から学ぶ鼠径ヘルニア手術 - Ethicon Herniaから学ぶ 03 UHSの把持 Onlay patchを3つ折りにして、コネクター付近を把持するとUnderlay patchが内側に反転し、内鼠径輪から後方スペースに挿

鼠径ヘルニア手術～Meshの挿入と固定のポイント～

ULTRAPRO*HERNIA SYSTEM法

から学ぶから学ぶ

1976年3月群馬大学医学部卒業1976年4月聖路加国際病院外科レジデント1987年1月聖路加国際病院外科副医長1996年3月聖路加国際病院外科医長現在に至る

柵瀨信太郎先生聖路加国際病院外科医長

Profile

©Johnson & Johnson K.K. 1999-2010 ＊商標


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術後のナチュラルフィーリングを目指して

Lightweight, Largepore, 半吸収Mesh のコンセプト

患者さんの術後の異物感や疼痛の軽減を期待して半吸収性素材である UHSを導入しました。従来のPHSと比較すると入院時、

外来再診時の患者さんの愁訴は少ない印象を持っております。2009年に欧州ヘルニア学会（EHS）から発表された成人鼠径ヘ

ルニア治療のガイドラインの中でも鼠径ヘルニア治療、生体材料の選択、慢性疼痛の防止において、lightweight/材料/.減量

/large pore(1,000μm超)メッシュの使用がグレードAで推奨されております。 1）

※3 ※2


鼠径ヘルニア手術

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半吸収性Meshの適用日本ヘルニア分類のⅠ-1では従来法、Ⅰ-2、Ⅰ-3、Ⅱ-1、Ⅱ-2、Ⅱ-3、Ⅲ、ⅣではUHS法を選択し、前立腺手術既往例、剥離困難な再

発例ではUPP法を適用しています。

All in one Concept

一般外科医がヘルニア専門医と同等の成績が得られる

Underlay patchによるStoppa法と同様の後方からの修復に加えてConnectorによるPlug法と同様の修復、さらに Onlay

patchによるLichtenstein法と同様の前方からの修復も可能となります。Onlay patchはUnderlay patchの展開の状況によって

二次的な防御となり、またUnderlay patchの固定を確実なものとします。３つの異なる修復が１つの製品で可能となるAll in

one Conceptによって一般外科医がヘルニア専門医と同等の成績が期待できます。 4）

Generalist

Success rates（%）

Specialist

PHS 99.86 99.88 1.00

Lichtenstein 99.90 91.84 ＜0.0001

Plug 99.70 91.43 ＜0.0001

Kugel Patch 99.56 92.39 ＜0.0001

laparoscopic 99.43 87.69 ＜0.0001

Procedure P Value

UHSのサイズ選択

鼠径管前方の剥離、挙睾筋のpubic fascicleの切離によってOnlay patchを留置する前方スペースを作成します。また、Step1,2,3

による外鼠径ヘルニアサックの高位剥離で Underlay Patchを留置するための十分な後方スペースを確保します。この部分につ

いては、PHS（Prolene Hernia System）法、外科 Vol.71 No.12（2009-11増刊）をご参照ください。5）ここではMeshの挿入と固定

に関するポイントを示します。

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右外鼠径ヘルニア

腹膜前腔の剥離範囲、患者さんの体格に合わせてMedium,Large,Ovalのいずれかを選択します。 Myopectineal Orificeのサイ

ズの平均値は高さ6.5㎝（±1.9㎝)×長さ7.8㎝ (±3cm）。大腿管の弱い部分もカバーし、 Myopectineal Orifice全てをカバーする

ためには、収縮も考慮するとMeshは8cmの高さと10cmの長さを持つ必要があります。 6）Large (Underlay patch 10cm)Medium (Underlay patch 7.5cm) Oval (Underlay patch 10×12cm)


ULTRAPRO HERNIA SYSTEM法



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UHSの把持Onlay patchを３つ折りにして、コネクター付近を把持するとUnderlay patchが内側に反転し、内鼠径輪から後方スペースに挿

入しやすくなります。コネクターの根元まで深く把持することがポイントです。この操作によって、挿入後、 Underlay patchと

Onlay patchの識別が容易になります。

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後方スペースへのUHSの挿入末梢側ヘルニアサックと腹横筋腱膜弓にcounter tractionをかけ、UHS全体が後方スペースに隠れるまで深く挿入します。

Onlay patchを鼠径靭帯と平行に留置するため Underlay patchの青い縫い合わせの部分を内側に合わせます。

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Underlay patchの展開鉗子で把持したオンレイパッチと反転したUnderlay patchの間に指先を挿入し鉗子をコネクター部まで徐々に引き抜くと、反

転していたUnderlay patchが自然に腹膜側に向かって展開します。さらに、指先でUnderlay patchを内側・頭側・外側に展

開します。

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Onlay patchによる恥骨結節前面の被覆Onlay patchでmedial triangle, lateral triangleを覆うように展開後、頭側を内鼠径輪頭側の腹横筋腱膜弓に2－0PDS*Ⅱによ

るマットレス縫合で固定します。この操作によってcounter tractionをかけることが可能となり、今後のOnlay ptachの展開が容

易となります。

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ULTRAPRO HERNIA SYSTEM法



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Onlay patchへのスリット作成 Onlay patchの下方に精索を通過させるためのコネクターに達するスリットを加え、 Onlay patchの外側部で内鼠径輪外側の

lateral triangleをおおいます。精索をスリットに通過させ、Onlay patchの内側部で鼠径管後壁、medial triangleをおおいます。

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Onlay patchのスリット固定Onlay patchのスリット部辺縁を鼠径靭帯に2-0PDS*Ⅱで縫合固定するとともに、同一の針でスリットを縫合閉鎖します。スリッ

ト閉鎖は精索の周囲に鉗子が楽に入る程度の余裕が残るようにし、決して精索をきつく締め付けないように注意します。

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Onlay patchによる恥骨結節前面の被覆オンレイパッチを恥骨結節の上を2cmおおうように展開します。腹直筋の恥骨への付着部に縫合します。術後慢性疼痛を起

こす危険があるので、恥骨結節の骨膜には糸針をかけないよう注意します。Onlay patchの拡がりが悪い場合は指でこする

ことによって組織と馴染みます。

08ULTRAPRO HERNIA SYSTEM法



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Onlay patch下縁の鼠径靭帯への縫合固定 Onlay patchを鼠径靭帯に展開し、2-0PDS*Ⅱで1針縫合固定をおこないます。 Onlay patchの腹直筋付着部とスリット縫合固

定部との中央部でOnlay patchを鼠径靭帯に縫合固定します。内鼠径ヘルニアの場合は内鼠径輪まで 4～5針連続縫合で固定

します。 Onlay patchは適宜トリミングします。

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Onlay patch上縁の腹直筋前鞘への縫合固定Onlay patch上縁の腹直筋前鞘への縫合固定Onlay patchの恥骨結節直上の腹直筋前鞘への縫合固定部と内鼠径輪部での腹横筋腱膜弓への縫合固定部の中央付近の

Onlay patchの上縁を腹直筋前鞘に縫合固定します。腸骨下腹神経を損傷しないよう十分注意します。

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創閉鎖外腹斜筋腱膜を3-0バイクリル*プラスで連続縫合閉鎖します。腸骨鼠径神経を縫合に巻き込まないよう注意が必要です。

Scarpa筋膜を3-0バイクリル*プラスで結節縫合で閉鎖し、真皮を5-0PDS*Ⅱで連続縫合で閉鎖し、Dermabondで表皮を固定し

て終了します。




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UHSの腹膜前腔への挿入

内鼠径ヘルニアに対してはヘルニア門のやや末梢で鼠径管後壁の横筋筋膜、腹膜前筋膜浅葉を円状に切開して腹膜前腔に到

達することがすすめられます。外鼠径ヘルニアに対して行うのと同様にStep1,2,3による高位剥離でUnderlay Patchを留置する

ための十分な後方スペースを作成します。このとき、外鼠径ヘルニアの併存を見逃さないよう注意する必要があります。明らか

に腹膜鞘状突起が遺残している場合には結紮後、切離します。詳細については、PHS（Prolene Hernia System）法、外科.Vol.71

No.12(2009-11増刊）を参照ください。5）

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左内鼠径ヘルニア

Underlay patch外側部によるlateral triangleの被覆Underlay patchの外側部を下腹壁動静脈の背側を通過させ内鼠径輪部から引き出します。 Underlay patchの外側部を再度腹

膜前腔および腹膜と精索の間に展開し、lateral triangleを内側から被覆します。

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鼠径管後壁切開部から腹膜前腔にUHSを挿入します。 Underlay patch下縁をクーパー靭帯の背側まで展開します。




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その後のOnlay patchの展開、スリットの作成は外鼠径ヘルニアに対して行う手技と同様であります。Onlay patch上縁の腹

直筋前鞘への縫合固定とOnlay patch下縁の鼠径靭帯への縫合固定については、内鼠径ヘルニアの場合は内鼠径輪まで

2-0PDS*Ⅱで4～5針連続縫合で固定します。創閉鎖は外鼠径ヘルニアに対して行う手技と同様です。

鼠径管後壁横筋筋膜の縫合閉鎖ヘルニアサックをおおっている脆弱化した横筋筋膜を切除し、横筋筋膜辺縁を2－0バイクリルプラスを用いて連続縫合で閉鎖

し、UHS全体の移動を防止します。このとき縫合に過度のTensionがかからないよう注意します。



ESO 00740

高度管理医療機器販売名：ウルトラプロ* ヘルニアシステム承認番号：22100BZX00839000高度管理医療機器販売名：モノクリル* 承認番号：20500BZY00385000高度管理医療機器販売名：PDS縫合糸承認番号：16100BZY00698000一般医療機器販売名：ダーマボンドHV 届出番号：13B1X00204ME0001

高度管理医療機器販売名：バイクリル* プラス承認番号：22000BZX01652000高度管理医療機器販売名：プロリーン* 承認番号：15300BZY01464000高度管理医療機器販売名：プロリーン*メッシュ（ポリプロピレン）承認番号：20400BZY00787000

1）European Hernia Society guidelines on the treatment of inguinal hernia in adult patients 2）William Cobb,MD,and B.Todd Heniford MD,The Argument for Lightweight Polypropylene Mesh in Hernia Repair,Surgical Innovation,Vol12,No1(March),2005:pp63-69 3）William Cobb,MD,Normal Intraabdominal Pressure in Healthy Adults,Journal of Surgical Research 129,231-235(2005) 4）A.I.Gilbert・M.F.Graham・J.Young・B.G.Patel・K.Shaw,Closer to an ideal solution for inguinal hernia repair:comparison between general surgeons and hernia specialist,Hernia (2006) 10: 162-168 5）柵瀨信太郎、PHS（Prolene Hernia System）法、外科 Vol.71 No.12(2009-11増刊） 6）T.Wolloscheck,Dimensions of the myopectineal orifice:a human cadaver study,Hernia(2009)13:639-642

〒101-0065 東京都千代田区西神田3丁目5番2号 TEL.03(4411)7901

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から学ぶ鼠径ヘルニア手術 - Ethicon Herniaから学ぶ 03 UHSの把持 Onlay patchを3つ折りにして、コネクター付近を把持するとUnderlay patchが内側に反転し、内鼠径輪から後方スペースに挿