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Instructions for use Title 負荷心筋血流SPECTにおける腹臥位撮像時に,負荷方法の違いが及ぼす影響に関する研究 Author(s) 前田, 佑介 Citation 北海道大学. 博士(医学) 甲第12577号 Issue Date 2017-03-23 DOI 10.14943/doctoral.k12577 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/65935 Type theses (doctoral) Note 配架番号:2318 File Information Yusuke_Maeda.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

学 位 論 文 負荷心筋血流 SPECT における腹臥位撮像時に, 負荷 … · 負荷心筋血流SPECT における腹臥位撮像時に, 負荷方法の違いが及ぼす影響に関する研究

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Instructions for use

Title 負荷心筋血流SPECTにおける腹臥位撮像時に,負荷方法の違いが及ぼす影響に関する研究

Author(s) 前田, 佑介

Citation 北海道大学. 博士(医学) 甲第12577号

Issue Date 2017-03-23

DOI 10.14943/doctoral.k12577

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/65935

Type theses (doctoral)

Note 配架番号:2318

File Information Yusuke_Maeda.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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学 位 論 文

負荷心筋血流 SPECTにおける腹臥位撮像時に,

負荷方法の違いが及ぼす影響に関する研究

(Studies on differences in perfusion between pharmacological

stress and exercise stress on prone myocardial SPECT)

2017年 3月

北 海 道 大 学

前 田 佑 介

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学 位 論 文

負荷心筋血流 SPECTにおける腹臥位撮像時に,

負荷方法の違いが及ぼす影響に関する研究

(Studies on differences in perfusion between pharmacological

stress and exercise stress on prone myocardial SPECT)

2017年 3月

北 海 道 大 学

前 田 佑 介

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目 次

目次

発表論文目録および学会発表目録・・・・・・・・・・・・・・・・・1

1.緒言

1-1. 心臓核医学検査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

1-2. 負荷方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

1-3. 放射性医薬品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

1-4. 減弱アーチファクトの概要と現状における対応策・・・・・・3

1-5. 本研究の背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2.略語表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

3.実験方法

3-1. 対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

3-2. 負荷方法及び放射性医薬品・・・・・・・・・・・・・・・・6

3-3. 使用機器及び撮像方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

3-4. 解析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

3-5. 統計解析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

4.実験結果

4-1. 仰臥位と腹臥位の違いについて・・・・・・・・・・・・・・8

4-2. 薬剤負荷と運動負荷の違いについて・・・・・・・・・・・・10

5.考察

5-1. 仰臥位撮像と腹臥位撮像の相違について・・・・・・・・・・12

5-2. 薬剤負荷と運動負荷の相違について・・・・・・・・・・・・12

5-3. 本研究の問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

6.総括および結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

7.謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

8.引用文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

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発表論文目録および学会発表目録

本研究の一部は以下の論文に発表した.

1. Yusuke Maeda, Naoki Kubo, Yoshiaki Futaki, Hideichi Tanaka, Daisuke

Hotta, Nagara Tamaki. Differences in perfusion between pharmacological

stress and exercise stress on prone myocardial SPECT. Ann Nucl Cardiol.

1, 44-49 (2016).

本研究の一部は以下の学会に発表した.

1. 前田佑介,久保直樹,藪文也,菅原宏昌,二木克明,田中秀一,堀田大介,

玉木長良.心筋 SPECTにおける腹臥位画像の負荷方法における相違について.

第 52回日本核医学会学術総会,2012/10/11-10/13,札幌市,北海道

2. 前田佑介,久保直樹,藪文也,菅原宏昌,二木克明,田中秀一,堀田大介,

玉木長良.心筋 SPECTにおける腹臥位画像の再構成方法による相違について.

第 53回日本核医学会学術総会,2013/11/8-11/10,福岡市,福岡県

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1. 緒 言

1-1. 心臓核医学検査の概要

心臓核医学検査とは,種々の生体の機能や代謝を評価できる物質を,99mTc あ

るいは 201Tl等の放射性同位元素にて標識し,シンチレーションカメラにて体内

の挙動を単一光子断層撮影法(Single Photon Emission Computed Tomography :

SPECT)にて撮像し,心筋血流量や心筋脂肪酸代謝を可視化し評価する画像診断

法である.

心臓核医学検査の一つに負荷心筋血流検査がある.この検査は,心筋の血流

分布を非観血的に評価,解析が可能である数少ない検査である.以前より虚血

性心疾患の診断には不可欠な検査とされ,エビデンスが豊富であることにより

国際的にも高く評価されている 1.X 線コンピューター断層撮影法(Computed

Tomography : CT)や磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging : MRI)に

おける心筋 Perfusion 検査も現在多くの施設で行われているが,造影剤の投与

量や被曝に関して多くの問題が存在し,エビデンスも未だ確立されてはいない2, 3.今後も虚血性心疾患に対する治療計画の立案時において心臓核医学検査は

重要な役割を果たすと考えられる.

1-2. 負荷方法

負荷を行う目的は,最大となる冠動脈血流下において狭窄病変により生じる

血流量の相対的差を描出することにある.一般的に,冠動脈狭窄が 50%以上と

なった場合では負荷時における心筋血流量が低下するとされる.虚血性心疾患

のガイドラインにも挙げられるように,X 線 CT 検査や血管造影検査において認

められた器質的狭窄に対し,負荷により冠血流を増加させた条件下で核医学検

査を行い,狭窄病変の機能的重症度を診断することが重要である 1.本邦にて行

われている負荷方法には運動負荷と薬剤負荷の 2種類が存在する.

1-3. 放射性医薬品

負荷心筋血流検査では,99mTc 血流製剤が現在最も広く使用されている.標識

化合物としては 99mTc-sestamibi (99mTc-MIBI),99mTc-tetrofosmin (99mTc-TF)

の 2 種類が存在する.これらは,従来用いられてきた 201Tl-chloride(201TlCl)

とは異なり,イオンチャンネルによる能動輸送を介さず,受動拡散により心筋

細胞に集積する.特徴として放出するγ線のエネルギーが 140KeVとガンマカメ

ラに最適であること,また心筋停留性が高いことから,投与後長時間経過して

からでも撮像可能であることが挙げられる 4.排泄経路は主に肝胆道系となって

おり,投与後早期においてはバックグラウンドとなる肝臓への集積が高くアー

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チファクトを生じさせることから 5,投与後 30 分以上経過してから撮像開始す

ることが望ましい.

1-4. 減弱アーチファクトの概要と現状における対応策

被検者へ投与された放射性医薬品から放出されるγ線は,検出器に至るまで

の過程における相互作用により減弱,散乱を受ける.体内より出る放射線は被

検体の内部臓器及び骨格筋等により減弱され,検出器へ到達する光子は減少及

び減衰する.このような影響はγ線のエネルギーが低いほど,また体内深部で

あるほど顕著である.心臓核医学検査では,diaphragmatic attenuationとして

発生する左室下壁部の擬欠損として以前より読影の障害とされてきた 6.そうし

た減弱アーチファクトへの対応策として,腹臥位による追加撮像法がある.撮

像時における体位を腹臥位とすることで,心臓と他の臓器との解剖学的位置関

係を変化させ,γ線の減弱アーチファクトを軽減させる方法が 1989年に Segall

らによって提唱された 7.この方法は被検者に対して被曝量の追加も無く,また

特殊な放射線装置,撮像器具を必要としない最も簡便な方法である.しかしな

がら,仰臥位と腹臥位の 2 つの体位による撮像を行うことによる検査時間の冗

長という欠点が存在したが,近年になりγ線に対して高感度となる半導体検出

器が用いられることでこの問題も解決され,現在では広く行われる対策法とな

った 8.

1-5. 本研究の背景と目的

SPECT撮像時における左室下壁部の減弱アーチファクトについては,外部線源,

X 線 CT を用いた場合いずれにおいても被検者の被曝量が増加する他,吸気停止

下か自由呼吸下かの呼吸位相の違いが画像に悪影響を及ぼす問題が存在する.

特に撮像時における呼吸方式の差が減弱補正にもたらす影響は顕著であり,横

隔膜直上に存在する左室下壁部を過補正ともする場合も存在し,未だその問題

に対する対応策は確立されてはいないのが現状である 9.ここで,腹臥位撮像に

関しては特殊な放射線照射装置,撮像機器は不必要であり,また被検者に対し

追加の被曝を与える必要もない.そうした有用性を考慮した結果,北海道循環

器病院における心筋血流 SPECT 検査では腹臥位を追加撮像する方式が採用され

た.

心臓核医学検査において負荷を行う場合,運動負荷と薬剤負荷の 2 種類があ

る.通常,運動耐容能も同時に測定するために運動負荷が第一選択とされ,高

齢,もしくは閉塞性下肢動脈疾患等の理由により運動が不可能で十分な負荷が

かけられないと判断された被検者に対してはジピリダモールによる薬剤負荷が

選択される.運動負荷と比較して薬剤負荷においては運動を行わない分,骨格

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筋に放射性医薬品が集積しないことから相対的に腹部臓器への集積が高まる 10.

こうした撮像目的部位以外への集積は,Filter Back Projection(FBP)法を用

いて画像再構成を行った場合,negative pixel haloという高集積周辺に負の重

ねづけによるマイナスのカウントを生じさせ,擬欠損を呈することがある 11.こ

こで,運動や薬剤といった負荷方法の違いにより,放射性医薬品の肝臓におけ

る集積が変化するのであれば,腹臥位撮像を行った際に下壁部の描出の改善度

にも差が生ずるのではないかとの仮説を立てた.本研究の目的は,腹臥位撮像

を行うことで,どの程度下壁部の減弱の影響を軽減させることができるかを検

討すること,そしてその効果が運動負荷と薬剤負荷の両者でどの程度異なるか,

を検討することにある.特に肝臓の薬剤の集積を定量的に解析することにより,

下壁部の減弱の影響がどのように心筋血流分布画像に影響を及ぼすか,を中心

に評価を進める.

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2. 略 語 表

FBP Filtered Back Projection(フィルタ補正逆投影法)

HU Hounsfield Unit

ROI region of interest(関心領域)

SPECT single photon emission computed tomography

(単一光子断層撮像法) 99mTc-MIBI 99mTc-sestamibi 99mTc-TF 99mTc-tetrofosmin

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3. 実 験 方 法

3-1. 対象

今回の検証では虚血性心疾患が疑われ,かつ以前に心筋梗塞の既往歴がない

方による負荷心筋血流 SPECT 検査を施行した,連続 41 名(運動負荷 20 名,薬

剤負荷 21名)を対象とする前向き研究とした.研究デザインは社会医療法人北

海道循環器病院の医師により承認され,かつ被検者全員から事前にインフォー

ムドコンセントを取得した.

3-2.負荷方法及び放射性医薬品

薬剤負荷ではジピリダモール(日本ベーリンガーインゲルハイム社,東京)

を 0.14 mg/kg/分で 4 分間かけて投与,2 分後に 99mTc-TF(日本メジフィジック

ス社,東京)を 259 MBq投与した 12.運動負荷ではエルゴメーターによる多段階

法を用い,被検者の年齢から算出される最大予想心拍に到達した時,99mTc-TFを

259 MBq投与した.下肢疲労,胸痛,心電図変化といった理由により最大予想心

拍に達しなかった場合は 99mTc-TF投与後,1分間運動負荷を行った 13.

3-3. 使用機器及び撮像方法

使用したガンマカメラは 2検出器型 Infinia(GE Medical Systems, Milwaukee,

WI)で,コリメータは低エネルギー汎用平行多孔型,処理装置は Xeleris(GE

Medical Systems, Milwaukee, WI)を用いた.負荷終了後 60分後から両上肢を

挙上した状態で 180 度収集 50 sec/step となる仰臥位撮像を行い,その後直ち

に 50 sec/stepの腹臥位撮像を追加した 14.全収集時間は 30分であった.エネ

ルギーピークは 140KeV に±10%のウィンドウを設定した.なお腹臥位は両上肢

を挙上し,両手背を顎の下におくか,もしくは前方へと伸展させるものとした.

撮像開始角度は仰臥位,腹臥位ともに右前斜位 45 度で,ステップ収集角度は 6

度とした 15.ピクセルサイズは 6.80 mmであった.マトリックス数は 64×64ピ

クセルであった.前処置フィルタとしてカットオフ周波数 0.40 cycles/cm,オ

ーダ 10.0となる Butter Worth Filterを用いた 16.Ramp Filterによる FBP法

を用いて再構成を行った.減弱補正,散乱線補正は行わなかった.

3-4. 解析方法

解析ソフトウェアは Heart Score View(日本メジフィジックス社,東京)を

用いた.心筋 SPECT 画像を極座標表示し,心尖部,前壁部,中隔部,下壁部,

側壁部の 5 つに分割し,放射性医薬品の仰臥位および腹臥位における各部位の

集積率を定量評価した 17.ここで,下壁部に着目し,腹臥位の集積率から仰臥位

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の集積率を差し引いた値を下壁増加率Δ% (%Uptake difference in inferior

wall)と定義した 18.

肝臓における放射性医薬品の集積を測定するために,仰臥位撮像時における

正面から撮像されたプラナー画像を解析した(図 1)19.長方形の関心領域(region

of interest: ROI)を作成し,解剖学的に同じ高さとなる位置の肝臓と下壁部

の集積比(Liver Heart Ratio)を測定し 20,前述の下壁増加率Δ%との相関係数

を算出した.

図 1 Liver Heart Ratioの測定方法.正面から撮像されたプラナー画像に対し,

同じ幅となる ROIを設け,肝臓と心臓の平均 countを測定し算出した.

3-5. 統計解析方法

得られた結果は全て平均±標準偏差にて示されている.統計的な手法として

対応のある t検定を用い,Liver Heart Ratioと下壁増加率の相関の強さを示す

際にはピアソンの相関係数を用いた.P 値が 0.05 より小さければ,統計学的に

有意差ありとした.統計ソフトウェアは SPSS(IBM, Chicago, IL)を用いた.

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4. 実 験 結 果

4-1. 仰臥位と腹臥位の違いについて

下壁部の集積率において,仰臥位撮像の集積率は 72.4±5.1%,腹臥位撮像の

集積率は 76.8±4.6%となり,腹臥位撮像で有意に集積率が高かった(P<0.01)

(図 2).また,前壁部の集積率においては,仰臥位撮像の集積率は 79.9±4.9%,

腹臥位撮像の集積率は 83.3±4.9%となり,腹臥位撮像で有意に集積率が低かっ

た(P<0.01)(図 3).心尖部,中隔部,側壁部においては,仰臥位撮像と腹臥位

撮像の集積率の間に有意差を認めなかった(表 1).

図 2 運動負荷,薬剤負荷を区別せず,全症例についての左室下壁部における仰

臥位撮像と腹臥位撮像の集積率の違いを示す.仰臥位撮像と比較し,腹臥位撮

像では下壁部の集積率が有意に上昇していた(P<0.01).

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図 3 運動負荷,薬剤負荷を区別せず,全症例についての左室前壁部における仰

臥位撮像と腹臥位撮像の集積率の違いを示す.仰臥位撮像と比較し,腹臥位撮

像では前壁部の集積率が有意に低下していた(P<0.01).

表 1 運動負荷,薬剤負荷を区別せず,全症例についての仰臥位撮像と腹臥位撮

像の各領域における集積率を示す.中隔部,心尖部,側壁部の領域では撮像体

位による集積率の有意差を認めなかった.

Supine (%) Prone (%) p-value

前壁部 83.3±4.9 79.9±4.9 p < 0.01

中隔部 73.9±6.5 74.4±5.4 ns

下壁部 72.4±5.1 76.8±4.6 p < 0.01

側壁部 83.1±4.4 83.3±4.8 ns

心尖部 79.5±6.1 80.2±7.1 ns

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4-2. 薬剤負荷と運動負荷の違いについて

薬剤負荷における下壁増加率Δ%は 5.59±2.86%であり,運動負荷の 3.18±

1.84%と比較し有意に高かった(P<0.05)(図 4).ここで,負荷方法の違いにお

ける Liver Heart Ratioの値を示す(図 5).薬剤負荷における Liver Heart Ratio

は 1.04±0.40%となり,運動負荷の 0.72±0.22%と比較し有意に高かった

(P<0.01).そして,下壁増加率Δ%と Liver Heart Ratio との間には強い正の

相関を認めた(y = 5.54x – 0.51, r = 0.74, P<0.05).これは Liver Heart Ratio

の値が高いほど,腹臥位撮像を行うことで下壁部の集積率が向上することを示

していた(図 6).

図 4 負荷方法の違いによる下壁増加率Δ%を示す.薬剤負荷では,運動負荷よ

りも有意に腹臥位撮像を行った際に下壁部の集積が改善していた(P<0.05).

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図 5 負荷方法の違いにおける Liver Heart Ratioを示す.薬剤負荷では,運動

負荷よりも有意に肝臓における放射性医薬品の集積が高かった(P<0.05).

図 6 Liver Heart Ratioと下壁部増加率Δ%との相関を示す.Liver Heart Ratio

が高いほど,つまり,肝臓に放射性医薬品の集積を多く認めた場合については,

腹臥位撮像を行うことによって下壁部の集積率が改善する傾向にあった

(P<0.05).

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5. 考 察

5-1. 仰臥位撮像と腹臥位撮像の相違について

腹臥位撮像時に,仰臥位と比較して下壁部の有意な集積改善を認めた.下壁

部の集積は肝臓や横隔膜のγ線の減弱によって低くみなされることがしばしば

あった.Ball らは腹臥位とすることで,心臓が胸壁側へ移動すると共に,肝臓

と脾臓とが頭尾方向へ下がることを報告した 21.今回の検証の結果として,腹臥

位とすることで心臓と腹部臓器との重なりが小さくなり,その結果下壁部の集

積の見かけ上の集積低下を軽減させることができたと考える.この結果はこれ

までの報告と同等と考えられる.他方左室前壁部において,腹臥位撮像では仰

臥位撮像よりも集積率が有意に低かったことについては,下壁部の集積が増加

した結果,相対的に低下した可能性が考えられた.さらには心臓が胸骨といっ

た骨組織との距離が小さくなり,それにより減弱アーチファクトが生じたもの

と考えられた 22.更に,17segments に心筋を分割させた場合,中隔部,側壁部

の基部側にも有意差は生ずると報告されているが 23,今回の検証については,

5segmentsに分類したこと,及び解析に使用したソフトウェアが異なり,極座標

表示させる際のアルゴリズムが違うために,有意差は生じなかったものと考え

られた.仰臥位撮像と腹臥位撮像においては異なった SPECT 画像を呈すること

から,臨床においてはどちらか一方を撮像するのではなく,両方を撮像するこ

とで,実際の虚血による集積低下か,あるいは減弱によるアーチファクトかの

判定をすることができると考えられる.

5-2. 薬剤負荷と運動負荷の相違について

運動負荷よりも薬剤負荷にて,肝臓における放射性医薬品の高集積を認めた.

腹臥位の撮像と仰臥位の撮像による下壁部の集積の変化を,負荷法の差から検

討した報告は,これが最初である.運動負荷は,消化管から筋組織への血流の

シャント効果をもたらし,大腿筋等の骨格筋に血流が増すものと考えられ,過

去の報告を支持するものであった 24.他方薬剤負荷は,全身の血管を拡張させる

ことで,消化器系への血流を増加させる結果,肝臓の集積が増加すると考えら

れる.こうした肝臓における放射性医薬品の高集積は,FBP法を用いて画像再構

成を行う際,その近傍に負の値をもたせる negative pixel halo を生じさせ,

擬陽性所見となることが報告されている 5, 11.そしてこの影響は,肝臓における

集積が多いほど,及び肝臓と心臓との位置が近いほど顕著である.今回の検証

においても,仰臥位撮像時,Liver Heart Ratioの値が高い場合は,肝臓による

negative pixel haloの影響は大きいものと考えられた.しかしながら,腹臥位

撮像を行うことで,心臓と肝臓との解剖学的位置関係が変化し,肝臓がもたら

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すアーチファクトの影響が小さくなり,結果として下壁部の描出能が向上した.

今回の検証により,臨床にて仰臥位撮像時に下壁部の集積低下を認めた場合,

腹臥位撮像を追加するかの判断には,心臓と腹部臓器の位置関係と,肝臓にお

ける放射性医薬品の集積とを併せて決定する必要があると考えられた.

5-3. 本研究の課題

第一に,肝臓より生じた negative pixel halo のきたす影響については,肝

臓における放射性医薬品の集積だけではなく,肝臓と心臓との位置関係も一因

となる点である.高集積が存在していた場合,距離が短いほど negative pixel

haloの影響は大きくなる 25.今回,撮像時におけるピクセルサイズが 6.80mmと

大きいことから,心臓と肝臓とがなす正確な距離を計測することが不可能であ

った.仮に,SPECT画像の画質を担保しつつピクセルサイズを細かくし,距離を

測定することを試みた場合,撮像時間が 1 時間以上必要となる.故に,今回の

検証において位置関係を測定することは不可能であると考えられた.

第二に,肝臓における放射性医薬品の集積について,撮像時間中は臓器から

の代謝,排泄がなく,一定であるものと仮定して検証を行っている点である.

心外高集積による negative pixel halo の影響は,撮像時間中に集積が変化し

た場合,画像再構成する際にデータに矛盾が生じ,より強いものとなる 26.今回

の検証は,99mTc-TF の肝胆系からの排泄を待つため,投与後 60 分経過した後に

撮像を開始した.しかしながら,肝臓に放射性医薬品が残存している被検者も

多数存在した.artifact を存在させない程度までに胆嚢及び肝臓の放射能を低

下させるには,放射性医薬品投与後 90分以上時間を経過させる必要があると報

告されているが 27,検査のスループットを考慮すると,実現させることは難しい.

今回の手法はこれらの限界を踏まえた上で,更なる改善を要する.

最後にこの検討結果をどのように日常臨床に活用するかについて,の検討が

不十分であった.ただ腹臥位撮像によるアーチファクトの軽減が証明されたの

で,今後はより多くの症例で検討を加え,虚血性心疾患の診断精度がどの程度

改善されるかについての,臨床的検討が必要と考える.

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6. 総括および結論

6.1 本研究で得られた新知見

・運動負荷と比較し薬剤負荷において腹臥位撮像を行った際には,左室下壁部

の集積がより顕著に改善することが明らかとなった.

・下壁描出能の改善について,心臓と横隔膜との位置関係の変化だけでなく,

肝臓を主体とする腹部臓器がきたす心外高集積と密接な関係をもつことが明ら

かとなった.

6.2 新知見の意義

負荷心筋血流 SPECT 検査にて,仰臥位撮像を終えた後に,心臓と肝臓との位

置関係と放射性医薬品の肝臓における集積とを併せて考慮することで,腹臥位

撮像を追加した場合の下壁部の描出能の改善度が予測可能になるものと考えら

れる.被検者全員に対して仰臥位撮像と腹臥位撮像の両方を行うことは,撮像

時間の延長及び検査のスループットの悪化を招く.しかし,今回の検証結果を

踏まえることによって腹臥位撮像が有効となりうる被検者を事前に選別するこ

とができる.

6.3 本研究で得られた新知見から今後展開される研究

被検者が 41名と少なかったことにより,診断精度に関する検証が不可能であ

った.我々は今回,放射性医薬品の集積傾向を知るために,冠動脈疾患の有無

に関わらず検証を行った.しかし,心筋梗塞の既往歴のある方については,大

きく集積が欠損する可能性を持つため除外した.今後,多くの症例を対象とし

た検証を加えることで,負荷方法別,すなわち薬剤負荷と運動負荷とに分けら

れた適切な normal data baseを作成できることが示唆された.また,冠動脈造

影検査の所見との比較も行なっていくべきであり,今後被検者数を増加させた

研究が期待される.

6.4 今後の展望

今回,仰臥位撮像と腹臥位撮像を併せて行うのに 30分という長い撮像時間を

要した.長時間の撮像は,被検者の体動によるアーチファクトを引き起こす問

題がある.これは仰臥位撮像と腹臥位撮像の両者を実施しているためであり,

当面は両者が必要と考える.腹臥位撮像だけで判断できるかどうか,について

は今後の課題と思われる.近年半導体を用いた心臓専用のガンマカメラが臨床

において使用されつつあり,これはγ線に対して非常に高感度となっているた

め,撮像時間を短縮することが可能である.今後は半導体検出器が高解像度で

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ある特性を生かし,肝臓と心臓がなす距離とした解剖学的位置関係がきたす要

因について検証を加える必要がある.他方,近年は画像再構成法も進歩してお

り,肝臓などの周囲臓器の集積の影響を受けにくい改良法も登場している.そ

のような新しい手法を導入することで,今回明らかとなった仰臥位撮像の課題

をどの程度克服することができるか,も検討することが望まれる.

今回の研究結果の価値は,多くの臨床例に実施して,腹臥位撮像を加えるこ

とによる診断精度の向上など,臨床各科の先生方に活用していただくことが何

より重要と考える.

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7. 謝 辞

本研究を遂行,本稿をまとめるにあたり,終始御懇篤なる御指導,御鞭撻を

賜った北海道大学大学院医学研究科病態情報学講座核医学分野,玉木長良教授

に深く御礼申し上げる.

並びに,在学期間に多くの貴重な御教示を賜った北海道大学安全衛生本部,

久保直樹特任准教授に深く感謝の意を表する.

また,諸手続き等を含め,様々な御協力を頂いた核医学分野医局秘書の皆様,

多くの活発な議論の場を設けて下さった社会医療法人北海道循環器病院循環器

内科,診療放射線科の皆様に深く感謝の意を表する.

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