1.1 蒸気の性質

・等圧状態でのシリンダー内の水の加熱を考える。

状態 B の水：飽和水(液)　(saturated water)

純粋物質の液体では、その時の圧力によって飽和温度は定まる。これを飽和温度(saturated

temperature), ts と呼ぶ。

その時の圧力：飽和圧力(saturated pressure), ps

点 B に達するまでの水(状態 A)を圧縮水(compressed water) または、サブクール水(subcooled

water)と呼ぶ。

B-D の領域：　蒸発が生じ、寄贈と液層が共存する。そのため、二相領域ともいう。

気相：乾き飽和蒸気　　　　飽和蒸気、または、湿り飽和蒸気

液相：飽和水　　　　　　　　(wet saturated vapor)

そのほか

　高クオリティ領域(high quality region):水に比べて蒸気の多い領域

　低クオリティ領域(low quality region):水に蒸気がいくらか含まれる領域

　ボイド領域(void region):気泡が混在している領域

状態 D のときの水：乾き飽和蒸気(dry saturated vapor)

状態 E のときの水：過熱蒸気(superheated vapor)

過熱蒸気の温度 T,　その圧力に対する飽和温度 T"の差：T-T"を過熱度(degree of superheat)と呼

ぶ。

}

2.2 p-v 線図と臨界点

p-v-T の 3 次元空間座標で表される局面：蒸気の状態局面、または p-v-T 面という

水の三重点の温度：0.0100℃　(273.16K) ……内部エネルギ、エントロピーの地は、この

点でゼロとする。

臨界点(Critical Point) { 水の場合　　pc=22.12.Mpa

tc=374.15℃、 vc=0.00317 m3/kg

区間 b-d : 「等温線=等圧線」

pc: 臨界圧力、tc:臨界温度、vc: 臨界比容積

◎臨界点では液体から気体に直接

変わる。臨界点は等圧線の変曲点と

なっている。

飽和水(液)線(saturated water line)

飽和蒸気線(saturated vapor line)