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青森県教育委員会 今がその時! みんなでつくる 地域学校協働活動 -地域学校協働活動ハンドブック-

みんなでつくる 地域学校協働活動 - 青森県庁ウェブ …...青森県教育委員会 今がその時!みんなでつくる 地域学校協働活動 -地域学校協働活動ハンドブック

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青森県教育委員会

今がその時!

みんなでつくる

地域学校協働活動-地域学校協働活動ハンドブック-

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はじめに

「前の校⻑先⽣は地域との連携にとても理解があったのに、校⻑先⽣が変わったら全然違う」、「○○先⽣は、いつもボランティアの活動を尊重してくれていたけど、新しく来た△△先⽣はボランティアに会っても挨拶もしてくれない」…。

地域の皆さんから、こういった声を聞くことがあります。 「学校と地域の連携」が大事、「地域に開かれた学校」を目指しましょうと言われて久しいところです。学

校支援ボランティアの導入などによって、以前に比べればずいぶん学校は「開かれた」ものになってきていると思いますが、それでもまだ学校は、多くの地域の方々にとって「敷居の高い」存在であることは否定できないところです。

もちろん、「地域の持つ教育⼒」に対する学校の先⽣方の意識は確実に変化してきています。それはおそらく、地域の方々と接したり、いろいろなことを教えてもらったりする子どもたちの⽣き⽣きした表情や、そういう学習の機会を経た子どもたちの変容を先⽣方が目の当たりにしていることと無関係ではないと思います。

先日、当課が開催した地域学校協働活動関連の研修会で、岩手県大槌町教育委員会で教育専門監を務めている菅野祐太さんのお話しを聞く機会がありました。東日本大震災後に、大槌町で地域での教育支援活動に携わってきた菅野さんは、地域の持つ教育⼒を感じたエピソードを披露してくれました。地域で鮮⿂店を営む傍ら学校支援活動に関わる方が、ある夏に子どもたちの海辺での活動を企画した。ところが、学校の先⽣方から猛反対された。子どもたちはまだ海に対して恐怖⼼を持っているというのがその理由でした。でも、その方は、私たちがついているから大丈夫ですと先⽣方を説得し、企画は実現した。先⽣方は、海辺で楽しそうに遊んだり体験したりしている子どもたちの姿を⾒て安⼼するとともに、やっぱり海のことを⼀番よく知っている地域の方に任せるのが⼀番だと改めて感じたとのことでした。

このお話しを聞いて、地域の方々が持つ「教育⼒」はこれほどまでに大きいということを改めて実感しました。しかし、その教育⼒は潜在的なものです。目に⾒えない部分がたくさんあります。しかも、地域の方々は学校の先⽣方と違って教育のプロではありません。だからこそ、その潜在的な⼒を引き出していくために、学校と地域が連携・協働する「仕組み」が必要だし、両者をうまく「つなぐ人」が必要なのです。

「地域学校協働活動」とは、これまでのような⼀方的な「学校支援活動」ではありません。地域の方々自身も、子どもたちの教育に関わることによって、⽣き⽣きとし、地域全体が活性化していくのです。少子高齢化、人口減少がますます加速化していく中で、学校(先⽣方)が持つ教育⼒と地域の教育⼒をうまく融合することは、これからの地域の存続、活性化には不可⽋です。

このハンドブックには、地域学校協働活動の推進に向けた、仕組みづくりやコーディネーターの仕事に関するノウハウやコツを紹介しています。市町村教育委員会関係者、先⽣方、コーディネーター、ボランティアなど、地域学校協働活動に関わる皆さんの参考になれば幸いです。

最後になりましたが、本ハンドブック作成に当たって御協⼒くださいました作成委員会の委員の皆様をはじめ、三沢市教育委員会、⻘森市浦町地区学校支援地域本部の関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

さあ、共に手と手を取り合って、地域学校協働活動を進めてまいりましょう!

平成 31 年 3 月 ⻘森県教育庁⽣涯学習課

課⻑ 渡部 靖之

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目 次

はじめに

地域学校協働活動とは?

1 地域と学校が連携・協働する仕組みづくり ・・・

2 「地域学校協働本部」立ち上げのプロセス ・・・

3 地域学校協働活動推進員の役割 ・・・

4 地域学校協働活動とコミュニティ・スクールの連携 ・・・

5 学校に求められること ・・・

6 県内の地域学校協働活動の取組紹介 ・・・

7 様式集 ・・・

8 参考となる情報一覧 ・・・

13

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33

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「地域学校協働活動」とはいったい、どのような活動のことなのでしょうか?

文部科学省では次のように定義しています。(『地域学校協働活動の推進に向けたガイドライン 参考の手      引き』<平成29年4月>より)

この定義を構成する1~4 の4つの部分の相互の関係を整理すると、次のようになります。

「地域学校協働活動」とは、地域の高齢者、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体等の幅広      い地域住民等の参画を得て 、地域全体で子どもたちの学びや成長を支える とともに、1 2

学校を核とした地域づくりを目指して 、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働      を行うさまざまな活動3 4

1 地域の高齢者、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体等の幅広い地域住民等の参画を得て

2 地域全体で子どもたちの学びや成長を支え

3 学校を核とした地域づくりを目指す

4 地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働を行うさまざまな活

何のために

誰が

何をする

この定義には「連携・協働」という言葉が出てきます。では、「連携」と「協働」はどう違うのでしょうか。たとえば、大阪大学の志水宏吉氏は、下図のような解釈を示しています。これに従えば、「連携」よりも一歩進んだ形が「協働」という捉え方もできるでしょう。また「協働」は、肩書などは一切関係なく一人ひとりが「当事者」(主役)となって、目標に向かって「対話・議論」を繰り返し行っていき、やがて合意が図られていくことです。

いずれにしても、「連携・協働」することによって、そこに関わる人たちが「お互いに変わっていく」、つまり「WIN-WIN(ウィン・ウィン)」の関係であることが大切です。

自分たちがもともとやっていることを変えずに協力関係を持つ。

連携共同作業によって新しい人間関係や教育的活動を作っていくことを通じて、お互いが変わっていく。

協働

(志水宏吉氏による)

「さまざまな活動」とは、具体的にはどのような活動なのでしょうか。文部科学省の上記「ガイドライン」には、次のような活動が例として示されています。【学校支援、土曜日・放課後支援、まちづくり、地域活動、子どもの学習支援、家庭教育支援活動】このほかにも、キャリア教育、読み聞かせ、自然体験活動などが想定されます。要するに、子どもたちに関わるあらゆる活動が「地域学校協働活動」であるといっていいでしょう。このあたりも、これまでの「学校支援活動」とは大きく異なる点です。このように、地域学校協働活動が広い範囲にわたるからこそ、

「幅広い地域住民等の参画を得る」ことが必要なのです。

「地域学校協働活動」とは、地域の幅広い方々に関わっていただきながら、地域と学校が対等な立場で連携・協働を行うさまざまな活動、ということになります。そして、その目的として、2点が挙げられています。一つは、学校だけではなく、「地域全体」で子どもたちの学びや成長を支えていくという点、もう一つ

は、「学校を核とした地域づくり」を目指すという点です。この二つの目的のうち、前者については、「学校・家庭・地域の連携」という掛け声のもとで、これま

でもねらいとされてきた内容です。後者については、今回、「地域学校協働活動」で新たに掲げられることになった目的です。つまり、地

域学校協働活動は、地域の方々と学校がお互いに対等な関係で、ひざを突き合わせて意見を出し合い、学び合う中で、つながりを深め、地域の活性化を図っていくことを目指す活動でもあるということです。これが、「学校を核とした地域づくり」です。学校と地域の連携という点では、既に多くの学校で、PTA活動や学校支援活動といった形で、さまざま

な場面で地域の方々の協力をいただいています。ただ、これまでは、どちらかというと、地域が学校や子どもたちを応援・支援するという「一方向」の関係が多くなっていました。「地域学校協働活動」では、地域の方々と学校は対等な「パートナー」となりますので、「双方向」に

メリットが生まれます。むろん、地域の方々と学校が連携・協働することによって、もっとも大きなメリットを得るのは「子どもたち」であることは言うまでもありません。

「連携」と「協働」

「さまざまな活動」とは?

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「地域学校協働活動」とはいったい、どのような活動のことなのでしょうか?

文部科学省では次のように定義しています。(『地域学校協働活動の推進に向けたガイドライン 参考の手      引き』<平成29年4月>より)

この定義を構成する1~4 の4つの部分の相互の関係を整理すると、次のようになります。

「地域学校協働活動」とは、地域の高齢者、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体等の幅広      い地域住民等の参画を得て 、地域全体で子どもたちの学びや成長を支える とともに、1 2

学校を核とした地域づくりを目指して 、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働      を行うさまざまな活動3 4

1 地域の高齢者、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体等の幅広い地域住民等の参画を得て

2 地域全体で子どもたちの学びや成長を支え

3 学校を核とした地域づくりを目指す

4 地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働を行うさまざまな活

何のために

誰が

何をする

この定義には「連携・協働」という言葉が出てきます。では、「連携」と「協働」はどう違うのでしょうか。たとえば、大阪大学の志水宏吉氏は、下図のような解釈を示しています。これに従えば、「連携」よりも一歩進んだ形が「協働」という捉え方もできるでしょう。また「協働」は、肩書などは一切関係なく一人ひとりが「当事者」(主役)となって、目標に向かって「対話・議論」を繰り返し行っていき、やがて合意が図られていくことです。

いずれにしても、「連携・協働」することによって、そこに関わる人たちが「お互いに変わっていく」、つまり「WIN-WIN(ウィン・ウィン)」の関係であることが大切です。

自分たちがもともとやっていることを変えずに協力関係を持つ。

連携共同作業によって新しい人間関係や教育的活動を作っていくことを通じて、お互いが変わっていく。

協働

(志水宏吉氏による)

「さまざまな活動」とは、具体的にはどのような活動なのでしょうか。文部科学省の上記「ガイドライン」には、次のような活動が例として示されています。【学校支援、土曜日・放課後支援、まちづくり、地域活動、子どもの学習支援、家庭教育支援活動】このほかにも、キャリア教育、読み聞かせ、自然体験活動などが想定されます。要するに、子どもたちに関わるあらゆる活動が「地域学校協働活動」であるといっていいでしょう。このあたりも、これまでの「学校支援活動」とは大きく異なる点です。このように、地域学校協働活動が広い範囲にわたるからこそ、

「幅広い地域住民等の参画を得る」ことが必要なのです。

「地域学校協働活動」とは、地域の幅広い方々に関わっていただきながら、地域と学校が対等な立場で連携・協働を行うさまざまな活動、ということになります。そして、その目的として、2点が挙げられています。一つは、学校だけではなく、「地域全体」で子どもたちの学びや成長を支えていくという点、もう一つ

は、「学校を核とした地域づくり」を目指すという点です。この二つの目的のうち、前者については、「学校・家庭・地域の連携」という掛け声のもとで、これま

でもねらいとされてきた内容です。後者については、今回、「地域学校協働活動」で新たに掲げられることになった目的です。つまり、地

域学校協働活動は、地域の方々と学校がお互いに対等な関係で、ひざを突き合わせて意見を出し合い、学び合う中で、つながりを深め、地域の活性化を図っていくことを目指す活動でもあるということです。これが、「学校を核とした地域づくり」です。学校と地域の連携という点では、既に多くの学校で、PTA活動や学校支援活動といった形で、さまざま

な場面で地域の方々の協力をいただいています。ただ、これまでは、どちらかというと、地域が学校や子どもたちを応援・支援するという「一方向」の関係が多くなっていました。「地域学校協働活動」では、地域の方々と学校は対等な「パートナー」となりますので、「双方向」に

メリットが生まれます。むろん、地域の方々と学校が連携・協働することによって、もっとも大きなメリットを得るのは「子どもたち」であることは言うまでもありません。

「連携」と「協働」

「さまざまな活動」とは?

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地域学校協働活動

を活発にしていく

ために必要なこと

生徒は地域の方々との活動を通じて、皆

さんから「愛」を注がれています。その

ことで、自己肯定感や他人を思いやる心

などが育ってきているように感じます。

小学校教員

地域学校協働活動を行うこと

で、学校としても「地域に開か

れた学校」をアピールできます。

中学校教員

読み聞かせで学校に行っていると、町内で顔

を合わせた時に、子どもたちが挨拶をしてく

れるようになったことがうれしいですね。

ボランティア

地域の大人の人からいろいろなことを教

えてもらえて楽しいです。

子どもたち

学校を中心にした地域づくりに関わるこ

とで、「自分たちの地域の子どもたちは自

分たちで育てる」という住民自身の意識

の変化が見られるようになっています。

こんな大人になりたいと思えるような人が

近くにたくさんいることがわかりました。

地域学校協働活動にはこんな    効果やメリットがあります。

活動を継続させ、目的を共有するための    「仕組み」があること

学校と地域の方々をつなぐ「コーディネー    ター」がいること

メリットがたくさんある良い活動は、できれば「継続」さ      せていきたいものです。そのためには、継続性を担保する「仕組み」が必要となります。たとえ「関わる人」が変わったとしても、仕組みや組織      さえ残れば活動を継続することができます。地域学校協働活動の場合、そのような仕組みは一般には「地域学校協働本部」と呼ばれますが、地域      の実情に合わせて、その名称は自由に変えて構いません。要は、地域学校協働活動を継続的に展開できる仕組みであればいいのです。また、仕組みをつくることには、「目的を共有」できるとい      う意義もあります。学校と地域が連携・協働する上で、何よりも大切なのは「同じ方

向を向く」ということであり、自分たちの活動が何(どこ)      を目指しているのかを、仕組みの中で常に確認することができます。

学校には独特の「文化」があります。学校でしか通用しな      い言葉や言い回し、習慣…。地域の方々が「学校は敷居が高い」と感じるのは、そんな「学校文化の匂い」が一因となっているのもしれません。学校の敷居を下げて、「開かれた学校」としていくために      は、そうした学校の「文化」を理解し、地域の方々に分かるように「通訳」する方

が必要です。つまり、学校と地域の方々をつなぎ、結びつけ      る役割を果たす「コーディネーター」がいることが、「連携・協働」には不可欠なのです。

p.1をご覧ください。

p.8 をご覧ください。

地域の伝統芸能保存会と学校の 間をコーディ

ネートすることで、伝統芸能の 継承が図られ、

町のイベントで披露するなど、 学校を通した

地域づくりにもつながっていま  す。

コーディネーター

ご年配のボランティアの方か ら、「子どもた

ちと触れ合えて元気になる」 と言 われます。

地域学校協働活動は、大人の 皆さ んのやりが

いや生きがいとなっています。

地域の伝統芸能保存会と学校の 間をコーディ

ネートすることで、伝統芸能の 継承が図られ、

町のイベントで披露するなど、 学校を通した

地域づくりにもつながっていま  す。

コーディネーター

ご年配のボランティアの方か ら、「子どもた

ちと触れ合えて元気になる」 と言 われます。

地域学校協働活動は、大人の 皆さ んのやりが

いや生きがいとなっています。

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地域学校協働活動

を活発にしていく

ために必要なこと

生徒は地域の方々との活動を通じて、皆

さんから「愛」を注がれています。その

ことで、自己肯定感や他人を思いやる心

などが育ってきているように感じます。

小学校教員

地域学校協働活動を行うこと

で、学校としても「地域に開か

れた学校」をアピールできます。

中学校教員

読み聞かせで学校に行っていると、町内で顔

を合わせた時に、子どもたちが挨拶をしてく

れるようになったことがうれしいですね。

ボランティア

地域の大人の人からいろいろなことを教

えてもらえて楽しいです。

子どもたち

学校を中心にした地域づくりに関わるこ

とで、「自分たちの地域の子どもたちは自

分たちで育てる」という住民自身の意識

の変化が見られるようになっています。

こんな大人になりたいと思えるような人が

近くにたくさんいることがわかりました。

地域学校協働活動にはこんな    効果やメリットがあります。

活動を継続させ、目的を共有するための    「仕組み」があること

学校と地域の方々をつなぐ「コーディネー    ター」がいること

メリットがたくさんある良い活動は、できれば「継続」さ      せていきたいものです。そのためには、継続性を担保する「仕組み」が必要となります。たとえ「関わる人」が変わったとしても、仕組みや組織      さえ残れば活動を継続することができます。地域学校協働活動の場合、そのような仕組みは一般には「地域学校協働本部」と呼ばれますが、地域      の実情に合わせて、その名称は自由に変えて構いません。要は、地域学校協働活動を継続的に展開できる仕組みであればいいのです。また、仕組みをつくることには、「目的を共有」できるとい      う意義もあります。学校と地域が連携・協働する上で、何よりも大切なのは「同じ方

向を向く」ということであり、自分たちの活動が何(どこ)      を目指しているのかを、仕組みの中で常に確認することができます。

学校には独特の「文化」があります。学校でしか通用しな      い言葉や言い回し、習慣…。地域の方々が「学校は敷居が高い」と感じるのは、そんな「学校文化の匂い」が一因となっているのもしれません。学校の敷居を下げて、「開かれた学校」としていくために      は、そうした学校の「文化」を理解し、地域の方々に分かるように「通訳」する方

が必要です。つまり、学校と地域の方々をつなぎ、結びつけ      る役割を果たす「コーディネーター」がいることが、「連携・協働」には不可欠なのです。

p.1をご覧ください。

p.8 をご覧ください。

地域の伝統芸能保存会と学校の 間をコーディ

ネートすることで、伝統芸能の 継承が図られ、

町のイベントで披露するなど、 学校を通した

地域づくりにもつながっていま  す。

コーディネーター

ご年配のボランティアの方か ら、「子どもた

ちと触れ合えて元気になる」 と言 われます。

地域学校協働活動は、大人の 皆さ んのやりが

いや生きがいとなっています。

地域の伝統芸能保存会と学校の 間をコーディ

ネートすることで、伝統芸能の 継承が図られ、

町のイベントで披露するなど、 学校を通した

地域づくりにもつながっていま  す。

コーディネーター

ご年配のボランティアの方か ら、「子どもた

ちと触れ合えて元気になる」 と言 われます。

地域学校協働活動は、大人の 皆さ んのやりが

いや生きがいとなっています。

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前ページでも記したように、持続的な地域学校協働活動を進めていくためには、「地域と学校が協働する仕組み」をつくっていくことが求められます。この仕組みを、「地域学校協働本部」と呼ぶ場合があり、このハンドブックでは、便宜上、「地域

学校協働本部」を用いますが、実際の名称については、各自治体、各地域の実情に合わせたものとしてください。地域学校協働本部は、幅広い地域住民や団体等が参画して形成される「ゆるやかなネットワーク」

です。各都道府県、市町村教育委員会と学校とが協議を行いながら、各自治体や地域の実情に応じて組織されます。(※設置の形態については、5ページ以降をご覧ください。)

地域学校協働本部には、コーディネーター(地域学校協働推進員)が配置され、地域と学校の連絡調整や活動の企画等のコーディネートを行うとともに、多様で継続的な地域学校協働活動を展開します。

《地域学校協働本部の機能と位置付け》

〇地域住民と学校との連携協力体制の整備、普及啓発等の措置を講じる。〇「地域学校協働推進員」を委嘱できる。

多様で継続的な地域学校協働活動の展開

地域住民や各種団体・NPO等と学校との連絡調整及び活動の企画等を行う。

コーディネート機能

学校支援活動、放課後活動の支援、家庭教育支援等の活動等、幅広く多様な活動を展開する。

地域学校協働本部

地域学校協働推進員(地域コーディネーター、統括コーディネーター)

幅広い地域住民、団体等の参画

教育委員会

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2

「地域と学校が連携・協働する仕組みづくり」の事例として、平成 29年 9月に「地域学

校協働本部」を立ち上げた三沢市教育委員会の取組について、立ち上げに携わった三沢市教育委員会生涯学習課の豊川奈津子係長にお話しを伺いました。 三沢市は、平成 26年度を限りに市内 3小学校で実施していた学校支援本部事業を廃止し

ましたが、その後、平成 29年度に新たに地域学校協働本部を立ち上げています。

Q1 地域学校協働本部を設置した経緯について教えてください。 平成 27年度、かつて学校支援地域本部事業を行っていた学校の校長先生から、「授

業で活用する講師を、教育委員会で探してもらえないか。」という話がありました。学校支援地域本部事業を行っていた時には、学校支援コーディネーターが講師を探し、ボランティアの募集を行っていましたが、学校支援地域本部事業が廃止になってからは、先生方がコーディネート業務を行わなければなりません。また、学校支援地域本部事業を行っていた学校と行っていない学校では、地域との連携についても明らかに違っていました。やはり、学校支援等に係る事業は必要だということを強く感じ、改めて事業の立ち上げに向けて準備をしました。その後、国の法改正などが行われたことも追い風となり、平成30 年度からの事業化に向けて計画していたところ、前倒しで平成 29年度中に事業をスタートさせることが決定し、同年 9月から三沢市地域学校協働本部がスタートしました。 三沢市では、教育委員会に地域学校協働本部を設置し、教育委員会職員 2 名が統括コーディネーターの役割を担っています。また、市内 12小・中学校に地域コーディネーターを配置しています。

Q2 地域学校協働本部立ち上げまでに行ったことを教えてください。 立ち上げまで行った主なことは以下のとおりです。

「三沢版地域学校協働本部」をどう立ち上げたか?

三沢市教育委員会生涯学習課

豊川 奈津子係長

三沢市地域学校協働本部

地域コーディネーター

連携・協働

統括コーディネーター

<三沢市地域学校協働本部の仕組み> 三沢市教育委員会

・三沢市内の全小・中学校に本部設置に関わる事業説明及び全小・中学校長に地域コーディネーター

の推薦を依頼(推薦書〈*1〉の提出)

・地域コーディネーターへ選任通知〈*2〉及び承諾書〈*3〉の送付

・委嘱状の交付及び第1回打合せ会・組織会を実施

〈*1〉~〈*3〉については、22ページ以降の「様式集」に掲載しています。(以下同じ。)

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3

・三沢市地域学校協働本部事業実施要綱〈*4〉

・地域コーディネーター委嘱要綱 ・地域コーディネーターに係る事務処理要領 (地域コーディネーター推薦書、地域コーディネーター承諾書、 地域コーディネーター選任通知書、地域コーディネーター活動日誌〈*5〉)

・地域コーディネーターガイドブックの作成 (地域学校協働活動の概要、地域学校協働活動の推進に向けた基盤整備、 地域コーディネーターの役割、活動の推進例などが記載されたもの)

・ボランティア保険の加入

※資料提供 三沢市教育委員会

地域学校協働本部を設置するにあたり、市内全小・中学校で校長先生に事業説明及び各校の現状につ

いてのヒアリングを行いました。また、各校の校長先生には地域学校協働本部を設置する上で核となる

地域コーディネーターを探してもらい、推薦していただきました。コーディネーターについては、どの

ような人がコーディネーターとして適しているかをヒアリングを行った際に説明しました。ほとんどの

学校では PTA活動を積極的に行っていた方々でした。 Q3 立ち上げのための事務業務として、どのような資料を作成したのですか。 事業整備のために以下の資料等を作成しました。

三沢市は地域学校協働本部の設置にあたり、国及び県から補助金を受けていることから、県には補助

金申請に関わる書類を作成し、提出しています。また、地域コーディネーターガイドブックは各学校に配付したほか、地域コーディネーターの研修会の時に活用しています。 Q4 実際に事業を行ってみて、何か変化は見られますか? 長年学校支援活動を行ってきた学校と、初めて活動を行った学校では、当然差はありますが、各校に

配属されている地域コーディネーター同士が情報を共有することにより、最近では各学校とも工夫して活動を行っています。学校の中には、学校支援の活動だけでなく、地域と連携・協働した活動に取り組んでいる学校もあります。 例えば、中学校では、地域学校協働活動を行ったことにより保護者のOB会が組織され、中学校を核

として地域を盛り上げようとしているところもあります。また、ある小学校は、市立図書館の本を回収するブックポストの設置を考えている所もあります。その地区は市内から少し離れているため、市立図書館を利用する地域の人にとってもいい話だと思います。また、小・中学校が連携して防災マップづくりを行っている所もあります。 三沢市内の各地区には、地域教材として学習に取り入れるべきものがたくさんあります。子どもたち

は自分たちが住んでいる地域に関心をもち、地域の人々と接することで、将来その地域を支えていこうとする子どもたちが増えればいいと思います。地域には自分を応援してくれる人がたくさんいて、その人たちは自分たちの成長を支えてくれていることに気づいてくれるとうれしいですね。

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4

(1)地域学校協働本部立ち上げの過程

ここまで三沢市の地域学校協働本部の立ち上げ事例を見てきましたが、

それでは実際に各市町村ではどのような過程で地域学校協働本部を構築すればよいか、以下に例を示します。 三沢市の場合のように、地域学校協働本部の組織化に向けては、市町村

教育委員会と学校が協議しながら、市町村の実情に応じて進めます。

◆地域学校協働本部立ち上げの過程

・設置要項や規約等を検討します。 ・設置地域をどの範囲にするか検討します。 ・本部の構成員をどうするかについて検討します。

・地域学校協働活動推進員(→詳細は8ページ参照)を委嘱します。

地域コーディネーター 学校単位あるいは中学校単位に配置され、地域学校協働活動をコーディネートする役割を担う。

統括コーディネーター 複数いる地域コーディネーターを統括し、支援や助言しながら、地域の実情に応じた地域学校協働活動を推進する全体の調整役を担う。

・各学校に地域連携担当教員(地域との窓口となる教職員)を配置します。

・構成員全員に集まっていただき、立ち上げに向けた会議を開催し、地域学校協働本部の運営について、共通理解を図ります。

・地域学校協働本部を複数設置している場合には、各本部間のネットワークの構築に向けても確認します。

1 地域学校協働本部の整備に向けた検討

2 地域学校協働本部の構成員の組織化

3 地域学校協働本部立ち上げ会議の開催

地域学校協働本部の活動スタート!

広報や会議等を利用して、地域住民・団体や教職員に丁寧に説明し、理解を促します。

地域・学校への説明と理解の促進

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5

◆地域学校協働本部の設置パターン 地域学校協働本部の設置方法については、法令上の規定はありませんが、市町村に1つと

するか、あるいは中学校区ごと、学校ごとにするかについては、自治体や学校規模等を考慮しながら、活動しやすい体制を整えます。

■市町村教育委員会に統括コーディネーターを配置します。 ■統括コーディネーターは、各学校の地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員)のリーダー的存在として、地域コーディネーター間の連絡調整や適切な指導・助言等を行います。

地域学校協働本部

自治体(教育委員会)に1つの本部を設置する場合

ポイント

市町村教育委員会

地域学校協働活動運営委員会

C中学校 地域連携担当教職員

B小学校 地域連携担当教職員

市町村内各学校の地域学校協働活動をコーディネート

A小学校 地域連携担当教職員

統括コーディネーター

A小学校区 地域コーディ ネーター

B小学校区 地域コーディ ネーター

C中学校区 地域コーディ ネーター

連絡調整/指導・助言/ネットワーク化の促進 等

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6

■市町村教育委員会に統括コーディネーターを配置します。■中学校区に地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員)を配置し、学区内の中学校、小学校の地域学校協働活動をコーディネートします。

中学校区に本部を設置する場合

ポイント

市町村教育委員会地域学校協働活動運営委員会

B小学校地域連携担当教職員

統括コーディネーター

地域コーディネーター

連絡調整/指導・助言

中学校区地域学校協働本部

A中学校地域連携担当教職員

C小学校地域連携担当教職員

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7

■市町村教育委員会に統括コーディネーターを配置します。 ■学区ごとに地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員)を配置し、それぞれ担当する学区の地域学校協働活動をコーディネートします。

学校区ごとに本部を設置する場合

ポイント

市町村教育委員会 地域学校協働活動運営委員会

B小学校 地域連携担当教職員

A中学校 地域連携担当教職員

統括コーディネーター

地域コーディネーター 地域コーディネーター

連絡調整/指導・助言/ネットワーク化の促進 等

A中学校区 地域学校協働本部

B小学校区 地域学校協働本部

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◆地域学校協働活動推進員とは?

地域学校協働活動推進員とは、地域と学校の連絡調整、情報の共有、地域学校協働活動の企画調整・運営、また地域住民や学校支援ボランティアのみなさんに活動を呼びかけるなど、地域と学校両者と信頼関係を築きながら活動を進めるコーディネーターのことを言います。つまり、地域学校協働活動推進員は、地域と学校の橋渡し役として、学校の事情や地域の要望を十分に理解し、地域と学校がパートナーとして協働することができるように働きかける役割を担います。そのため、地域にはどんな団体があって、どんな方がいるかなど、絶えずアンテナを張っ

ておく必要があります。自ら地域の事業所や団体等に足を運び、「顔の見える関係」をつくるようにしましょう。基本的には、下記の図の①~⑥の手順でコーディネートを進めることとなります。さらに

具体的な流れについては、右ページを参考にしてください。

○地域学校協働活動のコーディネートの流れ

④打合せ

⑥お礼(子どもたちのお礼の手紙など)

⑤活動の実践とふりかえり

③支援活動の承諾

②支援活動の依頼 地域・住民

(学校支援ボランティア)

・地域団体・NPO・企業・大学

など

①支援の要請

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地域コーディネーターが行う具体的な仕事の流れについて、青森市立浦町小学校・浦町中学校学校支援コーディネーターの工藤知久子さんに紹介していただきます。

◆準備段階 ○学校のニーズの把握 先生方に前年度のうちに、どの活動でボランティアに協力して

ほしいか、いつ頃行うか等のニーズを調査します。 ○ボランティア登録者を募る 新年度に入ったら、保護者及び地域住民へ学習活動への協力ア

ンケート〈*6〉・〈*7〉を配布して、学校支援に協力できる人数を把握します。地域住民には、回覧板を使ってボランティア協力の周知をしています。また、町会長さんや民生委員の方々が直接地域住民にお願いをする場合もあります。 ボランティア保険の加入もこの時期に行います。

①学校からの支援の要請 ○「学校支援ボランティア依頼書」の提出 学習活動及び学校支援活動でボランティアが必要

なとき、学級担任に「学校支援ボランティア依頼書」〈*8〉を提出してもらいます。こちらの依頼書をもとに、コーディネーターはボランティアの人数調整及び連絡を行います。

②支援活動の依頼 ~③支援活動の承諾 ~④打合せ ○「ボランティア連絡書」の送付 学習支援をしてくれる方が決まったら、「ボランテ

ィア連絡書」〈*9〉に日時や依頼内容を記入して本人宛て送付します。 活動を行う前に、関係する先生方と打ち合わせを行

います。

⑤活動の実践とふりかえり ~⑥お礼 活動終了後に教師・ボランティア双方の気づきをコーディネーターが両者に伝えるこ

とで、次の活動にもつながりやすくなります。 また、参加していただいたボランティアに対して、子どもたちがお礼の手紙を送った

りするとボランティアの方々の活動意欲にもつながります。

〈*6〉~〈*9〉の様式は29ページ以降に掲載しています。 資料提供:青森市浦町地区学校支援地域本部

青森市立浦町小学校・浦町中学校 学校支援コーディネータ-

工藤 知久子さん

☝工藤さんから

直前の依頼になると、

ボランティアを集める

ことが難しくなる場合がある

ので、学校側には日程に余裕を

もって依頼をしてほしいです

ね。

☝工藤さんから

初めて学校支援に関わ

る方もいるので、

打合せの時間は必ず取るよう

にしましょう。

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◆地域学校協働活動推進員の役割のポイント

8ページで記したようなコーディネーターとしての役割を果たすために、以下の4つのポイントを心に留めておきたいものです。

◆地域学校協働活動推進員はどんな人がなれるの?

地域の子どもたちのために何かをしたいと思う方なら、どなたでもなれます。各種アンケートによると、PTA活動を長年続けていた方や、学校と関わりのある方等が地

域学校協働活動推進員(地域コーディネーター)を担う割合が高いようです。「地域学校協働活動推進員」となるためには、教育委員会による委嘱の手続きが必要とな

ります。まずは、お住いの市町村の教育委員会やお近くの小学校、中学校にお尋ねください。

《参考》地域学校協働活動推進員になっている方の主な経歴の例・学校支援コーディネーターやその経験者・放課後子ども教室や家庭教育支援に関わるコーディネーター・地域でのボランティア活動の経験者・PTA関係者、PTA活動経験者・退職した教職員・公民館職員・自治会、青年会等地域団体の関係者 など

受け止める1 学校のニーズと地域の思いを受け止めます。また、支援活動の内容や活動後のふりかえりについて、必要に応じてアドバイスします。

知らせる2 学校が必要としているボランティアの情報や実際の活動内容の様子を地域に伝えます。

つなぐ3 学校のニーズに応えられるボランティアを学校に紹介したり、ボランティアの技術が活かせる取組を紹介したりして調整します。

育てる4 ボランティア活動がよりよい活動となるよう、研修会等の学ぶ機会があれば、ボランティアに情報提供して、参加を働きかけます。

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三沢市で長く学校支援コーディネーターとして活動され、現在は地域学校協働活動推進員

(地域コーディネーター)をされているお二人の方にお話しを伺いました。 三沢市立古間木小学校 地域コーディネーター 二ツ森 孝子さん(コーディネーター歴 7年) 同 髙橋 久美子さん(コーディネーター歴 6年)

Q1 お二人がコーディネーターになったきっかけは何ですか? 二ッ森 私は当時の校長先生から、声をかけられまし

た。子どもはすでに小学校を卒業していましたが、ボランティアで小学校のお手伝いは続けていました。

髙橋 当時私は PTA副会長を務めていて、教頭先生から声をかけられました。とりあえずは「1年間だけですよ。」ということで引き受けましたが、現在に至っています。

Q2 コーディネーターとしての研修は受けていたので すか?

髙橋 二ツ森さんからはさまざまな研修会に誘われ、研修会でコーディネート業務のイロハを学び

ました。 二ツ森 学校支援地域本部事業が始まった当時は、県主催の研修会がすごく多かったと思います。研

修会では必ずワークショップが行われていました。ワークショップを通して情報交換を行うことで、コーディネーター同士のネットワークができ、資料などの交換もするようになりました。

Q3 学校と地域の調整等についてはどのように行っていますか? 二ツ森 はじめのころは、先生方に「何かやることはないですか」と聞いて回っていましたが、先生

方も忙しいためか、あまり反応がありませんでした。そこで、先生方に「前年度は何月頃にこういう授業でボランティアの募集を行っていました。」という年間のボランティア活用予定を一覧にして先生方に配付しました。そうすることで、先生方は新しい学年を受け持っても、どの授業でボランティアの方々に依頼をしていたかが一目でわかるため、とても好評でした。学校では教頭先生が先生方とコーディネーターの窓口となってボランティアの依頼や、打ち合わせの調整などを行っています。

髙橋 久美子さん(左)と二ッ森 孝子さん(右)

<お話しを伺った方>

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Q4 古間木小学校では、地域との連携・協働の仕組みができあがっているため、先生方が異動しても、地域と学校の連携・協働活動がスムーズに進んでいるようですが?

二ツ森 これまで赴任した校長先生も、学校と地域の連携・協働について理解を示してくれているた

め、先生方が異動しても大きく変化することはありま せん。先生方は数年で異動しますから、地域にいる私 たちが学校に対して、地域と学校の連携・協働の必要 性を伝えていければと考えています。ただ、連絡調整 を行う教頭先生は大変そうです。

Q5 今はどのような活動を行っているのですか? 髙橋 春は学区探検、水泳教室の講師募集、調理実習のサ

ポ-ト、ミシン実習の補助、クラブ活動の講師選定、 運動会で踊る三沢音頭を指導してくれるボランティア の募集をしました。

二ッ森 また、ボランティア同士の親睦を深めるためのボランティア交流会も実施しています。今後は、外国語学習が必修化となったため、学習の補助を行うボランティアが必要であれば、コーディネートしていきたいです。 ある中学校では、職業体験の受け入れ先との連絡・調整などのコーディネートを先生方が

行っていると聞きました。企業と学校をつなぐコーディネート業務などをコーディネーターが行えば、先生方の負担も減ると考えるのですが。先生方と何事も気兼ねなく話せる関係になることが大切ですね。

Q6 三沢市では、コーディネーター同士の情報交換などを頻繁に行っているようですが? 二ッ森 三沢市内でも、始めて間もないコーディネーターが

いるので、私たちが長年培ってきたことを、情報交換 会等でお話しています。また、コーディネーター間の 情報共有に LINEグループを作って活用しています。

ボランティア交流会

三沢音頭の指導

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◆「コミュニティ・スクール」って? 「学校運営協議会」を設置している学校を「コミュニティ・スクール」と呼びます。 「学校運営協議会」とは、学校運営や必要な支援に関する協議を行うために、保護者代表、

地域住民、地域学校協働活動推進員などで構成される組織です。 学校運営協議会の委員は、教育委員会が任命することとされており、その設置は法によっ

て、市町村教育委員会の「努力義務」とされています。 学校運営協議会は、校長から示された学校運営の方針やビジョンの説明を受け、その方針

を承認するとともに、学校運営や学校の教育活動について意見を出し合い、考え合い、協力しながら、学校運営を進めていきます。

(引用資料:文部科学省「コミュニティ・スクール 2018」)

※「学校評議員」と「学校運営協議会」の違い 学校評議員は、「校長の求めに応じ、学校運営に関し意見を述べる」機関であり、あくまでも「個

人」としての意見となります。学校評議員は、学校運営に関して何らかの拘束力や制約のある決定などを行うものでないところが、学校運営協議会との大きな違いです。

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◆地域学校協働本部と学校運営協議会の関係 学校運営協議会と地域学校協働本部は、地域と学校の連携・協働を一体的に推進していく

車の両輪のような関係です。学校運営協議会を導入している学校(=コミュニティ・スクール)においては、協議会が承認した学校運営や教育活動の方針に基づいて、地域学校協働本部を中心とした地域学校協働活動が展開されます。

学校運営協議会と地域学校協働本部が連携することにより、次のような効果が期待できま

す。 ○ 学校運営の改善と連動した地域学校協働活動が推進される。 ○ 地域と学校の組織的・継続的な連携・協働体制が確立される。 ○ 子どもたちの教育に関する課題や目標等が共有され、当事者意識が高まる。 学校運営協議会には、地域学校協働活動推進員など学校運営に資する活動を行う方を委員

とすることとされており、推進員は、協議会における協議と地域学校協働活動をつなぐ役割を期待されています。学校運営協議会委員としての推進員は、ふだんから他の委員とのコミュニケーションを図り、情報共有を行うことが重要といえます。

(引用資料:文部科学省「学校と地域の効果的な連携・協働と推進体制」)

地域住民、団体等により緩やかなネットワークを構築

※必須3要素 ●コーディネート機能 ●多様な活動(より多くの地域住民の参画) ●継続的な活動

地域学校協働本部(仮称)

※地域側の総合窓口 ※学校支援、放課後の教育活動等の地域 活動の調整やボランティア の確保 ※地域学校協働本部等に所属

-パートナーシップの構築による新しい時代の教育、地方創生の実現-

学 校

※学校側の総合窓口 ※学校運営協議会の運営業務等の調整 ※地域住民等による学校支援等の地域 連携の企画・調整 等

地域連携担当教職員(仮称)

1.学校運営の基本方針の承認 2.学校運営に関する意見 3.教職員の任用に関する意見 + 4.地域住民等の連携・協力の促進

学校運営協議会

地 域

連携・協働

地域コーディネーター

連携・協働

地域学校協働活動

★地域人材がそれぞれ相互に構成員を務めるなど、それぞれの知見、経験、課題等の共有により有機的・効果的な連携を促進 コミュニティ・スクール

(学校運営協議会制度を導入する学校)

学校運営に関して協議する機関

学校と地域の効果的な連携・協働と推進体制 (イメージ) 資料3-7

★地域の人的・物的資源の活用や社会教育との連携により、「社会に開かれた教育課程」を実現 ★地域住民による学校支援活動、放課後の教育活動、地域文化活動等の実施 ★学校を核として、地域の大人と子供が学び合い、地域コミュニティを活性化

学校を支 える観点

地域連携担当教職員

地域学校協働本部

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新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」が求められています。地域学校協働活動を進めるためには、先生方、地域の方々がお互いの思いを共有すること

が大切ですが、ここでは、特に、地域と連携するために学校の先生方に求めたいことをまとめてみます。

〇「地域連携担当教員」を校内分掌の一つに位置付けましょう。〇校内研修のテーマに「地域と学校の連携・協働について」を位置付けるなどして、地域との連携・協働の意義や必要性、目的について、全職員で共通認識する場を設けましょう。

〇新年度早々、先生方や子どもたちに対して、地域学校協働活動推進員(地域コーディネーター)の方を紹介する場を設けるなどして、コーディネーターの方が活動しやすい雰囲気づくりに努めましょう。

〇できるだけ多くの機会を捉えて、学校経営方針を地域の方々にお知らせするようにしましょう。

〇地域の方々の持つ「学校は敷居の高い場所」という意識を払拭するような「地域に開かれた学校」を目指しましょう。

〇地域学校協働活動推進員(地域コーディネーター)の方と積極的に情報交換をして、地域資源(人やモノ)の情報を知っておきましょう。

〇地域学校協働活動による子どもたちの学習成果は、地域の回覧板、公民館など公共施設での成果物の掲示、地区の催しでの発表等の機会を使って積極的に地域の方々へお知らせしましょう。

〇地域学校協働活動推進員(地域コーディネーター)や学校支援ボランティアの方々が仕事や家庭があるにもかかわらず、子どもたちのために活動していただいていることに対する感謝の気持ちを常に表すようにしましょう。

校長先生に求めたいこと

先生方に求めたいこと

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小泊小学校地域学校協働本部は、平成25年度に学校支援本部事業としてスタート。地域コーディネーターが1名配置され、学校と地域をコーディネートしている。コーディネーターは、地域の実情に大変詳しいため、学校のニーズに的確に対応し、多

くの地域住民が教育活動に参加している。また、放課後子ども教室では、町教育委員会職員がコーディネーターを担い、放課後児

童クラブとも連携して活動を行っている。活動は体験活動を中心に年間20回行っており、体験活動を行う際には、大学生による学生サポーターを活用して異年齢交流を図っている。

【特徴的な活動内容】各種関係機関との連携

・小泊漁業協同組合と連携し、漁協施設の見学や、稚魚の放流を行っている。→地域資源の活用

・総合的な学習の単元「小泊名人」で漁師さんの講話や、漁協婦人部の指導で小泊名産「サザエ」を使ったカレーづくりを行うなど、地域人財・資源を活用した学習が継続的に行われている。→地域の方々の活用

学校支援活動について

・学校のニーズに合わせて、保護者によるボランティアだけでなく、地区婦人会など多くの地域住民がボランティアとして参加している。

学校支援活動と放課後子ども教室の連携~中泊町立小泊小学校地域学校協働本部~

活動の概要

主な取り組み

「小泊名人」のお話

● 地域学校協働本部内において、学校支援活動と放課後子ども教室の活動を一体化して実施

● 地域人財や地域資源を積極的に活用して教育活動を行っている

【活動のポイント】

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(活動例)

花壇・畑などの学校環境整備、見守りによる子どもの安全確保、読み聞かせ活動、家庭科の実習補助等

放課後子ども教室について

・積極的に屋外へ出て町内外の資源を活用することにより、普段できない体験活動を行っている。

・さまざまな企業や団体と連携して活動を行っている(稲垣サクランボ園、弘前大学、梵珠少年自然の家等)

・大学生による学生サポーターを活用して、子どもたちと大学生との交流を行っている。(活動例)さくらんぼ狩り体験、なぎなた教室、お寺における奉仕作業、段ボールピザづ

くり等

【実施に当たっての工夫】

学校側(窓口教員)と地域コーディネーターとの打合せの機会を日常的にとり、学校のニーズに合った学校支援活動が行われている。また、地域コーディネーター・教職員・地域住民(ボランティア)の連絡についても日常的に図られ、アットホームな雰囲気の中で活動が行われている。

・学校との窓口をコーディネーターに一本化することで、コーディネーターを中心に学校・家庭・地域の距離が縮まり、学校支援活動が充実してきている。

・支援をしてくれる地域住民にはお年寄りが多いが、その方々にとっても活動する楽しさ、子どもとふれあう喜びを感じることで、「地域の子どもは地域で育てる」という意識が地域住民の中に広がっている。

効果・成果

さくらんぼ狩り お寺の奉仕活動

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八戸市立柏崎小学校では、学校内に地域学校連携協議会(地域の代表 11人、保護者4人、学校代表4人)を設置し、地域密着型教育における取組計画や取組についての意見・要望、各専門部会の取組状況、学校支援活動の現状と今後、次年度の学校運営等を協議している。そして4つの専門部会(教育活動部会、安心安全部会、環境整備部会、交流連携部会)により、学校目標達成のための具体的・実践的な活動を行っている。また、地域コーディネーター(3名)と教頭が事務局を担うことで、地域と学校が連携し

た企画調整を行うことができ、より充実した連携・協働活動となっている。

【特徴的な活動内容】

教育活動部会・「朝の読み聞かせ」…月 2回読み聞かせボランティアのメンバーが、絵本等の読み聞かせを行っている。

・「愛好会支援」…教職員・保護者・外部指導者が協働して、スポーツ・文化活動をとおして児童の健全育成を図っている。・「ボランティアによる夏休み学習会」…夏休み 3日間、公民館と連携して、ボランティアが主体となり、児童が学年をこえて一緒に学び合う場を設定している。

安心安全部会・「校外子ども会・集団下校訓練」…「校外子ども会」は、町内の子ども会ではなく、学校が地域と一緒に校外での生活指導を目的に、町内ごとに組織している。各町内会長、公民館長、地区の関係団体の代表、交番所長が参加し、具体的に安全指導や町内会の行事紹介をしている。また、緊急時に備えての集団下校訓練(児童の安全確保)も実施している。

地域とともに歩む学校づくり「We Love 柏崎」~八戸市立柏崎小学校地域密着型教育~

活動の概要

主な取り組み

● 学校内に地域学校連携協議会を設置

● 4つの専門部会に分かれて活動を実施

● 「共に育て、共に育つ」の考え方が浸透し「みんなの学校」という意識が高まっている

【活動のポイント】

地域の方々に見守られての集団下校地域の方々に見守られての集団下校

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交流連携部会 ・「柏崎地区区民運動会」…地区の体育振興会と学校が一緒になって開催している。全

校児童が町内毎に分かれて参加している。 ・「幼稚園・保育園・中学校との教育連携」…園児を招いてのお祭り広場や小学校体験

教室、中学生を受け入れての職場体験、そして 6年生の中学校体験学習を実施している。

【実施に当たっての工夫】

地域との連携を深めるために、コーディネーターが地域の関係団体や地域の方々等に 係わる情報収集に努めるとともに、連携だよりを作成・発行し、学校だよりや PTA広報 誌とともに全町内会で回覧し、活動への理解を深めてもらうようにしている。

・地域と学校の両者において「共に育て、共に育つ」の考え方が浸透し、「ボランティア」に参加する保護者・地域の方々・教職員・児童が増え、「みんなの学校」という意識が高まってきている。

・「校外子ども会・集団下校指導」等に参加する地域の方々が増え、児童と顔見知りになり、児童と地域の方々が繋がってきている。

・地域への愛着が強まり、児童のまちづくりへの意識が高まってきている。また、家庭や地域へ「あいさつの輪を広める」児童会活動や、地域行事への参加など、自主・実践されている。

効果・成果

ボランティアによる夏休み学習会 入学祝いとしての最初の読み聞かせ

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浦町地区学校支援地域本部は、平成20年9月に小・中学校一体型の学校支援本部としてスタート。青森市教育委員会の委嘱によりコーディネーターが1名配置され、学校と地域をコーディネートしている。活動も学校支援活動から、プロの職人による研修会、地域との協働活動など多岐に渡っ

て活動を行っている。

浦町小学校における取組

(1)プロに学ぶ研修会それぞれの分野に特化した方々を招いて、学校支援に関わる研修会を開催している。

(活動例)・県立図書館から図書館司書を招いて、図書の補修や図書フィルムコートがけや読み聞かせ講習会を開催。

・木工具店社長によるベニヤ板で作るパネル講座の実施。・ペンキ屋さんによるフェンスやサッカーゴール・野球得点板の修復講座

(2)学校支援活動各学年からの依頼をもとに、PTA・地域ボランティアに案内を出して、学校支援活動

を行っている。(活動例)・元教諭による放課後学習…子どもたちの学ぶ意欲と学力の向上を目的に、月・木曜日の午後に実施している。こちらの活動には、元教員の方々がボランティアとして協力している。

・1年生給食補助(入学から1週間)

地域と学校が一体となって地域ぐるみで子どもを育む活動~青森市浦町地区学校支援地域本部~

活動の概要・経緯

主な取り組みの概要

木工具店社長による指導

元教諭による放課後学習

● 多岐にわたる学校支援活動

● 小・中学校の両校で地域住民がボランティアとして活動

● 地域が子どもたちを「地域の一員」としてさまざまな活動に参画させている

【活動のポイント】

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・クラブ活動外部講師(囲碁将棋・ダンス・パソコン) ・校外学習引率(公園・町探検・危険個所調べ等)

・家庭科学習支援(裁縫、ミシンの補助等) ・九九、音読の聞き取り ・スキー教室講師及び補助

(3)その他 〇環境支援(図書室整備、学年花壇の畝づくり) 〇学校行事への協力 ・ねぶた集会における支援 ・台湾視察団来校の際の通訳 ・学校ホームページの作成

浦町中学校における取組

(1)職業講話教室 子どもたちに対して行ったアンケートをもとに、

毎回約10の職種の方々にお越しいただき、生徒は その中から自分で選び、講師のお話を聞いている。

(2)その他の活動 図書ボランティア活動、給食選択パソコン入力、

体育館緞帳修理等

・登下校の見守り、通学路の除雪

・ねぶたお囃子教室 ・合同防災訓練(小・中学校、地区町会)

・読み聞かせ、国語・算数を中心とした学習支援を行うこと で基礎学力が定着し、学習意欲や学力の向上につながっている。 ・地域住民と保護者が一体となって、地域の子どもを支える環境が醸成され、地域が学 校の応援団になっている。

・子どもたちが地域の合同防災訓練などに参加することで、「地域の一員」という意識が 高まっている。

学校と地域の協働活動

効果・成果

ねぶた集会の支援

職業講話教室

合同防災訓練

平成 28年 12 月 23日

東奥日報掲載

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三沢市地域学校協働本部

地域コーディネーター推薦書

年 月 日

三沢市教育委員会

教育長 殿

三沢市立

校長 印

地域コーディネーターとして下記の者を推薦します。

氏名し め い

性別

住所

〒 -

連絡先

電話番号- -

属性(※)

推薦の理由

※属性欄(記入例)

PTA役員、元PTA役員、町会自治会役員、民生委員、元教員、

元保護者、保護者等

7 様式集

22

*1

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23

*2 2

三生学発第 号

平成 年 月 日

殿

三沢市教育委員会

教育長

( 公 印 省 略 )

三沢市地域学校協働本部事業地域コーディネーター選任通知

三沢市地域学校協働本部事業地域コーディネーターとして下記のと

おり選任します。

1 活動校 三沢市立 学校

2 期 間 年 月 日から 年 月 日

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24

*3 3

三沢市地域学校協働本部事業

地域コーディネーター承諾書

私は、下記事項を了承し、三沢市地域学校協働本部事業地域コーデ

ィネーターとなることを承諾します。

1 期 間 年4月1日~ 年3月31日

2 活 動 校 三沢市立 学校

3 謝 礼 1時間当たり 円

※支払金額から源泉徴収所得税10%及び源泉所得税の

税額の2.1%を復興特別所得税として差引きます。

※謝礼は活動実績に基づき、翌月以降に一月分をまとめ

て振り込みます。

年 月 日

三沢市教育委員会 教育長 殿

住 所

氏 名 ㊞

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25

*4

三沢市地域学校協働本部事業実施要綱

(目的)

第1条 この要綱は、三沢市教育委員会が、持続的な地域学校協働活動

を推進し、社会に開かれた教育課程の実現のため、学校・家庭・地域

が一体となり、地域ぐるみで学校を支える体制基盤として三沢市地域

学校協働本部事業(以下「事業」という。)の実施について必要な事項

を定める。

(定義)

第2条 この要綱において、「地域学校協働本部」とは、地域・学校・家

庭の求めに応じて、地域住民や企業、関係団体等が地域ボランティア

として学校や児童・生徒の教育活動を支援する取組及び協働活動を円

滑かつ効果的に推進する核となる地域コーディネーター及び統括コー

ディネーターの組織をいう。

2 「地域コーディネーター」とは、前項の取組を行うために、学校が

求める支援活動と地域の人材をつなぎ、学校・地域・家庭と連携し、

教育支援活動等の総合的な調整を行う者をいう。

3 「統括コーディネーター」とは、前項の取組を行う複数の地域コー

ディネーターとの連絡調整やネットワーク化の促進、活動研修及び地

域ボランティアの養成等を行う者をいう。

(事業の趣旨)

第3条 未来を担う子どもたちを健やかに育むために、学校・家庭及び

地域住民等がそれぞれの役割と責任を自覚し、地域のボランティアが

学校を支援する活動に参加できる仕組みづくりを市内の小学校及び中

学校において推進する。

これにより、教員が子供一人一人と向き合い、きめ細やかな指導を

することができる時間を確保していく。また、子供たちの社会性・自

主性・創造性等の豊かな人間性を涵養するとともに、保護者を含む地

域住民が子供の成長を支える教育環境を醸成する。

(地域学校協働本部)

第4条 円滑に事業を実施するための支援組織として「地域学校協働本

部」(以下「協働本部」という。)を三沢市教育委員会に置く。

2 協働本部の庶務は、三沢市教育委員会事務局生涯学習課において処

理する。

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(所掌事務)

第5条 協働本部は、次に掲げる事項を所掌する。

⑴ 地域学校協働活動に関するビジョンの明確化及び計画の策定に関

  すること。

⑵ 地域学校協働活動を推進するための体制整備に関すること。

⑶ 統括コーディネーター、学校地域コーディネーター等の配置及び

 その質を向上するための研修及びネットワーク化の促進に関するこ

 と。

⑷ 協働活動への地域住民等の参画の促進及び活動の質の向上のため

 の理解促進活動に関すること。

⑸ 前各号に掲げるもののほか、協働本部が必要と認めること。

(組織)

第6条 協働本部は、地域コーディネーター、統括コーディネーター 及

び協働本部の目的に賛同し協働活動を行うことができる者によ る17

名以内で組織する。

2 協働本部は、部会等の必要な組織を置くことができる。

(地域コーディネーター)

第7条 協働 学校協働活動の実施に当たり、地域コーディネーターを配

置する。

2 地域コーディネーターは 、学校と地域の現状を十分に理解し 、地域

学校協働活動の推進に熱意と識見を有する 者のうちから、学校長の推

薦により、教育長が選任し、委嘱する。

3 地域コーディネーターの任期は、1年とする。ただし、再任は妨げ

ない。

4 地域コーディネーター は、学校とボランティア間の調整等を行い、

学校の求めに応じた、学習支援、環境整備、見守り活動等 の支援活動

に必要な地域人材の確保、配置を行う。

5 地域コーディネーターの活動謝礼は、1時間当たり1,480円と

する。

6 地域コーディネーターの活動時間は、1校当たり年 80 時間の範囲

内とする。ただし、この範囲を超える活動が必要な場合で、教育長が

必要と認めるときは、この限りではない。

7 同条に掲げるもののほか、地域コーディネーターの配置等に係る事

項は、別途、三沢市地域学校協働本部事業地域コーディネーターに係

る事務処理要領により定める。

26

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2 統括コーディネーターは教育委員会内に配置し、教育長が委嘱する。

3 統括コーディネーターの任期は、1年とする。ただし、再任は妨げ

ない。

4 統括コーディネーターの職務は、次のとおりとする。

⑴ 複数の地域コーディネーターとの連絡調整及び地域コーディネー

 ター間の情報共有、ネットワーク形成に関すること。

⑵ 地域コーディネーター活動研修及び地域ボランティアの養成に関

 すること。

⑶ 地域学校協働活動の推進に関すること。

⑷ 活動に係るボランティア保険の加入に関すること。

⑸ 地域の人的・物的資源の活用や発掘に関すること。

⑹ 市の施策や関係部署との連携・協働に関すること。

(守秘義務)

第9条 本部員は、活動上知り得た個人情報等を適切に管理し、他に漏

らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(連絡会議)

第10条 協働本部の連絡会議は、年3回開催し、統括コーディネータ

ーが招集する。

(雑則)

第11条 この要綱に定めるもののほか、協働本部に関し必要な事項は、

教育長が定める。

附 則

この要綱は、 年4平成30 月1日から施行する。

(統括コーディネーター)

第8条 地域学校協働活動の実施に当たり 、統括コーディネーターを配

置する。

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28

*5

学校

※翌月18日までに生涯学習課まで提出してください。

活動日 曜日 活動内容 本人印 校長印

時間数 時間

時間数 時間

時間数 時間

時間数 時間

時間数 時間

時間数 時間

時間数 時間

 今月の総合コメント (取組内容や課題・要望等)

活動時間(24時間表記)

       ~

       ~

       ~

       ~

       ~

       ~

活動時間合計 時間

       ~

三沢市地域学校協働本部事業

地域コーディネーター活動報告(   月分)

学   校   名

コーディネーター氏名

5

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29

6

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30

7

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学校支援ボランティア依頼書

依頼事項

活動場所

学年

年 組

担当

先生

月日

月 日 ( 曜日)

時間

校時 時 分 ~ 時 分

引 率 名

お手伝い 名

指 導 者 名

講 師 名

その他( )

提出先:担当→教頭先生→学校支援地域本部

8

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ボランティア連絡書

3-2 ○○ ○○子 様

5年 玉止め・玉結び

下記のとおり、決まりましたので当日よろしくお願いします。

平成30年7月2日(月)

3・4校時 10:25~11:55

5-1・5-2

3校時 5-1 4校時 5-2

● 各グループに1名ずつ付き、玉結び・玉止めの

作業の補助をお願いします。

3-2 ○○ ○○子

4-1 ○○ ○○恵

横山町 ○○ ○○子

〃 ○○ ○○

山の手 ○○ ○○子

・当日は10時15分までに5-1教室前に

お集まりください。

・当日ご都合が悪くなった場合は、学校または工藤まで

ご連絡ください。

学校支援地域本部 〇〇 ℡090-

様式99

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地域学校協働活動の参考資料(文部科学省) http://manabi-mirai.mext.go.jp/kyodo/3613.html コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)について(文部科学省) http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/ 国立教育政策研究所 社会教育実践研究センター http://www.nier.go.jp/jissen/chosa/houkokusyo1-28.htm みやぎの協働教育(宮城県教育委員会) https://www.pref.miyagi.jp/site/kyodo/ 【参考・引用文献】

地域学校協働活動ハンドブック 文部科学省 平成29年度地域学校協働活動事例集 文部科学省 地域学校協働活動推進員の委嘱のための参考手引き 文部科学省 地域学校協働活動推進のための地域コーディネーターと 地域連携担当教職員の育成研修ハンドブック 国立教育政策研究所 地域と学校をつなぐコーディネーター応援 BOOK NPO 法人まなびのたねネットワーク

はじめよう!「地域学校協働活動」 宮城県教育委員会

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◆本書は地域学校協働活動ハンドブック作成委員会の意見を踏まえて作成されたものです。

地域学校協働活動ハンドブック作成委員会

会 長 弘前大学生涯学習教育研究センター 講師 深作 拓郎

副会長 三沢市立古間木小学校 教頭 三上 菜穂子

八戸市教育委員会 教育指導課 副参事 日向端 聖

八戸市立小中野中学校 教頭 石澤 陽

今別町教育委員会 地域学校協働活動推進員 工藤 清子

鰺ヶ沢町教育委員会 地域学校協働活動推進員 渋谷 貴子

中泊町教育委員会 社会教育課 係長 成田 寿美

三沢市教育委員会 生涯学習課 係長 豊川 奈津子

(敬称略、順不同)

◆資料提供・協力

三沢市教育委員会

青森市浦町地区学校支援地域本部

今がその時!みんなでつくる

「地域学校協働活動」

~地域学校協働活動ハンドブック~

編集・発行

青森県教育庁生涯学習課

青森市長島一丁目1番1号

TEL 017-734-9890

平成31年3月発行