7
建築パースの考え方では、上面図と側面図を使って作 図する。今回はこのような描き方で説明していく。

002 2 1-01

Embed Size (px)

Citation preview

 建築パースの考え方では、上面図と側面図を使って作図する。今回はこのような描き方で説明していく。

 二点透視図法でも上面図に消失点が二つ描かれるという以外は同じように扱う。以降のページでは、この作図法で使う用語や考え方を説明していく。

 PPは視円錐の底面に像が映るという概念を理解しやすくするためのスクリーンのようなもの。そもそも視円錐とは無限遠に伸びていくものなので、一枚の画像として考えるためには、視円錐内部の風景を集積した見え方をするものというPPのような概念が必要となる。

 そうすると、左上図のように視円錐の縁スレスレに位置する正方形を作図するときは、作図の基準となるGLの位置もPPの底辺に一致する形になる。

 一方、左下図は正方形が遠ざかって視円錐の縁から離れている。このときは正方形の手前の辺とSPを視線で繋ぎ、PPを通過する高さがGLとなる。

 ELは常に水平方向を向いているわけではなく、SPに立っている人が見ている方向に伸びている。下を向けば地面が見えるし、上を向けば空が見える。

 PPはELと直行しているもので、決して地面に垂直に立っている物ではない。

 VP1とVP2は画角90°の消失点なので△SP-VP1-VP2は必ず直角三角形になる。すると、「ターレスの定理」により、VP1とVP2の間の距離を直径とする円周上にSPが位置することになる。

 視円錐における画角とは、作図しようとしている点と二つのVPを消失線で繋いだときの、VP1の頂点角とVP2の頂点角を合計した角度である。

 そうすると、画角が小さくなる(望遠レンズ)ほど視心に近い位置で作画した見え方をするということになる。

 広角レンズは立体が歪んで見えて、望遠レンズは立体の奥行きが圧縮されるのはこのためである。

 試しに様々な位置で作画してみると、視心から遠い立体ほど歪んでいる。ちなみに画角90°の視円錐の外で作画することも可能だが極端に歪んでしまう。

 また、視円錐の画角が90°、60°、30°と公倍数の関係であれば、単純に視円錐の直径を三等分して考える事もできる。