのか

財政調整基金の切り崩しが多いがどの様に考えるか

平成7年の国体時の財政赤字が継続されているのか

市長、職員の人件費削減を検討してほしい

年金から市民税の控除は問題である

個人市民税の特別徴収について説明を

税金が高くなって困っている 土日でも納税できる方策の検討を

税の徴収に関して、議会も、納税のメリットなどを知らせるべき

国民健康保険税の資産割を改正してほしい

ふるさと納税について説明を。市はふるさと納税に力を入れるべき

ふるさと納税についてどの様に考えるか

庁舎新庁舎建設について

入札

生涯学習センターの入札不調では議会のチェックが足りなかったのではないか

地元業者ばかりではなく大手も入れれば安くできるのではないか

生涯学習センターの入札について詳しい話をしてほしい

(仮称)生涯学習センター入札についての経過

民間委託 上水道で民間委託の話があると聞くがどうなるのか

水道事業を民営化したら料金は高くなるのか?安全性は

B 行・財政に関すること

合併特例事業について箱物はいらない第二の夕張市になってはいけない。議会で議論を合併特例債事業のあり方、優先順位はしっかりと財政審議をしなければ住民要望はかなわない

実質公債比率18%を下回るには、事業の精査と優先順を決める必要があると思うが

議会費の予算3.8億円。削減などどの様に考えているのか

国民健康保険料が本年4月1日から年金引き落とし、更に、市民税が来年4月1日から年金引き落としになる。納得いかない

庁舎は会津の中央に造るべきだ。場所等を含め議会でもプロジェクトとして検討すべきでないか

資材高騰で入札不調になる前に、議会でも予算と予定価格の精査をすべきだった

水道の民営化については財政面だけ見て行うべきでない議会として慎重に検討してほしい

  ⑵ 全体最適性

  意見交換会を活用した「市民へのタイムリーな説明責任の遂行」と「交換した意見の政策形

成への反映」を同時に行い、議会基本条例で標榜した「市民意見を後ろ盾にした合議体」を実

現する側面を有している。

⇒ 市民参加を包含する形で、一定の全体最適性も確保

  ⑶ 政策形成サイクルの短所とその補完機能

ア 大きなシステムであるがゆえに市民意見から議会の政策形成まで時間がかかることが弱み

イ 弱みを補うには、大きなサイクルの中に小さなサイクル(問題発見→課題発見→問題分

析)を見つけ出し確実に回すこと

 ⇒ 政策形成サイクルの主要3ツール(p.8)を確実に機能させること

  特に、政策討論会分科会における政策研究(問題分析)が重要な位置付けと機能を果たす。

 5 執行機関と議会との関係~政策形成サイクルの補助モデル~

  ⑴ 議会活動の領域をめぐる論議  

 議会の活動領域は、監視機能に特化すべきか、政策立案機能にも力をいれるべきか

   ⇒(会津若松市議会の場合)

     議会基本条例第2条に規定する議会活動の原則を踏まえ、監視機能及び政策立案機能に市

民参加を加え、山梨学院大学江藤俊昭教授が提唱されている「協働型議会」を目指す。

    ※ 政策形成サイクルは議会と市民との関係に重点をおいたもの。議会と執行機関との関係

     については以下モデルを援用

  ⑵ 監視及び政策立案の2機能の果たし方(図表8)

           図表8 議会の新しい活動領域

相対的

経営資源

    大     小

高リーダー

[市長]

ニッチャー

[議会:政策]

低チャレンジャー

[議会:監視&対案]

フォロワー

[議会:監視]

×黙(追)認

         ・量的経営資源:職員数、資金、生産能力等

          ・質的経営資源:マーケティング力、技術水準等

ア 過度の競争は回避したい ⇒ 二重市政の愚の回避。

イ 監視機能:「フォロワーからチャレンジャーへの移行」

  経営資源に優れるリーダーとしての執行機関に対して、従来議会はフォロワー的な地位

(追認機関)に安住しがちであった ⇒ 今後は監視に関してはチャレンジャーとしての地

位で活動し、必要があれば対案をも出すことを起点に

ウ 政策立案機能:「チャレンジャーを原点・起点としたニッチ戦略」

  監視機能を通じて得たニッチ(すきま)の政策情報を生かして政策立案につなげていく、

ニッチャーとしての地位での政策立案の遂行

エ 監視機能と政策立案機能の「両立」

  監視機能と政策立案機能をトレードオフの関係として捉えるのではなく、まずは監視、次

いで政策立案という形で、これら2機能を相乗効果的に果たそうとするモデルである。

22

Ⅳ 政策形成サイクル(各論)

 1 ツール1:市民との意見交換会

 ⑴ 政策形成サイクルにおける位置付け・機能

    市民との意見交換会は、政策形成サイクルのほとんどすべてのステージに顔を出す極めて重

要な制度である。(p15 図表4)

    

⑵ 市民との意見交換会の開催方法 ※p.26会津若松市議会市民との意見交換会実施要領を参照

   ア 開催趣旨~市民との活発な意見交換を図る具体的な場

   イ 意見交換会の種類~地区別と分野別(開催実績は、図表9のとおり)

   (ア)地区別・・・市政行政区 20を基準単位として概ね小学校区に対応した15地区で年2回開催

           「議会報告機能」と「市政・議会運営に関する意見交換機能」の2機能

   (イ)分野別・・・行政分野別に、議会内の政策立案等の必要性や各種団体等の要請により開催 

 図表9 市民との意見交換会の開催実績

  ①地区別意見交換会

回 時 期参加

人数意見等数 内       容

第1回 平成20年 8月 294人 215意見等 6月定例会報告①議会基本条例について

②議員政治倫理条例について

第2回 平成21年 2月 247人 263意見等 12月定例会報告

①水道事業の第三者委託について

②議会・議員活動と報酬・定数のあり方(検討

 フレーム・手順の報告)

第3回 平成21年 5月 293人 238意見等 2月定例会報告①議会・議員活動と報酬・定数のあり方(現状

 等の報告)

第4回 平成21年 11月 163人 235意見等 9月定例会報告

①鶴ケ城周辺公共施設利活用構想素案への監 

 視・対案について

②政策討論会分科会の進ちょく状況

③議会・議員活動と報酬・定数のあり方(議員

 活動・報酬の仮説モデルの提示)

第5回 平成22年 5月 222人 239意見等 2月定例会報告

①政策討論会分科会の進ちょく状況

②議会・議員活動と報酬・定数のあり方(議員

 活動・報酬の仮説モデルの修正)

第6回 平成22年 11月 187人 276意見等 9月定例会報告

①政策討論会分科会の進ちょく状況

②議会・議員活動と報酬・定数のあり方(議員

 活動・報酬・定数等の仮説モデルの最終報

 告)

第7回 平成23年 11月 191人 283意見等 9月定例会報告 ①政策討論会分科会の進ちょく状況

第8回 平成24年 5月 205人 246意見等 2月定例会報告①政策討論会分科会の進ちょく状況

②各地区の課題

第9回 平成24年 11月 204人 226意見等 9月定例会報告①政策討論会分科会の進ちょく状況

②各地区の課題

第 10回 平成25年 5月 214人 230意見等 2月定例会報告①政策討論会分科会の進ちょく状況

②各地区の課題

第 11回 平成25年 11月 212人 259意見等 9月定例会報告 ①各地区の課題

第 12回 平成26年 5月 228人 294意見等 2月定例会報告 ①各地区の課題

第 13回 平成26年 11月 207人 293意見等 9月定例会報告 ①各地区の課題

23

第 14回 平成27年 5月 275人 156意見等 2月定例会報告①政策討論会での調査研究状況

②各地区の課題

第 15回 平成27年 11月 215人 128意見等 9月定例会報告①今後の議会改革について

②各地区の課題

   ※なお、第 14回以降は、「意見等数」に各地区の課題についての意見数を含みません。

  ②分野別意見交換会

開催年月日 対  象 開催趣旨 対応主体

平成20年 9月 25日会津若松市幼稚園協会

会津若松市保育所連合会

 関係者との意見交換、現地視察等を通じ、

幼稚園・保育園の現状を把握する。議員全員

平成21年 8月 25日会津若松市障がい者地域自立

支援協議会

 地域に生活する障がい者と家族の方々と

の意見交換を通じ、生活や就業など、障が

い者の現状を把握・理解する。

議員全員

平成21年 11月 20日 障害者の明日を考える会

 障害者を支援する団体である障害者の明

日を考える会との意見交換を通じて、障が

い者の日常生活における現状について理解

を深める。

議員全員

平成22年 2月 17日 会津・図書館を考える会

 会津・図書館を考える会との意見交換を

通じ、平成23年2月開館予定の生涯学習

施設における図書館の果たす役割について

理解を深める。

議員全員

平成27年1月 21日

第1部:農業・林業・市場・

金融関係者

第2部:商工・観光・金融関

係者

 中小企業、農業者、事業者、金融機関な

どの方々との意見交換を通じて、地域産業

振興にかかる基本条例の制定について理解

と協力を求めるとともに、実際の主体者か

らの意見を今後の条例制定に向けた取り組

みに生かす。

政策討論会

第3分科会

平成27年 5月 26日会津若松市まちづくり市民会

 自治基本条例の必要性等について調査・

研究・検討している団体との意見交換を行

い、政策討論会での調査研究に生かす。

政策討論会

第1分科会

平成27年 12月 22日 会津若松除雪実施協力会

 降雪対策に係る本市の実態や問題・課題

等の実際について、現に除排雪業務に携わ

る担い手との意見交換を通じて理解を深め、

政策討論会での調査研究に生かす。

政策討論会

第4分科会

  ③広報広聴委員会主催の意見交換会

開催年月日 対  象 内        容

平成24年 8月 22日 市民 議会に対する期待や要望、現在議会が取り組んでいる課題解決のため

のアドバイス、今後の広報広聴のあり方について意見をいただいた。

ウ 意見交換会の意義と課題

   (ア)意義

     ・ 議会報告機能は、最低限の説明責任の遂行の場(条例第8条)

     ・ 政策形成サイクルの起点(p15 図表4)

     ・ 議会報告での説明責任が議会と議員の活動姿勢に好影響を与える(p9 図表3)

     ・ 市民からの継続的な監視(モニタリング)の場

     ・ 議員からのシグナリング(情報を持つ側が自己の属性を表すシグナルを送り、相手が

逆選択することを防ぐこと)の場

24

     ・ 市民の判断に資する有用な「政策情報」提供の場

     ・ 市民世論の喚起、形成の起点

   (イ)課題

     ・ 参加者数の伸び悩み、属性の偏り

     ・ 意見交換の時間が不足

   エ 地区別意見交換会の基本フレームと精緻化・拡張による課題解決の可能性

   (ア)現行の基本フレーム

      市場の細分化の基準 ⇒ 地域別、地区別(地理的なもの)

      投入する政策 ⇒ 議会報告(定例会・議会改革)、市政・議会運営等意見交換テーマ

※ 特徴 ⇒ 細分化された市場である地区は異なるが、投入する政策は同じ(図表10)

        図表10 従来の地区別意見交換会のイメージ

M1(城北地区) M2(城西地区) M3(城南地区)

P1議会報告会(定例会)

P2議会改革報告

P3政策テーマの意見交換

 

    (イ)課題解決のためのモデルの精緻・拡張

     ・ 市場(地区)の細分化

       地区(小学校区)をさらに各種団体、子ども会育成連絡協議会といったように細分化

     ・ 投入する政策の細分化

       現行の市全体にわたるものから、例えば子育てに関するテーマに特化したり、その地

      区に特有・固有の政策課題をテーマにしたりするなどの細分化

     ※ 地区の単位は現状のままで、投入する政策として地区に特有・固有の政策課題をテー

マに意見交換をする場合のイメージ(図表11) 

    

        図表11 現行の地区別意見交換会のイメージ

M1(城北地区) M2(城西地区) M3(城南地区)

P1議会報告会(定例会)

P2議会改革報告

P3政策テーマの意見交換

P4【地区ごとの政策課題】城北課題

(施設改修)

城西課題

(いっ水対策)

城南課題

(飲料水確保)

   オ 現行の分野別意見交換会の基本フレーム

   (ア)現行の基本フレーム

      市場の細分化の基準 ⇒ 福祉、教育、産業など市政の分野別

      投入する政策 ⇒ それぞれの分野や政策形成サイクル上の政策の熟度等により異なる。

 ※ 特徴 ⇒ 細分化された市場も投入する政策もそれぞれ異なる。(図表12)

        図表12 現行の分野別意見交換会のイメージ

M1(福祉) M2(教育) M3(産業)

P1「第6次産業化」

P2「障がい者福祉」

P3「図書館政策」

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   (イ)今後の分野別意見交換会の課題

      市場、政策の細分化をさらにきめ細かくしていく

      (団体等からの申し出に基づく開催だけでなく、議会側からの開催も)

 

(参考)会津若松市議会市民との意見交換会実施要領

[平成23年 7月 27日議長決裁]

[平成26年 11月 25日議長決裁]

[平成27年4月 20日議長決裁]

会津若松市議会市民との意見交換会実施要領

1 趣旨

 会津若松市議会が、多様な市民の多様な意見を多様に代表しうるという合議機関としての役割を適切

に果たし、会津若松市政の発展に貢献していくためには、大勢の市民と結びついていけるよう、積極的

な市民参加を求めていくことが必要である。

 会津若松市議会市民との意見交換会(以下「意見交換会」という。)は、市民との活発な意見交換を

図る具体的な場として、会津若松市議会基本条例及び会津若松市議会市民との意見交換会の実施に関す

る規程に基づき開催するもので、意見交換会の実施については下記のとおりとする。

  

2 地区別意見交換会

 ⑴ 班の編成及び構成

  ① 班は6人で構成し、5班編成とする。

  ② 班編成は、広報広聴委員会、所属常任委員会、所属会派、当選回数等を基準とし、常任委員会

   委員の任期ごとに、広報広聴委員会において協議し、議長において決定する。

  ③ 班に、代表者を置き、構成員の互選によって決定する。

 ⑵ 対象地区

   市内行政区 20を基準に、別表1に掲げる15地区を対象とする。

 ⑶ 開催回数

   1年を前期及び後期に分け、1地区当たり前期(5月)、後期(11月)の年2回開催する。

 

 ⑷ 各班の担当地区数

   各班は、前期及び後期に、それぞれ3地区ずつ別表2に掲げるグループに分け、担当するものと

  する。

 ⑸ 各班の担当地区の決定方法

  ① 各班が担当する地区は、班編成後に各班の代表者の抽選によって決定する。

  ② 2回目以降については、1班は5班が担当した地区を、2班は1班の、3班は2班の、4班は

   3班の、5班は4班が担当した地区を担当していくものとする。

 ⑹ 開催手続き及び周知方法

  ① 各班は、開催趣旨・内容並びに開催日時及び会場について、各地区の代表者と連絡調整すると

   ともに、会場の利用予約を行う。なお、議長を通じての開催通知事務及び会場利用申請事務は、

   議会事務局が行う。

  ② 市民への開催日時及び会場の周知の事務は議会事務局が行う。

 ⑺ 説明資料等

  ① 式次第、「あいづわかまつ広報議会」をはじめ、その他必要な資料については、広報広聴委員

26

   会で協議・決定し、統一した共通資料を準備・配布するものとする。

  ② 資料の印刷・準備は、議会事務局において行う。

 ⑻ その他必要な備品等

   意見交換会横断幕、議員名札、ボイスレコーダー、受付簿、消耗品(メモ用紙、筆記用具、セロ

  テープ、画びょう等)については、議会事務局で準備する。

 ⑼ 意見交換会次第及び役割分担

   次第及び役割分担は、概ね次のとおりとする。

 ⑽ 意見交換会の進め方

  ① 各班は、説明資料を踏まえ、事前の打ち合せを行うものとする。

  ② 意見交換会は、聴取した市民意見を議会内での議論・政策形成につなげていくこと 

   にあるところから、基本的には市民の意見・要望の意図・真意等をお聞きするという

   姿勢で臨むものとする。

  ③ 意見交換会は、市議会が主催し、かつ、市議会が合議機関として決定・確認した事項に基づき

   実施することを主旨とするものであるところから、議会の構成員としての良識ある言動に努める

   ものとする。

  ④ 各班は、意見交換会終了後は、事後の評価・総括を行うものとする。 

 ⑾ 議長への報告及び報告書

   議長への報告は、市民との意見交換会・報告書(第1号様式)により、原則として電子データで

  提出するものとする。

 ⑿ 意見等の整理・検討等

   広報広聴委員会は、議長から依頼された意見等の整理及び検討について常任委員会、政策討論会

  等へ送付するもの、市長等へ伝達するもの等々の対応方針を協議する。なお、この協議に当たって

  は、各班の代表者の出席を求めるものとする。

 

3 分野別意見交換会

 ⑴ 担当主体

  ① 分野別意見交換会の担当主体は、その内容、熟度等に応じて、広報広聴委員会で、調整・決定

   し、議長に報告するものとする。ただし、あらかじめ担当主体が決定されている政策討論会分科

   会、同議会制度検討委員会が、設定された課題研究テーマに基づく政策研究、政策立案のために

   開催する場合は、議長に開催趣旨等を報告するものとする。

27

次    第 役 割 分 担

 一 開  会  ※ 司会者(持ち回り)

 二 自己紹介  班員全員

 三 あいさつ  班代表者

 四 議会報告

  1 議会活動報告  ※ 代表者(持ち回り)

  2 質疑応答  班員全員

 五 市政・議会運営に関する意見交換  班員全員

 六 閉  会 ※ 記録者(持ち回り) 

 ※ 開催時間は、概ね1時間30分程度。

  ② なお、担当主体は、常任委員、議会運営委員、各派代表者、会派、その他の検討組織等の構成

   員が想定される。

 ⑵ その他開催に関する手続き等

   その他の手続き等については、会津若松市議会市民との意見交換会実施要領2地区別意見交換会

  ⑹から⑿を準用するものとする。

   附 則

 この要領は、議長の決裁の日から施行する。

   附 則

 この要領は、議長の決裁の日から施行する。

附 則

 この要領は、議長の決裁の日から施行する。

28

別表1 地区別意見交換会開催地区

地区別意見交換会開催地区 開催対象行政区

行仁 行仁

鶴城 鶴城

謹教 謹教

城北 城北

日新 日新

城西 城西

町北・高野 町北、高野

神指 神指

門田 門田

東山 東山

一箕 一箕

大戸 大戸

湊 湊

北会津 荒井、舘の内、川南

河東 日橋、八田、堂島

別表2 開催地区のグループ編成表

世帯数区分 グループ① グループ② グループ③ グループ④ グループ⑤

鶴 城 謹 教 城 西 門 田 一 箕

行 仁 城 北 日 新 東 山 河 東

町北・高野 神 指 北会津 大 戸 湊

3,500世帯以上

2,000~3,499世帯

2,000世帯未満

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開催地区:  地区 開催日時:平成 年 月 日( )   時 分 ~  時 分

担当班 :第 班(出席議員)                         (欠席議員)

開催場所:

参加人数:  名(うち班外議員 名)(他自治体等傍聴者 名)会場の雰囲気、次回に向けての反省点、申し送り事項など

会津若松市議会議長 様

平成 年 月 日

意見交換会第 班 代表者 

○ 議会報告(定例会、政策討論会など)、市政全般(テーマ以外)について

市民の発言内容 議会(議員)の発言内容処理状況

分類 番号 対応

市民の発言内容 議会(議員)の発言内容処理状況

分類 番号 対応

第1号様式              市民との意見交換会・報告書

会津若松市議会市民との意見交換会実施要領第2項第11号の規定により提出します。

※項目キーワード

  ※分  類 ●議会に関するもの ○市政に関するもの              ※処理状況 ①回答(処理)済 ②聞き置いた事項(含む情報提供) ③後日回答

○ 地区別テーマでの意見交換について→                             

  ※分  類 ●議会に関するもの ○市政に関するもの              ※処理状況 ①回答(処理)済 ②聞き置いた事項(含む情報提供) ③後日回答

(参考)各班担当地区のローテーション 

 2 ツール2:広報広聴委員会

  ⑴ 政策形成サイクルにおける位置付け・機能

    広報広聴委員会は、政策形成サイクルのステージのうち、政策研究の段階で重要な位置付け

にある。(p15 図表4)

    

⑵ 広報広聴機能の考え方

   ア 基本機能

    広報機能と広聴機能の2機能を果たすための機関として、広報広聴委員会の設置を議会基

本条例第6条に規定。

    ◆プル機能       広報「広報議会による広報」

     (広報機能)     パブリシティ

    ◆プッシュ機能     直接説明&広聴「市民との意見交換会」

     (広聴機能)  

   イ 委員会構成

     定数8名。委員は2人以上の会派から按分を基本。   

  ⑶ 具体的な運営方法

    広報紙の編集と意見交換会の企画立案の2本柱

   ア 地区別意見交換会の開催方針・内容の検討、確認

   イ 地区別意見交換会の資料の送付、開催案内

   ウ 地区別意見交換会終了後における運営総括及び事後整理

  ⑷ 広報紙(あいづわかまつ広報議会)の特徴

   ア 市民と議会、広報と広聴とをつなぐ機能

30

表1 地区の分類について

グループ1 グループ2 グループ3 グループ4 グループ5

A ①鶴城 ②謹教 ③城西 ④門田 ⑤一箕

B ①行仁 ②城北 ③日新 ④東山 ⑤河東

C ①町北・高野 ②神指 ③北会津 ④大戸 ⑤湊

表2 各班の担当地区について

1 班 2 班 3 班 4 班 5 班

A ❶ ❷ ❸ ❹ ❺

B ❶ ❷ ❸ ❹ ❺

C ❶ ❷ ❸ ❹ ❺

1 班 2 班 3 班 4 班 5 班

A ❺ ❶ ❷ ❸ ❹

B ❺ ❶ ❷ ❸ ❹

C ❺ ❶ ❷ ❸ ❹

世帯数〔3,500以上〕

世帯数〔2,000~3,499〕

世帯数〔2,000未満〕

   イ 具体的特徴

   (ア) 政策形成サイクルの取り組みの経過や成果を報告

   (イ) 議会報告~議決責任を踏まえ議決結果に至る審議経過を重視

   (ウ) 議員各人の表決結果の一覧を掲載

   (エ) 紙面トップに掲載していた一般質問の記事を後方へ掲載

(参考)会津若松市議会広報広聴委員会に関する規程

会津若松市議会広報広聴委員会に関する規程

 平成20年6月 23日

   会津若松市議会告示第1号

 (趣旨)

第 1条 この規程は、会津若松市議会基本条例(平成20年会津若松市条例第 19号)第6条の広報広聴

委員会(以下「委員会」という。)に関して必要な事項を定めるものとする。

 (所掌事務)

第2条 委員会の所掌事務は、次のとおりとする。

 ⑴ 議会広報紙の編集に関すること。

 ⑵ 議会のホームページに関すること。

 ⑶ 議会と市民との意見交換会(企画立案に限る。)に関すること。

 ⑷ 前3号に掲げるもののほか、議会の広報及び広聴に関すること。

 (定数)

第3条 委員会の委員定数は、8人とする。

 (委員)

第4条 委員は、議員の中から議長が指名する。

2 委員の任期は、2年とする。ただし、後任者が選任されるまで在任する。

3 補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 (委員長及び副委員長)

第5条 委員会に委員長及び副委員長1人を置く。

2 委員長及び副委員長は、委員会において互選する。

3 委員長及び副委員長の任期は、委員の任期による。

4 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

 (準用)

第6条 委員会の運営等については、会津若松市委員会条例(昭和 34年条例第3号)第 10条、第 12

 条から第 15条まで、第 16条本文、第 17条、第 19条、第 20条及び第 22条の規定を準用する。

 (記録)

第7条 委員長は、職員をして会議の議事、出席委員の氏名等必要な事項を記載した記録を調製させる

 ものとする。

 (議会外への行為)

第8条 委員会が、議会外に対して何らかの行為をしようとするときは、議長を経てしなければならな

 い。

 (委任)

第9条 この規程に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める。

   附 則

 (施行期日)

1 この規程は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

2 この規程施行後最初に指名された委員の任期は、第4条第2項本文の規定にかかわらず、平成21

 年5月 15日までとする 。

31

32

(参

考)

 3 ツール3:政策討論会

  ⑴ 政策形成サイクルにおける位置付け・機能

    政策討論会は、政策形成サイクルのステージのうち、政策研究に係る問題分析及び政策立案

の2つの段階で主要な機能を果たすものである。(p15 図表4)

    

⑵ 政策討論会の概要

   ア 政策討論会の定義

     課題等への共通認識・合意形成による政策形成         

   イ 政策討論会の構成

     「全体会」+「4分科会」+「議会制度検討委員会」

  ⑶ 政策討論会の基本フレーム・手順

   ア 問題分析、政策立案の基本フレーム

     テーマの問題分析 → 論点抽出 → 学識経験者の指導 → 論点整理 → 論点に対

する議員間討議 → 論点に対する市民との意見交換 → 意見整理 → 論点の最終整理

→ 政策提言・政策立案(条例等の提案)→ 政策決定(議決)⇒ 市民の報告(説明責

任)

   イ 基本手順

     問題分析及び政策立案について、基本的な概要は、以下のとおり。

    政策討論会における基本手順の概要

 問題分析 

 ① 問題分析のため論点抽出(政策討論会で議員間討議)

  ・ 設定された課題(討論テーマ)分析の基本的視点の議論

  ・ 基本的視点に基づく論点の抽出

  

 

 ② 分析ツールのインプット(政策討論会で専門的知見活用)

  ・ 学識経験者等から問題分析ツールを学習

 ③ 論点整理(政策討論会で議員間討議)

  ・ 抽出した論点の整理

  ・ 論点に基づく議論による争点の発見・整理

   → 論点整理表の作成へ

  ※ 政策討論会における問題分析のイメージと特徴

   政策討論会における問題分析の特徴は、議員間討議→専門的知見活用→議員間討議

   という形で、「議員間討議で専門的知見をサンドウィッチしている」というイメー

   ジである。

    最初の論点抽出(①)は、議員間で「こうしたい、こうすべきだ」というように、

   個々人が主観的・価値判断的な議論を通じて論点を抽出・整理していくことを基本

   としているが、③の論点整理は、その後の政策立案へつながる橋渡し的な段階とな

   るため、その前に、専門的知見活用(②)により、「客観駅・理論的、規範的に考

   えるためのツールを取得」しようというものである。

    これは、政策を立案するにせよ、議案を修正するにせよ、議会は、審議を通じて、

   社会制度を改廃するのであるから、主観的、価値判断的な思考や議論だけでは不十

33

   分であり、論点に即した既存の客観的・専門的な理論をツールとして活用しながら、

   「考え、議論する」、といった、一定の客観性が求められるだろう、という認識に

   基づくものである。

    このような考え方から、政策討論会では、設定課題に即応した学問分野を選定し、

   積極的に学識経験者を招聘し、理論面での教示を頂いてきたところである(経済学、

   財政学、建築学、地方自治論など多岐にわたる)。

 政策立案 

 ① 仮説の立案

  ・ 争点ごとに議員間討議を行い、合意点を仮説として立案

 ② 仮説検証のための政策情報のインプット

  ・ 市民との意見交換による検証情報(市民との意見交換会)

  ・ 専門的知見の観点からの検証情報(政策討論会)

  ・ 行政からの提供による検証情報(政策討論会)

 ③ 仮説検証のための議員間討議

  ・ 上記の政策情報を討議材料として議論し仮説を検証

  ・ 討議に当たっては、「こうしたい、こうすべきだ」という価値判断的議論を基軸

   にしながらも、問題分析で習得した分析ツールも活用し、理論的・規範的な観点か

   らの検証も行うよう留意する。

   

 

 ④ 検証結果を踏まえた説明責任の遂行

  ・ 検証結果の市民への報告・説明(市民との意見交換会)

 ⑤ 検証仮説を踏まえた政策立案等

  ・ 検証仮説を踏まえた機関意思の決定・表明(決議)

  ・ 検証仮説を踏まえた政策立案や政策提言

 ※ その後は、政策決定(議決)と市民への説明責任遂行へ

  ⑷ 成果のとらえ方と活用への留意 ~ 議論プロセスにおける中間生産物の活用

   パターンA「結論の導出→政策立案への活用」

   パターンB「結論出ず→論点整理→議員間討議への活用」

         ※平成21年 3月定例会(水道事業の第三者委託)で試行

   ア パターンA「政策立案等の結論が出た場合、政策立案等につなげていく」

   (ア)議会内(常任委員会、議会運営委員会、各派代表者会議等)における政策立案

   (イ)議長を通じた執行機関への政策提言 

   (ウ)その他議会における政策形成への反映

   イ パターンB「政策立案等の結論に至らない場合、論点整理を成果と捉え、審議及び政

34

    策形成サイクル全体で活用していく」

   (ア)討論のプロセスで得た論点・課題等を整理及び取りまとめの上、議長を通じて全議  

     員に配布し、討議材料として積極的に活用するものとする。

   (イ)これにより、今後の議会における審議充実によるチェック機能向上及び政策形成機

     能向上につなげていくものとする。

(参考)会津若松市議会政策討論会に関する規程

会津若松市議会政策討論会に関する規程

平成20年 12月1日

   会津若松市議会告示第6号

 (趣旨)

第1条 この規程は、会津若松市議会基本条例(平成20年会津若松市条例第 19号)第 13条に規定す

 る政策討論会(以下「政策討論会」という。)に関して必要な事項を定めるものとする。

 (種類)

第2条 政策討論会の種類は、次のとおりとする。

 ⑴ 全体会

 ⑵ 分科会

 ⑶ 議会制度検討委員会

 (全体会)

第3条 全体会は、議員全員により構成し、議長が主宰する。

2 議長に事故あるとき又は議長が欠けたときは、副議長がその職務を行う。

 (分科会)

第4条 分科会は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる議員をもって構成する。

 ⑴ 第1分科会 総務委員会に所属する議員

 ⑵ 第2分科会 文教厚生委員会に所属する議員

 ⑶ 第3分科会 産業経済委員会に所属する議員

 ⑷ 第4分科会 建設委員会に所属する議員 

2 分科会に委員長を置き、常任委員会の委員長が分科会の委員長となる。

3 委員長は、分科会を主宰する。

4 委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、当該常任委員会の副委員長がその職務を行う。

 (議会制度検討委員会)

第5条 議会制度検討委員会は、議会制度に関する課題の討議を行うものとし、次に掲げる者をもって

構成する。

 ⑴ 議員 2人以上の議員で構成する会派から選出されたもの

 ⑵ 公募による市民 2名以内

2 議会制度検討委員会に、委員長及び副委員長を置く。

3 委員長及び副委員長は、議会制度検討委員会において互選する。

4 委員長は、議会制度検討委員会を主宰する。

5 委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、副委員長がその職務を行う。

 (提案)

第6条 政策討論会の討論テーマは、あらかじめ議長に提案しなければならない。

 (議員による提案)

第7条 議員は、討論テーマを提出しようとするときは、その提案理由、資料等を添え、議員2人以上

 の連署とともに議長に提出するものとする。 

2 3人以上の議員で構成する会派が討論テーマを提出しようとするときは、その提案理由、資料等を

 添え、会派の代表者が議長に提出するものとする。

 (広報広聴委員会による提案)

第8条 広報広聴委員会は、市民との意見交換等を踏まえた結果、必要があると認めるときは、討論テ

 ーマを提出するものとする。

35

 (討議の決定)

第9条 議長は、前2条の規定により討論テーマが提出されたときは、各派代表者会議に諮り、当該討

 論テーマを政策討論会の対象とするべきか否かを決定する。この場合において、対象とすべきと決定

 した討論テーマについては、全体会、分科会又は議会制度検討委員会による討議の別を定めるものと

 する。

 (全体会の運営)

第 10条 全体会は、議長が招集する。

2 討論テーマの提案者は、全体会において提案理由等必要な事項を説明するものとする。

3 提案者は、全体会において資料提供がある場合は、適宜準備するものとする。

4 議長は、必要と認める場合は、議員以外の者の出席を求めることができる。

5 前項の規定により出席した議員以外の者は、議長の許可を得て発言することができる。

6 全体会は、分科会及び議会制度検討委員会の討議内容について、分科会の委員長及び議会制度検討

 委員会の委員長から適宜報告を受けるものとする。

 (分科会の運営)

第 11条 分科会は、委員長が招集する。

2 討論テーマの提案者は、分科会において提案理由等必要な事項を説明するものとする。

3 提案者は、分科会において資料提供がある場合は、適宜準備するものとする。

4 委員長は、必要と認める場合は、あらかじめ議長の許可を得て、自らが委員長を務める分科会の構

成員以外の者の出席を求めることができる。

5 前項の規定により出席した分科会の構成員以外の者は、委員長の許可を得て発言することができる。

 (議会制度検討委員会の運営)

第 12条 議会制度検討委員会は、委員長が招集する。

2 委員長は、必要と認める場合は、あらかじめ議長の許可を得て、議会制度検討委員会委員以外の者

 の出席を求めることができる。

3 前項の規定により出席した議会制度検討委員会委員以外の者は、委員長の許可を得て発言すること

 ができる。

 (意見の活用)

第 13条 議会は、政策討論会において結論として取りまとめられた意見を次の目的のため活用するも

 のとする。

 ⑴ 常任委員会及び議会運営委員会における政策立案

 ⑵ 執行機関への政策提言

 ⑶ その他議会における政策形成への反映

2 議会は、前項に規定する意見のほか、政策討論会において出された意見その他討論の過程で明らか

 となった課題等を取りまとめ、議長を通じて全議員に配付するものとし、審議及び政策形成のための

 討議資料として活用するものとする。

 (会議の公開)

第 14条 政策討論会の会議は、これを公開する。ただし、全体会の議長、分科会の委員長及び議会制

 度検討委員会の委員長は、必要があると認めるときは、会議に諮ってこれを非公開とすることができ

 る。

 (傍聴)

第 15条 政策討論会の傍聴の取扱いは、会津若松市議会傍聴規則(平成9年会津若松市議会規則第1

 号)を準用する。

 (記録)

第 16条 議長は、職員をして政策討論会の会議の概要、出席議員の氏名等必要な事項を記載した記録

 を調製させるものとする。

 (委任)

第 17条 この規程に定めるもののほか、政策討論会の運営に関し必要な事項は、議長が別に定める。

   附 則

 この規程は、公布の日から施行する。

36

Ⅴ 議決責任と議員間討議

 1 議決責任 

  ⑴ 議決責任の立法趣旨

   ・ 議会基本条例に「議決責任」を明記

     ※「説明責任遂行」を要請することで、間接的に政治的・道義的な「議決責任」を規定

    

⑵ 議決責任の規定による効果

     図表13 将来の議決責任遂行の議会・議員活動のフロー

   ア 将来の議決責任からさかのぼって現在の活動を改革する考え方(図表13)

  第1段階:議会が議決責任を遂行する

        → そのためには議会としての説明責任遂行(議会が主語とした説明)が必要

         → そのためには議会の構成メンバーである議員がみずから討議し、議会と

          しての結論を導くことが必要    

     第2段階:そのためにはあらかじめ問題分析をしておくことが必要

          → そのためには問題分析の前提として、課題を設定しておくことが必要

           → そのためには課題設定の前提として問題発見が必要

 議会が議決責任を認識し説明責任を果たそうとした時、機関としての議会、その構成員とし

ての議員は、これまで以上にその活動を活性化させる必要が出てくる ←議決責任規定の効果

   イ 議決の主体、議決に係る説明の主体、説明の範囲

    ・ 議決の主体は議会。(議員が主体となる表決とは異なる)

    ・ 議決責任に関する説明の主体は議会。(主語は議会。「議会は、・・・・・」)

  ・ 議決結果だけでなく、「何を論点としてどのような審議を行い、その経過の中では何が

争点となったのか」「議会全体としてはどこまでを合意点として確認し、合意に至らず最

後まで争点で残ったのは何か」「最終的になぜそのような議決結果になったのか」まで説

明が必要。 ⇒ 議員間討議の必要性

 2 議員間討議 

  ⑴ 議員間討議の意義

   ア 制度上の位置付け(議会基本条例における規定)

・ 前文→政策形成サイクルにおける位置づけを規定

・ 第3条、第 12条第1項→議会や議員の活動原則として規定

・ 第 12条第2項→本会議・委員会における審査を構成する議事手続きの1つとして規定

※なお、会津若松市議会では、議員間の自由闊達な討論を「議員間討議」と位置付け、本会

37

                           議決責任(第8条)                               ↓

                       説明責任(第5条第1項)     第1段階

                        ↓

                  議員間討議(第12条)                    ↓

              問題分析(政策討論会)(第13条)

               ↓

         課題設定(広報広聴委員会)(第6条)       第2段階

          ↓

  問題発見(市民との意見交換会)(第5条第5~7項)

議及び委員会で実施している。委員会における議員間討議は「委員間討議」としており、以

下、議員間討議の具体的な例や進め方・手順などについては委員間討議を例に記述する。

   イ 基本的考え

   (ア)議員間討議を必要性の問題として認識

 会津若松市議会では、どういうメリットがあるのかという有効性の観点からの議論では

なく、必要があるから行うという必要性の問題としての認識を重要視している。

⇒ 理由1:理論的な面

 ・ 討論の広場としての議会における本来的な必要性

 ・ 首長との関係からくる必要性

 ・ 論点、争点の明確化による市民世論喚起の視点における必要性      

     ⇒ 理由2:制度的な面

      ・ 従前のような説明員に対する質疑を中心とする審議、審査では、その議決に係る説

明責任が十分に果たせない。よって議員間討議を行う必要がある。 

  ※なぜ質疑だけでは議決の説明責任を果たせないのか 

(例)・8人構成の常任委員会

   ・条例議案に対する表決 → 賛成4、反対3で原案可決 

・『委員各位が市当局への質疑の後、議員間討議(委員間討議)を行わず、直ち

    に討論、採決を行う』という従前の審査を行った場合

 議決結果に関してはおそらく次の①②のような説明しかできないはずである。

①・・・「私は、市長提案の議案は何ら問題がないと判断したから賛成した」または

  「私は、市長提案の議案に○○の問題があったから反対した」

②・・・「賛成4、反対3で原案可決との議決結果になった」

                  

 「当委員会としては、・・・・・」という形で議論の経過や内容を説明できなければ、

説明責任を果たしているとはいえないが、①は委員個々人の表決の理由を説明している

に過ぎず、「委員会という機関」の議決結果の説明ではない。また、②は議決結果を説

明しているという側面はあるものの、表決結果の単純合計を数量的に説明しているに過

ぎず、議論の経過や内容が不明である。                  

 以上より、市当局への質疑だけで委員会審査を行った場合、議決に係る説明は、その

全てを尽くせない、ということになる。

   (イ)説明責任を尽くすための議員間討議のあり方

 まず、ある議案について、論点を抽出し整理した上で、それに基づいて審査(質疑)を

行う必要がある。

 そして、委員だけで議論し、委員会全体としてどこまでを合意点とすることができたの

かを確認し、合意に至らず最後まで争点として残った点をも明らかにする。

 その上で最終的には表決に付し、委員会としての議決結果を得る。

 このように、論点を明確にしながら議員間討議(委員間討議)を行い、合意点と合意に

至らなかった点とを明らかにすることができて初めて、「委員会を主語としながら、なぜ

4対3という議決結果になったのか」を説明することができる。

   (ウ)議員間討議を適切に進めるための条件整備

 委員会開会までに各委員個々が議案調査を行うほか、各委員が議案ごとの論点を持ち寄

り、予想される争点等については意見交換し、事前に「委員会としての共通論点」の抽出

と一定の整理を行う。

 この事前準備の可否及び良否が、実際には議員間討議(委員間討議)の可否及び良否を

38

左右する。その意味において、ここに現実的な課題がある。

 なお、議員間で争点が全く生じない場合は、制度上は、議員間討議を行う余地はないと

考える。ただし、後日の説明に耐えられるだけの最小限の議論を通じた確認はなされてい

ることが必要である。

  ⑵ 常任委員会における議員間討議(委員間討議)の進め方

   ア 議案配布から委員会審査までのフロー概要(図表14) 

     

       図表14 委員会審査における議員間討議(委員間討議)のフロー

   

          ●質疑 … 議員が当局(議案提出者)に対して、疑義をただすもの

               

                議員   質問    当局

                         答弁

         

          ●討論 … 表決の前に議案等に対して、賛成か反対かの自己の意見を表明

               

                議員  賛否の意見開陳   他の議員

                        

          ⇒ 質疑にしろ討論にしろ一方通行的なものとなりやすい

     ◎議員間討議 … 討議とはある事柄について意見を述べ合うこと。

                当局を抜きにして議員同士で議論する。

                           ○論点・争点を明らかにする     

                           ○合意形成を図る

                           ○どこまで合意できる、できないのか

                           合意 ⇒修正案・付帯意見など可能に

                           合意ならず ⇒討論~表決へ

39

争点あれば

招集日の 8日前招集日散会後

議員

議員

議員議員

議員

論点

議員 議員

従  来

   イ 具体的手順(平成28年2月定例会を例に)

【1:事前の議案精読及び論点整理】

 ① 予算審査決算審査準備会の開催[1月~2/16(火)]

   ・ 当初予算の審査に向け、この期間に予算決算委員会の各分科会単位で予算審査

    における論点の抽出を行う(議案は未配布のため、行政評価報告書等を活用)

    ※ 9月定例会における決算審査での議論や政策討論会における政策研究の視点、

     市民との意見交換会で得られた市民意見などを踏まえ、分科会として問題認識

     を持ち、特に重層的に審査すべきと考えられる基本施策およびその論点を抽出

 ② 議案の内示[2/17(水)]

   ・ 提出案件説明会として、議案・資料が配布される

   ・ 各委員へ論点抽出の打合せ会の開催通知

 ③ 議案精読及び論点抽出[2/17(水)~2/25(木)]

   ・ 委員各人により議案を精読し、条例案件等についても課題・論点を抽出

 ④ 論点抽出の打合せ会[2/25(木)] ※招集日終了後に各分科会で行う

   ・ 各自が抽出した論点を持ち寄り意見交換を行い、予算審査決算審査準備会にお

    ける整理内容も踏まえて「委員会・分科会としての論点」を確認(p63 図表26)

   ・ 確認されたものは「委員会・分科会の抽出論点」として事務局が取りまとめ、

    予め執行機関へ通知する

 ⑤ 各委員による議案調査の継続[~常任委員会・予算決算委員会分科会開催日]

   ・ 各委員による議案調査の継続

   ・ 本会議における議案等への総括質疑(3/2・3)を踏まえ各自論点を再整理  

       

【2:各常任委員会・予算決算委員会各分科会の審査[3/6・10・12または3/9・11・16]】

 ① 市当局からの提案内容・提出資料の説明

 

 ② 「委員会の抽出論点」に基づき市当局への質疑

   ・ 議案ごとに抽出した「論点ごと」に質疑を行う

     (「チームプレー」として、委員全員が関連質疑をいわば重層的に行う)

   ・ 委員個々人が質疑を行う(従来の質疑の方法で「個人プレー的」に行う)

         ※ 市当局からの答弁内容は、その後の議員間討議を行う際の「政策情報」の一

     つとして活用することとなる。

                 説明員は退席する

 ③ 議員間討議(委員間討議)

   ・ 論点ごとに争点を確認し、争点があれば、争点ごとに議員間討議(委員間討

    議)を行う    

   ・ 議員間討議 →争点ごとに合意できる点・できない点を確認

           →合意できない点は、さらに合意できる点がないかについて討議

    ※ 合意点・・・争点の性質等に応じて「妥協点」という意味合いのケース、「共通

          認識」という意味合いのケースがある。

                 説明員は再度入室する

 ④ 討 論     

          

 ⑤ 採 決

40

Ⅵ 政策形成サイクル活用の具体的実践例

 

 1 鶴ケ城周辺公共施設利活用構想(素案)の再考に関する決議

  ⑴ 鶴ケ城周辺公共施設利活用構想(素案)とは

 鶴ケ城周辺地域における6つの市有施設に関する利活用構想の素案(以下、構想(素案)と

する)である。

  その施設の1つである、「かくじょう

鶴城 小学校」の建て替えについては、除却が予定されている市

営住宅城前団地内を候補地として移転改築し、移転前の小学校敷地は新庁舎の駐車場などとし

て活用するという内容が含まれており、後の議会で主要な論点となった。

  ⑵ 主な経過(詳細な取り組み経過は p43-44 図表16参照)

  

   平成21年2月  市長から構想(素案)の発表

    平成21年5月  構想(素案)にかかる検討委員会を設置し、9回にわたり開催(~12月)

    平成21年5月  第3回市民との意見交換会

    平成21年 10月 中間報告、城前団地関係町内会への報告会

    平成21年 11月 第4回市民との意見交換会、鶴城小学校PTAへの報告会

    平成21年 12月 最終報告、市長提案の構想(素案)に対する再考を決議(図表15)

    平成22年8月  市は構想見直し発表

  

   ※その後どうなったか

 ⇒現在地での小学校の建て替え事業が実施されることになり、平成28年1月から新校舎での

授業が行われている。

  

  ⑶ 議会における取り組みの概要

   ア 構想(素案)に係る検討委員会

(ア)検討委員会の設置

検討委員会は、構想(素案)について議会としてのチェック機能を果たし、検討過程で

委員会が必要と判断した場合には構想(素案)に対する議会案を検討することを役割とし

て設置された。

(イ)検討委員会における検討の概要

検討委員会は、委員からの質問に対する執行機関の説明を討議材料とし、議員間での議

論(委員間討議)を行う形で運営された。委員会における議論の主要な論点は「構想(素

案)の性格」及び「鶴城小学校の建て替え」であり、これらに関して数多くの問題・課題

があることから構想(素案)は再考が必要であるという結論に至る。委員会で議論された

問題点のうち主なものの概要は以下abのとおり。

41

  1 鶴ケ城周辺公共施設利活用構想(素案)の再考に関する決議 ・・・・・・ p41

  2 湊地区における給水施設未整備地区への早期解消に関する決議 ・・・・ p45

    (緊急性のある地域課題への対応例)

  3 除雪に関する調査研究活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p49

  4 政策討論会各分科会からの政策提言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p54

a 構想(素案)の性格やあり方が十分とはいえない。

・ 市当局は、構想(素案)の性格について、「機能及び建設位置を先行して決定し、

他の事項はその後に調整する」という考え方である。

→ 先行して建設位置だけを決定してしまうと、仮にその後の実施段階において事業が

順調に進捗しない場合、負担や不利益がそこに生活する市民に帰してしまう。検討委

員会としては、「機能や位置だけではなく、概算事業費、事業期間、財政見通しへの

位置づけ等の論点情報も提供・共有しながら議論すべき」と考えている。こうした論

点情報が十分に提供されていなければ、建設位置を検討しようにも十分な議論も正し

い判断もできない。

b 鶴城小学校建て替えは「早期整備を通じた児童の安全確保」が主要な政策目的である

が、その移転候補地を城前団地とする構想(素案)ではこの政策目的が達成できないお

それがある。

・ 鶴城小学校を目的の年度に整備するためには、前提条件となる「城前団地の建て替

え」に係る建設計画の策定を平成22年度の1年間で行うこととなる。

→ 城前団地の建設計画の策定及び入居者移転方策の検討は、地域コミュニティ全体の

まちづくりの中で入居者の参画を含めて十分時間をかけて行うべきものであり、1年

間での策定は困難ではないか、またそもそもそのような対応はすべきではないのでは

ないか。

・ 概ね 20年間にもわたる城前団地の工事期間を踏まえれば、長期的な工事エリア内に

小学校が存することにより、騒音・粉塵等による学校生活への影響、工事施行上の危

険、空き家政策による防犯上の危険などが懸念される。(鶴城小学校PTAとの意見

交換からの問題発見)

(ウ)検討委員会から議会への中間報告と最終報告

検討委員会では検討の経過と結果をとりまとめ、議員全員協議会に対し中間報告(平成

21年 10月)と最終報告(同年12月)をそれぞれ行った。

   イ 関係当事者・市民との意見交換など

この間、議会では①関係当事者との意見交換(城前団地関係者及び鶴城小学校関係者)、

②現地視察、③学識経験者の参考意見の聴取、④市内 15会場での市民との意見交換会(地区

別意見交換会)、⑤市長開催の市民懇談会・地区別懇談会の傍聴、⑥市民懇談会への情報提

供などを行った。(p43-44 図表16参照)

議会が議論し、考えた内容を仮説として説明したり、あるいは関係当事者である市民が判

断をする上での政策情報として提供したりするなど、議会内の議論と市民との意見交換を

キャッチボールのように繰り返しながら検討を進めた。(=政策形成サイクルの応用)

   ウ 本会議における決議案の提出

平成21年 12月 17日には、12月定例会最終本会議において、「構想素案の再考に関する決

議案」が提出され、反対及び賛成の両討論を経て、表決に付された結果、賛成多数で可決さ

れた。(図表15)

   

図表15 構想素案の再考に関する決議(抜粋)

   (略)

  最終報告では、以上のとおり2つの事業の不確実性及び構想(素案)の性格を主要論点として検

討してきた結果について「このような問題や課題を数多く抱える鶴ケ城周辺公共施設利活用構想

(素案)については、その再考が必要であるとの判断に至った」と総括している。

  会津若松市議会は、平成20年6月に議会基本条例を制定したが、その前文では「市民参加を礎

として、市民との活発な意見交換を図り、そこで得られた意見を大切にしながら、議員同士が自

由かっ達な議論をたたかわせ、そのような中から、論点や課題を明らかにしたり、意見を集約し

たりしていくことが必要である。そして、市民本位の立場をもって、より適切に政策を決定す

る」旨が規定されている。

42

  この間の市議会の歩みは、このような趣旨を踏まえ、市民の皆さんの声に耳を傾け、そこでちょ

うだいしたご意見を大切にして、市民の皆さんにきちんと向き合う中で、市民と地域のための政

策とは何かを常に志向し、議員間で徹底した討議を行い、そして市議会としての政策決定を行い、

その経過と結果については、市民各位を適切に説明責任を遂行していくという歩みであったと受

け止めているところである。

  このような議会改革の一連の取り組みと今般の構想(素案)に係る検討の歩みは、その基本姿勢

や具体的対応において軌を一にするものであったと確信しているところであり、最終報告におけ

る検討経過及び結果については、妥当であると考えるものである。

  以上により、今般の構想(素案)については、その直接の関係当事者である城前団地関係町内会

及び鶴城小学校父母と教職員の会の皆さんをはじめ、市民との意見交換会に参画いただいた市民

の皆さんへの説明責任を適切に果たしていくことが必要である。

  よってここに、構想(素案)については、再考することが必要である旨決議する。

  ⑷ 執行機関のその後の対応

 平成22年2月定例会では関連予算の提案はなく、施政方針演説では構想(素案)について、

市民懇談会の意見を尊重しながら議会の意見を踏まえ、課題等を精査しさらに検討を進める旨

の表明がなされた。

 また、執行機関開催による城前団地関係の10町内会を対象とした懇談会により、団地建て替

えに関するよりきめ細かな説明がなされた模様である。

 こうした経過の中で、平成22年8月に市長要請による議員全員協議会が開催され、構想(素

案)の一部見直し及び成案化された構想について報告がなされ、「鶴城小学校については現在

地での改築を進めるという考えに至った」旨の説明がなされた。

 その後、鶴城小学校は現在地での建て替え事業が実施され、平成28年1月から新校舎での授

業が行われている。

図表16 構想素案に係る市議会における取り組み経過

43

開催月日 会議名等 実施内容

市長開催の鶴ケ城周辺公共施設利活用構想市民懇談会を傍聴。

市長開催の鶴ケ城周辺公共施設利活用構想市民懇談会を傍聴。

2月16日 各派代表者会議 市当局より、構想(素案)が提示される。

3月23日 各派代表者会議 構想(素案)に係る議会内組織のあり方について協議。

4月21日 各派代表者会議 構想(素案)に係る議会内組織は、各会派選出委員及び各常任委員会選出委員により構成することが決定。

4月30日 各派代表者会議 構想(素案)に係る議会内組織の基本的事項の協議・決定。

5月19日 各派代表者会議 「鶴ケ城周辺公共施設利活用構想(素案)に係る検討委員会」の開催要領を決定。

5月20日 第1回検討委員会 委員会の基本的な運営方法、論点抽出の考え方、市当局主催の市民懇談会の傍聴などを協議・決定した。

5月17日 ~24日

市民との意見交換会(地区別、15会場)

構想(素案)について、事業費、財政面で議会の監視を求める意見など16の意見を聴取した。

5月26日 第1回市民懇談会(市長開催)

6月25日 第2回検討委員会 各委員から提出された「課題・論点」に係る意見交換を行った。

7月3日 第2回市民懇談会(市長開催)

7月7日~8月7日

地区別懇談会(市長開催) 市長開催の地区別懇談会(市内16箇所で開催)を傍聴。

7月29日 第3回検討委員会「課題・論点」を整理した。また、当面、重点的に議論する論点として、「既存計画との整合性、概算事業費と財源及び鶴城小学校」の3点を抽出した。

44

開催月日 会議名等 実施内容

市長開催の鶴ケ城周辺公共施設利活用構想市民懇談会を傍聴。

市長開催の鶴ケ城周辺公共施設利活用構想市民懇談会を傍聴。

議員全員協議会 構想(素案)の検討状況についての中間報告を行う。

第6回検討委員会

第7回検討委員会 上記までの新たな論点情報を踏まえ、委員間討議を行った。

第8回検討委員会

第9回検討委員会 最終報告の取りまとめを行い、議長へ報告。

8月25日 第4回検討委員会鶴城小学校PTAからアンケート調査結果の説明を受けた。また、鶴城小学校の城前団地への移転の課題、事業着工時期に係る実現可能性等について委員間討議を行った。

8月28日 第3回市民懇談会(市長開催)

9月30日 第5回検討委員会

市当局から、「城前住宅のアンケート調査」の説明を受けた。また、第4回委員会の論点であった「着工時期」を基軸としながら、さらに城前団地住人の権利等保護、児童の安全・安心等の論点を加え、討議した。鶴城小学校の改築に関しては、市当局の協力で作成いただいた対案(原案の移転改築のほか、①現在地で現校舎を解体しながら新校舎を建設、②旧会津学鳳高校を仮校舎とし現在地に建て替え、のそれぞれのケース別スケジュール及び概算事業費)とも比較しながら原案の問題点等を検証。その結果、「構想(素案)で提示されている『鶴城小学校の城前団地への移転改築』は是認することはできない」とすることについて委員全員の合意に至る。なお、委員会として対案②の場合に仮校舎となる旧会津学鳳高校の現地視察を行うことを決定。

10月2日 第4回市民懇談会(市長開催)

10月19日

10月26日 旧会津学鳳高校校舎の現地視察

旧学鳳高校校舎の小学校仕様への改修内容等について現地視察を実施。

10月30日 城前団地関係町内会への報告会

城前団地町内会関係者に対して、中間報告を中心に論点情報の報告・説明を行い、情報の共有化を図った上で意見交換を行った。

11月2日

城前団地町内会への報告会の結果について総括 するとともに、鶴城小学校及び城前団地建て替えの考え方に係る再度の委員間討議及び確認を行った。あらためて、中間報告の方向及び内容が確認された。

11月6日 第5回市民懇談会(市長開催)

市当局の要請により、検討委員会における資料及び会議録(要点筆記)を論点情報として提出した。

11月7日 ~15日

市民との意見交換会(地区別、15会場) 中間報告を説明し、のべ60件の意見を聴取した。

11月16日文教厚生委員会協議会・建設委員会協議会

鶴城小学校及び城前団地の建て替えについて、教育委員会及び建設部から、それぞれの所管委員会へ説明がなされた。

11月19日 鶴城小学校PTAへの報告会

中間報告に加え、新たな論点情報(城前団地町内会への報告会結果及び2委員会協議会の説明内容)を説明し、意見交換を行った。

11月24日

12月1日 第6回市民懇談会(市長開催)

市当局の要請により、検討委員会における資料及び会議録(要点筆記)を論点情報として提出した。

12月4日第6回市民懇談会の説明内容の確認、財務当局の協議の有無等の確認を行うとともに、最終報告の骨子案について、協議した。骨子案については、委員全員一致で了承を得た。

12月10日

12月19日 12月定例会最終本会議

「鶴ケ城周辺公共施設利活用構想(素案)の再考に関する決議」を賛成多数で決議。

2 湊地区における給水施設未整備地区への早期解消に関する決議

  ⑴ みなと

湊 地区とは

 会津若松市東部にあり、昭和の合併で会津若松市に編入された自然豊かな農村地区。

 猪苗代湖の西岸に接する立地にありながら、長年にわたり有効な水源が確保できず、上水道

未整備の地区である。地区内にはさまざまな給水施設が混在しているほか、給水施設がなく湧

き水や井戸水を使うことを余儀なくされている地区・集落もあり、日常生活に必要な水資源の

確保に大きな問題を抱えている。

 

  ⑵ 主な経過(詳細な取り組み経過は p48 図表18参照)

  

   平成24年5月  第8回市民との意見交換会

    平成24年7月  湊地区水資源問題に係る検討委員会を設置し、16回にわたり開催

                                  (~平成25年5月まで)

    平成24年8月  先進事例と水源等の現地調査

    平成24年 10月 実態研究セミナー、第1回中間報告

    平成24年 11月 第9回市民との意見交換会

    平成25年4月  第2回中間報告

    平成25年5月  最終報告

    平成25年6月  給水施設未整備地区の早期解消についての決議を全会一致で可決

  

   ※その後どうなったか

 ⇒市は、平成26年度から5年間の整備計画を策定し未整備地区の解消に向けた取り組みを

行っており、一部地区では給水施設が整備され、住民の生活向上につながった。

  

45

猪苗代湖

湊地区

  ⑶ 議会における取り組みの概要

   ア 湊地区水資源問題に係る検討委員会

(ア)検討委員会の設置

平成24年5月まで8回開催された市民との意見交換会において、湊地区からは水資源に

関する多くの意見が寄せられてきた。この問題について、意見交換会を所管する広報広聴

委員会において「緊急的に対応すべき地域課題である」との報告が議長になされたことを

受け、各派代表者会議において、課題解決に向けた方向性を議会が示せるよう一定の調

査・研究等を行う組織として、湊地区水資源問題に係る検討委員会(以下「検討委員会」

という)の設置が議長より提起され、了承されたものである。(※P32のチャート②参照)

(イ)検討委員会における主な取り組み概要

検討委員会は16回の委員会を開催し、実態の把握に努め、課題を抽出し、委員間討議を

機軸にしながら問題解決に向けた方向性について認識を深めた。

a 現状・実態把握

  検討委員会では、湊地区の水資源問題の解決に向けた方向性を明らかにするため、な

ぜ長年にわたり解決されずに現在に至っているのかなど、現状と課題について把握する

ため、市の取り組み経過について確認するとともに、現地調査、湊地区住民との懇談会

などを行い、理解を深めた。

・ 現地調査および地区住民との懇談会を行うことで、湊地区の給水施設未整備地区に

おいては水源不足による渇水、降雨による濁水等水質管理の問題など、日常的に要す

る飲料水の確保さえ困難な状況にあること、水道整備のための市補助金は補助対象が

限定されるため住民負担が大きくなり活用しにくいこと、また、簡易水道等給水施設

整備地区においても、設備等の老朽化などの不安があることを確認した。

・ 市のこれまでの取り組みを確認することで、市において統合簡易水道の整備を模索

していた際には、湧水からの水源確保を試みたものの供給量が十分ではなく断念した

経過があり、また、平成17年に合併した旧河東町が保有する猪苗代湖の水利権を活用

した整備についても、配水管の布設等に莫大な費用と時間を要する点が計画断念の一

つの要因となるなど、速やかに安全な水を供給できる水源の確保が懸案事項になって

いることがわかった。

b 問題点の把握および課題解決に向けた委員間討議

  検討委員会では、現状への理解を深めた上で、問題解決に向けて以下の内容を主要な

論点として検討を進めた。

・ 各地区・集落の窮状が明らかになり、特に給水施設未整備地区においては、人が生

きていくうえで欠かすことのできない水資源を、安心して享受することができないと

いう状況が改めて確認されたところである。

→ 検討委員会としては、日常生活に必要な水資源は当然確保されるべきものであり、

早期に改善されるべきであるとの認識を持った。

・ 今まさに水資源に困窮している集落にとっては、当該問題の解決が喫緊の課題であ

る。

→ 検討委員会では、地区全体の多様な問題が整理・改善されるべきであるがそれには

相当の時間を要すると考えられることから、第一義的には給水施設未整備地区の問題

解決が早期に図られるよう、その方向性がどうあるべきかについて議論すべきである

との考えに至った。

・ 新たな水利権取得は安定した水源確保に有効な手段となり得るが、既得権利者との

協議調整が必要であること、手続きに相当の時間を要することから、給水施設未整備

地区の住民の思いに早期に応えることが難しい手法であることを確認した。また、地

区単位での水源開発は、給水施設未整備地区の課題への早期対応が図られる可能性が

あることを認識しつつも、その手法が地区住民を主体とした市補助金の利用に概ね限

46

られており、活用も十分に図られていない現状を踏まえれば、地区の現状に即した手

法が検討され、実施される必要があるものと理解した。

→ 検討委員会では、第1に、市が地区の現状を把握し、整備に係る手法、費用、期間

など問題解決に向けたさまざまな論点情報、見通しなどを地区住民に示した上で、地

区の合意形成を促すこと、第2に、市が主体性を持って整備に向けて取り組むことが

必要であると認識した。

     c 課題解決に向けた方向性

  検討委員会では、検討すべき対象集宅の定義を「現時点で市民が居住し、かつ会津若松

市の上水道給水区域への参入が直ちに望めない湊地区内の衛生的飲料水確保が困難な集

落」とした上で、「蛇口をひねればいつでも安全・安心な水が出る状態」を実現するた

め、市が地区(集落)の実情、住民の意向に寄り添いながら、課題解決に向けて主体的

に取り組むべきであるとの共通認識に立った。

(ウ)検討委員会から議会への中間報告と最終報告

検討委員会では上記のような検討の経過と結果をとりまとめ、議員全員協議会に対し2

度の中間報告(平成24年 10月、平成25年4月)と最終報告(平成25年5月)をそれぞれ

行った。

   イ 関係当事者・市民との意見交換など

この間、議会では①関係当事者との意見交換(湊地区町内会との懇談会)、②現地視察、

③学識経験者の参考意見の聴取、④市内 15会場での市民との意見交換会(地区別意見交換

会)などを行った。(p48 図表18参照)

検討委員会における協議経過については、市民との意見交換会の場を活用し湊地区住民を

はじめとした市民に説明し、意見交換を行うことで方向性を確認しながら議論を進めた。

   ウ 本会議における決議案の提出

平成25年6月 19日には、6月定例会継続本会議において「湊地区における給水施設未整備

地区の早期解消に関する決議」が提出され、全会一致で可決された。(図表17)

図表17 湊地区における給水施設未整備地区の早期解消に関する決議(抜粋)

   (略)

  検討委員会では、これら市民意見も踏まえ、課題解決に向けた方向性について合意形成に努め、

議論の前提として「現時点で市民が居住し、かつ会津若松市の上水道給水区域への参入が直ちに

望めない湊地区内の衛生的飲料水確保が困難な集落」を対象の集落として捉えた上で、第1に、

対象集落では、蛇口をひねればいつでも安全・安心な水が出る状態が実現されるべきであるとし、

第2に、衛生的な飲料水供給は生活するための最低限の社会資本であることから、対象集落にお

ける飲料水の確保については、市が責任を持ち主体的に取り組むべきであるとした。さらには、

第3に、施設整備に当たっては、利用者への応分の負担を前提として、対象集落の住民意向に寄

り添い、計画的かつ着実に市が課題の解消を図るべきであるとし、第4に、整備後には、市と住

民の協働のもと、互いの責任を明確にし、施設の適切な維持管理に努めながら、将来に向けてさ

らに安定的な飲料水供給が可能となるよう努めることが望ましい将来像である、と課題解決に向

けた方向性について総括をしている。今般の湊地区水資源問題に係る市議会の対応は、市民の声

を起点としながら、これを地域課題として捉え、あるべき姿について議員間討議を活発に行うこ

とを通して、地域課題に対する方向性を議会が積極的に示そうとするものであり、最終報告にお

ける検討経過及び結果については、妥当であると考えるものである。また、地域課題の真の解決

に向けては、議会の考えを明らかにし、湊地区住民をはじめとした市民に対する説明責任を適切

に果たしていくことが重要であり、そのためには、市議会の機関意思を表明することが必要であ

る。

 よって、ここに、湊地区における給水施設未整備地区の早期解消については、最終報告における課

題解決に向けた方向性に沿って、市が主体的に取り組むべきである旨を決議する。

47

 ⑷ 執行機関のその後の対応

 平成25年6月定例会における市議会の決議や、同年7月に湊区長会から要望書等が提出され

たことなどを踏まえ、執行機関では、平成26年5月に「会津若松市湊地区給水施設等整備計

画」を策定し、市が主体的に、地区住民との協働のもと、水源を調査し給水施設等を整備する

こととした。計画では、平成26年度から平成30年度までの5年間において給水不安地区の解消

を目指すこととしており、現在も整備に取り組んでいる。

図表18 湊地区水資源問題に係る市議会における取り組み経過

48

開催月日 会議名等 実施内容

市民との意見交換会 第8回市民との意見交換会(湊地区:第1班担当)

広報広聴委員会 湊地区の課題整理と議長への報告

各派代表者会議 市議会の対応方針決定

各派代表者会議 検討組織の要領・委員の決定

第1回検討委員会 正副委員長の互選、今後の進め方の決定

第2回検討委員会 市(健康福祉部・水道部)からの経過等の説明

第3回検討委員会

第4回検討委員会 先行事例と水源等の現地調査

第5回検討委員会

議員全員協議会 第1回中間報告

第6回検討委員会 湊地区区長会との懇談会

第7回検討委員会

第8回検討委員会 これまでの全体的な経過を踏まえた委員間討議

市民との意見交換会 第9回市民との意見交換会(湊地区:第2班担当)

第9回検討委員会 市民との意見交換会を受けての委員間討議

委員間討議による合意形成

委員間討議による合意形成

委員間討議による合意形成

中間報告に係る委員間討議

議員全員協議会 第2回中間報告

市民との意見交換会

検討委員会の最終報告について

議員全員協議会 最終報告

平成24年5月9日

6月14日

6月26日

7月2日

7月17日

7月23日

8月3日 市(健康福祉部・水道部)からの追加説明、説明内容に係る委員間討議

8月17日

10月9日 実態研究セミナー 湊地区の水資源の現状と今後の展望について 講師:川越清樹 福島大学准教授

10月18日

10月18日

11月2日 現地調査と実態研究セミナー、懇談会を受けての委員間討議

11月12日

11月14日

12月21日

平成25年1月16日第10回検討委員会

1月23日第11回検討委員会

1月30日第12回検討委員会 市(健康福祉部)からの現状等の説明、委員間討議による合意形成

2月6日第13回検討委員会

4月15日第14回検討委員会

4月24日

5月7日 第10回市民との意見交換会(湊地区:第3班担当)

5月24日第15回検討委員会 市民との意見交換会を受けての委員間討議、検討委員会の最終報告について

5月28日第16回検討委員会

6月5日

 3 除雪に関する調査研究活動

 

  ⑴ 会津若松市における除排雪問題

 冬季間、好天が少なく積雪の多い会津若松市では、除雪及び排雪(=除雪や雪下ろしにより

積まれた雪を雪捨て場などに移動すること)は長年にわたり大きな課題である。近年では、少

子高齢化や地域コミュニティの希薄化により、除雪困難世帯が増加しているという現状もある。

 積雪時、市では早朝から順次、対象となる市道について除雪車の運行を行うが、市民からは

除雪時間やその優先順位、除雪の方法などについて多くの苦情が寄せられ、担当課の電話回線

がパンク状態となることもしばしばある。また、市民との意見交換会においては、私道の除雪

も市で行ってほしいとの要望も多く上がっていた。

          ボランティアによる高齢者宅の間口除雪の様子

  ⑵ 主な経過(詳細な取り組み経過は p53 図表23参照)

  

   平成25年9月  9月定例会の建設委員会において、私道の実態把握に係る要望的意見を取

            りまとめ、市長へ提出する。  

    平成25年 10月  政策討論会第4分科会において「除雪に係る諸課題」を調査研究テーマに

            設定する

    平成25年 10月  建設委員会行政調査、新潟市の除雪事業を調査する

    平成26年1月   予算審査決算審査準備会第4分科会において、予算審査で特に重層的に

            審査すべき政策課題として「雪対策を推進する」を抽出する

    平成26年3月   2月定例会の予算決算委員会第4分科会で、「私道の除雪への対応」等

            を論点として質疑し、執行機関より「私道の実態調査、私道除雪を行う際

            の条件設定の研究を行い、議会に報告する。」旨の答弁を得る。

    平成26年 10月  建設委員会協議会で、執行機関より「私道除雪の実施方針について」報告

            を受ける

  

   ※その後どうなったか

 ⇒平成26年度から、公共性の高い私道除雪について、一定の条件が整った場合は市が主体的

に除雪を行うこととなり、私道 33路線約 2.8kmの除雪が実施されたことにより、当該道路を

利用する多くの市民の安全・安心な通行を確保することができた。

  

  ⑶ 議会における取り組みの概要

   イ 市民との意見交換会

 年2回市内 15地区で開催する市民との意見交換会では、毎回、市民から除排雪に関する多

49

くの要望が寄せられてきた。「除雪だけでなく排雪もしっかり行ってほしい」「玄関口や間

口の雪処理をなんとかしてほしい」「私道の除雪もお願いしたい」「除雪支援の補助制度の

拡大をしてほしい」などがその主なものである。

 これら要望については、議会としても定例会の一般質問や委員会審査で取り上げてきたが、

議会として市民に対し明確な報告をすることはできていなかった。

   ウ 建設委員会、予算決算委員会第4分科会、政策討論会第4分科会

 建設委員会は建設部及び水道部に関することを所管する常任委員会である。また、予算決

算委員会第4分科会及び政策討論会第4分科会は建設委員会に所属する議員により構成され、

それぞれ予算決算審査と政策研究のステージにおいて建設委員会の所管する領域を担当して

いる。市民との意見交換会から発見された除排雪に係る諸問題については、これらの委員

会・分科会が所管し、次のような取り組みを行ってきた。

(ア)私道の実態把握に係る要望的意見を市長へ提出(平成25年9月)

定例会中の建設委員会における市道の認定、廃止、変更についての議案審査の中で、公

衆用道路として供されている私道の除排雪を含む維持管理が住民の高齢化などにより難し

くなっているという観点から質疑及び議員間討議を行った結果、図表19のとおり建設委員

会としての要望的意見を取りまとめ、市長へ提出した。

図表19 建設委員会としての要望的意見(抜粋)

  公衆用道路として供されている私道等は、住民の方々の高齢化などの時代の変化により、除排雪

等も含めた維持管理が難しくなってきている現状がある。また、緊急車両の通行ができないなど

の市民の生命・財産を脅かす危険性が内在している。

  これら、公衆用道路として供されている私道等については、議会と市民との意見交換会において

も毎回数多くの切実な意見、要望が出されており、これらの問題は今後も増えていくことが予想

される。

  これらのことから、私道の実態把握等の全体的な調査の実施、さらには本市における市道認定の

基準のあり方についての検討に、速やかに取り組むよう要望するものである。

(イ)調査研究テーマに「除雪に係る諸課題」を設定(平成25年 10月)

市民との意見交換会等において得られた除排雪に対する多数の市民意見を踏まえ、本市

特有の問題である降雪への対応のあり方を調査研究すべきとの考えから、政策討論会第4

分科会において「除雪に係る諸課題について」を調査研究テーマとして設定した。

なお、これは政策討論会第4分科会に割り振られたテーマの1つである「防災などの地

域の諸問題解決に向けた、地域と行政機関等との連携による新たな地域社会システムの構

築について」という政策課題を解決するための問題分析のテーマとしての位置づけである。

(ウ)新潟市の除雪事業を調査(平成25年 10月)

政策討論会第4分科会におけるテーマ設定を踏まえ、建設委員会の行政調査において新

潟市を訪れ、除雪事業の調査を行った。

新潟市では平成21年度の大雪を契機に、市の除雪が行き届かない一部の路線等について

地域住民の協力を得ながら除雪を推進する制度を創設し、児童・生徒の安全確保や交通

ネットワークにおいて重要な機能を果たす路線等の除雪が多様な主体により行われている。

この調査を通して、委員会では行政と地域住民との連携による除雪体制構築のあり方な

どについて理解を深めた。

(エ)予算審査に向け、「雪対策を推進する」を政策課題に抽出(平成26年1月)

予算審査決算審査準備会(※P40を参照)第4分科会において、当初予算の審査に向け、

特に重層的に審査すべき政策課題の1つとして「雪対策を推進する」を抽出し、官民連携

や役割分担のあり方といった視点から、地域コミュニティーの機能低下などを背景とした

私道の除雪に係る課題や方策について理解を深めるとともに、課題解決に向けた論点の整

理を行った。

50

(オ)予算審査において「私道の除雪への対応」等を質疑(平成26年3月)

定例会中の予算決算委員会第4分科会において、抽出論点を中心に当初予算の質疑・審

査を行った。「私道の除雪への対応」について、市当局から、「私道の実態調査、私道除

雪を行う際の条件設定の研究を行い、議会に報告する。」旨の答弁を得た。(図表20)

図表20 予算決算委員会第4分科会委員長報告(抜粋)

 (略)

 本案について、まず問われましたのは、分科会の政策課題である除雪対策についてのうち、私

道の除雪への対応についてであります。

 これに対し建設部から、市としては市道の除雪を行うことが大前提ではあるが、私道の実態調

査を行っており、私道の除雪を行う際の条件設定をどうするか、今後更なる研究を行い、時期を

捉えて議会に報告をしていきたいとの答弁がありました。

 次に問われましたのは、幹線道路における日中の除雪に対する考え方についてであります。

 これに対し建設部から、日中の除雪については、交通量の増加により、作業効率が悪く、事故

の危険性があることから、交通量の減る夜間や早朝の時間帯を中心に除雪出動している。ただし、

朝方や日中の降雪状況により、通行に支障をきたすと判断される場合には、日中も除雪出動する。

その場合には、十分に交通の安全に配慮するとともに、必要に応じて、誘導員を配置し、渋滞等

交通障害発生の抑制につとめているとの答弁がありました。

 次に問われましたのは、地域の実情にあった除雪実施の必要性についてであります。

 これに対し建設部から、よりよい除雪を行っていくためには、地域の実情に合った除雪を実施

することが必要だと認識しており、町内会等の地域コミュニティーを単位とした除雪困難世帯へ

の支援体制や、町内会と連携した取り組みが重要である。除雪前の町内会との打ち合わせや、除

雪時の情報提供等を密にし、地域の協力を得ながら、効果的な除雪作業に努めて参りたいとの答

弁がありました。

 次に問われましたのは、小型除雪機購入費補助等各種助成制度の更なるPRの必要性について

であります。

 これに対し建設部から、町内会で実施する私道の除排雪や、小型除雪機の購入の際の補助につ

いては、市政だより、チラシ、ホームページ、地区区長会との対話集会等を通じてお知らせして

いる。既に取り組んでいる町内会の実績等も含め、今後も様々な機会を通してPRしていきたい

との答弁がありました。

 次に問われましたのは、各委託業者において、市内全域が均一的、統一的に除雪される体制整

備の必要性についてであります。

 これに対し建設部から、路線ごとの除雪状況に差が生じないよう、除雪作業の均一化、統一化

を図るため、除雪作業マニュアルを作成し、除雪を実施している。また、今年度においては、同

一町内会においては同一の事業者で、規格の違う複数の機械を配置し、相互に連絡、連携を取り

ながら除雪を行うことを試行しており、さらには、次の除雪の際の雪溜め場を確保するために、

定期的に雪溜め場の排雪を行うことで、除雪の効率化を図り、均一化に繋げている。今後も除排

雪体制の充実に努めて参りたいとの答弁がありました。

 次に問われましたのは、流雪溝の有効活用法についてであります。

 これに対し建設部から、その効果を最大限に発揮するためには、ルールに従って利用すること

が大切であり、現在利用されている8路線については、流雪溝利用組合連絡協議会が組織され、

利用に当たってのルールを定め、利用者に事前に周知することで管理運営を行なっているとの答

弁がありました。

 次に問われましたのは、除雪関係者の技術、意識の均一化を図るための取り組みについてであ

ります。

 これに対し建設部から、除雪オペレーターの技量、手順、方法によって除雪状況に差が生じな

いように、除雪に関する心構えを指導するとともに、除雪作業マニュアルを配布しそれに基づい

て作業を実施することで、除雪作業の均一化統一化を図っているとの答弁がありました。

  (略)

51

  ⑷ 執行機関のその後の対応

 執行機関は、議会の審査等を踏まえ、平成26年 10月、「私道除雪の実施方針」を議会に示

した。(図表21)

 この方針に基づき、平成26年度から公共性の高い私道除雪について、一定の条件が整った場

合は市が主体的に除雪を行うこととなり、私道 33路線約 2.8kmの除雪が実施されたことにより、

当該道路を利用する多くの市民の安全・安心な通行を確保することができた。

図表21 私道除雪の実施方針(概要)

【基本的考え】

  公共性の高い私道のうち、実施条件の整ったものについて、平成26年度より市が除雪する。

【※公共性の高い私道とは】

  次の要件を全て満たす私道とする。

  ①公道から公道へ通り抜けできること。

  ②日常的に不特定多数の者が利用していること。

  ③一般交通の用に供していること。

【※実施条件】

  次の条件を全て満たしていることとする。

  ①地区から要請があること。

  ②市が除雪を行うことに対して土地所有者が同意していること。

  ③除雪機械が作業可能な3m以上の道路幅員が確保できること。

  ④除雪機械による路面の損傷や砂利の散乱等防止のため、道路面が舗装されていること。

【※実施基準】

  私道除雪も市道と同様の基準(積雪 10cm)で実施する。

  除雪順序は原則、市道除雪を優先させ、引き続き私道の除雪を行う。なお、効率的な除雪の順路

設定を図る場合は、除雪順序が逆になることもある。

  排雪は、交差点の雪山除去や雪置き場の排雪等、路線毎の状況を見ながらの対応とする。

  ⑸ 議会のその後の対応

 議会の取り組みにより一部私道の除雪が実現したが、除雪については多様な課題が山積して

おり、さらなる調査研究が必要であるとの認識から、政策討論会第4分科会では平成27年6月、

最終報告の中に「除雪に係る諸課題について」を引き続き研究テーマに設定することを次期議

会への申し送り事項として盛り込み、政策討論会全体会において報告した。(図表22)

 平成27年7月の改選を経て、新たにスタートした政策討論会第4分科会においても「官民連

携による除排雪への対応のあり方について」を問題分析のテーマとし、除雪実施協力会との分

野別意見交換会を行うなど、継続して除雪問題の調査研究に取り組んでいる。(p53 図表23)

図表22 会津若松市議会政策討論会第4分科会 最終報告(抜粋)

  (略)

 「除雪に係る諸課題について」は、今期途中からテーマ設定したものである。本テーマについ

ては、市道の除排雪の推進という視点に加え、通勤・通学等に供する歩道の除排雪、除雪困難世

帯への対応、私道の除排雪など多様な課題を認識しているところであり、これらに対応するため

には、除排雪に係る窓口の一本化や地域住民との連携のあり方などさらなる検討が必要であるが、

これらに係る検討はまだ緒に就いたばかりである。

 今後については、地域の実態を踏まえ、より効率的・効果的な除排雪体制の構築に向けて、官

民の協力体制の構築を基本としながら、そのあり方を検討するとともに、利雪などの視点も取り

入れた総合的な視点から、安心できる市民生活を考えた雪に強いまちづくりを推進するため、さ

らなる調査研究が必要である。

  (略)

52

図表23 除雪に関する調査研究活動経過(~平成27年度)

53

開催月日 会議名等 実施内容

建設委員会

政策討論会第4分科会

建設委員会

政策討論会第4分科会 行政調査を踏まえた委員間討議ほか

政策討論会全体会

建設委員会協議会

政策討論会全体会 最終報告

政策討論会第4分科会

建設委員会

政策討論会第4分科会 建設委員会行政調査の総括について

政策討論会第4分科会 排雪対策のあり方についてほか

政策討論会第4分科会

政策討論会第4分科会 分野別意見交換会の総括ほか

政策討論会第4分科会 降雪対策のあり方についてほか

平成25年9月 「市道の認定」「私道の廃止」「私道の編王」について、要望的意見を取りまとめる

10月7日 前期体制からの申し送り事項、今後の進め方についてほか→「除雪に係る諸問題」を設定

10月17日~18日

建設委員会行政調査(新潟県新潟市=除雪対策、ほか石川県金沢市、富山県富山市など)

10月30日

平成26年1月16日2月3日

2月13日

予算審査決算審査準備会第4分科会

予算審査に向け「雪対策を推進する」等を政策課題として論点を抽出

3月17日予算決算委員会第4分科会

抽出論点に基づき、私道の除雪への対応などについて質疑を行う

4月23日政策討論会での政策研究に係る中間報告(第4分科会として、除雪に係る諸課題については今後も検討していくことを報告)

7月11日7月18日7月29日8月6日

予算審査決算審査準備会第4分科会

決算の評価に向け「雪対策を推進する」等を政策課題として論点を抽出

9月定例会予算決算委員会第4分科会

「雪対策を推進する」について、決算評価を取りまとめる

10月27日 執行機関より、私道除雪の実施方針について報告を受ける

平成27年6月25日

8月28日9月8日

予算審査決算審査準備会第4分科会

決算の評価に向け「雪対策を推進する」等を政策課題として論点を抽出

9月定例会予算決算委員会第4分科会

「雪対策を推進する」について、決算評価を取りまとめる

11月4日分科会における問題分析のテーマとして「官民連携による除排雪への対応のあり方について」を設定し、優先的に調査研究を進めることを確認

11月17日~18日

建設委員会行政調査(秋田市=秋田市ゆき総合対策基本計画、ほか仙台市など)

11月20日

12月11日

12月22日 分野別意見交換会を実施(会津若松除雪実施協力会との意見交換)

平成28年1月14日

1月14日1月29日2月10日

予算審査決算審査準備会第4分科会

予算審査に向け「雪対策を推進する」等を政策課題として論点を抽出

1月29日2月10日2月25日

2月定例会予算決算委員会第4分科会

除排雪対策事業に係る私道の除雪について要望的意見を取りまとめる

 4 政策討論会各分科会からの政策提言

・ 平成27年6月に政策討論会全体会において各分科会が最終報告を行い、全体会で確認され

た提言内容について、市長に政策提言を行った。(詳しくは p55-57図表24参照)

第1分科会

(研究テーマ)・健全な行財政運営に基づく最適な自治体づくり

       ・均衡ある行政機能と住民サービスのあり方

(提言概要)

● 長期総合計画に関する共通理解を図るとともに、基本計画には主要な事業について優

先順位をつけること。

● 総合計画と連動した財政計画が必要であることから、財政計画を示せるよう今後の調

査研究と創意工夫を。

●自治基本条例案策定に当たり「市民の定義」「地域の定義」「都市内分権」などについ

て留意すべきである。

第2分科会

(研究テーマ)・今後の地域福祉のあり方

       ・生涯学習の推進に向けて

(提言概要)

● 今後の地域福祉社会のあり方について、子ども、高齢者、障がい者など全ての人が地

域で安心して暮らせる社会を実現するソーシャルインクルージョンの考えを基にしたシ

ステムの構築をすることなど。

● 生涯学習の推進に向けては、誰もが参加できる多様な学習機会の提供、多様なニーズ

に対応できる施設運営と社会教育施設機能の充実を図ることなど。

第3分科会

(研究テーマ)・地域経済が持続可能な形で活性化するあり方

(提言)

● 地域産業振興に向け関係団体とのさらなる連携・強化を充実すること、産業振興基本

条例の制定・産業振興会議の設置に向け積極的に検討することなど。

第4分科会

(研究テーマ)・溢水に強い基盤整備に向けて

       ・社会資本整備による都市計画の全体最適性

(提言)

● 雨水流出抑制による総合的な治水対策について、実効的な総合治水計画を策定すべき

であること、総合治水計画の進捗管理と着実な推進に意を用いるべきなど。

    ※ 平成23年2月にも各分科会から政策提言が行われているが、今回最新のものを掲載した。

54

55

                    

56

図表24 あいづわかまつ広報議会 № 179(平成27年8月1日号)より

57

(参考) 平成24年2月定例会~平成28年2月定例会における決議・要望的意見

58

定例会 項 目 内 容

平成24年2月 要望的意見

平成24年9月 要望的意見

決議

平成25年2月 要望的意見

付帯決議

平成25年9月 要望的意見

決算評価

平成26年2月 決議

総務委員会「入札制度のあり方について」「本庁舎及び支所機能のあり方と地方公共交通を含めた地域のまちづくりについて」

決算特別委員会第2分科会基本施策「少子化対策を推進する」基本施策「生涯学習を支援・促進する」

決算特別委員会基本施策「良質な住宅環境を提供する」の評価に関する決議基本施策「地域情報化を推進する」の評価に関する決議基本施策「ボランティア・NPOなどの活動を振興する」の評価に関する決議

予算特別委員会第4分科会「農業集落排水事業における市民への周知について」

予算特別委員会議案第3号 平成25年度会津若松市水道事業会計予算に対する付帯決議(提出者:予算特別委員会第4分科会に所属する議員)

建設委員会『「市道の認定」「市道の廃止」「市道の変更」について』予算決算委員会第1分科会議案第80号 平成25年度会津若松市一般会計補正予算(第5号)のうち「決算剰余金の取り扱い等について」に関する要望的意見

予算決算委員会第2分科会基本施策「少子化対策を推進する」基本施策「生涯学習活動を支援・促進する」予算決算委員会第3分科会基本施策「消費者の視点に立った安全な食料の安定供給を図る」

予算決算委員会「自治基本条例制定に関する決議」

59

定例会 項 目 内 容

平成26年9月 要望的意見

決算評価

付帯決議

平成27年2月 要望的意見

平成27年9月 要望的意見

決算評価

平成27年12月 要望的意見

平成28年2月 要望的意見

決議

予算決算委員会第1分科会議案第57号 平成26年度会津若松市一般会計補正予算第2号のうち「決算剰余金の取り扱いについて」に関する要望的意見

予算決算委員会第2分科会基本施策「生涯学習活動を支援・促進する」予算決算委員会第3分科会基本施策「企業立地と新規産業の創出を促進する」基本施策「消費者の視点に立った安全な食料の安定供給を図る」予算決算委員会第4分科会基本施策「総合的な治水対策を推進する」基本施策「雪対策を推進する」

予算決算委員会議案第76号  新市建設計画の改訂についてに対する付帯決議(提出者:総務委員会に所属する議員)

予算決算委員会第1分科会「長期総合計画について」「自治基本条例について」「財政計画について」

予算決算委員会第3分科会「企業誘致促進事業費に係る(仮称)ICTオフィス環境整備事業について」

予算決算委員会第4分科会「雪対策を推進する」

予算決算委員会第4分科会「ゼロ市債のさらなる拡充に向けて」

予算決算委員会第1分科会「高速通信環境の未整備地区への対応について」「自治基本条例について」「スマートシティ会津若松について」予算決算委員会第2分科会「学校建築のあり方について」予算決算委員会第4分科会「市道舗装整備事業及び道路維持修繕事業に係る市民要望への対応について」「除排雪対策事業に係る私道の除雪について」「水道事業の健全化に向けた対応について」

予算決算委員会「公共施設マネジメント推進に関する決議」

Ⅶ その他議会改革の取り組み

 

 1 一般質問に係る情報交換会(H21.8.7~)

【目的・趣旨】

  議会基本条例の基本方向を踏まえ、合議体である議会が政策面でまとまって執行機関に対

峙していくため、議員の発言に対する権利保障を前提としながら、ここの議員間の重複に関

して、事前に会派間の情報交換を行う目的で開催するもの。

【開催日】

  一般質問の通告締切の概ね3週間前(定例会招集日からは4週間前)

【情報交換】

  一般質問の大項目、中項目レベルで重複が想定される質問項目の協議・調整を行う。

  ※ 質問を制限するものではない。より重層的な質問となるよう、質的向上を図るもの。

 2 本会議場での議会映像配信(H24.6月~)

  議場での本会議及び予算決算委員会の模様をインターネットにより、ライブ中継と録画中

継で配信している。

  ・ ライブ中継~ユーストリーム

  ・ 録画中継~ユーチューブ

 ※ 議会映像を録画したブルーレイディスクの貸し出しを行っている。

 3 市議会災害対策本部設置規程(H24.6.26)

【目的・設置】

  市災害対策本部と連携を図り、災害対策活動を支援し、市議会として災害に迅速に対応す

るために、市災害対策本部が設置された場合、自動設置されるものである。

【組織】

  本部長⇒議長、副本部長⇒副議長、本部役員⇒各派代表者

【本部の所掌事務】

  ①議員の安否確認 ②各議員への情報提供 ③市災害対策本部への情報提供 ④被災地・

避難所等の調査 ⑤国県への要望等

60

  1  一般質問に係る情報交換会 ( H21.8.7~)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p60

  2  本会議場での議会映像配信 ( H24.6月~)・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p60

  3  市議会災害対策本部設置規程 ( H24.6.26)・・・・・・・・・・・・・・・・・ p60

  4  議会の見える化 ⇒ 議会白書発行 ( H25.7月~)・・・・・・・・・・ p61

  5  予算決算常任委員会化 ( H25.8.23~)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p61

  6  今後の議会改革の方向性について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p61

 4 議会の見える化 ⇒ 議会白書発行(H25.7月~)

  市民に議会をもっと知ってもらい、議会に参加してもらうためには、より一層の「議会の

見える化」が必要であることから、そのツールとして「見て知って参加するための手引書~

会津若松市議会白書~」を年1回発行し、市内の公共施設等に設置している。

  議会のしくみや議会活動の概要を掲載した本編と具体的な議決事項や取り組み内容を掲載

した資料編の2部構成。平成26年度には本編を市内全世帯へ配布した。(平成28年度も全戸

配布予定)

 ※ 議会のホームページにも掲載している。

 5 予算決算委員会の常任委員会化(H25.8.23~)

【目的】

  適切な団体意思の決定、地域経営根幹への適切な関与を行うため、予算審査と決算審査を

有機的に連動させるものとする。(図表25・26)

【基本施策の評価】

  予算決算委員会(決算審査)において総合計画の基本施策を評価 ⇒ 事前に、市民との

意見交換会での意見、予算審査における論点、重要性・緊急性を勘案し、施策・事務事業を

抽出 ⇒ 委員間討議により論点課題の抽出 ⇒ 論点をもとに決算審査において質疑 ⇒

議員間討議 ⇒ 施策評価(要望的意見) ⇒ 執行機関へ送付 ⇒(予算編成 ⇒)予算

決算委員会[予算審査~議決] ⇒(予算執行 ⇒)予算決算審査[決算審査]

 6 今後の議会改革の方向性について

  改選後の新議会(H27.8.7~)における議会改革の方向性として、「今後の議会改革につい

て」として21項目の具体的検討事項を設定。(p64 図表27)

  ・ 正副議長選挙における所信表明の内容や各派からの要望等を踏まえて設定し、各派代

   表者会議で確認(H27.10月)

  ・ 第 15回市民との意見交換会において市民へ説明(H27.11月)

61

    図表25 予算決算委員会の政策形成サイクルのイメージ

予算編成

予算審査決算審査準備会

【決算審査準備】

問題発見↓

課題設定

問題分析

委員間討議

予算審査決算審査準備会

【予算審査準備】

政策評価(あるべき姿)↓

委員間討議

政策立案

予算決算委員会・本会議

【決算審査】

質疑(仮説の検証)

委員・議員間討議(意見集約)

議決及び意見表明【評価・決議

等】

説明責任・議決責任

予算決算委員会・本会議

【予算審査】

質疑(政策・施策動向の検証)

委員・議員間討議(意見集約)

議決及び意見表明【修正・決議

等】

説明責任・議決責任

【目的】 適切な団体意思の決定、地域経営根幹への適切な関与を行うため、予算審査と決算

審査を充実化・精緻化するとともに、予算審査と決算審査を有機的に連動させるものとする。

【政策・施策動向への意見】

評価・決議及び要望的意見

【住民の意思】

市民との意見交換会

議員活動・会派活動のヒアリング 等

政策評価(あるべき姿)

評価準備

【仮説作成】

問題・課題

決算議案

予算議案

長期総合計画・行政評価システム

意見表明(機関意思)

執行機関

決算調整

【住民の意思】

市民との意見交換会

議員活動・会派活動のヒアリング 等

議決

議決

政策決定(団体意思)

執行機関とは異なる視

点から住民ニーズを

キャッチアップ

【メモ ① 政策・施策を評価する】

一般的な事務事業評価、事業仕分

けとは異なり、「適切な団体意思の決

定、地域経営根幹への適切な関与を

行う」ものとして、政策・施策を主な評

価対象としている。政策手段(事務事

業)の改廃は、政策目的の抜本的な

修正には至らないとの認識。また、政

策・施策を評価するためには、事前

準備が肝要。準備会は、政策のイン

キュベーション機能を有する。

【メモ ② 議会からの政策形成】

執行機関の行政情報を利活用しながら

も、住民意見を踏まえ、議会として市の政

策・施策のあるべき姿をゼロベースで考

える。単に執行機関の事務を評価するの

ではなく、議会としての対案を持つ。たゆ

まず執行機関と議論を重ね、政策決定

(団体意思)を行っていく。適切な機関競

争主義が住民の福祉に適うとの認識。ま

た、政策の蓄積は、議会が総合計画など

自治体の根幹をなす方針を決定する際

の力になるとの認識。

執行機関とは異なり、執行

を前提とした思考ではなく、

「そもそも住民の福祉のた

めには」との思考で立案 議会からの

政策形成

予算決算委員会の政策サイクルのイメージ

政策のたまご

政策のインキュベイト

62626262

図表26 論点抽出表

平成28年2月 予算審査

1 政策名(長期総合計画の体系で行政評価の基本施策の上位にある政策名)

 2 基本施策(行政評価の基本施策名)

  ① 基本施策に関する問題認識(基本施策を抽出した理由)

  ② 施策に関する各種情報(決算審査の評価、要望的意見、市民との意見交換会、政策討論会や会派の調査研究成果等)

施策名

論点(重要事項、問題点)

施策名

論点(重要事項、問題点)

予算審査決算審査準備会第4分科会 抽出論点

雪に強いまちをつくる 5-5 【建設部】

Ⅰ 予算審査決算審査準備会

雪対策を推進する 5-5-1

 少子高齢化や人口減少社会の進展により、除雪困難世帯の増加、除排雪作業の担い手の減少傾向にある中で、全ての案件に対し、行政主導による除排雪を行うことは困難であることから、地域の実態を踏まえた降雪対策を講ずることが求められている。

 平成27年9月定例会における決算審査では、市は、官民の役割分担も踏まえながら、多様な私道の除雪に係る課題解決に寄与すべきであること、市民協働の取り組みのさらなる推進に努めること、庁内連携を深め、本施策の推進に向けて全庁的に取り組む必要がある旨等について表明してきた。 また、建設委員会の行政調査では、秋田市の除排雪に係る取り組みを調査し、民間活力を生かした業務委託(業者間連携による除雪、コールセンター、道路パトロール等)による効率的・効果的な除排雪の推進、市民協働による除雪の取り組みのあり方などについて理解を深めてきた。 さらには、会津若松除雪実施協力会との意見交換会を通して、担い手の後継者不足や除雪機械の維持管理等の問題を認識してきた。

 3 施策名(行政評価の施策名) 及び論点  4 事務事業名等(予算説明書)  5 質疑により明らかにすべき事項

・除雪排雪に関する行政窓口一本化の設置と担当課の設置検討について・公共性の高い私道の市による除雪の実施条件の緩和が求められており、その検討について

5-5-1-1 除排雪体制の充実

除排雪対策事業(継続)

・町内会単位での、地域内の雪困りごと話し合い会等の開催、除雪業者とのシーズン前の事前協議による除排雪体制・市民協働による雪対策、町内会や学校生徒といった様々な分野との連携を図り、市内一斉除雪排雪の日の設置検討について

・ 官民の役割分担のあり方  

・ 市民協働の取り組みのあり方

 

効率的・効果的な除排雪のあり方

・雪ため場の適切な設置等により、効率的・効果的な除排雪作業の実施について・除雪作業の効率化と管理業務の適正化のため、除雪車の稼動状況をリアルタイムで確認できる運行システムGPS導入の効果について・除雪排雪後の適意な排雪作業、特に、雪溜め場となった箇所からの排雪の運用ルール化の検討

・  

 

Ⅱ 定例会各分科会予算審査・決算審査で活用

 6 基本施策に対する評価等(委員間討議での合意点)。

 7 備考(決議案、要望的意見等の要点)

 

・ 

・  

 除排雪対策事業に係る私道の除雪のあり方については、今後少子高齢化が進む中で、私道の除雪への市の関与がさらに要請されるものと考えられることを踏まえた検討が、今後も必要であるとの意見が示されたところであるが、単に対象要件を拡大するということではなく、条件設定は明確にすべきとの意見も出されたところであり、このような議論の経過を踏まえ、本事業が対象とする「公共性の高い私道」の考え方を再考するとともに、その定義に沿った条件設定について検討すべき点について合意に至ったものである。

 今後少子高齢化が一層進展する中で、市道の除排雪に加え、私道の除雪や除雪困難世帯に係る福祉除雪や間口除雪などの課題に対し、市は民間活力の活用、市民との協働による取り組みの推進など多様な観点から取り組みを進めていくため、庁内連携を深め、全市一体的に除排雪対策を進めていく必要があると考える。課題の一つである私道の除雪への対応は、少子高齢化の進展により、自助、共助による対応が困難となり、今後市民からの要望が高まる事業であると認識するものである。 市は平成26年度より公共性の高い私道について、一定の条件設定のもと除雪を実施し、平成27年度は37路線を対象とするとともに、要件の一つである道路舗装がなされれば、対象路線になり得る路線について19路線を把握し、必要に応じて舗装整備に係る補助金の活用等を促し、対象路線の拡大に努めていくとしている。その一方で、一定の人家が連たんしているものの、公共性の高い私道として市が定義する「公道から公道へ通り抜けできる」との考えに合致せず、また、地域に除雪の担い手もいないため、課題解決に至らない地区の声も多数聞くところである。 市が除雪を通して市民福祉の向上に寄与していくためには、地域の実態を踏まえながら、自助、共助、公助が調和した施策を講ずるべきと考える。このようなことから、市による私道の除雪については、これまでの取り組みや市民からの要望等を検証するとともに、本事業が対象とする「公共性の高い私道」の考え方を再考し、その定義に沿った条件設定について検討することを要望するものである。

8-8-2除排雪対策事業費

588,119千円

・事務費等 147,221千円

・除雪等業務委託料 412,096千円

・工事費 10,000千円

・除雪機械購入費 18,802千円

63 63 63 63

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  【具体的検討事項】

 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

 【検討主体】

                     

       

                 

       

  

~ 市 民 の 課 題 解 決 を 図 る 議 会 を 目 指 し て ~

基 本 理 念 「 市 民 の 負 託 に 応 え う る 合 議 体 た る 議 会 づ く り 」

基 本 理 念 を 実 現 す る 基 本 方 向

1.公正・透明

 な開かれた議

 会運営

2.市民本位の

 政策監視及び

 評価の推進

3.市民参加機

 会の充実によ

 る多様な意見

 の把握

5.継続的な議

 会改革への取

 り組み

公正・透明な議

会運営の推進

事務局による議会

活動支援事業の充

実議会活動(政策

提言・立案等)

の評価とPR

議会改革に係る調

査研究の推進

市民との意見交

換の多様な場の

確保

議決機関として

の適切な審議

21.事務局の能力向上

7.二元代表制を踏まえた質問のあり方の検討

(30

分延

長・一

問一

答・総

括項

目数

制限

解除

・質

問日

数の

拡大

、所

信表

明総

括対

象)

8.予算決算委員会における予算審査・決算審査の連動の充実

市民の代表とし

ての適切な監

視・評価

合議体たる議会

としての政策提

言・政策立案能

力の向上

4.政策提言と

 政策立案の強

 化

代表者会議・議会運営委員会等

議会運営委員会、広報広聴委員会

議会事務局

広報広聴委員会

議会運営委員会・各所管委員会等

各所管委員会、各会派

◎ 今後の議会改革について

3.本会議の中継、会議録の公開、議会傍聴の推進、ウェブサイトの充実 

 (

委員

会中

継の

検討

5.定例会後の議会運営委員会総括会議の充実

(論

点抽

出・テ

ーマ

設定

6.常任委員会の所管事務調査を可能とする通

年議会や長期総合計画等の審

 査のあり方の検討

専門的な知見等

の活用

9.常

任委

員会

にお

ける

政策

討論

会の

成果

活用

の推

17.広報機能の充実強化による議会改革成果の説明・PR

14.政策討論会の充実と議員(議員、委員会、会派)による条例提案の推進

市民にわかりや

すい議会運営の

推進

広報広聴委員会

議会事務局

議会運営委員会・代表者会議・

議会事務局

13.学

識経

験者

や公

聴会

制度

等の

活用

16.政策提案能力の向上を図るための議員全員を対象とした研修会等の実施

  18.議会活動に対する市民評価の検討

(ア

ンケ

ート調

査、

市民

モニ

ター

) 

12.請

願者

・陳

情者

の説

明機

会の

確保

2.少数意見にも耳を傾けた議会運営(

2人

会派

の検

討、

議員

間討

議の

充実

1.会津若松市議会基本条例等の適切な運用

11.各常任委員会(政策討論会分科会)が中心となった分野別意見交換会の

 拡充

4.市

民との意見交換等における議案等の審議経過及び結果の報告

広報広聴委員会、各常任委員会、

政策討論会各分科会

代表者会議・議会運営委員会

各政策討論会・所管委員会等

15.正副議長と正副委員長による政策形成に向けて(仮)意見調整会の検討

10.地区別意見交換会の充実

(地

域課

題の

整理

・討

論の

場の

設定

タウ

ンミー

ティ

 

  

ング

手法

の検

討)

19.情報収集・蓄積・提供の充実

20.議会改革に係る調査研究・研修等の推進

議会運営委員会

議会運営委員会

議会運営委員会

各所管委員会等

広報広聴委員会、政策討論会各分

科会

各所管委員会等

各所管委員会等

代表者会議

広報広聴委員会、政策討論会

平成

27

年10

月現

在図表27 今後の議会改革について

64

※ 参考

平成16年度以降の主な議会改革の動き

年 度 主な出来事 組織設置等 具体的事例等

平成16年度 北会津村との合併

(16.11.1)

○議会運営委員会で、定例会終了後に

定例会本会議の内容ついて総括するこ

とにした(16年 12月定例会分~)

○政務調査費を一人当たり月額 50,000

円を45,000円へ減額

(17.4.1施行)

○日額費用弁償額を3,000円・3,500

円をそれぞれ、1,500円・1,750円に

減額(17.4.1施行)

平成17年度 河東町との合併

(17.11.1)

議会政治倫理条例検討委員会

の設置

(17.12.26~18.11.27)

○北会津支所、河東支所へ議会映像中

継システムを導入

⇒H25年度~ネット配信へ

平成18年度 ○日額費用弁償を廃止(19.4.1施行)

平成19年度 市議会議員選挙

(19.4.22)

議会制度検討委員会の設置

(19.7.19~20.5.30)

○会議録検索システムの導入

(19年 2月定例会分~)

(19.6月から稼働)

平成20年度 広報広聴委員会の設置

(20.6.23~現在)

第 1回市民との意見交換会開

催(20.8.25~20.9.1)

第 2期議会制度検討委員会の

設置

(21.1.23~22.11.30)

○議会基本条例、議員政治倫理条例の

2条例の公布施行(20.6.23)

○市民との意見交換会開催要領策定

(20.7.1)

○政策討論会に関する規定の策定

(20.12.1)

○議長選挙・副議長選挙に係る所信表

明会に関する実施要領の策定

(21.3.31)

○政務調査費を一人当たり月額 45,000

円を35,000へ減額

(21.4.1施行)

平成21年度 「市民と議員の条

例づくり交流会議

in会津~変わる

議会・会津から」

の開催

(21.6.6~7)

第 4回マニフェス

ト大賞「最優秀成

果賞」の受賞

(21.11.6)

鶴ケ城周辺公共施設利活用構

想(素案)に係る検討委員会

の設置

(21.5.20~21.12.10)

○議長選挙・副議長選挙に係る所信表

明会の実施

(21.5.19)

○議員間討議について、6月定例会で

試行後、「常任委員会における委員会

の討議について」の内容を議会運営委

員会で確認

(21.9月定例会より実施~現在)

65

年 度 主な出来事 組織設置等 具体的事例等

平成21年度

(続き)

○視察対応に議員も対応(任意登録)

(21.7月~現在)

○一般質問に係る情報交換会の開催

(21.8.7~現在)

○鶴ケ城周辺公共施設利活用構想(素

案)の再考に関する決議を賛成多数で

可決(21年 12月定例会)

○福島大学と相互友好協力協定の締結

(22.1.27)

平成22年度 第 5回マニフェス

ト大賞「優秀議会

改革賞」の受賞

(22.11.5)

○「議会活動と議員定数等との関連性

及びそれらのあり方」最終報告を行う

(22.12.2)

○政策討論会各分科会の研究成果(最

終報告)公表及び市長へ政策提言

(23.2.24)

○議会基本条例の一部を改正

(23.3.28)

平成23年度 市議会議員選挙

(23.8.7)

第 6回マニフェス

ト大賞「優秀成果

賞」の受賞

(23.11.4)

第 3期議会制度検討委員会の

設置

(23.10.7~25.8.22)

○市民との意見交換会開催要領を廃止

し、市民との意見交換会実施要領を策

定(23.7.27)

○議長選挙・副議長選挙に係る所信表

明会の実施(23.8.23)

○今後の議会改革について(方向性)

を決定(23.11.30)

平成24年度 決算評価準備会の設置

(24.6.27~24.9.12)

湊地区水資源に係る検討委員

会の設置

(24.7.17~25.6.5)

決算特別委員会の設置

(24.9.12~24.9.28)

予算審査準備会の設置

(24.12.27~25.3.6)

予算特別委員会の設置

(25.3.6~25.3.25)

○議会映像配信(6月定例会試行、9

月定例会より本格導入)

○行政評価を活用した基本施策の評価

及び決算審査の導入

(24.6月~9月)

○市議会災害対策本部設置規程の策定

(24.6.26施行)

 ☞25.1.27~25.3.27対策本部設置

○決算審査と連動した予算審査に向け

た論点抽出及び予算審査を導入

(24.12月~25.3月)

○議会基本条例の一部を改正

(24.12.25)

66

年 度 主な出来事 組織設置等 具体的事例等

平成25年度 予算決算委員会の設置

(25.8.23施行)

第 4期議会制度検討委員会の

設置

(25.8.23~27.6.19)

○湊地区における給水施設未整備地区

の早期解消に関する決議を全会一致で

可決(25.6月定例会)

○「見て 知って 参加する ための手

引書 ~会津若松市議会白書 平成25

年版~」を作成(25.7月発行)

○議長選挙・副議長選挙に係る所信表

明会の実施(25.8.23)

平成26年度 政務活動費ガイドライン検討

委員会の設置

(27.1.13~27.3.24)

○「見て 知って 参加する ための手

引書 ~会津若松市議会白書 平成26

年版~」を作成、全戸配布

(26.7月発行)

○市民との意見交換会実施要領の一部

を改正(26.11.25)

○議会基本条例の一部を改正

(27.2.26)

○会津若松市議会政務活動費ガイドラ

インを作成(27.4.1~適用)

平成27年度 市議会議員選挙

(27.7.26)

第 5期議会制度検討委員会の

設置

(27.9.9~現在)

○「見て 知って 参加する ための手

引書 ~会津若松市議会白書 平成27

年版~」を作成(27.7月発行)

○議長選挙・副議長選挙に係る所信表

明会の実施(27.8.20)

○今後の議会改革について(方向性)

を決定(27.10月)

●議会改革に伴い増加した議会・議員活動(主なもの)について

 ・市民との意見交換会(地区別):年2回×15会場

 ・広報広聴委員会:年間20回以上

 ・政策討論会(全体会):年2回程度

 ・政策討論会(分科会):年10数回×4分科会

 ・政策討論会(議会制度検討委員会):年10回程度

 ・一般質問に係る情報交換会:年4回

 ・予算決算委員会(全体会):年8回

 ・予算決算委員会(分科会):年7回程度×4分科会

 ・予算審査決算審査準備会分科会:年6回程度×4分科会

 このほか市民との意見交換会に係る班ごとの打合せ・事後調査・報告書作成・次班への引継ぎなど。

67