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056 IT Guidbook for Faculty2015 057Doshisha University
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
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学術資料の
活用法
8
その他
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情報環境を
利用する
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一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
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授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
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IT活用のノウ
ハウを得る
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学術資料の
活用法
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その他
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5.02 教材コンテンツ作成支援5.02 教材コンテンツ作成支援
02 教材コンテンツ作成支援教材コンテンツ作成のための、さまざまな制度をご紹介します。
教材コンテンツ作成支援体制
授業で使用する教材に、他者が著作権を持つ著作物を利用する場合
授業で使用される教材コンテンツの作成にあたり、先生のご要望に合ったコンテンツ作成のための、方法やノウハウなどをご提案します。学内には、写真やグラフ、音声、映像などを組み合わせた効果的なコンテンツを作成できる環境を整備しています。使用したい素材をご準備いただき、完成イメージをお伝えください。機器やソフトウェアの具体的な操作方法についてもご説明しますので、お気軽にご相談ください。
教材コンテンツ作成支援体制に関するお問い合わせは、お問い合わせ
ITサポートオフィス(情報支援課情報支援係)にご連絡ください。
著作物は「著作者の権利」で保護されており、無断でコピーなどをすることは著作者の権利の侵害にあたるとされています。他人の著作物を利用するには、著作権者の許諾を得るのが原則ですが、「著作者の権利」を制限し、許諾なく利用できる場合が例外的に定められています。教員が授業の必要性から他者の著作物を複製し、授業中に配布することができるということが、著作権法第35条1項によって定められています。また、授業中に市販の映画のビデオを上映したり音楽を演奏したりすることについても、著作権法第38条1項で許されるとされています。この著作権の制限とは、著作者はこれに対して権利を主張することができない、つまり利用する側からいえば許諾を得ずに利用することができる条件を定めたものです。
●ある著作物のプリントコピーを授業中に配布する以下の条件の範囲内での利用とされています。 ①�学校その他教育機関として認められた組織であること
②�すでに公表された著作物であること ③授業に必要と認められること ④授業の過程において使用すること ⑤�部数が著作権者の利益を不当に損な
わない範囲であること
他者の著作物を複製した資料を授業時間外に配布することや受講生以外に配布することは認められていません。また一般的に50部を超えるような複製は⑤の「著作権者の利益を不当に害する」とされていますので、許諾を得ておくことが望ましいと思われます。
●市販の映画のビデオを上映する教育機関に限らず市販ビデオの上映や音楽の演奏については著作権法第38条に定めがあり、一定の条件下で利用可能とされています。この条件として以下の3つがあげられます。 ①利益をあげることが目的でないこと ②聞いている人や見物人からお金を取らないこと ③演奏する場合など出演者にお金を払わないこと大学などの教育機関での授業中の上映は、この条件に該当するとされており、許諾なく利用可能です。ただし、参加料を取るような講演会や研究会などは、直接の利益が目的でなくても該当しませんので注意が必要です。
また、公表された著作物の引用についても、著作権法第32条に定められた範囲内で許諾を必要とせず利用することができます。ただし、引用として成立するには大きく5つの条件があります。 ①すでに公表された著作物であること ②教育研究目的において正当な範囲の利用であること ③他者の著作物と自己の著作物を明確に区分すること ④自己の著作物が主で引用部分を従とした主従関係が明白であること ⑤著作者人格権を侵害しないことこれらの条件を満たし、かつ出所の明示をすることで、引用として扱うことができます。この場合も許諾なしに授業中に利用することは可能です。ただ、上述の条件は判断が難しい場合も多いので、許諾を得ておくことが望ましいと思われます。
●PowerPointを使用した授業にある著作物を素材として利用する最近では、紙媒体にコピーして配布する代わりにパワーポイントのスライドなどに貼付けて、ビデオプロジェクターなどを用いて授業中に学生に見せることが多くなっています。この場合でも著作権法第35条2項の上映に該当し、許諾の必要はないとされています。
●ある著作物のデータをサーバにアップロードする �そして、そのデータを学生に閲覧させたり、ダウンロードしてプリントアウトさせたりするこれらの教材や資料をサーバに保存し、予習・復習目的で受講生自身に参照させたり、資料をダウンロードしてプリントアウトさせたりといったことは、上述の権利制限の適用外の行為であり認められていません。たとえアクセス制限を行い受講生にしか見せないといった措置をしたとしても、認められないとされています。このような場合は、必ず著作権者の許諾を得ておく必要があります。
支援体制の目的
教育方法の改善の一環として、授業のIT化を推進していくうえで必要となる教材作成スキルを向上させ、教育効果の高いデジタル教材コンテンツを学生に提供することが目的です。
著作物
コピー
学生
● 授業時間外の配布
● 受講生以外の配布
● 大量枚数のコピー
ただし、以下は認められません。
大量コピーは権利侵害とみなされます。ご注意ください。
学生
ただし、上映料金をとらなくても参加料をとる講習会などは認められません。
著作物
プリントアウトさせる
Coming Soon!The Movixe!
Comin
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Movix
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Coming
Soon!
The Movi
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Coming Soon!
The Movie!
!
INTERNETサーバ
ダウンロードさせる
閲覧させる
アップロードする
Coming Soon!The Movie!!
著作物
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一般教室での授業に
情報設備を活用する
2
授業で情報教室を
利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア技術を
活用した教材作成
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一般教室での授業に
情報設備を活用する
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授業で情報教室を
利用する
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授業でITを
活用する
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IT活用の
ノウハウを得る
IT活用の
ノウハウを得る
マルチメディア技術を
活用した教材作成
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6
学術資料の
探し方
7
8
学術資料の
探し方
7
Do!Faculty
ガイド
Do!Faculty
ガイド
8
情報環境を
利用する
1情報環境を
利用する
1
Doshisha UniversityFaculty 149
一般教室での授業に
情報設備を活用する
2
授業で情報教室を
利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア技術を
活用した教材作成
5
6
一般教室での授業に
情報設備を活用する
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授業で情報教室を
利用する
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授業でITを
活用する
4
IT活用の
ノウハウを得る
IT活用の
ノウハウを得る
マルチメディア技術を
活用した教材作成
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学術資料の
探し方
7
8
学術資料の
探し方
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Do!Faculty
ガイド
Do!Faculty
ガイド
8
情報環境を
利用する
1情報環境を
利用する
1
Doshisha UniversityFaculty
プリントアウトさせる
C
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INTERNETサーバ
ダウンロードさせる
閲覧させる
アップロードする
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著作物
教員が授業の必要性から他者の著作物を複製し、授業中に配布することができるということが、著作権法第35条1項によって定められています。また、授業中に市販の映画のビデオを上映したり音楽を演奏したりすることについても、著作権法第35条2項で許されるとされています。この著作権の制限とは、著作者はこれに対して権利を主張することができない、つまり利用する側から言えば許諾を得ずに利用することができる条件を定めたものです。
以下の条件の範囲内でとされています。
①学校その他教育機関として認められた組織であること ②すでに公表された著作物であること ③授業に必要と認められること ④授業の過程において使用すること ⑤部数が著作権者の利益を不当に損なわない範囲であること
他者の著作物を複製した資料を授業時間外に配布することや受講生以外に配布することは認められていませんし、また一般的に50部を超えるような複製は⑤の「著作権者の利益を不当に害する」とされていますので、許諾を得ておくことが望ましいと思われます。
●ある著作物のプリントコピーを授業中に配布する場合
教育機関に限らず市販ビデオの上映や音楽の演奏については著作権法第38条に定めがあり一定の条件下で、利用可能とされています。この条件として以下の3つがあげられます。 ①利益をあげることが目的でないこと ②聞いている人や見物人からお金を取らないこと ③演奏する場合など出演者にお金を払わないこと
大学などの教育機関での授業中の上映は、この条件に該当するとされており、許諾なく利用可能です。ただし、参加料を取るような講演会や研究会などは、直接の利益が目的でなくても該当しませんので注意が必要です。
●市販の映画のビデオを上映する
また、公表された著作物の引用についても、著作権法第32条に定められた範囲内で許諾を必要とせず利用することができます。ただし、引用として成立するには大きく5つの条件があります。 ①すでに公表された著作物であること ②教育研究目的において正当な範囲の利用であること ③他者の著作物と自己の著作物を明確に区分すること ④自己の著作物が主で引用部分を従とした主従関係が明白であること ⑤著作者人格権を侵害しないこと
これらの条件を満たし、かつ出所の明示をすることで、引用として扱うことができます。この場合も許諾なしに授業中に利用することは可能です。ただ、上述の条件は判断が難しい場合も多いので、許諾を得ておくことが望ましいと思われます。
● PowerPointを使用した授業にある著作物を素材として利用する
最近では、紙媒体にコピーして配布する代わりにパワーポイントのスライドなどに貼り付けて、プロジェクタ等を用いて授業中に学生に見せることが多くなっています。この場合でも著作権法第35条2項の上映に該当し、許諾の必要はないとされています。
● ある著作物のデータをサーバにアップロードする そして、そのデータを学生に閲覧させたり、ダウンロードしてプリントアウトさせるこれらの教材や資料をサーバに保存し、予習・復習目的で受講生自身に参照させたり、資料をダウンロードしてプリントアウトさせるといったことは、上述の権利制限の適用外の行為であり認められていません。たとえアクセス制限を行い受講生にしか見せないといった措置をしたとしても、認められないとされています。このような場合は、必ず著作権者の許諾を得ておく必要があります。
著作権の許諾を得るにはこの許諾という権利処理の作業を進めるには、まず著作権者と連絡を取ることが必要です。他者のホームページの一部を使った場合や正規に出版された図書などの抜粋の場合は、その著作権者が誰であるか明らかですので、直接その作者や出版社に連絡を取ることが可能です。しかし、誰が著作者なのかわからない、また音楽や映画のように非常に多くの著作権者が存在し、個別に連絡を取ることが困難なことがあります。このような場合に権利処理を円滑に進めるため、利用しようとする著作物の種類毎に著作権管理団体という組織ができています。これらは著作権者から委託を受けて著作権を管理し、許諾の手続きや使用料の徴収の仲介などを行っています。また著作権管理団体でなくても、これら著作権の問い合わせ窓口として機能している組織もあります。
著作物
コピー
学生
● 授業時間外の配布
● 受講生以外の配布
● 大量枚数のコピー
ただし、以下は認められません。
大量コピーは権利を侵すとみなされます。ご注意ください。
学生
ただし、上映料金をとらなくても参加料をとる講習会などは認められません。
著作物
学生
●代表的な著作権管理団体著作権全般 (社)著作権情報センター http://www.cric.or.jp/文献複写 (社)日本複写権センター http://www.jrrc.or.jp/音楽全般 (社)日本音楽著作権協会(JASRAC) http://www.jasrac.or.jp/文芸作品 (社)日本文藝家協会 http://www.bungeika.or.jp/脚本 (協)日本脚本家連盟 http://www.writersguild.or.jp/脚本 (協)日本シナリオ作家協会 http://www.j-writersguild.org/記録された音楽 (社)日本レコード協会 http://www.riaj.or.jp/芸能実演家の権利 (社)日本芸能実演家団体協議会 http://www.geidankyo.or.jp/美術作品 (社)日本美術家連盟 http://www.jaa-iaa.or.jp/写真 日本写真著作権協会 http://www.jpca.gr.jp/映画・アニメ (社)日本映像ソフト協会 http://www.jva-net.or.jp/デジタル著作物 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会 http://www2.accsjp.or.jp/
著作物は「著作者の権利」で保護されており、無断でコピーなどをすることは著作者の権利の侵害にあたるとされています。他人の著作物を利用するには、著作権者の許諾を得るのが原則ですが、「著作者の権利」を制限し、許諾なく利用できる場合が例外的に定められています。
著作権の処理05
授業で使用する教材に、他者が著作権を持つ著作物を利用する場合
ITサポートオフィスの連絡先
ITサポートオフィスの連絡先については、P.028をご覧ください。
著作物
コピー
学生
● 授業時間外の配布
● 受講生以外の配布
● 大量枚数のコピー
ただし、以下は認められません。
大量コピーは権利侵害とみなされます。ご注意ください。
学生
ただし、上映料金をとらなくても参加料をとる講習会などは認められません。
著作物
058 IT Guidbook for Faculty2015 059Doshisha University
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
7
学術資料の
活用法
8
その他
9
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
7
学術資料の
活用法
8
その他
9
5.02 教材コンテンツ作成支援
著作権の許諾を得るにはこの許諾という権利処理の作業を進めるには、まず著作権者と連絡を取ることが必要です。他者のホームページの一部を使った場合や正規に出版された図書などの抜粋の場合は、その著作権者が誰であるか明らかですので、直接その作者や出版社に連絡を取ることが可能です。しかし、誰が著作者なのかわからない、また音楽や映画のように非常に多くの著作権者が存在し、個別に連絡を取ることが困難なことがあります。このような場合に権利処理を円滑に進めるため、利用しようとする著作物の種類ごとに著作権管理団体という組織ができています。これらは著作権者から委託を受けて著作権を管理し、許諾の手続きや使用料の徴収の仲介などを行っています。また著作権管理団体でなくても、これら著作権の問い合わせ窓口として機能している組織もあります。
●代表的な著作権管理団体著作権全般 (社)著作権情報センター http://www.cric.or.jp/文献複写 (社)日本複製権センター http://www.jrrc.or.jp/音楽全般 (社)日本音楽著作権協会(JASRAC) http://www.jasrac.or.jp/文芸作品 (社)日本文藝家協会 http://www.bungeika.or.jp/脚本 (協)日本脚本家連盟 http://www.writersguild.or.jp/脚本 (協)日本シナリオ作家協会 http://www.j-writersguild.org/記録された音楽 (社)日本レコード協会 http://www.riaj.or.jp/芸能実演家の権利 (社)日本芸能実演家団体協議会 http://www.geidankyo.or.jp/美術作品 (社)日本美術家連盟 http://www.jaa-iaa.or.jp/写真 (社)日本写真著作権協会 http://www.jpca.gr.jp/映画・アニメ (社)日本映像ソフト協会 http://jva-net.or.jp/デジタル著作物 (社)コンピュータソフトウェア著作権協会 http://www2.accsjp.or.jp/出版物 (社)日本書籍出版協会 http://www.jbpa.or.jp/guideline/readto.html
どこに話を持っていけばよいかわからないようなときは、まず著作権管理団体に連絡を取り、その後の問い合わせ先など指示を乞うこともできます。問い合わせの結果、なんらかの許諾処理や使用料の支払が必要となれば、その時点であらためて該当の著作物を使用するか否かについて検討するということでもよいかもしれません。
許諾を得る際は、こちらの利用に関する条件を正確に伝えるため、以下の項目について確認を取りましょう。
①利用する著作物 ⑥利用期間(授業実施日、期間など)②利用目的(教育目的) ⑦著作物の管理、セキュリティの方法③利用対象者(該当科目を受講する大学生) (利用対象者以外が利用する可能性排除の方策)④利用人数(受講生数) ⑧使用料の有無、金額、支払方法⑤利用範囲/方法(紙での複製、サーバアップロードなど) (使用料を求められた場合)
許諾を得ることができたら、あとは許諾を受けた際の条件から逸脱しないよう配慮しながら利用することになります。次のページに著作物利用許可申請書の作成例を載せていますので、実際に著作権の許諾を得たい際の参考にしてください。
5.02 教材コンテンツ作成支援
●●●●
同志社 太郎
同志社出版
本学の HP に掲載している「大学入学準備講座」の講義の中で上記作品をプロジェ
クターで上映し朗読している場面の動画配信を希望しています。但し、動画視聴は
希望者のみに ID・PW をお伝えする形をとります。
高校生
無期限
同志社出版
新島 太郎
京都市上京区今出川通●●-××
075-251-****
075-251-△△△△
平成 27 4 1 4
有料の講習会で著作物を使いたい。
大量にコピーして配布したい。
著作権の許諾を得たい。
著作権管理団体へ問い合わせ
許諾処理の説明使用料金(支払)
著作権管理団体
著作物
著作権の許諾
自由利用マーク
● 著作権を主張する場合 ● 著作権を主張しない場合
著作権法により無断での複製・転載などは禁止されております。
自己の主張を記載することにより、権利が保たれます。
許諾を得ず自由に使用できます。
060 IT Guidbook for Faculty2015 061Doshisha University
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
7
学術資料の
活用法
8
その他
9
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
7
学術資料の
活用法
8
その他
9
教員自身が授業運営の必要性から教材を作成した場合、その教材の著作者であり著作権者として著作権を持つことになります。作成した教材の中に他者の著作物が含まれている場合は、それらを除いた部分について権利を主張できます。この著作権については、特許のように申請による権利ではなく、著作物を創作したときから自然に発生する権利です。あえて意思表示をしなくても、権利を侵害されたと判明した時点で権利を主張することができますが、これら教材を複製して配布したり、インターネット上で公開したりする場合などは、無断複製を禁ずるといった意思表示をしておくことをお勧めします。また、逆にこれら教材などの著作物の公共性を考え、他人に自由に使ってもらってもよいと権利者自身が考える場合には、文化庁により定められた自由利用マークをつけることでその意思を示すこともできます。
もし教員自身に権利がある著作物について、他者に無断で使用されるなど権利が侵害された場合、民事上の救済を求めることができます。それらの行為に対して差止請求により侵害の停止や予防などを請求できるほか、自己が受けた損害の賠償や不当に利益を受けたものに対しての返還請求が可能です。さらに、著作者人格権を侵害された場合には、損害賠償と同時に名誉回復に必要な措置を請求することも可能です。
作成した教材そのものの著作権の行使について専任教員が電子化された教材を作成するにあたり、ほかの教員の参考にもなるような教材の作成を計画される場合は、学習支援・教育開発センターの教育方法・教材開発費制度を利用することが可能です。この制度は、本学における授業改善をさらに促進するために新たな教育方法および教材開発に必要な費用全般を補助するもので、1件あたりの支給金額が50万円以下のA区分と、200万円以下のB区分の2つ申請区分があり、毎年5〜10件程度の取り組みが採択されています。過去の採択事例は以下のとおりです。
2014年度 開 発 テ ー マ 所 属 申 請 者
A区分
学生からの回答を元に誤りパターンを蓄積することで成長する自習用教材の開発 社会学部 原田 隆史
佐藤 翔日本人学生と留学生との効果的な学び合い 政策学部 岡田 彩
大教室での参加型授業の基本型の映像化と印刷物化 政策学部 中野 民夫
人文社会科学系学生を対象とした日英理工学教育教材の開発 理工学部 和田 元
中国語学習者の学習効果をアップする中国語文法の教授法 グローバル地域文化学部 張 軼欧
B区分 現代科学を学ぶ学生のための物理実験実習プログラムの開発 生命医科学部 吉川 研一剣持 貴弘
2013 年度 開 発 テ ー マ 所 属 申 請 者
A区分 大教室での参加型・ワークショップ型授業の基本型の開発 政策学部 中野 民夫柴田 悠
2012 年度 開 発 テ ー マ 所 属 申 請 者
A区分
CALL を用いた聞き取り練習支援教材の開発 言語文化教育研究センター Jan Auracher
データサイエンスにおける体験型教育教材の開発 文化情報学部大森 崇宿久 洋大田 靖
学外公開にふさわしい解析学の質の高い e-Learning 教材の開発理工学部 溝畑 潔
押目 頼昌文化情報学部 浦部 治一郎
英語および初修外国語学習への多読・多聴指導法の導入Ⅱ
言語文化教育研究センター
西納 春雄稲本 健二三原 芳秋
グローバル ・ コミュニケーション学部
玉井 史絵Bettina Gildenhard
B区分 商学部カリキュラム改革に伴う初年次設置新設科目の教育方法・教材開発 商学部田淵 太一丸茂 俊彦大原 悟務西川 純平
2011 年度 開 発 テ ー マ 所 属 申 請 者
A区分海外留学を支援する実践学習教育方法の開発 文学部
藤井 光大沼 由布Simon Humphries
導入教育と卒業研究をつなぐ教材の開発 -商学部生の研究における問いの立て方- 商学部 大原 悟務
B区分
学外公開にふさわしい線形代数学の質の高い e-Learning 教材の開発理工学部 溝畑 潔
押目 頼昌文化情報学部 浦部 治一郎
社会福祉実習教育に用いる討議用ケースブック(ケース討議用教材)作成 社会学部野村 裕美空閑 浩人樽井 康彦
英語および初修外国語学習への多読・多聴指導法の導入 言語文化教育研究センター
西納 春雄稲本 健二玉井 史絵BettinaGildenhard長谷部 陽一郎三原 芳秋
毎年秋学期に、次年度の開発費の申請を受け付けます。公募要領などが決定しましたら、各教員のメールボックスに案内を配布します。詳細については学習支援・教育開発センターホームページの「教育方法・教材開発費制度」のコーナーをご覧ください。http://clf.doshisha.ac.jp/support/development/materials.html
教育方法・教材開発費制度の利用5.02 教材コンテンツ作成支援 5.02 教材コンテンツ作成支援
有料の講習会で著作物を使いたい。
大量にコピーして配布したい。
著作権の許諾を得たい。
著作権管理団体へ問い合わせ
許諾処理の説明使用料金(支払)
著作権管理団体
著作物
著作権の許諾
自由利用マーク
● 著作権を主張する場合 ● 著作権を主張しない場合
著作権法により無断での複製・転載などは禁止されております。
自己の主張を記載することにより、権利が保たれます。
許諾を得ず自由に使用できます。
自由利用マーク
自由利用マークについては、ホームページ(http://w w w . b u n k a . g o . j p /jiyuriyo/)をご覧ください。
権利処理に関する規程
P.103の「教材コンテンツの権利処理に関する基本事項」および「授業の映像化とその公開に関する留意事項」を参照してください。
062 IT Guidbook for Faculty2015 063Doshisha University
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
7
学術資料の
活用法
8
その他
9
情報環境を
利用する
1
一般教室での授
業に情報設備を
活用する
2
授業で情報教室
を利用する
3
授業でITを
活用する
4
マルチメディア
技術を活用した
教材作成
5
ラーニング・
コモンズの利用
6
IT活用のノウ
ハウを得る
7
学術資料の
活用法
8
その他
9
5.02 教材コンテンツ作成支援
本学では、「同志社大学オープンコースウェア」として、本学の授業で使用されている教材をインターネットで公開しています。
「同志社大学オープンコースウェア」の目的は、●本学の教育を広く社会に周知する●入学生・教員のリクルートに役立てる●公開することによるフィードバック効果により 授業内容を改善・充実する●在学生への教材資料提供サービスを充実する●知的資産を蓄積する
の5点です。オープンコースウェアで教材を公開することによって、公開そのものや教材に対して学内外から寄せられる意見などを聞くことができます。また、自らの授業教材を公開していなくても、ほかの教員が授業で使用されている教材を参照することにより、自身の教育内容を再確認するとともに改善・充実の機会になります。
「同志社大学オープンコースウェア」に関するお問い合わせは学習支援・教育開発センお問い合わせ
ター事務室([email protected])までご連絡ください。
Column
同志社大学オープンコースウェアの利用
世界的に拡がるオープンコースウェア
オープンコースウェアの取り組みは、昨今、世界的にも拡がりつつあります。MIT(マサチューセッツ工科大学)を中心とするオープンコースウェアはその代表的なものですが、わが国では主要大学がこれに賛同して「日本オープンコースウェアコンソーシアム(JOCW)」が設立されました。JOCWは国際的なオープンコースウェアの活動組織である「オープンコースウェアコンソーシアム(OCWC)」のアフィリエイトメンバーでもあります。「同志社大学オープンコースウェア」だけでなく、「日本オープンコースウェアコンソーシアム」や「オープンコースウェアコンソーシアム」参加校のサイトもご参照いただければ、より教育効果の高い教材作成のヒントが得られるかもしれません。
「同志社大学オープンコースウェア」� http://opencourse.doshisha.ac.jp/「日本オープンコースウェアコンソーシアム(JOCW)」�http://www.jocw.jp/index_j.htm「オープンコースウェアコンソーシアム(OCWC)」� http://www.oeconsortium.org/
5.02 教材コンテンツ作成支援
同志社大学オープンコースウェアのホームページ
詳細については、同志社大学オープンコースウェアのホームページ(http://opencourse.doshisha.ac.jp/)をご覧ください。
教育コンテンツ相互利用システム私立大学情報教育協会「教育コンテンツ相互利用システム」教育コンテンツ相互利用システムの対象は、大学・短期大学および所属の教職員です。授業の教材・資料や授業事例のレジュメなどのコンテンツをインターネット上に掲載することで、相互の閲覧・利用を可能とし、教育水準の向上と著作権管理の簡便化を目指しています。コンテンツの提供者(権利者)は、登録したコンテンツの利用状況を確認、ダウンロードすることができるので、教育実績の基礎資料としても活用いただけます。
「教育コンテンツ相互利用システム」のホームページ
詳細については、私立大学情報教育協会「教育コンテンツ相互利用システム」のホームページ(http://sougo.juce.jp/)をご覧ください。
私立大学情報教育協会