10
小腸上部 小腸下部 大腸 小腸粘膜上皮細胞 小腸内腔 毛細血管 α -グルコシダーゼ 二糖類 単糖類 ミグリトール 食物として摂取された炭水化物が体内に吸収され血中へ移行するには、最終的に二糖類水解酵素 α -グルコシダーゼ)により単糖類にまで消化されることが必要です。 ミグリトールは小腸上部の粘膜上皮細胞の刷子縁に存在する二糖類水解酵素を競合的に阻害すること により、糖質の消化・吸収を遅延させ、食後血糖の上昇を抑制します。 さらにミグリトールは小腸上部で α -グルコシダーゼ阻害作用を発揮しながら、本剤自体が吸収され小腸 下部へ移行する薬物量が少なくなります。その結果、小腸下部におけるミグリトールの α -グルコシダーゼ 阻害作用は減弱し、未消化の糖質が徐々に消化・吸収されていきます。 2. 作用機序 ●消化管における糖質の吸収とセイブル(ミグリトール)の作用 54

薬効薬理 2. 作用機序 α- - skk-net.com...4,000 5,000 6,000 糖質負荷30分前投与 糖質負荷同時投与 糖質負荷30分後投与 (mg/kg) *** ** ***

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ミグリトール服用時小腸上部

小腸下部

大腸

α-グルコシダーゼ阻害剤非服用時

二糖類単糖類

❶ ミグリトールは、糖の消化・吸収が盛んな小腸上部でα-グルコシダーゼを阻害するため、食後の急峻な血糖上昇を抑制し、血糖のピークを低下させます。同時にミグリトール自体は小腸上部から吸収されていきます。

❸ 吸収されなかった未消化の糖質が大腸に到達した場合、腹部膨満・鼓腸・下痢といったα-グルコシダーゼ阻害剤に特徴的な消化器症状の原因になることがあります。

❷ 小腸下部では、ミグリトールの薬物濃度が低下するためα-グルコシダーゼ阻害活性が減弱し、糖質の消化が進み、糖の吸収が起こります。その結果、血糖のピークが後ろにずれ、なだらかな血糖推移を示します。

小腸上部

小腸下部

大腸

小腸上部

小腸下部

小腸粘膜上皮細胞 小腸内腔毛細血管

α-グルコシダーゼ二糖類単糖類

ミグリトール

食物として摂取された炭水化物はα-アミラーゼやα-グルコシダーゼにより単糖類にまで分解され、そのほとんどが小腸上部から吸収されます。その結果、食後の血糖値の推移は、下図のような急峻なピークを示します。

食物として摂取された炭水化物が体内に吸収され血中へ移行するには、最終的に二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)により単糖類にまで消化されることが必要です。ミグリトールは小腸上部の粘膜上皮細胞の刷子縁に存在する二糖類水解酵素を競合的に阻害することにより、糖質の消化・吸収を遅延させ、食後血糖の上昇を抑制します。さらにミグリトールは小腸上部でα-グルコシダーゼ阻害作用を発揮しながら、本剤自体が吸収され小腸下部へ移行する薬物量が少なくなります。その結果、小腸下部におけるミグリトールのα-グルコシダーゼ阻害作用は減弱し、未消化の糖質が徐々に消化・吸収されていきます。

2. 作用機序

ミグリトールは糖質の消化・吸収を遅延させ、食後の血糖推移をなだらかにします。

血糖値

時間

●消化管における糖質の吸収とセイブル(ミグリトール)の作用

薬効薬理

54

Page 2: 薬効薬理 2. 作用機序 α- - skk-net.com...4,000 5,000 6,000 糖質負荷30分前投与 糖質負荷同時投与 糖質負荷30分後投与 (mg/kg) *** ** ***

ミグリトール服用時小腸上部

小腸下部

大腸

α-グルコシダーゼ阻害剤非服用時

二糖類単糖類

❶ ミグリトールは、糖の消化・吸収が盛んな小腸上部でα-グルコシダーゼを阻害するため、食後の急峻な血糖上昇を抑制し、血糖のピークを低下させます。同時にミグリトール自体は小腸上部から吸収されていきます。

❸ 吸収されなかった未消化の糖質が大腸に到達した場合、腹部膨満・鼓腸・下痢といったα-グルコシダーゼ阻害剤に特徴的な消化器症状の原因になることがあります。

❷ 小腸下部では、ミグリトールの薬物濃度が低下するためα-グルコシダーゼ阻害活性が減弱し、糖質の消化が進み、糖の吸収が起こります。その結果、血糖のピークが後ろにずれ、なだらかな血糖推移を示します。

小腸上部

小腸下部

大腸

小腸上部

小腸下部

小腸粘膜上皮細胞 小腸内腔毛細血管

α-グルコシダーゼ二糖類単糖類

ミグリトール

食物として摂取された炭水化物はα-アミラーゼやα-グルコシダーゼにより単糖類にまで分解され、そのほとんどが小腸上部から吸収されます。その結果、食後の血糖値の推移は、下図のような急峻なピークを示します。

食物として摂取された炭水化物が体内に吸収され血中へ移行するには、最終的に二糖類水解酵素(α-グルコシダーゼ)により単糖類にまで消化されることが必要です。ミグリトールは小腸上部の粘膜上皮細胞の刷子縁に存在する二糖類水解酵素を競合的に阻害することにより、糖質の消化・吸収を遅延させ、食後血糖の上昇を抑制します。さらにミグリトールは小腸上部でα-グルコシダーゼ阻害作用を発揮しながら、本剤自体が吸収され小腸下部へ移行する薬物量が少なくなります。その結果、小腸下部におけるミグリトールのα-グルコシダーゼ阻害作用は減弱し、未消化の糖質が徐々に消化・吸収されていきます。

2. 作用機序

ミグリトールは糖質の消化・吸収を遅延させ、食後の血糖推移をなだらかにします。

血糖値

時間

●消化管における糖質の吸収とセイブル(ミグリトール)の作用

薬効薬理

55

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(3)各種糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(ラット)44)

異なる種類の糖質を負荷した際の血糖上昇に対するミグリトールの作用について、正常ラットを用いて検討したところ、グルコースを除く全ての糖質負荷後の血糖上昇を抑制しました。

対  象:SDラット方  法:絶食させたSDラットにミグリトール(1、3、10、100mg/kg)及び各種糖質(α化でんぷん1g/kg、生でんぷん2g/kg、

スクロース2g/kg、グルコース2.5g/kg)を同時に経口投与した。

●各種糖質負荷後血糖上昇に対する作用

(mg/dL)230

50

血糖値

Mean±SE、n=6 *:p<0.05 **:p<0.01***:p<0.001

(Dunnett の多重比較検定、vs 対照群)

80

110

140

170

200

[α化でんぷん1g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

対照群ミグリトール 1mg/kgミグリトール 3mg/kg

ミグリトール 10mg/kgミグリトール 100mg/kg

(mg/dL)230

50

血糖値

80

110

140

170

200

[生でんぷん2g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

(mg/dL)230

50

血糖値

110

140

170

200

80

[スクロース2g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

(mg/dL)230

50

血糖値

80

110

140

170

200

[グルコース2.5g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

(2)糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(ラット)44)

正常ラットを用いて、糖質負荷後の血糖上昇に対するミグリトールの作用について検討したところ、ミグリトールは正常ラットの糖質負荷後の血糖上昇を用量依存的に抑制し、この作用はミグリトールを糖質と同時に投与した場合に最も強くなりました。

対  象:SDラット方  法:絶食させたSDラットにα化でんぷん1g/kgを経口負荷し、ミグリトール(1、3、10mg/kg)を糖質負荷の30分前、

同時、及び30分後に投与した。

●投与時期による糖質負荷後血糖上昇に対する作用(mg・min/dL)

1,000

01対照群 3 10

ミグリトール群

⊿AU

C0-

60

Mean±SE、n=6 **:p<0.01***:p<0.001

(Dunnett の多重比較検定、 vs 対照群)

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

糖質負荷30分前投与糖質負荷同時投与糖質負荷30分後投与

(mg/kg)

*****

***

薬効薬理

ラット小腸由来の精製α-グルコシダーゼの阻害作用について検討したところ、ミグリトールはα-グルコシダーゼを競合的に阻害しました。また、ミグリトールはα-アミラーゼを阻害しませんでした。

3. 非臨床試験

スクラーゼ-イソマルターゼ複合体 スクラーゼ イソマルターゼグルコアミラーゼ-マルターゼ複合体 マルターゼ

Mean、n=3

ミグリトール アカルボース ボグリボースKi(μmol/L)

対  象:ラット小腸由来精製α-グルコシダーゼ方  法:ラット小腸から精製したスクラーゼ-イソマルターゼ複合体のスクラーゼ活性、イソマルターゼ活性及びグルコアミ

ラーゼ-マルターゼ複合体のマルターゼ活性の各種阻害剤による阻害定数、及びミグリトールの阻害様式を求めた。

0.0870.45

0.38

0.5455

0.0057

0.0240.27

0.021

(1)α-グルコシダーゼ阻害作用( )42、43)in vitro

(Ki:酵素-阻害剤複合体の結合解離定数)

●ラット小腸由来の精製α-グルコシダーゼに対する阻害定数

スクラーゼイソマルターゼグルコアミラーゼトレハラーゼラクターゼ

二糖類水解酵素活性文献

Mean±SE、n=3

アカルボースKi(μmol/L)

対  象:ラット小腸刷子縁のα-グルコシダーゼ方  法:ラットの小腸刷子縁を用いて、スクラーゼ、イソマルターゼ、グルコアミラーゼ、トレハラーゼ及びラクターゼの各

種阻害剤による阻害定数を求めた。

(Ki:酵素-阻害剤複合体の結合解離定数)  -:阻害作用なし  n.d.:実施せず

●ラット小腸刷子縁のα-グルコシダーゼに対する阻害定数

ミグリトール

0.026±0.0030.35±0.05

n.d.--

0.50±0.07125±11

n.d.--

0.9946.30.009

--

0.0860.360.2149

4.85

ボグリボース38) 39) 38) 38)39)

0.10±0.020.82±0.10

n.d.

5.0±0.581±5

***

******

**

**

***** ***

*****

**

***

***

**

******

*** **

56

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(3)各種糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(ラット)44)

異なる種類の糖質を負荷した際の血糖上昇に対するミグリトールの作用について、正常ラットを用いて検討したところ、グルコースを除く全ての糖質負荷後の血糖上昇を抑制しました。

対  象:SDラット方  法:絶食させたSDラットにミグリトール(1、3、10、100mg/kg)及び各種糖質(α化でんぷん1g/kg、生でんぷん2g/kg、

スクロース2g/kg、グルコース2.5g/kg)を同時に経口投与した。

●各種糖質負荷後血糖上昇に対する作用

(mg/dL)230

50

血糖値

Mean±SE、n=6 *:p<0.05 **:p<0.01***:p<0.001

(Dunnett の多重比較検定、vs 対照群)

80

110

140

170

200

[α化でんぷん1g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

対照群ミグリトール 1mg/kgミグリトール 3mg/kg

ミグリトール 10mg/kgミグリトール 100mg/kg

(mg/dL)230

50

血糖値

80

110

140

170

200

[生でんぷん2g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

(mg/dL)230

50

血糖値

110

140

170

200

80

[スクロース2g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

(mg/dL)230

50

血糖値

80

110

140

170

200

[グルコース2.5g/kg]

0 30 60負荷後時間

90 120(分)

(2)糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(ラット)44)

正常ラットを用いて、糖質負荷後の血糖上昇に対するミグリトールの作用について検討したところ、ミグリトールは正常ラットの糖質負荷後の血糖上昇を用量依存的に抑制し、この作用はミグリトールを糖質と同時に投与した場合に最も強くなりました。

対  象:SDラット方  法:絶食させたSDラットにα化でんぷん1g/kgを経口負荷し、ミグリトール(1、3、10mg/kg)を糖質負荷の30分前、

同時、及び30分後に投与した。

●投与時期による糖質負荷後血糖上昇に対する作用(mg・min/dL)

1,000

01対照群 3 10

ミグリトール群

⊿AU

C0-

60

Mean±SE、n=6 **:p<0.01***:p<0.001

(Dunnett の多重比較検定、 vs 対照群)

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

糖質負荷30分前投与糖質負荷同時投与糖質負荷30分後投与

(mg/kg)

*****

***

薬効薬理

ラット小腸由来の精製α-グルコシダーゼの阻害作用について検討したところ、ミグリトールはα-グルコシダーゼを競合的に阻害しました。また、ミグリトールはα-アミラーゼを阻害しませんでした。

3. 非臨床試験

スクラーゼ-イソマルターゼ複合体 スクラーゼ イソマルターゼグルコアミラーゼ-マルターゼ複合体 マルターゼ

Mean、n=3

ミグリトール アカルボース ボグリボースKi(μmol/L)

対  象:ラット小腸由来精製α-グルコシダーゼ方  法:ラット小腸から精製したスクラーゼ-イソマルターゼ複合体のスクラーゼ活性、イソマルターゼ活性及びグルコアミ

ラーゼ-マルターゼ複合体のマルターゼ活性の各種阻害剤による阻害定数、及びミグリトールの阻害様式を求めた。

0.0870.45

0.38

0.5455

0.0057

0.0240.27

0.021

(1)α-グルコシダーゼ阻害作用( )42、43)in vitro

(Ki:酵素-阻害剤複合体の結合解離定数)

●ラット小腸由来の精製α-グルコシダーゼに対する阻害定数

スクラーゼイソマルターゼグルコアミラーゼトレハラーゼラクターゼ

二糖類水解酵素活性文献

Mean±SE、n=3

アカルボースKi(μmol/L)

対  象:ラット小腸刷子縁のα-グルコシダーゼ方  法:ラットの小腸刷子縁を用いて、スクラーゼ、イソマルターゼ、グルコアミラーゼ、トレハラーゼ及びラクターゼの各

種阻害剤による阻害定数を求めた。

(Ki:酵素-阻害剤複合体の結合解離定数)  -:阻害作用なし  n.d.:実施せず

●ラット小腸刷子縁のα-グルコシダーゼに対する阻害定数

ミグリトール

0.026±0.0030.35±0.05

n.d.--

0.50±0.07125±11

n.d.--

0.9946.30.009

--

0.0860.360.2149

4.85

ボグリボース38) 39) 38) 38)39)

0.10±0.020.82±0.10

n.d.

5.0±0.581±5

***

******

**

**

***** ***

*****

**

***

***

**

******

*** **

57

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(4)消化管の糖質吸収に対する作用(ラット)44)

スクロース負荷後の血糖値、肝グリコーゲン含量及び消化管のスクロース残存量から、ミグリトールが消化管の糖質吸収に与える影響をラットを用いて検討したところ、10mg/kg以下の投与では、糖質の吸収量に影響することなくミグリトールの用量に応じて糖質吸収を遅延することが示されました。

●血糖上昇に対する作用

●消化管内スクロース残存量に対する作用

●肝グリコーゲン含量に対する作用

スクロース残存量(mg)

スクロース負荷後時間

小腸(上部20cm)

小腸(下部20cm)

盲腸

大腸

総量

小腸(中央部)

806040200

Mean±SEn=6 *:p<0.05 **:p<0.01***:p<0.001

(Dunnettの多重比較検定、vs 対照群)

30

20

10

0

120906030

0

8060

2040

0

20015010050

0

40

20

0

200

300

100

0

***

******

1 3 6

対照群 ミグリトール 3mg/kg ミグリトール 10mg/kg ミグリトール 30mg/kg

対  象:SDラット方  法:絶食させたSDラットにミグリトール(1、3、10、30mg/kg)をスクロース2.5g/kgと同時に経口投与し、血糖値、

肝グリコーゲン含量及び消化管各部位のスクロース残存量を測定した。

(時間)

 薬効薬理

***

***

***

**

(mg/dL)

50

0

負荷後時間

血糖値

100

150

200

250

10 2 3 4 5 6 7 (時間)

-:測定せず

Mean、n=6***:p<0.001

(Dunnettの多重比較検定、 vs 対照群)

対照群ミグリトール 3mg/kg

10mg/kg30mg/kg

群 用量(経口)

AUC0-6h(mg・h/dL)

抑制率(%)

845.8812.9731.8634.1

- 3.913.525.0

***

******

***

(mg/liver)

20

0

負荷後時間

肝グリコーゲン含量 40

60

80

100

120

140 ミグリトール3mg/kgミグリトール10mg/kg

0 2 31 4 5 6 (時間)

Mean、n=6 **:p<0.01 ***:p<0.001

(Dunnettの多重比較検定、 vs 対照群)

対照群

ミグリトール30mg/kg

ミグリトール3mg/kgミグリトール10mg/kg

対照群

ミグリトール30mg/kg

*********

*****

*********

***

**** *

**

******

***

**

***

***

***

***

***

**

***

***

******

**

***

(一部改変)

(一部改変)

(一部改変)

58

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(4)消化管の糖質吸収に対する作用(ラット)44)

スクロース負荷後の血糖値、肝グリコーゲン含量及び消化管のスクロース残存量から、ミグリトールが消化管の糖質吸収に与える影響をラットを用いて検討したところ、10mg/kg以下の投与では、糖質の吸収量に影響することなくミグリトールの用量に応じて糖質吸収を遅延することが示されました。

●血糖上昇に対する作用

●消化管内スクロース残存量に対する作用

●肝グリコーゲン含量に対する作用

スクロース残存量(mg)

スクロース負荷後時間

小腸(上部20cm)

小腸(下部20cm)

盲腸

大腸

総量

小腸(中央部)

806040200

Mean±SEn=6 *:p<0.05 **:p<0.01***:p<0.001

(Dunnettの多重比較検定、vs 対照群)

30

20

10

0

120906030

0

8060

2040

0

20015010050

0

40

20

0

200

300

100

0

***

******

1 3 6

対照群 ミグリトール 3mg/kg ミグリトール 10mg/kg ミグリトール 30mg/kg

対  象:SDラット方  法:絶食させたSDラットにミグリトール(1、3、10、30mg/kg)をスクロース2.5g/kgと同時に経口投与し、血糖値、

肝グリコーゲン含量及び消化管各部位のスクロース残存量を測定した。

(時間)

 薬効薬理

***

***

***

**

(mg/dL)

50

0

負荷後時間

血糖値

100

150

200

250

10 2 3 4 5 6 7 (時間)

-:測定せず

Mean、n=6***:p<0.001

(Dunnettの多重比較検定、 vs 対照群)

対照群ミグリトール 3mg/kg

10mg/kg30mg/kg

群 用量(経口)

AUC0-6h(mg・h/dL)

抑制率(%)

845.8812.9731.8634.1

- 3.913.525.0

***

******

***

(mg/liver)

20

0

負荷後時間

肝グリコーゲン含量 40

60

80

100

120

140 ミグリトール3mg/kgミグリトール10mg/kg

0 2 31 4 5 6 (時間)

Mean、n=6 **:p<0.01 ***:p<0.001

(Dunnettの多重比較検定、 vs 対照群)

対照群

ミグリトール30mg/kg

ミグリトール3mg/kgミグリトール10mg/kg

対照群

ミグリトール30mg/kg

*********

*****

*********

***

**** *

**

******

***

**

***

***

***

***

***

**

***

***

******

**

***

(一部改変)

(一部改変)

(一部改変)

59

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(5)2型糖尿病モデル動物における糖質負荷後の血糖上昇に対する作用  (ラット、スナネズミ)非肥満及び肥満2型糖尿病モデル動物を用いて、ミグリトールの糖質負荷後の血糖上昇抑制作用を検討したところ、ミグリトールは糖質負荷後の血糖上昇を用量に依存して抑制しました。

●非肥満2型糖尿病モデル動物の糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(ラット)45、46)

対  象:GKラット方  法:絶食させたGKラットにミグリトール(1、3、10mg/kg)及びスクロース2g/kgを同時に経口投与した。

対  象:糖尿病スナネズミ方  法:絶食させた糖尿病スナネズミにミグリトール(2.5、5、10mg/kg)又はアカルボース(2.5、5、10mg/kg)を   

糖質(α化したジャガイモでんぷん5g/kg)と同時に経口投与した。

●肥満2型糖尿病モデル動物の糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(スナネズミ)47)

(mg/dL)100

0

20

40

60

80

[ミグリトール]

0 30 60 90 120 150(分)負荷後時間

対照群ミグリトール 2.5mg/kgミグリトール 5mg/kgミグリトール 10mg/kg

対照群アカルボース 2.5mg/kgアカルボース 5mg/kgアカルボース 10mg/kg

[アカルボース]

対照群 1ミグリトール群

3 10 (mg/kg)

(mg・h/dL)

⊿AU

C0-

1h⊿血

糖値

⊿血糖

***

0

50

100

150

200Mean±SD、n=8 *:p<0.05**:p<0.01

(Dunnettの多重比較検定、 vs 対照群)

(mg/dL)100

0

20

40

60

80

0 30 60 90 120 150(分)負荷後時間

Mean±SE、n=6~10*:p<0.05 (分散分析、vs 対照群)

Mean±SE、n=6~10*:p<0.05 (分散分析、vs 対照群)

**

**

1. 一般薬理48)

試験項目 動物(n) 投与経路投与量(mg/kg) 試験成績

一般症状

中枢神経系

自律神経系

消化器系

電解質代謝系及びその他

呼吸

循環器系

一般症状及び行動に及ぼす影響

自発運動に及ぼす影響(open field法)

麻酔増強作用(ヘキソバルビタール麻酔)

痙攣に対する作用1 最大電撃痙攣2 ペンチレンテトラゾール痙攣

鎮痛作用(hot plate法)

体温に及ぼす影響

筋弛緩作用(懸垂法)

運動協調性(回転棒法)

カタレプシー作用

呼吸運動に及ぼす影響

血圧、心拍数、血流量、心収縮力及び心電図に及ぼす影響

胃腸管内輸送能(炭末法)

胃粘膜に対する作用

胃液分泌に対する作用

尿量及び尿中電解質に及ぼす影響

血液学的パラメータに及ぼす影響

血液凝固系に及ぼす影響

血小板凝集に及ぼす影響(コラーゲン誘発)

摘出平滑筋に及ぼす影響(摘出回腸)1 自動運動2 各収縮薬による収縮 (アセチルコリン、セロトニン、  ヒスタミン、塩化バリウム)

ラット(6)

ラット (10)

マウス(10)

マウス(10)

マウス(10)

ラット(6)

マウス(10)

マウス(10)

ラット(5)

麻酔モルモット(4~6)

麻酔犬(6)

ラット(5)

ラット(20)

ラット(8)

ラット(10)

ラット(4~5)

ラット(4~5)

ラット(5)

モルモット(4)

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

影響なし

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

十二指腸内30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

十二指腸内30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

in vitro10-7、10-6、10-5、10-4g/mL

1例で投与後30及び45分に流涎、60分以降は消失

(300mg/kg)

影響なし

影響なし

1 影響なし2 痙攣誘発閾値の軽度低下(100及び300mg/kg)

30~90分に体温の軽度低下(300mg/kg)

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

尿中Na+、Cl-排泄量の軽度増加(300mg/kg)

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

薬効薬理 一般薬理試験及び毒性試験

60

Page 8: 薬効薬理 2. 作用機序 α- - skk-net.com...4,000 5,000 6,000 糖質負荷30分前投与 糖質負荷同時投与 糖質負荷30分後投与 (mg/kg) *** ** ***

(5)2型糖尿病モデル動物における糖質負荷後の血糖上昇に対する作用  (ラット、スナネズミ)非肥満及び肥満2型糖尿病モデル動物を用いて、ミグリトールの糖質負荷後の血糖上昇抑制作用を検討したところ、ミグリトールは糖質負荷後の血糖上昇を用量に依存して抑制しました。

●非肥満2型糖尿病モデル動物の糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(ラット)45、46)

対  象:GKラット方  法:絶食させたGKラットにミグリトール(1、3、10mg/kg)及びスクロース2g/kgを同時に経口投与した。

対  象:糖尿病スナネズミ方  法:絶食させた糖尿病スナネズミにミグリトール(2.5、5、10mg/kg)又はアカルボース(2.5、5、10mg/kg)を   

糖質(α化したジャガイモでんぷん5g/kg)と同時に経口投与した。

●肥満2型糖尿病モデル動物の糖質負荷後の血糖上昇に対する作用(スナネズミ)47)

(mg/dL)100

0

20

40

60

80

[ミグリトール]

0 30 60 90 120 150(分)負荷後時間

対照群ミグリトール 2.5mg/kgミグリトール 5mg/kgミグリトール 10mg/kg

対照群アカルボース 2.5mg/kgアカルボース 5mg/kgアカルボース 10mg/kg

[アカルボース]

対照群 1ミグリトール群

3 10 (mg/kg)

(mg・h/dL)

⊿AU

C0-

1h⊿血

糖値

⊿血糖

***

0

50

100

150

200Mean±SD、n=8 *:p<0.05**:p<0.01

(Dunnettの多重比較検定、 vs 対照群)

(mg/dL)100

0

20

40

60

80

0 30 60 90 120 150(分)負荷後時間

Mean±SE、n=6~10*:p<0.05 (分散分析、vs 対照群)

Mean±SE、n=6~10*:p<0.05 (分散分析、vs 対照群)

**

**

1. 一般薬理48)

試験項目 動物(n) 投与経路投与量(mg/kg) 試験成績

一般症状

中枢神経系

自律神経系

消化器系

電解質代謝系及びその他

呼吸

循環器系

一般症状及び行動に及ぼす影響

自発運動に及ぼす影響(open field法)

麻酔増強作用(ヘキソバルビタール麻酔)

痙攣に対する作用1 最大電撃痙攣2 ペンチレンテトラゾール痙攣

鎮痛作用(hot plate法)

体温に及ぼす影響

筋弛緩作用(懸垂法)

運動協調性(回転棒法)

カタレプシー作用

呼吸運動に及ぼす影響

血圧、心拍数、血流量、心収縮力及び心電図に及ぼす影響

胃腸管内輸送能(炭末法)

胃粘膜に対する作用

胃液分泌に対する作用

尿量及び尿中電解質に及ぼす影響

血液学的パラメータに及ぼす影響

血液凝固系に及ぼす影響

血小板凝集に及ぼす影響(コラーゲン誘発)

摘出平滑筋に及ぼす影響(摘出回腸)1 自動運動2 各収縮薬による収縮 (アセチルコリン、セロトニン、  ヒスタミン、塩化バリウム)

ラット(6)

ラット (10)

マウス(10)

マウス(10)

マウス(10)

ラット(6)

マウス(10)

マウス(10)

ラット(5)

麻酔モルモット(4~6)

麻酔犬(6)

ラット(5)

ラット(20)

ラット(8)

ラット(10)

ラット(4~5)

ラット(4~5)

ラット(5)

モルモット(4)

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

影響なし

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

十二指腸内30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

十二指腸内30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

経口30、100、300

in vitro10-7、10-6、10-5、10-4g/mL

1例で投与後30及び45分に流涎、60分以降は消失

(300mg/kg)

影響なし

影響なし

1 影響なし2 痙攣誘発閾値の軽度低下(100及び300mg/kg)

30~90分に体温の軽度低下(300mg/kg)

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

尿中Na+、Cl-排泄量の軽度増加(300mg/kg)

影響なし

影響なし

影響なし

影響なし

薬効薬理 一般薬理試験及び毒性試験

61

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2. 毒性(1)単回投与毒性試験(ラット、イヌ)49)

最高用量の300mg/kg/日の投与で、雄親動物に体重の増加抑制及び精巣重量の増加が認められましたが、軽徴な増加でした。雌親動物、胎児及び出生児に対する影響は認められませんでした。

1)妊娠前及び妊娠初期投与試験(ラット)51)

〈ラット〉最高用量の450mg/kg/日の投与で胎児体重の低下がみられましたが、発生毒性を示唆する所見は認められませんでした。雌親動物、出生児(F1、F2)に対する影響は認められませんでした。〈ウサギ〉45mg/kg/日の投与で雌親動物に軟便、乏便あるいは無便が認められ、最高用量の200mg/kg/日の投与では雌親動物の体重増加抑制及び摂餌量減少が認められました。胎児では、最高用量の200mg/kg/日の投与で体重の低下傾向、骨化遅延、さらに死亡率の増加が認められましたが、催奇形性を示唆する所見は認められませんでした。

2)胎児の器官形成期投与試験(ラット3)、ウサギ2))

最高用量の300mg/kg/日の投与で、出生児(F1)の死産児数及び出生後1週目の死亡児数に増加が認められました。雌親動物、胎児(F1)及び出生児(F2)の成長・発達及び生殖機能への影響は300mg/kg/日の投与で認められませんでした。

3)周産期及び授乳期投与試験(ラット)52)

(2)反復投与毒性試験(ラット、イヌ)50)

投与経路経口経口

動物種ラットイヌ

概略の致死量♂♀:>2,000mg/kg♂♀:>2,000mg/kg

投与期間

13週

52週

13週

52週

投与経路

経口

経口

経口

経口

投与量 無毒性量 主な所見動物種

ラット

イヌ

(3)生殖発生毒性試験(ラット、ウサギ)

摂水量増加、尿中電解質(Na+、 K+、Cl-)の排泄量減少、尿中電解質(Ca2+)の排泄量増加

下痢・軟便、体重増加抑制、血中コレステロール及びトリグリセリド低値、盲腸拡大

軟便・水様便、尿中電解質(Na+)の排泄量減少、血中AST(GOT)上昇

血中AST(GOT)上昇

100、330、1,000mg/kg/日

250、1,000、4,000ppm

50、150、450mg/kg/日

20、60、180mg/kg/日

♂:100mg/kg/日♀:100mg/kg/日

♂:250ppm♀:1,000ppm

♂:50mg/kg/日♀:50mg/kg/日

♂:20mg/kg/日♀:20mg/kg/日

(4)その他の特殊毒性

マウスIgE抗体産生試験、モルモット全身性アナフィラキシー試験及びモルモット細胞親和性抗体産生試験により検討した結果、ミグリトールに抗原性は認められませんでした。加えて、PHA反応によりIgG及びIgM抗体の産生も認められませんでした。

1)抗原性(マウス、モルモット)53)

マウスに34、115、382mg/kg/日を雄に、54、164、507mg/kg/日を雌に21ヵ月間、ならびにラットに7、21、63mg/kg/日を雄に、8、26、72mg/kg/日を雌に2年間混餌投与した結果、がん原性は認められませんでした。

3)がん原性(マウス、ラット)55)

ウサギを用いて皮膚及び眼に対する刺激性・腐蝕性を検討したところ、ミグリトールによる刺激性・腐蝕性は認められませんでした。

4)局所刺激性(ウサギ)56)

細菌を用いた復帰突然変異試験、染色体異常試験及びマウス小核試験により検討した結果、遺伝毒性は認められませんでした。また、不定期DNA合成試験、前進性突然変異試験及びマウス優性致死試験の結果からも遺伝毒性は認められませんでした。

2)遺伝毒性( 、マウス)54)in vitro

一般薬理試験及び毒性試験

62

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2. 毒性(1)単回投与毒性試験(ラット、イヌ)49)

最高用量の300mg/kg/日の投与で、雄親動物に体重の増加抑制及び精巣重量の増加が認められましたが、軽徴な増加でした。雌親動物、胎児及び出生児に対する影響は認められませんでした。

1)妊娠前及び妊娠初期投与試験(ラット)51)

〈ラット〉最高用量の450mg/kg/日の投与で胎児体重の低下がみられましたが、発生毒性を示唆する所見は認められませんでした。雌親動物、出生児(F1、F2)に対する影響は認められませんでした。〈ウサギ〉45mg/kg/日の投与で雌親動物に軟便、乏便あるいは無便が認められ、最高用量の200mg/kg/日の投与では雌親動物の体重増加抑制及び摂餌量減少が認められました。胎児では、最高用量の200mg/kg/日の投与で体重の低下傾向、骨化遅延、さらに死亡率の増加が認められましたが、催奇形性を示唆する所見は認められませんでした。

2)胎児の器官形成期投与試験(ラット3)、ウサギ2))

最高用量の300mg/kg/日の投与で、出生児(F1)の死産児数及び出生後1週目の死亡児数に増加が認められました。雌親動物、胎児(F1)及び出生児(F2)の成長・発達及び生殖機能への影響は300mg/kg/日の投与で認められませんでした。

3)周産期及び授乳期投与試験(ラット)52)

(2)反復投与毒性試験(ラット、イヌ)50)

投与経路経口経口

動物種ラットイヌ

概略の致死量♂♀:>2,000mg/kg♂♀:>2,000mg/kg

投与期間

13週

52週

13週

52週

投与経路

経口

経口

経口

経口

投与量 無毒性量 主な所見動物種

ラット

イヌ

(3)生殖発生毒性試験(ラット、ウサギ)

摂水量増加、尿中電解質(Na+、 K+、Cl-)の排泄量減少、尿中電解質(Ca2+)の排泄量増加

下痢・軟便、体重増加抑制、血中コレステロール及びトリグリセリド低値、盲腸拡大

軟便・水様便、尿中電解質(Na+)の排泄量減少、血中AST(GOT)上昇

血中AST(GOT)上昇

100、330、1,000mg/kg/日

250、1,000、4,000ppm

50、150、450mg/kg/日

20、60、180mg/kg/日

♂:100mg/kg/日♀:100mg/kg/日

♂:250ppm♀:1,000ppm

♂:50mg/kg/日♀:50mg/kg/日

♂:20mg/kg/日♀:20mg/kg/日

(4)その他の特殊毒性

マウスIgE抗体産生試験、モルモット全身性アナフィラキシー試験及びモルモット細胞親和性抗体産生試験により検討した結果、ミグリトールに抗原性は認められませんでした。加えて、PHA反応によりIgG及びIgM抗体の産生も認められませんでした。

1)抗原性(マウス、モルモット)53)

マウスに34、115、382mg/kg/日を雄に、54、164、507mg/kg/日を雌に21ヵ月間、ならびにラットに7、21、63mg/kg/日を雄に、8、26、72mg/kg/日を雌に2年間混餌投与した結果、がん原性は認められませんでした。

3)がん原性(マウス、ラット)55)

ウサギを用いて皮膚及び眼に対する刺激性・腐蝕性を検討したところ、ミグリトールによる刺激性・腐蝕性は認められませんでした。

4)局所刺激性(ウサギ)56)

細菌を用いた復帰突然変異試験、染色体異常試験及びマウス小核試験により検討した結果、遺伝毒性は認められませんでした。また、不定期DNA合成試験、前進性突然変異試験及びマウス優性致死試験の結果からも遺伝毒性は認められませんでした。

2)遺伝毒性( 、マウス)54)in vitro

一般薬理試験及び毒性試験

63