58
1 溶接規格に対する質問回答 2014 8 5 1.第 1 部~第 3 部に対する質問事項(5項目) 1.第 1 -5 N-1050 溶接部の非破壊試験及び機械試験」において、中間溶接後熱処理の定義及び 規定は、どちらに記述しているのでしょうか? また、中間溶接後熱処理は最終の溶接後熱処理の最低保持温度を下回らないことのみが 規定されていますが、保持時間、最高温度及び昇降温速度等は自由に設定できるのでしょ うか? (回答) (1) 「中間溶接後熱処理」とは、割れの発生等を防止するために溶接部の拡散性水素除去、 溶接部の組織改善、残留応力除去等を目的にして機器の製作の途中段階で、最終溶接 後熱処理の保持温度と同等の温度で溶接後熱処理を行うことです。 「中間溶接後熱処理」の用語の意味は現状の溶接規格には、まだ、記載されていません が、今後の改訂で第 4 解説 第 4 章「用語集」に「中間溶接後熱処理」の意味を 記載する等の検討をする予定です。 尚、中間溶接後熱処理の意味が記載されている参考資料としては、下記があります。 ASME Sec.NB-5000 ENDNOTES 30 日本溶接協会「溶接用語辞典」 中間熱処理 2)中間溶接後熱処理後に非破壊試験を実施できるかどうか?の判断条件としては、保持 時間、最高温度及び昇降温度の制限は、もうけられていませんが、一般的な中間溶接 後熱処理の溶接後熱処理条件は、下記です。 保持時間 : 各社の経験と実績より決定 最高温度 : N-X090-1「溶接後熱処理における温度範囲及び溶接部の厚さに応じた保持 時間」で規定されている温度範囲の温度 P-1 材料 : 595℃~700P-3 材料 : 595℃~710加熱速度/冷却速度 : N-X090-2「溶接後熱処理の方法」で規定されている 加熱速度 : T R 25 220 (℃/h) (T:板厚) 冷却速度 : T R 25 275 (℃/h) で計算された加熱/冷却速度以下 なお、計算値が 55℃未満の場合は、55/

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溶接規格に対する質問回答

2014 年 8 月 5 日

1.第 1 部~第 3 部に対する質問事項(5項目)

1.第 1 部-5 頁

「N-1050 溶接部の非破壊試験及び機械試験」において、中間溶接後熱処理の定義及び

規定は、どちらに記述しているのでしょうか?

また、中間溶接後熱処理は最終の溶接後熱処理の最低保持温度を下回らないことのみが

規定されていますが、保持時間、最高温度及び昇降温速度等は自由に設定できるのでしょ

うか?

(回答)

(1)「中間溶接後熱処理」とは、割れの発生等を防止するために溶接部の拡散性水素除去、

溶接部の組織改善、残留応力除去等を目的にして機器の製作の途中段階で、最終溶接

後熱処理の保持温度と同等の温度で溶接後熱処理を行うことです。

「中間溶接後熱処理」の用語の意味は現状の溶接規格には、まだ、記載されていません

が、今後の改訂で第 4 部 解説 第 4 章「用語集」に「中間溶接後熱処理」の意味を

記載する等の検討をする予定です。

尚、中間溶接後熱処理の意味が記載されている参考資料としては、下記があります。

① ASME Sec.Ⅲ NB-5000 ENDNOTES 30 項

② 日本溶接協会「溶接用語辞典」 中間熱処理

(2)中間溶接後熱処理後に非破壊試験を実施できるかどうか?の判断条件としては、保持

時間、最高温度及び昇降温度の制限は、もうけられていませんが、一般的な中間溶接

後熱処理の溶接後熱処理条件は、下記です。

① 保持時間 : 各社の経験と実績より決定

② 最高温度 :

表 N-X090-1「溶接後熱処理における温度範囲及び溶接部の厚さに応じた保持

時間」で規定されている温度範囲の温度

P-1 材料 : 595℃~700℃

P-3 材料 : 595℃~710℃

③ 加熱速度/冷却速度 :

表 N-X090-2「溶接後熱処理の方法」で規定されている

加熱速度 : T

R25

220 (℃/h) (T:板厚)

冷却速度 : T

R25

275 (℃/h)

で計算された加熱/冷却速度以下

なお、計算値が 55℃未満の場合は、55℃/h

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参考資料-No.1: 溶接規格抜粋

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3

2.第 1 部-62 頁

「表 N-X090-1 溶接後熱処理における温度及び溶接部の厚さに応じた保持時間」の(注)1.

において、溶接部の厚さを定義していますが、厚さが異なる母材の突き合せ溶接の場合は

JIS Z 3700 の規定と異なり、ASME Sec.Ⅲ NB-4622.3 に近いと思われます。厚さが異な

る突き合せ溶接で、厚さが薄い方の母材厚さを溶接厚さとすることの妥当性を御教示下さ

い。

(回答)

(1) JIS Z 3700(2009)「溶接後熱処理」では“厚さが異なる場合は、溶接部の厚さで

最も大きい厚さ“ と規定されていますが、ASME Sec.Ⅲ NB/NC/ND/NE-4622.3

及び JIS B 8265(2010)「圧力容器の構造-一般事項」の附属書 S「溶接後熱処理」

では、薄い方の厚さと規定されているため、溶接規格では、厚さが異なる突合せ

溶接の場合は、薄い方と厚さとして規定しています。

(2) 厚さが異なる突合せ溶接の場合は、N-1070 で規定されているように厚い方に 1/3 の

勾配をもうけるように要求されているため、薄い側と厚い側の溶接部の厚さは、

あまり大きくならないと考えられます。

厚い方の勾配の開始点を薄い方の厚さと同じ位置からとした場合、素材の厚さが

薄い側と厚い側の溶接部の厚さは、同じになります。

また、厚さが異なる突合せ溶接継手の中心から 1/3勾配をもうけるようにした場合、

であっても、薄い側と厚い側の厚さの差は、ほとんどが 5mm程度以下と考えられ、

極厚板であっても 10mm以上にならないと考えられます。

例えば、板厚 100mmを想定し、厚い方の溶接部の厚さを 110mmとした場合、

溶接後熱処理の保持時間の差は、10 分以下にすぎません。

薄い方の溶接部の厚さ 100mm: 保持時間 2.5h(150 分)以上

厚い方の溶接部の厚さ 110mm: 保持時間 2.6h(156 分)以上

また、溶接規格で規定されている溶接後熱処理の保持時間は、最少保持時間である

ため、実際は、それ以上の保持時間で溶接後熱処理が行われることになるため、

薄い方と厚い方の溶接部の厚さの差程度の保持時間の差は、実際の溶接後熱処理の

保持時間で完全にカバーされることになります。

以上より、薄い方の溶接部の厚さで評価しても必要な溶接後熱処理の効果は、十分

に得られると考えられます。

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参考資料-No.2 : 溶接規格抜粋

N-1070 厚さの異なる母材の突合せ溶接

厚さの異なる母材の突合せ溶接(継手区分 C 又は継手区分 D に係るものを除く。)を

行う場合は,図 N-1070-1 に示すようにこう配を設けなければならない。

(1) (2) (3)

(注)

1. t は,薄い方の母材の厚さとする。

2. は,突合わせる母材の面の食違いの値の 3 倍以上の値とする。

3. r は,t の 2 分の 1 以上とする。

図 N-1070-1 厚さの異なる母材の突合せ溶接

(解説)

N-1070 は,クラス1容器の厚さの異なる母材を突合せ溶接によって行う場合について

規定している。

・・・・・・・

2. 勾配の始まる点は,解説図 N-1070-1 に示すように,厚さが薄い方の母材側,溶接部

の中心又は厚さが厚い方の母材側のいずれでも良い。

解説図 N-1070-1 厚さの異なる継手の勾配の開始点

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3.第 1 部-65~66 頁

「表 N-X090-3 溶接後熱処理を要しないもの」において、母材区分 P-1(クラッド溶接)、

P-9A 及び P-9B の母材厚さ等の数値が ASME Sec. III NB/NC/ND/NE-4622.7 の規定を

参考に追加されております。この追加についての技術的根拠を御教示ください。

(回答)

(1)6 月 24 日の面談の時の質問回答資料の質問 2.Q1 及び Q2 で回答済です。

参考資料-No.3(1/3): 6 月 24 日の面談での質問回答資料

2.Q1 質問回答

(1) 現状の解説に P-9A/9B に関する記載が無いのは、今回の改訂では、P-9A/9B につい

ては、本文の規定の改訂を優先させ、それに関する解説については、どうするか?

まだ、検討していないため、解説に P-9A/P-9B に関する記載が無いものです。

(2) 最高硬さに対する影響を評価する手法として、炭素等量(Ceq)があります。

炭素等量(Ceq)=C+1/6Mn+1/24Si+1/40Ni+1/5Cr+1/4Mo+1/14V

P-9A/P-9B 及び P-3、P-4 材の炭素等量は、参考資料 2-Q1 のようになり、P-9A/P-9B

の炭素等量は、P-3、P-4 の炭素等量の 0.4~0.6 倍程度とかなり小さいことから、

P-9A/P-9B は P-3、P-4 より硬化し難い材料と言えます。

(3) ASME Sec.Ⅲの P-9A/9B の PWHT を免除できる溶接部の厚さ、炭素量、予熱の条件

は、容器の場合は P-3 と同様、配管溶接の場合は P-4 と同様の規定になっています。

P-9A/P-9B は P-3、P-4 材より硬化し難い材料であることを考慮すると、ASME Sec.

Ⅲの P-9A/9B の免除規定が、P-3/P-4 の場合の PWHT 免除規定と同様に規定され

ていることは、安全側になっていると考えられることから、ASME Sec.Ⅲの P-9A/9B

の PWHT 免除規定を参考にして規定することは妥当と考えています。

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参考資料-No.3(2/3): 6 月 24 日の面談での質問回答資料

参考資料 2-Q1 : P-9A/9B、P-3、P-4 材の炭素等量

炭素等量(Ceq)=C+1/6Mn+1/24Si+1/40Ni+1/5Cr+1/4Mo+1/14V

区分 種類 C Mn Si Ni Cr Mo V Ceq

JIS G 3127

低温圧力容器用

ニッケル鋼鋼板

P-9A SL 2N255

1.5Ni 系

Spec 0.17

以下

0.70

以下

0.30

以下

2.1~

2.5

0 0 0 -

平均 0.09 0.35 0.15 2.3 0 0 0 0.21

P-9B SL 3N255

3.5Ni 系

Spec 0.15

以下

0.70

以下

0.30

以下

3.25~

3.75

0 0 0 -

平均 0.09 0.35 0.15 3.5 0 0 0 0.24

SL 9N520

9Ni 系

Spec 0.12

以下

0.90

以下

0.30

以下

8.50~

9.50

0 0 0 -

平均 0.06 0.45 0.15 9.0 0 0 0 0.37

JIS G 3460

低温配管用鋼管

P-9B STPL450

3.5Ni 系

Spec 0.18

以下

0.30~

0.60

0.10~

0.35

3.20~

3.80

0 0 0 -

平均 0.09 0.45 0.23 3.5 0 0 0 0.26

JIS G 3120

圧力容器用

Mn-Mo 鋼及び

Mn-Mo-Ni 鋼

鋼板

P-3 SQV1A Spec 0.25

以下

1.15~

1.50

0.15~

0.40

0 0 0.45~

0.60

0 -

平均 0.13 1.3 0.27 0 0 0.53 0 0.49

SQV2A Spec 0.25

以下

1.15~

1.50

0.15~

0.40

0.40~

0.70

0 0.45~

0.60

0 -

平均 0.13 1.3 0.27 0.55 0 0.53 0 0.50

JIS G 3458

配管用合金鋼

鋼管

P-4 STPA22

1Cr-0.5Mo 系

Spec 0.15

以下

0.30~

0.60

0.50

以下

0 0.80~

1.25

0.45~

0.65

0 -

平均 0.08 0.45 0.25 0 1.03 0.55 0 0.51

STPA23

1.25Cr-0.5Mo

-Si 系

Spec 0.15

以下

0.30~

0.60

0.50~

1.0

0 1.00~

1.50

0.45~

0.65

-0 -

平均 0.08 0.45 0.75 0 1.25 0.55 0 0.57

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参考資料-No.3(3/3): 6 月 24 日の面談での質問回答資料

2.Q2 質問回答

(1) 従来は、クラッド溶接の場合の PWHT 免除の考え方が明記されていなかったため、

突合せ溶接の場合の免除規定を準用されていましたが、今回の改訂ではクラッド

溶接の場合の扱いを明確にし、溶接規格の PWHT 免除規定の強化を図っている

ものです。

(2)下記の理由より、ASME Sec.Ⅲで規定されているクラッド溶接の PWHT 免除規定

は、妥当と評価しました。

1) 板厚が厚くなると冷却速度が速くなり、硬化した組織になり易くなることから、

板厚の区分を厚さにより 3 種類に分類し、板厚が 75mm以上の場合は、38~75

mmの場合より予熱温度を高くし、組織の硬化を防止するように規定されてい

ます。

2) 板厚が 38mm以上の場合、突合せ溶接の場合には、要求されていない、直後

熱が要求されており、予熱だけでなく、直後熱も行うことにより、さらに組織

の硬化 防止及び拡散性水素の除去ができるように規定されており、厚板材

料に対する考慮がされています。

(注)7

(1) 下記の板厚のクラッド溶接の場合,溶接後に下記の直後熱を実施する

こと。

1) 38 mm<T(板厚)≦75 mm : 100℃以上で 2 時間以上

2) T(板厚)>75 mm : 150℃以上で 2 時間以上

(2) P-1 材の中で JIS G 3106「溶接構造用圧延鋼材」の SM570, JIS G

3115「圧力容器用鋼板」の SPV450,SPV490 にクラッド溶接を行な

う場合は,溶接後熱処理を免除してはならない。

3)板厚 75mmを越える場合は、75mm以下の場合より予熱温度及び直後熱温度

は高く規定されており、板厚の影響が考慮されています。

溶接部の区分 母材の厚さ (mm)

母材の炭素 含有量(%)

予熱温度 (℃)

クラッド溶接 (注 7)

T≦38 C≦0.30 40 以上 38<T≦75 C≦0.30 100 以上(注 7)

T>75 C≦0.30 120 以上(注 7)

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4.第 1 部-67 頁

「表 N-X090-3 溶接後熱処理を要しないもの(3/3)」の(注)6.における補修溶接及び

手直し溶接の定義及び規定は、どちらに記述しているのでしょうか?

また、補修溶接等は、全ての溶接部及び機械試験の試験板の試験材で認めているので

しょうか?

さらに、補修溶接等の場合の非破壊試験の規定は、どちらに記述しているのでしょうか?

(回答)

(1)現状、補修溶接及び手直し溶接の意味は、まだ、溶接規格の中に記載されていません

が、今後の改訂で第 4 部 解説 第 4 章「用語集」に補修溶接及び手直し溶接の意味を

記載することを検討する予定です。

なお、補修溶接と手直し溶接の違いは、下記です。

補修溶接: 溶接部の最終検査が完了した後の補修溶接

手直し溶接:溶接部の最終検査が完了する前のインプロセスでの手直し溶接

(2) 手直し溶接は、全ての溶接部に対して認められています。

機械試験の試験板については、手直し溶接が禁止されている訳ではありませんが、

一般的には、手直し溶接を行わないで試験が行われていると考えられます。

(3)手直し溶接が行われた場合の非破壊試験は、基本的には、表 N-X050-1「溶接部の

非破壊試験」が適用されます。

ただし、維持規格の補修工法で補修後に特別な非破壊試験要求がある場合は、維持

規格での規定に従い行われます。

5.第 2 部-19 頁

「表 WP-400-1 継手引張試験、型曲げ試験、ローラ曲げ試験及び衝撃試験(3/3)」の

衝撃試験の欄において、試験片厚さ 10mm、7.5mm、5mm、2.5mm の試験片が使用でき

る規定ですが、厚さ 10mm 以外の試験片許容値の規定がありません。10mm 以外の試験片

の規定を削除してはいかがでしょうか?

(回答)

(1) 母材の厚さが、10mm未満の場合は、物理的の 10mm厚さの衝撃試験片を採取するこ

とができないため、もうけられている規定です。

JIS Z 2242(2005)「金属材料のシャルピー衝撃試験方法」には、サブサイズの厚さ

(7.5mm、5mm、2.5mm)の規定があり、溶接規格で JIS Z 2242(2005)の規定を

引用していることにより、JIS Z 2242(2005)での規定からサブサイズの場合の試験片の

許容値は決まります。

現状では、実際的には衝撃試験片の厚さは 10mmになりますが、将来、サブザイズの

衝撃試験片が使用される可能性もゼロとは言えず、現状では使用されないサブサイズの

規定があったとしても弊害にはならないと考えます。

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2.第 1 部~第 3 部に対する誤記等の確認事項(20項目)

1.第 1 部-60 頁

「表 N-X050-2 溶接部の機械試験板(1/2)」において、クラス1,2,3配管及びクラス

3相当管は継手区分 D の溶接部について試験板を作成すると規定していますが、第 1 部-79

頁の「表 N-X110-1 機械試験(2/2)」においては、継手区分 D の溶接部について試験の

種類(破壊靭性試験等)を規定していません。不整合ではないでしょうか?

(回答)

(1) 継手区分 D とは、下記の継手を言います。

1)容器の胴に管台を取付ける継手

2)管又は管台に管台を取付ける継手

3)鏡板又は平板に管台を取付ける継手

(2) クラス 1~3 配管には突合せ溶接となる継手区分 D が無いため、表 N-X110-1「機械

試験」では規定されていません。

一方、表 N-X050-2「溶接部の機械試験板」では、クラス 2、3 容器とクラス 1~3

配管の場合として規定されており、現状のクラス 2、3 容器には、突合せ溶接となる

継手区分 D は無いと考えられますが、クラス 2、3 容器の場合、今後、突合せ溶接と

なる継手区分Dがでてくる可能性もあることから表 N-X050-2「溶接部の機械試験板」

では継手区分 D の場合の規定がされています。

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2.第 1 部-70 頁

「表 N-X100-1 放射線透過試験(4/5)」の材厚に応じた使用区分の欄の1.「…次の表の

材質の区分の鋼に掲げる材質の区分に応じ、それぞれ同表の「透過度計の区分」の欄に掲

げる…」は、下線部が誤記であり、正しくは「…次の表の材厚の区分の項に掲げる_区分

に応じ、それぞれ同表の「透過度計の区分」の項に掲げる…」ではないでしょうか?

それに関連して、上記に続く2.の「透過度計の区分の欄」(2箇所あり)は、「透過度

計の区分の項」ではないでしょうか?

(回答)

「材質の区分」は「材厚の区分」の誤記です。また、「鋼」ではなく「欄」の誤記です。

誤記訂正の正誤表を発行します。

参考資料-No.2 : 溶接規格抜粋

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3.第 1 部-70 頁

「表 N-X100-1 放射線透過試験(4/5)」の材厚に応じた使用区分の欄にある表中において、

材厚の区分が「6以下」及び「6を超え9.5以下」の欄に対応する透過度計の区分が

「フィルム側の場合」の「厚さ」の項に示す値は、それぞれ「013」及び「018」とあるが、

「0.13」及び「0.18」ではないでしょうか?

(回答)

「0.13」 「0.18」の誤記です。

誤記訂正の正誤表を発行します。

4.第 1 部-70 頁

「表 N-X100-1 放射線透過試験(5/5)」の「透過写真の具備すべき条件」の欄の1.に

ある「透過度計の記号」は「透過度計の呼び番号」ではないでしょうか?

また、上記に続く3.の上から4行目にある「透過度計が置かれた部分の15%以上」

は、「透過度計が置かれた部分の濃度の15%以上」ではないでしょうか?

(回答)

「透過度計の記号」は「透過度計の呼び番号」の意味で記載しているものですが、

用語を「呼び番号」に統一するように修正します。

誤記訂正の正誤表を発行します。

なお、「透過度計が置かれた部分の 15 %以上低いか,又は 30 %以上高い濃度の部分・・・」

との記載でも意味が通じると思われます。

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5.第 1 部-75 頁

「表 N-X100-2 超音波探傷試験(2/4)」の図2は縦横比が合っておらず、円が楕円になっ

ております。また、同図及び「表 N-X100-2 超音波探傷試験(3/4)」の図4の右側の図にお

いて、T 及びaの寸法引出線の始点が試験片の角部のように見えるが、円弧に接した引出線

にする必要があります。

上図を次のように修正するのがよいのではないでしょうか?(図2及び図4に共通)

(回答)

誤記です。 誤記訂正の正誤表を発行します。

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6.第 1 部-79 頁

「表 N-X110-1 機械試験(2/2)」の(注)5.(4)b.の「ニッケルクロム鉄合非鉄金属」は、

「ニッケルクロム鉄合金又は非鉄金属」ではないでしょうか?

(回答)

誤記です。 誤記訂正の正誤表を発行します。

7.第 1 部-80 頁

「表 N-X110-2 継手引張試験、型曲げ試験及びローラ曲げ試験(1/2)」の試験の種類が継

手引張試験の欄において、判定基準の項に示す()書きの「試験片の欄の…」は、「試験片

の項の…」ではないでしょうか?

また、試験の種類が裏曲げ試験の欄における試験片の項に示す 1.の「32mm」は「3.2mm」

ではないでしょうか?

(回答)

「32mm」は「3.2mm」の誤記です。 誤記訂正の正誤表を発行します。

なお、「試験片の欄の・・・」は、項ではなく欄です。

参考資料-No.7: 溶接規格抜粋

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8.第 1 部-92 頁

「表 N-X130-1 耐圧試験(2/4)」におけるクラス3相当容器及びクラス3相当配管の耐圧

試験圧力の規定について、「原子炉圧力容器と一体で試験を行う必要があるもの」、「複数の

容器又は管と一体で試験を行う必要があるもの」、「開放容器に接続されるもの」及び「外

圧を受けるもの」の規定がありませんが、問題は無いでしょうか?

(回答)

クラス3相当容器及びクラス3相当配管の耐圧試験は、火力の技術基準が適用され

ることになると考えられるため、クラス3相当容器及びクラス3相当配管の場合は

参考的に記載しているものですが、実質的には、内圧を受けるものの 1.5 倍の水圧又は

1.25 倍の気圧になると考えられますため、「1.5 倍の水圧又は 1.25 倍の気圧」の記載

のみにしています。

9.第 1 部-93 頁

「表 N-X130-1 耐圧試験(3/4)」において、のクラス2配管及びクラス3配管であって内

圧を受けるものの欄に示すその他のものは、耐圧試験圧力が最高使用圧力の 1.5 倍の水圧又

は 1.25 倍の気圧と規定しているが、それぞれ 1.25 倍と 1.1 倍ではないでしょうか?

(回答)

1.25 倍の水圧、1.1 倍の気圧の誤記です。

誤記訂正の正誤表を発行します。

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参考資料-No.9: 溶接規格抜粋

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10.第 1 部-94-1~7 頁

「表 N-X130-2 耐圧代替非破壊試験(1/7)~(7/7)」において、各クラス機器の溶接

部の区分が「ラグ、ブラケット、強め材、控え、強め輪等であって、重要なものを取付け

る溶接部」は耐圧代替非破壊試験の項における RT 及び UT の欄がそれぞれ「-」と規定し

ていますが、「表 N-X050-1 溶接部の非破壊試験」における当該部の代替試験が RT 又は

UT としていますので、それぞれ「○」とすべきではないでしょうか?

(回答)

ラグ、ブラケット、強め材、控え、強め輪等の溶接部に RT 又は UT を実施することは

実際的には難しく、RT 又は UT の欄を「〇」にしても実際的には意味が無い記載を

することになるため「-」にしています。

参考資料-No.10: 溶接規格抜粋

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11.第 2 部-1 頁

「WP-301 溶接方法」の(1)及び(2)において、クラッド溶接については「クラス 1 容器

及びクラス 2 容器に限る」と規定していますが、第 1 部の「表 N-X050-1 溶接部の非破

壊試験」ではクラス 1 配管及びクラス 2 配管に対してクラッド溶接による溶接部を規定し

ていますので、「クラス 1 容器、クラス 2 容器、クラス 1 配管及びクラス 2 配管に限る」と

すべきではないでしょうか?

(回答)

溶接規格 2014 年追補で「クラス 1 容器,クラス 2 容器,クラス 1 配管及びクラス 2 配管」

に改訂されます。

12.第 2 部-3 頁

「WP-314 溶接機」において、「溶接機の区分は、「自動溶接機」、「半自動溶接機」の種

類の区分とする。」とあるのは、「溶接機の区分は、「自動溶接機」又は「半自動溶接機」の

場合は、溶接機の種類の区分とする。」ではないでしょうか?

(回答)

(1)“溶接機の区分は、「自動溶接機」又は「半自動溶接機」の溶接機の種類の区分と

する。”の意味です。

13.第 2 部-7 頁

「表 WP-200-1 溶接方法別の確認項目」に WP-322 に規定する「衝撃試験」がありま

せんが、全体としての整合性から追加した方がよいのではないでしょうか?

(回答)

WP-322 の衝撃試験要求は、製品に破壊靭性試験が要求される場合に溶接施工法試験でも

衝撃試験の要求をしているものであり、溶接方法の種類により衝撃試験の要否が決まる

ものではないため、表 WP-200-1「溶接方法別の確認項目」では、衝撃試験の記載を

していないものです。

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14.第 2 部-8~9 頁

表 WP-200-2 電子ビーム溶接における確認項目」には、「表 WP-200-1 溶接方法別の確

認項目」に記載する「ノズル」がありませんが、全体としての整合性から追加した方がよ

いのではないでしょうか?

(回答)

WP-317「ノズル」の確認項目は、エレクトロスラグ溶接を適用する場合の確認項目と

して消耗ノズルか? 非消耗ノズルか? のどちらを使用するのか?ということ規定し

ているものであり、電子ビーム溶接は、関係しない確認項目です。

参考資料-No.14: 溶接規格抜粋

WP-317 ノ ズ ル

ノズルが「消耗性」か「非消耗性」かの区分とする。

(解 説)

ノズルは,エレクトロスラグ溶接の場合において「消耗性」又は「非消耗性」の

いずれかの区分とする。

なお,ノズルを確認事項としているのは,ノズルの種類によって溶接金属の成分及び

特性が異なるためである。

第 4 部 解説 第 4 章 用語集

番号 用 語 意 味

4-3-16 エレクトロスラグ

溶接

(ES)

溶融スラグと溶融金属が溶接部から流れ出ないように水冷銅壁等で囲み,溶融

したスラグ浴の中に溶接ワイヤを連続的に供給し,主として溶融スラグの抵抗

熱によって溶接ワイヤと母材を溶融して,順次上方向に溶接金属を盛り上げる

溶接方法をいう。クラッド溶接に適用する場合もある。

4-3-17 ノズル(ES) エレクトロスラグ溶接に使用するノズルは,消耗ノズル及び非消耗ノズルの

2種類があり,概略図を示す。

消耗ノズル- 心線を溶接部に供給し,通電させることを目的とするフラ

ックスで被覆した鋼管であり,溶融して溶接金属の一部と

なる。

非消耗ノズル- 心線を溶接部に供給し,通電させることのみを目的とする

案内管であり,溶融しない。この場合はフラックスを別供

給する必要がある。

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15.第 2 部-10~11 頁

「表 WP-200-3 レーザビーム溶接における確認項目」には、「表 WP-200-1 溶接方法

別の確認項目」に記載する「層」及び「衝撃試験」がありませんが、全体としての整合性

から追加した方がよいのではないでしょうか?

(回答)

レーザ溶接では「層」に変わるものとして「パス」を確認項目にして規定しています。

なお、「パス」で規定しているのは、1層ではなく、1パスでレーザ溶接が行われる

可能性があるためです。

WP-322 の衝撃試験要求は、製品に破壊靭性試験が要求される場合に溶接施工法試験で

も 衝撃試験の要求をしているものであり、レーザ溶接かどうかにより衝撃試験の

要否が決まるものではないため、表 WP-200-3「レーザビーム溶接における確認項目」

では、衝撃試験の記載をしていないものです。

参考資料-No.15 : 溶接規格抜粋

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16.第 2 部-14 頁

「表 WP-303-1 溶接棒の区分」において、溶接棒の区分が被覆アーク溶接棒であって

F-1 の欄に示す「高酸化鉄系溶接棒」は JIS の「酸化鉄系溶接棒」ではないでしょうか?

そうであれば JIS に合わせた方がよいと考えられます。

(第 3 部-19 頁の表 WQ-313-1 も同様です。)

(回答)

今後、改訂で検討します。

17.第 3 部-1 頁

「WQ-313 溶接棒、溶加材(ウェルドインサートを含む)又は心線」において、溶接棒

の区分は表 WQ-313-1 によると規定していますが、同表の(注)に記載している表は溶接

棒の区分が F-5 から F-40X までの(確認試験に用いる)選択すべき溶接棒が明確ではあり

ません。表の見直しが必要です。

また、表 WQ-313-2 には溶加材又は心線の区分を規定していますが、表 WQ-313-1 の(注)

にある表に類似した区分ごとの(確認試験に用いる)選択すべき溶加材又は心線が規定さ

れていません。

(回答)

(1) 表 WQ-313-1「溶接棒の区分」の注記で記載しているのは、F-0(イルミナイト系

被覆アーク溶接棒)及び F-1~F-4 の被覆アーク溶接棒の区分の場合は、イルミナイト系

の被覆アーク溶接棒(F-0)ではなく、F-1~F-4 の溶接棒を使用して試験を行うことを

要求しているものです。

イルミナイト系溶接棒は、炭素鋼系の被覆アーク溶接棒であり、F-5(ステンレス用

溶接棒)、F-6-1, F-6-2(ガス溶接用溶接棒)及び F-40X(ニッケル合金溶接棒)には、

イルミナイト系溶接棒は存在しないため、F-5 、F-6-1、F-6-2 及び F-40X では、注記

のような記載をしていないものです。

(2) 表 WQ-313-1 の注記は、炭素鋼系の被覆アーク溶接棒の場合のみを対象にして特別に

規定されているものです。

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参考資料-No.17: 溶接規格抜粋

表 WQ-313-1 溶接棒の区分

溶 接 棒 の 区 分 種 類

F-0 イルミナイト系溶接棒

F-0 及び F-1

イルミナイト系溶接棒,高酸化鉄系溶接棒,

鉄粉酸化チタン系溶接棒(軟鋼及び高張力鋼用(下向用,水平すみ肉用)),鉄粉低水素系溶接棒(モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用以外),

鉄粉酸化鉄系溶接棒

F-0 から F-2

イルミナイト系溶接棒,高酸化鉄系溶接棒,鉄粉酸化チタン系溶接棒,

鉄粉低水素系溶接棒(モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用以外),

鉄粉酸化鉄系溶接棒,ライムチタニア系溶接棒,高酸化チタン系溶接棒

F-0 から F-3

イルミナイト系溶接棒,高酸化鉄系溶接棒,鉄粉酸化チタン系溶接棒,

鉄粉低水素系溶接棒(モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用以外),

鉄粉酸化鉄系溶接棒,ライムチタニア系溶接棒,高酸化チタン系溶接棒,

高セルロース系溶接棒

F-0 から F-4

イルミナイト系溶接棒,高酸化鉄系溶接棒,鉄粉酸化チタン系溶接棒,

鉄粉低水素系溶接棒,鉄粉酸化鉄系溶接棒,ライムチタニア系溶接棒,

高酸化チタン系溶接棒,高セルロース系溶接棒,低水素系溶接棒

F-5 ステンレス用溶接棒

F-6-1 高延性ガス溶接棒

F-6-2 低延性ガス溶接棒

被覆

アーク溶接棒

F-40X

ニッケル用溶接棒,ニッケル銅合金用溶接棒,

ニッケルクロム鉄合金用溶接棒,ニッケルモリブデン鉄合金用溶接棒,

鉄ニッケルクロムモリブデン合金用溶接棒

(注)溶接棒の区分に掲げる記号は,表 WQ-313-3 による。

また,表 WQ-313-1 の溶接棒のうち,次の表の左欄に掲げる溶接棒の区分の場合の溶接棒は,

同表の右欄に掲げるものにより行うものとする。

溶接棒の区分 溶接棒

F-0 及び F-1 F-1

F-0 から F-2 F-2

F-0 から F-3 F-3

F-0 から F-4 F-4

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18.第 3 部-2 頁

「WQ-320 確認試験の方法及びその判定基準」全般についてですが、下表に示すように、

試験材の作製に係る規定が不十分です。(第 4 部-3-5~9 頁、解説表 WQ-313-1 同一区分

の溶接棒、解説表 WQ-313-2 同一区分の溶加材、解説表 WQ-313-3 同一区分の心線、

解説表 WQ-314-1 同一区分の母材、解説表 WQ-321-1 試験材の材料規格を本文規定と

した方がよいです。)

(回答)

(1) アルミニウム及びチタンには、被覆アーク溶接棒が無いため、表 WQ-313-1「溶接棒の

区分」のような規定がされていません。

(2) アルミニウムの溶加材/心線は、表 WQ-313-2「溶加材又は心線の区分」で規定されて

います。

(3) 炭素鋼系(アルミ、チタン以外)の場合の被覆アーク溶接棒は、表 WQ-313-1、

溶加材/心線は、表 WQ-313-2 で規定されています。

19.第 3 部-9 頁

「WQ-323 試験材の種類がチタンのものの場合」の(1)確認試験要領 2)において、溶加

材又は心線を JIS Z 3331(2002)の「YTB35 又は YTW35」に適合するものと規定していま

すが、正しくは「YTB340 又は YTW340」ではないでしょうか?

(回答)

誤記です。誤記訂正の正誤表を発行します。

JIS Z 3331(1999)「チタン及びチタン合金イナートガスアーク溶加棒及びソリッドワイ

ヤ」では YTB35 及び YTW35 が規定されていましたが、JIS Z 3331(2002)の改訂で

記載が YTB340 及び YTW340 に改訂されました。

20.第 2 部-8 頁

「表 WP-200-2 電子ビーム溶接における確認項目」において、「溶加材」の項目の参考

(ASME QW No.)で補助脱酸剤については QW-404.2 が記載されていますが、正しくは、

QW-404.8 ではないでしょうか?

(回答)

QW-404.8 の誤記です。 誤記訂正の正誤表を発行します。

アルミ、チタン以外 アルミニウム チタン試験材の材料 WQ-321(1) 1) WQ-322(1) 1)a) WQ-323(1) 1)溶接棒、溶加材、心線

?(表WQ-313-1の(

注 )に、また書きでF-1からF-4までは規定あり。)

? WQ-323(1) 2)

試験材の形状、寸法及び試験片採取位置

WQ-321(1) 2) WQ-322(1) 2) WQ-323(1) 3)

初層部の扱い WQ-321(1) 3) WQ-322(1) 3) WQ-323(1) 4)

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3.第 4 部に対する質問事項及び誤記等の確認事項(46項目)

1.第 4 部-1-10 頁

「解説表 N-1030-1 開先面の非破壊試験の対象機器及び継手」の対象機器の欄にクラス

2容器及びクラス2配管は「原子炉格納容器バウンダリを構成するもの」とありますが、

本文規定は 2012 年版で削除されております。当該解説は、2012 年版における変更が反映

されていない状態ではないでしょうか?

(回答)

(1)ご質問に関することは 6 月 24 日の面談の時の質問回答資料の質問 10.Q1 で回答済

です。

(2)2012 年版の出版用原稿を作成する過程で、誤って N-3030(クラス 2 容器)、N-6030

(クラス 2 配管)の本文にあった当該記載を削除してしまったものです。

N-3030(クラス 2 容器)及び N-6030(クラス 2 配管)の本文の記載の正誤表を

発行します。

2.第 4 部-1-10 頁

「N-1030 開先面」5.のただし書において「この場合における厚さとは,該当する溶接

部の開先又は開先となる部分の厚さとする。」とありますが、5.に記載の主旨からすると

「開先又は開先となる部分の素材厚さとする。」との記載が適切ではないでしょうか?

(回答)

「素材の厚さ」のことですが、現状の記載でも、そのことは理解できると思います。

3.第 4 部-1-17 頁

「N-1070 厚さの異なる母材の突合せ溶接」において、2つある 2.の下側の解説「管台

又は管とポンプ、弁及びこれらに類するものと継手の…管継手等が含まれる。」は、配管の

溶接部に対する内容であり、クラス1容器の解説の頁に記載するのは不適切であると考え

られますがいかがでしょうか?

また、上記下線部は「管台又は管とポンプ、弁又はこれらに類するものとの」ではない

でしょうか?

(回答)

(1) 「管台又は管とポンプ,弁・・・・」の記載は、クラス 1 容器とは関係しない解説で

すが、N-1070(クラス 1 容器)の解説をクラス 1 容器以外の機器にも準用できる解説

にするために、クラス 1 容器以外の機器に関する解説も追加してあるものです。

(2)なお、溶接規格 2014 年追補の改訂では、N-1070 の解説の当該の記載は削除するよう

しています。

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4.第 4 部-1-24 頁

「N-1130 耐圧試験」の解説 2.(2)の 4)は現地の改造・修理又は取替の際に「構造・強度

その他の理由により、規定の圧力による耐圧試験を行うことが困難な場合に」と記載して

いるが、N-1130 の本文の(2)は機器等の構造上規定圧試験が困難な場合を規定していますの

で、上記の「構造・強度その他」は「構造上」にする必要があります。また、a)~d)の内容

は隔離が困難との理由ですが、溶接を行う際には隔離を行っているはずであり、説明が矛

盾します。構造上困難という条件を拡大解釈しないように修文が必要ではないでしょう

か?

(回答)

(1)「構造・強度その他の理由・・・」との記載でも、記載している意味は理解できる

と思います。

(2) 溶接作業が行われる段階は、気中ができるように隔離されていても、耐圧試験を

行う場合は、溶接作業が行われた場合の隔離と同じにならず、耐圧試験を行うことが

隔離することが困難なケースもあると考えられるため、記載されているものです。

例えば、一例として、設計・建設規格の耐圧試験規定の解説の解説表 PHT-6000-1

「耐圧代替箇所の具体例」に記載されている下記の例もそれに相当すると考えられます。

設計・建設規格 解説表 PHT-6000-1 の抜粋

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参考資料-No.4: 溶接規格抜粋

N-1130 耐圧試験(解説) 抜粋

2. 本文(2)項は,規定の圧力によって耐圧試験を行うことが著しく困難な場合について,

非破壊試験を行うことにより,耐圧試験が代替できることについて規定している。

(1) 耐圧試験は,試験の目的からして規定の圧力によって行うことが原則であるが,

機器の構造上規定の圧力によって耐圧試験を行うことが著しく困難な場合があり,

この場合には,非破壊試験を行うことにより規定の耐圧試験の代替とするもので

ある。この場合にあっても,可能な限り高い圧力で耐圧試験を行い,これに耐え,

かつ,漏れがないことを確認することが望ましい。なお,設計に際しては,合理的

な範囲で規定圧力による耐圧試験が困難な設計とならないように配慮することが

必要である。

(2) 規定の圧力による耐圧試験が困難な場合とは,次に示すような溶接部をいう。

この場合における取合部とは,相手方と直接接続される溶接部のみでなく,組立て,

開先合せ等のための微調整を行うことが必要な溶接部を含むものとする。

1) 現地において耐圧試験を行う場合に,機器と機器との取合部で耐圧試験圧力が

異なる場合であって,高い試験圧力を負荷すれば,低い試験圧力の機器の健全性

を損なう恐れのある場合

a) 最高使用圧力の異なる機器との取合部

b) 機器区分が異なるために試験圧力の異なる機器との取合部

2) 現地において,タービン・ポンプ類との取合部の継手及び当該継手に最も近い

継手に対し,仮設の閉止フランジ,閉止板挿入個所を含め,タービン・ポンプ類

の側にある機器の場合

3) 機器の一部が開放されており,かつ,開放部に栓を取付けることが困難な場合

4) 改造・修理又は取替工事(新・増設の場合で,既設系統と直接接続される工事を

含む)であって,現地において構造,強度その他の理由により,規定の圧力に

よる耐圧試験を行うことが困難な場合に

a) 弁(逆止弁,調整弁,減圧弁等)の構造等により隔離が困難な場合

b) 隔離する弁の反対側に運転中の流体があり,耐圧試験を行うことにより,安全

上支障がある場合

c) 隔離する弁がない場合

d) 耐圧試験のために,他の設備まで含めた広範囲な部分に加圧されることにより

有害な影響を与える場合

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5.第 4 部-1-24-1 頁

「N-1130 耐圧試験」の解説 2.(6)は、5)において可能な限り高い圧力での加圧が困難な

場合は加圧を省略してもよいと記載しており、本文の規定を緩和しているので解説として

不適切です。また、末尾のなお書きは、代替試験の一部として行う「可能な限り高い圧力

での耐圧試験」を行わない場合の代替の非破壊試験の扱いを記載していることから、上記

と同様に解説として不適切です。

(回答)

(1) 加圧が困難な場合がありえると考えられるため、記載されています。

本文に記載されていること以上の内容が解説に記載されているということが、

ご意見の理由なのであれば、今後、本文での規定化についても検討します。

(2) 解説(6)の「なお書き」以降の記載は、加圧をすることが困難な場合、解説(6)項

の 4)及び 6)のステップの最終層の表面非破壊試験は、同じであるため、同じ表面

非破壊試験を2回連続して繰り返すだけのことになり、同じ、非破壊試験を2回、

連続して行っても全く意味がないために記載しているものです。

6.第 4 部-1-49 頁

「表 N-X050-2 溶接部の機械試験板」の解説における下記の内容は、同表の(注)に規

定すべき事項ではないでしょうか?(発電用火力設備の技術基準解釈では規定済みです。)

・(1)試験板の数 A.溶接が同一の条件 1)溶接施工法

・(1)試験板の数 A.溶接が同一の条件 2 母材の区分、ただし、「P-11A(合金鋼)」は「P-3、

P-5 又は P-11A」に読み替える。

・(1)試験板の数 A.溶接が同一の条件 3)母材の厚さ

・(1)試験板の数 A.溶接が同一の条件 6)溶接後熱処理

・(2)試験板の製作 5)試験板の溶接姿勢 b)「試験体を…。なお、…の順とする。」

(回答)

解説の記載を本文で規定化することは、溶接規格 2015 年追補の改訂に反映することを

目標にして、現在、機械学会内で改訂(案)を審議中です。

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7.第 4 部-1-50 頁

「表 N-X050-2 溶接部の機械試験板」の解説(2)試験板の製作 2)試験板の材料の

ただし書にある「これが困難な場合は、表 N-X050-2 解説(1)B.による「同一規格の材料」

を使用しても差し支えないこととする。」とした材料について、適用事例又は想定材料を

御提示ください。

また、同 54 頁の 8)溶接後熱処理 b)②保持時間のなお書きは、本体付試験板の保持時間を

本体の溶接後熱処理の合計保持時間の 80%以上あればよいこととすると記載しています

が、第 1 部-61 頁の表 N-X050-2 の(注)2.において、試験板は本体と同等の溶接後熱処理を

行うことを規定しています。80%以上でよい(同等)とする技術的根拠を御説明ください。

(回答)

(1)「同一の規格材料」とは、表 N-X050-2 解説(1)A .2)「母材の区分」に記載されている

下記のことです。

2) 母材の区分

a) 表 N-G01 に掲げる P-No.が同一のもの。

ただし,P-11A(合金鋼)については,グループ番号ごとの区分とする。

b) 破壊靭性試験を必要とする場合は,1)によるほか設計・建設規格で規定されて

いる母材の吸収エネルギーの値が同一のものの区分とする。

(2) 各 P-No に分類される材料としてどのようなものがあるか? ということは、

事例規格「母材の P-No 区分」(JSME S NB-CC-004)が制定されています。

(4) 機械試験板の保持時間は、本体の合計の保持時間の 80%以上とする。」という解説の

記載は、ASME Sec.Ⅲ NB-2211「Test Coupon Heat Treatment for Ferritic Material」

の規定内容を参考にして規定されています。

(5) 表 N-X050-2「機械試験」の解説 8)②に記載されているのは、複数回に分割して

溶接後熱処理が行われる場合の機械試験板の保持時間についてです。

溶接後熱処理の保持時間は、最小保持時間で規定されているため、実際の保持時間は

最小保持時間より必ず長くなることから、複数回に分けた溶接後熱処理の最小保持時間

の合計で計算した保持時間を機械試験板に与えた場合、製品の実際の合計保持時間と

機械試験板の保持時間のかい離が大きくなる恐れがあります。

そのため、機械試験板に与える保持時間は、単純に分割された最小保持時間を合計して

保持時間を決めるのではなく、実際の合計の保持時間も考慮し、実際の保持時間の合計

の 80%以上の保持時間を機械試験板に与えるようにすることにより、実際の製品の

溶接後熱処理の保持時間と同等近くなるようにしようとしているものです。

(6) 溶接後熱処理の効果は、下記のラーソン・ミラーパラメータで評価されます。

P=T(C+logt) (t:時間、T:定数、炭素鋼の場合の C :20)

炭素鋼で保持時間 80%とした場合の溶接後熱処理の効果に対する影響は、上記の

ラーソン・ミラーパラメータより、100%の場合と比較わずかな違いにしかならないと

考えられます。

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8.第 4 部-1-56 頁

「表 N-X090-1 溶接後熱処理における温度範囲及び溶接部の厚さに応じた保持時間」に

おいて、(1)保持温度 1)の上から 3 行目の()内、「特に上記 a.と b.の効果」は「特に上記

1)と 2)の効果」ではないでしょうか?

(回答)

誤記です。

誤記訂正の正誤表を発行します。

9.第 4 部-1-63 頁

「表 N-X090-2 溶接後熱処理の方法」において、(3)母材の厚さ 4)の()内、「a)及び b)

に示す場合を除く」は「1)及び 2)に示す場合を除く」ではないでしょうか?

(回答)

誤記です。

誤記訂正の正誤表を発行します。

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10.第 4 部-1-63 頁

「表 N-X090-2 溶接後熱処理の方法」の解説(2)の 1)加熱速度及び冷却速度のただし書

において、フェライト系ステンレス鋼の 650℃以下の冷却方法に水冷、強制空冷、ミスト冷

却などの方法があると記載していますが、容器や管の溶接後熱処理として冷却方法に水冷

やミスト冷却を使用することが適切かどうか実績を含めて御説明ください。

(回答)

(1)電気工作物には、発電用火力設備を含め、溶接後熱処理が要求されるフェライト系

ステンレス鋼の溶接を行った実績はありませんが、一般論として説明致します。

フェライト系ステンレス鋼の溶接部の溶接後熱処理を行う場合、JIS Z 3700(2009)

「溶接後熱処理」の解説や、日本溶接協会 接合・溶接技術Q&A1000 のNo.Q05-02-63

に記載されているように、可能な限り早い速度で冷却する必要がありますが、設備や

コストの面から、一般には強制空冷が適用されます。しかし、対象となる構造物の

熱容量が大きく、強制空冷では十分な冷却速度が得られない場合は、より冷却効率の

高い方法を適用する 必要があり、そのような場合に水冷やミスト冷却が適用されま

す。例えば、近年注目されているミスト冷却は、次のような特徴を有し、より高度な

冷却速度の管理が可能です。

①ミスト冷却は気化潜熱を利用した冷却のため、冷却効率が高い。

②ミスト密度の調整により、冷却能力の自由度が高い。

③表面温度の測定が可能である。

④却法の処理材表面の可視化が可能である。

⑤構造物に応じて、ミストの吹き位置や吹き方などの最適化を図ることができる。

(2) 参考資料の記載

① JIS Z 3700(2009)「溶接後熱処理」の解説の 2.c) 4)の記載

“P-7 材ではじん性を確保するために冷却速度を早くする必要があるなど、他の

熱処理とは条件が異なる。“

② 日本溶接協会 接合・溶接技術 Q&A1000 No.Q05-02-63 の記載

「Q:ステンレス鋼を手溶接する場合、予熱および後熱処理は必要でしょうか」

“溶接後熱処理は、Cr 量が 16%以下の場合は 700~790℃、16%以上の場合は 790

~840℃で行うが、冷却速度はできるだけ大きくすることが必要である。“

(尚、接合・溶接技術 Q&A1000 では、“後熱”と記載されているが、溶接後熱

処理の意味で記載されているため、上記では“溶接後熱処理”と記載している。)

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11.第 4 部-1-75 頁

「解説表 N-X090-3-1 溶接後熱処理における溶接部の厚さ及び母材の厚さ(例)(7/13)」

表中 4 個の図の 1 個目において、「表 N-X090-2 の「母材の厚さ」」(加熱冷却速度に係る

母材の厚さ)は「t2 と tn のいずれか大きい方」としていますが、当該図は勾配付の管台を

セットイン溶接するものであり、勾配部の最も厚い部分(胴内面からの厚さと管台内面か

らの厚さのいずれか大きい方)の方が適切ではないでしょうか?

(回答)

過去の実績でも、「t2 と tn のいずれか大きい方」として溶接後熱処理を行っても

機器に悪影響を与えるような問題は生じておらず、溶接後熱処理条件を決める場合

に管理がし易いように「t2 と tn のいずれか大きい方」としています。

12.第 4 部-1-76 頁

「解説表 N-X090-3-1 溶接後熱処理における溶接部の厚さ及び母材の厚さ(例)(8/13)」

表中 2 個の図の 2 個目(溶接後に管台内面を穴開けするソケット形状)において、

「表 N-X090-3 の「母材の厚さ」」(溶接後熱処理を要しないものに係る母材の厚さ)は

「t と tw1 のいずれか大きい方」としていますが、丸棒を突合せ溶接する場合と変わりませ

んので「t と d1 のいずれか大きい方」の方が適切ではないでしょうか?

(回答)

過去の実績でも、「t と tw1 のいずれか大きい方」として溶接後熱処理を行っても

機器に悪影響を与えるような問題は生じておらないことから、「t と tw1 のいずれか

大きい方」としています。

機密性○

いずれか大きい方

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13.第 4 部-1-89 頁

「表 N-X100-1 放射線透過試験」の解説 1.(8)透過度計 1)有孔形透過度計の材質のただ

し書「母材の区分が P-11A グループ 1(9%Ni 鋼)…する必要がある。」は、材料規格 2012

年版に記載されていない材料に係るものですので、解説として不適切ではないでしょう

か?

(回答)

P-11A グループ 1(9%Ni 鋼)は、現状の材料規格では規定されていない材料ですが、

第 1 部 表 N-G01「母材の区分」、第 2 部 表 WP302-1「母材の区分」では分類されて

いる材料であり、将来、材料規格でも規定される可能性もあると考えられることから、

解説に記載されていても弊害は無いと考えます。

14.第 4 部-1-90 頁

3)の(例)表記の「透過度計を放射線源側で使用する場合であって,材厚が 22 mm を超え

25 mm 以下の場合は,…,厚さ 0.50 mm(記号 20)を使用し,…,材厚の区分が 19 mm

を超え 22 mm 以下に対応する厚さ 0.43 mm(記号 17)使用し,…。」は、「透過度計を放

射線源側で使用する場合であって,鋼の材厚が 22 mm を超え 25 mm 以下の場合は,…,

厚さ 0.51 mm(呼び番号 F20)を使用し,…,材厚の区分が 19 mm を超え 22 mm 以下に

対応する厚さ 0.43 mm(呼び番号 F17)使用し,…。」ではないでしょうか?

また、上記に続く「透過度計の記号は,JIS Z 2306 によるところとするが,これが不適

当な場合には,試験に影響を及ぼさない位置に表示することとし,…。」は、透過度計の記

号が JIS Z2306 に規定されているように読めるが、同 JIS は呼び番号を表示すると規定し

ているので意味不明。「透過度計の呼び番号は,試験に影響を及ぼさない位置に表示するこ

ととし,…。」ではないでしょうか?

さらに、「解説図 表 N-X100-1-10 透過度計の記号」の図中にある「17」及び「200」

はそれぞれ「F17」、「F200」と改め、(注)の「記号 200」は「呼び番号 F200」とするのが

適切ではないでしょうか?

(回答)

(1)「記号」は「呼び番号」の意味ですが、用語を統一するように修正します。

「厚さ 0.50mm」は、「厚さ 0.51mm」の誤記です。

(2) 呼び番号 X**の X は、JIS Z 2306(2000)「放射線透過試験用透過度計」の

表 9「線、板の材質及び表示記号」に記載されているように、材質により下記のように

記号が変わります。

F:炭素鋼 、S:ステンレス鋼 、A:アルミニウム 、T:チタン

そのため、「F**」のように記載を限定するのは、適切ではありません。

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参考資料-No.14: 溶接規格 抜粋

15.第 4 部-1-93 頁

「表 N-X100-2 超音波探傷試験」の解説の上から 2 行目、JIS Z 2344 の「付属書 1 増幅

直線性の測定方法及び分類方法」は当該 JIS に見当たらない。JIS Z 2352 ではないでしょ

うか?

(回答)

JIS Z 2344(1978)「金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則」には、

「附属書 1 増幅直線性の測定方法及び分類方法」の規定があり、JIS Z 2344(1987)

でも附属書 1「超音波探傷器」に増幅直線性に関する規定(3.4 項)がありましたが、

JIS Z 2344(1993)「金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則」の改訂

で附属書 1 は、削除され、増幅直線性に関することは、JIS Z 2352 (2010)「超音波探

傷装置の性能測定方法」(初版は 1992)で規定されるようになっているため、最新版の

JIS Z 2344(1993)で確認すると当該の記載が見当たらないようになっているものです。

適用年版を指定し JIS Z 2344(1978)と記載すれば、間違いという訳ではありませんが、

最新版の JIS 規格で確認できるようにした方が望ましいと考えられるため、適切な

記載になるように溶接規格の改訂を検討するようにします。

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16.第 4 部-1-98 頁

「2)形状、寸法」の上から 4 行目の「合格基準」は「判定基準」ではないでしょうか?

また、上から 5 行目の「欠陥」は「きず」ではないでしょうか?

さらに、「3)複数の穴」の上から 2 行目の「合格基準」と「欠陥」はそれぞれ「判定基準」

と「きず」ではないでしょうか?

(回答)

用語を「判定基準」「きず」に統一するようにした方が望ましいと考えられるため、

修正するようにします。

17.第 4 部-1-99 頁

「表 N-X100-2 超音波探傷試験」の解説 2.判定基準において、(1)及び(2)の「欠陥」(3

箇所あります)は「きず」ではないでしょうか?

(回答)

用語を「きず」に統一するようにした方が望ましいと考えられるため、修正するよう

にします。

18.第 4 部-1-100 頁

「表 N-X100-3 磁粉探傷試験」の 1.(4)の「欠陥指示」は、第 1 部-76 頁における判定基

準に「きず」、「磁粉模様」という用語が使用されているので、「きずからの磁粉模様」では

ないでしょうか?

(回答)

用語を「きず」に統一するようにした方が望ましいと考えられるため、修正するよう

にします。

19.第 4 部-1-102 頁

2.判定基準の上から 3 行目の「欠陥指示模様」は、「浸透指示模様」ではないでしょうか?

(回答)

用語を「きず」に統一するようにした方が望ましいと考えられるため、修正するよう

にします。

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20.第 4 部-1-105 頁

「解説表 表 N-X110-1-1 機械試験における試験板の採取方法及び試験の種類(2/3)」に

おいて、機器の区分がクラス3容器で安全設備の開放容器の欄における試験板の項に示す

「(注)参照」は同 106 頁の(注)に該当するものが見当たりません。この点について、御回

答ください。

(回答)

「(注)参照」とは、「解説表 表 N-110-1-1 機械試験における試験板の採取方法及び

試験の種類(3/3)」(表 N-X110-1-1 誤記)に示す(注)のことであり、継手区分 A~D

の各継手に対しては(注)に記載の試験板を作成することを意味しています。

参考資料-No.20 : 溶接規格 抜粋

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21.第 4 部-1-105 頁

「解説表 表 N-X110-1-1 機械試験における試験板の採取方法及び試験の種類(2/3)」は、

第 1 部-60 頁及び 61 頁の「表 N-X050-2 溶接部の機械試験板」と第 1 部-78 頁及び 79 頁

の「表 N-X110-1 機械試験」との規定を組み合わせて解説したものとしますと、不整合が

あります。この点について、御回答ください。

(回答)

(1) ご指摘は、表 N-X050-2「溶接部の機械試験板」では、クラス 2/3 容器(3 相当容器)、

クラス 1~3 配管(3 相当管)の場合、外径の差が 150mm以下の場合は、作製頻度

が、異なるように規定されているが、解説表 表 N-X110-1-1 には、外径の差が 150

mm以下の場合の取り扱いが記載されていないことを指していると推察されます。

その点に関するご指摘であれば、解説表 表 N-X110-1-1 に反映されていないため、

今後、解説表 表 N-X110-1-1 の改訂を検討するようにします。

参考資料-No.21(1/3): 溶接規格抜粋

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参考資料-No.21(2/3): 溶接規格抜粋

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参考資料-No.21(3/3): 溶接規格抜粋

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22.第 4 部-1-108 頁

「表 N-X110-1 機械試験」の解説(1) 2) b)ローラ曲げ試験において、JIS Z 3122 は裏曲

げ試験及び縦曲げ試験の試験用治具の寸法を試験片の厚さが 3 種類のものに限定している

と記載しておりますが、JIS Z 3122(1990)にはそのような記載はありません。解説の見直し

が必要ではないでしょうか?

(回答)

JIS Z 3122(1984)「突合せ溶接継手の型曲げ試験方法」では 3 種類の厚さの試験片の

規定がありましたが、JIS Z 3122(1990)の改訂で 3 種類の厚さの試験片に関する規定が

削除されました。

今後の改訂で解説の記載の見直しを検討します。

23.第 4 部-1-110 頁

「表 N-X110-1 機械試験」の解説(3)は、冒頭に「母材の区分は同じであるが…」が記

載されております。(1)や(2)はそれぞれ題目があって、それを解説しているが、(3)は題目が

ありませんので、表 N-X110-1 との対応関係が不明確です。熱影響部の試験片の数と採取を

解説していますので、(2)試験片の数の規定の末尾に追加するような記載に見直してはいか

がでしょうか?

(解説)

解説(3)項は、表 N-X110-1「機械試験」で規定されている破壊靭性試験で衝撃試験を

行う場合において、材質が異なる組合せの溶接継手から衝撃試験片を採取する場合の

考え方を記載しているものです。従って、(2)項の試験片の数の解説に含めるのではなく、

別項の記載にした方が適切と考えます。

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24.第 4 部-1-111 頁

「表 N-X110-2 継手引張試験、型曲げ試験及びローラ曲げ試験」の解説(1) 継手引張試

験の 3)判定基準におけるただし書「最高使用圧力が 0.1MPa 未満の設備のものであって…」

とそれに続く「a)母材の区分が P-11A グループ 1(9%Ni 鋼)であって…」及び「b)母材の

区分が P-21 から…」の記載は、表 N-X110-2 にはありません。これらの記載の根拠を御提

示ください。(発電用火力設備の技術基準解釈第 157 条では液化ガス設備に対して類似の規

定があります。)

また、これに関連して、第 4 部-1-122 頁の「表 N-X120-1 再試験」の解説(1)にも上記

解説を引用した部分がありますので、見直しが必要ではないでしょうか?

(回答)

(1) 旧 電気工作物の溶接の技術基準(省令および解釈)解説での記載を参考にして

溶接規格の解説を記載しているものです。

(2) 表 N-X110-2 の継手引張試験の判定基準には、継手の引張強さが母材の引張強さより

低下する場合の判定基準(表 N-G02)に関する記載があり、それに関係することが

解説 3)判定基準に記載されています。

(3) なお、解説 3)判定基準の記載の仕方は、少し、見直す検討をした方が望ましいと考え

られます。

参考資料-No.24: 溶接規格抜粋

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25.第 4 部-1-111 頁

「表 N-X110-2 継手引張試験、型曲げ試験及びローラ曲げ試験」の解説(2) 型曲げ試験

1)側曲げ試験 a) 試験片の「厚さについては 10mm(…)幅については…」は、「厚さにつ

いては 10mm(…)、幅については…」ではないでしょうか?

また、②のⅰ)において、「…分割される前の幅から」は、「…分割される前の厚さから」

ではないでしょうか?

(回答)

現状でも理解できると思いますが、「,」を追加した方が望ましいと考えられるため

「,」を追加するように修正します。

側曲げ試験片の厚さは、10mmであり、側曲げ試験片の幅は、板厚方向になるため、

現状の「・・・分割される前の幅」が正しいです。

26.第 4 部-1-113 頁

「表 N-X110-2 縦曲げ試験、型曲げ試験およびローラ曲げ試験」の解説(2) 型曲げ試験

3)縦曲げ試験 a)試験片の①における「突合せ両方溶接」は「突合せ両側溶接」ではないで

しょうか?

(回答)

「突合せ両側溶接」の誤記です。

誤記訂正の正誤表を発行します。

27.第 4 部-1-113 頁

「表 N-X110-2 縦曲げ試験、型曲げ試験およびローラ曲げ試験」の「解説図 表

N-X110-2-2 縦曲げ試験方法」の図における試験片の曲げ方向が間違っているのではない

でしょうか?

(平成 12 年 9 月発行の「電気工作物の溶接の技術基準 ―省令および解釈―〔解説〕」390

頁にある解説図 別表第 25.2 を御参照ください。)

(回答)

解説図 表 N-X110-2-2 「縦曲げ試験方法」の縦曲げ試験片の曲げ方向の解説図 表

NX110-2-2 は、適切でないと考えられるため、改訂をすることを検討します。

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参考資料-No.27

溶接規格 解説抜粋

3) 縦曲げ試験

a) 試験片

試験片の形状及び寸法は,本表の図に掲げる通りとし,採取位置は,次に示す通りと

する。

① 縦表曲げ試験片にあっては,突合せ片側溶接の場合は,最終溶接部側,突合せ両方溶

接の場合は溶接金属部の幅の広い側から採取することとし,例を参考までに解説図

表 N-X110-2-2 に示す。

② 縦裏曲げ試験片にあっては,表 N-X110-2 解説(2)2)a)②による。

b) 試験の方法

試験の方法は,JIS Z 3122 (1990)によることとし,この場合の曲げ半径は,本表に掲

げる母材の区分に応じた値とする。

なお,曲げの方向は,次に示すいずれかによる。

① 縦表曲げ試験については,突合せ片側溶接の場合は最終溶接部側,突合せ両側

溶接の場合は溶接金属部の幅の広い側が外側になるようにし,例を参考までに解説

図 表 N-X110-2-2 に示す。

解説図 表 N-X110-2-2 縦曲げ試験方法

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28.第 4 部-1-119 頁

「表 N-X110-3 破壊靭性試験」の解説(4)落重試験 1)試験片 a)における「表 N-X110-3

の(注)(1)から(2)まで」は「表 N-X110-3 の(注)(1)から(3)まで」ではないでしょうか?

(回答)

1.(1)から(3)の誤記です。 誤記訂正の正誤表を発行します。

29.第 4 部-1-119 頁~120 頁

「解説図 表 N-X110-3-2 落重試験片の採取位置」におけるノッチの形状が不適切では

ないでしょうか?(隅に丸みがあります。)

また、「解説図 表 N-X110-3-3 落重試験結果」における落重試験片の図を正確に記載す

る必要があります。(例えば、試験板の溶接線が試験片の溶接ビードに透けて見えており溶

接ビードの加工した切欠き側面に図示されていません、溶接ビード上面の斜線は平面に加

工すると誤解されると考えられます、等々。)

(回答)

(1) 落重試験片のノッチ部に若干丸みがあるかのように見える図になっていますが、

解説図 表 N-X110-3-2 は、落重試験片の形状を示そうとしているのではなく、板厚方

向での落重試験片の採取位置の考え方について記載している図であるため、現状の図

でも実害はないと考えます。

(2) 解説図 表 N-X110-3-3 は、落重試験片に割れが入った場合の例を示しているもので

あり、落重試験片の形状を示そうとしている図ではないため、現状の記載でも実害は

無いと考えられます。

もう少し、誤解が生じない落重試験片の形状図に修正するかどうかは、今後の検討と

します。

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30.第 4 部-1-120 頁

「表 N-X110-3 破壊靭性試験」の解説おける「3)衝撃試験」、「a)試験片の採取位置」

及び「b)横膨出量の計算」はそれぞれ「(5)衝撃試験」、「1)試験片の採取位置」及び「2)横膨

出量の計算」ではないでしょうか?

(回答)

項番号は誤記です。誤記訂正の正誤表を発行します。

31.第 4 部-1-122 頁

「表 N-X120-1 再試験」の解説(2)末尾のただし書における「傷止めの溶接部」は

「仮付溶接部」ではないでしょうか?

(回答)

誤記です。誤記訂正の正誤表を発行します。

32.第 4 部-1-124 頁

「表 N-X130-1 耐圧試験」の解説(3)上から 6 行目の「当該容器又は管と直接接続され

る溶接部」とは、…のみでなく、組立て、据付け、開先合せ等のための調整に必要な継手

の溶接部を含むものとしている。」について、具体例を御提示の上、御説明ください。

(回答)

現地の配管据付け(容器と配管の据付け溶接を含む)の場合、完成された単品どうしを

組み合わせて開先合せをしようとしても、長さが合わず、適切な開先合せができないた

めに、長さ調整をするためトランジションピースが使用されることがあり、そのような

場合などが想定されます。

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33.第 4 部-1-124 頁及び 126 頁

「表 N-X130-1 耐圧試験」の解説(2)末尾に記載する「電事法施行規則第 69 条第 2 号ニ」

は「電事法施行規則第 69 条第 1 号ハ」ではないでしょうか?ただし、今後の改訂において

は「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第 16 条の表の上欄第 3 号」に改める必

要があります。

また、「解説表 N-X130-1-1 耐圧試験圧力及び方法」に記載する試験圧力の値は、2007

年版における規定のままであることから、見直しが必要ではないでしょうか?

(回答)

(1)「解説表 N-X130-1-1 耐圧試験圧力及び方法」の耐圧試験圧力の記載を本文の

「表 N-X130-1 耐圧試験」で規定されている耐圧試験圧力と整合させる修正する

改訂(案)は、現在、機械学会内で審議中であり、2015 年追補で改訂する予定です。

(2)「電事法施行規則第 69 条第 2 号ニ」の見直しについても、2015 年追補の改訂に

含める方向で検討することにします。

34.第 4 部-1-127 頁

「表 N-G01 母材の区分」の解説の 1 行目の「技術標準」は「技術基準」ではないでし

ょうか?

(回答)

誤記です。 誤記訂正の正誤表を発行します。

35.第 4 部-2-1 頁

「WP-200 溶接施工法の種類」及び「WP-300 確認事項」の解説における「20 項目」、

「15 項目」及び「12 項目」は、それぞれ「22 項目」、「17 項目」及び「15 項目」ではない

でしょうか?(2013 年追補版に基づく数。)

(回答)

(1) 「20 項目」となっているのは、表 WP-200-1「溶接方法別の確認項目」に記載され

ている確認項目の欄の項目を数えているため「20 項目」となっているものですが、

確認項目の数としては、誤記です。

また、電子ビーム溶接及びレーザビーム溶接の確認項目の数については、2012 年版

及び 2013 年 追補で改訂された表 WP-200-2「電子ビーム溶接における確認項目」

及び表 WP-200-3「レーザビーム溶接における確認項目」が反映されていないため

解説に記載されている確認項目の数は違っています。

(2) なお、「WP-200 溶接施工法の種類」及び「WP-300 確認事項」の解説に記載されて

いる確認項目の数は、必ずしも記載する必要が無いと考えられるため、今後の改訂で

確認項目の数の記載は削除することを検討する予定です。

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参考資料-No.35: 溶接規格抜粋

WP-200 溶接施工法の種類

(解 説)

溶接施工法の適否を左右する要素は多種多様であり,これら要素のうち溶接施工に重要と思われる 20 項目の共通確認項目について確認項目を定め,それらの組合せごとに施工法の確認を行うことを定めたものである。

電子ビーム溶接及びレーザビーム溶接については国内の発電設備への適用例があることを考慮し,溶接方法として電子ビーム溶接及びレーザビーム溶接を追加し,その確認項目として上記 20 項目の他に ASME Sec.Ⅸを参考に規定した。

表 WP-301-1 に溶接方法の区分を示している。

表 WP-200-1 は,表 WP-301-1 の溶接方法における確認項目を示している。

表 WP-200-2 は,電子ビーム溶接における確認項目を示している。

表 WP-200-3 は,レーザビーム溶接における確認項目を示している。

WP-300 確認事項

(解 説)

WP-301 項以下に示す 20 項目の内容について確認を行うものとする。なお,溶接方法を確認項目としているのは,溶接方法の違いによる溶接条件の違いによるためである。

また,電子ビーム溶接及びレーザビーム溶接については 20 項目の確認事項の他に ASME Sec.Ⅸ及び国内における特認の実績に基づいて確認項目の設定を行った。電子ビーム溶接については 15 項目,レーザビーム溶接については 12 項目の確認項目を追加し,これら項目に対する確認要領の設定を行った。確認要領の参考としたのは,ASME Sec.Ⅸであるが,ASME Sec.Ⅸ煮記載のない一部の項目については,国内における特認の実績を元に設定した。

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36.第 4 部-2-1 頁

「WP-100 適用範囲」及び第 4 部-3-1 頁の「WQ-100 適用範囲」において、溶接施工

法及び溶接士の技能の認証は、認証機関にて実施要領及び管理要領を取り決め実施すると

規定していますが、認証機関に必要な要件を明確にする必要があるのではないでしょう

か?

(参考:「発電用原子炉施設の溶接事業者検査に係る実用発電用原子炉の設置、運転等に

関する規則のガイド」は、3.(1)において、溶接施工法及び溶接士の技能に関すること

は客観性を有する方法により適合性を確認することを要求しています。)

(回答)

溶接規格は、第 1 章 総則 N-0010 「目的及び適用」で「発電用原子力設備に対する

溶接の技術的諸規定を定めるものであり・・・」と規定しているように技術的な要求事

項を規定した規格であることから、溶接規格の中で認証機関に必要な要件について規定

化するのは適切でないと考えます。

37.第 4 部-2-2

「WP-301 溶接方法」の解説の(4)において、「・・・ミグ溶接は自動溶接の区分とはせず、

半自動溶接の区分とする。」とありますが、第 2 部-12 の「表 WP-301-1 溶接方法の区分」

ではミグ溶接は自動溶接に区分されており、規定本文と解説の記載に不整合が生じており

ます。自動溶接及び半自動溶接の区分を、正確に記載すべきではないでしょうか?

(回答)

「WP-301 溶接方法」の解説の(4)項で記載しているのは、「心線の送給のみが

自動化されているミグ溶接は自動溶接の区分とはせず,半自動溶接の区分とする。」

ということであり、第 2 部の表 WP-301-1「溶接方法の区分」での規定では、

M(ミグ溶接)に当たるものであり、SM(ミグ溶接)(自動溶接)では、ありません。

従って、ミグ溶接の半自動溶接とミグ溶接の自動溶接は区別されており不整合は生じ

ていません。

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参考資料-No.37 : 溶接規格抜粋

表 WP-301-1 溶接方法の区分

溶接方法の区分 種 類

A 被覆アーク溶接(両側溶接又は裏当て金を用いる片側溶接)

A0 被覆アーク溶接(裏当て金を用いない片側溶接)

G ガス溶接

T ティグ溶接(裏当て金を用いない片側溶接)

TB ティグ溶接(両側溶接又は裏当て金を用いる片側溶接)

TF 初層ティグ溶接(裏当て金を用いないもの)

TFB 初層ティグ溶接(裏当て金を用いるもの)

M ミグ溶接(両側溶接又は裏当て金を用いる片側溶接)

M0 ミグ溶接(裏当て金を用いない片側溶接)

PA プラズマアーク溶接

J サブマージアーク溶接 ※

Es エレクトロスラグ溶接 ※

EG エレクトロガス溶接 ※

ST ティグ溶接 ※

SM ミグ溶接 ※

SPA プラズマアーク溶接 ※

EB 電子ビーム溶接 ※

LB レーザビーム溶接 ※

(注) 1.※は自動溶接を示す。 2.溶接方法の区分は,溶接方法ごとを1区分とする。ただし,2つ以上の異なる溶接方法を

組合せて行う場合にあっては,その組合せごとに,それぞれ1区分とする。 3.ミグ溶接にはマグ溶接を含める。 WP-301 溶接方法

(解 説) ・・・・・

(4) 自動溶接及び半自動溶接 自動溶接は,溶加材又は心線が自動的に送られると同時に溶接機又は被溶接物のいず

れかが自動的に動くものであり,表 WP-301-1 に示す区分としている。 なお,溶加材又は心線の送給のみが自動化されているティグ溶接,ミグ溶接は自動溶接の区分とはせず,半自動溶接の区分とする。

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38.第 4 部-2-3 頁

「WP-302 母材」の解説の(2)のただし書において、P-3 は 1 区分としていますが、

第 1 部の「表 WP-302-1 母材の区分」によると P-3 は 3 グループに区分されています。

当該部分の解説の記載について、見直しが必要ではないでしょうか?

(回答)

溶接規格 2015 年追補の改訂に反映することを目標にして、現在、機械学会内で改訂(案)

を審議中です。

39.第 4 部-2-4 頁

「WP-304 溶接金属」の解説末尾のなお書きにおいて、「表中の「-」及び表に記載の

ない化学成分については規定対象外とする。したがって、それらが多少混入又は添加され

ていても、考慮しなくてもよい。」と記載しています。2007 年版からの改訂ではありません

が、JIS の溶接材料規格は、意図的に添加した成分を含めて化学成分表に規定していない成

分を分析試験の過程で検出したときは、その成分の合計は 0.50%以下と規定していますの

で、整合が取れていません。「 」書きを「表中の「-」及び表に記載のない化学成分につ

いては規定対象外であるが、意図的に添加したものを含めて、その成分の合計は当該溶接

材料規格に規定する値以下とする必要がある。」と修文してはいかがでしょうか?

(回答)

表 WP-304-1「溶接金属の区分」の化学成分量が「-」になっている部分には、数値を

記載する改訂(案)を、現在、機械学会内で審議中です。

参考資料-No.39: 溶接規格抜粋

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40.第 4 部-2-4 頁

「WP-305 予熱」の解説末尾のただし書において、「溶接部近傍の水分除去等を目的と

して母材を加熱する場合は、予熱を「行わない」区分とする。」と記載していますが、

「表 N-X090-3 溶接後熱処理を要さないもの」に規定する予熱温度の最低値が 40℃ですの

で、予熱を「行わない」場合は溶接開始前の母材温度が 40℃未満であることの確認が必要

と明確にしてはいかがでしょうか?

(回答)

現在、機械学会内で水分の除去等のウォームアップ(加温)と予熱は、区別するよう

に「WP-305 予熱」の解説の改訂(案)を審議中です。

表 N-X090-3「溶接後熱処理を要しないもの」に記載されている予熱 40℃以上は、

板厚 38mm以下の P-1 材のクラッド溶接を行う場合に溶接後熱処理を免除できる条件を

記載しているものであり、溶接施工における予熱作業全般について記載しているもので

はありません。そのため、溶接施工法確認試験における予熱を行わない場合の母材温度

が 40℃未満であることを確認するというようなことと関連付けようとするのは適切では

ありません。

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41.第 4 部-2-9 頁

「WP-314 溶接機」の解説において、「溶接機は、・・・とする」という最初の一文は規定

本文に記載されている内容であることから、不要ではないでしょうか?なお、規定本文に

は別途回答依頼事項を付しております。

(参考:別途回答依頼事項)「WP-314 溶接機」において、「溶接機の区分は、「自動溶接

機」、「半自動溶接機」の種類の区分とする。」とあるのは、「溶接機の区分は、「自動溶接機」

又は「半自動溶接機」の場合は、溶接機の種類の区分とする。」ではないでしょうか?

(回答)

解説の記載は、本文だけでは判断し難い、異なる区分の溶接機を併用した場合の取り

扱いの考え方を示しているものであり、本文の記載を補足している解説であるため

必要になります。

参考資料-No.41 : 溶接規格抜粋

WP-314 溶 接 機

溶接機の区分は,「自動溶接機」,「半自動溶接機」の種類の区分とする。

電子ビーム溶接は,表 WP-200-2,レーザビーム溶接は,表 WP-200-3 に規定する

追加要求ごとの区分とする。

WP-314 溶 接 機

(解 説)

溶接機は,「半自動溶接機」又は「自動溶接機」の種類の区分とし,区分の異なる

溶接機を併用する場合は,それぞれの溶接機について確認されていても,その組合せ

を 1 区分とする。

なお,溶接機を確認事項としているのは,溶接方法,操作,性能等による溶接施工性

が異なるためである。

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42.第 4 部-2-10 頁

「WP-316 母材の厚さ」の解説の 1 行目のただし書及び(2)における「クラス 1 容器及び

クラス 2 容器のクラッド溶接における母材の厚さ及び管と管板の取付け溶接における管板

の厚さ」は、「クラス 1 容器、クラス 2 容器、クラス 1 配管及びクラス 2 配管のクラッド溶

接における母材の厚さ並びにクラス 1 容器及びクラス 2 容器の管と管板の取付け溶接にお

ける管板の厚さ」ではないでしょうか?なお、第 4 部-2-2 頁の「WP-301 溶接方法」の解

説にも同様の記載があります。

また、同解説の(1)の「母材の厚さ制限は…4(1)で定めている」は、「母材の厚さ制限は…

WP-411 で定めている」ではないでしょうか?

(回答)

(1) 「WP-301 溶接方法」のクラッド溶接にクラス 1 配管及びクラス 2 配管を含めること

に関しては、WP-301 の規定を 2014 年追補で改訂します。

(2) 「WP-301 溶接方法」の解説及び「WP-316 母材の厚さ」の解説のクラッド溶接に

クラス1配管及びクラス 2 配管を含めることの追記は、今後の改訂で検討します。

(3) 「母材の厚さ制限は・・・・4(1)で定めている。」は「母材の厚さ制限は・・・・WP-411

で定めている。」の誤記です。

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43.第 4 部-2-19 頁

「解説表 WP-316-1 施工法確認事項における母材厚さ(例)(1/6)」において、①継手

区分 A、B の例として部分溶込み突合せ溶接の継手形状(下図参照)を示していますが、こ

れらの溶接部の強度は、N-1040 溶接部の強度(1)等に規定する母材の強度と同等以上の強度

を有するものとして、適切な形状とはいえませんので削除してはいかがでしょうか?(も

し記載する場合には、誤解を与えないために⑥非耐圧部の継手に区分するのが妥当である

と考えられます。)

(回答)

解説表 WP-316-1「施工法確認事項における母材厚さ(例)(1/6)~(6/6)」は、

今後の改訂で見直す予定です。

継 手 形 状 母材の厚さ 継 手 形 状 母材の厚さ

t t w

t 1

 重 ね 溶 接

t 2 t C

     完  全  溶  込  み  突  合  せ  溶  接

    ソ ケ 

ッ ト 溶 接

① t 1

② t 4

① t 2

② t 3

③ t 1

① t w1

② t w2

① t C1

② t C2

t w

t C

いずれか大きい方

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44.第 4 部-3-3 頁

「WQ-312 試験材及び溶接姿勢」の解説(2)において、有壁固定の資格は課さないことと

した理由を記載していますが、運転中に溶接不良が原因で漏えいが生じたものについて、

統計的データ等で狭隘部等の溶接姿勢が関係していないことを御提示ください。

(回答)

(1) 過去に運転中に漏えいが発生した溶接部が、狭隘な溶接部であったかどうか? を

判断するためには、当該製品の形状寸法がわかる図面だけで判断することができず、

溶接作業の時点で当該製品の周辺の機器、サポートや仮設物、足場等が、どのような

状況にあったか?を含めて評価する必要があるため、運転中の漏えいと有壁固定溶接士

資格を関連付けて判断するのは、ひじょうに難しく、簡単なことではありませんが、

有壁固定溶接士資格に関係することが直接的な原因となり、運転中に漏えいが発生した

というような事例は、ほとんど無いのではないかと推察されます。

(2) また、狭隘な溶接部であったことが、漏えいの直接的原因である事例があったとしても

その溶接作業は、有壁固定溶接士資格を持った溶接士が行っていたと推察されるため、

漏えいの直接的原因が、有壁固定溶接士資格と関係するということは、少し、違うと

思われます。

(3) 規制側が、統計的データ云々を言われているということは、規制側では狭隘な溶接が

漏えいの直接的原因になっている事例が多々あると考えられておられるのだと思いま

すので、規制側で思っておられる事例を示して頂きたいと思います。

(4) 狭隘な溶接を行うためには、高度な溶接技量が必要になりますが、機械学会としては、

有壁固定溶接士資格は溶接士資格という観点からは適切でないと考えています。

「狭隘な溶接部」という言い方は、ひじょうに曖昧な表現であり、どのような場合が

狭隘な溶接部に該当するのか?ということを明確にしないと、その溶接部が狭隘な

溶接部に該当するのか?ということを判断することができません。

溶接規格の技術評価は、これから行われるところではありますが、技術評価の結果と

して、もし、規制側としては有壁固定の溶接士資格を義務付ける追加要件を今後も

付加することを継続されるのであれば、どのような溶接部の溶接を行う場合に有壁

固定の溶接士資格を持った溶接士が従事しなければならないのか? という明確な

判断基準を規制側として示すべきです。

求めているのは、「狭隘な溶接の場合に従事する。」というような曖昧な判断基準では

なく、関係する全ての人達が、同じ評価ができる判断基準です。

もし、規制側として明確な判断基準を示されないのであれば、それで規制側の各人が

同じ評価をすることができるのか?ということを明確に示すべきです。

(5)評価者により判断基準が変わるような事態が生じた場合、判断の仕方の違いにより

無資格者が溶接を行ったという事態に陥り、その溶接部は再製になってしまう可能性

がひじょうに高くなるような、ひじょうに重要な判断基準になるため、規制側として

曖昧なままにすべきでないということを指摘してします。

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45.第 4 部-3-4 頁

「WQ-312 試験材及び溶接姿勢」の解説(4)及び(6)の内容は、「WQ-330 作業範囲」に

係るものですので、WQ-330 の解説に移動させた方がよいと考えられます。

(回答)

今後の検討とします。

46.第 4 部-3-7 頁

「WQ-314 母材」の解説では、母材のグループ区分 P-1X には、炭素鋼、低合金綱から

ステンレス鋼、銅合金、ニッケルクロム鉄合金まで含んでおり、資格表示を P-1 としてい

ます。解説表 WQ-314-1 には P-1X に対して同一とみなす母材の区分に、P-31(銅及び銅

合金)、P-32(ネーバル黄銅又は復水器用黄銅)、P-35(アルミニウム青銅)が含まれてい

ますが、同解説(2)によると、この区分は ASME Sec.Ⅸ(2004) QW-423 を参考にしたと記載

しているものの、ASME QW-423 の表には規定されていません。これら P-31、P-32 及び

P-35 に該当する材料が他の P-1X と同一の母材の区分とみなしてよいとする技術的根拠を

御説明ください。

また、第 4 部-3-6 頁、「解説表 WQ-313-2 同一区分の溶加材」及び「解説表 WQ-313-3

同一区分の心線」についても、R-31、E-31 と資格表示する溶加材、心線について、同一と

みなすと記載しているが、R-31~R-34、R-36 及び R-37 並びに E-31~E-34、E-36 及び E-37

について同一としてよいとする技術的根拠について御説明ください。

(回答)

(1)ASME Sec.Ⅸの QW-423 には、P-31(銅及び銅合金)、P-32(ネーバル黄銅又は復水器

用黄銅)、P-35(アルミニウム青銅)は含まれていませんが、P-34(白銅)は含まれて

おり P-34(白銅)は銅合金の一種であることから、銅合金全体(P-31~P-35)を含め

るようにしています。

(2) 溶接士技能試験では、母材(表 WQ-314-1「母材の区分」)の他に溶接材料(溶接棒、

溶加材、心線)が確認項目になっており、表 WQ-313-1「溶接棒の区分」及び

表 WQ-313-2「溶加材又は心線の区分」で規定される確認項目の区分ごとに試験が

行われることになり、溶接材料の種類に適した母材の組合せがあることから (例えば、

チタンやアルミの母材を銅合金の溶接材料を使用して溶接することはできない等)

実質的には、銅合金関係の溶接士資格区分は表 WQ-313-2 に示す R-30X 、E-30X の

区分に支配されることになります。

(3)R-1~R-4-2 の鋼系、 R-6~R-8 のステンレス鋼系、R-21~R23 のアルミニウム系、

R41~R-45 のニッケル系の場合においは、添加されている合金元素に違いがあっても

ベースとなるグループを纏めて同一区分としています。

それと同様に、R-31~R-34、R-36、R-37 及び E-31~E-34、E-36、E-37 は、添加され

ている元素は、亜鉛、ニッケル、錫、アルミニウム等の違いはあるが、銅をベースと

する銅合金であるため、同一の区分にしています。

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参考資料-No.46(1/4) : 銅系の母材及び溶接材料

溶加材又 心線の区分 種 類 化学成分

R-31 E-31 銅 Cu

R-32 E-32 けい素青銅 1.5~3%Si‐1%Sn‐Cu

R-33 E-33 りん青銅 0.03.~0.35%P‐3.5~9%Sn-Cu

R-34 E-34 白銅 9~33%Ni‐Cu

R-36 E-36 アルミニウム青銅 5~12%Al‐Cu

R-37 E-37 特殊アルミニウム青銅 Al‐Cu

母材の

区分

グループ

番号 種 類 化学成分

P-31 - 銅及び銅合金であって,P-32,P-34

及びP-35に掲げるもの以外のもの

Cu

P-32 - ネーバル黄銅又は復水器用黄銅 0.5~1.5Sn-35~40%Zn-59~64%Cu

P-34 - 白銅及び復水器用白銅 9~33%Ni-Cu

P-35 - アルミニウム青銅 5~12%Al-80~90%Cu

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参考資料-No.46(2/4): 溶接規格 抜粋

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参考資料-No.46(3/4): 溶接規格 抜粋

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参考資料-No.46(4/4): 溶接規格 抜粋