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1 ○ 基本計画の名称:長井市中心市街地活性化基本計画 ○ 作成主体:山形県長井市 ○ 計画期間:平成 28 4 月から平成 33 3 月まで(5 年) 1.中心市街地の活性化に関する基本的な方針 [1]長井市の概要 (1)位置・地勢・気候 長井市は山形県の南西部に位置している。市の東部はなだらかな出羽丘陵、西部は磐梯朝日国立公 園の主軸をなす朝日山系の険しい山岳地帯であり、可住地域は二つの山容に挟まれた標高 200m250mの盆地である。市域は東西 20.4km、南北 22.7km、総面積 214.69k ㎡を有し、「水と緑と花」 のまちである。 長井の地名は「水の集まる所」に由来している。市の東部を福島県境の吾妻山を源とする山形県の 母なる川、最上川が南北に貫流し、新潟、福島県境の飯豊山を源とする置賜白川と朝日山系を源とす る置賜野川が市内で最上川と合流している。 県の幹線道である国道 13 号を補完する国道 287 号が南北に、新潟と宮城を最短距離で結ぶ国道 113 号が東西に走り、重要な交通拠点となっている。また、地方鉄道の山形鉄道フラワー長井線が近隣 1 2 町を通り、高校生や高齢者、首都圏からの訪問者の 重要な交通手段を担っている。 気候は、盆地のため寒暖の差が激しく、降雪量が多い。 気象 日照時間 降水量 降雪量 最深積雪 年平均 最高 最低 (h) (mm) (cm) (cm) 平成15年 10.7 32.3 △ 14.0 1221.9 1,847.0 629 110 16年 11.7 34.1 △ 12.8 1418.6 2,059.0 720 140 17年 10.7 35.0 △ 11.5 1272.5 1,721.0 790 116 18年 10.8 33.6 △ 14.0 1313.6 1,991.0 967 148 19年 11.1 35.2 △ 9.5 1582.2 1,931.0 520 53 20年 10.7 33.1 △ 12.1 1490.7 1,717.5 735 102 21年 11.2 33.0 △ 14.0 1476.6 1,561.5 635 86 22年 11.7 35.8 △ 9.8 1493.7 1955.5 695 82 23年 10.8 33.8 △ 12.9 1553.1 1858.0 905 152 24年 10.7 35.2 △ 12.3 1539.4 1398.0 1,015 166 資料:気象庁 年次 気温(℃)

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○ 基本計画の名称:長井市中心市街地活性化基本計画

○ 作成主体:山形県長井市

○ 計画期間:平成 28 年 4 月から平成 33 年 3 月まで(5 年)

1.中心市街地の活性化に関する基本的な方針

[1]長井市の概要

(1)位置・地勢・気候

長井市は山形県の南西部に位置している。市の東部はなだらかな出羽丘陵、西部は磐梯朝日国立公

園の主軸をなす朝日山系の険しい山岳地帯であり、可住地域は二つの山容に挟まれた標高 200m~

250mの盆地である。市域は東西 20.4km、南北 22.7km、総面積 214.69k ㎡を有し、「水と緑と花」

のまちである。

長井の地名は「水の集まる所」に由来している。市の東部を福島県境の吾妻山を源とする山形県の

母なる川、最上川が南北に貫流し、新潟、福島県境の飯豊山を源とする置賜白川と朝日山系を源とす

る置賜野川が市内で最上川と合流している。

県の幹線道である国道 13号を補完する国道 287号が南北に、新潟と宮城を最短距離で結ぶ国道 113

号が東西に走り、重要な交通拠点となっている。また、地方鉄道の山形鉄道フラワー長井線が近隣 1

市 2 町を通り、高校生や高齢者、首都圏からの訪問者の

重要な交通手段を担っている。

気候は、盆地のため寒暖の差が激しく、降雪量が多い。

気象日照時間 降水量 降雪量 最深積雪

年平均 最高 最低 (h) (mm) (cm) (cm)

平成15年 10.7 32.3 △ 14.0 1221.9 1,847.0 629 110

   16年 11.7 34.1 △ 12.8 1418.6 2,059.0 720 140

   17年 10.7 35.0 △ 11.5 1272.5 1,721.0 790 116

   18年 10.8 33.6 △ 14.0 1313.6 1,991.0 967 148

   19年 11.1 35.2 △ 9.5 1582.2 1,931.0 520 53

   20年 10.7 33.1 △ 12.1 1490.7 1,717.5 735 102

   21年 11.2 33.0 △ 14.0 1476.6 1,561.5 635 86

   22年 11.7 35.8 △ 9.8 1493.7 1955.5 695 82

   23年 10.8 33.8 △ 12.9 1553.1 1858.0 905 152

   24年 10.7 35.2 △ 12.3 1539.4 1398.0 1,015 166

資料:気象庁

年次気温(℃)

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(2)沿革

現在の長井市(以後、長井市の誕生以前の同地域を指す場合も便宜上、「長井市」と表記する)を

含む地域に「置賜郡」が置かれたのは大化の改新(645 年)直後のことである。その後平安中期から鎌

倉時代にかけては「長井郷」と呼ばれ、文治 5 年(1189 年)に鎌倉幕府の御家人である大江時広が地頭

となり、置賜一円の地名は「長井の庄」と改められた。時広はその名を冠して長井時広と名乗った。

天授 6 年(1380 年)には伊達氏の支配地となり、天正 18 年(1590 年)に伊達氏が豊臣秀吉によ

って仙台に移封された後は蒲生氏郷、上杉景勝と支配者が変わった。その後江戸時代を通じて米沢藩

上杉氏の支配地となる。

元禄 7 年(1694 年)米沢藩の時代に西村久左衛門によって最上川の舟運が開かれ、酒田を経て京

都・大阪への海路が開かれると、長井市は米沢藩の物資運搬の集積地、「山の港町」となり、絹織物

などを取り扱う多くの豪商が現れ、藩内屈指の商業都市として栄華を誇った。最上川の河川交通の要

衝として、また寺社の門前町として初期の市街地が形成され、こうした文化往来の象徴が「蔵」や「水

路」であり、今も市内に多く見受けられる。

明治 4 年(1871 年)の廃藩置県を経て、明治 11 年(1878 年)の郡制施行により米沢藩北西部は

西置賜郡となり、長井市はその中心地として発展した。長井市は明治 22 年(1889 年)の町村制施行

による合併で長井町、長井村、西根村、平野村、豊田村、伊佐沢村の 1 町 5 村となった。その後大正

3 年(1914 年)国鉄長井線として長井~赤湯間の 18.3km が開通し、最上川沿いから鉄道に挟まれた

地域に市街地が面的に広がっていった。

昭和以降は、戦時中に誘致した東芝の創業やその後の高校等の開校、さらに市街地の東側に国道

287 号のバイパスが開通するなど、市街地が最上川沿いからさらに鉄道を越えて大きく広がった。

昭和 29 年(1954 年)には町村合併促進法により 1 町 5 村が合併し、長井市が誕生した。高度経済

成長期には、東芝の企業城下町として県内有数の製造業のまちへ発展を遂げ、その従業員や家族が中

心商店街の繁栄とにぎわいをもたらした。

本計画において設定している中心市街地には、この時代に 5 つの商店街が形成され、現在に至って

いる。

(3)広域的な位置づけ

長井市は、西置賜地区(小国町・白鷹町・飯豊町)1 市 3 町の拠点都市である。舟運時代に米沢藩の

物資集積地であったことを背景に、明治以降には郡役所や国県の出先機関等がおかれるようになった。

また、山形県が平成 24 年度に実施した「山形県買物動向調査」でみると、本市は買回品において、

他市町を一次商圏(購買依存率 30%以上)に含む自治体である。

以上のことから商業、行政上の中心であり、さらに昼間人口も 100%を超えていることから、就学、

就業の場を担っている。

図 山形県置賜地域の位置

西置賜

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(4)歴史・文化資源や社会資本等既存ストックの状況と有効活用方法

長井市は、江戸時代に最上川舟運の商都として発展し、また、大正時代には長井駅前に郡是製糸が

立地するなどしたことから、江戸、明治から昭和初期にかけての商家や近代建築物が各所に残ってい

る。さらに、十日町やあら町を中心とする地域にはそうした建築物がまとまっており、観光等の資源

として活用している。

長井市は「水と緑と花」のまちと呼ばれ、「白つつじまつり」「あやめまつり」「水まつり」「もみじ

回廊」「雪灯り回廊まつり」等、四季折々の自然美を生かした観光事業等に力を注いでいる。中心市

街地区域内には白つつじ公園があり、見頃となる 5 月には 6.3ヘクタールの園内に、3,000株の白つ

つじが咲き誇る。また、同園内には「七兵衛つつじ(市指定天然記念物)」と呼ばれる樹齢約 750 年

の古木群がある。

① 歴史的・文化的資源

(ア)旧丸大扇屋長沼忠兵衛宅(県指定有形文化財)

・300 年前から、代々呉服商を営んできた商家である丸大扇屋は、幕末から明治、大正にかけての

当時の様子を残し、茅葺屋根の母屋と蔵座敷、水

と緑が織り成す庭園、それぞれが美しく調和して

いる。

・丸大扇屋は舟運時代の目抜き通りに立地してお

り、付近には、酒、醤油などの醸造業が立地し、

また明治 11 年建築の旧郡役所とも隣接し、市街

地北部における文化・観光の資源となっている。

・現在も、「文教の杜」として一般公開されており、

屋敷の一角には、長沼中兵衛の三男である彫刻家

長沼孝三の作品を収める彫塑館がある。

(イ)旧西置賜郡役所(小桜館)(市指定有形文化財)

・明治 11 年(1878 年)に建てられた木造 2 階建

ての洋風建築で、舟運時代の商家を中心とした

「文教の杜」に隣接している。現存する郡役所で

は全国で 2 番目に古い。

・現在は、「小桜館」として公開しており、イベン

ト等に活用されている。

(ウ)長井小学校(登録有形文化財)

・長井小学校の第1校舎は、昭和 8 年(1933 年)に建築された木造二階建ての建物である。校舎

内は米松の正目の床張り、正面階段の広さ、貴賓室など当時の校舎として極めて立派な建築であ

り、外観においても瓦屋根、スレート板の外壁な

どの特徴がある。冬はライトアップを行ってい

る。

・長井小学校は、国道 287 号に隣接し、その東側の

ほど近くに最上川が流れており、中心市街地東側

の基点の一つである。

・また、現在も職員室や会議室、特別教室として活

用されている現役の校舎である。

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(エ)旧桑島眼科医院(桑島記念館)(市指定有形文化財)

・桑島記念館は、高度成長期の市の繁華街であった本町に立地し、長井市近代化の象徴の一つであ

る。

・本町の眼科医桑島五郎が、昭和 2 年(1927 年)

に長井市で初めて個人の資金による洋館2階建て

の病院を建築した。ゴシック建築の名残の棟飾り

やトーマーウィンドー、石造りに似せた人造石洗

い出しの外壁に特色があり、昭和初期の医院建築

の貴重な遺産として市の文化財に指定されてい

る。平成 7 年(1995 年)に、桑島眼科医院の新

築により、旧病院が取り壊されることになった

が、本町大通り商店街振興組合が主体となり、市

民からの寄付を募って、現在の本町駐車場の一角

に曳き移転した。その際、電気、水道を止め、道路にレールを敷いて建物自体を 120 メートル移

動し、話題となった。現在は、桑島記念館と名を変え、講演会、イベントなどに利用されている。

(オ)旧小池医院

・旧小池医院は、桑島記念館と同様に本町に立地し

ている。昭和 6 年(1931 年)に所有者である産婦

人科の医師が病院の建築にあたり、洋風木造建築

に強く惹かれ、英国チューダー朝ハーフティンバ

ー様式を取り入れ建築されたものである。屋根を

支える曲線の柱やアーチ型の窓が美しく、急勾配

の屋根とその上にそそり立つ八角形の塔は、今で

もまちのランドマークである。

(カ)合資会社山一醤油製造所(登録有形文化財)

・合資会社山一醤油製造所は、寛政元年創業(1789

年)の醤油、 味噌の醸造蔵である。

・市街地南部のあら町における舟運時代の歴史・文

化を物語る資源である。

・当主は、代々「大和屋弥助」を襲名する老舗で、

100 年以上経過した店舗では、現在も販売を行っ

ている。

(キ)やませ蔵美術館

・やませ蔵美術館は、山一醤油製造所と隣接してあ

ら町にあり、中心市街地の観光資源である。最

上川舟運で栄えた商業都市長井の江戸時代から続

く元紬問屋で、往時に収集した書画などの美術品

や紬に関する資料等を展示している。また、蔵が

立ち並ぶ庭園内には水路が走り、紅葉の名所とも

なっている。

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(ク)白つつじ公園

・白つつじ公園は、国道 287 号と舟運時代の歴史・文化を物語るあら町界隈との間の 6.3ha に樹

齢 750 余年の古木をはじめ、3000 株余りの白つつじ(琉球種)が植えられている。

5 月、園内いっぱいに咲き揃うと雪が積もったような光景が広がる。

・樹齢 750 余年の古木は「七兵衛つつじ」と言われ天明飢饉の際に当時の豪農鈴木七兵衛が救済

事業として築山を築いたことが発端で、その後明

治時代に篤志家の手により現在の場所に移された

物語がある。

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■歴史的な建造物の位置図

パンフレット「最上川舟運で栄えた“山の港町”ながい ~宮編~」より抜粋

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パンフレット「最上川舟運で栄えた“山の港町”ながい ~小出編~」より抜粋

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② 社会資本や産業資源

南陽市の赤湯駅から白鷹町の荒砥駅間を結ぶ地方鉄道の山形鉄道フラワー長井線が中心市街地区

域を縦貫している。

現在は、沿線および JR 東日本の米坂線を経由して米沢に通学する高校生の足として、また、方言

で観光ガイドを行う名物車掌や映画「スウィングガールズ」の舞台として、観光事業にも力を注いで

いる。

また、国道 287 号がフラワー長井線と最上川とほぼ並走するように中心市街地を南北に貫いてお

り、米沢、長井、寒河江、東根の各市を結び、山形県の基幹道路である国道 13 号を補完している。

産業資源では、1 次産業においては米を主力としたほぼ単作地帯であるが、リンゴ、ブドウ、ラフ

ランスといった果物や大豆・大根などの伝統野菜も増加傾向にある。また、米沢牛で知られるブラン

ド牛肉の主要産地であり、他に食用鯉などの生産がある。

長井市では、江戸時代初頭から直江兼続の施策によって青苧を栽培し、日本各地へ出荷してきたが、

第 9 代藩主上杉鷹山公の時代に養蚕地帯に転換した。その後、越後から職人を招き、絹織物の生産も

行われるようになり、明治 19 年(1886 年)には、長井市の織物問屋が新潟県から指導者を迎え、新た

な絣技術を普及させ、長井紬を代表する「米琉絣」が誕生した。

このような江戸時代から続く製糸と織物の歴史や、大正 9 年(1920 年)に郡是製糸を誘致した経

緯もあり、現在でも繊維産業が残っている。

また、昭和 17 年(1942 年)には東芝長井工場を誘致し、電子部品・デバイス、自動車部品、半導

体製造装置、金属工作機械などの技術が集積している。食品分野においては、清酒、醤油、味噌など

の醸造業が集積していた。現在の産業の概要は以下のとおりである。

農家数は 1,410 戸(H22 農林業センサス)、農業粗生産額は 46.2 億円(H18 生産農業所得統計)

で、ほぼ米の単作地帯である。果樹や花卉栽培もわずかであるが存在する。

製造業は約 119 事業所(H25 工業統計)が立地しており、製造品出荷額は 463.9 億円(H25 工業

統計)で、近年東北地方に立地した自動車メーカーへの対応をはじめ、電子部品、金属加工、製造設

備等の製造品が多い。

商業は、年間商品販売額が 475.4 億円(H24 商業統計)であり、近年郊外型の大規模小売店の立地

はあるものの年々減少傾向である。

(ア)公共交通(市営バス)

・長井市におけるバス路線は、過去に山形交通株式会社(現:山交バス株式会社)が 7 路線を運行し

ていたが、このうち 1 路線を残して全ての路線が平成 11 年度までに廃止となった。路線バスは、

民間の撤退後、行政へと運営主体が引き継がれ、沿線から取り残された交通弱者の救済のため、郊

外地から中心市街地経由の公立置賜総合病院行きで 3 路線と中心市街地を循環する 1 路線、計 4

路線を運行していた。過去には、飯豊町と

川西町の 1 市 2 町共同による 1 路線の運行

も実施していたが、利用者の減少から 3 年

で廃線となっている。いずれの路線も利用

者は運転免許を持たない高齢者等が大半を

占め、通院や買い物利用が主となり、若者

の通勤・通学等の利用はほとんどない状況

である。

このことから、平成 25 年度に国土交通省交

付金事業を活用して地域の公共交通の確保

維持改善にかかる調査を実施し、平成 26 年

度途中から現在の 5 路線に至っている。

図 市営バス乗車体験

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4月

5月

6月

7月

8月

9月

10

月1

1月

12

月1

月2

月3

月合

稼働

日数

(日)

818

2022

1825

2323

2518

2

乗車

人数

(人)

190

442

533

554

446

730

674

680

694

4,9

43

賃(円

)40,0

00

89,2

00

89,0

90

63,0

10

48,9

43

110,

772

97,1

50

103,

830

82,5

10

724,

505

走行

距離

(㎞)

1,5

57

3,5

09

3,8

55

4,2

27

3,4

64

4,3

38

3,9

94

3,9

90

4,4

09

33,3

43

稼働

日数

(日)

818

2022

1819

1919

2216

5

乗車

人数

(人)

9219

724

432

624

623

122

724

625

12,0

60

運 

  

賃(円

)21,9

00

43,4

00

38,0

00

49,3

30

36,8

00

34,7

00

32,9

40

28,7

00

31,2

00

316,

970

走行

距離

(㎞)

1,4

38

3,1

95

3,6

11

3,9

53

3,2

36

3,4

18

3,4

09

3,4

13

3,9

58

29,6

31

稼働

日数

(日)

818

2022

1819

1919

2216

5

乗車

人数

(人)

2150

5956

6495

9812

713

470

4

運 

  

賃(円

)1,2

00

7,8

50

4,8

00

6,4

00

7,6

00

9,2

00

12,1

50

17,2

00

10,9

00

77,3

00

走行

距離

(㎞)

1,3

86

3,0

71

3,4

74

3,8

30

3,1

32

3,3

12

3,2

88

3,3

12

3,8

43

28,6

48

稼働

日数

(日)

818

2022

1819

1919

2216

5

乗車

人数

(人)

154

351

456

496

469

597

560

568

589

4,2

40

運 

  

賃(円

)21,4

00

54,4

50

67,1

00

63,0

50

57,6

00

83,0

00

74,4

50

77,3

00

89,8

50

588,

200

走行

距離

(㎞)

1,6

17

3,6

22

4,0

36

4,4

99

3,7

28

3,8

81

3,8

94

3,8

86

4,5

27

33,6

90

稼働

日数

(日)

818

2022

1819

1919

2216

5

乗車

人数

(人)

129

304

327

417

303

400

403

459

530

3,2

72

運 

  

賃(円

)24,5

00

60,7

00

49,1

00

57,6

50

46,0

90

64,1

05

63,5

50

76,1

01

82,6

50

524,

446

走行

距離

(㎞)

1,2

81

2,8

71

3,2

44

3,5

85

2,9

31

3,0

66

3,0

77

3,0

76

3,5

53

26,6

84

稼働

日数

(日)

00

08

1820

2218

2523

2325

182

乗車

人数

(人)

00

0586

1,3

44

1,6

19

1,8

49

1,5

28

2,0

53

1,9

62

2,0

80

2,1

98

15,2

19

運 

  

賃(円

)0

00

109,

000

255,

600

248,

090

239,

440

197,

033

301,

777

280,

240

303,

131

297,

110

2,2

31,

421

走行

距離

(㎞)

00

07,2

79

16,2

68

18,2

20

20,0

94

16,4

91

18,0

15

17,6

62

17,6

77

20,2

90

151,

996

 

計西 根 バ ス 致 芳 バ ス 平 野 バ ス 伊 佐 沢 バ ス 豊 田 バ ス

図表 市営バス 平成 26 年度運行実績

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図 市営バス運行経路(全地区)

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図 市営バス運行時刻表

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14

(イ)公共交通(地方鉄道)

・国鉄長井線は、昭和 63 年(1988 年)に国鉄の改革に伴い、特定地方交通線に選定された。その後

長井線を運行・存続させるために設立された、山形県や沿線地方自治体等が出資する第三セクター

「山形鉄道株式会社」が、経営を引き継いだ。

運行区間は、南陽市の赤湯駅から白鷹町の荒砥駅間 30.5kmで、全 17駅、1日 12往復を運行してい

る。利用者の 8割は高校生である。平成 25年度の利用者約 64万人は、ピーク時平成 2 年 144 万人

の約 44%まで減少している。そのため、地域住民がフラワー長井線の存在意義と重要性を再確認し、

単に公共交通としての手段だけでなく、まちづくりのニーズに対応できる資源としての検討が進め

られている。

図 フラワー長井線路線図

図 フラワー長井線運行車両

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15

[2]地域の現状に関する統計的なデータ

(1)土地利用の状況

① 用途(下記都市計画用途図)

長井市の中心市街地は、大部分が住宅地となっているが、市役所などの都市機能や商店街等が集積

している中央部は、商業地域又は近隣商業地域である。

また、長井市国土利用計画第 4 次計画では、都市計画区域内に「まちなみ地域」として区分してお

り、都市機能が集積する中核的役割を担うこととしている。

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図表 長井市調べ

② 地価

国土交通省が発表する公示地価は、中心市街地の内外を問わず低下し続けている(平成 26 年 1 月

時点)。特に駅前通りに面した栄町の下落率が大きく、商店街の求心力の低下が伺える。

図 公示地価の推移

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

S62 H4 H9 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

円/㎡ 地価公示の推移

栄町7-40 清水町1-12-24 東町10-14

十日町2-2-22 高野町1-6-29

○用途地域別面積

第一種低層 第一種中高層 第二種中高層 第一種住居 第二種住居

22.0 135.0 10.0 219.0 19.0

5.4 33.3 2.5 54.1 4.7

近隣商業 商業 準工業 工業 工業専用

7.0 31.0 33.0 65.0 23.0

1.7 7.7 8.1 16.0 5.7

405.0

100.0

上段: 面積  (ha)下段: 構成比 (%)

○特別用途地区面積

14.0 S47.4.1 H27.2.20

15.0 H7.6.15 H27.2.20

33.0 H27.2.20 H27.2.20

都市計画区域名 都市名 特別用途地区の種別最終決定年月日

都市計画区域名 都市名住   居   系

商  業  系 工  業  系

長井市長井

面積(ha)用途地区

特別業務地区

娯楽レクレーション地区

大規模集客施設立地制限地区

長井 長井市

当初決定年月日

準工業地域+商業地域規制(準住居、近商含む)

第1種中高層住居専用地域第1種住居地域

準工業地域+商業地域規制(準住居、近商含む)

当初決定年月日

最終決定年月日

S44.4.21 H13.5.25

合  計

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17

図 国土交通省公示地価調査地点

×十日町2-2-22

清水町1-12-24

*高野町1-6-29 ◆ 栄町7-20

▲ 東町10-14

中心市街地区域

栄町 7-40

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18

③ 低未利用地の状況

中心市街地区域内における低未利用地としては、空き家が多い。長井市空き家等台帳整備事業

(H26.3)によると、倒壊等の危険のある空き家 95 棟は、長井市全体の約 28%にあたる。空き家に

なった理由として、「別の住宅に転居」が最も多く、次いで「施設入居」となっており、高齢化社会

の進展によるものと推察される。一方で、売却や有効活用を希望する所有者割合が比較的高い。

(2)人口及び居住

① 人口及び世帯の推移

長井市は昭和 20 年代をピークとして人口減少が続いており、その後も減少は続き、平成 26 年には

27,845 人となった。

世帯数も減少傾向にあり、平均世帯人員も減少している。

図 全市の人口の推移(参照:住民基本台帳)単位:人

図 全市の世帯数・平均世帯人員の推移(参照:住民基本台帳)単位:人

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19

長井市の中心市街地区域内においても人口は減少を続けており、4,057 人(H21)から 3,691 人

(H26)となっている。町丁目別でも、大半の町丁目で減少しているが、栄町のように僅かながら増

加しているところもある。世帯数は 1,402 世帯(H21)から 1,390 世帯(H26)と減少傾向にある。

図 中心市街地区域内町丁目別人口の推移(参照:住民基本台帳)単位:人

図 中心市街地区域内町丁目別世帯数の推移(参照:住民基本台帳)単位:世帯

4,057 人

3,828 人

3,804 人

3,790 人

3,726 人

3,691 人

1,402 世帯

1,396 世帯

1,404 世帯

1,410 世帯

1,384 世帯

1,390 世帯

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20

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

0~

4歳

5~

9歳

10~

14歳

15~

19歳

20~

24歳

25~

29歳

30~

34歳

35~

39歳

40~

44歳

45~

49歳

50~

54歳

55~

59歳

60~

64歳

65~

69歳

70~

74歳

75~

79歳

80~

84歳

85~

89歳

90~

94歳

95~

99歳

10

0歳

以上

年齢階級別人口(長井市)

H12

H17

H22

H26

0

50

100

150

200

250

300

350

400

0~

4歳

5~

9歳

10~

14歳

15~

19歳

20~

24歳

25~

29歳

30~

34歳

35~

39歳

40~

44歳

45~

49歳

50~

54歳

55~

59歳

60~

64歳

65~

69歳

70~

74歳

75~

79歳

80~

84歳

85~

89歳

90~

94歳

95~

99歳

10

0歳

以上

年齢階級別人口(中心市街地)

H12

H17

H22

H26

② 年齢別人口

長井市の人口を 5 歳毎の年齢階層別にみると、平成 22 年時点では 10 年前と比べて 54 歳以下の全

ての年齢層で減少している。高齢化率は 24.4%(平成 12 年)から 29.7%(平成 22 年)に上昇して

いる。

中心市街地では 74 歳以下の全ての年齢層で 10 年前よりも人口が減少していることがわかる。高齢

化率は 25.7%(平成 12 年)から 31.2%(平成 22 年)に上昇しており、市全体からみても特に少子・

高齢化の進展が著しいといえる。

図 年齢別人口の推移(全市)(参照:国勢調査、住民基本台帳)

図 年齢別人口の推移(中心市街地)(参照:国勢調査、住民基本台帳)

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21

③ 居住の状況

中心市街地区域内における住宅の建て方別に世帯数の経年変化をみると、ここ 10 年間で一戸建に

住む世帯が減少している一方で、その減少数を上回って共同住宅に住む世帯数が増加している。

町丁目別にみると、神明町と屋城町で共同住宅に住む世帯の割合が他地域と比べて高い。また、本

町 2 丁目と栄町における世帯数の増加には共同住宅に住む世帯の増加が影響している。

住宅の建て方別世帯数

976

993

1040

18

30

30

154

120

107

100

93

83

3

7

10

0 500 1000

平成22年

平成17年

平成12年

(世帯)

一戸建 長屋建 共同住宅(1・2階建) 共同住宅(3~5階建) その他

図 中心市街地の住宅の建て方別世帯数の推移(参照:国勢調査)

町丁目別 住宅の建て方別世帯数

0

20

40

60

80

100

120

140

160

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

H12

H17

H22

あら町 神明町 片田町 本町1丁目 本町2丁目 ままの上 東町 屋城町 栄町 高野町1丁目高野町2丁目 大町 十日町1丁目

(世帯)

一戸建 長屋建 共同住宅1・2階建 共同住宅3~5階建 その他

図 中心市街地の町丁目別・住宅の建て方別世帯数の推移(参照:国勢調査)

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22

平成17年 平成22年 推移 平成17年 平成22年 推移

長井市 30,929 29,473 -4.7% 長井市 3.26 3.18 -2.5%

上山市 36,013 33,836 -6.0% 上山市 3.29 3.15 -4.3%村山市 28,192 26,811 -4.9% 村山市 3.61 3.41 -5.5%南陽市 35,190 33,658 -4.4% 南陽市 3.33 3.19 -4.4%山形県 1,216,181 1,168,924 -3.9% 山形県 3.14 3.01 -4.4%

(国勢調査に基づき作成) (国勢調査に基づき作成)

平成17年 平成22年 推移 平成17年 平成22年 推移

長井市 9,481 9,269 -2.2% 長井市 31,707 30,241 -4.6%

上山市 10,956 10,751 -1.9% 上山市 32,705 30,910 -5.5%村山市 7,818 7,865 0.6% 村山市 26,625 25,097 -5.7%南陽市 10,557 10,567 0.1% 南陽市 33,010 31,538 -4.5%山形県 386,728 388,608 0.5% 山形県 1,214,739 1,166,872 -3.9%

(国勢調査に基づき作成) (国勢調査に基づき作成)

世帯人員(人/戸)

項 目昼間人口(人)

項 目行政人口(人)

項 目世帯数(戸)

項 目

(3)商業の状況

長井市の商業を、周辺の類似都市(上山市、村山市、南陽市)と比較するなどして概況を整理する。

「市場規模とその推移」

平成 22 年国勢調査による

と 、長井市 の夜間人口 は

29,473 人、昼間人口は 30,241

人、世帯数は 9,269 戸、世帯人

員は 3.18 人/戸となってい

る。いずれも前回調査と比べ、

減少傾向を示しており、市場の

縮小が懸念される。

「市場の活気や成長度」

長井市の市場としての活気を見るために 65 歳

以上の老齢人口比率と人口一人当たりの所得水

準を全国と比較すると、老齢人口比率は高く、所

得水準は低いことから、市場として活気があると

は言い難い。

また、平成 22 年までの国勢調査から人口・世

帯数及び就業者の推移をみても、人口・就業者数

は減少、世帯数は停滞傾向を示しており、長井市

の市場性は退潮・伸び悩み傾向を示している。

「拠点性」

長井市の都市としての拠点性を通勤・通学に係

る昼間人口比率と小売業吸引力から見ると、それ

ぞれ 100%、1 倍を超えており拠点性が確認でき

る。

ただし、実態としては、「西置賜地域の拠点都

市」としての位置づけに限られており、置賜及び

県内での広域的な位置づけは高いとはいえない。

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23

「商業概要」

商業統計を基準に長井市の商業状況をみると、平成 19 年商業統計によると、商店数 403 軒、売場面積

46,424 ㎡、年間販売額 354.3 億円となっており、月額売場面積一坪当たり販売額は 210,300 円で、類似

都市と比較してやや高めとなっている。

反面、いずれの指標も過去のデータに対して減少傾向にある。

「商業基盤」

小売業の売場面積一坪当たりの月額販売額と小

売業売場 1 ㎡当たりの支持人口を見ると、本市の

売場効率は高いものの、売場を支える人口が小さ

い。

これまで、西置賜地域の拠点として繁栄してき

たが、長井市自体や周辺町の人口減少に伴い、支

持人口が減少しており、こうした状況が続くと、

今後売場効率を含め、商業関連の業況全体が厳し

い状況になることが懸念される。

商業の基盤を見るために売場面積一坪当たりの

月額販売額を把握し、さらに小売業売場面積全体

に占める大型店売場面積を比較した。

長井市の売場面積一坪あたりの売場効率(一坪

あたりの販売額)は類似都市と比較して高い傾向

にあるが、これに占める大型店の売場面積率は小

さい。

従来の専門店が健闘し、西置賜地域に限定され

るものの市場を確保していることがわかる。

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24

① 小売店舗数、従業者数、売場面積、販売額

卸売業では、事業所数・従業者数ともに調査年毎に上下しているものの、平成 9 年と同 24 年とを

比較すると、従業者数は低下しているものの、事業所数はほぼ変わっていない。

小売業では、平成 24 年は同 9 年に比べて事業所数・従業者数ともに減少している。

図 卸売・小売別事業所数・従業者数の推移

(参照:商業統計(平成 9~19 年)、経済センサス(平成 21~24 年))

小売店舗の売場面積は、総面積は減少しているが、1 店舗あたりの平均売り場面積は増加している。

図 小売店舗の売場面積の推移(参照:商業統計)

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年間商品販売額は過去 10 年間で減少の一途を辿っている。

図 年間商品販売額の推移(参照:商業統計)

② 買物動向

長井市の買物動向を見ると、平成 24 年における自市での買物割合は、75.5%と平成 18 年の調査に

比べて 12 ポイント減少している。食品や日用品などの最寄品については 96.7%から 86.4%に、買回

品については 69.8%から 54.4%へとそれぞれ減少している。

(%)

図 自市での買物割合(参照:山形県の買物動向)

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26

買物している場所としては、平成 18 年には中心部が 58.1%、郊外部が 38.0%であったのに対し、

平成 24 年には、中心部が 47.2%、郊外部が 44.6%と、この傾向は特に買回品において著しく、平成

24 年には中心部が 36.5%、郊外部が 48.2%となっている。

図 場所別買物割合(参照:山形県の買物動向)

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27

③ 大型小売店の出退店の状況

これまでに閉店または移転した大規模小売店舗は中心市街地区域内に多く、中心市街地より南に位

置する郊外区域に近年大規模小売店舗が相次いで出店していることから、商業機能の郊外化が伺え

る。

図 大規模小売店舗の立地状況

ホームセンターダイユーエイト

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16 17

ファッションセンターしまむら長井店

ホームセンターグルッペ

新橋

ダイエーFC長井店

丸立

加藤家具店

サンプラザ梅屋

ファッションプロムナード末広

長井タウンセンター(ヨークベニマル)

中心市街地区域

ホームセンタージョイ

ファッションセンターしまむら長井店

カワチ長井店

びっくり市長井店

ホームセンタームサシ

ヤマザワ長井店

ヤマダ電機テックランド山形長井店

大規模小売店の現況

うめや長井北店

ヨークタウン長井小出

18

19

は新規開店店舗

は現在営業店舗

は閉店店舗

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28

店舗名 所在地 立地場所 業 態 店舗面積 開 店 閉 店

① 長井タウンセンター(ヨークベニマル)

本町一丁目 4 番 37 号 中心部 各種製品小売 5,091 ㎡ 昭和 63 年

② ダイエーFC長井店 ままの上 6 番 3 号 中心部 各種製品小売 3,336 ㎡ 昭和 52 年 平成 14 年 2 月

③ ヤマザワ長井店 館町南 11 番 3 号 郊外 食品スーパー 2,781 ㎡ 平成 13 年

④ ホームセンタームサシ 館町南 12 番 51 号 郊外 ホームセンター 2,768 ㎡ 平成 8 年

⑤ ホームセンターグルッペ 東町 3 番 53 号 郊外 ホームセンター 2,533 ㎡ 昭和 61 年 平成 15 年 8 月

⑥ ホームセンタージョイ 九野本 762 番 4 郊外 ホームセンター 2,502 ㎡ 平成 5 年

⑦ 新橋 本町一丁目 4 番 35 号 中心部 各種製品小売 2,117 ㎡ 昭和 56 年 平成 11 年 8 月

⑧ ホームセンターダイユーエイト 泉 2232 番 郊外 ホームセンター 2,046 ㎡ 平成 3 年 平成 11 年 8 月

⑨ ファッションプロムナード末広 本町一丁目 4 番 25 号 中心部 各種製品小売 1,309 ㎡ 昭和 35 年

⑩ サンプラザ梅屋 中道一丁目 4 番 49 号 郊外 食品スーパー 1,264 ㎡ 昭和 55 年

⑪ 丸立 ままの上 6 番 55 号 中心部 衣料スーパー 1,192 ㎡ 昭和 51 年 平成 15 年 4 月

⑫ びっくり市長井店 小出 3837 番 1 郊外 食品スーパー 1,179 ㎡ 平成 10 年

⑬ ファッションセンターしまむら長井店 舟場 2 番 12 号 郊外 衣料スーパー 1,045 ㎡ 平成 4 年 移転

⑭ 加藤家具店 栄町 3 番 10 号 中心部 家具店 1,028 ㎡ 昭和 39 年 平成 15 年 4 月

⑮ ヤマダ電機テックランド山形長井店 館町南 4036 番 1 郊外 家電量販店 1,658 ㎡ 平成 19 年

⑯ ファッションセンターしまむら長井店 小出字舘西 3846 番 1 郊外 総合衣料品 1,018 ㎡ 平成 21 年

⑰ カワチ長井店 小出字舘西 3848 番 1 郊外 ドラッグストア 2,103 ㎡ 平成 21 年

⑱ うめや長井北店 緑町 9 番 19 号外 郊外 食品スーパー 2,270 ㎡ 平成 26 年

⑲ ヨークタウン長井小出 小出字館西 3854 番 1 外 郊外 食品スーパー 7,680 ㎡

平成 26 年

図 大規模小売店舗の開店・閉店の状況

④ 中心市街地の商店街の状況

山形県空き店舗実態調査及び長井市の調べによると、長井市の中心市街地の商店街の店舗総数は、

減少傾向にあり、営業店舗数は減少している。

また、空き店舗については、店舗兼住宅の用途により生活拠点として使用しているため、空き店舗

として募集していないものが見受けられるため、店舗数としては横ばい傾向である。

217

214

211

184

51

42

54

50

0 50 100 150 200 250 300

H16

H19

H20

H27

店舗数

営業店舗 空き店舗

268店舗

256店舗

265店舗

238店舗

図 営業店舗数及び空き店舗数の状況

(参照:山形県空き店舗実態調査(H16~H19)、長井市調べ(H20~H27))

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29

⑤ 歩行者通行量の状況

長井商工会議所が実施した歩行者通行量調査によると、駅前通り商店街(山形中央信用組合前)と

本町商店街(旧殖産銀行前)の休日において歩行者通行量が著しく減少している。

その他の地点でも休日において軒並み減少傾向にある。

平成15年 平成18年 平成21年 平成24年 平成26年2002年 2005年 2008年 2012年 2014年

平日 64 43 62 38 94

休日 21 16 26 83 20平日 94 62 53 36 50休日 71 61 41 32 22平日 268 175 198 166 339休日 162 173 85 97 48平日 215 131 237 215 215休日 228 167 88 126 44平日 324 243 328 288 359休日 286 315 205 257 196平日 101 110 80 117 100休日 93 69 51 57 27平日 101 46 66 48 68休日 52 62 36 79 115平日 722休日 135

調査地点/調査年度実績値

高野町公民館前

大町立場前

山形中央信用組合前

丸一薬局前

旧殖産銀行前

山一醤油前

荘内銀行前

市役所市民駐車場前

図 歩行者通行量(参照:長井商工会議所)

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30

図 歩行者通行量調査地点

(赤線は中心市街地区域)

大町商店街

高野町商店街

本町商店街

駅前商店街

あら町商店街

←大町立場前

高野町公民館前→

←山一醤油前

荘内銀行前→

旧殖産銀行前→

山形中央信用組合前↑ ↑丸一薬局前

←市役所市民駐車場前

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(4)観光動向

観光客数の経年変化をイベント別にみると、あやめまつりの観光客数の激減が目立つ。

一方で黒獅子まつりのように増加してきたイベントもある。傾向を見ると、観光目的が多様化し、

団体やツアー観光から少人数等の個人観光にシフトするなかで、花を中心とした観光スタイルが変化

してきた。

長井市 主要イベント別観光客数

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

500,000

平成

1年度

2年度

3年度

4年度

5年度

6年度

7年度

8年度

9年度

10年

11年

12年

13年

14年

15年

16年

17年

18年

19年

20年

21年

22年

23年

24年

入場者数

(人

桜(久保桜)

つつじ

黒獅子まつり

あやめ

水まつり

図 主要イベント別観光客数の推移(参照:長井市)

事業名\項目 実施時期 会場

さくらまつり 毎年 4 月中旬~4 月末 最上川河川敷、長井小学校、白つつじ公園ほか

白つつじまつり 毎年 5 月上旬~5 月末 白つつじ公園

黒獅子まつり 毎年 5 月下旬の土曜日 中心市街地各所~白つつじ公園

あやめまつり 毎年 6 月中旬~7 月上旬 あやめ公園~中心市街地各所

水まつり 毎年 8 月第1土曜日 最上川河川緑地公園~中心市街地各所

(5)公共交通の状況

① 鉄道

山形鉄道が運行するフラワー長井線の延べ乗車人員は、平成 2 年度から平成 23 年度にかけてほぼ

半減している。

利用者等が減少する中で、鉄道経営及び地域活性化を図るため、観光事業や物販事業、地域住民と

の交流事業に取り組んでいる。

観光事業:旅行会社との連携、イベント列車(ビール列車、いも煮列車、豪雪列車など)

物販事業:山鉄グッズの製作(タオル、キーホルダー、クリアファイルなど)

交流事業:長井線まつり、つり革オーナー制度、うさぎ駅長「もっちぃ」、貸切列車など

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図 フラワー長井線の延べ乗車人員推移

② バス

長井市では平成 12 年度以降市営バスが大別して 2~4 路線運行していたが、いずれも乗車人員は伸

び悩んでおり、平成 23 年度からは曜日によって運行路線を振り分けるなど、工夫して運行してきた。

平成 22 年度からは、春~初夏の観光シーズンに合わせて、まちなか循環線「まわるん」の運行を

開始したが、こちらも乗車人員は伸び悩んでいる。

このことから、平成 25 年度に国土交通省交付金事業を活用して地域の公共交通の確保維持改善に

かかる調査を実施し、運行形態やより利便性の高まる公共交通を目指して見直し、平成 26 年度途中

から現在の 5 路線に至っている。

運行実績及び経路、時刻表については、第 1 章[1](4)②(ア)公共交通に掲載。

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(6)都市福利施設及び公共公益施設の状況

中心市街地区域内には県や市の行政機関等の公共施設、公立病院や個人医療機関、金融機関が立地

しており、かつ 5 つの商店街が形成され、一定程度の都市機能が集積している。

市役所

官公庁

教育文化施設

医療機関

子育て・高齢者施設

金融機関

図 都市福利施設及び公共公益施設

(赤線は中心市街地区域)

公立置賜長井病院

長井税務署

中央地区公民館 長井市民体育館 交流センターふらり

長井市保健センター

長井市中央児童センター 長井市社会福祉協議会 長井市老人福祉センター

長井市民文化会館

置賜総合支庁 西庁舎

長井警察署 あやめ交番

長井市役所第二庁舎

長井市立図書館

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[3]地域住民のニーズ等の把握

(1)中心市街地の利用実態調査(H24.12.14~15)10:00~18:00

経済産業省による中心市街地活性化の取り組みに対する診断・助言等支援事業から抜粋し整理する。

調査目的:中心市街地の来街者及び郊外にある拠点施設の利用者を対象として、利用実態、評価、ニー

ズ等を把握し、中心市街地活性化の方向性を探ることを目的としたもの。

調査対象:中心市街地内に来街した高校生以上の男女 214 サンプル及び郊外施設に来店した 20 歳以上

の男女 110 サンプル

調査方法:調査員による街頭面接アンケート調査

調査地点:中心市街地区域(ヨークベニマル長井店、長井駅前、文教の杜、タスビル)及び郊外施設(う

めや南店)

① 来街者アンケート調査

(ア) 性別

・来街者の性別構成は、「男性」34%、「女性」66%と女性が多い

・範囲別では、広域(5km 以上)からの来街者は、「男性」が 41%と少し高くなる

・ノンユーザーは、「男性」のウエイトが高まる (単位:%)

全体 男性 女性

全体 100 34 66

範囲別 足元(1km 未満) 100 32 68

近隣(1~3km 未満) 100 32 68

周辺(3~5km 未満) 100 31 69

広域(5km 以上) 100 41 59

頻度別 デイリー(ほぼ毎日) 100 37 63

ウィークリー(週 1~3 回) 100 32 68

マンスリー(月 1~3 回) 100 33 67

ノンユーザー(2~3 ヶ月に 1 回) 100 43 57

(イ) 年代別

・来街者の年代別構成は、「10 代」4%、「20 代 30 代」21%、「40 代 50 代」30%、「60 代以上」

45%の割合となっている

・平日は、「60 代以上」が 59%を占め、「10 代」は 0%、「20 代 30 代」が 15%と少ないが、休日

は、「10 代」が 9%、「20 代、30 代」27%と割合が増加する

・足元(1km 以内)や近隣(1~3km)からの来街者は、「60 代以上」が半数強を占めるが、広

域(5km 以上)からの来街者は、「30 代」及び「40 代」の割合が高い

(ウ) 職業別

・来街者の職業別構成は、「主婦」39%、「会社員」31%が中心。「学生」は 5%と少ない。

・男性は、「会社員」44%と「無職」34%が中心。女性は、「主婦」が 60%と圧倒的に多く、「会

社員」25%がこれに続く。

・10 代は、すべて「学生」(100%)

・20 代・30 代は、「会社員」(68%)がほとんど

・40 代・50 代は、「会社員」(48%)と「主婦」(38%)が中心

・60 代以上は、「主婦」(55%)と「無職」(27%)が中心

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<中心市街地来街者の属性>

 ⅰ) 性

 ⅱ) 年代

 ⅲ) 職業

34 66

男性 女性

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

来街者(n=214)

4

-

9

3

-

8

8

9

7

11

14

3

15

5

12

8

16

10

13

12

13

16

15

19

14

13

15

23

14

12

16

6

19

8

20

25

27

22

32

27

19

18

20

32

6

21

25

23

13

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

来街者(n=214)

平日(n=117)

休日(n=97)

足元(1Km以内)(n=63)

近隣(1~3Km)(n=63)

周辺(3~5Km)(n=26)

広域(5Km以上)(n=61)

5

3

6

100

2

-

-

39

60

14

38

55

-

-

-

-

-

31

44

25

68

48

6

9

19

4

11

11

15

34

27

-

-

-

-

-

学生

-

主婦

-

-

-

家事手伝い 会社員

-

自営業

-

5

-

無職

11

6

3

その他

-

-

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

来街者(n=214)

男性(n=73)

女性(n=141)

10代(n=9)

20・30代(n=44)

40・50代(n=65)

60代以上(n=96)

性別

年代別

曜日別

範囲別

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② 郊外拠点利用者アンケート調査回答者

(ア) 性別

・郊外施設利用者の性別構成は、「男性」36%、「女性」64%と、女性が多い

・平日は、「男性」(28%)より「女性」(72%)が利用を上回る

・休日は、「男性」(46%)より、少し「女性」(54%)が利用を上回る

(イ) 年代別

・郊外施設使用者の年代別構成は、「20 代」5%、「30 代」13%、「40 代」11%、「50 代」16%、

「60 代以上」55%となり、60 代以上の利用が多い

・「20 代」「30 代」は、休日(30%)と、平日(8%)より 4 倍近く多くなっている

・「60 代以上」は、平日(68%)利用が休日(38%)を上回っている

(ウ) 職業別

・郊外施設利用者の職業別構成は、「主婦」(49%)「無職」(24%)「会社員」(22%)が中心

・曜日別では、平日は「主婦」(53%)が多く、休日も「主婦」(44%)が多いものの「会社員」

(30%)の割合が増加する

・男性は、「無職」(55%)が中心で、「会社員」(35%)が続く

・女性は、「主婦」(77%)が中心で、「会社員」(14%)が続く

<郊外拠点利用者の属性>

 ⅰ) 性

 ⅱ) 年代

 ⅲ) 職業

36

28

46

64

72

54

男性 女性

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

郊外利用者(n=110)

平日(n=60)

休日(n=50)

5

3

8

13

5

22

11

12

10

16

12

22

55

68

38

20代 30代 40代 50代 60代以上

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

郊外利用者(n=110)

平日(n=60)

休日(n=50)

1

-

2

3

-

49

53

44

-

77

1

-

2

3

-

22

15

30

35

14

2

2

3

24

28

18

55

2

2

2

3

1

学生 主婦 家事手伝い 会社員

2

1

自営業

6

無職 その他

0% 20% 40% 60% 80% 100%

凡例

郊外利用者(n=103)

平日(n=53)

休日(n=50)

男性(n=28)

女性(n=75)

曜日別

性別

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<回答者の居住地>

※下段の表は、上段グラフの回答者居住地を、曜日別・年代別・利用頻度別等のサンプル属性ごと

に集計を行ったもの。

下段の表における朱線箇所は、来街者総数の割合に対して 10%以上多く、各項目において特徴

的なものを示しており、中心市街地内居住者は毎日利用されている傾向が確認され、それ以外の居

住者は利用頻度が低いことがわかる。

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③ 中心市街地の1番の来街目的

(ア) 中心市街地来街者

ⅰ 全体傾向

・中心市街地来街者の一番の来街目的は、「食品の買い物」(44%)が中心で、同格都市と比較し

て、9 ポイント高い

ⅱ 性別傾向

・男性は、「通勤通学・仕事」(15%)が多く、「最寄品買物」(31%)が低い

・女性は、「最寄品買物」(60%)が多く、「通勤通学・仕事」(1%)が少ない

ⅲ 年代別傾向

・10 代は、「その他」(66%)が中心

・20 代・30 代も、「その他」(30%)が多い

・40 代・50 代は、「最寄品買物」(63%)が中心

・60 代以上は、「公共施設・金融利用」(15%)が少し多い

ⅳ 範囲別傾向

・足元(1km 未満)からの来街者は、「その他」(25%)が少し多く、「最寄品買物」(46%)が比

較的少ない

・近隣(1~3km 未満)からの来街者は、「最寄品買物」(68%)が中心

・周辺(3~5km 未満)からの来街者は、「衣料品等の買物」(16%)、「飲食・レジャー」(8%)、

「公共施設・金融利用」(15%)が少し多い

・広域(5km 以上)からの来街者は、「公共施設・金融利用」(15%)が少し多く、「最寄品買物」

(38%)が比較的低い

ⅴ 頻度別傾向

・デイリー利用者は、「その他」(30%)が多く、「最寄品買物」(39%)と比較的少ない

・ウィークリー利用者は、「最寄品買物」(65%)が中心

・マンスリー利用者は、「衣料品等の買物」(22%)、「公共施設・金融利用」(16%)が少し多く、

「最寄品買物」(41%)が比較的少ない

ⅵ 交通手段別

・徒歩・自動車利用は、「公共施設・金融利用」(16%)が少し多い

・クルマ利用は、「最寄品買物」(59%)が多く、「公共施設・金融利用」(1%)が比較的少ない

・バス・電車利用は、「公共施設・金融利用」(44%)、「その他」(35%)が多く、「最寄品買物」

(18%)、「衣料品等の買物」(0%)が比較的少ない

(イ) 郊外拠点利用者

・郊外拠点利用者の中心市街地の一番の利用目的は、「食品の買い物」(42%)、「郵便局や銀行の利

用」(22%)、「病院・診療所」(13%)が多い

※次ページ下段の表は、上段の 1 番の来街目的を最寄品買物や衣料品等の買物などの類似分野にま

とめ、曜日別・性別等のサンプル属性ごとに集計を行ったもの。

下段の表における朱線箇所は、各行の項目において特徴的なものについて示しており、特に近隣

住民が最寄品の買物や公共施設等を目的に来街するケースが多い。また、その他 10 代の目立った

一部レジャー客の存在も確認された。

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<1番の来街目的>

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40

④ 中心市街地の来街目的(複数回答)

※来街者アンケートにおいて、前ページ③「中心市街地の 1 番の来街目的」において回答いただい

た中で、その他の来街目的がある場合についても調査しており、1 番の来街目的に加えた複数回答に

よる結果である。

本調査の目的は、1 番の来街目的との比較することにある。

(ア) 中心市街地来街者

ⅰ 全体傾向

・中心市街地の来街目的は、「食品の買い物」(51%)、「日用品の買い物」(20%)、「衣料品の買

い物」(10%)等、最寄品等の買い物を目的している割合が大きい

・「通勤・通学」(2%)、「郵便局や銀行の利用」(6%)が同格都市と比較して低くなっている

ⅱ 性別傾向

・男性は、「最寄品買物」(36%)が少ない

・女性は、「最寄品買物」(90%)が中心

ⅲ 年代別傾向

・10 代は、「その他」(66%)が中心であり、「飲食・レジャー」(11%)、「通勤通学・仕事」(11%)

が多くなっている

・10 代の「その他」としては、ゲームをするためや、電車に乗るためという回答が多く見られ

・20 代・30 代も、「その他」(32%)が多い

・40 代・50 代は、「最寄品買物」(83%)が中心

・60 代以上は、「公共施設・金融利用」(20%)が比較的多い

ⅳ 範囲別傾向

・足元(1km 未満)からの来街者は、「その他」(25%)がやや多い

・近隣(1~3km 未満)からの来街者は、「最寄品買物」(95%)が中心

・周辺(3~5km 未満)からの来街者は、「衣料品等の買物」(24%)が少し多い

・広域(5km 以上)からの来街者は、「最寄品の買物」(49%)が低い

ⅴ 頻度別傾向

・デイリー利用者は、「その他」(30%)、「公共施設・金融利用」(19%)が多く、「最寄品買物」

(53%)が少ない

・ウィークリー利用者は、「最寄品買物」(86%)が中心

・マンスリー利用者は、「衣料品等の買物」(32%)が多い

ⅵ 交通手段別

・徒歩・自動車利用は、「公共施設・金融利用」(22%)、「その他」(24%)が少し多い

・クルマ利用者は、「最寄品買物」(77%)が中心

・バス・電車利用者は、「公共施設・金融利用」(44%)が中心で、「最寄品買物」(36%)、「衣料

品等の買物」(0%)が少ない

(イ) 郊外拠点利用者

・郊外拠点利用者は、「食品の買い物」(55%)、「病院や銀行の利用」(43%)、「日用品の買い物」(38%)、

「病院・診療所」(37%)を目的に中心市街地を利用している

※次ページ下段の表は、上段の来街目的のグラフを類似分野にまとめ、曜日別・性別等のサンプ

ル属性ごとに集計を行ったもの。下段の表における朱線箇所は、各行の項目において特徴的なも

のについて示しており、特に各属性において最寄品の買物と公共施設等の目的で来街するケース

が多い。

P38 に掲載の「1番の来街目的」と比較すると、最寄品の買物を主とする女性の割合が特化し

ている。また、平日においては、最寄品の買物と公共施設等の来街目的が特徴的であり、その他

複数の目的で来街することが認められる。その他の各属性においては大きな差は認められなかっ

た。

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41

<来街目的(複数回答)>

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42

⑤ 中心市街地までの交通手段

(ア) 中心市街地来街者

ⅰ 全体傾向

・中心市街地来街者の来街手段は、「自家用車」(59%)が圧倒的に多く、「徒歩」(17%)、「自転

車」(9%)は比較的少ない

ⅱ 曜日別傾向

・平日は、「自転車」(16%)の利用が少し多く、「自家用車」(45%)利用が比較的少ない

・休日は、「自家用車」(76%)の利用が高まり、「自転車」(0%)の利用が少ない

ⅲ 性別傾向

・男性は、「自転車」(4%)の利用が比較的少ない

・女性は、全体傾向と同様

ⅳ 年代別傾向

・10 代は、「電車」(56%)、「徒歩」(22%)が多い

・20 代・30 代は、「自家用車」(66%)の利用が多い

・40 代・50 代は、「自家用車」(82%)の利用が中心

・60 代以上は、「徒歩」(26%)、「自転車」(15%)の利用が少し多い

ⅴ 範囲別傾向

・足元(1km 未満)からの来街者は、「徒歩」(46%)、「自転車」(16%)が多く、「自家用車」(35%)

の利用は比較的少ない

・近隣(1~3km 未満)からの来街者は、「自家用車」(70%)が中心

・周辺(3~5km 未満)からの来街者は、「自家用車」(73%)が中心

・広域(5km 以上)からの来街者は、「自家用車」(69%)が中心で、「電車」(25%)も多い

(イ) 郊外拠点利用者

・郊外拠点利用者の中心市街地までの交通手段は、「自家用車」(92%)と圧倒的である

※次ページ下段の表は、上段中心市街地までの交通手段グラフを、曜日別・性別等のサンプル属性

ごとに集計を行ったもの。下段の表における朱線箇所は、各行の項目において特徴的なものについ

て示しており、特にどの属性においても自家用車による来街するケースが多い。また、地点別から

異なる交通手段の存在も確認された。

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43

<中心市街地までの交通手段>

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⑥ 中心市街地の来街頻度

(ア) 中心市街地来街者

ⅰ 全体傾向

・中心市街地の来街頻度は、「週 2~3 回くらい」(29%)、「週 1 回くらい」(20%)、「ほとんど毎

日」(18%)と続く

・週 1 回以上の来街者は、全体の 67%を占めるが、同格都市のそれ(77%)に比べて低い

・月の平均来街回数は 7.8 回で、同格都市の 10.4 回に比べて少ない

ⅱ 年代別傾向

・10 代は、「月 2~3 回くらい」(22%)が比較的多く、「ほとんど毎日」(11%)、「週 2~3 回く

らい」(22%)が比較的少ない

・20 代・30 代は、「ほとんど毎日」(23%)、「ほとんど来ない」(11%)が多く、「週 2~3 回くら

い」(20%)、「月 2~3 回くらい」(7%)と比較的少ない

・40 代・50 代は、全体傾向とほぼ同様

・60 代以上は、「月 2~3 回くらい」(19%)、「月 1 回くらい」(15%)が少し多い

ⅲ 範囲別傾向

・足元(1km 未満)からの来街者は、「ほとんど毎日」(35%)、「週 1 回くらい」(29%)が少し

多い

・近隣(1~3km 未満)からの来街者は、「週 2~3 回くらい」(37%)が少し多い

・周辺(3~5km 未満)からの来街者は、「月 1 回くらい」(23%)が多い

・広域(5km 以上)からの来街者は、「月 2~3 回くらい」(21%)、「月 1 回くらい」(15%)、「2・

3 ヶ月に 1 回くらい」(8%)が少し多い

ⅳ 目的別傾向

・「最寄品買物」では、「週 2~3 回くらい」(37%)、「週 1 回くらい」(25%)が少し多い

・「衣料品等の買物」では、「月 1 回くらい」(25%)、「月 2~3 回くらい」(21%)が少し多い

・「飲食・レジャー」では、「月 2~3 回くらい」(43%)、「ほとんど毎日」(29%)、「2・3 ヶ月に

1 回くらい」(14%)が多い

・「公共施設・金融利用」は、「月 1 回くらい」(27%)、「2・3 ヶ月に 1 回くらい」(14%)が多

(イ) 郊外拠点利用者

・郊外拠点利用者の来街頻度は、「月 2~3 回くらい」(28%)が最も多く、「月 1 回くらい」(26%)、

「週 2~3 回くらい」(17%)、「週 1 回くらい」(14%)が続く

※次ページ下段の表は、上段中心市街地の来街頻度グラフを、曜日別・性別等のサンプル属性ごと

に集計を行ったもの。下段の表における朱線箇所は、各行の項目において特徴的なものについて示

しており、来街頻度がほとんど毎日の場合、1km 以内の徒歩・自転車で、飲食・レジャー目的で

来街するケースが確認された。

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<中心市街地の来街頻度>

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46

(2)市民アンケート(H26.3 月 長井市実施)

調査目的:長井市中心市街地について、市民のニーズや意見等を把握し、今後の「長井市中心市街地活

性化基本計画」の策定につなげていくことを目的とするもの。

調査対象:市内在住の中学生以上(13 歳以上)の市民 1,000 人

調査方法:郵送によるアンケート調査

回収結果:523 件(52.3%)うち無効 1 件

本調査における標本数と回収率

標本数 構成比 回収数 回収率13~19歳 86 8.6% 26 30.2%20~29歳 77 7.7% 27 35.1%30~39歳 119 11.9% 34 28.6%40~49歳 129 12.9% 54 41.9%50~59歳 144 14.4% 94 65.3%60~69歳 196 19.6% 114 58.2%70歳以上 249 24.9% 171 68.7%

無回答 2

計 1,000 100.0% 522 52.2%

標本 回収

① 中心市街地に出かける頻度

26.2% 21.6% 31.2% 14.6%

1.3%

4.0% 1.0%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

ほぼ毎日 週に3~4回 週に1~2回 月に1~2回 半年に2~3回 ほとんど行かない 無回答

全体(n=522)

中心市街地へ出かける頻度についてたずねたところ、「週に 1~2 回」が 31.2%と最も割合が高く、次

いで「ほぼ毎日」(26.2%)、「週に 3~4 回」(21.6%)、「月に 1~2 回」(14.6%)、「ほとんど行かない」

(4.0%)、「半年に 2~3 回」(1.3%)の順となっている。

以上から、全体の 79%が「週に 1 回以上は中心市街地へ出かけている」ことになり、多くの市民にと

って、中心市街地が身近な場所であることがわかる。

性別にみると、「週に 1 回以上中心市街地に出かけている」の割合は、男女ともに 8 割近くに及ぶが、

性別による違いは見られなかった。

年齢別にみると、「週に 1 回以上中心市街地に出かけている」のは「30 歳代」が 88.2%と最も高く、次

いで「40 歳代」(83.3%)、「60 歳代」(81.6%)、「50 歳代」(79.7%)、「70 歳代」(79.0%)、「20 歳代」(74.0%)、

「10 歳代」(53.8%)の順となっている。

以上から、中心市街地へ出かける頻度は、あらゆる年齢層で高いことが示された。

居住地区別にみると、中心市街地が位置する「中央地区」については、「ほぼ毎日」(35.8%)が最も多

く、次いで「週に 1~2 回」(24.1%)、「週に 3~4 回」(22.4%)、「月に 1~2 回」(12.5%)の順となっ

ている。

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47

一方で、中央地区以外の 5 地域については、母集団の絶対数が中央地区に比べて少ないため、「中央地

区以外」として 1 つにまとめ傾向の把握を試みた。その結果、「中央地区以外」については、「週に 1~2

回」(35.5%)が最も多く、次いで「週に 3~4 回」(21.6%)、「ほぼ毎日」(18.7%)、「月に 1~2 回」(16.4%)、

「ほとんど行かない」(4.4%)、「半年に 2~3 回」(1.8%)の順となっている。

以上から、中心市街地へ出かける頻度について、居住地区による違いは見られず、あらゆる地区で高い

ことが示された。

居住地区別

35.8

18.7

25.4

20.0

15.8

11.9

20.6

22.4

21.6

20.6

13.8

26.3

23.9

23.5

24.1

35.5

41.3

46.2

35.1

34.3

20.6

12.5

16.4

9.5

16.9

15.8

16.4

23.5

0.9

1.8

1.6

4.5

2.9

3.4

4.4

1.6

3.1

5.3

9.0

2.9

0.9

1.5

1.8

5.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

中央地区

(n=232)

中央地区以外

(n=286)

致芳地区

(n=63)

西根地区

(n=65)

平野地区

(n=57)

豊田地区

(n=67)

伊佐沢地区

(n=34)

ほぼ毎日 週に3~4回 週に1~2回 月に1~2回 半年に2~3回 ほとんど行かない 無回答

注)「中央地区以外」とは、致芳地区、西根地区、平野地区、豊田地区、伊佐沢地区の総称である。

図 長井市の行政区域

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48

性別、年齢別

26.2

27.7

25.5

26.9

29.6

29.4

33.3

28.7

24.6

22.8

20.0

21.1

33.3

30.0

27.5

26.3

31.0

36.4

50.0

27.3

36.4

28.0

23.1

17.2

21.6

17.0

26.2

3.8

18.5

8.8

14.8

22.3

23.7

27.5

6.7

15.8

15.0

15.0

15.8

23.9

25.0

13.6

15.2

30.0

28.8

33.3

31.2

33.2

30.0

23.1

25.9

50.0

35.2

28.7

33.3

28.7

26.7

31.6

66.7

40.0

30.0

33.3

29.6

18.2

12.5

40.9

30.3

28.0

36.5

27.6

14.6

15.3

13.7

23.1

14.8

11.8

14.8

16.0

13.2

14.0

26.7

15.8

10.0

22.5

17.5

11.3

18.2

12.5

18.2

18.2

10.0

9.6

14.9

1.3

1.7

0.8

11.5

7.4

1.1

0.6

6.7

10.5

2.5

18.2

4.0

4.3

3.0

11.5

3.7

1.9

2.1

4.4

4.7

13.3

5.3

5.0

7.0

2.8

9.1

4.0

5.7

1.0

0.9

0.8

1.1

0.9

1.8

2.5

1.4

1.9

1.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体(n=522)

男性(n=235)

女性(n=263)

10歳代(n=26)

20歳代(n=27)

30歳代(n=34)

40歳代(n=54)

50歳代(n=94)

60歳代(n=114)

70歳以上(n=171)

男性-10歳代(n=15)

男性-20歳代(n=19)

男性-30歳代(n=12)

男性-40歳代(n=20)

男性-50歳代(n=40)

男性-60歳代(n=57)

男性-70歳以上(n=71)

女性-10歳代(n=11)

女性-20歳代(n=8)

女性-30歳代(n=22)

女性-40歳代(n=33)

女性-50歳代(n=50)

女性-60歳代(n=52)

女性-70歳以上(n=87)

ほぼ毎日 週に3~4回 週に1~2回 月に1~2回 半年に2~3回 ほとんど行かない 無回答

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49

② 中心市街地の商店等について

(ア)店の種類(業種)の多様さ

5.7% 6.1% 29.9% 27.0% 19.5% 11.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

店の種類(業種)の多様さについて評価をたずねたところ、「普通」が 29.9%と最も割合が高く、次

いで「やや不満」(27.0%)、「不満」(19.5%)の順となっている。

一方で、「満足」や「やや満足」などの肯定的な評価は、それぞれ 5.7%、6.1%にとどまっており、

店の種類の多様性を確保することが課題となっている。

(イ)商品の品揃え

5.7% 6.7% 35.2% 25.7% 13.8% 12.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

商品の品揃えについてたずねたところ、「普通」が 35.2%で最も割合が高く、次いで「やや不満」

(25.7%)、「不満」(13.8%)の順となっており、否定的な評価が目立った。一方で、肯定的な評価

は、「満足」(5.7%)、「やや満足」(6.7%)と低い割合にとどまっている。

(ウ)価格の高さ

2.7%

5.7% 51.5% 17.8% 7.1% 15.1%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

価格の高さについてたずねたところ、「普通」との回答が 51.5%と最も割合が高く、次いで、「やや

不満」(17.8%)、「不満」(7.1%)の順となっている。一方で、肯定的な評価は、「満足」(2.7%)「や

や満足」(5.7%)であった。価格設定については、半数以上が「普通」と回答しており、満足もして

いないが不満も感じていないという傾向が示された。

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50

(エ)品質・鮮度

5.4% 12.3% 52.3% 13.2% 3.4% 13.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

品質や鮮度についてたずねたところ、「普通」が 52.3%と最も割合が高く、次いで「やや不満」

(13.2%)、「やや満足」(12.3%)、「満足」(5.4%)の順となっている。

(オ)接客・商品知識・サービス

8.8% 52.3% 14.4% 4.2% 14.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

接客や商品知識・サービスについてたずねたところ、「普通」が 52.3%と最も割合が高く、次いで、

「やや不満」(14.4%)、「やや満足」(8.8%)の順になっている。

(カ)営業時間・定休日

9.8% 5.6% 53.1% 13.2% 3.4% 14.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

営業時間や定休日についてたずねたところ、「普通」との回答が 53.1%と最も割合が高く、次いで「や

や不満」(13.2%)、「満足」(9.8%)、「やや満足」(5.6%)の順になっている。

(キ)店やイベント開催等の情報発信

2.1%

6.5% 46.4% 20.3% 8.8% 15.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

店やイベント開催等の情報発信についてたずねたところ、「普通」が 46.4%と最も割合が高く、次い

で、「やや不満」(20.3%)、「不満」(8.8%)、「やや満足」(6.5%)の順になっている。

8.8% 52.3% 14.4% 4.2% 14.4%

Page 51: ¼1ß ¥!· ì6ë 7F È5 7F7·5 q Ý' 7·...5 (4)歴史・文化資源や社会資本等既存ストックの状況と有効活用方法 長井市は、江戸時代に最上川舟運の商都として発展し、また、大正時代には長井駅前に郡是製糸が

51

他の評価項目に比べると、「やや不満」「不満」といった否定的な評価の割合が高く、中心商店街に対

してより積極的な情報発信が求められていることが示された。

(ク)買い物以外の楽しみ

2.3%

3.8% 24.5% 25.3% 28.5% 15.5%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

満足 やや満足 普通 やや不満 不満 無回答

全体(n=522)

買い物以外の楽しみについてたずねたところ、他の項目に比べて明らかに否定的な評価が目立ち、「不

満」が 28.5%と最も割合が高く、次いで「やや不満」(25.3%)、「普通」(24.5%)の順になってい

る。集客力のあるイベントを企画するなど、買い物以外に付加価値を提供できるようなサービスを求

める傾向が高いことが示された。

③ 中心市街地で買い物をする際に重視する点

56.3%

48.9%

46.2%

24.2%

21.8%

10.7%

10.1%

9.4%

8.2%

5.5%

3.7%

3.3%

2.3%

4.5%

0% 20% 40% 60%

商品の品揃え (n=289)

価格の手ごろさ (n=251)

駐車場の利用しやすさ (n=237)

店の種類(業種)の多さ (n=124)

品質・鮮度 (n=112)

接客・商品知識・サービス (n=55)

買い物以外の楽しみ (n=48)

営業時間・定休日 (n=48)

トイレ・休憩所 (n=42)

道路の歩きやすさ (n=28)

まちなみの美しさ (n=19)

イベント等の開催 (n=17)

その他 (n=12)

無回答 (n=23)

全体(n=513)

中心商店街で買い物する際に重視する点をたずねたところ、「商品の品揃え」が 56.3%と最も割合が

高く、次いで、「価格の手ごろさ」(48.9%)、「駐車場の利用しやすさ」(46.2%)、「店の種類(業種)

の多さ」(24.2%)、「品質・鮮度」(21.8%)の順になっている。

Page 52: ¼1ß ¥!· ì6ë 7F È5 7F7·5 q Ý' 7·...5 (4)歴史・文化資源や社会資本等既存ストックの状況と有効活用方法 長井市は、江戸時代に最上川舟運の商都として発展し、また、大正時代には長井駅前に郡是製糸が

52

④ 中心市街地にどのような店があれば行きたいと思うか

50.7%

47.0%

30.4%

30.2%

29.8%

16.0%

13.8%

10.5%

7.8%

7.2%

6.0%

7.2%

4.9%

0% 20% 40% 60%

生鮮食品店 (n=260)

衣料品店 (n=241)

書店・文房具店 (n=156)

雑貨店 (n=155)

ファーストフード店 (n=153)

薬局・ドラッグストア (n=82)

スポーツ用品店 (n=71)

家具・インテリア販売店 (n=54)

電器店 (n=40)

玩具・子ども、ベビー用品店 (n=37)

菓子店 (n=31)

その他 (n=37)

無回答 (n=25)

全体(n=513)

中心商店街にどのような店があれば行きたいと思うかたずねたところ、「生鮮食料品」が 50.7%と最

も割合が高く、次いで、「衣料品店」(47.0%)、「書店・文房具店」(30.4%)、「雑貨店」(30.2%)、

ファーストフード店(29.8%)の順になっている。

⑤ 中心市街地に足りないもの

46.8%

45.9%

38.9%

31.8%

25.8%

25.0%

23.9%

20.4%

14.1%

13.9%

13.1%

6.7%

5.8%

2.9%

6.9%

9.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

駐車場の整備 (n=243)

道路、歩道・防犯灯の整備 (n=238)

大規模小売店舗等 (n=202)

公園や緑地の整備 (n=165)

公共交通機関の整備 (n=134)

高齢者福祉施設の整備 (n=130)

交流の場(コミュニティスペース)の整備 (n=124)

景観の整備 (n=106)

観光案内所の整備 (n=73)

歴史や水路などを活かした整備 (n=72)

医療機関の整備 (n=68)

集合住宅の整備 (n=35)

住宅地の整備 (n=30)

足りないものはない (n=15)

その他 (n=36)

無回答 (n=49)

全体(n=519)

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53

中心市街地に足りないものは何かたずねたところ、「駐車場の整備」(46.8%)と「道路、歩道・防犯

灯の整備」(45.9%)がほぼ差がなく最も高い割合となっており、次いで「大規模小売店舗等」(38.9%)、

「公園や緑地の整備」(31.8%)、「公共交通機関の整備」(25.8%)の順となっている。

中心市街地への移動手段については大半が自動車であり(問 9 参照)、駐車場や道路・歩道の整備を

求めるニーズがなおも高い。一方で、「公共交通機関の整備」も比較的高い割合を示しており、今後

は高齢者の増加が見込まれることから、自動車での移動に困難を有している人々のニーズにこたえる

インフラの整備が欠かせない。

⑥ 中心市街地の活性化に必要だと思う取り組み

中心市街地の活性化に必要だと思う取り組みについてたずねたところ、「駐車場の整備、公共交通

機関の整備等により、周辺からの交通利便性を高める」が 24.5%と最も高い割合となっており、「大

規模小売店舗を誘致し、商業機能を高める」と「集客力のある施設を整備し、観光サービスの充実に

より観光客を増やす」が 22.2%、「中心市街地内に事業所を誘致し、働く人を増やす」(21.4%)「商

店街の店舗数を増やし、商業機能を高める」(21.0%)の順になっている。

以上から、

・周辺からの交通利便性を高めること = 中心市街地での利便性を向上させる取り組み

・集客力のある施設の整備を高めること = 中心市街地内での魅力を向上させる取り組み

を特に必要と指摘する割合が高い傾向が示された。

なお、集客力のある施設の選択肢には、「大規模小売店舗の誘致」「観光客に対応した集客施設整備」

「商店街の店舗数を増やす」があり、住民ニーズとしてはそれほど大きな違いが認められないが、

その根幹には、「商業機能」へのニーズが共通してあると思われる。

24.5%

22.2% 22.2%21.4% 21.0%

19.7%

17.8%

11.2% 10.4%

2.7%

9.8%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

駐車場の整備、公共交通機関の整備等

により、周辺からの交通利便性を高める

(n=

11

8)

大規模小売店舗を誘致し、商業機能を高める

(n=

10

7)

集客力のある施設を整備し、観光サービスの

充実により観光客を増やす

(n=

10

7)

中心市街地内に事業所を誘致し、

働く人を増やす

(n=

10

3)

商店街の店舗数を増やし、商業機能を高める

(n=

10

1)

医療、健康、子育てなど、住むうえで必要な

機能を充実させる

(n=

95

)

子どもが遊べる空間や憩いの場所を増やし、

暮らしに潤いを与える環境を充実させる

(n=

86

)

中心市街地内へ住宅建設を誘導し、人口を増やす

(n=

54

)

趣味の活動や地域活動しやすい環境を整え、

コミュニティの形成を促進する

(n=

50

)

その他

(n=

13

)

無回答

(n=

47

)

全体(n=482)

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[4]これまでの活性化事業の取り組み

本市において、旧法に基づく認定は受けていないが、長井市第4次総合計画(平成16年度~平成

25年度)に掲げる本市の将来像である「協働・創造・未来の鼓動 実感“ながい”」を実現するた

めに、中心市街地の活性化に向けて以下のような取り組みを進めてきた。

(1)これまで実施した主な事業

① まちなかの賑わいづくりと長井独自の素材を活かした商業と観光のまちづくり

長井商工会議所支援事業

観光連携型まちなか活性化事業

中心市街地活性化推進事業

公園維持管理事業、長井市観光協会事業

広域観光事業、最上川流域観光交流推進事業

最上川フットパス事業

② 生活と産業を支える交通基盤づくり

街路整備事業(都市計画道路 粡町成田線)

フラワー長井線利用拡大事業

山形鉄道経営改善事業

市営バス運行事業

③ うるおいある都市基盤づくり

かわまちづくり推進事業(フットパス、親水空間の整備など)

都市再生整備事業

市営住宅管理事業、国土調査事業

都市公園の管理・整備事業

(2)関係する個別計画

都市計画マスタープラン

かわまちづくり計画

都市再生整備計画

公園施設長寿命化計画

公営住宅長寿命化計画

(3)事業等の成果

① まちなかの賑わいづくりと長井独自の素材を活かした商業と観光のまちづくり

(ア) 商業と観光のまちづくりにおいては、観光資源のネットワーク化と受け入れ態勢の整備に対

応して、その基本的な考え方を「長井市観光振興計画」として平成 25 年度末に策定した。

また、受け入れ態勢の整備に向けて、「観光地域づくりプラットフォーム」を平成 28 年度か

ら組織すべく準備を進めている。この整備により、市内のあらゆる資源を活用した着地型の旅

行商品を各事業者、商店主等が主体となり開発、運用されるほか、観光やまちなかの情報を一

元化して発信するなどの事業を計画している。交流人口のまちなかへの誘導をソフト面からも

推進する手段が用意されつつある。

(イ) 行政・商工会議所・商店街の三者が連携して実施し、観光資源と結びつけたまちなかの演出

などに取り組んでいる。平成21年及び平成23年に空き店舗を活用した駅前案内所「山の下」

や「まちの楽校本町館」「市民直売所菜なポート」をはじめ、長井駅前を中心に民間による多

数の新規創業があった。

(ウ) 置賜さくら回廊をはじめ、花回廊の推進が観光客の増加に結びついている。また、フットパ

スの整備が進み、他地域のフットパス団体と連携し、シンポジウムを開催するなど、広域観光

の推進が図られた。

また、平成22年には、あやめ公園100周年を祝い、「にぎわい市」の開催や「長井古種」

図録の作成等を行った。

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② 生活と産業を支える交通基盤づくり

(ア) 都市計画道路の整備としては山形県施工の街路事業として粡町成田線整備事業が開始され

た。

(イ) 県、沿線市町と協力してフラワー長井線の存続を支援すると同時に、市営バスについては路

線やダイヤの見直しによる効率化を図り、公共交通として一定の効果があった。

③ うるおいある都市基盤づくり

(ア)最上川沿いやまちなかにフットパス、舟通し水路、駅西広場等の親水空間が創出された。

(4)事業等の総合評価

中心市街地の取り組みには、都市再生整備事業や街路事業等のハード整備の他に、長井商工会議

所が窓口となって実施した山形県の「山形チャレンジ創業応援事業」による新規創業支援やかわま

ちづくり推進事業で取り組んだフットパスの整備に合わせたまち歩き等のソフト事業がある。

この間、交流人口の取り込みでは、山形鉄道が長井駅を起点とした団体旅行の誘致等に取り組ん

だ。

このことから新規創業の実績については、市街地の中でも特に長井駅前において、「山形チャレ

ンジ創業応援事業」や「長井市まちづくり基金事業」による支援等により工芸品や飲食等の民間に

よる創業が集中している。

また、まち歩きについても、水路をはじめ歴史的な建造物等を巡る旅行者が市街地の全体に目に

つくようになった。

さらに、長井市の観光の商品・旅行商品づくりや一元的な情報発信を目指す「観光地域づくりプ

ラットフォーム」の設立に向けた準備も進行中で、観光客に対する総合案内の窓口開設への期待が

高まっている。

以上から、市街地ではかつての商業等とは異なる分野での創業があり、また、市街地の資源が見

直されるなど、これまでにない視点からの価値創造が模索されつつある。

その一方で、中心市街地の機能や整備についての状況認識が共有されておらず、市民間で温度差

があることや急速な少子高齢化の進展に施策がおいつかない現状がある。

[5]中心市街地の課題

地域の現状に関する統計的なデータから分析すると、中心市街地の商業等の求心力は低下している

ことは明らかである。一方で長井市は、周辺町からの求心力を依然保っており、公共施設や就業地等

としての必要性は依然として高い。中心市街地の機能に公共施設等の機能は欠かせない。

地域住民のニーズからすると長井市の中心市街地への期待は「交通利便性」と「集客力のある施設」

である。交通の利便性については、公共交通機関と道路環境の双方向で満たしていくことが必要であ

る。集客施設については、大規模小売店舗の希望もある一方で、観光サービスや商店街の店舗等の希

望もある。市民生活のための最寄品の購入に何らかの方法で対応することは不可欠な条件としつつ、

商業基盤となる交流人口の入れ込みにも対応することが求められる。

これまでの事業の取り組みでは、都市再生整備事業等によりハード事業に取り組む一方で、中心市

街地における新たな可能性を模索するためのソフト事業を重点的に行ってきた。その中で、駅前にお

ける新規創業や市街地におけるまち歩き観光等の可能性を示している。

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図表 活性化へ向けての課題の整理

「市民や交流人口が互いに行きかう新たな価値創造が可能な交流拠点の確保」

⇒市民や交流人口が利用する集客施設や公共施設

「中心市街地における新しいビジネスモデルの創出」

⇒空き店舗等を活用し、市民やUJIターン者の商業、飲食、

ITビジネス等の起業

現状 市民意向

(アンケート調査) 活性化の課題

市民と観光客の回遊

性を生み出すまちなか

拠点の必要性

公共交通と道路環境

の整備による都市利便

性の向上

まちなかにおける商品・

サービスを継続すること

の必要性

周辺地域からの求心力

保つ公共施設、就業地

の必要性

活性化への

取り組み課題

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[6]中心市街地活性化の基本方針

(1)長井市第 5 次総合計画が目指す将来像

長井市は、まちなかの現状や取り組みを長井市第 5 次総合計画に反映している。

総合計画においては、人口が減っていく時代であっても、自然環境や文化・産業を大切にしながら、

子供たちが夢と希望を抱き、市民それぞれの「しあわせ」を実現することができるまちを創るとして

いる。

長井市の目指すまちの将来像を次のとおり設定している。

「みんなで創る しあわせに暮らせるまち 長井」

また、上記の目指すまちの将来像を実現するための市街地に関する重点戦略を「にぎわいと働く場

づくり」としている。

この分野における戦略的な視点と目標は、市内の道路や公共施設等の都市機能の整備により、西置

賜の中心市にふさわしい「まちの顔(中心市街地)」を形成するとともに、長井市の魅力を高め、産

業の連携や観光交流の拡大によって新たなにぎわいを生み出すこととしている。

これにより「にぎわい」によって雇用を創出し、地域経済を活性化させることが目標である。

(2)中心市街地活性化のステップ

中心市街地の現状や地域住民のニーズ、中心市街地の課題、長井市第 5次総合計画等を俯瞰して、

中心市街地活性化のための条件を整理する。

市民が中心市街地に求めるものは「交通の利便性と商業施設や観光サービス等による集客力」であ

る。また、中心市街地の課題は、周辺町に対しての拠点性や商業基盤は一定の強さを持っているもの

の低下傾向にあることから、これに代わるものとして、来街者に対応できる交流の拠点となる機能と

新たな視点や発想に基づいたビジネスモデルの創出が課題となっている。

今後中心市街地に「にぎわい」を確保するには、国道 287 号の 1 日に 17,000 台を超える交通量や

山形鉄道の現在でも年間約 64 万人を超え、さらに増加が見込める交流人口を取り込み、まちなかの

商業や観光資源等を活用して、まちなかへの人の流れを生み出すことが必要である。

そのためには、中心市街地の様々な拠点が機能し、にぎわいの創出に役割を果たすことが重要あり、

その主たる役割を次のとおり設定する。

「人、モノ、情報をト・メ・る」

「ト・メ・る」には以下の意味を持ち、「人の流れをまちなかに向ける」ことを目指す。

Step1:「止める・停める・泊める」→ 出会い

長井市の中心市街地の外縁で相当の通過交通のある国道や駅等の

利用者がいったん立ち止まり、中心市街地へ向かうきっかけを作るイメージ。

Step2:「留める」→ 交流

長井市の中心市街地の中で、商業者や各観光

資源等においてまち歩きやその他体験等の交流

機会を提供するイメージ。

Step3:「富める」→ 展開

中心市街地で展開される多様な「交流」の

結果もたらされる経済活動のイメージ。

SStteepp11

SStteepp33

SStteepp22

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(3)中心市街地活性化の基本方針

出会い・交流・展開を充足する中心市街地を目指して、以下のまちづくりを進める。

基本方針Ⅰ 市民と観光客が集い 魅力あるまちづくり

長井市が持つ歴史や文化、自然等の豊富な資源に磨きをかけるとともに、最上川舟運が漂うまちな

み景観や街路等、かつ観光交流センターや複合施設等の拠点整備により、市民が安心して買い物でき

るまちを創り観光客が目的地として足を止め、回遊できる仕組みにより、人・モノ・情報の交流を推

進します。

基本方針Ⅱ 商業活動の活性化と多様な雇用の創出によるにぎわいあるまちづくり

まちづくり会社による商業的な複合施設整備や商店街組織による賑わいづくりなど、個店の魅力を

向上させることにより、まちなみにおける商機能を充実し、より多くの人が楽しめる取り組みを進め、

かつ空き店舗等を活用した新規創業を促し、賑わいと交流のある魅力あふれる中心市街地づくりを進

めます。

基本方針Ⅲ 快適で安全に暮らせるまちづくり

多様な公共公益施設や公共交通が集約されていることを活かし、さらなる生活環境の整備により、

快適なまちづくりを進めるとともに、コンパクトシティを確立し、地域コミュニティ機能を充実させ、

市民みんなが快適な暮らしと楽しく活動できるまちづくり進めます。

(4)まちづくりの推進に必要な要素

① まちづくりに係る明確な目標、展開工程の設定

中心市街地活性化に関して、市民や関係者が具体的なイメージを想起し、各自それぞれが行動を起

こせるような明確な目標を定めることが課題である。その目標に則して、具体的に展開していくた

めの取り組み相互の関係性を明示した工程が必要である。

② まちづくり機会の拡充

(回遊の考え方)

1カ所で完結するのではなく、中心市街地を市民と観光客が観光やショッピングなどで楽しく快適

に回遊できるようなルートやコースの設定が必要である。

(まちなかで提供する機能・商品・サービスレベルの向上)

商業環境は、電子商取引の発達や行動圏域が広域化している。一定の市場で拠点性を確保してきた

長井市の商業等は、中心市街地内で郊外の大型店との競争に耐えられるよう付加価値を高める必要

がある。

(就業・自己実現)

人口減少に歯止めをかけるために、就業機会を維持・増大・多様化していく。市民や来街者が中心

市街地活性化・まちづくりに対して、それぞれが意欲・技能を活かして自己実現する機会を生み出

すことができる環境を整備し、起業創業を促す。

基本方針Ⅰ 市民と観光客が集い 魅力あるまちづくり

基本方針Ⅱ 商業活動の活性化と多様な雇用の創出によるにぎわいあるまちづくり

基本方針Ⅲ 快適で安全に暮らせるまちづくり

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③ 取り組みの先導・牽引役となる組織・仕組みづくりと情報発信

人材や資金、知見等の点から中心市街地活性化・まちづくりの取り組みを先導・牽引していくよう

な組織・仕組みづくりを行う。また、こうした活動を生み出せる人材の育成を図る。

④ 交流拠点となる施設の整備

中心市街地において、市民や観光客の目的地となる観光施設や公共施設の整備を行うとともに、

集客施設へのアクセス道や街路事業、道路等の景観整備など、まち歩きのできる環境を整える。