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FUJITSU. 62, 4, p. 435-441 07, 2011435 あらまし 移動通信システムの無線ネットワークを構築するには,設備投資の効果を最大限に引 き出すための無線エンジニアリング技術が必要である。この技術を高めることで,シス テムの増減に柔軟に対応することができ,無線ネットワークの最適化を行うことができ る。無線エンジニアリング技術は,無線ネットワーク設計,チューニングや運用・保守 などの作業に適用される。 本稿では,LTEシステムを考慮した設計手法について解説し,フィールドトライアル における性能確認結果の一部を紹介する。 Abstract Radio engineering technology is necessary to maximize the effectiveness of capital investment when a radio network is constructed for a mobile communication system. By improving this technology, it becomes possible to flexibly respond to changes in systems and optimize radio networks. Radio engineering technology is used in processes such as designing, tuning, and operating and maintaining radio networks. This paper explains a design technique that considers an LTE system, and introduces some of the results obtained in a field trial to confirm the techniques performance. 小野光洋   俵 覚   牧野諭志 無線エンジニアリング技術 Radio Engineering Technology

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FUJITSU. 62, 4, p. 435-441 (07, 2011) 435

あ ら ま し

移動通信システムの無線ネットワークを構築するには,設備投資の効果を最大限に引

き出すための無線エンジニアリング技術が必要である。この技術を高めることで,シス

テムの増減に柔軟に対応することができ,無線ネットワークの最適化を行うことができ

る。無線エンジニアリング技術は,無線ネットワーク設計,チューニングや運用・保守

などの作業に適用される。

本稿では,LTEシステムを考慮した設計手法について解説し,フィールドトライアルにおける性能確認結果の一部を紹介する。

Abstract

Radio engineering technology is necessary to maximize the effectiveness of capital investment when a radio network is constructed for a mobile communication system. By improving this technology, it becomes possible to flexibly respond to changes in systems and optimize radio networks. Radio engineering technology is used in processes such as designing, tuning, and operating and maintaining radio networks. This paper explains a design technique that considers an LTE system, and introduces some of the results obtained in a field trial to confirm the technique’s performance.

● 小野光洋   ● 俵 覚   ● 牧野諭志

無線エンジニアリング技術

Radio Engineering Technology

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無線エンジニアリング技術

に基づき,セル半径や送信電力を算出することである。ただし,設計においては,基地局・端末装置の性能以外に,基地局構成や電波伝搬環境などを考慮して行う。また,回線設計パラメータには,設計者が自由に決定できるものと,周波数,最大空中線電力や占有周波数帯域幅などの電波法で規定されているものがある。

【設計手法】

回線設計における重要なポイントは,所要マージンの見積りである。それらを見誤ると,実際に基地局から電波を放射した際に,カバレッジホールが散見されたり,不要に送信電力が大きかったりする問題が発生する。回線設計は,リンクバジェットを用いて行う。下り回線のリンクバジェットの例を表-1に示す。このようなリンクバジェットを用いて回線設計を行うことで,適用環境(電波伝搬,エリア区分,基地局アンテナ高など)や顧客要件{QoS(Quality of Service),移動速度,伝送速度など}が異なる場合においても,容易に設計を行うことができる。また,同様の考え方で上り回線についても行うことで,上下回線のバランスを確認することができる。● Dimensioningプロセス

【設計内容】

Dimensioningとは,回線設計の結果と基地局のキャパシティ{セル平均スループット(=Σ同時に使用している加入者のスループット)}を基に,サービスエリア内の所要基地局数を求め,加入者の増加に柔軟に対応しながら,機器および基地局を増設していく導入計画を立案することである。

LTEシステムでは,すべての基地局が同一の周波数を使用することでセクタ化によるシステムキャパシティの向上を図ることができるだけではなく,さらにスケジューラ機能,FFR(Fractional Frequency Reuse)機能,適応変調方式を採用しているため,従来システムと比べて,基地局のキャパシティの考え方は複雑化している。

【設計手法】

(1) スケジューラ機能スケジューラ機能は,加入者が使用したいサービスのQoSクラスに従って,リソースを割り当てる機能である。無線回線品質の最も高いユーザに優先的にリソースを割り当てる方式(MAX C/I)や,

ま え が き

移動通信システムを構築する際には,最小限の基地局数で効率的に構築することが重要なポイントである。そのため,基地局のキャパシティとカバレッジを最適化する無線エンジニアリング技術が必要となる。この技術は,理論に基づくものだけではなく,移動通信システムの高度化に伴い,その都度検証を行い,ノウハウを蓄積して確立していく。本技術は,主に無線ネットワーク設計作業において用いられるが,工事,チューニング・最適化,運用・保守などの作業においても適用される。本稿では,まず無線ネットワーク設計における三つのプロセスとLTE(Long Term Evolution)システムを考慮した設計手法を説明し,最後にフィールドトライアルによる性能確認結果の一例を紹介する。

無線ネットワーク設計

無 線 ネ ッ ト ワ ー ク 設 計 は, 回 線 設 計,Dimensioning,置局設計の三つのプロセスから構成される。(1) 回線設計プロセス所望の無線回線品質が得られるように,セル半径や送信電力などを算出する。(2) Dimensioningプロセス回線設計結果と基地局のキャパシティを基に,要求トラフィックを満足するように,最適な基地局構成を決定し,サービスエリア内の所要基地局数を算出する。(3) 置局設計プロセス

Dimensioning結果を基に,電子地図上で基地局を効率良く配置し,アンテナパラメータ値を決定する。以下に,設計内容および設計手法について説明する。● 回線設計プロセス

【設計内容】

回線設計とは,送受信点において,通信する際に必要な無線回線品質{BLER(Block Error Rate)やSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)}を得るために,基地局・端末装置の性能

ま え が き

無線ネットワーク設計

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無線エンジニアリング技術

とによって,セル平均スループットをほとんど劣化させることなく,他セルからの干渉を軽減させて,セル端加入者のユーザスループットを約20%向上できることが確認できている。(3) 適応変調方式適応変調方式は,無線回線品質に応じて,変調方式および符号化率を変化させて,ユーザスループットの向上を図る方式である。収容する加入者数が少ない場合には,セル半径をできるだけ大きくしたいが,シミュレーション結果からは,セル半径を大きくするほど,最大ユーザスループットは変わらないもののセル平均スループットが小さくなる傾向が確認できている。したがって,セル半径とセル平均スループットをバランス良く設計する必要がある。ある条件下では,使用帯域幅5 MHzの場合に,セル平均スループットは下り回線で約10 Mbps,上り回線で約4 Mbpsが得られている。(4) セクタ構成基地局のセクタ構成としては,3セクタ構成による大ゾーン方式やオムニ構成による小ゾーン方式がある。大ゾーン方式と小ゾーン方式の特徴をシミュレーションによって確認した。その結果,サービスエリアに同数の加入者を均一に分布させ,3セクタ構成の大ゾーン方式とオムニ構成の小ゾーン

すべてのユーザに対して割り当てる時間を公平にしつつ,無線回線品質の瞬時的な変動に応じてリソースを割り当てる方式(Proportional Fair)などがある。例えば,MAX C/I方式はセル平均スループットは大きいが,リソースを割り当ててもらえない加入者が存在する可能性があるなど,方式ごとに一長一短がある。スケジューラ機能の選定は,同時接続者数,最大スループットなどのパラメータによって判断される。ある条件下でのシミュレーション結果によれば,比較的小さなユーザスループットの値をしきい値として,それよりユーザスループットが小さな加入者だけにサービスを行う場合にはMAX C/Iを,しきい値より大きなスループットをサービスする場合には,Proportional Fairを適用することで若干ではあるがセル平均スループットが大きくなることが確認できている。(2) FFR機能

FFR機能は,セル端にいる加入者のユーザスループットを向上させるための周波数繰返し方式である。加入者をセル中心とセル端との二つのグループに分け,セル中心にいる加入者に対しては,周波数繰返しを1セル繰返しで,セル端にいる加入者に対しては3セル繰返しで行う。シミュレーション結果からは,セル端にいる加入者が使用する周波数に対して,ある値のオフセット電力を与えるこ

表-1 下り回線のリンクバジェットの例No. 項 目 単 位 値 備 考

F1 中心周波数 MHz 1862.4  F2 周波数帯域幅 MHz 5.0  F3 基地局最大送信電力 dBm 40.0 アンテナ1系統あたりF4 基地局アンテナ利得 dBi 16.0 フィーダ損失含むF5 シャドウィングマージン dB 8.7 標準偏差=8 dB,場所率=90%F6 ハンドオーバ利得 dB 2.9 標準偏差=8 dB,場所率=90%F7 建物通過損失 dB 8.0  F8 他セル干渉マージン dB 5.3  F9 移動局アンテナ利得 dBi 0.0  

F10 移動局受信雑音指数 dB 7.0  F11 熱雑音電力密度 dBm/Hz -173.8  F12 熱雑音電力 dBm -99.8 =10*log10([F2]*10^6)+[F10]+[F11]F13 所要受信SINR dB 5.0 下り回線のスループット=5 MbpsにおいてF14 受信感度 dBm -94.8 =[F12]+[F13]F15 最大許容伝搬損失 dB 131.7 =[F3]+[F4]-[F5]+[F6]-[F7]-[F8]+[F9]-[F14]F16 セル半径 km 0.72 COST231-Hata Model

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無線エンジニアリング技術

方式の基地局数を比べると,小ゾーン方式の方が,基地局サイト数を多く必要とするが,少ない装置数でシステムを構成できることが確認できた。ただし,実現の際には,サイト数が増加することによる基地局サイトの確保問題や伝送路などを含む附帯設備の費用増加を考慮して判断する必要がある。つぎに,導入計画の一例としては,数年のスパンでシステム導入を行う場合に,初期投資を抑えることを第一優先に考え,重要エリアから置局を開始し,トラフィックの増加に伴い基地局を増加させていく計画や,最終投資を抑えることを第一優先に考え,最終状態の基地局状態を想定し,最初は最低限の設備で基地局を構成する計画などがある。この作業を効率良く行うために,富士通独自の

Dimensioningツールを作成し,効率化を図っている。Dimensioningツールの入出力例を図-1に示す。入力パラメータとしては,システム要件(周波数・帯域幅・アンテナシステム・セクタ数など),電波伝搬モデルおよびトラフィック条件などを入力して,所要基地局数,基地局あたりのカバー面積な

どを出力する。また,このツールを用いれば,基地局構成(オムニ/3セクタ/6セクタ)の違いによるスループットの差なども確認でき,適材適所に基地局構成を可変することができる。● 置局設計プロセス

【設計内容】

置局設計は,置局後の実環境における最適化などの作業を削減するために,サイト候補地,アンテナパラメータ(方位・チルト角・高さ・アンテナ種類),基地局送信電力などの置局設計項目を事前に算出して,システム構成の妥当性を評価するために行う。この設計は,市販の置局シミュレータと電子地図を用いて行われるが,正確な情報があるだけでは,置局シミュレーション結果は実環境と同じ結果にはならない。重要なポイントは,フィールドトライアルにおいて得られた設計手法の検証結果の反映である。

【設計手法】

(1) 電子地図を用いた設計近年,電波伝搬のメカニズム(回折・反射・透

計算結果(数式計算)

計算結果(ループ計算など)

図-1 Dimensioningツールにおける入出力パラメータ例Fig.1-Example of I/O parameter for dimensioning tool.

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無線エンジニアリング技術

の消費電力を最適化する機能である。この機能は,基地局装置が持つ機能を制御するだけでは実現できず,置局設計において,あらかじめESモード時の稼働状態でほかのセルまでカバレッジの拡大が図れることを確認するような設計を行う。

フィールドトライアルにおける性能確認

机上で検討・確立した設計手法について,実際にフィールドトライアルを行い,設計検証および設計精度の向上を図っている。フィールドトライアルは,川崎市中原区にある富士通川崎工場周辺の半径1.2 kmの住宅街のエリアで実施した。以下に,性能確認結果の一例を紹介する。(1) 電波伝搬モデルの補正移動通信のネットワーク設計を行うには,電波伝搬モデルの把握が必須である。電波伝搬モデルには,周波数帯,適用領域などによって,いくつものモデルが存在する。まずは,サービスエリアに適した電波伝搬モデルを選定する。伝搬モデルの補正方法は,基地局からの送信信号を端末で受信して伝搬損失を測定する。それを基に,2Dの電子地図,土地利用区分ごとの伝搬損失のオフセット値,シャドウィング標準偏差を用いて伝搬モデルを補正する。図-2に,移動距離(基地局からの様々な距離)と受信電力の関係を,実測値と電波伝搬モデルの補正を行った後の置局シミュレーションの結果を比較して示した。両者は,比較的によく一致していることが分かり,この補正方法の妥当性が確認できた。(2) スループット特性

LTEシステムにおいては,適応変調方式が採用されており,無線回線品質に応じてRank(空間多重)やMCS(変調および符号化方式)を変更してスループットの向上を図っている。図-3(a)に下り回線(DL),同図(b)に上り回線(UL)のSINRとスループットとの関係を示す。点線は理論値である。下り回線においては,MIMO(Multiple Input Multiple Output) 機 能 が,SINR≒18 dBから機能し,マルチパスの効果が得られる場所で最高スループットとして約35 Mbps@5 MHzを確認できた。また,セル平均スループットとしては,下り回線で総じて10 Mbpsを超えるスループットを確認することができ,回線設計手法の検証を行

フィールドトライアルにおける性能確認

過など)が複雑であるため,3Dの電子地図を用いた設計手法が検討されている。この手法では,ビル密集エリアなど特定のエリアにおける設計精度は向上するものの,一部のエリアでは設計精度が向上できない場合がある。一方,従来の2Dの電子地図を用いた設計手法では,電波伝搬式に「統計処理を用いた実環境を表すマージン」を用いて補正することによって,局所的には設計精度は向上できていないものの,エリア全体の設計精度を向上させることができる。したがって,設計用途に合わせて,設計手法を選択する。(2) 広範囲かつ都市部における設計対象エリアが広範囲かつ都市部など局数が常に多い場合では,置局設計作業は煩雑なものとなり,とくにシステムを最適な状態に調整するためには,人的・時間的なコストが掛かる。そのために,アンテナパラメータを自動で調整するアルゴリズムが必要である。調整方法は,受信電力およびSINRが最大となるように,各基地局のアンテナパラメータを順次調整していく。最適な状態に収束させるためには,最適化を開始する基地局の順番には依存せず,アンテナパラメータの初期値の設定方法が重要である。(3) アンテナチルト角の調整アンテナ放射特性の選定やアンテナパラメータ,とくにアンテナチルト角の調整は,他セルへの干渉の抑制のためにも重要である。アンテナチルト角が浅すぎると,下り回線においては他セルへの干渉を与えてしまい,深すぎると電波の到達距離が短くなり,ハンドオーバの失敗やヌルスポットが発生する恐れがある。アンテナチルト角の調整方法は,ホットスポットなど端末の移動がさほど想定されていない場合には,チルト角を深くし,端末がダイナミックに移動する場合には,チルト角を浅くしてハンドオーバが成功するSINRのしきい値以上にセル全体の回線品質を調整する。(4) Energy Savings(ES)機能の設計置局設計では,システム全体がダイナミックに制御される機能についても行う。それらの機能の中の一つに,Energy Savings(ES)機能がある。この機能は,加入者のトラフィック量に応じて基地局の稼働状態(例えば,稼働する基地局や,基地局の送信電力など)を変化させ,システム全体

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無線エンジニアリング技術

リズムを検討した。3Dの電子地図データを用いたシミュレーションにおいては,ビル陰などの伝搬状態を実環境に近づけることができるが,エリア全体で見ると少し伝搬損失を大きめに考慮する傾向が得られ,広範囲の置局設計を行う際には,2Dの電子地図を用いた場合でも,精度良く設計を行うことが可能である。

(2) 屋外の電波伝搬現象を置局シミュレータ上で再現することができた。今後は,屋内へのシステム展開を行う場合に備え,屋外システムから屋内への漏えい電力や屋内伝搬特性の確認を行い,屋内の置局設計技術を確立していく。

うことができた。なお,フィールドトライアルの詳細は,本誌掲載の「LTE移動通信システムのフィールドトライアル」を参照いただきたい。

む  す  び

本稿では,無線エンジニアリング技術の設計方法と,フィールドトライアルでの検証結果について述べた。以下に,まとめと今後の展開を述べ,むすびとしたい。(1) 置局設計の精度向上のために,3Dの電子地図を用いたシミュレーションや自動最適化アルゴ

む  す  び

移動距離

実測値Simulation結果

RS

Sig

nal L

evel(

dBm)

-120

-100

-80

-60

-40

-20

(a)下り回線(DL) (b)上り回線(UL)

平均SINR(dB) 平均SINR(dB)

スループット(

kbps)

スループット(

kbps)

図-2 受信電力の実測値とシミュレーション結果との比較 Fig.2-Comparison of measurement value and simulation result of received power.

図-3 SINRとスループットの関係Fig.3-Relation between SINR and throughput.

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無線エンジニアリング技術

ンジニアリング技術が必須であり,今後とも検討を続け,最適なシステム構築に貢献していきたい。

社会インフラとしてのLTEシステムの無線ネットワーク設計を行うには,本稿で紹介した無線エ

小野光洋(おの みつひろ)

富士通ネットワークソリューションズ(株)キャリアビジネス本部 所属現在,広帯域移動通信システムの方式設計に従事。

俵 覚(たわら さとる)

富士通ネットワークソリューションズ(株)キャリアビジネス本部 所属現在,広帯域移動通信システムの方式設計に従事。

牧野諭志(まきの さとし)

富士通ネットワークソリューションズ(株)キャリアビジネス本部 所属現在,広帯域移動通信システムの方式設計に従事。

著 者 紹 介