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教養実験 Qualitative analysis of metal ions 2012/9/26

教養実験 Qualitative analysis of metal ionsspec/metalanalysis1.pdf1. 直径2 cmのシャーレにAg+試料溶液を1滴滴下した。 2. これに3M HCl溶液を1滴滴下し、スパチュラでかき混ぜた。

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教養実験 Qualitative analysis of metal ions

2012/9/26

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1. 直径2 cmのシャーレにAg+試料溶液を1滴滴下した。

2. これに3M HCl溶液を1滴滴下し、スパチュラでかき混ぜた。

Ag+ + HCl → AgCl(s) 白色沈殿

3. 上澄み液をキムワイプでふき取り、残った沈殿に3Mアンモニア水を

10滴加えたところ、沈殿が溶解し無色透明の溶液となった。

AgCl + NH3 → Ag NH3 2+(無色透明な溶液)

①分属試薬によるAg+の分類

AgCl(s) 白色沈殿 Ag NH3 2+(無色透明な溶液)

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1. 10 mLビーカーに水道水を入れ、ホットプレートで80℃に温めて 湯浴の準備をした。 2. マイクロチューブにPb2+試料溶液を1滴加えた

3. 3M HClを1滴加え、よく混合させた

Pb2+ + HCl → PbCl2(s)(白色沈殿)

4. 沈殿が生成したらイオン交換水を1.0 mL加えてマイクロチューブを

湯浴中で加熱した

加熱溶解

  PbCl2    → Pb2+(無色透明の溶液)

5. 沈殿が溶解したら 0.1M K2CrO4を1滴加え、沈殿の有無と

溶液の様子を観察した

Pb2+ + K2CrO4 → PbCrO4(黄色沈殿)

②分属試薬によるPb𝟐+の分類

PbCl2(s)(白色沈殿) Pb2+(無色透明の溶液) PbCrO4(黄色沈殿)

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1. シャーレにAl3+、Fe3+、Mn2+、Zn2+ の試料溶液をそれぞれ1滴ずつ取った

なお、 Ni2+は様子を観察しやすくするために2滴取った。

2. これに、3Mアンモニア水を下記に示す量だけ加えた。

Al3+ + 3OH− NH3 2滴 → Al OH 3(白色沈殿)

Fe3+ + 3OH− NH31滴 → Fe OH 3(褐色溶液と赤褐色沈殿)

Mn2+ + 2OH− NH31滴 → Mn OH 2(褐色溶液と白色沈殿)

Ni2+ + 2OH− NH32滴 → Ni OH 2 緑色溶液と緑色沈殿 Zn2+ + 2OH− NH31滴 → Zn OH 2(白色沈殿)

3. 沈殿の生成と沈殿の色を観察した。

なお、ニッケルの場合は沈殿がすぐに生成せず、5分ほど静置したのち生成した。

4. なおMnイオンは空気中の酸素により以下の反応が自然に起こる。

4 Mn OH 2 + O2 → 4 MnO OH 褐色沈殿 + 2H2O

③分属試薬による3族金属の分類

Al OH 3 Fe OH 3 Mn OH 2 Zn OH 2 Ni OH 2 Mn OH 2

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3. 先ほどの溶液にさらに下記の量(過剰量)の3Mアンモニア水を加えた。(変化が見られないなら最大5滴まで、変化が見られた場合は変化が終わるまで(最大15滴)滴下する。)

Al OH 3 + NH3 , 4滴 → Al OH 3(白色沈殿)

Fe OH 3 + NH3 , 3滴    →   Fe OH 3(褐色溶液と赤褐色沈殿)

MnO OH 2 + NH3, 3滴 → MnO OH 2(褐色溶液と白色沈殿)

Ni OH 2 + NH3 , 10滴 → Ni NH3 62+ 青色透明溶液

Zn OH 2 + NH3, 3滴 → Zn NH3 42+(無色透明溶液)

4. 溶液の変化を観察した。

③分属試薬による3族金属の分類

Al OH 3 Fe OH 3 MnO OH 2 Ni NH3 62+ Zn NH3 4

2+

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1. シャーレにFe3+の試料溶液を2滴取った。

2. 別のシャーレにAl3+の試料溶液を2滴取った。

3. それぞれに6M NaOHを1滴ずつ加え、沈殿の生成と色を観察した。

Al3+ + 3OH− → Al OH 3(白色沈殿とゲル状沈殿)

Fe3+ + 3OH− → Fe OH 3(褐色溶液と赤褐色沈殿)

4. その後、さらに6M NaOHを過剰量(2滴)加えてスパチュラでよくかき混ぜ、

変化を観察した

Al OH 3 + OH− → Al OH 4−(無色透明な溶液)

Fe OH 3 + 3OH− → Fe OH 3(褐色溶液と赤褐色沈殿)

④分属試薬による𝐀𝐥𝟑+と𝐅𝐞𝟑+の分類

Al OH 3 Fe OH 3 Al OH 4−

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1. ④の実験後のAl3+の試料にリトマス試験紙で確認しながら3M HClを

一度白色沈殿が生じそれが再び溶解するまで(18滴)加え、溶液を塩酸酸性にした

Al OH 4− + HCl → Al3+(無色透明溶液)

2. 同じく、リトマス試験紙で確認しながら3Mアンモニア水をゆっくり20滴滴下して

中和した時の試料の変化を記録した

Al3+ + NH3 → Al OH 3(ゲル状沈殿)

第𝟑属、第4属の金属イオンにおける Al固有の呈色反応

Al OH 4−(無色透明溶液) Al3+(無色透明溶液) Al OH 3(ゲル状沈殿)

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1. シャーレにMn2+ 試料溶液を1滴取り、これに3Mアンモニア水を1滴加えた

溶液の様子を記録しておき、息を吹きかけて溶液と空気をよく触れさせた後

沈殿の色の変化を観察した。

Mn2+ + 2OH− → Mn OH 2(白色沈殿)

Mn OH 2 + 1/2O2 → MnO OH 2(褐色沈殿)

2. 別のシャーレにMn2+ 試料溶液を1滴とり、これに3MNH4Clを2滴加えた後、

これにアンモニア水を1滴加えて、手順1と同様によくかき混ぜて

沈殿が生成するかを確かめた。

⑤分属試薬によるMnの分類

Mn OH 2(白色沈殿) MnO OH 2(褐色沈殿) NH4Cl + Mn2+ + NH3

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1. ③の実験後の溶液をマイクロチューブに移し替え、 Mn2+の試料に3M H2SO4を

4滴加え、さらにconc.HNO3を4滴加えた。

2. ①で用いた湯浴にマイクロチューブを浸し、ビーカーにアルミホイルをかぶせて

2分間加熱した

3. 別の10 mLビーカーに氷浴の準備をし、これにマイクロチューブを浸した後

アルミホイルをかぶせてマイクロチューブを2分間冷却した

4. 氷浴しながらNaBiO3をスパチュラの1/10程度加えて過マンガン酸イオンを

呈色させた

(呈色後は手順3で用いた氷浴に浸し、アルミホイルをかぶせた)

MnO OH 2 + H2SO4 + HNO3 + NaBiO3 →   MnO4−

(褐色沈殿) (透明な赤紫溶液)

第3属、第4属の金属イオンにおける Mn固有の呈色反応

H2SO4、 HNO3、 NaBiO3添加後 MnO OH 2 10/15実験後 1分後

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1. ③の実験後のNi2+の試料に1%ジメチルグリオキシム溶液を1滴加え

色の変化を観察した

Ni NH3 62+ + ジメチルグリオキシム →     

第3属、第4属の金属イオンにおける 𝐍𝐢固有の呈色反応

Ni NH3 62+ +ジメチルグリオキシム

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1. の実験後のFe3+の試料に3M H2SO4を沈殿が解けるまで(5滴)滴下し、

スパチュラでよくかき混ぜながら加えた

Fe OH 3 + H2SO4 → Fe3+(黄色透明溶液)

2. この溶液に1M NH4SCNを1滴加えた時の色の変化を観察した

Fe3+ + NH4SCN → Fe SCN 63−(血赤色溶液)

第3属、第4属の金属イオンにおける Fe固有の呈色反応

Fe3+(黄色透明溶液) Fe SCN 63−(血赤色溶液)