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平成28年4月 財務省 日本の財政関係資料

日本の財政関係資料 - mof.go.jp · Ⅰ我が国財政の現状 現在、我が国の債務残高は対gdp比で231.1%。これは、歴史的に も国際的にも、例を見ない水準である。

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平成28年4月

財務省

日本の財政関係資料

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Ⅰ.我が国財政の現状1.平成28年度一般会計予算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

コラム.我が国財政を家計にたとえたら ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2.一般会計における歳出・歳入の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

3.国債残高の累増 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

4.国及び地方の長期債務残高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

5.財政事情の国際比較 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

6.国債残高の増加要因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

7.OECD諸国の政府支出及び収入の関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

目 次

8.社会保障分野 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

9.社会保障以外の歳出分野 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

10.財政赤字の問題点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

11.国債をめぐる環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

12.欧州債務危機 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

Ⅱ.各分野の課題

第1部 我が国財政について

Ⅲ.財政健全化の必要性

Ⅳ.財政健全化に向けた取組み13.国・地方の財政状況の見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

14.財政健全化への道筋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

15.財政健全化に向けた国際的な動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

コラム.財政健全化目標に用いられる指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40

第2部 平成28年度予算

平成28年度予算のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43

(参考)会計情報とPDCAサイクル

Ⅰ.国の貸借対照表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52

Ⅱ.一般会計と特別会計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

Ⅲ.PDCAサイクル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・54

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Ⅰ 我が国財政の現状

現在、我が国の債務残高は対GDP比で231.1%。これは、歴史的にも国際的にも、例を見ない水準である。しかも、急速な高齢化の進展の下で、債務残高累増の趨勢は未だに止まる展望が見えない。(財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月24日)」)

第1部

我が国財政について

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社会保障

319,738

33.1%

地方交付税

交付金等

152,811

15.8%

公共事業

59,737

6.2%文教及び

科学振興

53,580

5.5%

防衛

50,541

5.2%

その他

94,690

9.8%

債務償還費

137,161

14.2%

利払費等

98,961

10.2%

国債費236,12124.4%

基礎的財政収支対象経費731,09775.6%

一般会計歳出総額967,218

(100.0%)

国の一般会計歳出では、社会保障関係費や国債費が年々増加している一方、その他の政策的な経費(公共事業、教育、防衛等)の割合が年々縮小しています。

国債の元利払いに充てられる費用(国債費)と社会保障関係費と地方交付税交付金等で歳出全体の7割以上を占めています。

(1)歳出内訳

(単位:億円)予算(平成28年度)

1

食料安定供給 10,282 (1.1%) 中小企業対策 1,825 (0.2%) エネルギー対策 9,308 (1.0%) 恩給 3,421 (0.4%) 経済協力 5,161 (0.5%) その他の事項経費 61,193 (6.3%) 予備費 3,500 (0.4%)

※「基礎的財政収支対象経費」とは、歳出のうち国債費を除いた経費のこと。当年度の政策的経費を表す指標。

※「一般歳出」(=「基礎的財政収支対象経費」から「地方交付税交付金等」を除いたもの)は、578,286(59.8%)。うち社会保障関係費は約55%。

1.平成28年度一般会計予算

1

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租税及び

印紙収入

576,040

59.6%

所得税179,75018.6%

法人税122,33012.6%

その他収入46,8584.8%

公債金344,32035.6%

消費税171,85017.8%

その他102,11010.6%

特例公債283,82029.3%

建設公債60,5006.3%

平成28年度一般会計予算における歳入のうち税収は約58兆円を見込んでいます。本来、その年の歳出はその年の税収や税外収入で賄うべきですが、 平成28年度予算では歳出全体の3分の2程度しか賄えていません。この結果、残りの3分の1程度を公債金すなわち借金に依存しており、これは将来世代の負担となります。

(2)歳入内訳

2

予算(平成28年度)

揮発油税 23,860 (2.5%)酒税 13,590 (1.4%)相続税 19,210 (2.0%)たばこ税 9,230 (1.0%)関税 11,060 (1.1%)石油石炭税 6,880 (0.7%)自動車重量税 3,850 (0.4%)その他税収 3,910 (0.4%)印紙収入 10,520 (1.1%)

(単位:億円)

一般会計歳入総額967,218(100.0%)

2

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20万円/月ローン返済(元本12万円利子8万円)

支出総額

年967万円

(81万円/月)8万円/月

その他生活費

年金、医療、介護等

4万円/月防犯

52万円/月給与収入

29万円/月借金

収入総額

年967万円

(81万円/月)

一般会計歳入・歳出総額が96.7兆円の我が国財政を1年間の支出が967万円の家計にたとえると、月収52万円に対して、毎月新たに29万円の新規借入れを行っており、ローン残高は8,664万円に達しています。

3

ローン残高:8,664万円うち住宅ローン残高

:2,749万円生活費ローン残高

:5,916万円

支出と収入のアンバランスが著しい。

現実には銀行が融資してくれる水準にはない。

今は超低金利だが、金利が上昇すれば利払費は急増。

年金・医療・介護費用は親世代の高齢化に伴い毎年5万円程度増加中。

夫(45)会社員

妻 (42)主婦

子(13)中学生

祖父(79)

祖母(75)

祖父(69)

祖母(67)

コラム 我が国財政を家計にたとえたら

27万円/月

13万円/月地方への仕送り5万円/月

住宅

4万円/月教育

3

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2.一般会計における歳出・歳入の状況

我が国財政は歳出が歳入(税収)を上回る状況が続いています。特に、平成20年度以降、景気悪化に伴う税収の減少等により歳出と歳入の差額が拡大し、その差は借金である国債(建設国債・特例国債)の発行によって賄われています。

4

2.1 3.5 4.5 4.3

6.3 7.2 5.9 7.0 6.7 6.4 6.0 5.0

2.5 1.0

0.2 0.8 2.0

9.2 8.5

16.9

24.3 21.9 20.9

25.8 28.7

26.8

23.5 21.1

19.3

26.2

36.9 34.7 34.4

36.0 33.8

31.9 29.9

28.4

3.2

3.7

5.0 6.3

7.1 7.0

7.0 7.0 6.8 6.4 6.3

6.2

6.9

6.2 6.4 6.3 6.7 9.5

16.2 12.3

16.4

10.7 9.9

17.0

13.2

11.1

9.1

9.1 6.7

8.7

7.8

6.4

6.0

7.0

15.0

7.6 8.4

11.4

7.0 6.6

6.5

6.1

13.8 15.7

17.3

21.9 23.7

26.9 29.0

30.5 32.4

34.9

38.2

41.9

46.8

50.8

54.9

60.1 59.8

54.4 54.1

51.0 51.9 52.1 53.9

49.4 47.2

50.7

47.9

43.8 43.3

45.6

49.1 49.1 51.0

44.3

38.7 41.5

42.8

43.9

47.0

54.0

56.4 57.6

20.9

24.5

29.1

34.1

38.8

43.4

46.9 47.2

50.6 51.5 53.0 53.6

57.7

61.5

65.9

69.3 70.5 70.5

75.1 73.6

75.9

78.8 78.5

84.4

89.0 89.3

84.8 83.7

82.4

84.9 85.5

81.4 81.8

84.7

101.0

95.3

100.7

97.1

100.2 98.8 99.7

96.7

5.3

7.2

9.6 10.7

13.5 14.2

12.9 14.0 13.5

12.8 12.3

11.3 9.4

7.2 6.6 6.3 6.7

9.5

16.2

13.2

18.4 19.9

18.5

34.0

37.5

33.0

30.0

35.0 35.3 35.5

31.3

27.5

25.4

33.2

52.0

42.3 42.8

47.5

40.9

38.5 36.4

34.4

0

20

40

60

80

100

120

5051525354555657585960616263元 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819202122232425262728

(兆円)

(年度)

一般会計歳出

一般会計税収

建設国債発行額

特例国債発行額

(注1)平成26年度までは決算、平成27年度は補正後予算、平成28年度は予算による。(注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から

5%への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための復興債、平成24年度及び25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債を除いている。

4

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2 5 10 15 21 28 33

40 47 53

59 64 65 65 64 65 64 63 61 64 67 77

83

108

134

158

176

199

231

258

280 288

305

321

356

390

411

445

477

506

534

555

13 17 22 28

35 42

49 56

63 69

75 81

87 91 97 102 108 116

131 142

158

168 175

187

197

209

216

222

226

241

247 243 237 225

238

246

248

250

258

260

270

275

0

0

11

10

9

8

8

8

0 1 2 2 2 3 4 6 8 10 15 22

32 43

56 71

82 96

110 122

134 145

152 157 161 166 172 178

193 207

225

245 258

295

332

368

392

421

457

499

527 532 541 546

594

636

670

705

744

774

812

838

0

20

40

60

80

100

120

140

160

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

550

600

650

700

750

800

850

900

404142434445464748495051525354555657585960616263 元2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415161718192021222324 25262728

(兆円)

(年度末)

建設国債残高

特例国債残高

一般会計税収の約15年分に相当(平成28年度一般会計税収予算額:約58兆円)

平成28年度末国債残高

約838兆円 (見込み)

国民1人当たり 約664万円4人家族で 約2,656万円

※勤労者世帯の平均年間可処分所得約508万円

(平均世帯人員 3.40人)

復興債残高

42.4%

36.2%

104.3%

国債残高対GDP比

(注1)国民1人当たりの公債残高は、平成28年の総人口(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計))で公債残高を除した数値。

(注2)可処分所得、世帯人員は、総務省「平成26年家計調査年報」による。

161.5%

3.国債残高の累増

我が国の普通国債残高は、年々増加の一途をたどっています。平成28年度末の普通国債残高は838兆円に上ると見込まれていますが、これは税収約15年分に相当し、将来世代に大きな負担を残すことになります。

5

(%)

(注1)公債残高は各年度の3月末現在額。ただし、平成27年度末は補正後予算に基づく見込み、平成28年度末は予算に基づく見込み。(注2)特例公債残高は、国鉄長期債務、国有林野累積債務等の一般会計承継による借換国債、臨時特別公債、減税特例公債及び年

金特例公債を含む。(注3)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成

24年度以降は東日本大震災復興特別会計において負担)を公債残高に含めている(平成23年度末:10.7兆円、平成24年度末:10.3兆円、平成25年度末:9.0兆円、平成26年度末:8.3兆円、平成27年度末:7.8兆円、平成28年度末:7.6兆円)。

(注4)平成28年度末の翌年度借換のための前倒債限度額を除いた見込額は790兆円程度。

5

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(単位:兆円)

平成10年度末 平成15年度末 平成20年度末 平成21年度末 平成22年度末 平成23年度末 平成24年度末 平成25年度末 平成26年度末 平成27年度末 平成28年度末

(1998年度末) (2003年度末) (2008年度末) (2009年度末) (2010年度末) (2011年度末) (2012年度末) (2013年度末) (2014年度末) (2015年度末) (2016年度末)

< 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実 績 > < 実績見込 > < 予 算 >

390 493 573 621 662 694 731 770 800 842 866

( 387 ) ( 484 ) ( 568 ) ( 613 ) ( 645 ) ( 685 ) ( 720 ) ( 747 ) ( 772 ) ( 798 ) ( 818 )

295 457 546 594 636 670 705 744 774 812 838

( 293 ) ( 448 ) ( 541 ) ( 586 ) ( 619 ) ( 660 ) ( 694 ) ( 721 ) ( 746 ) ( 768 ) ( 790 )

58% 91% 112% 125% 132% 141% 149% 154% 158% 161% 161%

( 57% ) ( 89% ) ( 110% ) ( 124% ) ( 129% ) ( 139% ) ( 146% ) ( 149% ) ( 152% ) ( 153% ) ( 152% )

163 198 197 199 200 200 201 201 201 199 196

対GDP比 32% 40% 40% 42% 42% 42% 42% 42% 41% 40% 38%

553 692 770 820 862 895 932 972 1,001 1,041 1,062

( 550 ) ( 683 ) ( 765 ) ( 812 ) ( 845 ) ( 885 ) ( 921 ) ( 949 ) ( 972 ) ( 997 ) ( 1014 )

108% 138% 157% 173% 179% 189% 196% 201% 204% 207% 205%

( 108% ) ( 136% ) ( 156% ) ( 171% ) ( 176% ) ( 187% ) ( 194% ) ( 197% ) ( 199% ) ( 198% ) ( 195% )

地 方

国・地方合計

対GDP比

普通国債残高

対GDP比

(注1)「交付税特会」とは、「交付税及び譲与税配付金特別会計」を指す。

(注2)( )内は、翌年度借換のための前倒債限度額(48兆円)を除いた額。(注3)平成28年度末の国の公債残高[普通国債]は、復興債(約7.6兆円)を含む額。

(注4)①の地方の長期債務残高には、地方債、交付税特会借入金、地方公営企業債(普通会計負担分)(20兆円)が含まれる。(注5)①及び②の借入金等=借入金+出資国債等。なお、①の借入金等は、地方の負担で償還される交付税特会借入金残高(32兆円程度)を除いた値。(注6)③の国債は普通国債、交付国債及び承継国債、③の借入金等は出資国債等を含む。

4.国及び地方の長期債務残高

普通国債残高以外にも借入金や地方債務残高などの長期債務が存在します。これらを国・地方の双方について集計した「国及び地方の長期債務残高」は、平成28年度末に1,062兆円(対GDP比205%)に達する見込みです。

6

(参考)各種統計における債務残高

(注1)GDPは、平成26年度までは実績値、平成27年度は実績見込み、平成28年度は政府見通しによる。

(注2)東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計において、平成24年度以降は東日

本大震災復興特別会計において負担。平成23年度末:10.7兆円、平成24年度末:10.3兆円、平成25年度末:9.0兆円、平成26年度末:8.3兆円、平成

27年度末:7.8兆円、平成28年度末:7.6兆円)及び、基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債(平成24年度末:2.6

兆円、平成25年度末:5.2兆円、平成26年度末:4.9兆円、平成27年度末:4.6兆円、平成28年度末:4.4兆円)を普通国債残高に含めている。

(注3)平成26年度末までの( )内の値は翌年度借換のための前倒債発行額を除いた計数。平成27年度末、平成28年度末の( )内の値は、翌年度借換のための前倒債限度額を除いた計数。

(注4)交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金については、その償還の負担分に応じて、国と地方に分割して計上している。なお、平成19年度初を

もってそれまでの国負担分借入金残高の全額を一般会計に承継したため、平成19年度末以降の同特会の借入金残高は全額地方負担分(平成28

年度末で32兆円程度)である。

(注5)平成27年度以降は、地方は地方債計画等に基づく見込み。(注6)このほか、平成28年度末の財政投融資特別会計国債残高は94兆円程度。

社会保障基金債務 11兆円独法等債務 16兆円

① 国 と 地 方 の 長 期 債 務 残 高 ② 国 債 及 び 借 入 金 現 在 高 ③ 一 般 政 府 総 債 務

<平成28年度末見込> <平成28年度末見込> <平成26年度末実績>

【財務省主計局調査課】 【財務省理財局国債企画課】 【内閣府経済社会総合研究所】

その他

政府債務

地方 196兆円

国債[割引短期国債除く]

781兆円

国庫短期証券 155兆円

地方政府債務 191兆円

財投債 94兆円

借入金等 61兆円

国の公債残高[普通国債]838兆円

(790兆円)

国の公債残高[普通国債]838兆円

(790兆円)

政府短期証券 199兆円

借入金等 29兆円

中央政府債務

借入金等 71兆円

1,191兆円(1,143兆円)

1,062兆円(1,014兆円)

1,225兆円

利払・償還財源が主として税財源により賄われる国・地方の長期債務を集計したもの。

市場からの調達など、国の資金調達活動の全体像を示すための残高

交付税特会の借入金32兆円を含む

国際比較に資するため、世界共通の基準(SNA)に基づき、一般政府(中央政府、地方政府及び社会保障基金)の債務残高を集計したもの。

交付税特会の借入金33兆円を含む

割引短期国債33兆円を含む

割引短期国債38兆円を含む

交付税特会の借入金32兆円を含む

6

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▲ 16.0

▲ 12.0

▲ 8.0

▲ 4.0

0.0

4.0

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(%)

日本

米国

英国

フランス

イタリア

カナダ

ドイツ

1990年代後半に主要先進国がそろって財政収支を改善する中、我が国の財政収支は大幅な赤字が続きました。2000年代に入り、我が国の財政収支は一旦改善傾向に向かいましたが、2008年秋のリーマンショックの影響により、他の主要国と同様に悪化しました。2010年代に入ると、他の主要先進国が再び財政収支を改善する中、我が国は大幅な赤字が続いています。

財政収支の国際比較(対GDP比)

5.財政事情の国際比較

(対GDP比、%)

(出典) OECD “Economic Outlook 98”による2015年11月時点のデータを用いており、2016年度予算の内容を反映しているものではない。(注1)数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。ただし、日本及び米国は社会保障基金を除いた値。(注2)日本の財政収支については、単年度限りの特殊要因を除いた値。

<財政収支(対GDP比)>

(H26)(H25)(H24)(H23)(H22)(H21)(H20)(H19)(H18)(H17)(H16)(H15)(H14)(H13) (H27)

暦 年 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

日 本 ▲ 6.3 ▲ 7.6 ▲ 7.8 ▲ 6.4 ▲ 5.0 ▲ 3.1 ▲ 2.6 ▲ 3.1 ▲ 8.9 ▲ 8.3 ▲ 8.6 ▲ 8.2 ▲ 7.9 ▲ 7.1 ▲ 6.0 ▲ 4.9

米 国 ▲ 2.9 ▲ 6.3 ▲ 7.3 ▲ 6.7 ▲ 5.5 ▲ 4.5 ▲ 5.0 ▲ 8.4 ▲ 13.7 ▲ 12.6 ▲ 11.2 ▲ 9.3 ▲ 5.7 ▲ 5.3 ▲ 4.6 ▲ 4.5

英 国 0.4 ▲ 2.1 ▲ 3.4 ▲ 3.6 ▲ 3.5 ▲ 2.9 ▲ 3.0 ▲ 5.1 ▲ 10.8 ▲ 9.7 ▲ 7.7 ▲ 8.3 ▲ 5.7 ▲ 5.7 ▲ 3.9 ▲ 2.6

ド イ ツ ▲ 3.1 ▲ 3.9 ▲ 4.2 ▲ 3.8 ▲ 3.4 ▲ 1.7 0.2 ▲ 0.2 ▲ 3.2 ▲ 4.2 ▲ 1.0 ▲ 0.1 ▲ 0.1 0.3 0.9 0.6

フ ラ ン ス ▲ 1.4 ▲ 3.1 ▲ 3.9 ▲ 3.5 ▲ 3.2 ▲ 2.3 ▲ 2.5 ▲ 3.2 ▲ 7.2 ▲ 6.8 ▲ 5.1 ▲ 4.8 ▲ 4.1 ▲ 3.9 ▲ 3.8 ▲ 3.4

イ タ リ ア ▲ 3.4 ▲ 3.1 ▲ 3.4 ▲ 3.6 ▲ 4.2 ▲ 3.6 ▲ 1.5 ▲ 2.7 ▲ 5.3 ▲ 4.2 ▲ 3.5 ▲ 3.0 ▲ 2.9 ▲ 3.0 ▲ 2.6 ▲ 2.2

カ ナ ダ 0.8 0.0 0.1 1.0 1.7 1.8 1.5 ▲ 0.3 ▲ 4.5 ▲ 4.9 ▲ 3.7 ▲ 3.1 ▲ 2.7 ▲ 1.6 ▲ 1.9 ▲ 1.5

(参考)ギリシ ャ ▲ 4.4 ▲ 4.8 ▲ 5.6 ▲ 7.3 ▲ 5.3 ▲ 5.9 ▲ 6.7 ▲ 10.2 ▲ 15.2 ▲ 11.2 ▲ 10.2 ▲ 8.7 ▲ 12.3 ▲ 3.6 ▲ 4.3 ▲ 7.7

(暦年)

ギリシャ

(H28)

7

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0

40

80

120

160

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(%)

日本

イタリア

米国

英国フランス

ドイツ

カナダ

ギリシャ

0

30

60

90

120

150

180

210

240

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(%)

日本

イタリア

フランス英国

米国

カナダ

ドイツ

ギリシャ

債務残高及び純債務残高の国際比較(対GDP比)

債務残高の対GDP比を見ると、1990年代後半に財政の健全化を着実に進めた主要先進国と比較して、我が国は急速に悪化しており、最悪の水準となっています。

純債務残高とは、政府の総債務残高から政府が保有する金融資産(国民の保険料からなる年金積立金等)を差し引いたものです。我が国は、純債務残高で見ても、主要先進国で最悪の水準です。

8

(H27)(H26)(H25)(H24)(H23)(H22)(H21)(H20)(H19)(H18)(H17)(H16)(H15)(H14)(H13) (H28)

<債務残高(対GDP比)>

(暦年)

<純債務残高(対GDP比)>

(出典) OECD “Economic Outlook 98”による2015年11月時点のデータを用いており、2016年度予算の内容を反映しているものではない。(注)数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。

(H27)(H26)(H25)(H24)(H23)(H22)(H21)(H20)(H19)(H18)(H17)(H16)(H15)(H14)(H13) (H28)(暦年)

8

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0.0▲ 0.7 ▲ 1.3 ▲ 0.4 ▲ 0.9

2.3 0.83.2

1.2 1.1 0.2 0.1▲ 3.2 ▲ 2.8 ▲ 4.0

▲ 5.9 ▲ 4.8 ▲ 3.5

5.1

0.2 ▲ 0.51.8 1.6

▲ 1.1 ▲ 0.6 ▲ 1.70.0 0.1 0.5 0.5

▲ 0.5▲ 0.4

1.1 1.7

1.6

1.0 2.2 3.9 4.9 5.9 5.4 4.1 3.31.3

4.1

7.0

8.26.9

5.6 5.4

4.0 2.91.00.0

0.52.7

6.76.3

5.8 5.44.1

6.1

6.0 5.0 3.9 2.22.4

1.31.4

0.8

0.3

1.4

▲ 1.2 ▲ 1.2 ▲ 1.2

1.0

0.4

▲ 0.4▲ 1.0

0.0

0.71.3

1.92.1

3.1 3.63.9

4.27.5 6.2 7.8 8.2

8.28.8

9.19.1

9.7

11.1

17.2

16.8

15.517.7 17.8

18.7 20.7

20.5

▲ 10.0

▲ 5.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(兆円)

0.0 0.1 3.4 3.5

5.7 4.9 5.0 4.1

7.4 9.1

7.1 9.0

11.9 12.3 10.8

8.5 8.5 6.8

11.5

15.0 13.3 12.3 11.5

9.4

3.31.7 0.8 0.0 ▲ 1.1 ▲ 0.6 ▲ 0.4 ▲ 1.0 ▲ 0.6 ▲ 0.5 ▲ 0.3 ▲ 1.8 ▲ 1.3 ▲ 1.4 ▲ 2.0

▲ 3.5▲ 0.4 ▲ 0.4 ▲ 0.6 ▲ 1.4 ▲ 2.2

▲ 5.4

▲ 8.9 ▲ 7.6▲ 4.9

▲ 1.5 ▲ 2.0▲ 3.4

▲ 1.6▲ 3.8

▲ 10.0

▲ 5.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(兆円)

その他収入

税収減(+約197兆円)

公共事業関係費(+約59兆円)

社会保障関係費(+約251兆円)

その他歳出(除く債務償還費)

特例国債の発行から脱却することのできた平成2年度以降の国債残高の累増について見ると、歳出面では、90年代は公共事業関係費の増加が主要因でしたが、近年では高齢化の進行等に伴う社会保障関係費の増加や地方財政の悪化に伴う財源不足の補てん(地方交付税交付金等)の増加が主要因となっています。また、歳入面では、景気の悪化や減税による税収の落ち込みが主要因となっています。

6.国債残高の増加要因

平成2年度末から28年度末にかけての公債残高増加額:約664兆円

歳出の増加要因 : +約378兆円

税収等の減少要因 : +約138兆円

平成2年度の収支差分による影響 : +約74兆円

その他の要因(国鉄等債務承継など): +約74兆円

9

地方交付税交付金等(+82兆円)

部分だけで公債残高増加額の7割程度を占める。

(1991)(1990)

(年度)

(1992) (1993) (1994) (1995) (1996) (1997) (1998) (1999) (2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010) (2011) (2012) (2013) (2014) (2015)

(1991)(1990)

(年度)(1992) (1993) (1994) (1995) (1996) (1997) (1998) (1999) (2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010) (2011) (2012) (2013) (2014) (2015)

(2016)

(2016)

(注1)平成26年度までは決算、平成27年度は補正後予算、平成28年度は予算による。(注2)東日本大震災からの復興のために平成23~平成32年度まで実施する政策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度は一般会計におい

て、平成24年度以降は東日本大震災復興特別会計において負担、平成28年度末で7.6兆円)を公債残高からは除くとともに、平成23年度歳出のうち復興債発行に係るもの(7.6兆円)を除いている。

(注3)税収のうち交付税法定率分は、歳入歳出両建てである(増減が公債残高の増加に影響しない)ため、歳出・歳入双方の増減要因から控除し、地方交付税交付金等のうちの交付税法定率分以外の部分(地方の財源不足補てん部分等)を歳出の増加要因として計上している。

9

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税収

57.6

その他

収入

4.7

建設

国債

6.1

特例国債

28.4

公共事業、防衛、

文教・科技 等

25.9

交付税等

15.3

社会保障

32.0

(33.1%)

国債費

23.6

公共事業、防衛、

文教・科技 等

25.1

交付税

15.3

社会保障

11.6

(17.5%)

国債費

14.3

税収

58.0

その他

収入

2.6

建設

国債

5.6

(注)当初予算ベース。

(単位:兆円)

【平成2年度】 ← 赤字(特例)国債発行から脱却した年度

【平成28年度】

歳入66.2

歳出66.2

歳出96.7

歳入96.7

+30.5 +20.4+0.8 +9.3

税収の内訳と推移

社会保障関係費の増加と税収の減少

10

0

10

20

30

40

50

60

70

0

5

10

15

20

25

30

35

(1990)

(1991)

(1992)

(1993)

(1994)

(1995)

(1996)

(1997)

10

(1998)

11

(1999)

12

(2000)

13

(2001)

14

(2002)

15

(2003)

16

(2004)

17

(2005)

18

(2006)

19

(2007)

20

(2008)

21

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

26

(2014)

27

(2015)28予

(2016)

(兆円)

(注) 平成26年度以前は決算、平成27年度は補正後予算、平成28年度は予算。

消費税(左軸)

所得税(左軸)

(兆円)

法人税(左軸)

一般会計税収計(右軸)

10

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22.9

22.0

21.7

21.3

21.3

21.2

20.8

20.5

20.4

20.1

19.3

19.2

19.0

18.7

18.5

18.5

18.4

18.4

18.1

17.8

16.6

15.6

14.8

0 20 40

1ハンガリー

2ベルギー

3デンマーク

4スウェーデン

5イスラエル

6フィンランド

7オランダ

8フランス

9米国

10ポルトガル

11チェコ

12スペイン

13エストニア

14オーストリア

15ルクセンブルク

16スロバキア

17アイルランド

18英国

19ギリシャ

20ノルウェー

21イタリア

22ドイツ

23日本

33.1

28.4

27.5

25.8

24.8

24.8

24.0

23.7

22.8

22.6

22.3

21.8

21.0

18.9

18.7

18.4

18.1

17.6

16.9

16.6

16.5

15.9

14.8

0 20 40

1チェコ

2イスラエル

3スロバキア

4スウェーデン

5フィンランド

6オランダ

7エストニア

8ドイツ

9ハンガリー

10ノルウェー

11オーストリア

12フランス

13デンマーク

14ポルトガル

15スペイン

16ベルギー

17日本

18米国

19ルクセンブルク

20英国

21イタリア

22アイルランド

23ギリシャ

32.8

31.3

30.3

28.0

26.8

26.8

26.7

26.6

25.6

25.2

24.4

24.0

24.0

23.9

23.1

23.1

22.6

22.1

20.4

17.6

17.4

17.2

15.8

0 20 40

1デンマーク

2フランス

3フィンランド

4オーストリア

5ギリシャ

6イタリア

7ベルギー

8スウェーデン

9ドイツ

10日本

11ノルウェー

12英国

13ポルトガル

14オランダ

15ルクセンブルク

16スペイン

17アイルランド

18ハンガリー

19チェコ

20スロバキア

21エストニア

22米国

23イスラエル

31.6

31.6

31.3

29.6

28.0

26.3

24.5

24.1

23.5

22.9

22.8

21.2

20.4

19.5

19.2

18.4

17.9

17.4

16.9

16.6

16.1

14.7

13.6

0 20 40

1スウェーデン

2デンマーク

3フィンランド

4オーストリア

5フランス

6ドイツ

7ノルウェー

8ベルギー

9ハンガリー

10オランダ

11イタリア

12英国

13ルクセンブルク

14スペイン

15アイルランド

16ギリシャ

17スロバキア

18チェコ

19ポルトガル

20エストニア

21イスラエル

22日本

23米国

56.4

54.3

52.9

52.1

52.1

49.2

49.2

49.1

48.0

47.9

46.5

45.5

44.7

44.0

43.7

43.3

42.2

42.1

41.5

41.1

40.3

37.6

36.6

28.0

0 20 40 60 80

1デンマーク

2フランス

3フィンランド

4ギリシャ

5ベルギー

6オーストリア

7ハンガリー

8スウェーデン

9イタリア

10ポルトガル

11オランダ

12英国

13スペイン

14アイルランド

15ドイツ

16ノルウェー

17日本

18ルクセンブルク

19イスラエル

20チェコ

21米国

22スロバキア

23エストニア

24韓国

62.4

60.0

58.3

56.0

55.1

53.4

53.1

52.9

51.5

51.2

50.6

50.4

49.9

47.7

43.9

43.3

41.3

41.2

41.1

40.2

37.6

36.1

35.7

19.4

0 20 40 60 80

1スウェーデン

2フィンランド

3デンマーク

4オーストリア

5ハンガリー

6ドイツ

7フランス

8オランダ

9チェコ

10ベルギー

11イスラエル

12イタリア

13ノルウェー

14スロバキア

15ギリシャ

16スペイン

17ポルトガル

18英国

19エストニア

20アイルランド

21ルクセンブルク

22日本

23米国

24韓国

7.OECD諸国の政府支出及び収入の関係1995年から2011年にかけて、政府支出は社会保障支出の伸びにより増加する一方、租税収入が

減少し、財政収支が悪化しています。なお、社会保障以外の支出については、OECD諸国で最低水準に減少しています。

政府の総支出(対GDP比)

政府の社会保障支出(対GDP比) 政府の社会保障以外の支出(対GDP比)※利払費を除く

11

1995年 2011年

+6.1

1995年 2011年 1995年 2011年

▲3.3

+10.5

11

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6.9

1.4

0.9

0.9

0.3

0.2

0.0

-0.2

-1.1

-1.8

-1.9

-1.9

-1.9

-2.0

-2.1

-2.3

-2.6

-2.6

-2.7

-2.7

-2.8

-2.9

-3.0

-3.3

-3.8

-3.9

-4.2

-4.3

-4.6

-6.0

-10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 15.0

1ノルウェー

2ニュージーランド

3ドイツ

4ルクセンブルグ

5アイスランド

6エストニア

7韓国

8スイス

9スウェーデン

10オーストリア

11カナダ

12オーストラリア

13チェコ

14オランダ

15アイルランド

16ハンガリー

17イタリア

18ベルギー

19デンマーク

20スロバキア

21ポーランド

22スロベニア

23ポルトガル

24フィンランド

25フランス

26英国

27スペイン

28ギリシャ

29米国

30日本

3.6

3.2

2.5

2.4

1.8

-2.1

-2.2

-2.5

-2.9

-3.3

-3.6

-4.1

-4.3

-4.4

-5.0

-5.1

-5.2

-5.5

-5.9

-6.2

-6.5

-7.0

-7.0

-7.3

-8.2

-8.6

-8.7

-9.1

-9.3

-12.4

-15.0 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0

1韓国

2ノルウェー

3ニュージーランド

4ルクセンブルグ

5エストニア

6スイス

7アイルランド

8オーストラリア

9アイスランド

10スロバキア

11デンマーク

12米国

13ポーランド

14ベルギー

15ポルトガル

16フランス

17カナダ

18英国

19フィンランド

20オーストリア

21日本

22スウェーデン

23スペイン

24イタリア

25スロベニア

26オランダ

27ハンガリー

28ギリシャ

29ドイツ

30チェコ

47.0

35.8

33.0

31.3

30.8

30.3

30.0

28.7

28.2

27.9

27.5

26.4

26.4

26.4

26.3

26.0

25.1

24.8

24.0

23.9

22.7

22.1

21.9

21.2

20.4

20.1

20.0

18.7

18.6

17.5

17.2

16.7

14.8

12.4

0 20 40 60

1デンマーク

2ニュージーランド

3スウェーデン

4ノルウェー

5フィンランド

6イスラエル

7カナダ

8ベルギー

9オーストラリア

10アイスランド

11アイルランド

12イタリア

13ハンガリー

14英国

15オーストリア

16ルクセンブルグ

17ポーランド

18スロバキア

19エストニア

20フランス

21オランダ

22ドイツ

23スロベニア

24ポルトガル

25チェコ

26米国

27スペイン

28ギリシャ

29スイス

30日本

31チリ

32韓国

33トルコ

34メキシコ

政府の租税収入(対GDP比) 政府の財政収支(対GDP比)

1995年 2011年 1995年 2014年

▲0.7

12

MEMO

(出典)租税収入対GDP比はOECD “Revenue Statistics”、同 ”National accounts”、内閣府「国民経済計算」等、財政収支はOECD “Economic Outlook 98”、その他はOECD “National Accounts”、“Revenue Statistics”、EU “Government Finance Statistics”等

(注1)財政収支以外のデータについては、2012年以降の数値の統計基準が異なる(日本:93SNA基準、諸外国:08SNA基準)ことから、同じ統計基準で比較できる2011年のデータを最新のものとして掲載している。

(注2)財政収支以外の数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。また、2011年の数値は、日本は2011年度。(注3)政府の総支出には利払費が含まれている。(注4)財政収支の数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。ただし、日本及び米国は社会保障基金を除いたベース。

45.6

33.2

32.6

31.4

30.5

30.0

29.1

28.5

27.3

26.9

26.6

26.5

26.3

25.7

25.6

24.0

22.9

22.2

22.1

21.9

21.8

21.6

20.5

20.4

20.1

20.1

19.9

19.5

18.7

18.5

18.4

16.8

16.7

16.3

0 20 40 60

1デンマーク

2ノルウェー

3スウェーデン

4ニュージーランド

5アイスランド

6フィンランド

7ベルギー

8イタリア

9英国

10オーストリア

11フランス

12ルクセンブルグ

13オーストラリア

14カナダ

15イスラエル

16ハンガリー

17ポルトガル

18アイルランド

19オランダ

20ドイツ

21ギリシャ

22スロベニア

23ポーランド

24スイス

25エストニア

26トルコ

27チリ

28スペイン

29チェコ

30米国

31韓国

32日本

33メキシコ

34スロバキア

12

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Ⅱ.各分野の課題

我が国の経済・社会環境は大きく変わっている。財政支出及び諸制度は、経済社会の成熟、少子高齢化、人口減少等を踏まえ、制度本来の趣旨に立ち返った上で、抜本的な見直しが必要となっている。(財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月24日)」)

第1部

我が国財政について

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0 100 200 3000

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 100 200 3000

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 100 200 3000

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

我が国は、人口に占める高齢者の割合が増加する高齢化と、出生率の低下により若年者人口が減少する少子化が同時に進行する少子高齢化社会となっています。

(出典) 総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」

624

3,4643,868

3,287

6,744

8,716 7,598

4,113

2,553

1,557

735

9,921

12,619

8,136

6.3

14.6

27.5

36.1

40.4

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060

(万人)(%)

15~64歳人口

65歳以上人口

14歳以下人口

高齢化率(65歳以上人口の割合)

65歳以上人口のピーク(2042年)

15~64歳人口のピーク(1995年)

(約50年前)1965年

(50年後)2065年

(2016年)

(S25) (S35) (S45) (S55) (H2) (H12) (H22) (H32) (H42) (H52) (H62) (H72)

(出典)日本 ~2010:国勢調査報告(総務省)2011~2050:日本の将来推計人口(2012年1月、国立社会保障・人口問題研究所)

諸外国 WORLD POPULATION PROSPECTS:THE 2012 REVISION(中位推計)(国連)2025年には団塊の世代(1947~49年生まれ)全員が後期高齢者(75歳~)に移行し、高齢化率と平均

年齢がともに継続的に上昇することとなります。

(注)団塊の世代は1947~49(S22~24)年、第2次ベビーブーム世代は1971~74(S46~49)年生まれ。

(出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」

2016年(H28)

総人口1億2,619万人

75歳~1,703(14%)

65~74歳 1,761(14%)

2025年(H37)

総人口1億2,066万人

75歳~2,179(18%)

65~74歳 1,479(12%)

団塊の世代(76~78歳)

555万人団塊の世代(67~69歳)636万人

20~64歳7,007(56%)

20~64歳6,559(54%)

~19歳2,148(17%)

~19歳1,849(15%)

第2次ベビーブーム世代

(42~45歳)789万人

第2次ベビーブーム世代

(51~54歳)772万人

2035年(H47)

総人口1億1,212万人

75歳~2,245(20%)

65~74歳 1,495(13%)

20~64歳5,910(53%)

~19歳1,562(14%)

団塊の世代(86~88歳)

372万人

第2次ベビーブーム世代

(61~64歳)739万人

65歳~・国民医療費の約5割・基礎年金受給開始・介護1号被保険者

14

(1)高齢化の進行8.社会保障分野

14

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0

20

40

60

80

100

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

介護・福祉その他23.1

(うち介護9.7)

資産収入等

急激な高齢化の進展を背景として、社会保障給付費(年金、医療、介護等)は大きく増加してきました。一方、社会保険料収入は給付の伸びほどは増加していません。日本の社会保障制度では、社会保険方式を採りつつも、年々拡大してきた給付費と保険料の差は、主

に国と地方の負担で賄ってきました。国の負担は毎年1兆円規模で増えてきており、その財源の多くを借金に依存していることが、財政赤字の大きな要因となっています。

(兆円)

財源109.5兆円+資産収入

保険料64.8

国庫負担31.8

年金56.2

医療37.5

平成27年度

(出所)国立社会保障・人口問題研究所「平成25年度社会保障費用統計」、平成27年度の値は厚生労働省(当初予算ベース)

給付費116.8兆円

保険料

(年度)

給付費

公費

110.7

63.0

43.0

47.2

16.2

39.5

平成27年度

地方負担12.8

15

(2)社会保障給付費の増

15

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社会保障給付は、高齢化により今後も急激な増加が見込まれます。団塊の世代全員が75歳以上となる2025年に向かって、特に医療・介護分野の給付は、財源調達のベースとなるGDPの伸びを大きく上回って増加していきます。団塊の世代が75歳以上となる前の2020年代初めまでに、受益と負担の均衡が取れた社会保障制度を構築していく必要があります。

(出典)厚生労働省「社会保障に係る費用の将来推計の改定について(平成24年3月)」(注)( )内の%表示はGDP比。

年金53.8兆円(11.2%)

医療35.1兆円(7.3%)

介護8.4兆円(1.8%)子ども子育て4.8兆円(1.0%)その他7.4兆円(1.5%)

年金60.4兆円(9.9%)

医療54.0兆円(8.9%)

介護19.8兆円(3.2%)

子ども子育て5.6兆円(0.9%)その他9.0兆円(1.5%)

年金1.12倍

医療1.54倍

介護2.34倍

109.5兆円(22.8%)

148.9兆円(24.4%)

社会保障に係る費用1.36倍

GDP 479.6兆円2012年度

GDP 610.6兆円2025年度GDP 1.27倍

全人口に占める人口数及び割合

医療(2013年) 介護(2013年)

2013年 2025年

1人当たり医療費

(64歳以下:17.8万円)

1人当たり国庫負担(64歳以下:2.6万円)

1人当たり介護給付費

(括弧内は要支援・要介護認定率)

1人当たり国庫負担

65~74歳 1,630万人(12.8%)

1,479万人(12.3%)

55.3万円 8.0万円5.0万円(4.5%)

1.4万円

75歳以上 1,560万人(12.3%)

2,179万人(18.1%)

90.3万円 34.6万円47.0万円(32.1%)

13.4万円

75歳以上になると他の世代に比べ、1人当たり医療費や介護給付費は大幅に高くなり、それに伴って1人当たり国庫負担も増大します。今後、75歳以上人口割合が増えていく中で、医療・介護分野の給付の効率化・重点化に取り組んでいく必要があります。

(出典)年齢階級別の人口は総務省「人口推計」、医療費は厚生労働省「平成25年度国民医療費の概況」

介護給付費及び要支援・要介護認定率は、厚生労働省「介護給付費実態調査(平成25年)」、総務省「人口推計」

(注)1人当たり国民医療費は、年齢階級別の国民医療費を人口で除して機械的に算出。

1人当たり国庫負担は、それぞれの年齢階層の国庫負担額(75歳以上は5.4兆円、74歳以下は3.8兆円)を2013年時点の人口で除すな

どにより機械的に算出。

▲約150万⼈

+約620万⼈

16

約4倍 約9倍

16

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65.7 66.9

40.7 42.6

45.1 45.6

40.0 40.4

34.1

49.9

31.3

36.9 40.8

34.0 30.4

46.8

28.8 30.8

38.5

46.2

35.9

26.6 28.8

24.7

35.7 36.3

24.1

38.6

25.1 25.7 24.2 25.5

20.5

29.8 1.6

26.9 23.4 19.6 18.7

21.8 20.4

23.0

5.7

23.9 17.4

12.6

19.1 22.2

5.4

20.5 17.3

9.5

1.6

10.6

17.9 15.7

19.6

8.3 6.6

17.5 10.9 8.7

8.3

2.3

95.5

68.4 67.6 66.0

64.7 64.3

61.8 60.8

57.2 55.7 55.3

54.3 53.4 53.1 52.6 52.2

49.3 48.1 48.0 47.9

46.5 44.5 44.4 44.3 44.0

42.9 41.6

38.6

36.0 34.5

32.5

28.1

22.8

0

10

20

30

40

50

60

70

80(39.5)

(34.3)(39.1) (36.0)

(37.2)(34.6)(29.0) (33.2)

(34.2) (32.9)(31.6) (31.2) (30.7)(31.0)

(27.5)

(25.6)

(26.1)

(20.4)

(18.5)

(37.5)租税負担率

社会保障負担率

(44.2)

(48.4)(47.3)(47.6)

(43.9)(43.2)

(38.7)

(37.1)(36.7)

(40.5)(37.5)

(30.5)

(27.0)

(%)

-6.7 -9.7 -4.7

-7.7 -0.1 -2.1 -5.8

26.1 24.1 24.2 35.9

30.4

49.9 40.7

17.8 17.5 8.3

10.6 22.2

5.7 26.9

-20

-10

0

10

20

30

40

50

60

70

80

日本 日本 アメリカ イギリス ドイツ スウェーデン フランス

(2016年度) (2013年度) (2013年) (2013年) (2013年) (2013年) (2013年)

社会保障負担率

租税負担率

財政赤字対国民所得比 潜在的な国民負担率(括弧内は対GDP比)

[国民負担率=租税負担率+社会保障負担率]

(対国民所得比:%)

国民負担率(括弧内は対国内総生産(GDP)比)

[潜在的な国民負担率=国民負担率+財政赤字対国民所得比]

43.9 46.552.6

67.6

55.7

54.2

32.5

73.557.752.7

37.2

50.6

(32.7)

(26.1)

(34.2)

(39.1)

(47.3)

(36.7)

(37.7)

(29.8)

(39.8)

(39.2)(38.1) (51.4)

高齢化が他国に類をみない速度で進んでいく中、日本の国民負担率は、諸外国と比べて低いのが現状です。日本の財政や社会保障の仕組みを持続的なものとしていくためには、高齢化に伴う社会保障給付費の増加と国民の負担の関係について、国民全体で議論していく必要があります。

(出典)日本:内閣府「国民経済計算」等 諸外国:OECD “National Accounts”、”Revenue Statistics”(注1)OECD加盟国34カ国中33カ国の実績値。残る1カ国(トルコ)については、国民所得の計数が取れず、国民負担率(対国民所得比)が算出不能

であるため掲載していない。(注2)括弧内の数字は、対GDP比の国民負担率。

国民負担率(対国民所得比)のOECD諸国との比較

17

(出典)日本:内閣府「国民経済計算」等 諸外国:OECD “National Accounts”、“Revenue Statistics”(注1)日本は2016年度(平成28年度)見通し及び2013年度(平成25年度)実績。諸外国は2013年実績。(注2)財政赤字の国民所得比は、日本及びアメリカについては一般政府から社会保障基金を除いたベース、その他の国は一般政府ベースである。

41.6

51.3

(31.0)

(38.2)

(3)国民負担率の国際比較

100

~~

17

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0

5

10

15

20

25

30

35

40

1950 1970 2000 2030 2050

(%)

OECD諸国における社会保障支出と国民負担率の関係【2011年】

OECD諸国と比較すると、日本の社会保障支出は中程度である一方、国民負担率は低水準です。

(出典)国民負担率:OECD “National Accounts”、同 “Revenue Statistics”、内閣府「国民経済計算」等社会保障支出:OECD “National Accounts”

(注1)数値は一般政府(中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの)ベース。(注2)国民負担率:各国2011年実績、日本は2011年度、ニュージーランドは2005年、カナダは2006年の実績。(注3)政府の社会保障支出:各国2011年実績、日本は2011年度実績、ニュージーランドは2005年、カナダは2006年の実績。

18

1970(S45)

2016(H28)

2025(H37)

2050(H62)

日本 7.1 27.5 30.3 38.8

ドイツ 13.6 21.4 25.0 32.3

フランス 12.8 19.5 22.4 26.3

イギリス 13.0 18.0 19.6 24.7

アメリカ 9.7 15.2 18.9 22.2

2016(S25) (S45) (H12) (H28) (H42) (H62)

高齢化率の国際比較

(出典)日本 ~2010:総務省「国勢調査」

2011~2050:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」

諸外国 国連 “World Population Prospects: The 2015 Revision”

日:27.5

独:21.4

仏:19.5

英:18.0

米:15.2

オーストリア

ベルギー

カナダ(06年)

チェコ

デンマーク

エストニア

フィンランドフランス

ドイツ

ギリシャ

ハンガリー

アイスランド

アイルランド

イスラエル

イタリア日本

韓国

ルクセンブルグオランダ

ニュージーランド(05年)

ノルウェー

ポーランド

ポルトガル

スロヴァキア

スロベニアスペイン

スウェーデン

スイス

イギリス

アメリカ

0

5

10

15

20

25

30

35

40

20 30 40 50

政府

の社

会保

障支

出(対

GD

P比

国民負担率(対GDP比)

18

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19

所得税

消費税

法人税

(注)地方消費税分は含まれていない。

社会保障にかかる費用の相当部分を将来世代につけ回しているという現状を改善するために、「社会保障と税の一体改革」を行っています。

日本の社会保障制度は原則として社会保険料で費用を負担することを基本としていますが、働く世代に負担が集中する面もあります。こうした中で、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合い、社会保障の安定した財源を確保する観点から、消費税を社会保障の財源としています。

(4)社会保障と税の一体改革

(注) 平成26年度以前は決算額、平成27年度は補正後予算額、平成28年度は予算額。

0

5

10

15

20

25

30

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16

(兆円)

19

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後代への負担のつけ回しの軽減

消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増

社会保障の充実

基礎年金国庫負担割合1/2

《8.2兆円》

《14兆円》

○基礎年⾦国庫負担割合2分の1(平成24年度・25年度の基礎年⾦国庫負担割合2分の1の差額に係る費⽤を含む)

○社会保障の充実(※)

・⼦ども・⼦育て⽀援の充実 ・医療・介護の充実 ・年⾦制度の改善

○消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増・診療報酬、介護報酬、年⾦、⼦育て⽀援等についての物価上昇に伴なう増

○後代への負担のつけ回しの軽減・⾼齢化等に伴う⾃然増を含む安定財源が確保できていない既存の社会保障費

〈28年度消費税増収分の内訳〉

(注) 金額は公費(国及び地方の合計額)である。

3.1兆円

1.35兆円

0.37兆円

3.4兆円

《増収額計:8.2兆円》

(参考)算定方法のイメージ

(※)消費税増収分1.35兆円と社会保障改革プログラム法等に基づく重点化・効率化による財政効果を活用し、社会保障の充実1.53兆円と簡素な給付等0.11兆円を措置。

消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化に向けることとしています。社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から、平成28年度の増収額8.2兆円

については、① まず基礎年金国庫負担割合2分の1に3.1兆円を向け、② 残額を満年度時の・「社会保障の充実」及び「消費税率引上げに伴う社会保障4経費の増」と・「後代への負担のつけ回しの軽減」の比率(概ね1:2)で按分した額をそれぞれに向けることとしています。

20

7.3兆円

0.8兆円

2.8兆円

3.2兆円

概ね

満年度(消費税率5%引上げ時)

28年度

3.1兆円

1.35兆円

0.37兆円

3.4兆円

20

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34.1兆円

消費税引上げに伴う増0.37兆円

年金国庫負担1/2等3.08兆円

社会保障の充実(※)1.35兆円

3.4兆円(後代への負担の付け回しの軽減)

社会保障4経費 38.9兆円(国・地方、うち国分28.2兆円)

消費税収4%分(従来の地方消費税1%分除く)

10.9兆円

0.37兆円

1.35兆円

3.08兆円

8.

2

.

後代への負担の付け回し19.8兆円

(注)上記は平成28年度予算ベースの計数。(※) 平成28年度予算における社会保障の充実は消費税増収分1.35兆円と社会保障改革プログラム法

等に基づく重点化・効率化による財政効果0.29兆円を活用し、社会保障の充実1.53兆円と税制抜本改革法に基づく「簡素な給付措置」0.11兆円の財源を一体的に確保している。

消費税率の引上げによる増収分は、全て社会保障の充実と安定化に向けられます。これにより、国と地方自治体の借金として将来世代に負担を付け回す金額も減少します。

社会保障の安定財源確保

社会保障4経費 消費税収

2121

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消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化に向けることとなっており、基礎年金国庫負担割合の1/2への恒久的引上げ等による社会保障の安定化のほか、以下の社会保障の充実が予定されています。

0.7兆円程度

1.5兆円程度

※充実と重点化・

効率化を併せて

実施

0.6兆円程度

○子ども・子育て支援の充実(待機児童の解消などの量的拡充と質の向上)

○現行制度の改善

子ども・子育て

○医療・介護サービスの

提供体制改革

①病床の機能分化・連携、在宅医療

の推進等

・病床の機能分化と連携を進め、発症から入院、回復期(リハ ビリ)、退院までの流れをスムーズにしていくことで、早期の在宅・社会復帰を可能にする。・在宅医療・介護を推進し、地域での生活の継続を支える。・医師、看護師等の医療従事者を確保する。 (新たな財政支援制度の創設、診療報

酬に係る適切な対応の在り方の検討・必要

な措置)

②地域包括ケアシステムの構築

介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らせるよう、介護・医療・予防・生活支援・住まいが一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築するため、以下の取組を行う。

ⅰ)医療と介護の連携

ⅱ)生活支援・介護予防の基盤整備、ⅲ)認知症施策

ⅳ)地域の実情に応じた要支援者への支援の見直し

ⅴ)マンパワーの確保等 など

○難病、小児慢性特定疾患に係る公平かつ安定的な制度の確立

・低所得高齢者・障害者等への福祉的給付 ・受給資格期間の短縮・遺族年金の父子家庭への拡大

○医療・介護保険制度の改革

①医療保険制度の財政基盤の

安定化・低所得者が多く加入する国民健康保険

への財政支援の拡充(国民健康保険の

保険者、運営等の在り方に関する改革

の前提として行われる財政支援の拡充

を含む)

・協会けんぽに対する国庫補助

②保険料に係る国民の負担に関

する公平の確保・国民健康保険等の低所得者保険料軽

減措置の拡充

・後期高齢者支援金の全面総報酬割の

導入

③保険給付の対象となる療養の

範囲の適正化等・低所得者に配慮しつつ行う高額療養費

の見直し

・医療提供施設相互間の機能の分担や

在宅療養との公平の観点からの外来・

入院に関する給付の見直し

⑤介護保険の一号保険料の低所得者軽減強化

④介護給付の重点化・効率化・一定以上の所得を有する者の利用者

負担の見直し

など

・子ども・子育て支援新制度の実施による、幼児教育・保育と地域の子ども・

子育て支援の総合的推進・充実

・「待機児童解消加速化プラン」の実施

・社会的養護の充実 など

社会保障・税一体改革による社会保障の充実

所要額(公費)合計 = 2.8兆円程度(注)上記の表は、消費税増収分を活用した社会保障の充実について、

公費に影響のあるものについて整理したものである。

2222

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〇 国と地方の歳出比は概ね4:6ですが、地方交付税等の財政移転により、国と地方の税財源比も概

ね4:6となっています。

○国と地方の税財源配分と歳出割合

○ 国と地方の財政状況を比較すると、基礎的財政収支・財政収支(フロー)で見ても、長期債務残高

(ストック)で見ても、国は地方よりも極めて厳しい状況にあります。

基礎的財政収支 財 政 収 支

国 ▲19.5兆円程度 ▲26.8 兆円程度

地 方 +3.1 兆円程度 +0.8 兆円程度

○国と地方の長期債務残高(ストック)の推移

(出典)内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(平成27年2月12日)より。

(注) 交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金については、その償還の負担分に応じて、国と地方に分割して計上している。なお、平成19年度初をもってそれまでの国負担分借入金残高の全額を一般会計に承継したため、平成19年度末以降の同特会の借入金残高は全額地方負担分(2016年度末で32兆円程度)である。

地 方

30年前(1986年度末)

20年前(1996年度末)

10年前(2006年度末)

現在(2016年度末見込)

164兆円 310兆円 561兆円 866兆円

200兆円 196兆円139兆円61兆円

概ね1.9倍 概ね1.8倍 約300兆円増加

概ね2.3倍 概ね1.4倍 ほぼ横ばい

○国と地方の基礎的財政収支・財政収支(フロー)(2015年度見込み)

58.1% 41.9% 58 : 42

41.5% 58.5%

国の歳出(純計ベース)

41.7 %

地方の歳出(純計ベース)

58.3 %

【歳入】(国)

国 税

(地方)地 方 税

42 : 58

42 : 58

国税:地方税

国歳出:地方歳出【歳出】

※ 地方税収は、地方財政計画ベースの見込額に超過課税、法定外税及び地方法人特別譲与税を加えたもの。

(27年度予算)

(出典)「地方財政の状況(平成27年3月)」より。

(25年度決算)

法定率分及び地方譲与税 16.6 %

国から地方に対する支出 22.2 %

23

(1)国と地方

9.社会保障以外の歳出分野

23

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(注)各国、93SNA基準の数値に基づいて計算。(出典)日本は「国民経済計算」(内閣府)(年度ベース)、諸外国は 「National Accounts」(OECD Stat Extracts)(暦年ベース)及び「Economic Outlook No 70」(OECD、

1989-1990ドイツ部分)(暦年ベース)

公共事業関係費については、我が国の社会資本の整備水準が上昇する一方、人口減少社会が到来することにかんがみると、今後、更なる重点化・効率化が必要です。

① 公共事業関係費の推移

平成28年度当初公共事業関係費 59,737億円 (対前年度比 +26億円 +0.0%)(兆円)

(年度)

② 公共事業関係費の予算の内訳

注) NTT-Aを除く。

7.3 7.3 7.7 8.1 8.5 8.9 9.2 9.6 9.7 9.0 9.4 9.4 9.4

8.4 8.1 7.8 7.5 7.2 6.9 6.7 7.1

5.8 5.0 4.6

5.3 6.0 6.0 6.0

8.5 8.1 8.5

9.9

12.5

10.5

14.2

11.2 10.5

14.9

12.2 11.5 11.3

10.0

8.3 8.9 8.0 7.8 7.4 7.3

8.8

6.4

7.8 7.0

6.3 6.4 6.6

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

24

治山・治水

対策

14%

道路

22%

港湾空港

鉄道等

7%住宅都市

環境

9%

公園水道

廃棄物処

理等

2%

農林水産

基盤

10%

社会資本

総合整備

33%

その他

3%

平成28年度(予算)

59,737億円

■当初 □補正

4.8 4.8 5.0

5.7

6.3 6.0

6.2 5.9

5.5 5.7 5.6

5.1 4.9

4.6

4.2

3.7 3.6 3.3

3.1 3.0

3.5 3.2 3.2 3.1

3.6 3.5

2.3 2.4

2.5 2.4 2.3 2.3 2.3 2.4 2.4 2.4 2.4 2.5 2.5 2.6 2.5 2.4 2.4 2.4 2.4 2.6

2.6 2.5 2.3

2.2

2.3

2.2 2.2 2.1 2.1 1.9

1.5 1.2

1.3 1.3 1.2

1.5 1.6 1.6

1.8 1.9 1.8 1.9 2.3

2.7

2.5 2.2 2.2

2.0 2.3

2.2

2.6 2.8

2.7 2.5

2.2 2.1

1.9 1.9 2.0 1.9

1.8 1.8 1.6

1.5 1.4 1.5 1.5 1.6 1.8 1.7 1.7 1.5 1.6

3.4 3.4 3.6 3.6 3.5 3.4

3.2 3.1 2.9

2.8 2.9 3.1 3.0

2.9 3.0 3.1

3.3 3.2

3.3 3.2

3.4 3.1 3.1 3.2 3.2

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14

平元 平2 平3 平4 平5 平6 平7 平8 平9 平10 平11 平12 平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24 平25 平26

(%)

③ 一般政府の総固定資本形成(対GDP比)の推移日本は大きく低下していますが、依然として、欧米諸国の平均より高い水準にあります。

(暦年/年度)

(日)

(仏)

(米)

(英)

(独)

(2)公共事業

24

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文教関係費76%

義務教育費国庫負担金29%

国立大学運営費交付金20%私学助成

8%

高校生等への

修学支援7%

基礎年金等日本私立学校

振興・共済事業団補助金2%

育英事業費2%

公立文教施設費2%

その他文教関係費6%

科学技術振興費24%

900

1,000

1,100

1,200

1,300

1,400

1,500

1,600

1,700

45

50

55

60

65

70

75

80

元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

平成に入って以降、児童生徒数が約35%減となる一方で、教職員定数(公立小中学校)は約9%減にとどまっていることから、児童生徒100人当たり教職員数は約40%増。

(出典)学校基本調査報告書等

(3)文教・科学技術

5.10人

7.16人

教職員定数

1,493.7万人

児童生徒数

969.6万人

69.5万人

76.2万人

(万人) (万人)

① 文教及び科学振興費の推移

③ 公立小中学校の教職員定数と児童生徒数の推移

② 文教及び科学振興費の予算の内訳

57,235     52,671    52,743    53,122  53,104  55,860  55,100  54,057   53,687    54,421     53,613    53,580 

(億円)

25

44,065  39,359  39,281  39,494  39,327  42,538  41,748  41,115  40,680  41,049  40,756  40,651 

13,170 13,312  13,462  13,628  13,777 

13,321  13,352  12,943  13,007  13,372  12,857  12,929 

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度

文教関係費 科学技術振興費

平成28年度(予算)

53,580億円

平成28年度当初文教及び科学振興費 53,580億円 (対前年度比 ▲4億円 ▲0.0%)

平成以降、少子化により公立小中学校に通う児童生徒数が3割減る一方、文教及び科学振興費はほぼ横ばいです。

25

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Ⅲ.財政健全化の必要性

まずは、現在の債務残高の水準と財政構造が持続不可能である現状を正面から受け止める必要がある。その上で、平時には、経済・社会環境の変化を踏まえ、歳出全般にわたる大胆な見直しを行い、財政健全化を着実に進めることが、景気変動の増幅を抑制し、持続的な安定成長に資するとともに、危機時の対応力を確保することにも寄与すると言える。(財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月24日)」)

第1部

我が国財政について

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10.財政赤字の問題点

財政への信認低下による金利上昇

債務残高の増大により政府財政への信認が損なわれることとなれば、金利の急騰がもたらされます。

その場合、国債を大量に保有する金融機関に含み損が生じ(信用力が落ち)、貸し渋り、貸し剥がし等の萎縮が起きると共に、金融システムが不安定化します。そのため、企業や家計の資金調達及び世界経済に悪影響が及びます。

政府財政への信認低下がさらに進めば、金利上昇に留まらず、政府の資金調達が困難となります。

公的サービスの水準の低下国債の支払いが増加し、政策経費が圧迫されると、社会保障、文教、防衛、イン

フラ整備など国民生活に必要不可欠な公的サービスの水準の低下がもたらさ

れます。また、災害や経済危機等に対して、政府が本来果たすべき財政機能を

発揮することができなくなります。

財政赤字の拡大・債務残高の増大

世代間の不公平現役世代が受益(高齢者の年金、医療、介護等)した結果残された債務は、将

来世代に付け回されます。更に、将来世代においては、膨大な債務を償還する

ために給付の減少や負担の増加につながります。

受益と負担のアンバランスを現状のまま維持すれば、世界に冠たる国民皆保

険・皆年金の維持、次世代への引渡しが困難となります。

民間部門の経済活力の低下政府財政への信認が低下し、国債が格下げされた場合には、銀行等の社債が

格下げとなり、社債発行による資金調達コストの上昇が懸念されます。

政府が赤字国債の発行を通じて民間資金を吸収し続けることにより、成長のた

めの資金が民間にまわらず、民間部門の経済活力の低下がもたらされます。

2727

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1,716

1,340

1,207

0.1

-5

0

5

10

15

20

(500)

0

500

1,000

1,500

2,000(兆円) (%)

15 22 32 43 56 71

82 96

110 122

134 145 152 157 161 166 172 178 193

207 225

245

258

295

332 368

392 421

457

499 527 532 541 546

594

636

670

705

744

774

812 838

0.8 1.3

1.9 2.6

3.3

4.4

5.6

6.6

7.7

8.7

9.7 10.2

10.4

10.5

10.6

10.8

11.0

10.8

10.6

10.7

10.7 10.7

10.6 10.8

10.5 10.0

9.4

8.6

7.8 7.3 7.0 7.0

7.4 7.6 7.7 7.9 8.1 8.0 8.1 8.3 8.8

9.9

7.47.6

7.4

7.1 7.27.4 7.5 7.6 7.5 7.4

7.2

6.86.5

6.36.2 6.1 6.1

5.8

5.45.1

4.6

4.3

4.0 3.5

3.12.7

2.32.0

1.71.5 1.4 1.4 1.4 1.4 1.4 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(兆円)(兆円)

(年度)

利払費(左軸)

金利(左軸)

公債残高(右軸)

4% 10

国債残高が累増し続けているにもかかわらず、国債金利は低下傾向にあり、多額の国債を低金利で発行できてきましたが、国債消化を支えてきた家計金融資産は、貯蓄率低下により伸び悩み、家計金融資産を上回る勢いで一般政府総債務が伸びています。政府債務残高が引き続き増加していけば、国債の安定的な消化が困難になるおそれがあります。

11.国債をめぐる環境

■ 一般政府債務と家計金融資産の推移

■ 利払費と金利の推移

2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 26 (年度)24

(出典) 日本銀行「資金循環統計」 (2015年12月末速報) 、内閣府「国民経済計算」(注) 一般政府債務と家計金融資産については、各年度末の数値。

10% 25

8% 20

6% 15

2% 5

0% 0

(注1)利払費は、平成26年度までは決算、平成27年度は補正後予算、平成28年度は予算による。

(注2)公債残高は各年度3月末現在高。ただし、平成27年度末は実績見込み、平成28年度末は予算に基づく見込み。また、公債残高は、東日本大

震災からの復興のために実施する施策に必要な財源として発行される復興債(平成23年度末:10.7兆円、平成24年度末:10.3兆円、平成25年

度末:9.0兆円、平成26年度末:8.3兆円、平成27年度末:7.8兆円、平成28年度末:7.6兆円)及び、基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を

調達するための年金特例公債(平成24年度末:2.6兆円、平成25年度末:5.2兆円、平成26年度末:4.9兆円、平成27年度末:4.6兆円、平成28年

度末:4.4兆円)を含む。

28

家計金融総資産

家計金融純資産金融総資産から住宅ローン等

の負債を差し引いたもの

一般政府総債務

家計貯蓄率(右軸)

28

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▲ 20

▲ 10

0

10

20

30

40

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26

第一次所得収支 貿易収支 サービス収支第二次所得収支 経常収支 貿易・サービス収支

貯蓄率の低下等により家計の資金余剰は長期的には減少傾向にあります。他方、海外部門では、原油等の輸入額の急増により貿易サービス収支が赤字となっており、仮に所得収支の黒字を上回り、経常収支が赤字となった場合、財政赤字が継続していれば、いわゆる「双子の赤字」になるおそれがあります。

(出典)財務省「国際収支統計」

■ 経常収支の推移

(兆円)

7.9

(年度)

29

現在は我が国の国債は主に国内で消化されていますが、外国人投資家は売買を積極的に行うことから国債流通市場でのプレゼンスは相当程度に大きいです。

■ 各国の国債等所有者別内訳

(注) 日本は財投債、国庫短期証券(T-Bill)を含む。アメリカは非市場性国債の一部(連邦政府職員確定給付型退職基金等の保有分)を含む。

ドイツ及びイタリアは地方債等を含む。フランスは地方債、社債等を含む。(出所) 日本:日本銀行、アメリカ:Federal Reserve Board、イギリス: Office for National Statistics、ドイツ: Deutsche Bundesbank、フランス: Banque de France、

イタリア: Banca d’Italia、ギリシャ: Bank of Greece

29

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経済や失業率が大幅に悪化する中、財政再建の実施に伴う増税や年金支給額抑制等に不満を持つ国民によるデモやストライキが多発し、国内の政治情勢も不安定化しました。

ギリシャ イタリア ポルトガル スペイン

▲7.0% ▲2.4% ▲3.2% ▲1.6%ギリシャ イタリア ポルトガル スペイン

24.5%(55.3%)

10.7%(35.3%)

15.8%(37.9%)

24.8%(52.9%)

(括弧内は25歳未満の若年失業率)(2012年)(実質GDP成長率・2012年)

ギリシャ等において、経済状況の悪化に伴う不良債権の増加や金利上昇に伴う保有国債の価格下落による損失等により、金融機関の破綻などが相次いで発生。

ギリシャ ポルトガル

一般政府財政収支対GDP比:2009年▲13.6%→14年▲2.6%

公務員人件費削減(ボーナス廃止・公務員数を2015年までに15万人削減等)

年金支給額削減(ボーナス廃止・月1,400€超の年金給付を平均8%削減・支給開始年齢65歳への引上げ等)

付加価値税の引上げ(19%→21%→23%)等

一般政府財政収支対GDP比:2010年▲9.1%→13年▲3.0%

公務員人件費削減(賃金を平均5%削減し13年まで名目額を凍結等)

年金支給額削減(月1,500€超の年金受給者の年金を削減、給付額の凍結)

教育・大規模インフラ等への歳出削減 付加価値税の非課税対象品目や各種優遇税制等

の見直し

EU・IMF等からの支援を受けた国では国民の痛みを伴う厳しい財政再建策を実施

財政再建策の実施

金融危機の発生

失業率の悪化経済状況の悪化

波及リスクを遮断

金融機関財務状態が悪化し、経営破綻の危機に

■ 欧州債務危機の基本的な構図

政 府市場からの

資金調達が困難に

■国債金利の上昇 (ギリシャ支援要請時点(2010.4.23)以降)

ギリシャ アイルランド イタリア ポルトガル スペイン

8.66% 4.78% 4.01% 4.97% 3.98%

37.10%(2012.3.2)

14.08%(2011.7.18)

7.26%(2011.11.25)

17.39%(2012.1.30)

7.62%(2012.7.24)

2011年、ギリシャ大手4行(ナショナル銀行・アルファ銀行・EFGユーロバンク・ピレウス銀行)は、保有するギリシャ国債の価格下落による損失により、債務超過に。

このため、ギリシャ政府は、ユーロ圏等からの支援を受けて、2012年、4行に対し、総額275億ユーロの資本注入等を実施。

2011年10月、ベルギー・フランス大手金融機関のデクシア

は、保有するギリシャ国債等における損失により、資金繰りに行き詰まり、ベルギー・フランス・ルクセンブルク政府は、900億ユーロの流動性支援保証を実施。

2011年、フランスのBNPパリバやドイツのコメルツ銀行は、保有するギリシャ国債等における損失により、2010年対比で大幅減益に。こうした、GIIPS諸国に対するエクスポージャーの大きさも一つの要因となり、格下げも行われた。

国債金利上昇/国債価格下落

財政赤字・債務残高の増大

公的資金による金融機関救済が困難

市場からの信認低下

更なる財政の信認低下・金融不安の増幅・経済状況の悪化

を防止

財政危機の発生 金融危機の発生

財政問題発の

IMF・EU・ECBの協調による支援の実施

■ 国民生活への影響

欧州債務危機においては、財政の信認低下に伴う国債金利の上昇(国債価格の下落)により、「財政危機」が発生する中で、財政問題発の「金融危機」が同時に発生し、当該国のみでは対応できないリスクが顕在化しました。

30

12.欧州債務危機

30

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(注) 灰色部分については、IMFの暫定値・予測値。網掛け部分はギリシャの目標値。名目GDP、一般政府歳出は実額(単位:億ユーロ)。(出典) IMF “World Economic Outlook Database, October 2015”。但し、2015年のPB対GDP比はギリシャ政府が公的債権者と合意した目

標(2015年8月14日)。

■ 欧州諸国の格付けの推移(Moody’s社) (2015.12.31 現在)

債務残高の増加等により財政の信認が低下した場合、国債の格付けが引き下げられ、国債金利上昇の引き金となる可能性があります。

31

■ ギリシャの経済財政状況

2001年

ユーロ加盟

2008年 2009年

不正発覚

2010年

第一次支援

2011年 2012年

第二次支援

2013年 2014年 2015年

危機再燃

実質GDP成長率 3.7% ▲0.4% ▲4.4% ▲5.4% ▲8.9% ▲6.6% ▲3.9% 0.8% ▲2.3%

名目GDP 1519.9 2421.0 2374.3 2262.1 2077.5 1942.0 1824.4 1790.8 1734.5

失業率 10.8% 7.8% 9.6% 12.7% 17.9% 24.4% 27.5% 26.5% 26.8%

PB対GDP比 1.9% ▲5.0% ▲10.3% ▲5.3% ▲3.0% ▲1.4% 1.0% ▲0.0% ▲0.25%

債務残高

対GDP比99.9% 108.8% 126.2% 145.7% 171.0% 156.5% 175.0% 177.1% 197.0%

一般政府歳出

[]:前年比増減率

664.6[+3.1%]

1224.0[12.0%]

1283.0[4.8%]

1180.3[▲8.0%]

1122.1[▲4.9%]

999.1[▲11.0%]

887.5[▲11.2%]

883.7[▲0.4%]

868.2[▲1.8%]

(注)アウトルック(見通し)は、ギリシャ:Stable、アイルランド:Positive、イタリア:Stable、ポルトガル:Stable、スペイン:Positive(参考)その他の主要格付け会社による国債の格付

S&P社:ギリシャ:CCC+(Caa1に相当)、アイルランド:A+(A1に相当)、イタリア:BBB-(Baa3に相当)、ポルトガル:BB+(Ba1に相当)、スペイン:BBB+(Baa1に相当)※見通し:全てStable

Fitch社:ギリシャ:CCC(Caa2に相当)、アイルランド:A-(A3に相当)、イタリア:BBB+(Baa1に相当)、ポルトガルBB+(Ba1に相当)、スペイン:BBB+(Baa1に相当) ※見通し:アイルランドはpositive、ポルトガルはPositive、その他の国はStable

ギリシャ アイルランド イタリア ポルトガル スペイン

Aaa ☆(08年末) ◆(08年末)

Aa1 ☆ ◆

Aa2 ☆ ■(08年末) ●(08年末) ◆

Aa3

A1 ◎(08年末) ● ◆

A2 ◎ ■

A3 ◎ ■ ● ◆

Baa1 ☆ ●

Baa2 ■ ◆

Baa3 ☆ ◆

Ba1 ◎ ☆ ●

Ba2 ●

Ba3 ●

B1 ◎

B2

B3

Caa1 ◎

Caa2 ◎

Caa3 ◎

Ca ◎

C ◎

2009年12月

2010年4月

2010年6月

2011年3月

2011年6月

2011年7月

2010年7月

2011年3月

2011年4月

2011年7月

2009年7月

2010年9月2010年

7月

2010年12月

2011年4月

2011年3月

投機的水準(投資不適格)

2011年7月

2011年10月

2011年10月

2012年2月

2012年2月

2012年3月

2012年6月

2012年7月

2013年11月

2014年1月

2014年2月

2012年2月

2014年5月

2014年5月

2014年7月

2014年8月

2015年4月

2015年6月

ギリシャは2009年の統計不正の発覚を機に財政・金融危機を迎え、現在でも経済財政は依然として不安定な状況にあります。この背景には、ユーロ加盟以降財政規模を大幅に拡大してきたことや、危機に陥り経済が低迷する中で相当に厳しい歳出削減を実施したことが挙げられます。

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Ⅳ.財政健全化に向けた取組み

国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、①2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比を半減(達成見込み)

②2020年度までに黒字化③その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げ

を目指す。

第1部

我が国財政について

政府は、2020年度(平成32年度)の「PB黒字化目標」の達成に向けて、平成27年6月30日に「経済・財政再生計画」を閣議決定した。これからは、計画を実行させていく段階であり、それにより、PB黒字化を確実に達成すべきである。

(財政制度等審議会「平成28年度予算の編成等に関する建議(平成27年11月24日)」)

財政健全化目標

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▲ 4.5▲ 4.2

▲ 5.6▲ 5.6

▲ 4.0

▲ 2.7

▲ 1.7▲ 1.1

▲ 2.9

▲ 7.6

▲ 6.6▲ 6.3

▲ 5.5▲ 5.8

▲ 4.1

▲ 3.3▲ 2.9

▲ 2.2▲ 1.7

▲ 1.4

▲ 1.1

▲ 2.3▲ 2.1▲ 2.2▲ 2.3

▲ 8

▲ 7

▲ 6

▲ 5

▲ 4

▲ 3

▲ 2

▲ 1

0

1

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

▲ 7.2▲ 6.7

▲ 7.9▲ 7.7

▲ 5.8

▲ 4.2

▲ 3.1

▲ 2.4

▲ 4.5

▲ 9.3

▲ 8.3▲ 8.1

▲ 7.4

▲ 7.5

▲ 5.8

▲ 5.1▲ 4.8

▲ 3.9▲ 3.5▲ 3.5▲ 3.7

▲ 4.0▲ 3.8▲ 4.0▲ 4.2

▲ 10

▲ 9

▲ 8

▲ 7

▲ 6

▲ 5

▲ 4

▲ 3

▲ 2

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

○ 経済シナリオ・ 「経済再生ケース」 :中長期的に名目3%以上、実質2%以上の成長率。・ 「ベースラインケース」:足元の潜在成長率並みで将来にわたって推移し、名目1%半ば、実質

1%弱の成長率。

○ 財政前提・ 2017(平成29)年度以降:社会保障歳出は高齢化要因等で増加、それ以外の一般歳出は物価上昇率並に増加することを想定。

「経済再生ケース」

「ベースラインケース」

33

※経済・財政面における主要な想定

<国・地方の基礎的財政収支(対GDP比)の推移>推計

(年度)

「経済再生ケース」

「ベースラインケース」

赤字対GDP比半減目標▲3.3%

⇒達成見込み

黒字化目標

●▲6.5兆円

▲12.4兆円

●赤字対GDP比1%程度

のメルクマール

(年度)

<国・地方の財政収支(対GDP比)の推移>

(%)

13.国・地方の財政状況の見通し

※ 消費税の軽減税率制度の導入に伴う減収(1.0兆円程度)に対応し、「平成28年度税制改正の大綱」(平成27年12月24日閣議決定)に基づき確保する安定的な恒久財源について、総合合算制度の見送りにより確保する0.4兆円程度を織り込んでいる。織り込まれていない残りの0.6兆円程度については、平成28年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより、確保することとしている。

基準年度

(%)

推計

33

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「骨太2015(平成27年6月30日閣議決定)」の「経済・財政再生計画」のポイント

14.財政健全化への道筋

「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」の3本柱の改革を一体として推進し、安倍内閣のこれまでの取組を強化

財政健全化目標を堅持。「国・地方を合わせた基礎的財政収支について、2020年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す。」

デフレ脱却・経済再生の中で、金利動向と財政収支にも十分注意。

財政健全化目標等

歳出全般にわたり、安倍内閣のこれまでの取組を強化し、聖域なく徹底した見直しを進める。国の一般歳出については、安倍内閣のこれまでの取組を基調として、社会保障の高齢化による増加分を除き、人口減少や賃金・物価動向等を踏まえつつ、増加を前提とせず歳出改革に取り組む。

歳出改革

<PB赤字対GDP比> 2018年度 ▲1%程度

<国の一般歳出の水準> 安倍内閣のこれまでの3年間の取組では一般歳出の総額の実質的な増加が1.6兆円程度となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで継続。

<社会保障> 安倍内閣のこれまで3年間の経済再生や改革の成果と合わせ、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5兆円程度)となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで継続していくことを目安とし、効率化、予防等や制度改革に取り組む。この点も含め、2020年度に向けて、社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ行う充実等に相当する水準におさめることを目指す。

<地方の歳出水準> 国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、交付団体をはじめ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2018年度までにおいて、2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保。

社会保障・税一体改革を確実に進めつつ、経済再生と財政健全化及び制度の持続可能性の確保の実現に取り組み、世界に冠たる国民皆保険・皆年金の維持そして次世代へ引き渡すことを目指した改革を行う。

インセンティブ改革による多様な主体の行動変化による効率化に取り組むとともに、社会保障関連分野の産業化に向けた取組を進める。

①自助を基本に公助・共助を適切に組み合わせた持続可能な国民皆保険、②経済成長と両立する社会保障制度、③人口減少社会に合った公平で効率的な医療等の提供、④健康で生きがいのある社会、⑤公平な負担で支え合う制度、の基本理念に基づいて取り組む。

歳出改革の目安

社会保障改革のポイント

3434

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「経済・財政アクション・プログラム(平成27年12月24日) 」のポイント

○ 躍動感ある改革推進が重要。柱は「見える化」と「ワイズ・スペンディング」による「工夫の改革」。一億総活躍社会の実現に資するもの

○ 「見える化」-①関係主体・地域間で比較できて差異が分かる、②行政の運営改善や成果の有無・程度が分かる、③改革への課題の所在が分かる。改革への国民の理解、納得感を広げる

○ 「ワイズ・スペンディング」-政策効果が高く必要な歳出に重点化、重点化すべき歳出と抑制すべき歳出のメリハリをつけた思慮深い配分、大きな構造変化の中で経済と財政を大きく立て直すという積極的な発想

○ 主要な改革項目80項目の全てについて、改革の具体的な内容、規模、時期等について明確化。KPI(180程度)を進捗管理、構造変化、マクロ効果の階層により体系化

○ 単年度主義を超えるコミットメント-改革効果の着実な発現が重要。実効的なPDCAサイクル(的確なチェック、次のアクションとプランニングへの確実な反映)の構築に取り組む。計画初年度のスタート時点から、改革の浸透による効果の発現に伴う影響などについて一定の幅のある目途を提示

枠組み

2014・2015年度2019年度2016年度 2017年度 2018年度

2016年度末までに地域医療構想を策定した都道府県の数【47都道府県】

地 域 医 療構 想 の2025 年 における医療機能別(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の必要病 床 数 に対する都道府県ごとの進 捗 率【2020 年度 時 点 での 十 分 な進 捗 率 を実現】

必要なデータ分析及び推計を行った上で、2025年の高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4機能ごとの医療需要と病床の必要量等を定める地域医療構想を、原則として全ての都道府県において、2016年度末までに前倒しで策定

<①都道府県ごとの地域医療構想の策定による、医療の「見える化」を踏まえた病床の機能分化・連携の推進(療養病床に係る地域差の是正)>

<②慢性期の医療・介護ニーズに対応するサービス提供体制に係る制度上の見直しの検討>

地域差是正に向けて、療養病床の入院患者の重症度を適切に評価するための診療報酬上の対応について、平成28年度改定において実施

厚生労働省の「療養病床の在り方等に関する検討会」において、地域医療構想ガイドラインにおいて在宅医療等で対応するとされた者についての医療・介護サービス提供体制上の対応、2017年度末で廃止が予定されている介護療養病床の取扱い等について検討し、具体的な改革の選択肢を整理

介護療養病床等の効率的なサービス提供体制への転換について、関係審議会等において検討し、2016年末までに結論

関係審議会等における検討の結果に基づいて必要な措置を講ずる(法改正を要するものに係る2017年通常国会への法案提出を含む)

地域差是正に向けた診療報酬上の対応について、平成30年度改定において更なる対応

地域医療構想に基づく病床の機能分化・連携を推進(療養病床に係る地域差の是正等)

見直し後の基準による病床機能報告を実施

KPI(第一階層)

KPI(第二階層)

2020年度~

通常国会 概算要求税制改正要望等

年末 通常国会

<社会保障分野(一部抜粋)>

療養病床等の効率的なサービス提供体制への転換の推進

35

<「経済・財政再生計画」の実現に向けた改革工程表の概要>

項事な主野分出歳

社会保障

全ての都道府県における地域医療構想の平成28年度末までの前倒し策定や、入院・外来医療費の適正化目標等を盛り込んだ医療費適正化計画の早期策定など、医療提供体制の適正化に向けた改革を推進。

疾病・重症化予防、介護予防の推進など、保険者や個人の取組を促すインセンティブのある仕組みを構築。 負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化等に向けた制度改革事項について、改革の方向性や検討・実施時期を

明確化。 薬価、調剤等の診療報酬及び医薬品に係る改革について、平成28年度診療報酬改定における対応を明確化。

地方財政

トップランナー方式の導入:先進的自治体の経費水準を他団体の基準財政需要額算定に反映(平成28年度から情報システムの運用等16業務について反映開始)。

適正な民間委託を推進(平成28年度からモデル事業を実施等)するとともに、ITクラウド化(目標:平成29年度までにクラウド導入市区町村数を約1,000団体に倍増)等を通じ業務改革を促進。

社会資本整備等

公共施設の効率的管理等のため、地方公共団体による「公共施設等総合管理計画」の策定を、特別交付税措置等を通じて促進。

都市機能や居住を誘導・集約するため、市町村による「立地適正化計画」の策定を、財政支援等を通じて促進。

教育 少子化の進展、エビデンス(研究者等による検証)等を踏まえ、教職員定数の中期見通しの提示に向けた教育研究に

関する実証研究を平成28年度から開始。 国立大学・応用研究への民間資金の導入促進、研究の質の向上の観点からKPIを設定。

病床機能分化の進捗評価等に必要な病床機能報告制度について、2016年10月の次期報告時までに用いることができるよう、病床機能を選択する際の判断に係る定量的基準も含めた基準の見直しについて、関係の検討会において検討し、策定

集中改革期間

35

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(参考)日本の財政に対する国際機関の見方

OECD「エコノミック・アウトルック98」(平成27年11月9日)における日本への提言

2020年度までに基礎的財政収支黒字を達成するとの政府の目標は、対GDP比230%に

高まった政府の総債務残高を減少傾向に持っていくための最優先事項である。また、

財政が持続可能であるためには、大胆かつ広範囲にわたる構造改革を通じた、より速

いペースでの経済成長がとりわけ必要である。日本の財政への信認を維持するために

は、2020年度に基礎的財政収支の黒字を達成するための詳細かつ具体的な健全化の

プランが不可欠である。

詳細かつ具体的な財政戦略には、消費税率の更なる引上げ、所得税、法人税の課税

ベースの拡大、グリーン成長の促進にも役立つ環境税の引上げといった措置を通じた

歳入増加策が必要である。財政健全化のためには、特に年金支給開始年齢引上げ、

入院期間の短縮、ジェネリック医薬品の利用拡大といった施策により、社会保障関連

支出の増加を抑制することも必要である。

財政目標を達成するための詳細かつ具体的な戦略なしには、日本は財政の持続可能

性に対する信任を失う恐れがあり、それは、ひいては金融部門や実体経済を不安定化

させ、世界経済に大きな波及効果をもたらす恐れがある。

IMF「2015年 対日4条協議審査報告書」(平成27年7月23日)

財政健全化計画は、信頼性を確保するため、堅実な原則で裏打ちされるべきである。下

記の原則に基づく具体的かつ信頼のおける中期計画は、財政に関する不確実性を払拭

し、下振れリスクに対処する一助となりうる。①慎重かつ現実的な経済前提の使用 、②

債務残高を下方軌道に乗せるという長期の目標の採用、③構造的財政収支の調整幅の

特定、④具体的な構造的歳入・歳出措置を予め明確化すること 。

財政健全化計画の信頼性を高めるため、財政制度の強化が必要である。

公表された中期的な計画は、財政政策を導く有益な支えとなっている。しかしながら、“経

済再生ケース”の基での過度に楽観的な成長率の想定に依拠することは、2020年度の

目標を達成するために必要とされる構造的財政収支の調整額を限定的なものとするの

で、当局の計画の信頼性を損なうリスクがある。

債務残高対GDP比を下方軌道に乗せるためには、更なる財政健全化措置が必要とされ

るだろう。

3636

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15.財政健全化に向けた国際的な動向

先進国は、リーマン・ショックを受けて悪化した財政の立て直しを進めるため、2010年6月のトロント・サミットにおいて、財政健全化のための計画にコミットしましたが、日本の財政健全化目標は、他の先進国と比べ、目標年次が遅く、内容も緩やかとなっています。

【G20トロント・サミット(2010年6月26日、27日)】○首脳宣言(仮訳)…先進国は、2013年までに少なくとも赤字を半減させ、2016年までに政府債務の

対GDP比を安定化又は低下させる財政計画にコミットした。日本の状況を認識し、我々は、成長戦略とともに最近発表された日本政府の財政健全化計画を歓迎する。深刻な財政課題がある国は、健全化のペースを加速する必要がある。

【G20サンクトぺテルブルク・サミット(2013年9月5日、6日 )】○首脳宣言(仮訳)先進国において財政の持続可能性を確保しつつ、より強固で持続可能な回復を

実現することは、引き続き極めて重要である。合意に沿って、全ての先進国は、信頼に足る意欲的な各国個別の中期的な財政戦略を策定した。これらの戦略は、債務対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるため、短期的な経済状況を勘案し、機動的に実施される。…

○アクションプラン(仮訳)合意に沿って、全ての先進国は、中期にわたり債務対GDP比を安定化または

縮減させることに向けられた戦略を提示した。…日本は、2020年度までにプライマリー・バランスの黒字を達成した後、政府債務対GDP比を安定的に縮減することを目指す。…

フロー目標 ストック目標

目標年次 内容 目標年次 内容

日本以外の先進国

2013年財政赤字を半減

2016年

債務残高対GDP比を安定化又は低下

日本

2015年度PB赤字を半減

2021年度以降

国・地方の公債等残高対GDP比を安定的に低下

2020年度PB

黒字化

遅い 緩い 遅い

3737

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60

90

120

150

180

210

240

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(%)

▲ 14

▲ 12

▲ 10

▲ 8

▲ 6

▲ 4

▲ 2

0

2

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

(%)

主要先進国は、不況への対応により悪化した財政を健全化すべく、新たな目標を定め、中期的に財政の持続可能性を確保することとし、トロント・サミット以降、着実に財政健全化を進めています。

主要国の財政の改善ペース

(出典)OECD “Economic Outlook 98”。日本は2014年以降、それ以外の国々は2015年以降が推計値。

財政収支対GDP比(一般政府)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

ドイツ ▲3.2 ▲4.2 ▲1.0 ▲0.1 ▲0.1 0.3 0.9 0.6

イタリア ▲5.3 ▲4.2 ▲3.5 ▲3.0 ▲2.9 ▲3.0 ▲2.6 ▲2.2

英国 ▲10.8 ▲9.7 ▲7.7 ▲8.3 ▲5.7 ▲5.7 ▲3.9 ▲2.6

フランス ▲7.2 ▲6.8 ▲5.1 ▲4.8 ▲4.1 ▲3.9 ▲3.8 ▲3.4

米国 ▲12.8 ▲12.2 ▲10.8 ▲9.0 ▲5.5 ▲5.1 ▲4.5 ▲4.2

日本 ▲8.8 ▲8.3 ▲8.8 ▲8.7 ▲8.5 ▲7.7 ▲6.7 ▲5.7

(出典)OECD “Economic Outlook 98”。日本は2014年以降、それ以外の国々は2015年以降が推計値。

債務残高対GDP比(一般政府)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

日本 188.8 193.2 209.4 215.4 220.3 226.1 229.2 232.4

イタリア 127.3 126.0 119.4 138.1 145.0 158.7 160.7 159.9

フランス 93.2 96.9 100.8 110.5 110.1 119.1 120.1 121.3

英国 81.7 93.0 106.9 111.2 106.4 116.8 116.4 115.5

米国 93.5 102.7 108.3 111.4 111.4 111.6 110.6 111.4

ドイツ 75.6 84.2 83.6 86.3 81.4 82.1 78.5 75.0

38

ドイツ

イタリア

フランス

米国

英国

日本

(暦年)

(暦年)

日本

イタリア

フランス

米国英国

ドイツ

38

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具体的な目標等(計画等)

日本中期財政計画(2013年) PB(国・地方)⇒ ①2015年度までに赤字対GDP比半減(2010年度比)

②2020年度までに黒字化 債務残高(国・地方)対GDP比 ⇒ 2021年度以降、安定的に引下げ

米国 大統領予算教書(2017年度) 「2025年度にかけて財政赤字(連邦政府)対GDP比を3%未満に収めることで、債務残高(連

邦政府)対GDP比を安定させ、さらには減少させる軌道に乗せる」

英国 予算責任憲章(2015年) 財政収支(公的部門)対GDP比 ⇒ 2019年度までに黒字化 純債務残高(公的部門)対GDP比 ⇒ 2019年度まで毎年減少

ドイツ 安定化プログラム2015(2015年) 債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 60%超の部分を直近3ヵ年平均1/20以上削減

⇒ ①2016年末までに70%未満 ②2014年から10年以内に60%未満

フランス 2016年予算法 財政収支(一般政府)対GDP比 ⇒ 2017年までに▲3%以下

イタリア 改訂版安定化プログラム2015(2015年) 構造的財政収支(一般政府) を2018年までに均衡化。 債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 60%超の部分を直近3ヵ年平均1/20以上削減

<参考1>EUにおける財政関連ルール 域内の財政健全化目標(マーストリヒト基準)(①財政収支(一般政府)対GDP比▲3%、②債務残高対GDP比60%)(欧州

連合機能条約)(1993年) 毎年、中期財政目標を定めた「安定化プログラム」を欧州委員会に提出することを義務付け(安定成長協定)(1997年) 財政収支均衡又は黒字化(構造的財政収支対GDP比▲0.5%以内でも可)を国内法(拘束力があり永続的な性格を有する

規定(望ましくは憲法)又は予算編成過程で十分に尊重・遵守されることが保証されるもの)で定める(財政協定)(2012年)

<参考2>構造的財政収支とは、実際の財政収支から、景気によって変動する要因や一時的な要因を除いたもの。

各国の財政運営の原則及び健全化目標財政運営の原則等(法律)

日本 財政法(1947年) 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。

英国予算責任・会計検査法(2011年) 財務省において、財政政策の策定・実施等に関する文章として、予算責任憲章を策定し、その

中において、財政の目標を定めなければならない。 予算責任憲章は、下院の決議による承認が必要。

ドイツ連邦基本法(2009年) 連邦及び州の予算は、原則、借入れなしに、均衡させなければならない。 構造的財政収支(連邦政府)対GDP比を2016年より▲0.35%以下。予算原則法(2013年) 構造的財政収支(一般政府)対GDP比を▲0.5%以下。

フランス

憲法(2008年) 公共財政の複数年にわたる方針を計画化法において定め、その方針は会計均衡の目標の中

に位置づけられる。財政プログラム及びガバナンスに関する組織法(2012年) 財政計画法において、一般政府中期目標を定める。複数年財政計画法2014~2019(2014年) 一般政府中期目標は構造的財政収支対GDP比で▲0.4%であり、これを2019年までに達成。 債務残高(一般政府)対GDP比 ⇒ 2020年より60%超の部分を直近3ヵ年平均1/20以上削減。

イタリア憲法(2012年) 行政は、EU法規と一致するよう予算均衡・公的債務の持続可能性を保障。均衡財政原則の適用に関する法律(2012年) 均衡予算の判定には構造的財政収支を用い、その目標は安定化プログラムにおいて定める。

3939

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<ストックの指標> 債務残高対GDP比

「債務残高対GDP比」とは、国や地方が抱えている借金の残高をGDPと比較し

て考える指標です。経済規模に対する国・地方の債務の大きさを計る指標として、

財政の健全性を図る上で重要視されます。

<フローの指標①> プライマリー・バランス(PB)

プライマリー・バランス(PB)とは、その時点で必要とされる政策的経費を、その

時点の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標です。我が国の現状は、政策的

経費が税収等を上回り、PBは赤字となっています(図A)。

債務残高

GDP

PB均衡時には、債務残高は利払い費分だけ増加します。この利払い費は、「債務残高×金利」として計算されます。したがって、PB均衡時の債務残高は、金利の水準に比例して増大していくこととなります。

このため、「債務残高対GDP比」全体の変動は、「金利」と「経済成長率」の水準

によって左右されます。以上を整理すると次のとおりです。

PBが均衡している状態では、

・ 金利 > 成長率 ⇒ 債務残高対GDP比は増加

・ 金利 = 成長率 ⇒ 債務残高対GDP比は一定

・ 金利 < 成長率 ⇒ 債務残高対GDP比は減少

→ 債務残高対GDP比を確実に引き下げるためには、PBに一定の黒字幅を持た

せる必要があります。

他方、GDPは経済成長率に比例して増減していきます。

40

コラム 財政健全化目標に用いられる指標

PBが均衡している状態(図B)では、債務残高対GDP比の分子と分母は次のとお

りに変動します。

40

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国のプライマリーバランス( )

2.22.6

2.3

▲ 0.7

▲ 2.3

▲ 3.2

▲ 3.9

▲ 3.5▲ 2.8

▲ 4.7

▲ 5.9

▲ 4.5

▲ 4.2

▲ 5.6 ▲ 5.6

▲ 4.0

▲ 2.7

▲ 1.7

▲ 1.1

▲ 2.9

▲ 7.6

▲ 6.6▲ 6.3

▲ 5.5▲ 5.8

▲ 4.1

▲ 3.3▲ 2.9

▲ 2.2▲ 1.7

▲ 1.4▲ 1.1

1.3

2.1 2.10.1

▲ 1.1

▲ 1.8▲ 2.0

▲ 1.5

▲ 3.2

▲ 5.4▲ 4.6

▲ 3.9

▲ 4.8

▲ 5.0▲ 3.9

▲ 3.1

▲ 2.5

▲ 1.8

▲ 3.9

▲ 8.0

▲ 6.7▲ 6.9

▲ 6.1▲ 6.3

▲ 4.4▲ 4.1

▲ 3.4

▲ 2.6▲ 2.4▲ 2.2▲ 2.0

0.9

0.50.1

▲ 0.8

▲ 1.2▲ 1.5

▲ 2.0▲ 1.6

▲ 1.3▲ 1.4

▲ 0.6

0.1▲ 0.4

▲ 0.8▲ 0.6▲ 0.0

0.40.8 0.7

1.00.4

0.10.6 0.5 0.6

0.30.8 0.5 0.4

0.7 0.8 0.9

▲ 9

▲ 8

▲ 7

▲ 6

▲ 5

▲ 4

▲ 3

▲ 2

▲ 1

0

1

2

3

元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32

(歳入) (歳出) (歳入) (歳出) (歳入) (歳出)

債務償還費 債務償還費 借金 債務償還費

利払費 利払費 利払費

税収等

借金

政策的経費税収等

政策的経費

借金

税収等 政策的経費

財政収支

(赤字)

PB(赤字)

財政収支

(赤字)

PB(均衡)

財政収支(均衡)

PB(黒字)

41

<フローの指標②> 財政収支

PBが均衡したとしても利払費分だけ債務残高の実額は増加してしまいます。

債務残高の実額を増加させないためには、利払費を含む財政収支を均衡させる

必要があります。この財政収支の均衡とは、新たに借金をする額と借金を返す

額が同額である状態を言います(図C) 。なお、フローの指標に、日本はPB均衡

を用いていますが、諸外国はより厳しい財政収支均衡等を用いています。

※ PBを考える際には、厳密には歳入から利子収入を除く等の必要があるが、ここでは簡単化のために捨象。

図A 財政の現状 図B PBが均衡した状態 図C 財政収支が均衡した状態

(出典)内閣府「国民経済計算」及び「中長期の経済財政に関する試算」(平成28年1月)。

地方のプライマリーバランス( )

国・地方のプライマリーバランス( ◆)

(参考)国・地方のプライマリーバランス(対GDP比)の推移

41

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平成28年度予算のポイント

第2部

平成28年度予算

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(1)平成28年度予算のポイント

(2)平成28年度予算フレーム

43

⼀億総活躍社会の実現に向けて、「希望出⽣率1.8」、「介護離職ゼロ」に直結する、⼦育て⽀援や介護サービス等の充実を図るほか、教育費の負担軽減等を進める。また、地⽅創⽣の本格展開を図る。

持続可能な社会保障制度の確⽴に向けて、社会保障関係費の伸びを「経済・財政再⽣計画」の「⽬安」に沿って抑制(+4,400億円*)。診療報酬の適正化、改⾰⼯程表の策定などの改⾰を推進。* 「経済・財政再⽣計画」における「⽬安」との関係では、平成27年度予算における⼀時的な歳出の影響額等を除き、実質+5,000億円。

事前防災・減災対策の充実や⽼朽化対策など国⼟強靭化を推進。また、「攻めの農林⽔産業」に向けた施策を推進。

伊勢志摩サミットの議⻑国として、充実した外交予算により「地球儀を俯瞰する外交」を推進。また、防衛予算を充実し、防衛⼒を着実に整備。

教育の質向上に向けた取組みや科学技術の基盤強化を推進。 復興ステージに応じた課題に対応し、復興を加速化。

⼀般歳出の伸びを「経済・財政再⽣計画」の「⽬安」に沿って抑制(+4,700億円*)。* 「経済・財政再⽣計画」における「⽬安」との関係では、平成27年度予算における⼀時的な歳出の影響額等を除き、実質+5,300億円。

国債発⾏額(34.4兆円)は前年度から▲2.4兆円の減額。公債依存度は35.6%とリーマン・ショック以前(平成20年度当初予算以来)の⽔準まで回復。* 国税税収(57.6兆円。消費税率8%引上げ分6.3兆円を除くと51.3兆円)は平成19年度決算(51.0兆円)を上回る⽔準まで回復。

* 地⽅税収等(41.8兆円。平成19年度決算40.2兆円)の増を反映し、平成21年度以降措置してきた地⽅交付税の別枠加算を廃⽌。

(注1) 社会保障関係費の27年度予算は、28年度予算との比較対照のため、組替えをしてある。(注2) 計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。

経済再⽣と財政健全化の両⽴する予算

27年度予算(当初)

28年度予算 備 考27'→28'

(歳 入)

税 収 545,250 576,040 30,790

そ の 他 収 入 49,540 46,858 △2,681

公 債 金 368,630 344,320 △24,310 ○ 公債依存度 35.6%程度(27年度当初 38.3%)

うち4条公債(建設公債)

うち特例公債(赤字公債)

60,030

308,600

60,500

283,820

470

△24,780

計 963,420 967,218 3,799

(歳 出)

国 債 費 234,507 236,121 1,614

基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 728,912 731,097 2,185

うち一般歳出 573,555 578,286 4,731

うち社会保障関係費 315,326 319,738 4,412

うち社会保障関係費以外 258,229 258,549 319

うち地方交付税交付金等 155,357 152,811 △2,547 ○ 地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額について実質的に同水準を確保。

計 963,420 967,218 3,799

財政健全化

43

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(注1)計数は当初予算ベース。公債依存度は公債発行額を一般会計歳入額で除して算出。(注2)平成24年度の公債依存度は、基礎年金国庫負担2分の1ベース。

23.2

30.0 30.1 28.224.5

20.2 20.125.7

38.0 38.2 38.3 37.1 35.230.9

28.4

6.8

6.4 6.56.2

5.5

5.2 5.2

7.6

6.4 6.1 5.95.8

6.0

6.06.1

30.0

36.4 36.634.4

30.0

25.4 25.3

33.3

44.3 44.3 44.2 42.941.3

36.934.4

36.9%

44.6% 44.6%41.8%

37.6%

30.7% 30.5%

37.6%

48.0% 47.9% 47.6%46.3%

43.0%

38.3%35.6%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

0

10

20

30

40

50

60

14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

4条公債

特例公債

(3)経済指標と財政状況

(4)公債発行額、公債依存度(当初予算ベース)の推移

44

<財政(一般会計)>

○ 新規国債発行額は前年度から2.5兆円程度の大幅な減額となり、公債依存度は35.6%に低下。

平成26年度(当初)

平成27年度(当初)

平成28年度(予算)

基礎的財政収支対象経費 72.6兆円 72.9兆円 73.1兆円

税 収 50.0兆円 54.5兆円 57.6兆円

公債金収入 41.3兆円 36.9兆円 34.4兆円

基礎的財政収支 ▲18.0兆円 ▲13.4兆円 ▲10.8兆円

公債依存度 43.0% 38.3% 35.6%

<経済指標>

○ 名目GDP成長率の見通しは+3.1%程度となっており、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる。

平成26年度(実績)

平成27年度(実績見込み)

平成28年度(見通し)

名目GDP成長率 1.5%(0.1%) 2.7% 3.1%

実質GDP成長率 ▲1.0% 1.2% 1.7%

消費者物価上昇率 2.9%(0.9%) 0.4% 1.2%

完全失業率 3.5% 3.3% 3.2%

(注1) 平成27年度及び平成28年度は、「平成28年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成28年1月22日閣議決定)による。(注2) 平成26年度の名目GDP成長率及び消費者物価上昇率のカッコ内の計数は、消費税率引上げによる影響を除いた計数。

公債発行額(左軸) 公債依存度(右軸)

(兆円)

(年度)

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(5)主要経費別内訳

45

(単位:億円)

(注1)27年度予算は、28年度予算との比較対照のため、組替えをしてある。(注2)計数は、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。

主要経費27年度予算

28年度予算

増減額 増減率 備 考

社会保障関係費 315,326 319,738 4,412 + 1.4% 27年度予算の一時的歳出の影響額等 ▲585億円

文教及び科学振興費 53,584 53,580 ▲ 4 ▲ 0.0%新型交付金への拠出 ▲120億円

うち科学技術振興費 12,857 12,929 72 + 0.6%

恩給関係費 3,932 3,421 ▲ 511 ▲ 13.0%受給者の減少に伴う自然減等 ▲511億円

地方交付税交付金等 155,357 152,811 ▲ 2,547 ▲ 1.6%地方税収の伸び等を反映。地方税・地方交付税等の地方の一般財源総額について27年度と実質的に同水準を確保。

防衛関係費 49,801 50,541 740 + 1.5%中期防対象経費の増 +386億円(+0.8%)SACO・米軍再編関係経費等の増 +354億円

公共事業関係費 59,711 59,737 26 + 0.0%

経済協力費 5,064 5,161 97 + 1.9%

(参考)ODA 5,422 5,519 98 + 1.8%

中小企業対策費 1,856 1,825 ▲ 31 ▲ 1.7%景気回復に伴う信用補完関連予算の減 ▲18億円新型交付金への拠出 ▲51億円

エネルギー対策費 8,985 9,308 323 + 3.6%温対税増税を踏まえた省エネ・再エネ等予算の増 +585億円

食料安定供給関係費 10,417 10,282 ▲ 135 ▲ 1.3%収入減少影響緩和対策移行円滑化交付金の減▲385億円

その他の事項経費 61,379 61,193 ▲ 185 ▲ 0.3%

予備費 3,500 3,500 - -

合 計 728,912 731,097 2,185 + 0.3%

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(6)各分野別の平成28年度予算の特徴

〇 27年度補正において措置したTPP関連政策⼤綱に基づく体質強化策(3,122億円)に加え、輸出促進策(各産地における円滑な輸出検疫⼿続きの構築等)や農業経営の⾼度化⽀援(経済界の技術・⼈材の導⼊等)など、「攻めの農林⽔産業」に向けた施策を推進。

〇 更に、⼟地改良事業(農業農村整備事業関係予算)の充実を図り、防災・減災事業を推進。

〇 公共事業関係費は前年度同⽔準(5兆9,737億円(+0.0%))としつつ、局地的豪⾬等を踏まえた防災・減災対策を充実するとともにインフラの⽼朽化対策を計画的に推進。また、⺠間投資を誘発し、経済活性化につながる物流ネットワークの整備等を推進。

〇 社会保障関係費の伸びを、「経済・財政再⽣計画」の「⽬安」に沿って抑制(+4,412億円*)。* 「経済・財政再⽣計画」における「⽬安」との関係では、平成27年度予算における⼀時的な歳出の影響額等を除き、実質+4,997億円。

〇 28年度診療報酬改定において、診療報酬本体+0.49%(+498億円)、薬価▲1.22%(▲1,247億円)、材料価格▲0.11%(▲115億円)。別途、外枠で、医薬品価格の適正化、⼤型⾨前薬局等に対する評価の適正化などの制度改⾰を実施(▲609億円)。

〇 「⾻太⽅針2015」に掲げられた制度改⾰検討項⽬について、改⾰の⽅向性、検討実施時期を明確化した⼯程表を策定。

〇 今後、「⾻太の⽅針2015」に掲げられた改⾰検討項⽬について、「経済・財政再⽣計画改⾰⼯程表」に沿って改⾰を着実に実⾏。

〇 ⼀億総活躍社会の実現に向けて、「希望出⽣率1.8」、「介護離職ゼロ」に直結する施策を充実。

社会保障

公共事業

農林水産

〇 サミット等を⾒据え難⺠対策などグローバルな課題に貢献。テロ等を踏まえた邦⼈の安全対策や戦略的対外発信に取り組む。⼀般会計全体のODA予算は、無償資⾦協⼒等の増額により、平成11年度以来、17年ぶりの増(+1.8%)。

〇 「中期防衛⼒整備計画」に沿って、南⻄地域の防衛態勢の強化等を図るなど、中期防対象経費について+0.8%を確保。沖縄等の負担軽減等のために⾏う⽶軍再編事業も着実に推進し、防衛関係費全体としては+1.5%の5兆541億円。

〇 教育 → 教育現場が抱える諸課題への対応として、⼩学校の専科教育、貧困対策、特別⽀援教育など必要な教職員定数を充実するほか、チーム学校(専⾨⼈材活⽤)の推進、⺠間教育機関と連携した教員研修を実施。国⽴⼤学の機能強化に向けた運営費交付⾦の適正化・再配分ルールを導⼊。

〇 科学技術 → ⼈⼯知能の基盤技術の研究拠点の構築をはじめ、産学連携促進・若⼿研究者⽀援等システム改⾰も推進。

外交・防衛

教育・科学技術

46

〇 ⻑期避難者のケアやコミュニティ形成などの被災者⽀援や除染、産業の再⽣等を推進し、復興ステージの進展に伴う課題に対応。

復興

〇 地⽅税収増等を反映して、別枠加算(0.2兆円)を廃⽌し、地⽅交付税交付⾦等は減額(15.5兆円→15.3兆円)しつつ、地⽅の⼀般財源総額を適切に確保。

地方財政

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主な施策 概要 充実額

介護サービス基盤の確保

介護施設・在宅サービスの整備の加速化(2020年代初頭までに約50万⼈分以上)

423億円(対前年度同額)

公費:634億円(対前年度同額)

介護⼈材の確保賃⾦制度の整備を⾏った介護事業主を⽀援(労働保険特別会計) +12億円夜勤等が多い介護職員に対する幼児預かりサービス(ベビーシッター派遣等)利⽤料負担の軽減 +20億円

仕事と介護の両⽴⽀援

介護休業の分割取得を可能とする制度改正、給付⽔準の育児休業給付と同⽔準への引上げ(40%→67%)(労働保険特別会計) +23億円

主な施策 概要 充実額

保育の受け⽫の拡⼤(平成29年度末までの整備⽬標+40万⼈→+50万⼈)

⼦ども・⼦育て⽀援新制度における保育サービス量の拡⼤(+45万⼈程度)等(社会保障・税⼀体改⾰財源)

+356億円公費:+817億円

新たな企業主導型保育施設の整備等(+5万⼈程度)(事業主拠出⾦引上げによる財源を充当) +835億円

保育⼈材の確保

保育⼠の勤務負担軽減を図るための保育補助者の配置に必要な費⽤の⽀援 +118億円

保育⼠等の待遇の改善(⼈事院勧告に連動した給与⽔準の引上げ+1.9%) +177億円

勤続年数が⻑い施設に保育⼠1⼈分の加配を可能とするチーム保育推進加算の創設 +43億円

ひとり親家庭・多⼦世帯への⽀援(幼児教育無償化を含む)

児童扶養⼿当の機能の拡充(多⼦加算の倍増(第2⼦⽉額+5,000円、第3⼦以降同+3,000円)、養育費確保の促進等) +28億円(初年度)

低所得のひとり親家庭・多⼦世帯に係る保育料負担等の軽減(⼦どもの同時就園要件の撤廃) +126億円

教育費の負担軽減 ⼤学⽣等向け無利⼦奨学⾦の充実(新規貸与枠6,000⼈増、37億円)など教育に係る負担軽減を推進 +197億円

三世代同居の推進良質な三世代同居対応住宅の建築・リフォーム等を⽀援・ 建築:補助限度額100〜165万円/⼾に30万円/⼾を加算(110億円の内数)・ リフォーム:補助限度額100万円/⼾に50万円/⼾を加算(40億円の内数)

+150億円の内数

≪「希望出生率1.8」に直結する施策≫

≪「介護離職ゼロ」に直結する施策≫

(7)「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連予算

主な施策 概要 充実額

新型交付⾦(地⽅創⽣推進交付⾦) 地⽅の⾃主的かつ先駆的な取組を⽀援する「新型交付⾦」を創設 +1,000億円

公費:+2,000億円

観光⽴国の推進 訪⽇外国⼈年間2,000万⼈の⽬標達成が視野に⼊る中、受⼊環境整備や地⽅への誘客を加速し、訪⽇外国⼈数の更なる増加を図るため、観光庁予算を倍増

+101億円(27:99→28:200)

≪地方創生の本格展開等≫

≪投資促進・生産性革命≫

主な施策 概要 充実額

IoT(Internet of Things)やロボット、⼈⼯知能の技術開発や実証等の⽀援

IoTを活⽤した様々なビジネスモデルの実証を新たに実施

中⼩企業などのロボットの導⼊実証を新たに実施

次世代⼈⼯知能・ロボットの技術開発の拡充 等

+20億円+23億円+21億円

先端的な省エネ設備や省エネ住宅等の導⼊⽀援

⼯場や事業場等における先端的な省エネ設備の導⼊⽀援の強化

省エネ住宅(ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及や省エネビル(ゼロ・エネルギー・ビル)の開発の促進

+105億円

+102億円

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(8)歳出各分野における効率化等

≪診療報酬改定≫

○ 全体で国費 ▲1,495億円(28年度予算ベース)、医療費 ▲6,200億円程度(平年度ベース)

(1)診療報酬本体

+0.49% (国費+498億円)

各科改定率 医科 +0.56%

歯科 +0.61%

調剤 +0.17%

(2)薬価等

① 薬価 ▲1.22% (国費▲1,247億円)

※ 上記のほか、

・ 市場拡大再算定による薬価の見直し(国費▲200億円)

・ 年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施(国費▲282億円)

等により国費▲502億円((3)に後述)

② 材料 ▲0.11% (国費▲115億円)

(3)診療報酬・薬価等に関する制度改革事項

(国費▲609億円)

① 医薬品価格の適正化 (国費▲502億円)

・ 新規収載された後発医薬品の価格引下げ

・ 後発医薬品の数量シェア目標の引上げを踏まえた長期収載品の特例的引下げの基準見直し

・ 市場拡大再算定による薬価の見直し、年間販売額が極めて大きい品目に対する市場拡大再算定の特例の実施

② 大型門前薬局等に対する評価の適正化

(国費▲38億円)

③ 経腸栄養用製品に係る給付の適正化

(国費▲42億円)

④ その他(湿布薬の1処方当たりの枚数制限等)

(国費▲27億円)

≪教育、地方行政≫

○ リーマンショック後の危機対応措置として7年間継続した別枠加算(平成27年度:0.2兆円)を廃⽌するとともに、地⽅交付税交付⾦等を着実に縮減(▲0.3兆円)。

地⽅財政

○ 28年度は少⼦化の進展に伴う基礎定数の減(対27年度⽐▲3,100⼈)や、更なる統廃合の進展による定数減(同▲900⼈)の⾒込みを適切に反映。

○ その上で、学校現場が抱える諸課題への対応として、⼩学校の専科教育、貧困対策、特別⽀援教育など必要な加配定数を拡充(同+525⼈)。⇒ 結果として、27年度⽐▲3,475⼈の効率化(国費ベースで▲75億円)。

<義務教育費国庫負担金>

基礎

定数

▲3,100人

27予算セット

▲375人

▲3,475人

学校統

廃合

による減

▲900人

加配

の増

+525人

28予算セット

教育

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事業名 秋のレビューでの主な指摘事項 平成28年度予算

○ 国⽴研究開発法⼈⽇本原⼦⼒研究開発機構運営費交付⾦に必要な経費

「開栄丸」(使⽤済核燃料運搬船)については、利⽤状況の⾒通しを踏まえながら、最も合理的な⽅策に改めるべき。

リサイクル機器試験施設(RETF:Recycle Equipment Test Facility)について、改造することは時期尚早。

「開栄丸」については、使⽤の終了を⾏うこととし、終了に伴い必要最低限の経費のみ措置。

「RETF」については、改造のための調査費の計上を⾒送る。

※ 要求15億円→6億円(▲9億円)

○ CCSによるカーボンマイナス社会推進事業

○ ⼆酸化炭素削減技術実証試験事業

〇 ⼆酸化炭素貯留ポテンシャル調査事業

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:⼆酸化炭素の回収・貯蔵)については、⼈・モノ・⾦を分散させることなく、まずは沿岸での実証事業に戦略的かつ集中的に投下すべき。

沖合での実証事業は、当⾯中⽌。

⼆酸化炭素貯留ポテンシャル調査の対象は、沿岸地域に絞り込む。

※ 要求187億円→142億円(▲46億円)

〇 沿岸域環境改善技術評価事業(オリパラ関係)

2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに⾒込まれる成果を⽰すことができない以上、2020年に確実に間に合う他の⽅法を検討すべき。

事業廃⽌。※ 要求0.5億円→0億円(▲0.5億円)

49

MEMO

≪行政事業レビューでの指摘事項の予算への反映状況の例≫

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(9)平成27年度補正予算

(10)平成27年度補正予算フレーム

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1.一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策等 1兆1,646億円• 「希望出生率1.8」及び「介護離職ゼロ」に直結する緊急対策等〔3,951億円〕• アベノミクスの果実の均てんによる消費喚起・安心の社会保障(年金生活者等支援臨時福祉給付金)〔3,624億円〕

• 投資促進・生産性革命 〔2,401億円〕• 地方創生の本格展開等 〔1,670億円〕

円億304,3策施たけ向に現実綱大策政連関PPT.2 ※

円億189,9兆1他のそ.3

• 攻めの農林水産業への転換(体質強化対策)〔3,122億円〕• TPPの活用促進・TPPを通じた「強い経済」の実現(対日直接投資促進等)〔280億円※〕

• 災害復旧・防災・減災事業〔5,169億円〕• 復興の加速化等〔8,215億円〕• その他喫緊の課題への対応(テロ対策等)〔3,037億円〕• その他追加財政需要〔3,560億円〕

地方交付税交付金の増〔1兆2,651億円〕

財源は税収増、前年度剰余金で確保。平成27年度のPB赤字半減目標は堅持。 平成26年度補正予算に引き続き新規国債発行額の減額〔4,447億円〕を行う。

※地方創生の本格展開等に含まれる再掲事業1,472億円を含めると1,753億円

円億030,5兆3)費国(出歳加追

※地方創生の本格展開等に含まれる事業1,472億円を含めると4,875億円

入歳出歳

099,81収税.1646,11等策対きべす施実に急緊てけ向に現実の会社躍活総億一.1

664,3▲入収外税.2304,3策施たけ向に現実綱大策政連関PPT.2

961,5業事災減・災防・旧復害災.3 631,22入受金余剰度年前.3

512,8等化速加の興復.4

730,3応対のへ題課の緊喫他のそ.5

065,3費経の他のそ.6

030,53計小

156,21金付交税付交方地.7

764,41▲額減の費経定既.8

744,4▲金債公.4343,31▲費債国)1(

421,1▲他のそ)2(

312,33計合312,33計合

(注1) 一般会計の歳出1.~6.の合計35,030億円(小計)に、7.地方交付税交付金を加えると、47,680億円となる。(注2) 計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。(注3) 公債金について、建設国債を増額し、赤字国債を減額する。(注4) 東日本大震災復興特別会計において、除染事業の追加(783億円)、福島12市町村の被災事業者の自立支援(228億円)等を計上。(参考) 財政投融資計画において、日本私立学校振興・共済事業団に対し、361億円を追加する。

50

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会計情報とPDCAサイクル

(参考)

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財務省は、毎年度、国全体の資産や負債などのストックの状況をわかりやすく開示する観点から、企業会計の考え方及び手法(発生主義、複式簿記)を参考として、貸借対照表を作成・公表しています。

◇ 資産、負債の科目の中には、運用資産と調達財源がほぼ連動しているものがあります。

① 外貨証券(128.7兆円):購入のための財源は、外国為替資金証券 (117.9兆円)の発行により

調達しています。

② 財政融資資金貸付金(112.0兆円):貸付のための財源は、財投債(99.0兆円)の発行により調

達された資金や預託金(6.5兆円)で構成されています。

③ 運用寄託金(103.7兆円):公的年金預り金(113.7兆円) (年金給付財源として保有している保

険料等の積立金等)を資産運用しているものです。

◇ その他の主な資産は以下のとおりです。

④ 有形固定資産(179.6兆円):河川や道路といった公共用財産等

⑤ 出資金(70.0兆円):独立行政法人の出資金や政策的に国に保有義務のある株式等

資産と負債の差額である資産・負債差額(▲492.0兆円)については、その大部分が過去における超過費用

の累積であることから、概念的には、将来への負担の先送りである特例国債の残高に近いものとなります。

(参考)資産・負債差額(▲492.0兆円)について

現金・預金 27.8兆円

有価証券 139.5兆円

うち外貨証券 128.7兆円 (①)

貸付金 138.3兆円

うち財政融資資金貸付金

112.0兆円 (②)

運用寄託金 103.7兆円 (③)

有形固定資産 179.6兆円 (④)

出資金 70.0兆円 (⑤)

その他 21.1兆円

資産・負債差額

▲492.0兆円

政府短期証券 99.2兆円 (①)

公 債 884.9兆円

借入金 28.9兆円

預託金 6.5兆円 (②)

公的年金預り金 113.7兆円 (③)

その他 38.6兆円

資産合計 679.8兆円 負債合計 1,171.8兆円

外国為替資金証券 117.9兆円その他 1.4兆円内部保有 ▲20.1兆円

建設国債 262.7兆円特例国債 478.6兆円財投債 99.0兆円 (②)その他 44.8兆円内部保有▲0.2兆円

Ⅰ.国の貸借対照表

(2014年末現在)

5252

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・国有林野事業債務管理特別会計(農林水産省) ※経過特会

・貿易再保険特別会計(経済産業省)

・特許特別会計(経済産業省)

・自動車安全特別会計(国土交通省)

・東日本大震災復興特別会計 ※平成24年度から設置

(国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、

文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省)

この主要経費別純計とは、一般会計歳出総額(28年度96.7兆円)と特別会計歳出総額(同403.9兆円)の合計から会計間の入り繰りを控除し、政策分野ごとに整理したものです。いわば国全体の歳出の全体像を示すものです。

○一般会計・特別会計の歳出予算純計の推移

〇一般会計・特別会計の主要経費別純計

国債費

92.0兆円

合計

244.6兆円

社会保障関係費86.4兆円

地方交付税交付金等

18.3兆円

財政投融資17.1兆円

その他 ※

30.8兆円

その他 ※

公共事業関係費 7.1兆円文教及び科学振興費 5.4兆円防衛関係費 5.1兆円食料安定供給関係費 1.7兆円エネルギー対策費 1.3兆円経済協力費 0.5兆円恩給関係費 0.3兆円中小企業対策費 0.2兆円その他の事項経費 7.6兆円復興加速化・

福島再生予備費 0.5兆円予備費 1.0兆円

国が行う貸付の原資

(注)平成28年度予算ベース。

収入の少ない地方自治体が行政サービスを維持するための財源

国の借金の利払いや返済

年金、医療、介護、子ども・子育て、失業給付、生活保護など

事 項 平成26年度(決算額) 平成27年度(決算見込額) 平成28年度(予算額)

一般会計歳出総額 (A) 98.8兆円 103.0兆円 96.7兆円

特別会計歳出総額 (B) 390.2兆円 400.6兆円 403.9兆円

合計 (C=A+B) 489.0兆円 503.6兆円 500.6兆円

うち重複額 (D) 142.9兆円 145.3兆円 146.9兆円

差引額 (E=C-D) 346.1兆円 358.4兆円 353.7兆円

うち控除額 (F) 119.4兆円 114.4兆円 109.1兆円

純計額 (=E-F) 226.8兆円 244.0兆円 244.6兆円

(注)控除額とは、国債整理基金特別会計における借換償還額を指す。

53

Ⅱ.一般会計と特別会計

・交付税及び譲与税配付金特別会計(内閣府、総務省及び財務省)

・地震再保険特別会計(財務省)

・国債整理基金特別会計(財務省)

・外国為替資金特別会計(財務省)

・財政投融資特別会計(財務省及び国土交通省)

・エネルギー対策特別会計(内閣府、文部科学省、経済産業省及び環境省)

・労働保険特別会計(厚生労働省)

・年金特別会計(内閣府及び厚生労働省)

・食料安定供給特別会計(農林水産省)

○特別会計一覧

53

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「行政機関が行う政策の評価に関する法律」に基づき各府省が実施した政策評価の結果について、予算編成において適切に活用。

〈例〉静止気象衛星(ひまわり8号)運用業務における観測データを利活用するための技術開発の推進について、政策評

価の結果を活用。【国土交通省】

【活用額:▲0.5億円】

【平成28年度予算への活用額:▲170億円】

平成27年度予算執行調査については、専門家の知見を活用するなど、調査の質の向上等を図りつつ、56件の調査を実施。

調査結果を踏まえ、事業等の必要性・有効性・効率性について検証を行い、予算に的確に反映。

〈例〉地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクトについて、予算執行調査の指摘を踏まえ、

平成27年度限りで事業を廃止。【文部科学省】

【反映額:▲0.9億円】

【平成28年度予算への反映額:▲278億円、835億円(歳入)】

※ 予算執行調査とは、財務省主計局の予算担当職員や日常的に予算執行の現場に接する機会の多い財務局職員が、予算の執行

の実態を調査 して改善すべき点等を指摘し、予算の見直しや執行の効率化等につなげていく取組み。

予算がどのように使われ、どのような成果をあげたかを評価・検証し、予算への反映等を行う、予算編成におけるPDCAサイクルを活用した取組みを行っています。

予算

予算

予算執行

評価・検証・国会の議決・決算検査報告・予算執行調査・政策評価・行政事業レビュー

予算への反映等

Plan PlanDo Check Action

54

◆ 予算執行調査の反映

◆ 政策評価の活用

(注) 計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。

行政改革推進会議の下で進める行政事業レビューの指摘を予算編成において適切に活用。

〈例〉「二酸化炭素削減技術実証試験事業」「二酸化炭素貯留ポテンシャル調査事業」等について、沖合での実証実験を

当面中止し、二酸化炭素ポテンシャル調査の対象を沿岸地域に絞り込んだ。

【活用額:▲46億円】

◆ 行政事業レビューの活用

Ⅲ.PDCAサイクル

決算に関する国会の議決については、審議の内容等を踏まえ、的確に反映。

〈例〉雇用保険二事業のキャリア形成促進助成金等の低調な執行状況についての反映。

【反映額:▲23億円】

会計検査院の指摘については、個別の事務・事業ごとに必要性や効率性を洗い直し。

〈例〉高齢者医療制度円滑運営臨時特例交付金の交付に当たり、基金残額を適切に把握した上で交付額を算定。

【反映額:190億円】

多額の不用が生じている事業等については、決算結果を踏まえ、個々の予算の内容等を厳正に見直し。

〈例〉総合特区推進調整費において運用改善後の執行状況等を適切に反映。

【反映額:▲25億円】

◆ 国会の議決・決算検査報告等の反映

54

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(注1) 一般会計税収及び歳出総額は、平成26年度までは決算、平成27年度は補正後予算、平成28年度は予算による。(注2) 政府債務残高は、「国債及び借入金現在高」の年度末の値(財務省「国債統計年報」等による)。平成28年度は年度末の見込み。(注3) GDPは、昭和29年度までは名目GNP、昭和30年度以降は名目GDPの値(昭和29年度までは日本統計協会「日本長期統計総覧」、昭和30年度以降は内閣府「国民経済計算」による)。ただし、平成27年度及び平成28年度は内閣府「政府経済見通し(平成27年12月22日)」による。

(注4) 人口関連データは、平成26年度までは総務省「国勢調査」及び「人口推計」、厚生労働省「簡易生命表」及び「人口動態調査」等、平成27年度以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月):出生中位・死亡中位推計」による。

参考 戦後における我が国財政の変遷

昭20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56

5.77.110.212.116.61.88.68.018.27.72.110.310.112.20.314.8率長成済経質実 10.4 9.5 6.2 11.0 11.0 12.4 12.0 8.2 5.0 9.1 5.1 -0.5 4.0 3.8 4.5 5.4 5.1 2.6 3.9

2.671率長成済経目名 103.7 26.6 16.9 37.9 15.0 12.7 10.9 9.8 12.2 14.7 7.1 17.3 20.0 20.9 10.7 17.5 15.9 11.1 17.6 17.0 18.3 18.4 15.7 10.1 16.4 21.0 18.6 10.0 12.4 11.0 9.7 8.0 10.3 6.5

総人口増加率 -1.5 1.6 6.8 2.4 2.2 1.7 1.7 1.5 1.4 1.4 1.1 1.1 0.9 1.0 1.0 0.5 0.9 0.9 1.0 1.1 1.1 0.8 1.2 1.2 1.2 1.0 1.2 2.2 1.3 1.2 1.7 1.0 0.9 0.9 0.8 0.8 0.7

労働力人口(15~64歳)増加率

-2.1 5.1 3.3 2.3 1.9 1.8 2.2 2.2 1.9 1.8 1.7 2.3 2.2 2.1 2.1 0.6 1.2 2.5 2.6 2.6 2.1 1.8 1.5 1.3 1.2 0.9 1.1 1.6 0.8 0.9 1.5 0.7 0.7 0.8 0.8 0.9 0.5

3.562.560.562.366.366.364.369.169.168.060.852.656.551.05)男(命寿均平 66.0 66.2 67.2 67.7 67.7 68.4 68.9 69.1 69.2 69.3 70.2 70.5 70.7 71.2 71.7 72.2 72.7 73.0 73.5 73.4 73.8

2.079.966.966.765.768.767.767.565.569.465.168.954.950.45)女(命寿均平 70.8 71.2 72.3 72.9 72.9 73.6 74.2 74.3 74.7 74.7 75.6 75.9 76.0 76.3 76.9 77.4 78.0 78.3 78.9 78.8 79.1

9.335.235.133.030.926.726.62齢年均平

高齢化率(65歳以上人口比率)

5.1 5.3 4.8 4.8 4.9 4.9 4.9 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.4 5.5 5.6 5.7 5.8 5.9 6.1 6.2 6.3 6.5 6.6 6.8 6.9 7.1 7.2 7.3 7.5 7.7 7.9 8.1 8.4 8.6 8.9 9.1 9.3

高齢化社会

24年間

第二次石油危機

年度特例公債脱却目標設定

機関車論

59'第一次石油危機

変動為替相場制移行

福祉元年

当初予算で建設公債発行

補正予算で歳入補填債発行

国民皆保険・皆年金制度確立

財政再建計画大綱

第二次世界大戦終戦

財政法成立

財政制度審議会設置

朝鮮戦争

ドッジライン・シャウプ勧告

日本国憲法成立

金融危機措置令

預金封鎖・新円切替

神武景気30’ 「もはや戦後ではない」 岩戸景気

国民所得倍増計画

東京オリンピック

いざなぎ景気

現在の減債制度確立

年償還ル

土光臨調発足3K

国鉄

健康保険

問題

増税なき財政再建

五輪景気

40年不況

サンフランシスコ条約対日講和条約

締結

生活福祉事業法成立

年度特例公債脱却目標設定

55補正予算で特例公債発行

財政危機宣言

60

スミソニアン協定

ニクソン・ショック

大阪万国博覧会

新国民健康保険法成立

国民年金法成立

なべ底不況

55

0

20

40

60

80

100

120

20

21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58

(兆円)

均衡財政

公債不発行 4条公債発行特例公債発行

55

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57 58 59 60 61 62 63 平元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

3.1 3.5 4.8 6.3 1.9 6.1 6.4 4.6 6.2 2.3 0.7 -0.5 1.5 2.7 2.7 0.1 -1.5 0.5 2.0 -0.4 1.1 2.3 1.5 1.9 1.8 1.8 -3.7 -2.0 3.4 0.4 0.9 2.0 -1.0 1.2 1.7

5 4.4 4.6 6.7 7.2 3.6 5.9 7.0 7.3 8.6 4.9 2.0 -0.1 2.7 1.8 2.2 1.0 -2.0 -0.8 0.8 -1.8 -0.7 0.8 0.2 0.5 0.7 0.8 -4.6 -3.2 1.3 -1.3 0.0 1.7 1.5 2.7 3.1

0.7 0.7 0.6 0.7 0.5 0.5 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.4 0.2 0.2 0.3 0.2 0.2 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 -0.1 -0.1 0.4 -0.2 -0.2 -0.2 -0.2 -0.3 -0.3 -0.4 -0.4

1.0 1.0 1.1 0.9 1.0 1.0 1.0 0.9 0.5 0.5 0.3 0.2 0.0 0.3 -0.1 -0.1 -0.1 -0.2 -0.4 -0.3 -0.5 -0.4 -0.4 -0.8 -0.8 -0.9 -0.9 -1.0 0.3 -0.5 -1.4 -1.5 -1.5 -1.3 -1.1 -1.0 -0.9

8 74.2 74.2 74.5 74.8 75.2 75.6 75.5 75.9 75.9 76.1 76.1 76.3 76.6 76.4 77.0 77.2 77.2 77.1 77.7 78.1 78.3 78.4 78.6 78.6 79.0 79.2 79.3 79.6 79.6 79.4 79.9 80.2 80.5 80.3 80.5 80.6 80.7

79.7 79.8 80.2 80.5 80.9 81.4 81.3 81.8 81.9 82.1 82.2 82.5 83.0 82.9 83.6 83.8 84.0 84.0 84.6 84.9 85.2 85.3 85.6 85.5 85.8 86.0 86.1 86.4 86.3 85.9 86.4 86.6 86.8 87.1 87.2 87.3 87.4

6.643.640.640.543.344.146.936.737.53 46.9

3 9.6 9.8 9.9 10.3 10.6 10.9 11.2 11.6 12.1 12.6 13.1 13.6 14.1 14.6 15.1 15.7 16.2 16.7 17.4 18.0 18.5 19.1 19.5 20.2 20.8 21.5 22.1 22.8 23.0 23.3 24.2 25.1 26.0 26.8 27.5 28.0 28.4

高齢社会 会社齢高々超会社齢高超

13年間 11年間

消費税率5%

8%

マン・ショック

後期高齢者医療制度導入

介護保険制度導入

消費税導入

3%

基礎年金制度導入

マイナス・シ

リング

年度特例公債脱却目標設定

65ゼロ・シ

リング

バブル経済崩壊

日本国有鉄道民営化

年度国債発行額

兆円以下目標

30

所得税減税税率構造の累進緩和等

補正予算6年度

で特例公債発行

阪神・淡路大震災

年度PB黒字化目標設定

23年度PB黒字化目標設定

32土光臨調発足

国鉄

健康保険

問題

PB中間目標達成

郵政民営化

いざなみ景気バブル経済

財政構造改革法停止

アジア通貨危機・国内金融システム問題

財政構造改革法成立

消費税率3%

5%

プラザ合意

日本電電公社・日本専売公社民営化

PB黒字化目標年度

15年 15年

バブル経済崩壊

臨時特別公債発行湾岸戦争への対応

特例公債発行脱却

減税特例公債発行

8年度

年金特例公債発行

年度

25

補正予算で復興債発行

東日本大震災

14法人税減税税率引下げ

所得税減税最高税率の引下げ

所得税から住民税への税源移譲

56

0

200

400

600

800

1,000

1,200

54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 平

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(兆円)

32 ・・・・・(年度)

政府債務残高(右軸)

一般会計歳出(左軸)

一般会計税収(左軸)

新規国債発行額(左軸)

4条公債発行特例公債発行4条公債発行

特例公債発行4条公債発行

56

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