19
新規導入に向けて: SD-WAN のロードマップ

新規導入に向けて: SD-WAN のロードマップ€Ž2016 IDC Worldwide SD-WAN Survey』によると、人 事アプリケーションからコラボレーション サービス、セール

Embed Size (px)

Citation preview

新規導入に向けて: SD-WAN のロードマップ

俊敏な業務の遂行を求める市場からの

プレッシャーの強まりを受け、大企業も中

小企業も定期的なイノベーションと適応

を余儀なくされています。適切なテクノロ

ジの選択は、ビジネスを成功させるうえ

で重要な役割を担うようになるでしょう。

企業はその規模にかかわらず、プロセス

やソリューション、サプライヤをより厳しい

視点で選択するようになっています。

目次

『2016 IDC Worldwide SD-WAN Survey』によると、人

事アプリケーションからコラボレーション サービス、セール

ス ツール、マーケティング クラウド サービスに至るまで、

エンタープライズ向けアプリケーションの約半数は現在、

インターネットでアクセスされています。クラウド サービス

へのアクセスは本社から行われていますが、支店からの

アクセス数も増加し続けています。IT マネージャーにとっ

て、最適化されていないトラフィックはビジネス上の成果と

ユーザー エクスペリエンスが悪いことを意味します。

なぜでしょうか。図 1 は、複数のクラウドからサービスを取

得している支店間のトラフィック ルーティングの現状を示し

たものです。このシナリオでは、支店のユーザーからのア

クセスは非効率です。

3

エンタープライズ WAN が現在直面する課題

WAN の技術には紆余曲

折があり、長きにわたって

MPLS IP VPN が事実上

の標準でした。

しかし、WAN の基準は今や、SD-WAN(Software-Defined WAN)により破壊されようとしています。

WAN コンシューマーを待ち構える課題と可能性は、

2 つのトレンドから読み取ることができます。

トレンド 1:クラウドの急増が持続

図 1.SD-WAN を使用しない場合のトラフィック フロー

影響:

コストの増加

宛先にかかわらずすべてのトラフィックに MPLS 帯域幅

を使用しており、ビットあたりのコストが増加します。下記

のように、帯域の利用率は 3 倍になり得ます。

• 支店からの出口点(MPLS)

• 本社への入口点(MPLS)

• 本社からの出口点(インターネット)

パフォーマンスの低下

遅延の影響を受けやすい動画のようなトラフィックの場合、

このパターンではエンドツーエンドで遅延が増加します。

支店がサンフランシスコ、本社がニューヨーク、クラウド

サービスがシアトルにあるとします。この場合、エンドツー

エンドのトラフィックは米国の端から端を 2 度横断するこ

とになります。

収益実現までの期間の長期化

新しい支店には新しい MPLS 回線が必要で、それには

30~45 日かかる場合があります。つまり、新しい拠点を

開設するとビジネスの効率性が低下するということです。

ルーティングを最適化するためのビジネス ポリシーによっ

てソフトウェアを中心にした提供モデルを実現し、それを通

じて提供される SD-WAN サービスを活用すれば、このよ

うな問題に対処できます。IDC によると、約70% の支店

は既にWAN 接続を 2~3 本備えており、その一部はイン

ターネット接続で、多くの支店が SD-WAN のメリットを享

受できる環境にあります。図 2 は、新しいトラフィック フ

ローを示しています。

このケースでは、企業にとってのメリットはビジネス ポリ

シーを使用することにより、セキュアなインターネット ベー

スのルーティングでトラフィックをクラウドに直接送信できる

という点です。 その結果、インターネット帯域幅の使用に

よるコストの削減、宛先への直接的なルーティングによる

パフォーマンスの向上、セルフケア ポータルを使用した管

理の簡素化による新しい支店開設の迅速化が可能です。

4

図 2.SD-WAN を使用した場合のトラフィック フロー

エンタープライズ環境のトラフィック パターンを分析すると、必

要な帯域幅が限度なく増加し続けていることがわかります。そ

の原因は、ワークフローがクラウドにシフトしたこと(バックアッ

プ、サービスなど)、さまざまな目的に動画を使用していること

(コラボレーション、教育など)、人員配置の分散化が進んでいる

ことです。こういったトレンドは、サービス品質保証契約(SLA)

の遵守を目的としたビジネス ポリシーにより生まれる、トラフィッ

クの可視化のニーズを高めています。図 3 は、MPLS 接続で

QoS(サービス品質)に対応している場合に、さまざまなタイプ

のトラフィックが帯域幅を求めて競合している様子を示していま

す。ある時点になると、帯域幅を増やすことしかソリューション

がなくなり、帯域幅に関する判断とビジネス ポリシーに基づくパ

スの選択が極めて重要になります。図 3.パスの競合

輻輳

すべてのトラフィックがパイプの混雑に遭遇します。QoS は

オーバーサブスクライブ リンクの解消に役立ちますが、ある時

点になると特定のアプリケーションが使用不能になるほどトラ

フィックが遅延します。

遅延

遅延には、データ パケットが指定されたポイントから別のポイン

トに到着するまでにかかる時間が反映されています。特にリア

ルタイムアプリケーションでは、輻輳がユーザー エクスペリエン

スに影響を与えます。たとえば、送信キューが遅延すると、ビデ

オ会議のようなアプリケーションのパケットが遅延許容時間を超

えてしまい、その結果、通話環境が悪化します。

帯域幅コスト

MPLS パスの帯域幅を増やすと、高コスト構造になります。ビ

ジネス ポリシーは、パスがセキュアである限り MPLS 接続を

すべてのトラフィックに義務付けません。

影響:

トレンド 1 を踏まえて構築したハイブリッド WAN モデル

は、ステアリングに対応したアプリケーション パフォーマン

スを使用したポリシーに基づいた、分析主導型の動的なパ

ス選択を実現します(図 4 を参照)。これにより、顧客にとっ

て最適なコスト モデルと俊敏性を提供できます。顧客は分

析を基にして、ビジネスの繁忙期にオーバーサブスクライブ

MPLS パスが原因でビジネスが中断していることを発見す

ることができます。ハイブリッド WAN にビジネス ポリシー

を適用すると、QoS ポリシーで優先度の高いトラフィックを

MPLS パスに送信し、優先度の低いトラフィックをコスト効

率のよいインターネット パスで安全に送信できます。このシ

ナリオでは、買収により本社を統合した場合に、非常に高

い効率性とスピードを実現できるというメリットもあります。

トレンド 2:トラフィック急増の結果

による帯域幅の接続

5

企業は、統合された SD-WAN/MPLS ソリューション

を活用することでベスト エクス

ペリエンスを実現し、最高のビ

ジネス上の成果を達成するこ

とができます。ハイブリッド

WAN のシナリオで、SD-WAN によってこれらの基本

要素に対処すると、他の基準

が浮かび上がってきます。

図 4.最適なパスの選択

高コストな接続と CPE

マネージド サービス用の CPE(加入者宅内機器)ソリュー

ションを導入する場合、統合されていない複数の専用機器

や OTT(Over-the-Top)サービスをスタッキングするの

ではなく、SD-WAN や他のマネージド サービス向けの拡

張可能なプラットフォームを活用することこそが、経済的に

最良の選択です。このアプローチは、複雑さを解消し、コス

ト効率を高めます。

古いプロバイダから新しいプロバイダへの移行

顧客側にダウンタイムを生じさせないためには、無停止の

導入が必要です。そのために最適なのが、サービスを拡

張できる俊敏なプラットフォームです。 プラットフォームに

は、サードパーティー製サービスやレガシー サービスとの

統合が求められます。

サービス提供のリード タイム

ソフトウェア提供プラットフォームでセルフケア ポータルを

活用すると、自動化をベースに構築された SD-WAN や

その他のマネージド サービスを迅速に提供できます。

リモート拠点への対応

支店が地理的に離れるグローバル展開を拡張的に支援

するには、到達範囲と規模が必要です。拡張可能なプラッ

トフォームで分散型モデルと集中型モデルを選択できれ

ば、新しいテリトリーや市場セグメントのニーズを適切に満

たすことができます。 スケールアウト展開では、IPsec 終

端などの一部の機能を一元化することが、運用上最も効

率的なモデルです。

セキュリティ、信頼性、バックアップ

これらは最も懸念される要素であり、サービス プロバイダ

が提供するマネージド サービスにおいてキャリアクラスの

要件であることが実証されています。

IDC が実施した SD-WAN のアンケート調査により、

SD-WAN 選択時に不可欠な考慮事項がさらに判明:

6

結論

SD-WAN に関しては、他のさまざまな要素も考慮したうえで決断

を下す必要があります。 各サービスがサイロごとに提供された場

合、顧客が実現しようとしているビジネス ソリューションのために

それらのサービスを調和させようとすると、複雑度が高まってしま

います。

最新のサービスを提供でき、将来のサービスに対応するよう構築さ

れているプラットフォームなら、最高のビジネス成果が得られるで

しょう。テクノロジを正しく選択すれば、求められている成果を適切

なコストで実現するビジネスの俊敏性を手に入れることができます。

7

どのプラットフォームであっても、ユーザー エクスペリエン

スと SD-WAN の配信が優れていることは必須です。ただ

し、ソリューション全体を企業に必要な他のワークフローと

統合することも求められます。市場でひしめき合っている既

存の SD-WAN 専用ソリューションに関する一般的な疑問

として浮かび上がってくるのは、どのアプローチが成功する

かということです。成功を描き出すために最も重要なのは、

数少ない重要な原則に注目すること、すなわち顧客側の課

題とともに、サービス プロバイダの課題にも対処するという

ことです。

ジュニパーが何よりも重視するのは、優れた SD-WAN エ

クスペリエンスを提供できることだけではなく、市場の絶え

間ない変化に意味のあるソリューションを適応、提供できる

ような、オープンで俊敏性が高く、ソフトウェア主導型の原則

に基づいて構築されたプラットフォームによって、サービス

プロバイダに成功をもたらすことです。 サービス プロバイダ

は、ジュニパーのアプローチによって、SD-WAN を使用し

た多様な技術的アプローチと GTM(市場投入)アプローチ

を柔軟に選択できます。次のオプションで示す原則に基づ

いてサービスを提供することで、差別化を実現できます。

図 5.SD-WAN と MPLS の統合

ジュニパーネットワークスのサー

ビス プロバイダ向けアプローチ

企業の要件は絶えず変化し

ています。そして、ニーズを

満たすためにサービス プロ

バイダに課せられる課題は

厳しさを増しています。

オプション 1:

SD-WAN 専用のソリューション

ソフトウェアによる(Software-Defined)配信プラットフォー

ムを使用した SD-WAN サービスは、顧客のビジネス要件

の実現に最適なばかりでなく、既存の MPLS サービスや運

用モデルとも統合できます。このアプローチは地域外の市場

で OTT SD-WAN サービスを提供する場合に使用できま

す。ただし、ポートフォリオ内に、成長のためのオプションが

必要です。図 5 は、SD-WAN ソリューションの MPLS によ

るオーケストレーションと拡大を示しています。

8

ハイブリッド WAN

ハイブリッド WAN サービスは、最高のアプリケーション エク

スペリエンスを提供しつつ、同時にアプリケーション ルーティン

グのビジネス ポリシーをサポートし、ネットワーク リソースを最

も効果的に活用するための「必須要素」です。 ソリューションを

既存の MPLS サービスと統合すれば、業務の中断を最小限

に抑えることができます。

エンド ユーザー エクスペリエンス

の向上

オンデマンドのセルフケア ポータルを使用しながら発注を簡

単にし、受注処理を自動化して対応することで、エンド ユー

ザー エクスペリエンスの向上を推進します。 技術スタッフで

はない顧客でも、機器のプラグアンドプレイと ZTP(ゼロ タッ

チ プロビジョニング)による設定だけで設置が可能です。完全

に自動化されているため、迅速かつシンプルに新規オフィスを

完全稼働できます。

ジュニパーの SD-WAN ソリューションの原則は、次の基本

概念に基づいています。

柔軟性

顧客がビジネスに最適な導入モデルを実現するためにポリ

シーを調整できるよう、柔軟性を組み込む必要があります。

SD-WAN は、加入者宅内では主として分散型アプリケーショ

ンです。ただし、他の集中型サービスとリンクさせることを目的

とした、Telco クラウドへの一元化の要件とアドオン サービス

チェーンの要件を満たすシナリオも可能です。

セキュリティ

セキュリティはエクスペリエンス全体に及ぶソリューションの

心臓部です。総合的なアプローチであるべきで、後から付け

足すものではありません。インターネット パスを通過するもの

すべてについて、データをエンドツーエンドで暗号化します。

発注と受注処理も、運用も、プラットフォームも、 すべてがセ

キュアです。

運用の効率化運用の効率化は、エクスペリエンスを既存の業務と統合し、詳

細な分析を実行し、ネットワークの状態やアプリケーション エ

クスペリエンスの変化に応じて、エクスペリエンスを改善する

上で不可欠です。サービス ライフ サイクル全体を自動化し、

TCO を削減するとともに収益実現までの期間を短縮します。

パフォーマンスと拡張性パフォーマンスと拡張性は、サービス プロバイダのサービス

にとって重要であり、SD-WAN も例外ではありません。多様

なプラットフォームをクラウドで世界中に拡張、あるいはオンプ

レミスに導入し、プロバイダ独自の付加価値によってアプリ

ケーション配信を向上させて、パフォーマンスの適応性を維持

したままエンタープライズ ワークフローの数を増やします。さ

らに、SD-WAN パスを使用したセキュア IPsec トンネル終端

は、終端を一元化したアーキテクチャをサポートします。この

ため、世界規模のスケールアウト パフォーマンスが、複雑な

フル メッシュ IP VPN よりも はるかに優れています。

9

IDC のアンケート調査により、WAN サービスの 50% がセキュリティ、WAN 最適化、マネージド サービスのそ

の他の要素のような付加価値サービスによってフォロー

されたり、バンドルされたりしていることが判明しました。

サービス プロバイダは、ハイブリッド WAN サービスに

ルーティングとセキュリティのサービスを組み合わせて

提供することで、粘り強く、ビジネスとの関連性が高いも

のにしています。図 6 は、第 1 段階で提供した

SD-WAN サービスと同じプラットフォームについて、

柔軟な提供モデル(集中型モデルまたは分散型モデル、

あるいはその両方)を使用してルーティング サービスと

セキュリティ サービスを追加し、サービス チェーンを形

成する方法を示しています。

図 6.ルーティング サービスとセキュリティ サービスの統合

1 SD-WAN ソリューションのアプリケーション トラッキング

分析を利用しながらこのデータを活用すると、他の分野の顧客

により良いサービスを提供できます。

2 ネットワークの状態が変化するということは絶対的な事実

です。データを使用しながら状態に合わせれば、アプリケーショ

ン エクスペリエンスの向上が可能です。たとえば、ネットワーク

の状態が原因でインターネットが SLA を満たしていないことが

アプリケーションのステータスからわかる場合、ハイブリッド

WAN では現在はあまり利用されていない QoS 対応 MPLS

パスにトラフィックを移動し、適切な QoS を適用できます。

3 セキュリティには適応と進化が要求されます。同じ俊敏な

サービス提供プラットフォームを使用していれば、同じ

SD-WAN の顧客が適切なセキュリティ モデルで

オプション 2: SD-WAN と統合型のルーティングやセキュリティ

考慮事項:

次世代ファイアウォール、IPS(侵入防御システム)、IDS (侵入検出サービス)、コンテンツ フィルター、UTM(統合脅

威管理)のレイヤーを作成できます。これらのセキュリティ

サービスのアーキテクチャは同じなので、脅威の進化に伴

いオン デマンドで展開が可能です。ポリシーは、GeoIP や

カスタム フィードを使用してリアル タイムに更新できます。

顧客とオペレーターは、複数の拠点を同じ画面から監視で

きます。

4 統合セキュリティは、アプリケーションとビジネスの最

も包括的なセキュリティ機能を実現します。統合型プラット

フォームを使用すれば、特定の拠点のさまざまなアプリケー

ションのセキュリティ ポリシーをきめ細かく制御できます。

10

Sky

ATP

OSS / BSS

ROUTING

vSRX

 

vMX  

SECURITY

vSRX

 

IP T

able

THIRD PARTY PNF MANAGEMENT

PNF

Plug

ins

Cis

co 1

000v

THIN CLIENTS

WAN OPTIMIZATION

TBA

TBA

Plug

ins

for

Oth

er

3rd P

arty

Pl

ugin

s

WIRELESS

オプション 3:

包括的なマネージド サービス カタロ

グ内のアプリケーションとしての

SD-WAN

SD-WAN は、市場を席巻している比較的新しいサービス

です。しかし、広い視野から見た SD-WAN は、マネージ

ド サービスの形態のひとつに過ぎません。将来、どのよう

な新サービスが登場し、どのような追加サービスを顧客が

求めるのでしょうか。商機をとらえ、関連性を維持するので

あれば、統合化されていないアプローチを選択すべきでは

ありません。オープンで俊敏性の高いプラットフォームを使

用したサービス プロバイダは、将来の要件に対する「リス

ク緩和」の術を手に入れることができます。

図 7.オープンな統合

図 7 は、市場や顧客の転換点として登場した VNF(仮想

化ネットワーク機能)、クライアント、OSS/BSS(運用/ビジ

ネス サポート システム)との統合が可能な領域を示して

います。別のセキュリティ ソリューションが必要でも、別の

サービス(無線、最適化、その他)が必要でも、新しいクラ

イアントが必要でも、問題ありません。プラットフォームが

オープンかつ標準準拠であれば、テクノロジの進化を可能

にし、サービスのライフ サイクル管理を運用で調整できま

す。そのうえ、サービス プロバイダは顧客のために最高の

ビジネスの成果を達成できます。

11

Cloud CPE は Juniper Networks® Contrail 製品スイー

トに組み込まれており、モジュラー型の管理やオーケスト

レーション ソフトウェア スタックによる拡張に対応します。

サービスの作成を簡素化し、サービス提供を自動化します。

Cloud CPE では、サービス プロバイダが機能をクラウド

で一元的にホストでき、また、ジュニパーネットワークス

NFX250 ネットワーク サービス プラットフォームで機能を

分散させることもでき、コストの削減と高度にカスタマイズ

されたユーザー エクスペリエンスが実現します。

ジュニパーネットワークスのソリューションは、収益力の高

い新しいアプリケーションをアップセルするための基盤を

構築するものです。

Cloud CPE はオープン フレームワークであるため、ベン

ダー ロックインを回避でき、標準準拠のプロトコルやオープ

ンなデータ モデルが使用され、API によるサードパーティー

製品との統合が可能です。モジュラー型の拡張可能なフ

レームワークは、サードパーティー製 VNF と統合してサー

ビスを簡単に追加できるとともに、OSS/BSS によるビジネ

ス ロジックすべてのオーケストレーションも実現します。

Cloud CPE:SD-WAN およびマネージド サービ

スを提供するためのジュニパー製プラットフォーム

Cloud CPE は、SD-WAN やセキュリティのような

仮想化マネージド サービスを、ソフトウェア主導で

提供するオープンなプラットフォーム向けのジュニ

パーのソリューションです。

NFV リファレンス アーキテクチャ:

ジュニパーネットワークス SD-WAN ビルディング ブロック

SD-WAN とジュニパーの Cloud CPE を提供する上で重要なビルディング ブロックは、標準準拠の基盤を

使用しながら、ETSI の NFV リファレンス アーキテクチャに合わせて調整されています。

図 8.ジュニパーネットワークス SD-WAN ビルディング ブロック12

Contrail Service Orchestration

ジュニパーネットワークスの Contrail Service

Orchestration は、オープン フレームワークに構築され

た仮想化ネットワーク サービスを提供するための包括的な

管理・オーケストレーション プラットフォームです。

ネットワーク サービス デザイナー

製品マネージャーは、ジュニパー製 VNF およびサード

パーティー製 VNF から SD-WAN や他のマネージド

サービスのサービス カタログを作成できます。

ネットワーク サービス コントローラー

この機能が NFX250 プラットフォームのゼロ タッチ プロビ

ジョニングを提供するため、初回の設定以降、詳細な運用

管理とデバイス管理が可能です。

ネットワーク サービス オーケストレーター

VNF ライフ サイクル全体にわたるサービスの提供と管理

を容易にするとともに、各種導入モデルの利用も円滑にし

ます。

これらの機能を運用管理ポータルと組み合わせながら監

視とトラブルシューティングを簡単にすることで、サービス

の正常稼働を確保し、サービス停止を回避します。顧客が

自分で SD-WAN サービスを自由に選択し、カスタマイズ

できるように、顧客ポータルにユーザー管理インターフェイ

スが提供されています。

SD-WAN vSRX または SRX シリーズ

ジュニパーネットワークス SRX シリーズ サービス ゲート

ウェイは、完全に動的なアプリケーション ベースのルー

ティング スタックも用意されており、伝送に依存しない

SD-WAN マネージド サービスを提供する基盤プラット

フォームです。SRX シリーズは、機能のカスタマイズとプ

ログラムが可能なため、業界で最も先進的かつ効率的な

セキュリティ製品となっています。SRX300 サービス ゲー

トウェイまたは仮想 SRX では、SD-WAN の配信を自由

に選択できます。SRX300 では、小規模なプラットフォー

ムを有効利用して SD-WAN とセキュリティを提供できる

と同時に、Cloud CPE 提供モデルを使用したすべての機

能のオーケストレーションも実現できます。VNF 提供モデ

ルに対応する仮想化プラットフォームへの移行を模索して

いるなら、vSRX は機能、価格、柔軟性のメリットを兼ね備

えた 理想的なソフトウェアです。

SRX シリーズでは SD-WAN の導入がさらに容易になり

ます。アプリケーション認識型 QoS は、DPI(ディープ パ

ケット インスペクション)、APPID、メタデータを利用したト

ラフィック優先度設定、マーキング、帯域幅の制限に対応

します。ユーザー アウェアネス レイヤーは Microsoft Active Directory と統合され、オーバーレイと IPsec は

アプリケーションおよびサブスクライバ認識型で、ポリシー

ベースのルーティングが可能です。

13

NFX250

NFX250 ネットワーク サービス プラットフォームはジュニ

パーを差別化しているユニークな製品であり、ルーター、

スイッチ、サーバーをオンプレミス デバイスに組み込んだ

プラットフォームです。トラフィックのポリシー実行とステア

リングなど、SD-WAN の必要な機能すべてを実行する上

で十分なパワーを備えています。従来の MPLS と他の接

続オプションを利用し、ワークロードを効果的に割り当てな

がら、エンタープライズ WAN 全体でリンクを効率的に使

用します。

ポリシーベースのフォワーディング機能が、企業で設定さ

れたビジネス ルールを適用し、事前定義済みのパスにア

プリケーショント ラフィックを誘導します。

これによりさまざまなタイプの CPE(加入者宅内機器)を

導入する際に、運用の複雑さを軽減し、多種多様な顧客

サービスのニーズを満たします。NFX250 を使用した

サービス プロバイダは、柔軟性と安全性が高く、ハイパ

フォーマンスなサービスをオンプレミスに導入できます。

顧客ソフトウェア レイヤーにより、サードパーティー製を含

む複数の VNF を管理できます。一方、プラットフォーム ソ

フトウェア レイヤーはイノベーション用のオープン プラット

フォームであるLinux OS/KVM ハイパーバイザ、ソフト

ウェア スイッチ、ネットワーク サービス アクティベータ ク

ライアントを搭載しています。

俊敏性

柔軟な導入モデル

ジュニパーの Cloud-CPE ソリューションには、オンプレミ

スへの分散、クラウドへの集中、分散と集中両方のモデル

を同時に実行するハイブリッドといった 3 種類の導入モデ

ルが用意されています。いずれの方式でも運用の一貫性

と堅牢性は維持されます。

SD-WAN の場合、分散型モデルの方が多くのアプリケー

ションを使用できます。アプリケーション ステアリングの中

には、Telco クラウドで集中型モデルを使用して、他の

VNF を素早く導入可能な基盤を構築できるものもありま

す。各種サービスを統合して包括的なソリューションを顧

客に提供できるハイブリッド モデルも可能です。

14

分散型モデル

分散型モデルの構成要素は、NFX250 ネットワーク サー

ビス プラットフォームおよび VNF 提供用のオープン プ

ラットフォームとして設計されたハイパフォーマンスなソフト

ウェア主導型 CPE です。NFX250 はゼロ タッチ プロビ

ジョニングにより運用の複雑さを解消し、サービスの導入

を自動化し、ほぼ瞬時にサービスを

提供します。NFX250 には境界セキュリティと仮想 IP

ルーティングに対応した vSRX 仮想ファイアウォールが組

み込まれており、常時オンのアプリケーション可用性をサ

ポートします。主なメリットは同じインフラストラクチャを使

用して管理できることで、収益実現までの期間の短縮、

サービスの柔軟性、ユーザー エクスペリエンスの向上を

実現できます。

集中型モデル

集中型モデルは、オンプレミス機器からネットワーク サー

ビスを抽出し、Telco クラウドのサービス提供を自動化し

ます。新しいサービスは、顧客ポータルから発注するか、

既存 BSS によってオンデマンドでトリガーできます。

管理とオーケストレーションのレイヤーは

複雑な仮想ネットワーク サービス チェーンとライフ サイク

ル管理を実行します。その場合、VNF とサービス チェー

ンをネットワーク リソースで自動的にインスタンス化し、拡

張可能なマルチテナント サービスを提供しながら、規模の

経済と TCO の削減を最適な形で実現します。

図 9.SD-WAN 分散型モデル

図 10.SD-WAN 集中型モデル 15

ジュニパーの Cloud CPE は集中型と分散型の両方の導入

モデルを同時にサポートできるため、サービス プロバイダは

アプリケーションを一元的に導入でき、また、アプリケーション

を顧客のオフィスや支店に分散することもできます。アプリ

ケーションとネットワーク サービスは、ネットワークの状態また

はアプリケーションのポリシーとビジネス要件に基づいて動的

にプロビジョニングでき、今日の企業が求めている、プライ

ベート クラウドおよびパブリック クラウドにホストされたさまざ

まな環境に対応します。

図 11.SD-WAN ハイブリッド モデル

ハイブリッド モデル

16

ジュニパーネットワークスのサー

ビス プロバイダ向けアプローチ

現在のサービスのアセスメントから、ビジネス計画の作

成、市場投入までのステップが含まれます。ジュニパー

の段階的なプロセスでは、お客様を現状把握から顧客

が成功する上で必要なソリューションの発見へと導き、

お客様のチームにとってのビジネス チャンスと収益源

を探り当てます。

ジュニパーと共に、商業的利用が可能な

SD-WAN ソリューションの計画、構築、

運用を行いましょう。

ジュニパーネットワークスの

パートナーシップ アプローチ

は、SD-WAN 製品の実装に

おけるすべてのステップをサ

ポートします

ワークショップ: アイデアの検討

ジュニパーのサービス開発サポートは、良いアイデアと強力なビジ

ネス計画をつなげます。お客様と共同でサービス作成ワークショッ

プを実施し、ネットワーク、製品、DevOps の関係者をまとめ、お客

様が提供したいサービスを発見し、そのために必要なインフラストラ

クチャを構築することを目指します。次のような段階が含まれます。 • サービスの作成に関する助言ワ

ークショプ

• サービスの商機の見極め

• サービスのニーズ/ソリューション

の調整

アセスメント: スタックおよび目標

ジュニパーは、お客様の現在の機能、顧客ベース、ビジネス モデル

の徹底的なアセスメントを支援し、SD-WAN がお客様の組織のど

こに適しているかを把握できるようにします。次のようなプロフェッ

ショナルによるアセスメントで包括的な監査を実施し、商機の場所

を見つけ出します。 • Cloud CPE アセスメント

• NFV OSS アセスメント

• 投資対効果アセスメント

17

市場投入: 実行可能性と商業化

最後に、テクノロジのサポート、部門間のトレーニング、展開の支

援など、ジュニパーの市場投入サービスにより、お客様が作成した

ビジネス計画に命を吹き込みます。

• ジュニパーのインマーケット リ

ソースがサービスの展開を迅速化

• 資料作成およびセールス実現

ツール

• セールス チーム向けトレーニング

サンドボックス: テスト

概念実証と検証のフェーズに移ると、ジュニパーはお客様のソ

リューションを仮想的にレプリケートし、包括的なパフォーマンス

テストを実施し、実行可能性を立証します。このフェーズに含まれ

るものは次のとおりです。

• OpenLab を使用した技術的な概念

とプロセス構成のテスト

• VNF の互換性と相互運用性の検証

• 現場での低リスクな導入のトライアル

実装と市場価値提案のテスト

18

ジュニパーネットワークスは、SD-WAN を使用し

たビジネスの立ち上げ、始動、市場投入のすべて

の過程でお客様を支援します。また、お客様のビ

ジネスが、補完的で、より幅の広い Cloud CPE

によって、顧客企業にさらに深く関わろうとするな

ら、ジュニパーはその過程のすべてのステップで

支援を行います。

米国本社

Juniper Networks, Inc.

1133 Innovation Way

Sunnyvale, CA 94089 USA

電話番号:888.JUNIPER(888.586.4737)

または +1.408.745.2000

FAX:+1.408.745.2.100

www.juniper.net

Copyright 2017 Juniper Networks, Inc. All rights reserved.Juniper Networks、Juniper Networks ロゴ、Junos、QFabric

は、米国およびその他の国における Juniper Networks, Inc. の登録商標です。その他すべての商標、サービス マーク、登録商

標、登録サービス マークは、各所有者に所有権があります。ジュニパーネットワークスは、本資料の記載内容に誤りがあった場

合、一切責任を負いません。ジュニパーネットワークスは、本発行物を予告なく変更、修正、転載、または改訂する権利を有します。

アジアパシフィック、ヨーロッパ、中東、アフリカ

Juniper Networks International B.V.

Boeing Avenue 240

1119 PZ Schiphol-Rijk

Amsterdam, The Netherlands

電話番号:+31.0.207.125.700

FAX:+31.0.207.125.701

7400047-001-JP 2017 年 2 月