オバマの医療 IT政策と日本版 EHR

オバマの医療 IT政策と日本版 EHR

東京医科歯科大学東京医科歯科大学田中　博田中　博2009.5.212009.5.21

第第 2525回インターネット技術第回インターネット技術第 163163委員会研究会　委員会研究会　 -ITRC meet25--ITRC meet25-

ITITによるヘルスケア・ニューディールを目指してによるヘルスケア・ニューディールを目指してインフラからアプリケーションまでインフラからアプリケーションまで

Obama 大統領のHealthcare IT 政策Obama 大統領の

Healthcare IT 政策

オバマ大統領　Healthcare IT 新政策オバマ大統領　

Healthcare IT 新政策 The American Recovery and Reinvestment Act The American Recovery and Reinvestment Act

(ARRA) (ARRA) 2009.2.17,2009.2.17, Obama Obama 大統領署名大統領署名 通称”通称” Stimulus” Stimulus” 景気対策景気対策

Economic Recovery PackageEconomic Recovery Package

（（＄＄ 789.5B789.5B ）の一環として）の一環として ヘルスケアヘルスケア ITIT にに 192192 億ドル億ドル支援を支援を 議院合意を取る議院合意を取る ONCHITONCHIT にに 2020 億ドル億ドル EHREHR 採用医療従事者に採用医療従事者に 172172 億ドル億ドル MedicareMedicare ボーナボーナ

スス

オバマ大統領　Healthcare IT 新政策オバマ大統領　

Healthcare IT 新政策 ONCHITONCHIT への予算　への予算　 2020 億ドル億ドル (2000(2000 億円億円 ))

Office of the National Coordinator for Health ITOffice of the National Coordinator for Health IT 国家医療国家医療 ITIT 調整官室調整官室 HHS: Department of Health and Human ServiceHHS: Department of Health and Human Service

計　画計　画 電子カルテの標準化電子カルテの標準化 診療情報の地域共有のためのインフラ整備、診療情報の地域共有のためのインフラ整備、 EHREHR 推進のために州への予算配分、推進のために州への予算配分、 遠隔医療の促進、遠隔医療の促進、 地域医療地域医療 ITIT センターの創設などに使用される。センターの創設などに使用される。

オバマ大統領　Healthcare IT 新政策オバマ大統領　

Healthcare IT 新政策 相互運用性相互運用性 EHREHR の”有意な利用”に対しての”有意な利用”に対して

Medicare, MedicaidMedicare, Medicaid の支払いボーナスの支払いボーナス 医師　総計医師　総計 $44,000$44,000 （約（約 440440 万円） のボーナス万円） のボーナス 20112011 あるいはあるいは 20122012 から始めると全額もらえるから始めると全額もらえる 初年度は初年度は $18000$18000 （（ 180180 万円）漸次減少万円）漸次減少

僻地の医療施設　僻地の医療施設　 10%10% ボーナス増加ボーナス増加

オバマ大統領　Healthcare IT 新政策オバマ大統領　

Healthcare IT 新政策 EHREHR の有意な利用の有意な利用 (meaningful use)(meaningful use) とはとは

電子処方箋 電子処方箋 e-Prescribinge-Prescribing (( 地域地域 ) ) 医療情報連携 医療情報連携 (Health information Exchange)(Health information Exchange) 医療連携 医療連携 care coordination care coordination による地域医療質の向上による地域医療質の向上 医療の質の評価を受ける医療の質の評価を受ける

submission for quality measurementsubmission for quality measurement

認定された認定された EHREHR システムシステム NCNC の標準に合致の標準に合致 患者基本情報患者基本情報 ,, 病歴病歴 ,, 問題リスト問題リスト ,, 質指標質指標 臨床意思支援臨床意思支援 ,, オーダリングオーダリング 臨床情報の施設間交換臨床情報の施設間交換

オバマ大統領　Healthcare IT 新政策オバマ大統領　

Healthcare IT 新政策 病院に対するインセンティブ病院に対するインセンティブ

““ 有意味な”有意味な” EHREHR の使用の使用 医療の質の向上に医療情報交換医療の質の向上に医療情報交換 医療の質について調査医療の質について調査 基本基本 200200 万ドル（２億円）最大万ドル（２億円）最大 1111 億ドル億ドル 入院患者 入院患者 X X 日数日数 X$200 X (Medicare PartAX$200 X (Medicare PartA 率 率 XX推移係数推移係数 ))

20152015 年まで年まで EHREHR 非使用のペナルティ非使用のペナルティ 医師　医師　 20152015 年以降　年以降　 EHREHR 非使用非使用　　　　 99% 2015, 98% 2016, 97% 201799% 2015, 98% 2016, 97% 2017 ホスピタル　減益ホスピタル　減益 33.3%33.3%

医療政策が緊急に解決すべき現在の課題　

医療政策が緊急に解決すべき現在の課題　

医師不足による「地域医療の崩壊」医師不足による「地域医療の崩壊」 超高齢化社会への対応超高齢化社会への対応

6565 歳以上歳以上 20.8%20.8% 、医療比率、医療比率 35%35% 以上以上 生活習慣病（慢性疾患）の増大生活習慣病（慢性疾患）の増大

重症化予防体制重症化予防体制 医療供給の非計画性医療供給の非計画性 ,,integrityintegrity の欠如の欠如 医療費の適正化医療費の適正化

ITによる医療の再生？ITによる医療の再生？

現在の医療の混迷を解決するために現在の医療の混迷を解決するために

どんな基本軸でどんな基本軸で

２つの基本概念２つの基本概念

「生涯を通じた」健康 /疾病管理「生涯を通じた」健康 /疾病管理

「生涯継続性」「生涯継続性」 lifelong-continuitylifelong-continuity 生涯的健康生涯的健康 // 疾病管理への転換疾病管理への転換

医療費は慢性疾患に掛かる費用が大半医療費は慢性疾患に掛かる費用が大半 カルテの保存期間（米国小児科カルテの保存期間（米国小児科 2121 年など）年など） 超高齢化社会・超高齢化社会・ citizen-centeredcitizen-centered な医療へな医療へ

重症化予防と医療費の適正化重症化予防と医療費の適正化 糖尿病重症化の予防→医療費の適正化糖尿病重症化の予防→医療費の適正化 「治す」から「予防する」「管理する」へ「治す」から「予防する」「管理する」へ

longitudinal disease/healthcare managementlongitudinal disease/healthcare management

「統合性を持つ」医療の実現「統合性を持つ」医療の実現 「（地域）統合的構造」「（地域）統合的構造」 IntegrityIntegrity

統合的構造統合的構造 IntegrityIntegrity をもった医療の実現をもった医療の実現 地域完結型地域完結型（（ self-contained)self-contained) 包括ケア包括ケアをビルディをビルディングブロックにした医療ングブロックにした医療

医療資源の分布と適正化・医療崩壊と再生への医療資源の分布と適正化・医療崩壊と再生への視座　視座　地域医療連携体制地域医療連携体制

国民的規模の健康医療情報に基づいた医療国民的規模の健康医療情報に基づいた医療政策政策 (evidence-based healthcare policy)(evidence-based healthcare policy) の基盤の基盤としての地域医療再生としての地域医療再生　　　　

integrated regional disease/healthcare management

安心 /安全の「日常生活圏」医療安心 /安全の「日常生活圏」医療 生活圏基盤性 生活圏基盤性 Living-sphere centricityLiving-sphere centricity

老人医療･在宅療養老人医療･在宅療養 超高齢化社会の老人医療超高齢化社会の老人医療 在宅療養支援の在宅療養支援の ITIT 環境構築環境構築

日常生活圏疾病管理日常生活圏疾病管理 血糖値・血圧などの自己測定　慢性疾患管理血糖値・血圧などの自己測定　慢性疾患管理胎児心拍などの自己測定胎児心拍などの自己測定

日常生活圏健康管理日常生活圏健康管理ユビキタス健康情報管理　ユビキタス健康情報管理　 PHRPHR

Living-sphere centric disease/healthcare

これらの実現には　　　「情報」が必要であるこれらの実現には　　　「情報」が必要である

情報のもつ「統合力」情報のもつ「統合力」 単なる効率化の手段としてではない単なる効率化の手段としてではない 生涯継続性を支える「情報の継続性」生涯継続性を支える「情報の継続性」 統合的構造を支える「情報の連結性」統合的構造を支える「情報の連結性」 生活圏基盤性を支える「情報の遍在性」生活圏基盤性を支える「情報の遍在性」

３つの医療構造改革のために３つの医療構造改革のために　　　健康・疾患情報の電子化　　　健康・疾患情報の電子化

IT による医療構造改革の基盤としてのEHR ( 生涯電子カルテ）

IT による医療構造改革の基盤としてのEHR ( 生涯電子カルテ）

国民一人ひとりが自らの健康国民一人ひとりが自らの健康 // 医療情報を医療情報を「「生涯を通じて生涯を通じて」把握」把握 // 管理でき、健康管理でき、健康管理管理 // 疾病予防に活用できる『疾病予防に活用できる『仕組み仕組み』』

医療再生に向けた医療 IT政策の３つ基軸

医療再生に向けた医療 IT政策の３つ基軸

生涯継続性 生涯継続性 lifelong continuitylifelong continuity 地域統合性 地域統合性 Regional integrityRegional integrity 生活圏基盤性　生活圏基盤性　 Living-sphere centricityLiving-sphere centricity

健康医療情報基盤としての日本版 EHR/PHR

新しい医療再生の基軸新しい医療再生の基軸

EHR は包括的な医療 IT 政策のフレームワークである

EHR は包括的な医療 IT 政策のフレームワークである

国民各人の「生涯に亙った」健康医療管理 Longitudinal continuity of healthcare

加齢による疾患発症リスク管理・疾病の連携的ケア

国民の診療 /疾病情報に基づいた医療Evidence-based healthcare policy

電子化診療情報を基礎にした医療政策

国家

個人

地域

EHR の多面的機能性

地域地域 // 国レベルの健康医療基本情報集合の共有国レベルの健康医療基本情報集合の共有

複数医療施設による継続・連携的医療の実現Continual and Linked healthcare

診療情報共有化による組織的ケアの実現、重複診療の削減

EHR と医療制度 / 構造改革EHR と医療制度 / 構造改革医療制度 /構造に立脚した EHR 実現

EHR 実現のための医療制度 /構造改革

欧州：国家主導の社会福祉制度米国：民間保険による地域 HMO,PHR

カナダ：欧州型 ＋ 州の独立性

変化可能性と不可能性社会エンジニアリングそれゆえ

日本版 HERをどう実現するか日本版 EHR をどう実現するか

EHR 開発プロジェクト（国、計画中含む）

北米

西欧

　南　欧　

アジア・オセアニア韓国： EHR普及の国家プロジェクト推進台湾：同上オーストラリア：世界最先端標準化

フランス： IHEで EHR開発イタリア： EHR計画中

デンマーク：世界最先端、完成スエーデン：地域型ノルエウエー：遠隔医療

英　国：世界最大規模、 2008年迄オランダ：医薬と GPサマリスイス： HL7V３ドイツ：国策プロジェクト

カナダ： Infowayにより EHR推進　　　　　 2010年迄国民の 50％完　　　　　　　アメリカ： National Coordinator中心に　　　　　 2014年迄に EHR普及

北欧

英国の医療 IT化プロジェクト-2002 年から国家的大規模 Project-英国の医療 IT化プロジェクト-2002 年から国家的大規模 Project-

19791979 年から年から 19971997 年のサッチャ年のサッチャ == メジャーメジャー保守党政権の医療費抑制政策のため医療保守党政権の医療費抑制政策のため医療崩壊崩壊

19971997 年ブレア政権で年ブレア政権で 55 年間で医療費年間で医療費 1.51.5倍倍

わが国医療費削減政策わが国医療費削減政策 44 回連続して施行回連続して施行 20022002 年年 NPfITNPfIT ( National Project for IT) ( National Project for IT)

総額総額 1.21.2 兆円兆円　　 77 年から年から 1010 年年 イングランドをイングランドを 55 地域地域

20042004 年から年から CFH CFH ((Connecting for Health)Connecting for Health) 186186 億ポンドから億ポンドから 310310 億ポンド（億ポンド（ 33 兆兆 77 千千

億円～億円～ 66 兆兆 11 千億円）千億円） N3 N3 (the new Nationwide Network for NHS)(the new Nationwide Network for NHS)

医療専用ブロードバンドネットワーク医療専用ブロードバンドネットワーク Care Record ServiceCare Record Service Choose and BookChoose and Book ( ( 予約システム予約システム )) 電子処方箋サービス電子処方箋サービス (EPS)(EPS) PACS PACS ((Picture Achieving and Picture Achieving and

Communications Systems)Communications Systems) 　　

カナダ　 Health Infowayカナダ　 Health Infoway

患者、医療施設の属性・位置などの登録 -1 億 1 千万ドル

革新と受容 -6000 万ドル

薬剤情報システム1 億 85 百万ドル

検体検査情報システム

1 億 5 千万ドル

公衆衛生情報システム1 億ドル

遠隔医療1 億 5 千万ドル

画像診断情報システム

2 億 2 千万ドル

相互運用型 EHR-1 億 7500 万ドル

情報インフラ　 2500万ドル

Infoway Infoway 19901990 年代　年代　 Canada-wide health InfostructureCanada-wide health Infostructure の必要性と合意の必要性と合意 20002000 末　末　相互運用性のある相互運用性のある EHR SolutionEHR Solution を目指す官民を目指す官民組織 組織 CanaCana

da Health Infowayda Health Infoway 社を介して社を介して約約 10001000 億円の投資主導型プロジェ億円の投資主導型プロジェクトクト

統合はプロビンス（州）単位で行い、医療情報ネットワークに統合はプロビンス（州）単位で行い、医療情報ネットワークによって州ごとによって州ごとにカナダ人カナダ人にに EHREHR をを 20202020 年年までに実現する。までに実現する。

わが国の長期的医療 IT 政策の戦略的枠組み

わが国の長期的医療 IT 政策の戦略的枠組み

レセプト完全オンライン化

20042004 年までに年までに全国の全国の 22 次医療圏毎次医療圏毎に少なくとも一施設は電子カルテ普及に少なくとも一施設は電子カルテ普及20062006 年年までに全国のまでに全国の 400400 床以上の病院の床以上の病院の 66 割以上割以上に普及　に普及　 02/0302/03 電子カルテ助成電子カルテ助成

わが国における医療 IT 政策わが国における医療 IT 政策

ITIT 利活用重視先導的利活用重視先導的 77 分野の最初に掲げられる分野の最初に掲げられる生涯保健記録生涯保健記録，，施設間情報共有施設間情報共有，，経営の効率化と患者サービス経営の効率化と患者サービス

保健医療の保健医療の ITIT 化のグランドデザイン」（化のグランドデザイン」（ 2001.122001.12 ））

e-Japane-Japan 戦略戦略 IIII （（ 2003.72003.7 ））

重点計画重点計画 -2008-2008

ITIT 政策パッケージ政策パッケージ 20052005 （（ 2005.22005.2 ））診療報酬制度による医療の診療報酬制度による医療の ITIT 化の一層の促進化の一層の促進

ITIT 新改革戦略新改革戦略（（ 2006.12006.1 ）） 健康情報活用基盤

グランドデザイングランドデザイン 20072007

社会保障カード社会保障カード 電子私書箱電子私書箱ITIT 新改革戦略政策パッケージ 新改革戦略政策パッケージ 20072007

日本版 EHRへ関連する３つの動き日本版 EHRへ関連する３つの動きレセプトオンライン化・特定健診の義務化レセプトオンライン化・特定健診の義務化

地域医療の再生地域医療の再生 // 地域完結型医療の推進地域完結型医療の推進

IT新改革戦略 (平成 18年 1月 19日 ) レセプト： 2010年までにナショナルデータベースの整備・制度対応 健康情報：その活用方策を 2010年度までに確立

医療その他の情報化グランドデザイン (平成 19年 3月 27日 ) レセプト：平成 20年度末収集・分析体制構築、平成 23年度以降運用 健康情報：全国データ収集で疫学的活用方策を検討→健康情報活用基盤

規制改革推進のための３か年改革 (平成 19年 6月 22日閣議決定 )

医療制度改革関連法案（平成 18年 6月 14日） 第 164回通常国会において「健康保険法等の一部を改正する法律（平成 18

年 6月 21日法律第 83号）」及び「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律（同第 84号）」が成立。

医療連携体制の構築（平成 19年 7月指導課通達） 「医療機関の分化 ,連携を推進することを通して地域に切れ目のない医療の提供を実現する」（ 4疾病 5事業の医療計画の策定と 5年後の評価）

平成 20年度診療報酬改定（脳卒中・大腿骨骨折）

医療再生の基軸への IT支援医療再生の基軸への IT支援生涯継続性のある健康医療生涯継続性のある健康医療

義務的健診義務的健診 // レセプト突合によるレセプト突合による保健医療ナショナルデータベース保健医療ナショナルデータベース

統合性のある地域医療連携統合性のある地域医療連携

生活圏基盤性ある健康医療生活圏基盤性ある健康医療

地域医療再生に向けた IT 政策

日本版 EHR 　中長期計画日本版 EHR 　中長期計画

レセプト情報レセプト情報健診情報健診情報

ナショナルナショナル生涯生涯 DBDB 化化

全国連携全国連携統合地域統合地域

医療情報圏医療情報圏BB 統合統合地域医療情報圏地域医療情報圏

AA 統合統合地域医療情報圏地域医療情報圏

CC 統合統合地域医療情報圏地域医療情報圏 日本版日本版EHREHR

社会保障カード社会保障カード電子私書箱電子私書箱

地域地域 EHREHR

長期的医療 ITの基本戦略長期的医療 ITの基本戦略 地域医療連携体制・疾患別地域クリティカル地域医療連携体制・疾患別地域クリティカル

パスおよび日常生活圏健康医療情報パスおよび日常生活圏健康医療情報で蓄積さで蓄積される統合的地域医療情報を基盤として日本版れる統合的地域医療情報を基盤として日本版EHREHR を構築するを構築する

地域地域 EHREHR からから国民的国民的 EHREHR へへ integratied regional EHR/PHRintegratied regional EHR/PHR

補完的に保健医療ナショナル補完的に保健医療ナショナル DBDB を使用を使用 レセプトオンライ化義務的健診情報レセプトオンライ化義務的健診情報

統合的地域連携医療情報圏の確立統合的地域連携医療情報圏の確立 IntegratedIntegrated 　　 Regional Healthcare Information Sphere Regional Healthcare Information Sphere

(iRHIS) (iRHIS) 構想構想

地域連携クリティカルパス地域連携クリティカルパス 急性期病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れる診療計画を作成急性期病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れる診療計画を作成 治療を受ける全ての医療機関で共有して使用治療を受ける全ての医療機関で共有して使用 複数の医療機関が役割分担を含めあらかじめ診療内容を患者に提示複数の医療機関が役割分担を含めあらかじめ診療内容を患者に提示 施設ごとに治療経過により診療ガイドライン施設ごとに治療経過により診療ガイドライン // 診療内容診療内容 //達成目標を明示達成目標を明示

医療連携体制に基づく地域完結型医療を実現

厚生労働省「新しい医療計画の作成に向けた都道府県と国の懇談会、 2005.10 」

統合的地域医療情報圏構想どこが従来の医療連携と違うのか１

　

統合的地域医療情報圏構想どこが従来の医療連携と違うのか１

　

「疾患別」地域連携クリティカルパスの集合「疾患別」地域連携クリティカルパスの集合 全診療情報を共有化するのではなく全診療情報を共有化するのではなく 44 疾患の慢性疾患疾患の慢性疾患 地域の医療課題としての目標の疾患を選択地域の医療課題としての目標の疾患を選択 ヒエラルキー型連携モデルヒエラルキー型連携モデル ((１次１次 ,, ２次２次 ,,３次３次 ;; 診療所診療所 ,,一般病一般病院院 ,, 地域支援病院地域支援病院 ,,特定機能病院から特定機能病院から

　　　　　疾患別の水平型のネットワーク型連携モデルへ　　　　　疾患別の水平型のネットワーク型連携モデルへ 地域医療の状況の変化地域医療の状況の変化

慢性疾患の増加慢性疾患の増加 人口の人口の 40%40% が慢性疾患を抱えている、疾病管理へのパラダイム変換が慢性疾患を抱えている、疾病管理へのパラダイム変換 治療から発症予防、治療から発症予防、地域ぐるみの重症化予防へ地域ぐるみの重症化予防へ

地域医療の変容地域医療の変容 中核病院の慢性疾患外来への集中化中核病院の慢性疾患外来への集中化 新臨床研修プログラムなど「地域医療の崩壊」新臨床研修プログラムなど「地域医療の崩壊」 診療所の余力の現状診療所の余力の現状

　「　「慢性疾患管理」地域連携クリティカルパス慢性疾患管理」地域連携クリティカルパス

地域連携クリティカルパスの類型論地域連携クリティカルパスの類型論

一方向型一方向型 (one (one shoot) shoot) 脳卒中：急性期病院脳卒中：急性期病院 ,,回復期病院回復期病院 ,, リハビリリハビリ病院、在宅医療病院、在宅医療

循環型循環型 糖尿病：中核機関と糖尿病：中核機関と　診療所を巡廻する　診療所を巡廻する 周産期医療：進行期間周産期医療：進行期間が定型が定型

EHREHR厚生労働科学研究厚生労働科学研究班で提案班で提案

大血管症の定期的精査・治療方法決定　（ＡＢＩ、頸動脈エコー

、ＭＤ－ＣＴ、ＭＲＩ）

中核病 院 かかりつけ診療所

中核病院（糖尿病専門外来）

・コントロール不良例の治療・インスリン療法の導入　　

診療所（かかりつけ医）

・ 食事療法、内服剤療法患者の外来管理

・ インスリン導入後の外来管理　　

地域連携パ

ス１年に１回受診 毎月受診

頸動脈エコーマルチスライスＣＴ

継続的な外来管理

慢性透析患者数の推移

年別透析導入患者の主要原疾患の推移

地域連携クリティカルパスの例糖尿病性腎症による透析患者の増大

糖尿病性腎症

日本透析学会資料日本透析学会資料

循環・ユビキタスケア型循環・ユビキタスケア型

地域連携型疾患管理の必要条件地域連携型疾患管理の必要条件 医療施設の地域連携ネットワークの確立医療施設の地域連携ネットワークの確立

糖尿病患者の場合、高リスク群を中核病院専門医へ集中さ糖尿病患者の場合、高リスク群を中核病院専門医へ集中させ、低せ、低 // 中リスク群を診療所非専門医へ配分、非通院の抑中リスク群を診療所非専門医へ配分、非通院の抑制制

非専門医に診療ガイドラインによる地域連携パスを支援非専門医に診療ガイドラインによる地域連携パスを支援 「「 EvidenceEvidence に基づく診療ガイドライン」の地域連携に基づく診療ガイドライン」の地域連携

パスへの展開パスへの展開 診療所医師への診療所医師への TechnologyTechnology 　　 TransferTransfer 　　 (( 技術移技術移

転）転） 疾患勉強会　診療ガイドライン、外来患者管理の具体的方疾患勉強会　診療ガイドライン、外来患者管理の具体的方法法

患者自己管理のための教育啓発モデル患者自己管理のための教育啓発モデル 評価に基づいた地域連携クリティカルパスの改善評価に基づいた地域連携クリティカルパスの改善

統合的地域医療情報圏構想どこが従来の医療連携と違うのか２

　

統合的地域医療情報圏構想どこが従来の医療連携と違うのか２

　

「「 55事業」を支援する地域広域情報ネットワーク事業」を支援する地域広域情報ネットワーク 急性・亜急性の急性・亜急性の 55 事業対策　救急・産科・小児科事業対策　救急・産科・小児科 広域災害・僻地対応の情報システム広域災害・僻地対応の情報システム 広域医療情報システムの整備広域医療情報システムの整備

地域医療情報センターの必要性地域医療情報センターの必要性 地域の空床状況などを把握する地域の空床状況などを把握する 産科問題：危機管理システム産科問題：危機管理システム 広域災害医療：電子トリアージなどユビキタス技術の利用広域災害医療：電子トリアージなどユビキタス技術の利用　　　　　　連結型処方　　　　　　連結型処方 DBDB の利用の利用

　　急性・亜急性地域情報ネットワーク急性・亜急性地域情報ネットワーク

統合的地域医療情報圏構想どこが従来の医療連携と違うのか３

　

統合的地域医療情報圏構想どこが従来の医療連携と違うのか３

　

ユビキタス健康医療ユビキタス健康医療 ((u-Healthcareu-Healthcare)) との結合との結合 老人医療･在宅療養への移行老人医療･在宅療養への移行

在宅療養支援の在宅療養支援の ITIT 環境構築環境構築 「遠隔（通信）医療」の利用テレビ電話「遠隔（通信）医療」の利用テレビ電話 ユビキタス生体センサによるユビキタス生体センサによる

日常生活圏による地域疾病管理パスの補完日常生活圏による地域疾病管理パスの補完 血糖値・血圧などの自己測定　慢性疾患管理血糖値・血圧などの自己測定　慢性疾患管理 日常生活圏－診療所－病院　慢性疾患管理サーバへの連結日常生活圏－診療所－病院　慢性疾患管理サーバへの連結 胎児心拍などの自己測定（産科クリティカルパス）胎児心拍などの自己測定（産科クリティカルパス）

日常生活圏健康管理　日常生活圏健康管理　 PHRPHR ユビキタス健康情報管理　安心安全のためのユビキタス健康情報管理　安心安全のための PHRPHR

　　日常生活圏健康疾病管理と地域医療情報の結合日常生活圏健康疾病管理と地域医療情報の結合

統合的地域医療情報圏 (iRHIS)integrated Regional Healthcare Information Sphere統合的地域医療情報圏 (iRHIS)integrated Regional Healthcare Information Sphere

地域医療情報ネットワークセンターの必要性地域医療情報ネットワークセンターの必要性 33 種類のネットワークを箍としたシステム種類のネットワークを箍としたシステム 慢性疾患管理地域連携クリティカルパス慢性疾患管理地域連携クリティカルパス

地域 慢性疾患疾病管理システムに診療所・病院からデータ地域 慢性疾患疾病管理システムに診療所・病院からデータインポートインポート //相互参照・相互書込み可能相互参照・相互書込み可能

疾患別連携クリティカルパス　疾患別連携クリティカルパス　 11 方向型、循環型方向型、循環型 診療所と中核病院との間の診療情報 相互参照診療所と中核病院との間の診療情報 相互参照

WebWebカルテ，カルテ， SaaSSaaS（（ ASP)ASP)の利用の利用 日常生活圏システム健康モニタリングとの連携日常生活圏システム健康モニタリングとの連携

急性亜急性地域医療情報ネットワーク急性亜急性地域医療情報ネットワーク 55 事業事業 ,, 特に救急医療特に救急医療 // 産科小児科医療産科小児科医療

日常生活圏ユビキタス健康医療日常生活圏ユビキタス健康医療 在宅療養在宅療養 //慢性疾患管理慢性疾患管理 //健康健康 ワイアレスワイアレス // モバイル生体情報伝送モバイル生体情報伝送

地域医療地域医療

ユビキタス健康医療圏Ubiquitous Healthcare Information Sphereユビキタス健康医療圏

Ubiquitous Healthcare Information Sphere

病院病院

診療所診療所

診療所診療所 診療所診療所

日常生活日常生活

Regional Healthcare Information Regional Healthcare Information SphereSphere

Daily Healthcare InformationDaily Healthcare InformationSphereSphere

Med Information NetworkMed Information Network

他の中核他の中核病院へ病院へ

日常生活圏日常生活圏健康医療健康医療

EHR+PHREHR+PHR

地域医療情報センタ地域医療情報センタ慢性疾患管理サーバ慢性疾患管理サーバ

日本版 EHR の中長期的な戦略的枠組みは、地域医療連携体制を基盤にこれと生涯的健康情報の統合を軸に展開する必要がある

日本版 EHR の中長期的な戦略的枠組みは、地域医療連携体制を基盤にこれと生涯的健康情報の統合を軸に展開する必要がある