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第69回 診療放射線技師国家試験
診療画像検査学
午前
問15 MRIのSARで正しいのはどれか。(98.6%)
1. 被写体が大きいほど低下する。
2. フリップ角が小さい方が増加する。
3. 1.5Tよりも3TのMRI装置の方が増加する。
4. 同じスライス枚数のとき、TRが短いほど低下する。
5. スピンエコー法よりも高速スピンエコー法の方が低下する。
02:00
4
5
問16 頭部MR像を示す。正しい組合せはどれか。2つ選べ。(64.8%)
1. ア ― STIR像
2. イ ― FLAIR像
3. ウ ― 脂肪抑制T1強調像
4. エ ― T2*強調像
5. オ ― 造影T1強調像
02:00
T2WI
FLAIR
T1WIPDWI
DWI T1WI(CE)
問17 blood oxygenation level dependent(BOLD)法による脳のファンクショナルMRIで正しいのはどれか。2つ選べ。(66.2%)1. 脳組織の硬度を計測できる。
2. 撮影データの統計学的解析が必要である。
3. 磁化率効果を低減する撮影法が用いられる。
4. 脳局所の水分子拡散を観察することができる。
5. 脳局所のデオキシヘモグロビン濃度が信号強度に影響する。
02:00
9
MR Elastography(MRエラストグラフィ)
• 外部から与えた振動波が組織を通過する様子を撮像し、組織の「硬さ:弾性率」を評価する技術
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f-MRI(ファンクショナルMRI)
• タスクと信号強度の相関を解析する方法には、差分を求める方法や、統計処理を行う方法がある。
BOLD効果(blood oxygen level dependent)
• オキシヘモグロビン(磁場を乱す働きは小さい)
• デオキシヘモグロビン(磁場を乱す働きが大きい)信号低下
• 賦活された領域に酸素を供給するためにオキシヘモグロビンの血中の割合が増加する。
• 結果、磁場の均一性が増し信号強度が増加する。この効果の事をBOLD効果という。
( 賦活・・・物質の機能・作用を活発化すること。 )
• 常磁性体として働くデオキシヘモグロビンの濃度差が信号強度の差となる。
• 磁化率効果を利用した撮像法。
問18 頭部MR像を示す。点線で囲んだ部分に存在するアーチファクトへの対策で正しいのはどれか。(59.2%)
1.位相補正を行う。
2.加算回数を減らす。
3.FOVを大きくする。
4.位相エンコード数を増やす。
5.スライス間のギャップを広げる。
02:00
データ打ち切りアーチファクトtruncation artifact
(概要)
• データ収集をある範囲で打ち切る事によるトランケーションエラーが原因。(画像再構成に用いられるフーリエ変換に必要な全周波数成分をサンプリングしない為)
① 信号強度が極端に異なる部位で、撮像マトリックス数が少ない場合において発生しやすい。
② 脊髄や頭部のT2強調画像において脳脊髄液と実質臓器の境界部分に起きやすい。
トランケーションアーチファクトの原理例)マトリックス 4×4の場合
頭部
k-space
逆フーリエ変換
受信バンド幅とサンプリング周波数
再現受信バンド幅 サンプリング周波数
サンプリング周波数は受信バンド幅の2倍以上にする必要がある。
2Hz
4Hz
6Hz
4Hz
4Hz
4Hz
現 象
周波数エンコード方向・位相エンコード方向の両方において発生するが、通常問題となるのは位相エンコード方向に発生する方である。
位相エンコード方向のマトリックス数(a)が192 (b)が256
抑制法
1. マトリックス数の増加・・・FOVを変化させずにマトリックス数を増加させる。(アーチファクトの振幅は変化しないが周期が縮まるのでアーチファクトの発生範囲が狭くなる。)
2. フィルタの利用・・・高周波が減衰するようなフィルタ(空間分解能が低下するため一般的ではない。)
3. 位相エンコード方向の調整・・・位相エンコード方向で発生率が高い。目的部位にアーチファクトが重ならないように位相エンコード方向を選択する。
問19 超音波検査で正しいのはどれか。(77.5%)
1. Mモード法ではパルス波を用いる。
2. 心臓の検査での基本体位は右側臥位である。
3. 脂肪の多い人ほど深部臓器の描出が明瞭になる。
4. 甲状腺の検査にはセクタ式プローブを使用する。
5. 体表面にエコーゼリーを塗る目的は感染症の防止である。
02:00
問20 無散瞳眼底写真撮影で眼底の照明に用いられるのはどれか。(90.1%)
1. 紫外線
2. 青色光
3. 黄色光
4. 赤色光
5. 赤外線
02:00
問20 無散瞳眼底写真撮影で眼底の照明に用いられるのはどれか。(90.1%)
1. 紫外線(0)
2. 青色光(0)
3. 黄色光(0)
4. 赤色光(7)
5. 赤外線(64)
22
問21 右肩MRIの横断像と点線のレベルの斜位矢状断像を示す。矢印で示すのはどれか。(62.0%)
1. 肩峰
2. 関節唇
3. 烏口突起
4. 棘上筋腱
5. 上腕二頭筋
02:00
A
A P
P
H
問22 頭部MR像を示す。描出されていないのはどれか。(22.5%)
1. 蝸牛
2. 延髄
3. 半規管
4. 下垂体
5. 側頭葉
02:00
延髄
側頭葉
問23 頸部MRIのT2強調像を示す。矢印で示すのはどれか。(77.5%)
1.総頸動脈
2.椎骨動脈
3.内頸動脈
4.腕頭動脈
5.鎖骨下動脈
02:00
問24 右肋弓下走査による肝臓の超音波像を示す。矢印で示すのはどれか。(83.1%)
1.胆囊
2.門脈
3.総胆管
4.下大静脈
5.右肝静脈
02:00
午後
問15 MRIの高速スピンエコー法で正しいのはどれか。(93.0%)
1. エコートレイン数を大きくするとMT効果は減る。
2. エコートレイン数よりも再収束パルス数は多くなる。
3. エコートレイン数を大きくすると撮影時間が短くなる。
4. エコートレイン数を大きくするとブラーリングは減る。
5. エコートレイン数と周波数エンコード数は同数である。
02:00
33
34
35
36
問16 生体内の代謝情報を取得できるのはどれか。(90.1%)
1.MRA
2.FLAIR像
3.拡散強調像
4.MR hydrography
5.MR スペクトロスコピー
02:00
MRS(MR spectroscopy)
≪スペクトルの見方≫
縦軸:信号強度
高さはプロトンの数に比例
横軸:共鳴周波数
高い周波数を左側に表記
MRSは、MRI装置を用いて生化学情報を得る手法。
*細胞の代謝物質から出されるMR信号の強度変化から得られる情報を診断に用いる。
実施例(脳虚血疾患に対する1H-MRS)
通常、正常脳組織でLactate(乳酸)は検出されないが、血栓などによる血流低下により嫌気性代謝が始まると乳酸が蓄積されるようになる。(a)を見ると乳酸の存在が認められ、上昇してきていることがわかる。(b)を見ると乳酸のピークが非常に大きくなり、NAAが脱落寸前まで低下し、Choline(コリン)も低下していることから細胞分裂が行われていない可能性があり、この部分が最終梗塞に陥っていると考えられる。
(a)脳虚血発症直後(30分以内) (b)脳虚血発症9日後
対象原子核
理論上は、磁気共鳴現象を有する原子核すべてが対象となるが、臨床応用の観点からは以下と考えられている。
1H(水素) 31P(リン)3C(炭素) 19F(フッ素)23Na(ナトリウム) 129Xe(キセノン)
臨床で最も広く利用されているのは、1H(proton MRS、1H-MRS)
Proton MRSで認められる代謝物
代謝物 ppm 意義 備考
NAA( N-acetylasparetate)
2.02(-CH3)
ニューロン内に存在neural marker (量・機能の指標)
脳腫瘍や細胞の壊死をきたしている箇所ではNAAが破壊され低下する。
Cr(クレアチン)(creatine/phosphocreatine)
3.03、3,91(-CH3、-CH2)
高エネルギーリン酸の供給、エネルギー代謝の維持エネルギー交換の指標
脳腫瘍により低下。
Cho(コリン)(choline-
containingcompounds)
3.22(-CH3)
細胞膜の構成要素,細胞に富んでいる組織で上昇、細胞膜の合成促進で上昇
腫瘍の発生により上昇。
Lac(lactate)
1.33(-CH3)
嫌気性代謝の産物,エネルギー交換の指標
血流量の低下による酸素不足により上昇。
Lip(lipids)
0~2.0(-CH3、-CH2)
脂肪の存在、necrosisの指標脂質代謝の亢進、細胞の壊死や破壊で上昇。
上記のほか、臨床状態やデータ取得条件によっては、myo-inositol(mI)、alanine(Ala)、acetate(Ace)、glycine(Gly)なども認められる場合がある。
問17 頸椎のMRI を依頼された。その患者の頸椎X線写真を示す。この患者のMRIを行う際に適切なのはどれか。なお、使用されている金属はMRIを行っても安全な素材とする。 (56.3%)
1. 厚いスライスを用いる。
2. 広い受信バンド幅を用いる。
3. 撮影条件を変更する必要はない。
4. グラディエントエコー法を用いる。
5. 1.5Tよりも3TのMRI装置を用いるのが望ましい。
02:00
磁化率アーチファクトmagnetic susceptibility artifact
概要
1. 極端に磁化率の異なる部位の境界においては、局所的な磁場勾配が生じて、位相分散のために信号が消失する。
2. エコー時間およびボクセルサイズ、局所磁場勾配に比例して顕著になる。
3. 静磁場強度が強い程、磁化率効果の影響を受けやすい。
4. 磁化率効果の影響 EPI > GRE > SE > FSE
(180°パルスは磁場の不均一の影響を打ち消すので180°パルスを印加するSEおよびFSEでは影響が少ない。)
磁性物質による位相分散の原理
=磁性物質
全ての位相が揃っているのでアーチファクトのない画像が得られる。
磁性物質により、位相分散が発生し画像に欠損部位が出現する。
現 象
1. 位相分散のために信号が消失する。
2. 頭蓋底や肺、腹部(腸管内ガス)のように空気を含む部位において発生しやすい。
∆Φ=γ∙Gi∙∆r∙TE
ΔΦ:位相分散γ:磁気回転比Gi:磁束密度変化率
Δγ:ボクセル幅TE:echo time
抑制法
1. エコー時間を短くする。(位相の分散を防ぐ)
2. スライス厚を薄くする。(磁化率の影響が発生する範囲を小さくできる)
3. ピクセルサイズを縮小する。(磁化率の影響が発生する範囲を小さくできる)
4. 傾斜磁場を強く[帯域幅を広く]する。(傾斜磁場が磁化率差による磁場勾配より大きいと発生する範囲が小さくなる)
問18 脳のMRIで正しいのはどれか。(85.9%)
1. 拡散強調像では脳脊髄液が高信号になる。
2. 横断像を得るための基準線は耳垂直線である。
3. T2強調像で灰白質は白質よりも高信号となる。
4. MR cisternographyではガドリニウム造影剤を使用する。
5. 微小な脳梗塞を描出するためにdynamic MRIを施行する。
02:00
1. 拡散強調像では脳脊髄液が低信号になる。
2. 冠状断像を得るための基準線は耳垂直線である。
3. T2強調像で灰白質は白質よりも高信号となる。
4. MR cisternographyでは造影剤は使用しない。
5. 微小な脳梗塞を描出するために超急性期ではDWIを急性期ではT2WIを施行する。
MR cisternography(脳槽撮影)
• 水を強調する水強調画像(hydrography)であり、脳脊髄液に囲まれた微細な構造の描出に優れる。
• 脳神経や脳神経と血管の位置関係を見たい時などに使われる。
問19 超音波像における疾患と所見の組合せで正しいのはどれか。(83.1%)
1. 脂肪肝 ―――― コメット様エコー
2. 胆囊炎 ―――― 後方エコー増強
3. 腎結石 ―――― 音響陰影
4. 肝細胞癌 ――― ブルズアイサイン
5. 転移性肝癌 ―― モザイクパターン
02:00
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問20 頸部MRA像を示す。矢印で示す血管アとイの組合せで正しいのはどれか。(90.1%)
(ア) (イ)
1. 外頸動脈 ――― 鎖骨下動脈
2. 外頸動脈 ――― 腕頭動脈
3. 総頸動脈 ――― 腕頭動脈
4. 内頸動脈 ――― 腕頭動脈
5. 内頸動脈 ――― 鎖骨下動脈
02:00
問21 胸部MR像を示す。静脈血を含有する構造はどれか。2つ選べ。 (26.8%)
1. ア
2. イ
3. ウ
4. エ
5. オ
02:00
問22 腹部MR脂肪抑制T1強調像を示す。矢印で示す構造はどれか。 (94.4%)
1. 胃
2. 膵臓
3. 脾臓
4. 門脈
5. 十二指腸
02:00
問23 頭部MRIのT1強調像を示す。正しい組合せはどれか。2つ選べ。 (39.4%)
1.ア ―― 脳梁
2.イ ―― 下垂体柄
3.ウ ―― 中脳
4.エ ―― 中脳水道
5.オ ―― 橋
02:00
1. ア ―― 脳梁
2. イ ―― 下垂体
3. ウ ―― 視床
4. エ ―― 第4脳室
5. オ ―― 橋
問24 右側腹部走査で得られた超音波像を示す。正しいのはどれか。 (71.8%)
1. 腎結石を認める。
2. 腎盂は拡張している。
3. 肝の辺縁が鈍化している。
4. 肝腎コントラストが増強している。
5. Morison(モリソン)窩に腹水を認める。
02:00
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