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平成 29 年度 東京都環境局 「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業 Web 活用及び処理業者連携の促進による 事業系廃棄物処理の効率化事業 平成 30 年 2 月 エコスタッフ・ジャパン株式会社

平成 Web 活用及び処理業者連携の促進による 事業 …...平成29年度 東京都環境局 「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業 Web 活用及び処理業者連携の促進による

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平成 29年度 東京都環境局 「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業

Web活用及び処理業者連携の促進による

事業系廃棄物処理の効率化事業

報 告 書

平成 30年 2月

エコスタッフ・ジャパン株式会社

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要 旨

本事業では排出事業者及び廃棄物処理・リサイクル事業者が抱える課題を解決するために、ワ

ンストップ型の事業ごみ受付センターを試験的に構築・運用した。約 1ヶ月間の実施で約 5,000

人がサイトを訪問し、コンバージョン率(廃棄依頼件数/Webサイト訪問者数)は 0.73%であ

った。千三つ(3/1,000)と言われるWeb広告の世界では 7/1,000の値は妥当なものと考える。

Webサイトへのアクセス状況の解析結果に基づき、Webサイトの構造改善やスマートフォン対

応など、今後の課題を明らかにした。これらを解決しサイトを継続させれば一定の廃棄依頼件数

は確保できるものと予想する。

事業ごみ受付センターを運用する際に必要となる廃棄物処理・リサイクル事業者側の体制整備

を進めた。当初計画の約 2倍となる 19社の参加を得て、対応可能な廃棄物は有害廃棄物や廃油

類、小型家電リサイクルの専門会社など多領域をカバーすることができ、収集運搬から処分に至

るまでの体制整備の基礎段階は完了した。この中で、特に有害・危険性廃棄物については現状を

調査・分析し、対象物、情報伝達、引き渡し手段、廃棄費用の 4 点から今後のあるべき方向を

整理した。

廃棄物処理委託時の事務手続きの効率化の観点から契約とマニフェストに関する一連の手続

を電子化した。件数は少なかったものの事務作業の軽減に有効であった。

複数の企業が連携することにより合理的・経済的な配車運用が可能になることから、粗大ごみを

例にして、従来の一社で収集する場合と、複数社が連携して収集する場合の必要車両台数、走行距

離・時間、二酸化炭素排出量をシミュレーションで算出・比較した。その結果、いずれの指標もお

おむね半減する効果を得た。

今後は、上記を踏まえて社会実装の段階に進めていきたい。共同事業者である東京都を筆頭に、

今回参画していただいた各社、また指導官庁や担当行政のご指導とご支援を引き続き賜りたい。

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目 次

1. はじめに ....................................................................................................... 1

1.1 背景と課題 ................................................................................................ 1

1.2 課題解決の方向性と手段 ............................................................................... 2

1.3 Web活用及び処理業者連携の促進による事業系廃棄物処理の効率化事業 .................. 4

1.4 本事業の位置付けと将来像 ............................................................................ 4

2. 本事業の実施スキーム ...................................................................................... 6

2.1 対象地域の絞り込み(東京 23区での実施) ..................................................... 6

2.2 実施内容 ................................................................................................... 9

2.3 実施体制、実施スケジュール ......................................................................... 9

3. ワンストップ型の事業ごみ受付センターの試験的運用 ............................................ 12

3.1 呼称と運営期間 ........................................................................................ 12

3.2 事業ごみ受付センターの構造と機能 .............................................................. 12

3.2.1 事業ごみ受付センターの構造 ................................................................. 14

3.2.2 事業ごみ受付センターの業務フロー ......................................................... 16

3.2.3 事業ごみ受付センターの設計・運営上のポイント ....................................... 17

3.3 広報活動と SO対策 ................................................................................... 23

3.3.1 広報活動 ........................................................................................... 23

3.3.2 リスティング広告の活用 ....................................................................... 28

3.4 事業ごみ受付センターの運用と結果の分析 ...................................................... 30

3.4.1 アクセスの結果 .................................................................................. 30

3.4.2 受け付けた廃棄物................................................................................ 31

3.4.3 用意した配車枠との比較 ....................................................................... 31

3.4.4 収集実務での運用ルール ....................................................................... 32

3.4.5 収集時におけるドライバーの所見 ........................................................... 32

3.4.6 今後の課題と対策................................................................................ 34

4.廃棄物処理・リサイクル事業者側の体制整備 ......................................................... 37

4.1 専門性を有する廃棄物処理会社群のネットワーク構築活動 ................................. 37

4.2 有害・危険性廃棄物を受付する仕組みづくり ................................................... 39

4.2.1 本事業における有害・危険性廃棄物の取組 ................................................ 39

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4.2.2 有害・危険性廃棄物で考慮すべき点 ......................................................... 40

4.3 排出事業者のニーズへの対応 ....................................................................... 41

4.4 監査、専門教育 ........................................................................................ 41

5. 多数社連携による配車効果の解析 ...................................................................... 42

5.1 事業ごみ受付センターで実際に配車した結果と効果推定のシミュレーション .................... 42

5.2 東京 23区連携効果の予想シミュレーション ................................................... 46

5.2.1 複数収集(49件) .............................................................................. 46

5.2.2 専用便(単独配車:25件) ................................................................... 47

5.3 シミュレーション解析のまとめと課題 ........................................................... 49

6. 意見交換会 .................................................................................................. 50

7. まとめ ....................................................................................................... 52

資 料 ............................................................................................................ 53

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1. はじめに

1.1 背景と課題

“持続可能な都市東京”を目指す東京都は、2016年 3月に「東京都資源循環・廃棄物処理計画

~Sustainable Design TOKYO~」を策定した。このなかで“2030 年に向けて東京の資源循環・

廃棄物処理が目指す姿”を示し、以下に示す 5つの計画目標を掲げた。

資源ロスの削減

「持続可能な調達」の普及

循環的利用の推進と最終処分量の削減

適正かつ効率的な処理の推進

災害廃棄物の処理体制

都内にはオフィス、商業施設、中小零細事業者の工場等が多数あり、大量の事業系廃棄物(事

業系一般廃棄物、産業廃棄物)が排出され、処理されている。事業系廃棄物は廃棄物処理法に則

って処理する必要があるのは言うまでもないが、それだけでなく、近年では環境への配慮も強く

求められるようになってきた。社内の体制が充実し、CSRにも積極的に取り組んでいる大規模

事業者ならともかく、中小規模事業者(10人以下で全事業者数の 74%を占める)にとっては、

適法に処理すること以上に更なる高みを目指すのは容易なことではない。一方で、廃棄物処理を

受託する処理業者側にも、排出事業者のニーズを十分に満たすだけのサービスを提供できている

とは言い難い現状がある。

そこで先ず、中小の排出事業者が抱える課題、処理事業者側の課題、事務処理上の課題を整理

した。

排出事業者が抱える課題

1)排出事業者としての体制が不十分

中小規模の排出事業所では廃棄物処理を所管する専門部署や専門担当者をおいていないとこ

ろが多く、廃棄物処理の基本事項である委託契約書、マニフェスト、有害・危険廃棄物の管理に

ついての知識が十分とはいえない。

2)分別が不十分

中小事業所から排出される廃棄物は多種多様であり、かつ 1 回当りの排出量が比較的少ない

という特徴がある。加えて、廃棄物の保管場所が狭いという制約がある。このため、分別に手間

をかけにくく資源化も進んでいない。また、分別を細かくすると処理やリサイクルの委託先が増

え、結果として排出事業者が負担する廃棄物処理費用も上昇する傾向にある。

処理業者側の課題

3)排出事業者側のニーズを十分に満たせる廃棄物処理業者が不在

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事業者から排出される廃棄物は多種多様である。加えて、特に中小排出事業者には“様々な廃

棄物を手間をかけずに速やかに廃棄したい”というニーズがある。これを実現するには複数の廃

棄物処理業者に委託することが必要になるが、委託先である廃棄物処理業者の情報が不足してい

ることに加え、一括して受託できる廃棄物処理事業者もほとんどない。

事務処理上の課題

4)廃棄物処理に係る事務手続が非効率

廃棄物処理において委託契約の締結やマニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付は法令遵守上、

不可欠であるが、その事務手続きに手間と時間を要すというのが実態である。結果として、中小

の排出事業者の中にはマニフェスト等の管理が不適切な事例も散見される。

1.2 課題解決の方向性と手段

前述の課題を解決するためには、以下 2つの取組が必要であると考えた。

1)ワンストップで受け付ける仕組みの整備

排出事業者側の資源循環や適正処理に対するニーズを満たすには、排出事業者からの要望や相

談をワンストップで受け付ける窓口を構築する必要がある。また、廃棄物処理に係る一連の手続

を電子化し、手続の効率化及び合理化を図る必要がある。

2)処理業者側の体制整備

排出事業者のニーズに応えるためには、排出事業者に対して、まず、廃棄物処理・リサイクル事

業者が適切に助言できる能力を身につける必要がある。さらに、専門技術を有する廃棄物処理・リ

サイクル事業者をネットワーク化し、排出事業者の様々なニーズに的確に対応できる体制を整備す

る必要がある。以上を整理して表 1.1に示す。

表 1.1 課題解決の方向性と手段

本事業で解決する具体的課題

解決策

ワンストップ受付窓口の整

備 処理業者側の体制整備

排出事業者が

抱える課題

排出事業者としての体制

が不十分

分別が不十分

排出事業者からの要望や

相談をワンストップで受

け付ける窓口の構築

廃棄物処理・リサイクル

事業者側の専門知識・助

言の活用

処理業者側の

課題

排出事業者側のニーズを

十分に満たせる廃棄物処

理・リサイクル事業者が不

専門技術を有する廃棄物

処理・リサイクル事業者の

ネットワーク化

事務処理上の

課題

廃棄物処理における事務

手続きが非効率

廃棄物処理に係る一連の

手続の電子化 -

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1.3 Web活用及び処理業者連携の促進による事業系廃棄物処理の効率化事業

前述の課題解決の方向性と手段を実現するために、本事業においてはワンストップ型の Web

版廃棄物受付センター(以下「事業ごみ受付センター」という。)を試験的に構築すると同時に、

その収集運搬と処分を実行する廃棄物処理業者側の体制整備を進めた。本事業ごみ受付センター

は一般廃棄物の「粗大ごみ受付センター」の機能を事業ごみで実現するイメージである。両者を

比較して表 1.2に示す。

表 1.2 行政が運営する粗大ごみ受付センターとの機能の比較

事業ごみ受付センター

(H29年度事業)

粗大ごみ受付センター

(行政運営)

対象 民間企業・事業所 一般家庭

受付する

廃棄物

• 粗大ごみ

• 廃家電

• 機密書類

• 他

粗大ごみ

申込み方法 Web受付 Web受付

費用支払い 事前徴収

(宅配便代引制度の利用)

事前支払い

(粗大ごみ処理券取扱所)

契約等 電子契約

電子マニフェスト等

1.4 本事業の位置付けと将来像

廃棄物は(1)定期的に排出されるものと、(2)不定期に排出される 2つのパターンがある。(1)

については、H28 年度の東京都モデル事業で白井グループ(株)が「環境負荷低減と経済性向

上のための ITを駆使した次世代型廃棄物資源物流網の構築」を実施し、定期収集の事業系一般

廃棄物及び産業廃棄物について、廃棄物処理・リサイクル事業者 3 社が連携して収集運搬する

仕組みを検証するとともに、その効果を定量化した。

(2)については、今年度事業において、不定期に排出される廃棄物の処理依頼を Web 経由で

受け付ける「事業ごみ受付センター」を試験的に構築し、廃棄物処理に必要な事務手続の合理化

と廃棄物処理・リサイクル事業者の体制整備などを行った。将来は、H28年度と H29年度の両

モデル事業の成果を踏まえて取り扱う廃棄物の種類や機能をさらに拡大し、連携社の数も増やし

ていく考えである。

H28年度並びに H29年度の本モデル事業、並びに将来像の関係を図 1.1に示す。

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図 1.1 H28年度並びに H29年度の本モデル事業、将来像の関係

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2. 本事業の実施スキーム

本事業においては、事業ごみ受付センターを試験的に構築・運用すると同時に、その受皿であ

る廃棄物処理業者側の体制整備を進めた。

2.1 対象地域の絞り込み(東京 23区での実施)

本事業の計画において、東京全域を対象にした実施が可能か否か清掃行政の体系を調査した。

東京 23区内の場合、平成 12年に清掃事業の主体が東京都から各区に移管され、現在は東京都

と特別区(各区、東京二十三区清掃協議会、東京二十三区清掃一部事務組合)の四者連携のもと

で清掃事業の広域処理が行われている。

これに対し、多摩地域では広域処理と市町村個々の単独処理が混在していた。具体的には、多

摩地域30市町村のうち3分の2にあたる22市3町1村が9つの一部事務組合を設置し、また、

25市1町で東京たま広域資源循環組合を構成して広域処理を行っている。表 2.1に多摩地域に

おける清掃事業の概況を整理して示す。

表 2.1 多摩地域における広域処理と単独処理状況

区分 一部事務組合 構成市町村

広域処理

多摩川衛生組合 稲城市、府中市、国立市、狛江市

ふじみ衛生組合 調布市、三鷹市

多摩ニュータウン環境組合 多摩市、八王子市、町田市

西多摩衛生組合 羽村市、青梅市、福生市、瑞穂町

小平・村山・大和衛生組合 小平市、武蔵村山市、東大和市

柳泉園組合 東久留米市、清瀬市、西東京市

西秋川衛生組合 あきる野市、日の出町、檜原村、奥多摩町

浅川清流環境組合

平成 32 年の稼働に向けて日野市、国分寺市、小

金井市 3市で準備中

単独処理

八王子市、武蔵野市、立川市、町田市、昭島市、東村山市、国分寺市、日野市

※八王子市及び町田市は、多摩ニュータウン地域から排出される一般廃棄物に関

しては多摩ニュータウン環境組合で処理を行っている。

東京たま広域資源循環組合 25市1町

表 2.1に示したように、東京 23区(特別区)と都下多摩地域では清掃事業の運用が異なって

いる。具体的には、地域毎に必要とされる一般廃棄物収集運搬業の許可や、自区内処理の原則を

背景とした廃棄物や資源物の越境移動の制限等が存在する。また、一部事務組合や市町村毎に、

これらエリアの許可を有する廃棄物処理・リサイクル事業者の集団も異なってくるため、廃棄物

処理・リサイクル事業者側の体制造りに調整が必要となる。

次に東京都内の事業所数及び従業者数を調査して表 2.2を得た。

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表 2.2 東京都内の事業所数及び従業者数

事業所 従業者

事業所数 構成比 従業者数(人) 構成比

23区(特別区) 526,748 79.5% 8,066,791 83.5%

八王子市 19,264 ― 231,984 ―

町田市 12,663 ― 143,349 ―

武蔵野市 7,995 ― 87,949 ―

府中市 7,862 ― 118,033 ―

立川市 7,794 ― 119,144 ―

調布市 6,890 ― 78,827 ―

西東京市 5,435 ― 52,016 ―

三鷹市 5,411 ― 61,109 ―

小平市 4,947 ― 62,094 ―

青梅市 4,791 ― 55,506 ―

日野市 4,604 ― 61,188 ―

多摩市 4,009 ― 65,632 ―

東村山市 3,986 ― 41,358 ―

昭島市 3,803 ― 51,066 ―

国分寺市 3,674 ― 37,146 ―

東久留米市 3,104 ― 30,758 ―

小金井市 3,027 ― 30,955 ―

国立市 2,804 ― 28,784 ―

東大和市 2,662 ― 24,973 ―

武蔵村山市 2,535 ― 27,242 ―

あきる野市 2,529 ― 24,907 ―

稲城市 2,228 ― 24,299 ―

福生市 2,179 ― 19,748 ―

狛江市 2,081 ― 16,838 ―

羽村市 2,058 ― 27,018 ―

清瀬市 1,944 ― 20,076 ―

西多摩郡奥多摩町 320 ― 2,415 ―

西多摩郡瑞穂町 1,674 ― 22,032 ―

西多摩郡日の出町 754 ― 9,674 ―

西多摩郡檜原村 160 ― 962 ―

多摩地域計 133,187 20.1% 1,577,082 16.3%

諸島部 2,425 0.4% 13,433 0.1%

総計 662,360 100.0% 9,657,306 100.0%

(H26年度経済センサス調査結果より作成)

このように、東京 23区は都内事業所の約 80%を占めているため、実施の優先順位は 23区と

なる。以上のことから、本事業において東京全域を対象に実施することは管理体制の整理・調整

に時間を要すため困難と判断し、23区に限定することとした。ただし、実務は行えないとして

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も将来的な社会実装を意図して 23区外の廃棄物処理・リサイクル事業者にも 29年度事業に参

加して頂いた。事業ごみ受付センターを社会実装する際は、これらを調整して実施地域や取り扱

う廃棄物の種類の、受付・対応方法の拡充を検討していく。

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2.2 実施内容

本事業の内容は、1)事業ごみ受付センターの試験的構築・運用と2)廃棄物処理業者側の体

制整備をめざし、さらにこのような実施体制を組んだ場合の、3)経営的な効果や環境負荷への

影響を定量化した。

1)については、Web サイトの構築、電子契約、電子マニフェストの運用を実施し、2)に

ついては、専門性を有する廃棄物処理会社とのネットワークを構築し、機能拡大に向けた検討(事

例として有害廃棄物を受け付ける仕組みづくり)を実施した。3)については複数の収運業者と

処分業者とが連携して配車を行い、必要台数を削減することで走行距離・時間・二酸化炭素排出

量に及ぼす効果をシミュレーションで定量化した。

2.3 実施体制、実施スケジュール

本事業は、以下の図 2.1 に示す実施体制及び役割分担と、表 2.3 に示す実施スケジュールで

実施した。また、本事業に参加いただいた廃棄物処理・リサイクル事業者 19社の保有許可や外

部認証を表 2.4に整理した。

図 2.1 H29年度事業の実施体制と役割分担

エコスタッフ・ジャパン㈱

[システム]• 受付センターの基本仕様設計、改善

[運営]• 事業ごみ受付センター運営• 廃棄物梱包資材の発送• 廃棄費用の徴収・支払い• 運営データの解析• 関係者への説明会開催• 関係者との各種調整

[広報活動]• 広報活動全般

白井グループ㈱

[システム]• 受付センターの基本仕様設計、改善

[運営]• 多数社連携による配車効果の解析• 関係者との各種調整

After Blue㈱

• 受付センターシステム詳細設計、構築、管理• 電子マニフェストASPシステムの運用管理

賛同会社(廃棄物処理・リサイクル事業者19社)

• 廃棄物の収集運搬及び処分• 廃棄物処理・リサイクルに関する相談先

賛同会社(SHIFFT㈱、日本環境設計㈱)

• その他の相談窓口

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表 2.3 H29年度事業の実施スケジュール

11月 12月 01月 02月

1)受付センターの整備 担当

シス

テム

受付センターの基本

仕様設計、改善

ESJ

白井 G

受付センターシステム詳

細設計、構築、管理

電子マニフェストASP

システムの運用管理

After Blue

運営 受付センターの運営 ESJ、白井G

廃棄物の収集・処分業

廃棄物処理・リサイ

クル会社 19社

運営データの解析 ESJ

多数社連携による配

車効果の解析 白井G

2)廃棄物処理業者側の体制整備

運営 関係者への説明会・報告

会 ESJ

関係者との各種調整 ESJ、白井G

3)広報

広報活動全般 ESJ

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一廃

14001

27001

有明興業株式会社 江東区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社市川環境エンジニアリング 千葉県 〇 〇 〇 〇 〇 〇

SBS即配サポート株式会社 江東区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社木下フレンド 埼玉県 〇 〇 〇 〇 〇 〇

品川運輸株式会社 品川区 〇 〇 〇 〇 〇 〇

白井エコセンター株式会社 足立区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社太陽油化 板橋区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社東亜オイル興業所 千葉県 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社中商 神奈川県 〇 〇 〇 〇

那須興産株式会社 板橋区 〇 〇 〇 〇 〇

日盛運輸株式会社 江戸川区 〇 〇 〇 〇 〇 〇

日本サニテイション株式会社 江東区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社ハチオウ 八王子市 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

比留間運送株式会社 武蔵村山市 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

有限会社フロンティア 足立区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

株式会社増渕商店 板橋区 〇 〇 〇 〇 〇 〇

ヨシヤコーポレーション株式会社 江戸川区 〇 〇 〇 〇 〇 〇

メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 江東区 〇 〇 〇 〇

株式会社リーテム 千代田区 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇

表2.4 廃棄物処理・リサイクル事業者19社の概要

(五十音順)

廃棄物処理・リサイクル会社 所在地

保有許可(東京都) 外部認証

産廃 東京都第三者評価 国:優良認定 ISO

EA21

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3. ワンストップ型の事業ごみ受付センターの試験的運用

事業ごみ受付センターの概要は以下のとおりである。

3.1 呼称と運営期間

呼称:事業ごみ受付センター

運営期間(期間限定)

・Web上での受付期間:平成 30年 1月 10 日~2月 2日

・廃棄物の収集期間: 平成 30年 1月 15日~2月 9日

3.2 事業ごみ受付センターの構造と機能

事業ごみ受付センターは、概念的には行政が運営する一般廃棄物の「粗大ごみ受付センター」

を参考にしたものである。業務の流れとしては、排出事業者が専用のWebサイトで廃棄物処理

を依頼し、依頼内容に応じた廃棄物処理・リサイクル事業者が収集運搬・処分を行うものである。

排出事業者のニーズに対応するために、以下の機能を実現することとした。

• Web上での 24時間自動受付

• 廃棄費用の定額制

• 電子契約の締結機能

• 廃棄物収集時の電子マニフェスト・電子伝票の運用

業務フローのイメージを図 3.1に示し、Webサイトのトップ画面を図 3.2に示す。

図 3.1 業務フローのイメージ

23区内排出事業者

豊島区 A社, B社

新宿区 A社, C社

渋谷区 B社, D社

・・・

A社

プラットフォーム 収集運搬、処分体制

B社

C社

Web版廃棄物受付センター

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図 3.2 事業ごみ受付センターWebサイト

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3.2.1 事業ごみ受付センターの構造

事業ごみ受付センターは、廃棄物処理・リサイクル事業者の連携や協業による廃棄物処理の効

率化をめざしている。その実現に際して、排出事業者が遵守すべき、廃棄物処理に関わる最低限

の基準を表 3.1に示す。(参加企業の選定基準は後述する)

表 3.1 産業廃棄物処理の委託に際し排出事業者に求められる基準

遵守項目 根拠法令

1)排出事業者責任 法第 3条第 1項

2)委託基準の遵守

委託廃棄物が業の許可範囲に含まれる業者への委託

収集運搬業者、処分業者それぞれとの直接契約

書面による契約

委託契約書の保存(契約終了後5年間)

特別管理産業廃棄物の委託に際して、当該廃棄物に係る情報

の文書での事前通知

法第 12条第 5項

3)産業廃棄物管理票の交付

産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付および確認

電子マニフェストの利用または紙マニフェストの交付

廃棄物が最終処分されるまでの流れにおける適正処理の確認

紙マニフェストを利用した場合は、マニフェストの保存(5

年間)およびマニフェスト交付状況に関する年次報告の実施

法第 12条の3

4)委託廃棄物の処理の状況に関する確認と、処理が適正に行わ

れるために必要な措置の実施努力 法第 12条第7項

事業ごみ受付センターのWebサイトを設計するにあたっては、動脈分野での電子商取引(EC:

エレクトリックコマース)のサイトを参考にした。さらに、以下に示す平成 29年 3月 21日環

境省通知「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について」の趣旨に沿う事業スキームとし

た(詳細は後述する)。

平成 29年 3月 21日環境省通知「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について」(抜粋)

排出事業者としての責任を果たすため、排出事業者は、委託する処理業者を自らの責任で決定すべき

ものであり、また、処理業者との間の 委託契約に際して、処理委託の根幹的内容(委託する廃棄物の

種類・数量、 委託者が受託者に支払う料金、委託契約の有効期間等)は、排出事業者と処 理業者の間

で決定するものである。排出事業者は、排出事業者としての自らの責任を果たす観点から、これらの決

定を第三者に委ねるべきではない。

委託の出し方、受け方については、排出事業者責任を全うできるように委託業者の選択や委託

契約等を行える構造とした。詳細については次項以降の「3.2.2 事業ごみ受付センターの業務

フロー」及び「3.2.3 事業ごみ受付センターの設計・運営上のポイント」に記す。

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事業ごみ受付センターWebサイトの構造を図 3.3に記す。

図 3.3 事業ごみ受付センターのWebサイト構造

Web サイトにおいて排出事業者が廃棄やリサイクルを希望する全てのものを自動的に受け付

けできることが理想であるが、廃棄費用や情報伝達、事故・トラブル防止の点から、可能な品目

は定額制で自動的に受け付け、その他の廃棄物は排出事業者と直接コンタクトして実務を行うこ

ととした。また、排出事業者の利便性を高めるために、電子契約と電子マニフェストを試験的に

運用した。

• 定額制で自動的に受け付けるもの:粗大ごみ、廃家電製品、機密書類

Webシステム上で排出事業者情報の登録、収集日や収集運搬・処分業者の選択等の一連の受

付手続きを行う。

• その他の廃棄物:定期収集依頼、処理困難鬱(有害物)食品廃棄物、小型家電等

廃棄物の実態や性状などを現地で事前に確認することが必要な品目で、排出事業者と廃物処

理・リサイクル事業者との相対取引の形式をとった。

TOPページ

粗大ごみ説明・受付※上限2m3

カート画面

排出事業者情報登録画面

配車日選択

収集運搬・処分業者

注文確認画面

サンクスページ

廃家電製品説明・受付※上限8台

機密書類説明・受付※上限10箱

その他廃棄物説明・受付

カート画面

排出事業者情報登録画面

注文確認画面

サンクスページ

• 定期回収• 数量が多い• 資源物• 処理困難物(有害物)• 食品廃棄物• 小型家電等

契約書承認画 面

メール送信、URLにアクセス

各業者に情報提供

(依頼内容の確認)

• 排出事業者情報

• 廃棄物の種類・数量

• 収集日

• 収集運搬業者

• 処分業者

(依頼内容の確認)

• 排出事業者情報

• 廃棄物の種類・数量

下見・打合せ

契約等

排出事業者と各業者間での相対取引

• 事前の下見、打合せが必要• 排出事業者との相対取引

東京都モデル事業

利用ガイド(解説)

運営会社賛同会社(一覧)

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16

3.2.2 事業ごみ受付センターの業務フロー

事業ごみ受付センターの業務フローを図 3.4 に示す。事業ごみ受付センターは事務支援と情

報ハブの機能を果たすもので、契約、料金、実行に関わる作業はすべて排出事業者と廃棄物処理・

リサイクル事業者との間で行う。それゆえ、処理委託の根幹的内容(委託する廃棄物の種類・数

量、 委託者が受託者に支払う料金、委託契約の有効期間等)を第三者に委ねる仕組みではない

ので前述の環境省通知には該当しない。

(業務フロー)

1) 収集運搬・処分事業者は、事業ごみ受付センター経由で排出事業者Web申し込みを受けて

収集依頼情報を得る。

2) 収集運搬・処分事業者は、事業ごみ受付センターによる電子マニフェストと電子契約事務の

支援を受けて収集運搬・処分を実行する。

3) 排出事業者は、収集運搬・処分事業者と電子契約を締結し、電子マニフェストを運用する。

その際、廃棄物処理費用を収集運搬・処分事業者に支払う。(事業ごみ受付センターでは手

数料等の徴収は行わない。)

図 3.4 事業ごみ受付センターの業務フロー

排出事業者(複数)

処分事業者(複数)

事業ごみ処理の協力事業者群事業ごみ

収運・処分

電子マニフェスト加入登録支援

電子契約

回収依頼

収運・処理処分費用

収集運搬事業者(複数)

受付センター

Web

(事務支援)

Web申込み

電子マ二フェスト運用

(情報ハブ)

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3.2.3 事業ごみ受付センターの設計・運営上のポイント

以下に事業ごみ受付センターの設計・運営上のポイントを記す。

1) 廃棄物処理・リサイクル事業者への事前アンケート

まず、本事業に参画いただいた企業を下記に示す。

A 廃棄物処理関係

• 有明興業株式会社

• 株式会社市川環境エンジニアリング

• SBS即配サポート株式会社

• 株式会社木下フレンド

• 品川運輸株式会社

• 白井エコセンター株式会社

• 株式会社太陽油化

• 株式会社東亜オイル興業所

• 株式会社中商

• 那須興産株式会社

• 日盛運輸株式会社

• 日本サニテイション株式会社

• 株式会社ハチオウ

• 比留間運送株式会社

• 有限会社フロンティア

• 株式会社増渕商店

• ヨシヤコーポレーション株式会社

• メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社

東京エコファクトリー

• 株式会社リーテム

B 他企業

• SHIFFT株式会社 余剰食品削減プラット

フォーム「Reduce GO」

日本環境設計株式会社

参加企業については一定の基準を設けたが、これについては 4.1 で後述する。事業ごみ受付

センターのシステム構築に際し、参加企業とは予め廃棄物処理・リサイクル事業者に以下の内容

のアンケートとヒアリングを行い、実現可能な条件を調査した。

(事前アンケート内容)

取り扱いを希望する廃棄物の種類(粗大ごみ、廃家電製品、機密書類)

希望する収集地域

廃棄物処理費用

配車可能な日程と時間帯(午前または午後)

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2) 委託業者の選択(マッチング)

まず、排出事業者が、事業ごみ受付センターのWebサイトで依頼したい廃棄物の種類を選択

する。次に、その後の画面にて排出事業者側の情報を入力(登録)すると、廃棄物処理・リサイ

クル事業者の候補が表 3.2に示すマッチング情報をもとに選択され、システム上で表示される。

その中から、排出事業者側が選択する仕組みとした。大まかなフローを図 3.5に記す。

表 3.2 委託先業者の選定におけるマッチング情報

区 分 情 報

排出事業者側の情報

排出事業場の所在地

委託する廃棄物の種類

収集日

廃棄物処理業者側の

マスタ情報

収集希望地区

収集を希望する廃棄物の種類

配車可能日

図 3.5 委託先業者の選択(マッチング)のフロー

なお、事業ごみ受付センターをWeb上で運営するにあたり、実際の廃棄物の収集運搬、処分

を行う廃棄物処理・リサイクル事業者 19社と廃棄物以外の相談先として 2社の社名と URLを

Webサイト内に記すことで、各社の詳細が知り得るようにした。

事業ごみ受付センター

Webシステム(DB)

排出事業者側の情報(入力)

• 法人名、代表者名、所在地

• 排出事業場の所在地

• 委託する廃棄物の種類

• 収集日

廃棄物処理・リサイクル事業者側の情報

• 取り扱いを希望する廃棄物の種類(粗大ごみ、廃家電製品、機密書類)

• 希望する収集地域

• 配車可能な日程

委託先候補の抽出

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3) 委託契約の締結

以下①~④の 4段階の流れで契約を締結する仕組みを構築した。

① 排出事業者がWeb上で登録した情報(社名、所在地、廃棄物の種類等)をもとにシステム上

で契約書類(承認前)が自動的に作成される。

② その後、契約承認画面の URLを記したメールが、排出事業者及び廃棄物処理・リサイクル事

業者にシステムより自動的に送付される。

③ 排出事業者及び廃棄物処理・リサイクル事業者が指定の契約書承認画面(一例を図 3.7 に示

す)にログイン後、契約内容を確認し承認することで契約締結とする。また、契約が締結さ

れない限り、廃棄物の収集を行わない仕組みとして運用した。

④ 契約書は PDF形式で作成されており、システム内で常時確認が可能であると同時にダウンロ

ードが可能である。

委託契約締結の流れを図式化して図 3.6に示す。

図 3.6 委託契約締結の流れ

図 3.7 電子契約締結の承認画面

排出事業者

排出事業者

収集運搬業者

処分業者

通知メールWebサイト受付画面申込み

契 約 書作成機能

電子契約画面での確認・承認

• 収集運搬契約

• 処分契約

承認ボタン

確認ボタン

承認ログ(日時、承認者)

電子契約

• 契約書PDF• 許可証PDF• WDS PDF

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3) 電子マニフェスト機能

廃棄物の受け渡し時は ASP システムを用いた電子マニフェストを運用し、ドライバーにタブ

レットを持たせることでペーパーレス化及び事務作業の軽減を図った。電子マニフェスト運用の

流れを図 3.8に示す。

図 3.8 電子マニフェスト運用の流れ

図 3.9に記す ASPシステムの管理画面にて収集運搬事業者側の配車・運行状況を把握し、事

業ごみ受付センターの適切な運営を図った。

図 3.9 ASPシステムの管理画面とドライバー用タブレット

処分業者

JWNETEDI接続

ASPシステム

排出事業者

収集運搬業者

Webサイト受付画面申込み

電子マニフェスト登録機能

タブレット利用(ペーパーレス)

システム管理画面(PC版)

ドライバー用タブレット

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4) 廃棄費用の支払い

(廃棄物の種類と処理費用)

粗大ごみや廃家電製品、機密書類の処理において、従来は個別に現地に出向き見積もりを取

る作業にかなりの手間を要していた。品目が同一であれば、一括して受注したほうが、排出者側

も廃棄物処理・リサイクル事業者側も利便性が高まると考え、定額制を試行することとした。

定額制の処理費用については以下 3点を考慮し設定した。

① 29年度事業に賛同した廃棄物処理・リサイクル事業者各社へのアンケート調査結果

② 行政が運営する(家庭向け)粗大ごみ受付センターでの処理費用

③ 不用品回収業者、リサイクル業者がWeb上で公開している処理費用

事業ごみ受付センターで受付する廃棄物の種類とその処理費用を表 3.3に記す。

表 3.3 事業ごみ受付センターで受付する廃棄物の種類とその処理費用

種類 処理費用 引取り上限数量

粗大ごみ ~1.0m3 10,000円(税別)

~0.5m3 5,000円(税別)

上限 2.0m3まで

廃家電製品 収集 1車 5,000円(税別) 上限 廃家電 8台まで

機密書類 1箱 1,000円(税別) 上限 10箱まで

その他 定期収集、資源物、処理困難物等の依頼に関しては、定額制とせず、廃棄物処

理業者が現場を下見したのち、排出事業者と直接契約する形式を採用した。

また、その引取りは廃棄物処理・リサイクル事業者各社の廃棄物定期収集ルートや小口収集ル

ートに組み込んで収集するため、各社の既存業務に支障が無いよう一排出事業者あたりの引取り

上限量を設定した。本事業で実施した収集方式を図 3.10に示す。

図 3.10 29年度事業における収集方式

顧客B

顧客C

モデル事業顧客D

顧客E

収集運搬会社A社

顧客A

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(廃棄費用の徴収・支払い方法)

以下の2つの理由から廃棄費用は事前徴収(前払い)とした。具体的には、廃棄物の梱包資材

(袋、段ボール箱)の事前送付時に宅配便の代引き制度を利用し廃棄費用を事前徴収した。

(理由)

廃棄物処理・リサイクル会社側での請求業務の煩雑化の防止

未回収金の発生防止

また、排出事業者から徴収した廃棄物処理費用は、手数料等を徴収することなく全額を廃棄物

処理・リサイクル事業者に支払いを行った。今後、事業ごみ受付センターを社会実装した際の運

営については、以下に記すような案を検討して決めていきたい。

(運営案)

① 図 3.4 に示すような Web 受付・事務支援業務を廃棄物処理・リサイクル事業者より受託す

る(契約と処理費用の流れには関与しない)

② 協同組合化による各社分担金による運営

5) 排出事業者責任の浸透

廃棄物処理の受付にあたり、排出事業者に「排出事業者責任」を意識させる手段として以下 3

点を実施した。

① Web上、各プロセスでの注意事項の明示やメールでのアナウンス

Web 上での廃棄物処理依頼の受付時、電子契約内容の承認作業時、JWNET への登録時等、

一連のプロセスにおいて、Web上での説明書きや注意事項、メールでの案内等を行った。

② Web上への利用ガイドの明示

事故やトラブル防止のため、依頼する廃棄物や、排出事業者による廃棄物引渡し時(収集作

業時)の注意事項をWebの利用ガイドに記した。

③ 排出事業者への廃棄委託の手引きの事前送付

実際の廃棄物収集に際しては、有害・危険物等を含む処理困難物に関する注意事項を記した廃

棄委託の手引きを排出事業者に事前送付した。

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3.3 広報活動と SEO対策

3.3.1 広報活動

事業ごみ受付センターの社会的認知度を高め、排出事業者に周知させるため、新聞媒体や電子

メディアを中心とした広報活動を平成 29年 12月末より行った。結果を表 3.4に示す。

表 3.4 広報活動結果

メディア 方 法

H29年

12月

PRTimes社 メディア 253社へプレスリリース配信 https://prtimes.jp

/main/html/rd/p/000000001.000030667.html

読売新聞 記者との面談

全国ビルメンテナンス協会 協会会報誌への広告掲載及びチラシの同梱

配布先:関東地区 2,000箇所(うち都内 700箇所)

H30年

1月

日本経済新聞社 都内版への広告掲載

サステナブル・ブランド

ジャパン

Web記事掲載 http://www.sustainablebrands.jp/news/jp

/detail/1189662_1501.html

オルタナオンライン Web記事掲載 http://www.alterna.co.jp/23446

SBSホールディングス 自主的なプレスリリース http://www.sbs-group.co.jp

/sbsh/pdf/sbsh_pdf20180115.pdf

環境新聞 Web記事掲載 www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news

/showbody.cgi?CCODE=84&NCODE=1350

東京商工会議所 広報部面談

循環経済新聞 新聞記事掲載

ネットリアル 都内 10,000箇所への FAXDMの配信

共同通信ワイヤー メディア約 160箇所へのプレスリリース配信

https://kyodonewsprwire.jp/release/201801290332

H30年

2月

物流産業新聞社 Web記事及び新聞記事掲載

https://weekly-net.co.jp/news/34496/

日本経済新聞社 Web記事及び都内版への記事掲載 https://www.nikkei.com

/article/DGXMZO26438790R00C18A2L83000/

主な広告やプレスリリースを図 3.11~図 3.14に示す。これらの広告を見たことにより本

Webにアクセスしたという事業者をシステム上計測できないため、一連の広報の効果を定量化

するには至らなかった。将来は、受付件数を増やしてアンケートなどで調査していく。

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図 3.11 日本経済新聞広告(H30年 1月 11日、首都圏版に掲載)

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図 3.12 全国ビルメンテナンス協会 会報誌同梱チラシ(表面)

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図 3.13 全国ビルメンテナンス協会 会報誌同梱チラシ(裏面)

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図 3.14 プレスリリース内容(H29年 12月 26日、PRTimes社)

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3.3.2 リスティング広告の活用

期間限定の Web サイトであるので、本格的な SEO 対策※1 を施すことが難しい。そこで、

Web上での集客を目的として検索エンジンである Yahoo! JAPAN!、Googleでのリスティング

広告※2を期間限定で利用した。リスティング広告の種類を表 3.5に示す。

※1 SEO対策(検索エンジン最適化:Search Engine Optimization)

GoogleやYahoo! などの検索エンジンで特定のキーワード検索した場合に自己のWebサイトが上位

に表示(露出)されるようにするために行う対策のこと。特定のキーワードで Web サイトを訪れる

ユーザーの場合、成果に繋がりやすい傾向にある。

ただし、「仮説⇒対策⇒検証」を繰り返し行う必要があり、また、他社との競争もあることから、その

効果が得られるには相当の時間を要する。

※2 リスティング広告

Googleや Yahoo!などの検索エンジンでユーザーが特定のキーワードで検索した時に、その検索結果

に連動して表示される広告のこと。広告が表示されるだけでは広告費が発生せず、実際にユーザーが

クリックするごとに課金されることが特徴である。

表 3.5 活用したリスティング広告の種類

区分 使用広告

Yahoo! JAPAN 検索連動広告

ディスプレイ広告

Google 検索連動広告

ディスプレイ広告

リスティング広告の利用に際しては、表 3.6に示すように、廃棄物の名称や地域名等を単独・

複合キーワード形式で約 300項目程度設定した。

表 3.6 リスティング広告利用に際して設定したキーワード群

キーワード群 1

廃棄物、ごみ、ゴミ、産業廃棄物、産廃、一般廃棄物、一廃、特別管理産業廃棄物、

特管、事業系一般廃棄物、事業ごみ、事業ゴミ、粗大ごみ、粗大ゴミ、処理困難物、

有害ごみ、有害ゴミ、生ごみ、生ゴミ、廃家電、小型家電、生活家電、テレビ、TV、

エアコン、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、冷凍庫、機密書類、資源物、瓶、びん、ビン、

缶、ペットボトル、古紙、段ボール、薬品、塗料、油

キーワード群 2 廃棄物処理、適正処理、ごみ処理、ごみ処理、リサイクル、家電リサイクル、資源化、

滅却、溶解

キーワード群 3 電子マニフェスト、電子契約、優良業者、産廃エキスパート、産廃プロフェッショナ

ル、ISO14001、EA21、エコアクション 21

キーワード群 4

東京都、東京 23区、東京二十三区、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台

東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並

区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区

これらのキーワードで検索したWeb閲覧者には、図 3.15のバナー広告や表 3.8の広告タイ

トル・本文が表示されるよう設定した。

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図 3.15 バナー広告

表 3.8 リスティング広告表示時のタイトル・本文(コピー文)

タイトル 本文(コピー文)

職場、店舗の廃棄物処理はこちら 事業ごみ受付センター、24時間受付処理に困

った粗大ごみなどを適正に処理します。 安価な料金プラン、23区限定

職場の粗大ごみに困ったらこちら 事業ごみ受付センター、粗大ごみや廃家電、

機密書類の廃棄をお任せください。 24時間受付、23区内定額料金制

職場、店舗の廃棄物処理はこちら 24 時間受付、処理に困った粗大ごみや廃家

電、機密書類などを適正に処理します。 事業ごみ受付センター、23区限定

事業ごみ受付センターを社会実装する際は、中・長期的な SEO対策の一環として、表 3.7に

記したようなキーワードをWebサイトのタグに埋め込み、アクセス状況を分析して改善してい

きたい。

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3.4 事業ごみ受付センターの運用と結果の分析

3.4.1 アクセスの結果

短期間の告知・運営にも関わらず、Yahoo! JAPAN及び Googleでのリスティング広告の表示

回数(インプレッション数)※3が約 330万回であった。

※3 表示回数(インプレッション数)

広告が表示された回数のこと。また、広告の表示回数は、1 日あたりの広告予算と上限クリック単価で決

まり、インプレッション数の増加・抑制といった調整が Yahoo!リスティング、Googleアドワーズ側で自

動的になされる。

期間限定のなかで約 330万回表示はWeb上での露出度としては多かったものと思われる。本

事業で取り込みたい中小の排出事業者を誘導するには、効果的なキーワードをさらに絞り込んで

いく必要があると考える。

次に、実際にWebサイトを訪れたたユーザー数を Google Analytics※4で解析した。その結

果、表 3.8に示すように 5,087人であり、総ページビュー数は 12,098回、廃棄依頼件数は 37

件であった。

※4 Google Analytics

Googleが提供するアクセス解析ツールであり、登録したサイトのユーザー(来訪者)の行動に関するデー

タを計測することが可能である。

例)・ サイトの訪問者数はどれくらいか

訪問者はどこから来たのか

使われたデバイスはスマホかパソコンか

表 3.8 Webサイトへのアクセス状況

Webサイト訪問者数 5,087 人

総ページビュー数 12,098 回

廃棄依頼件数 37件

(集計期間:H30年 1月 10日~2月 15日)

訪問者数に対する成約者数(廃棄依頼件数)をコンバージョン率(CV)という。コンバージ

ョン率を計算すると以下となった。

CV(コンバージョン率)=廃棄依頼件数/訪問者

= 37件/5,087人 = 0.73 %

千三つ(3/1,000)と言われる Web 広告の世界では 7/1,000 の値は妥当なものと考える。

Webサイトへのアクセス状況の解析結果に基づき、Webサイトの構造改善やスマートフォン対

応など、今後の課題(3.4.7で後述)を解決しサイトを継続させれば一定の廃棄依頼件数は確保

できるものと予想する。

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31

3.4.2 受け付けた廃棄物

事業ごみ受付センターのWebサイトに依頼のあった廃棄物処理依頼の内訳を以下の表3.9に示す。

表 3.9 Web上での廃棄依頼受付の内訳

廃棄依頼の区分 受付の内訳

事業者数 依頼件数 廃棄内容の例

粗大ごみ(~1.0m3) 11事業者 11件

オフィスチェア、プリンター、パイプイス、

丸椅子、手押しワゴン、長机、美容機器、FRP

部品等

粗大ごみ(~0.5m3) 4事業者 4件 パイプ椅子、換気扇等

廃家電製品 0事業者 0件 ***

機密書類 1事業者 1件 カタログ等

その他 19事業者 21件

内装工事廃材、立て看板、自転車、機密書類

(決算関係書類、人事労務関連書類)、ハンガ

ーラック、ゴルフバック、キャスター付き椅

子、会議用長テーブル、座卓、カラーボック

ス等

計 35事業者 37件

粗大ごみが約 1/3、その他が約 2/3 であった。排出事業者の関心事はその他に示されるよう

な雑多な廃棄物であった。

有害・危険物についても受付を行ったが、結果としては処理を希望する依頼はなかった。この

理由の一つは、本事業では粗大ごみの処理を中核においたスキームにしたため、有害・危険性廃

棄物に関する広報が弱かったことが考えられる。

3.4.3 用意した配車枠との比較

廃棄物収集期間中(1月 15日~2月9日)の配車可能枠は、収集運搬事業者への事前アンケ

ートから表 3.10 に示す 189 枠(車)を用意した。実際には、車両トラブル等のリスクを考慮

し、約 2割減の 150枠(車)を当初の目標とした。これに対して依頼件数は 37件に留まった。

表 3.10 廃棄物収集期間中の配車可能枠

収集品目 午前 午後 計

粗大ごみ収集 30車 48車 78車

家電製品収集 22車 37車 59車

機密書類収集 22車 30車 52車

総計 74車 115車 189車

配車枠が埋まった率は 37/150=0.25 となり、目標には未達であった。この理由としては、

排出事業者はWeb受付を訪問しても希望する日時の配車枠がなかったものと推定している。こ

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32

れを解決していくには、多くの配車枠を準備することにより排出事業者のニーズにより合致する

ようにできると考える。また、受付の仕組みの中で取り入れた電子契約と電子マニフェストにつ

いては、件数は少なかったものの事務作業の軽減に有効であったとの評価を、参加した廃棄物処

理・リサイクル事業者から得た。

3.4.4 収集実務での運用ルール

本事業は、あらたに廃棄物処理費用の定額制を採用し、廃棄物処理・リサイクル事業者の定期

収集ルートや小口収集ルートを利用して廃棄物を収集した。これに対応すべく収集実務に当たっ

ては、各社と協議の上、以下に示す最低限の運用ルールを設けた。

廃棄物収集の時間帯を AM、PM といった大まかな時間帯とし、収集作業の時間指定は行わな

かった。

廃棄物の引き渡しは 1F地上部とし、中~高層階からの搬出作業は行わないことにした。

Webから依頼した数量・品目以外の追加依頼は受け付けない。

収集する廃棄物の内容を確認し、有害・危険性廃棄物が混入していた場合、混入物は引き取ら

ない。

排出事業者からの依頼内容や依頼数量の食い違い等のトラブルが生じた場合、事業ごみ受付セ

ンター運営側(エコスタッフ・ジャパン)で排出事業者と調整する。

3.4.6 収集時におけるドライバーの所見

実務を完結させるには、受付、収集、中間処分、最終処分までを視野に入れる必要がある。こ

の中でドライバーによる収集実務は排出事業者との直接の接触があることから、本事業で提供す

るサービスについての実態を把握することとした。具体的には、作業に当たったドライバーの意

見を聞き取り調査した。結果を以下に示す。

(ドライバーの所見)

タブレット(電子マニフェスト:ASPシステム)を使用しての初めての収集で不安であったが、

紙マニフェストの運用に比べ手間が無く間違いがない。

お客様があらかじめ1階に出しておいてくれて非常に楽な収集であった。しかし、盗難や悪戯

されてもおかしくないため、そこだけが不安を感じた。

排出事業者への到着時刻がお客様の昼食に行くタイミングと重なってしまい、危うく長時間待

つところであった。収集時間帯を AM・PM といった大まかな区分けでは無く、着車時刻を予

め連絡する方式の方が良い。

粗大ごみの廃棄物の収集にあたり、お客様にも立ち会って貰い、一緒に廃棄物の写真を撮らせ

ていただいた。今後の課題としては廃棄物の受け渡しをどのようなスタイルにするか考える必

要がある。

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上記のように、ドライバーの所見から今後、改善していくヒントが得られた。

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34

3.4.7 今後の課題と対策

Webサイトのアクセス解析結果から、次の1)~6)に示す今後の課題と対策を整理した。

1) 広報活動による認知度の向上

排出事業者に対して、周知・運営期間が短く、各種メディアへの露出も不足していた。今後の

改善課題として、事業ごみ受付センターの露出度(周知度)を高めていきたい。

2) 検索キーワードの継続的更新

Yahoo!, Google等での自然検索※5において常に検索上位に表示されるよう、事業ごみ受付

センターに関するキーワードを常に更新していく必要がある。29年度事業においてリスティン

グ広告経由でのWeb訪問者のキーワード上位は表 3.11に示す結果となった。

※5 自然検索

Google をはじめとした検索エンジンにおいて、検索結果一覧ページ(SERPs)に表示される URL リスト

のうち、リスティング広告などの広告枠を除いた部分を指す。また、オーガニック検索とも呼ばれる。

表 3.11 リスティング広告経由でのWeb訪問者のキーワード上位

順位 キーワード セッション 順位 キーワード セッション

1 not set(解析不能) 972 14 事業ごみ受付センター 43

2 ゴミ 産廃 673 15 廃棄物処理 台東区 24

3 リサイクル tv 154 16 廃棄物処理 港区 17

4 家電リサイクル エアコン 134 17 ゴミ テレビ 16

5 粗大ごみ 93 18 廃棄物処理 墨田区 15

6 ゴミ処理 世田谷区 55 19 ゴミ処理 板橋区 13

7 ごみ処理 産業廃棄物 34 20 廃棄物処理 渋谷区 15

8 ゴミ処理 足立区 30 21 ゴミ処理 東京都 14

9 廃棄物処理 30 22 リサイクル テレビ 杉並区 12

10 家電リサイクル tv 27 23 リサイクル 小型家電 13

11 廃棄物処理 大田区 24 24 リサイクル 冷蔵庫 25

12 廃棄物処理 練馬区 22 25 廃棄物処理 豊島区 12

13 家電リサイクル テレビ 21 26 ごみ処理 11

これらを参考にWebタグに埋め込むキーワード、リスティング広告で用いるキーワードも廃

棄物処理業界寄りの専門的な用語にならないように注意しつつ、日々のアクセス解析結果をもと

に排出事業者目線で更新していく。

3) Webサイトのデザイン

前述のキーワード等を工夫しても、Web サイトへの訪問者、滞在者が少なければ、Yahoo!

や Google 等の検索エンジンから優良・人気サイトとして評価されず、自然検索上位への表示

は見込めない。本事業においては、受付機能のみに特化したシンプルなデザインにしたが、今後、

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35

社会実装する際は自然検索上位に表示されるよう、EC サイトを参考に更なる改善を進めたい。

具体的には、ユーザーが迷わないよう、判り易くかつ親しみ易いデザイン・説明にすること、廃

棄物処理やリサイクルに関する情報を提供することなどが挙げられる。

4) Webサイトのスマートフォン対応

Webサイト訪問者を解析した結果、図 3.16に示すように、ごみ受付センター訪問者の約 60%

がスマートフォンで閲覧している結果を得た(デスクトップユーザーPC33%、タブレットユー

ザー7%)。

今後のWeb運営においては、スマートフォン対応の受付・依頼に関するソフトウエアの開発が必

要となる。その際には、契約等の長文をスムーズに表示し、理解してもらえるよう工夫する。

図 3.16 Webサイト来訪者の端末内訳

5) Webサイト階層構造の簡素化

Web への訪問から、排出事業者情報の登録を経て最終的な依頼までに辿り着く過程において

ユーザー数(訪問者数)の挙動を表 3.12、図 3.17に示す。

表 3.12 Web階層構造内での訪問者の挙動

Web Page ページビュー数 ユーザー数 Page URL

TOPページ 7,342 5581 /tokyo23/index.html

利用ガイド 760 513 /tokyo23/page23.html

モデル事業解説ページ 467 323 /tokyo23/page22.html

賛同会社 325 259 /tokyo23/page25.html

ウェブサイト運営会社 300 203 /tokyo23/page24.html

説明・受付画面_粗大ごみ 415 305 /tokyo23/page3.html

説明・受付画面_廃家電 293 241 /tokyo23/page4.html

説明・受付画面_機密書類 106 89 /tokyo23/page5.html

説明・受付画面_その他廃棄物 260 184 /tokyo23/page7.html

受付カート画面 401 159 /tokyo23/page14.html

排出事業者情報の登録画面 306 137 /tokyo23/page16.html

配車日_選択画面 219 53 /tokyo23/page15.html

運搬・処分業者・契約選択画面 130 31 /tokyo23/page17.html

注文画面 158 60 /tokyo23/page18.html

サンクスページ 47 40 /tokyo23/page19.html

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図 3.17 Web階層構造内での訪問者の挙動

今後は、ECサイトの構造を参考に、Webサイト来訪から廃棄処理依頼までの構造・フローを

簡素化していく。

6) 電子契約及び電子マニフェストに関する手続きの簡素化

本事業で着目した排出事業者は東京都 23区の中小排出事業者である。図 3.18に示すように、23

区内には約 50万件の事業所が存在し、従業者 10人未満の事業所が 74%を占める。

図 3.18 23区内における事業所規模の構成

(H26年度経済センサス統計調査結果より作成)

Webサイトでの廃棄物処理の依頼受付後、排出事業者に対しては手続きを簡素化するために、

電子契約、電子マニフェストを導入した。しかし、それらの運用の必要性や手続きを電話やメー

ルで説明する場面があった。

このような障壁(課題)を乗り越えていくためには、排出事業者側がストレスを感じることな

く、自然に申し込み、手続きができる簡素なWeb構造が必要である。さらに、電子契約、電子

マニフェスト等の実務をサポートするサポートセンターや、電話で対応するコールセンターを設

けることが有効と考える。

サンクスページ

0

50

100

150

200

250

300

350

TOP

受付カート

配車日

運搬・処分業者

依頼内容の確認

排出事業者情報

廃棄物毎の受付

粗大ごみ 廃家電 機密書類 その他

Web内を巡回

従業者1~4人

54.0%従業者5~9人

20.8%

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4.廃棄物処理・リサイクル事業者側の体制整備

排出事業者の様々なニーズに的確に対応していくためには、専門技術を有する複数の廃棄物処

理・リサイクル事業者群をネットワーク化する必要がある。以下に体制の整備に関わる活動結果

と、特に有害・危険性廃棄物に関して調査・整理した結果を述べる。

4.1 専門性を有する廃棄物処理会社群のネットワーク構築活動

前年度の平成 28 年度モデル事業において、最終報告会には意欲的な企業が参加した。これらの企

業を中核にして本事業への参加を募り、表 4.1に示すように第三者による客観的な評価を重視する前

提で、さらに4つの基準の何れか一つ以上を満たした企業を選択した。

当初は 10 社程度と予想していたが、19 社の参加を得ることで事業ごみ受付センターの収集運搬、

処分体制を整備することができた。(賛同事業者の一覧は表2.4参照)

表 4.1 選定根拠と選定基準

選定根拠 選定基準

第三者評価に基づく認証を重視した。

(第三者評価採用の理由)

情報公開等への企業姿勢

取得費用、人的資源等の企業体力

事業者としての先進性、柔軟性

以下 4つの基準うち何れかを満たした企業

• 東京都が認定する産廃エキスパート、プロフェッシ

ョナル

• 環境省優良評価制度の認定処理業者

• ISO14001(環境マネジメントシステム)の取得企業

• 上場企業

参加企業 19社とは事業期間中に表 4.2に示す説明会や意見交換会を開催した。合わせて、参

加各社を訪問・ヒアリングし、そこで得られた意見を本事業の推進に反映させた。

表 4.2 説明会・意見交換会の開催状況

日程 内容 参加社数

H29年 8月 21日~23日 事業説明会 17社

12月 25日 実施説明・意見交換会(1) 10社

H30年 1月 9日 実施説明・意見交換会(2) 3社

1月 22日 中間報告・意見交換会 8社

※実施説明・意見交換会

年末年始の多忙な時期であることから賛同会社各社(廃棄物処理会社)の

都合を優先させた結果、2回に分けた実施となった。

参加企業数の増加に伴い、全体の守備範囲も広がり、有害廃棄物や廃油類、小型家電リサイク

ル等を含めたネットワーク体制を整備することができた。表 2.4 に示した廃棄物処理・リサイ

クル分野の賛同事業者 19社の業の区分及び事業分野を以下に示す。

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(業の区分)

一般廃棄物の収集運搬業

一般廃棄物処分業

産業廃棄物の収集運搬業

産業廃棄物の処分業(中間処理)

特別管理産業廃棄物の収集運搬業

特別管理産業廃棄物の処分業(中間処理)

(事業分野)

小型家電リサイクル

OA機器の解体・分別・再資源化

家電リサイクル(指定引取場所)

食品リサイクル

メタル(スクラップ)リサイクル

機密書類の処理

廃油の処理・リサイクル

化学系廃棄物の処理

※参加した廃棄物処理・リサイクル事業者は、各社共に複数の業の区分、事業分野を有している。

図4.1 賛同事業者の分布(23区内事業者)

※賛同事業者の一部は、所在地が多摩地域、埼玉県、神奈川県、千葉県に位置する。

今後、参加事業者数を増やすことで、3.4.3で述べたように多くの配車枠を用意し、排出事業

者のニーズに合致するようにしたい。

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4.2 有害・危険性廃棄物を受付する仕組みづくり

4.2.1 本事業における有害・危険性廃棄物の取組

廃棄物処理・リサイクル事業者側で留意すべき重要課題の一つに、受託した廃棄物中への有

害・危険物の混入が挙げられる。29年度事業においては、収集運搬や処分過程での事故防止の

ため、粗大ごみ廃棄時は表 4.3に記す有害物・危険物の混入禁止を徹底した。

表4.3 混入禁止とした有害・危険性廃棄物の例

区分例 例

引火性液体 塗料、ペイント類、ガソリン、灯油、ライター用燃料等

可燃性物質 マッチ、炭、発煙筒、トナーカートリッジ等

高圧ガス

・可燃性ガス

高圧ガスボンベ、消火器、カセットコンロ用ガスボンベ、キャンプ用

ガスボンベ、スプレー缶等

火薬等 火薬、花火、クラッカー等

毒物等 毒物、劇物、農薬、殺虫剤、除草剤等

腐食性物質等 化学薬品、バッテリー、洗浄剤等

感染性廃棄物等 注射器、メス、透析器具、血液の付着した物、病原菌の付着した物

放射性物質等 放射性物質

その他

有害性のあるもの

水銀使用製品(電池、蛍光灯、体温計等)、アスベスト(廃石綿)、

石膏ボード、変圧器(PCB)

その他 粉状、泥状、液体、内容不明なもの

※上記の混入禁止とした物の中には、放射性物質のように廃棄物処理法上、

取り扱うことができない物も含まれている。

本事業では、有害・危険性廃棄物の処理を希望する排出事業者に、専門業者を紹介する方式を

採用したが、3.4.2 で述べたように、有害・危険性廃棄物の依頼はなかった。このため課題の摘

出と検証はできなかった。しかし、参加各社との意見交換では、有害・危険性廃棄物について管

理の重要性と排出事業者の協力の必要性が改めて述べられた。単に有害・危険性廃棄物の混入を

禁止するだけでなく、むしろ前向きに考えて、排出事業所内で滞蔵されている各種有害危険性廃

棄物の収集システムの構築が必要との意見であった。これらを踏まえて、仕組みの検討について

今後考慮すべき点を次節に述べる。

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40

4.2.2 有害・危険性廃棄物で考慮すべき点

有害・危険性廃棄物を受付する仕組みを検討する際に考慮すべき点として、対象物、情報伝達、

引き渡し手段、廃棄費用の4点を整理した。結果を表4.4に示す。

表4.4 有害・危険性廃棄物を受付する仕組みを検討する際に考慮すべき点

区分 考慮すべき要素

前 提

有害・危険性の概念は人や適用法令により異なるため、実施に際しては

その認識の統一が必要である。

有害・危険性の概念を広義に捉えた場合、一般の事業所からも多種多様

な有害・危険性廃棄物が排出される。

化学工場や研究機関等を除き、定常的な発生は少なく、事業所の移転等

に伴い少量かつ臨時的に排出されると考えられる。

排出事業者側も廃棄方法や廃棄依頼先を知らない。

対象物

既に収集システムが確立している物、また確立しつつある物は、既存方

式による収集が望ましい。

例)蛍光灯、バッテリー等

排出事業者側の化学的知識・知見が薄い場合も考慮し、収集対象

を明確かつ判り易くする必要がある。

情報伝達

引き渡し手段

単体では問題なくても、他の化学製品と混ざると危険性が増すも

のも多くあり、専門知識のある人に、直接対面して引き渡すこと

が重要である。

対面での引き渡しを考えた場合、収集拠点への排出事業者による

持ち込み形式が望ましい。

不適切な容器や、内容不明な物に対する対策が必要である。

廃棄費用

有害・危険性廃棄物の廃棄費用は、通常の廃棄物より高い。また、

1回あたりの排出量が少ない場合、収集運搬費用も含めその処理

費用は極めて高い物となる。

結果、処理事業者側の料金設定に馴染みが少ない排出事業者の場

合、費用支払い時にトラブルを起こし易い。

上記表4.4を踏まえて、有害・危険性廃棄物の処理スキームを構築していく場合には、下記の

ステップが考えられるが、実行については今後の課題としたい。

STEP1 対象物の明確化

STEP2 排出事業者側の認識に関する調査

STEP3 運営体制の検討(公共関与、販売店等の連携、EPR型への展開等)

STEP4 拠点収集等の収集方式の検討

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4.3 排出事業者のニーズへの対応

本事業の推進に当たって、廃棄物処理企業が対応すべき排出事業者のニーズを各社との意見交

換で得た。例を下記に示す。

(排出事業者側のニーズの例)

廃棄物収集日の指定

依頼する廃棄物処理・リサイクル事業者の選択

廃棄コストの低減

多種多様な廃棄物の処理依頼

高度なリサイクルの依頼

その他、各種相談事項

今後、Web受付センターのあるべき姿を一層明確にするためのこれらの意見参考にしていく。

4.4 監査、専門教育

複数の企業が連携して実務に当たることから、その連合体は社会的な責任が増す。このため、

業務内容や方法の妥当性について社会への説明責任が求められるだけでなく、実務に当たっては

各社の統一運用ルールの作成や収集ドライバー・作業者の教育も必要になる。

これらをより効果的に実行するためには、(1)より信頼される企業体質をめざして各社を第

三者機関が監査すること、(2)作業者についてはコンプライアンスや排出事業者対応などにつ

いての専門教育が有効と考えられ、その具体的手法を検討していく。

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42

5. 多数社連携による配車効果の解析

複数の企業が連携することは、多様な排出事業者のニーズに応えるだけでなく、より合理的・経

済的な配車運用が可能になる。そこで、従来の 1 社ごとの単独収集に対して、複数社が連携して収

集する効果を推定する。具体的には、(1)事業ごみ受付センターの連携効果と、(2)23区に拡大し

た時の効果を明らかにした。解析の概要を図 5.1に示す。

5.1 事業ごみ受付センターで実際に配車した結果と効果推定のシミュレーション

事業ごみ受付センターは 2018年 1月 10日~2月 2日で受付けし、実収集は 1月 15日~2

月 9 日まで実施した。対象品目は粗大ごみ、廃家電製品、機密書類とその他(定期収集、資源

物、処理困難物)である。連携各社の希望区と対応可能な日を調査・整理した上で、事業ごみ受

付センターでの受付に応じて配車し実際に収集した。この中で最も件数の多かった粗大ごみ 15

件についてシミュレーションを実施した。参加会社は図 5.2 に示すように、収運だけの会社、

処理だけの会社、両方を併せ持つ会社に類型化される。

図 5.1 解析の概要

図 5.2 参加会社の役割

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43

従来は、(1)1 社が単独で収集していたが、本事業では、(2)受け付けた粗大ごみを連携 8

社が従来の各収集ルートで処理した。(1)の 1 社単独収集の会社として白井エコセンター(以

下「SEC」と略称する)の協力を得た。(1)(2)に共通する顧客住所情報を表 5.3.及び表 5.4.

に記載し、同様に(1)(2)の収運会社、処分会社名も各々記載した。

表 5.3 従来方式(SEC1社で収集した場合)

表 5.4 連携方式(連携 8社で収集した場合)

(1)の SECは収運のみの会社で処理先は品川運輸である。(2)については連携各社が自社

のコースで処理する。実際の収集コースは連携各社に任せたので実際のコース記録は取っていな

い。そこで、(1)(2)を平等に評価する方法として SECが有するAI配車システム(ソフト一

部改造:1社⇒複数社対応へ)を用いて評価することとした。AI配車システムでは顧客、収運

会社、処理会社の住所情報をもとに出庫⇒顧客⇒処理工場⇒帰庫の最短ルートを決定するもので

収集場所住所

走行距離 総時間 C O 2排出量

市区郡 町村番地 収集業者 住所 処分業者 住所 km 時間 kg

1 千代田区 三崎町3-3-3 60 5:33 40.84

2 墨田区 横川5-3-10 65 5:48 44.25

3 墨田区 横川5-3-10 65 5:48 44.25

4 足立区 綾瀬4-20-16 65 5:51 44.25

5 目黒区 下目黒2-23-28-201 64 5:45 43.56

6 中央区 京橋2-8-21 60 5:30 40.84

7 新宿区 新宿1-26-1 63 5:41 42.88

8 新宿区 新宿1-26-1 63 5:41 42.88

9 新宿区 新宿1-26-1 63 5:41 42.88

10 新宿区 新宿1-26-1 63 5:41 42.88

11 台東区 花川戸1-3-6 62 5:32 42.20

12 千代田区 内神田3-21-8 3F 60 5:30 40.84

13 江戸川区 船堀3-7-17 72 6:15 49.01

14 港区 港南2-12-26 60 5:31 40.84

15 江戸川区 西葛西2-18-1-205 72 6:16 49.01

957 14:08 651.43

白井エコ

センター

(株)

東京都足

立区入谷

五丁目1

6番28

品川運輸

(株)

東京都品

川区東大

井2-1-8

従来:SEC単独配車(ケース1-1)

通No収集場所 収運・処分

収集場所住所

走行距離 総時間 C O 2排出量

市区郡 町村番地 収集業者 住所 処分業者 住所 km 時間 kg

1 千代田区 三崎町3-3-3 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 18 1:36 12.25

2 墨田区 横川5-3-10 ヨシヤコーポレーション(株) 東京都江戸川区平井6-70-5 メジャーヴィーナス・ジャパン(株) 東京都江東区新木場4-2-21 24 1:59 16.34

3 墨田区 横川5-3-10 ヨシヤコーポレーション(株) 東京都江戸川区平井6-70-5 メジャーヴィーナス・ジャパン(株) 東京都江東区新木場4-2-21 24 1:59 16.34

4 足立区 綾瀬4-20-16 (有)フロンティア 東京都足立区辰沼2-17-7 (有)フロンティア 東京都足立区辰沼2-17-7 9 1:04 6.13

5 目黒区 下目黒2-23-28-201 品川運輸(株) 東京都品川区東大井2-1-8 品川運輸(株) 東京都品川区東大井2-1-8 10 1:08 6.81

6 中央区 京橋2-8-21 那須興産(株) 東京都板橋区高島平2-2-9 那須興産(株) 東京都板橋区高島平2-2-9 36 2:45 24.51

7 新宿区 新宿1-26-1 (株)増渕商店 東京都板橋区仲町16-8 有明興業(株) 東京都江東区若洲二丁目8番25号 63 5:41 42.88

8 新宿区 新宿1-26-1 白井エコセンター(株) 東京都足立区入谷五丁目16番28番 品川運輸(株) 東京都品川区東大井2-1-8 63 5:41 42.88

9 新宿区 新宿1-26-1 (株)増渕商店 東京都板橋区仲町16-8 有明興業(株) 東京都江東区若洲二丁目8番25号 63 5:41 42.88

10 新宿区 新宿1-26-1 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 24 2:00 16.34

11 台東区 花川戸1-3-6 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 15 1:24 10.21

12 千代田区 内神田3-21-8 3F SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 SBS即配サポート(株) 東京都江東区新砂一丁目5番29号 14 1:22 9.53

13 江戸川区 船堀3-7-17 日盛運輸(株) 東京都江戸川区篠崎町3丁目1番11号 有明興業(株) 東京都江東区若洲二丁目8番25号 31 2:26 21.10

14 港区 港南2-12-26 白井エコセンター(株) 東京都足立区入谷五丁目16番28番 品川運輸(株) 東京都品川区東大井2-1-8 60 4:08 40.84

15 江戸川区 西葛西2-18-1-205 ヨシヤコーポレーション(株) 東京都江戸川区平井6-70-5 メジャーヴィーナス・ジャパン(株) 東京都江東区新木場4-2-21 23 1:58 15.66

477 18:15 324.69

連携後(8社)(ケース1-2)

通No収集場所 収運・処分

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ある。配車コースの代表例を図 5.3(赤色のコース)に示す。図 5.3の上下を比較すると連携後

のコースが短縮されていることがわかる。

図 5.3 粗大ごみ収集コースの比較

図 5.4 連携収集の効果

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AI配車システムは、走行距離、走行時間を計算することができる。これとは別に、二酸化炭

素排出量を走行距離当たりの原単位から計算した。走行距離と走行時間の比較を図 5.4に示す。

上記(1)(2)の各コースの走行距離、走行時間及び二酸化炭素排出量を表 5.3と表 5.4に記

載した。従来の単独配車での総走行距離は 957km、総時間は 86時間 8分、総排出二酸化炭素

量は 651kgであった。957kmは東京から福岡県への距離に相当し、15顧客のためにこのよう

な長距離を走行しなければならない。これはかなりの無駄と言わざるを得ない。

一方、複数社が連携して収集した場合には、総走行距離は 477km(東京・大阪間に相当)、

総時間は 42時間 15分、総排出二酸化炭素量は 325kgに大幅に削減された。従来の(1)1社

単独収集に比べて、(2)連携 8 社が協力すれば、走行距離は 50%、走行時間は 49%に短縮で

きる結果となった。これは、配車コースが最適化されたためである。つまり、各社の得意エリア

を収集することで、現行の無駄を大幅に省ける。(要約:図 5.11)

削減された理由を分析するために、各社の走行距離と走行時間を図 5.5 で比較した。収運+

処理を行う会社は自社と顧客との往復だけで済むので、効果がより大きいことがわかった。

図 5.5 連携各社の各コースの走行距離

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図 5.6 課題と対策

このように効果はあったが、課題もある。今回の顧客件数は 15顧客と少なく場所も 9区に限ら

れていたことから、さらに多くの顧客データを用いなければ客観的な判断をすることはできない。

そこで、過去実績の収集データを用いて連携効果をシミュレーションで推定することにした。

5.2 東京 23区連携効果の予想シミュレーション

前節の課題は図 5.6 に示すように、エリアが狭く件数も少ないことである。連携効果を推定

するには東京 23 区でのデータが必要となる。そこで、SEC に依頼して 23 区・74 件の実績デ

ータを抽出した。内訳は、1台で複数個所収集できる 49件と、専用便(収集量が多いので 1台

1件)の 25件であった。これらは過去の実績であるが、事業ごみ受付センターが本格稼働する

際にはこれらが一定期間で一度に依頼されるものと想定した。

複数収集と専用便の両者について、従来の(1)1社単独収集と、本事業がめざす(2)連携

収集を比較した。前述のAI配車システムを用いて最短配車コース、必要台数、走行距離、走行

時間及び二酸化炭素排出量を計算し比較した。

5.2.1 複数収集(49件)

(1)単独収集は SEC⇒品川運輸である。そこで、これと同じ条件で、(2)複数会社が連携し

た場合を比較した。両者についてAI配車システムを適用し、最適な連携会社名、必要最小台数、

配車最短コース、走行距離、走行時間及び二酸化炭素排出量を計算した。(2)の 7 台の配車コ

ースを図 5.7.に示し、台数、走行距離、走行時間を図 5.8に示す。連携会社の数は 5社、台数

は 14台から 7台に、走行距離は 1,007kmから 408kmに、走行時間は 105時間から 54時間

に、二酸化炭素排出量は 686kgから 278kgにいずれも削減された。(要約:図 5.11.)

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図 5.7 複数収集(49件)の連携収集

図 5.8 連携効果

5.2.2 専用便(単独配車:25件)

専用便の 25 件について、前述と同様に(1) SEC が単独で収集した場合と、(2)複数社が

連携して収集した場合とについて、同様のシミュレーションを実施した。専用便であるので台数

は 25 台で同じあるが、配車コースは連携各社の参加により短縮できる。図 5.9 には(1)1 社

単独の場合と(2)連携した場合の各々の配車コースを示す。連携した場合、配車コースが大幅

に短縮されたことがわかる。図 5.10 に示すよう走行距離は 1612km から 819km に、走行時

間は 121時間から 66時間に、二酸化炭素排出量は 1,097kgから 558kgにいずれも削減され

た。(要約:図 5.11)。図 5.10に示すように、走行距離と走行時間はおおむね半減した。

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図 5.9 専用便(25件)の連携収集

図 5.10 連携効果

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5.3 シミュレーション解析のまとめと課題

以上を要約して図 5.11に示す。従来は、各社が各排出事業者を個別に収集していたが、連携

収集すれば台数が同じでも走行距離と走行時間、二酸化炭素排出量をいずれも削減できる。また、

収運会社、配車コースを AI 配車システムで決定すると、さらに台数も削減できる。今回は AI

配車システムを用いて理想的なシミュレーションを実施したが、実際には顧客と収運・処理会社

の両方に種々の制約条件があるので、同じ効果が出るとは限らない。半減というのは無理として

も 20~30%の効果は見込めるのではないかと考える。

図 5.11 全体のまとめ

現在の AI配車システムは SECが自社のみで配車コースを最適化するものであり、多数の顧客

に対して収運・処理会社すべてを自動化して最適化することはできない。これを実現するには、

AI配車システムのバージョンアップについて一定規模の投資が必要になる。

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6. 意見交換会

事業ごみ受付センターの構築・運営は多方面のステークホルダーが関わっていくことから、関

係者間のコミュニケーション、相互理解と合意形成が重要である。

本事業の準備・運営過程においても幾度か説明・意見交換の場を設けてきた。H30年2月下旬

の段階でまとまった内容について、関係者に公開説明し、学識経験者のご意見も頂く意見交換の

場を設けた。

H30 年 2 月 26 日にベルサール八重洲において報告・意見交換会を実施し、エコスタッフ・

ジャパン(株)以外の参加者 39名の参加を得た。その構成も、廃棄物処理・リサイクル事業者、

システム会社、Webマーケティング会社、東京都、学識経験者(慶應義塾大学・細田衛士教授)

からなり、意見交換会では活発な議論がなされた。

意見交換会の概要

1)日 時 H30年 2月 26日(月)

2)会 場 ベルサール八重洲 Room E

東京都中央区八重洲 1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビル 2・3F

3)構 成 H29年度事業の結果報告(報告者:エコスタッフ・ジャパン())

参加者による意見交換

4)出席者 慶応義塾大学 経済学部教授 細田衛士氏

東京都環境局資源循環推進部計画課

H29年度事業の賛同会社及び関係者

廃棄物リサイクル企業 17社 28名

H29年度事業関係者 ESJ他 11名

計 39名

写真 6.1 意見交換会の様子

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今回の事業ごみ受付センターの効果、期待する意見等、活発な意見が出された。

出された意見を整理すると以下のとおりである。

(仕組みに関する意見)

仕組みとして効果的である。

現在問題視されている民泊のごみ処理にも応用できる可能性がある。

電子契約、電子マニフェストの運用により事務手間の削減効果があった。

地域毎にカテゴリー別にしたWebサイトを構成した方が、排出事業者にとって判り易いかも

知れない。

(運用面に関する意見)

数量を把握する点から写真を用いて廃棄物数量の事前確認・把握が必要。

排出事業者に対して電子契約と電子マニフェストに関する周知が必要である。

事業期間 1ヶ月に対して配車枠が 150しか無かったことがネックであった。

定額制と設定した廃棄物処理費用に再検討の余地がある。

2人体制での収集には効率の問題がある。

(今後に関する意見)

環境省が産業廃棄物処理業界の振興策の一つとして収集運搬の効率化を挙げており、収集運搬

の効率化と連携収集をカップリングするべき。

社会システムの改革(ものが集まること)が鍵となる。

AIを使ってシミュレーションすることも画期的なイノベーションである。

事業ごみ受付センターは 2020東京オリンピックに向けた課題である。

これまでデータが無かったところを数値化したところが成果である。

他自治体では実現が難しい事業である。

事業ごみ受付センターの定着化に向けた作業が必要。

コンプラインスの遵守。

アカウンタビリティ(説明責任)と第三者 check。

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7. まとめ

本事業では排出事業者及び廃棄物処理・リサイクル事業者が抱える課題を解決するために、ワ

ンストップ型の事業ごみ受付センターを試験的に構築・運用した。平成 30年 1月 10日から 2

月 15日までの約 1ヶ月間実施した結果、コンバージョン率 0.73%(廃棄依頼件数/Webサイ

ト訪問者数)の結果が得た。千三つ(3/1,000)と言われるWeb広告の世界では 7/1,000の値

は妥当なものであり、今後はこの値を向上させていく対策が必要となる。また、Google Analytics

にて事業ごみ受付センターWebサイトへのアクセス状況を解析した結果、Webサイト構造やス

マートフォン対応など、今後の改善課題を明らかにした。これらを解決しサイトを継続させれば

一定の廃棄依頼件数は確保できるものと予想する。

事業ごみ受付センターを運用する際に必要となる廃棄物処理・リサイクル事業者側の体制整備

を進めた。当初の企画段階では賛同する廃棄物処理・リサイクル事業者の数も 10社程度であっ

たが、説明会や会合を重ね、最終的には 19社となった。対応可能な廃棄物は有害廃棄物や廃油

類、小型家電リサイクルの専門会社など全域をカバーすることができ、体制整備の基礎段階は完

了した。有害・危険性廃棄物については現状を調査・分析し、対象物、情報伝達、引き渡し手段、

廃棄費用の 4点から今後のあるべき方向を整理した。

廃棄物処理委託時の事務手続きの効率化の観点から契約とマニフェストに関する一連の手続

を電子化した。件数は少なかったものの事務作業の軽減に有効であった。

複数の企業が連携することにより合理的・経済的な配車運用が可能になることから、粗大ごみを

例にして、従来の一社による収集と、複数社が連携して収集する場合の必要車両台数、走行距離・

時間、二酸化炭素排出量をシミュレーションで比較した。その結果、いずれの指標もおおむね半減

する効果を得た。

今後は、上記を踏まえて社会実装の段階に進めていきたい。共同事業者である東京都をはじめ、

今回参画していただいた各社、また指導官庁や担当行政のご指導とご支援を引き続き賜りたい。

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資 料

平成 29年度 東京都環境局 「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業

Web活用及び処理業者連携の促進による事業系廃棄物処理の効率化事業

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資料 1 H29年度事業 賛同会社一覧

廃棄物処理・リサイクル企業

有明興業株式会社 東京都江東区若洲二丁目 8 番 25 号

http://www.aknet.co.jp/index.html

株式会社市川環境エンジニアリング 千葉県市川市田尻 2 丁目 11 番 25 号

http://www.ike.co.jp/

SBS 即配サポート株式会社 東京都江東区新砂一丁目 5 番 29 号

http://www.sbs-sokuhaisupport.co.jp/

株式会社木下フレンド 埼玉県所沢市東所沢和田三丁目 1 番地 10

http://www.k-friend.co.jp/

品川運輸株式会社 東京都品川区東大井 2-1-8

https://www.shinagawa-unyu.co.jp/

白井エコセンター株式会社 東京都足立区入谷五丁目 16 番 28 番

http://www.shirai-g.co.jp/

株式会社太陽油化 東京都板橋区三園 2 丁目 12 番 2 号

https://www.taiyo-yuka.com/

株式会社東亜オイル興業所 千葉県八千代市上高野 1728-5

http://www.toaoil.com/index.html

株式会社中商 神奈川県川崎市幸区南加瀬 1 丁目 8 番 6 号

http://www.my-nakasho.co.jp/

那須興産株式会社 東京都板橋区高島平 2-2-9

http://www.nasuko-san.jp/index.html

日盛運輸株式会社 東京都江戸川区篠崎町 3 丁目 1 番 11 号

http://www.nissay-unyu.co.jp/index.html

日本サニテイション株式会社 東京都江東区新木場四丁目 1 番 30 号

http://www.nsani.co.jp/

株式会社ハチオウ 東京都八王子市四谷町 1927-2

http://www.8080.co.jp/

比留間運送株式会社 東京都武蔵村山市中央 2-133-1

http://www.eco-hiruma.co.jp/index.html

有限会社フロンティア 東京都足立区辰沼 2-17-7

http://www.f-frontier.co.jp/index.html

株式会社増渕商店 東京都板橋区仲町 16-8

http://www.mas-eco.co.jp/

ヨシヤコーポレーション株式会社 東京都江戸川区平井 6-70-5

http://www.yoshiya-top.co.jp/

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メジャーヴィーナス・ジャパン株式会社 東京エコファクトリー

東京都江東区新木場 4-2-21

http://major-venous.co.jp/index.html

株式会社リーテム 東京都千代田区外神田三丁目 6 番 10 号

https://www.re-tem.com/

(五十音順)

他賛同会社

SHIFFT 株式会社 東京都豊島区南池袋 2-49-7 池袋パークビル 1 階

https://shifft.jp/

余剰食品削減プラットフォーム「Reduce GO」 https://reducego.jp/

株式会社日本環境設計株式会社 東京都千代田区霞が関 3-2-5 霞が関ビルディング 25F

http://www.jeplan.co.jp/ja/

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成 29年度 東京都環境局 「持続可能な資源利用」に向けたモデル事業

Web活用及び処理業者連携の促進による事業系廃棄物処理の効率化事業

報 告 書

平成 30年 2月

エコスタッフ・ジャパン株式会社