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パリレンコーティングに関して 2011/06/24 渡辺健太郎 ReCap board のコーティングを追い求める。surface mount 型は湿度の影響により2、 3年でお役ごめんとなった。コンデンサーの足を長くする事で水分の溜まりを防いだとは言 うもののコーティングがない事には酸化もするし湿度が上昇したら露出された電極間でパ スを形成してしまう。なので、コーティングは ReCap-board 開発にあたり非常に重要な要 素である。 今まで数種類のコーティングを試して来たが今回は Muon Arm 本体が実際に採用してい る、パリレ d ンコーティングに関してテストする。これが私達の本命である。今日は、その 試作器を用いたパリレンコーティングの評価結果を載せます。 1. まず、パリレンって何? パリレンっていうのは要するに対象に重合系の分子をムクムク繁殖させてコーティング しちゃいましょうってノリのものらしいです。塗るとか吹き付けるとかドブ漬けするって概 念とは違うみたいです。 そして、パリレンっていうのも結構な種類がありましてパリレン N だとかパリレン C とか D だとか、まぁいろいろあるらしっす。その中でも僕たちは湿度耐性と絶縁性のバラ ンスが良いパリレン C っていうのをチョイス!Moun Arm 本体もパリレン Cパリレン・コーティングでは極薄ながら全面に均一なコーテングができる。形状にかかわらず、微細な隙間 の中なども均一にカバーする。液体などをもちいる従来法のコーティングでは、表面張力により凹部は厚く なり、コーティングがダメージを受けやすい角部が薄くなる。また微細な隙間の中には表面張力のため入っ てゆかず、隙間内は未コーティングのまま残される。

パリレンコーティングに関してccjsun.riken.jp/~kentarow/2011_06_28_2/humidity_parylen.pdf恒温器テスト 2kV、30C、で2サイクル。 50(1h)->90(4h)->50(20min)->90(4h)->50(20min)->90(20min)->hold。

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パリレンコーティングに関して 2011/06/24 渡辺健太郎

ReCap boardのコーティングを追い求める。surface mount型は湿度の影響により2、3年でお役ごめんとなった。コンデンサーの足を長くする事で水分の溜まりを防いだとは言

うもののコーティングがない事には酸化もするし湿度が上昇したら露出された電極間でパ

スを形成してしまう。なので、コーティングは ReCap-board開発にあたり非常に重要な要素である。 今まで数種類のコーティングを試して来たが今回はMuon Arm本体が実際に採用している、パリレ dンコーティングに関してテストする。これが私達の本命である。今日は、その試作器を用いたパリレンコーティングの評価結果を載せます。 1. まず、パリレンって何? パリレンっていうのは要するに対象に重合系の分子をムクムク繁殖させてコーティング

しちゃいましょうってノリのものらしいです。塗るとか吹き付けるとかドブ漬けするって概

念とは違うみたいです。 そして、パリレンっていうのも結構な種類がありましてパリレン Nだとかパリレン Cだとか D だとか、まぁいろいろあるらしっす。その中でも僕たちは湿度耐性と絶縁性のバランスが良いパリレン Cっていうのをチョイス!Moun Arm本体もパリレン C。

パリレン・コーティングでは極薄ながら全面に均一なコーテングができる。形状にかかわらず、微細な隙間

の中なども均一にカバーする。液体などをもちいる従来法のコーティングでは、表面張力により凹部は厚く

なり、コーティングがダメージを受けやすい角部が薄くなる。また微細な隙間の中には表面張力のため入っ

てゆかず、隙間内は未コーティングのまま残される。

パリレンCはパリレンNのベンゼン環の水素ひとつを塩素で置き換えた構造をもち、電気特性と物理特性

のバランスがよく、かつ高いバリア性をもっています。 パリレン Dはパリレン Nの水素二つを塩素で置換し

たもので、特性はパリレン C に似ていますが、より高い耐熱性をもっています。

2.これがコーティングしたものです。 日本パリレンの方に相談したところ1個だけ試作品としてコーティングして頂けました。無

料でした。有り難い。1週間ほどで理研に郵送してくれました。 受注会社:日本パリレン合同会社 ロット:K0-11-06-02 ←? コーティング材 :DPX-C 膜厚規格値 :10~20μm 担当:サーフィンやってました!ってチャラい感じの人。たぶん文系卒だろう。 ホームページ:http://www.parylene.co.jp/ ハイ!これ↓がコーティング済み!!さすが 17μm!ほとんどわからないわ!!

ん~これで本当にコーティング出来てると言うなら、すばらしい。。。 3.導通接触率 テスターで Anode Card との導通成功率を確認。 以下の図の様に Anode Cardと接触したピンの抵抗を測る事で導通を確認した。

結果は残念な事に導通を確認出来なかった。しかし、ピン上のプローブをだいぶ強めに押さ

えると導通を確認する事ができる。たしか 0.4Ωぐらいで。導通が出来なった理由としては全体をコーティングした事により ReCap側に落としたテスターのプローブが導通出来ない場合とピンがコーティングを貫けない場合が考えられる。なので、一部コーティングを削り 前者の仮説を潰した測定を行う必要がある?OKですかね?中川さま。

4.湿度耐性 湿度耐性が今回のキモである。ReCap board のない状態でも湿度を上げると暗電流は増加する事は確認されているので、高湿度の状況下でも暗電流の量がどれだけ

ReCap なしの状態と近づけるかが肝心である。

恒温器テスト 2kV、30C、で2サイクル。 50(1h)->90(4h)->50(20min)->90(4h)->50(20min)->90(20min)->hold。 写真は 1min interval。 電流のモニター:今回は hv moduleから(Tなしで)直接 flukeに lemo cable差して測定。2kV, 30C、50%で 1.050mV、90%で 1.550mVとかになるはず。。。。 測定開始日:6月22日(水) 16:00 測定終了日:6月24日(金) 03:00 設定:50(1h)->90(4h)->50(20min)->90(4h)->50(20min)->90(20min)->hold

詳しくはミーティングで!

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